JP2007277475A - 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性、強度及び柔軟性に優れ、かつリサイクル可能な、燃料電池セパレータ用途に適した熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン、黒鉛及び気相成長炭素繊維を含み、前記ポリプロピレンの含有率が8〜20重量%であって、前記ポリプロピレンの単体での引張降伏強度が34MPa以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。前記ポリプロピレンとしては、単体での引張降伏強度が34MPa以上であって且つ引張破断伸びが300%以上であるもの、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であるもの、及び単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが5〜50%であるものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性、強度及び柔軟性に優れ、リサイクルが可能な燃料電池セパレータ用途に適した熱可塑性樹脂組成物と、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂成形品とに関するものである。
従来、燃料電池セパレータは、黒鉛又は樹脂を含浸させた黒鉛の切削加工により作製されてきたが、切削加工によるものでは、表面に複雑な燃料ガス流路や冷却水流路を形成するための加工コストが高いという欠点があった。そのため、切削加工によらないモールド成形可能なセパレータとして、金属材料を主材としたセパレータや、樹脂に多量の黒鉛等の導電性フィラーを配合してプレス成形したセパレータなどが提案されている。このうち、金属材料を主材としたセパレータは、錆の発生やイオンの溶出による燃料電池出力や長期耐久性の低下などの問題があるため、近年は樹脂系材料の検討が多くなされている。
導電性フィラーを配合した樹脂を用いてセパレータをモールド成形する方法としては、次のような方法が提案されている。
(1)フェノール樹脂に炭素材料を添加してモールド成形した後に炭化焼成する方法(特開2001−143719)
(2)樹脂に多量(樹脂100重量部に対して200重量部以上)の炭素粉末を添加して顆粒状の複合材料を得、これを成形する方法(特開2000−182630)
(3)熱硬化性樹脂に多量(樹脂100重量部に対して250重量部以上)の炭素粉末を混合した複合材料をプレス成形する方法(特開2002−63913)
(4)熱可塑性樹脂にチョップした炭素繊維とカーボンナノチューブを混合した材料を射出成形する方法(特開2002−97375)
特開2001−143719号公報 特開2000−182630号公報 特開2002−63913号公報 特開2002−97375号公報
しかしながら、特開2001−143719に記載される方法では、成形後に炭化焼成する必要があり、黒鉛化工程での寸法収縮が避けられない上、収縮時の歪が残りやすいという問題点がある。また、特開2000−182630に記載される方法では、樹脂に多量の炭素粉末を添加するため、材料の柔軟性が著しく損なわれ、少しの変形でも割れやすいという問題点がある。更に、特開2002−63913に記載される方法では、熱硬化性樹脂を用いるため、材料のリサイクルが困難であるという問題点がある上に、成形時間が長く、成形性に劣るという問題点がある。また更に、特開2002−97375に記載される方法では、チョップした炭素繊維を用いるため、成形品の表面平滑性が損なわれやすいという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、導電性、強度及び柔軟性に優れ、かつリサイクル可能な、燃料電池セパレータ用途に適した熱可塑性樹脂組成物と、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂成形品とを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリプロピレン、黒鉛及び気相成長炭素繊維を含み、上記ポリプロピレンの含有率が特定の範囲にあって且つ上記ポリプロピレンの単体での引張降伏強度が一定以上である熱可塑性樹脂組成物から作製した成形体が、導電性、強度及び柔軟性に優れ、且つリサイクルが可能であり、燃料電池セパレータとして好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン、黒鉛及び気相成長炭素繊維を含み、前記ポリプロピレンの含有率が8〜20重量%であって、前記ポリプロピレンの単体での引張降伏強度が34MPa以上であることを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が34MPa以上であって且つ引張破断伸びが300%以上であることが好ましく、単体での引張降伏強度が34〜40MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であることが更に好ましい。また、前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であることも好ましい。更に、前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが5〜50%であることも好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形品は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものであり、導電性、強度及び柔軟性に優れ、リサイクルが容易である。また、本発明の熱可塑性樹脂成形品は、特に燃料電池セパレータとして有用である。
本発明によれば、導電性、強度及び柔軟性に優れ、かつリサイクル可能な、燃料電池セパレータ用途に適した熱可塑性樹脂組成物と、この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂成形品を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリプロピレン、黒鉛及び気相成長炭素繊維を含み、該ポリプロピレンの含有率が8〜20重量%であって、前記ポリプロピレンの単体での引張降伏強度が34MPa以上であることを特徴とし、導電性、強度及び柔軟性に優れ、かつリサイクルが可能である。ここで、熱可塑性樹脂組成物中のポリプロピレンの含有率が8重量%未満では、該熱可塑性樹脂組成物から得た成形品の曲げ強度が著しく低下し、一方、20重量%を超えると、該熱可塑性樹脂組成物から得た成形品の導電性が低下して体積抵抗が著しく大きくなる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを含むことを要する。ここで、該ポリプロピレンとしては、特に限定されるものではなく、種々の融点及び分子量のものを利用することができる。なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂を含むこともできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いるポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が34MPa以上である。ここで、ポリプロピレンの引張降伏強度は、JIS K7161に準拠して測定することができる。単体での引張降伏強度が34MPa以上であるポリプロピレンを用いることによって、ポリプロピレンの含有率が20重量%以下でも、十分な曲げ強度を確保することができる。
上記ポリプロピレンとしては、単体での引張降伏強度が34MPa以上であって且つ引張破断伸びが300%以上であるものが好ましい。ここで、ポリプロピレンの引張破断伸びは、JIS K7161に準拠して測定することができる。単体での引張降伏強度が34MPa以上であって且つ引張破断伸びが300%以上であるポリプロピレンを用いることによって、導電性を損なわずに更に高い曲げ強度を得ることができる。
また、上記ポリプロピレンとしては、単体での引張降伏強度が34〜40MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であるものが更に好ましい。単体での引張降伏強度が34〜40MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であるポリプロピレンを用いることによって、導電性と曲げ強度のバランスの取れた樹脂組成物を得ることができる。
更に、上記ポリプロピレンとしては、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であるものも好ましい。単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であるポリプロピレンを用いることによって、より一層曲げ強度を高めることができる。
また更に、上記ポリプロピレンとしては、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが5〜50%であるものも好ましい。単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが5〜50%であるポリプロピレンを用いることによっても、曲げ強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる黒鉛は、特に限定されるものではなく、従来、熱可塑性樹脂に導電性を付与するために用いられている黒鉛を用いることができる。該黒鉛は、平均粒径が10μm〜200μmであることが好ましく、30μm〜100μmであることが更に好ましい。なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記黒鉛の含有率は、40〜90重量%の範囲が好ましい。黒鉛の含有率が40重量%未満では、黒鉛による添加効果が十分に得られず、90重量%を超えると、成形性、強度等を損なう原因となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる気相成長炭素繊維は、気相成長法により得られる炭素繊維である。炭素繊維の製造方法は、大きく分けて、固相法、液相法、気相法がある。気相成長炭素繊維は、固相法や液相法で得られる一般的な炭素繊維(ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維)とは異なり、原料気体から直接繊維状に成長させた炭素繊維である。広義には、後述するSWNT、MWNT等のカーボンナノチューブ(CNT)も気相成長炭素繊維に包含されるが、本発明では、気相法を用いて作製されたCNT以外の炭素繊維で且つ直径50nm以上のものを気相成長炭素繊維とする。
上記気相成長炭素繊維の生成法には、大きく分けて、基板法と流動床法の2種類がある。基板法は、金属触媒を基板に直接添付し、これを炉心管内に設置し、電気炉を用いて高温にした状態で炭化水素ガスを流入させ基板上に炭素繊維を生成させる方法である。この方法では、基板上に炭素繊維が生成し、生成した炭素繊維が炉心内部で長時間反応条件下に置かれるため、繊維径が大きくなる。一方、流動床法は、炭化水素ガスと金属触媒とを共に高温下の炉心内部に流入させ、短時間の反応で炭素繊維を生成させる方法であり、繊維径が比較的小さいものが得られる。
本発明で用いる気相成長炭素繊維は、上記いずれの方法により製造されたものであってもよいが、繊維径が50〜200nmの範囲にあることが好ましい。気相成長炭素繊維の繊維径が50nm未満であると、凝集力が大きいためにポリプロピレン中の均一な分散が困難であり、200nmを超えると、ポリプロピレンと複合化した際に高い導電性が得られ難くなる。なお、気相成長炭素繊維の繊維長さは、通常1〜10μm程度であり、アスペクト比(長さ/径比)は、10〜1000程度であることが好ましい。このような、繊維径の細い気相成長炭素繊維を用いることにより、炭素繊維同士のネットワークで、得られる成形品の導電性を高めると共に、強度、柔軟性及び耐久性を向上させることができる。しかも、このような細径の気相成長炭素繊維を用いるため、得られる成形品の表面平滑性も良好なものとなる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記気相成長炭素繊維の含有率は、1〜50重量%の範囲が好ましい。気相成長炭素繊維の含有率が1重量%未満では、気相成長炭素繊維による添加効果が十分に得られず、50重量%を超えると、成形性、強度等を損なう原因となる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、上記黒鉛と気相成長炭素繊維との重量比(黒鉛:気相成長炭素繊維)は、1:4〜100:1の範囲にあることが好ましく、2:1〜10:1の範囲にあることが更に好ましい。この場合、熱可塑性樹脂組成物から、導電性、強度及び柔軟性のバランスに優れた成形品を得ることが容易となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更にカーボンナノチューブ(CNT)を含んでもよい。該カーボンナノチューブは、炭素原子が筒状に結合した巨大分子であり、高い導電性を有する。通常のグラファイトは、蜂の巣状に結合した炭素原子が平面状に広がった層(グラフェンシート)が積み重なってできているが、CNTはグラフェンシートが円筒状に丸まった構造をしており、グラフェンシート1層が筒状になったものを単層CNT(SWNT)、2層以上が同心円状に筒状になったものを多層CNT(MWNT)と呼ぶ。また、SWNT及びMWNTの中でも、直径、グラフェンシートの層数、グラフェンシートの巻き方(キラリティー)等の違いにより、さらに細かく分類される場合もある。CNTの製造方法としては、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法等があるが、本発明に用いるCNTは、上記のいずれの製法で製造されたものでもよく、また、SWNT、MWNTのいずれか1種、若しくは2種以上の混合物でもよい。上記CNTは、アスペクト比(長さ/径比)が10〜1000程度であることが望ましく、また、繊維径が1〜50nmの範囲にあることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物がカーボンナノチューブを含む場合、該カーボンナノチューブの含有率は、0.5〜6重量%の範囲が好ましい。カーボンナノチューブの含有率が0.5重量%未満では、カーボンナノチューブによる添加効果が十分に得られず、6重量%を超えると、成形性、強度等を損なう原因となる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維及び金属繊維などの繊維状充填剤、ワラストナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどのケイ酸塩、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素及びシリカなどの非繊維状充填剤等の1種又は2種以上を配合してもよい。また、より優れた機械的強度を得る目的でこれら繊維状/非繊維状充填剤を、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ系化合物などのカップリング剤で前処理して使用してもよい。
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、染料や顔料などの着色剤、帯電防止剤などの機能剤を添加することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に特に制限は無く、ポリプロピレンに、黒鉛及び気相成長炭素繊維、その他必要に応じて配合される添加成分を一括してドライブレンドした後、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練して製造することができる。また、予めポリプロピレン及び気相成長炭素繊維を溶融押出したペレットと、黒鉛及びその他添加成分とを溶融混練して製造してもよいし、ポリプロピレンに黒鉛を配合してなるマスターバッチと、気相成長炭素繊維及びその他添加成分とを溶融混練して製造してもよい。また、カーボンナノチューブを添加する場合は、ポリプロピレンにカーボンナノチューブを配合してなるマスターバッチを用いることも好ましい。ポリプロピレンに黒鉛及び気相成長炭素繊維を均一に分散混練するために、バッチ式の場合はラボプラストミルミキサを、連続式の場合は2軸押出機による混練等の方法を採用することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂成形品は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものであり、導電性、強度及び柔軟性に優れ、しかもリサイクルが容易である。なお、本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法に特に制限は無く、射出成形、射出圧縮成形、プレス成形などを採用することができる。この場合、ポリプロピレン、黒鉛、気相成長炭素繊維、及びその他必要に応じて配合される添加成分を一括してドライブレンドした後、そのまま射出成形してもよいし、一旦全成分を溶融押出してペレタイズしてから射出成形してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品としては、燃料電池セパレータが特に好適であるが、その他、導電性や帯電防止機能が要求されるパレット、トレイ、包装材料、基板等に用いることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜8及び比較例1〜10)
表1及び表2に示す配合で、東洋精機社製「ラボプラストミルR30」にて各成分を混練して熱可塑性樹脂組成物を製造した後、プレス成形により必要な試験片を作製し、以下の特性評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(1)体積抵抗率
1mm厚みのシート状試験片について、三菱化学社製「ロレスタ」により、4端針法で測定した。
(2)曲げ強度
JIS K6911に準拠して、試験変の強度の指標として曲げ強度を測定した。
Figure 2007277475
Figure 2007277475
*1 ポリプロピレンA:住友精化社製ポリプロピレン「B200」, ポリプロピレン単体の引張降伏強度が35MPa且つ引張破断伸びが500%
*2 ポリプロピレンB:三井化学社製ポリプロピレン「CJ700」, ポリプロピレン単体の引張降伏強度が42MPa且つ引張破断伸びが50%
*3 ポリプロピレンC:日本ポリプロ社製ポリプロピレン「BC6C」, ポリプロピレン単体の引張降伏強度が32MPa且つ引張破断伸びが50%
*4 ポリプロピレンD:日本ポリプロ社製ポリプロピレン「BC6DR」, ポリプロピレン単体の引張降伏強度が23MPa且つ引張破断伸びが400%
*5 黒鉛:新日本テクノカーボン社製「GA40」, 平均粒径50μm
*6 気相成長炭素繊維:昭和電工社製気相成長炭素繊維「VGCF−R」, 平均繊維径150nm
表1より、実施例の試験片は、体積抵抗が15mΩ・cm以下と小さく、曲げ強度が35MPa以上と高く、導電性と強度とが十分に両立されていた。一方、表2より、比較例の試験片は、体積抵抗が20mΩ・cm以上と大きいか、又は曲げ強度が30MPa以下と低く、導電性と強度とが両立されていなかった。

Claims (7)

  1. ポリプロピレン、黒鉛及び気相成長炭素繊維を含み、
    前記ポリプロピレンの含有率が8〜20重量%であって、
    前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が34MPa以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が34MPa以上であって且つ引張破断伸びが300%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が34〜40MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが300%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記ポリプロピレンは、単体での引張降伏強度が40〜45MPaであって且つ引張破断伸びが5〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる熱可塑性樹脂成形品。
  7. 燃料電池セパレータであることを特徴とする請求項6に記載の熱可塑性樹脂成形品。
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