JP2007277217A - 薬剤を均一に封入した生分解性マトリックス - Google Patents
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Abstract
【課題】薬剤の局所投与の際に、必要な期間必要な量の薬剤を放出し、治療後速やかに生体内で分解されることを特徴とする、薬剤を均一に封入した生分解性マトリックスを提供すること。
【解決手段】生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことによって得られる、薬剤を封入した生分解性マトリックス。
【選択図】なし
【解決手段】生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことによって得られる、薬剤を封入した生分解性マトリックス。
【選択図】なし
Description
本発明は、薬剤の徐放のために使用することができる薬剤を均一に封入した生分解性マトリックス、及びその製造方法に関する。特に本発明は、タンパク質などの生体高分子の架橋により製造される生分解性マトリックス、及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、構成成分がすべてアミノ酸からなり、マトリックスが生体内での加水分解により安全に分解、排泄される生分解性のゲルを用いた生分解性マトリックス、及びその製造方法に関する。本発明の薬剤を封入したマトリックスによる薬剤の放出速度はマトリックスの分解速度により調節される。
近年、病巣部位への薬剤の効果濃度を一定に保つための薬剤送達システムが研究されている。病巣部位へ薬剤封入ゲルを埋入し、薬剤の放出を制御する徐放マトリックスが報告されている。生体内で用いる徐放マトリックスは薬剤を一定速度で放出するとともに、作用後体内から速やかに消失することが望ましい。
生体内分解性の薬物封入マトリックスとして、ゼラチンをマトリックスに用いた徐放担体、すなわち、ゼラチンをグルタルアルデヒドで架橋したゼラチンゲル中への薬剤の封入が報告され、細胞増殖因子の徐放による組織再生の点で優れた結果を示している(特開平8−325160号公報、特開2004−203829号公報、及び国際公開WO03/7982号公報など)。この手法は、反応性が高く、毒性のあるグルタルアルデヒドを架橋剤として使用しているため、薬剤封入前にゲルの洗浄とそれに続く凍結乾燥を行っている。薬剤の封入には薬剤を含む水溶液の凍結乾燥体(マトリックス)への含浸を利用しており、薬剤をマトリックス内に均一に封入するのは非常に困難である。さらに、これら上記マトリックスにより放出が示された薬剤の多くが細胞増殖因子等の水溶性薬剤である。また、該マトリックスに難水溶性薬剤を封入する際には、ゼラチンと有機溶剤との親和性が低いことから薬剤の含浸が困難である。
本発明は、薬剤の局所投与の際に、必要な期間必要な量の薬剤を放出し、治療とともにマトリックスが生体内で分解されることを特徴とする、薬剤を均一に封入した生分解性マトリックスを提供することを解決すべき課題とした。特に本発明では、従来技術の問題点であった非分解性部分の存在、薬剤のマトリックス内への均一な封入、および安全性の問題を解決した生分解性マトリックスを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、タンパク質などの生体高分子からなる生分解性マトリックス形成物質の架橋に酵素を利用し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことによって、薬剤を均一に封入した生分解性マトリックスを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことによって得られる、薬剤を封入した生分解性マトリックスが提供される。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質はタンパク質である。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質はコラーゲン又はゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質は、牛、豚又は魚類に由来するゼラチン、である。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質は遺伝子組み換えゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質はコラーゲン又はゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質は、牛、豚又は魚類に由来するゼラチン、である。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質は遺伝子組み換えゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素は、トランスグルタミナーゼ、リシルオキシダーゼ、又はラッカーゼから選択される少なくとも1種以上の酵素である。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素は、微生物由来の酵素又はヒト由来の酵素である。
好ましくは、薬剤は、1−オクタノール/水の分配係数log Pが0〜20である薬剤である。
好ましくは、薬剤は制癌剤、免疫抑制剤、抗アレルギー剤、抗酸化剤、抗血栓剤、または抗炎症剤である。
さらに好ましくは、薬剤は制癌剤である。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素は、微生物由来の酵素又はヒト由来の酵素である。
好ましくは、薬剤は、1−オクタノール/水の分配係数log Pが0〜20である薬剤である。
好ましくは、薬剤は制癌剤、免疫抑制剤、抗アレルギー剤、抗酸化剤、抗血栓剤、または抗炎症剤である。
さらに好ましくは、薬剤は制癌剤である。
好ましくは、本発明の生分解性マトリックスは、生分解性マトリックス形成物質と該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素とを含む水溶液と、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体とを混合し、続いて生分解性マトリックス形成物質をゲル化させることによって得られる。
好ましくは、本発明の生分解性マトリックスは、さらに添加剤を含有する。
好ましくは、本発明の生分解性マトリックスは、ゼラチン、ゼラチンを架橋するトランスグルタミナーゼ、および制癌剤を含む。
好ましくは、本発明の生分解性マトリックスは、さらに添加剤を含有する。
好ましくは、本発明の生分解性マトリックスは、ゼラチン、ゼラチンを架橋するトランスグルタミナーゼ、および制癌剤を含む。
本発明の別の側面によれば、生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行う工程を含む、薬剤を封入した生分解性マトリックスの製造方法が提供される。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質と該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素とを含む水溶液と、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体とを混合する工程、及び生分解性マトリックス形成物質をゲル化させる工程を含む、薬剤を封入した生分解性マトリックスの製造方法が提供される。
好ましくは、水と相溶性の液体はアルコールである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質はコラーゲン又はゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質はコラーゲン又はゼラチンである。
好ましくは、生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素は、トランスグルタミナーゼ、リシルオキシダーゼ、又はラッカーゼから選択される少なくとも1種以上の酵素である。
好ましくは、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体は、薬剤を均一に分散させるための添加剤を含んでいる。
好ましくは、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体は、薬剤を均一に分散させるための添加剤を含んでいる。
本発明では、薬物を封入するためのマトリックスとして生分解性生体高分子内の官能基間の反応による架橋体を利用することにより、従来技術で使用されるグルタルアルデヒドに代表されるような非分解性部分を含まない生分解性マトリックスを作製することが可能になった。本発明においては、生体高分子(例えば、タンパク質)などから構成される生分解性マトリックス形成物質の架橋・ゲル化のために酵素を使用することにより、温和な条件で特異的な架橋を達成でき、ゲル化時に化学的に架橋剤の影響を受けやすい薬剤の封入が可能となった。その結果、マトリックス中に薬剤が均一に分散した薬物封入マトリックスを作製することが可能となった。特に難水溶性の薬剤の放出は、従来の薬剤における基剤−生体間の濃度勾配ではなく、マトリックスの分解速度により主に支配されるため、本発明の生分解性マトリックスにおいては、マトリックスの設計によるマトリックス分解速度の制御により、一定の徐放速度が達成でき,病巣部位での濃度を制御することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。
生体組織は主に細胞と細胞の産生する細胞外マトリックスにより構成されている。細胞外マトリックスは糖やたんぱく質等の組織構成成分である生体高分子が高次に組織化された網目構造を有している。これら生体高分子はそれぞれ固有の物理的、構造的、生物学的に固有の性質を有しているため、組織に特有の力学的強度を与えるとともに、細胞の接着、増殖、分化等の細胞機能に重要な影響を与えている。これら生体高分子の中で、組織に水和環境や力学的性質を付与しているコラーゲンおよびその変性体であるゼラチンは生体適合性、分解性、吸収性を有していることから、医用材料、再生医療材料、および薬物送達システム用媒体として広く利用されている。
生体組織は主に細胞と細胞の産生する細胞外マトリックスにより構成されている。細胞外マトリックスは糖やたんぱく質等の組織構成成分である生体高分子が高次に組織化された網目構造を有している。これら生体高分子はそれぞれ固有の物理的、構造的、生物学的に固有の性質を有しているため、組織に特有の力学的強度を与えるとともに、細胞の接着、増殖、分化等の細胞機能に重要な影響を与えている。これら生体高分子の中で、組織に水和環境や力学的性質を付与しているコラーゲンおよびその変性体であるゼラチンは生体適合性、分解性、吸収性を有していることから、医用材料、再生医療材料、および薬物送達システム用媒体として広く利用されている。
損傷および病的組織を薬剤により治療する際、薬剤は治癒と同時に副作用も併発する。従って、安全に効果濃度に達する量を投与することが重要であり、薬剤を適当な場所に適当な量を送達する薬物送達技術が要求されている。薬剤の局所投与に関しては、マトリックスに薬剤を封入し、薬剤の徐放により薬剤の効果濃度を安全に長時間達成する技術が求められている。本発明は、生体内分解性マトリックスによる薬剤の封入と、マトリックスの分解により薬剤を徐放する組成物およびその製造方法に関する。
本発明では、先ず、生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合する。この混合により、薬剤は、生分解性マトリックス形成物質に対して均一に分散された状態となる。次に、酵素により生分解性マトリックス形成物質の架橋(ゲル化)を行うことにより、薬剤は、架橋により形成される生分解性マトリックス中に、均一に分散した状態で、封入されることになる。即ち、本発明は、生分解性マトリックス形成物質を含む媒体中に薬剤を均一に分散させておき、その状態において生分解性マトリックス形成物質の架橋と、生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことを特徴とするものであり、この特徴により、薬剤を均一に封入した生分解性マトリックスを作製することが可能になった。
本発明で用いるマトリックス形成物質は、架橋のためのリジン残基およびグルタミン残基を有するタンパク質が好ましい。その中で好ましいものは、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、コラーゲン、又はアルブミンなどを挙げることができる。
さらに好ましくは、コラーゲン、ゼラチンおよびその誘導体からなる、最も好ましくはゼラチン架橋物によりなる。本発明で用いられるゼラチンの分子量は好ましくは、3千以上10万以下、さらに好ましくは、1万以上8万以下、最も好ましくは3万以上6万以下である。ゼラチンの濃度はマトリックスの生体内分解性に大きく影響を与える。本発明で用いるゼラチンの濃度は、好ましくは1%から40%、さらに好ましくは3%から30%、最も好ましくは5%から20%である。また、ゼラチンの由来は牛、豚、魚、および遺伝子組み換え体のいずれであってもよい。遺伝子組み換えゼラチンとしては、例えばEU1014176A2号、米国特許第6,992,172号に記載のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、ゼラチン鎖間の架橋を酵素により行う。ゼラチンを架橋する酵素は種々あり、好ましくはリシルオキシダーゼ、ラッカーゼ、およびトランスグルタミナーゼによる、さらに好ましくはリシルオキシダーゼ、およびトランスグルタミナーゼよりなる、最も好ましくはトランスグルタミナーゼによる。
トランスグルタミナーゼは、哺乳類由来のものであっても、微生物由来のものであってもよく、具体的には、味の素(株)製アクティバシリーズ、試薬として発売されている哺乳類由来のトランスグルタミナーゼ、例えば、オリエンタル酵母工業(株)製、Upstate USA Inc.製、Biodesign International製などのモルモット肝臓由来トランスグルタミナーゼ、ヤギ由来トランスグルタミナーゼ、ウサギ由来トランスグルタミナーゼなどが挙げられる。
ゼラチンの物理的性質や生体内分解性は該酵素の濃度により大きく異なる。該酵素の濃度は好ましくは0.0001%から5%、より好ましくは0.001%から3%、最も好ましくは0.01%から2%である。
一方、薬剤のマトリックスへの分散、封入は、まず薬剤を水または水と相溶性のある溶媒に溶解し、該溶液を生体高分子水溶液に滴下、続く生体高分子の架橋ゲル化により達成している。薬剤を封入したマトリックスは体内に埋入するため、生体適合性が高く、かつ種々の薬剤を溶解する溶媒を利用することが好ましい。したがって、本発明で使用する薬剤を溶解する溶媒は好ましくは水またはアルコールである、さらに好ましくはアルコール、 最も好ましくはエタノールである。
本発明では、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体には、薬剤を均一に分散させるための添加剤を添加してもよいし、添加剤は添加しなくてもよい。本発明に利用できる各種の添加剤の具体例として、保湿剤(例えば、カンテン、ジグリセリン、ジステアリルジモニウムヘクトライト、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、へキシレングリコール、ヨクイニンエキス、ワセリン)、柔軟剤(例えば、グリセリン、ミネラルオイル)、エモリエント成分(例えば、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ポリグリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、オレイン酸、オレイン酸グリセリル、カカオ脂、コレステロール、混合脂肪酸トリグリセリド、コハク酸ジオクチル、酢酸ステアリン酸スクロース、シクロペンタシロキサン、ジステアリン酸スクロース、パルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ベヘン酸アラキル、ポリベヘン酸スクロース、ポリメチルシルセスキオキサン、ミリスチルアルコール、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル)、及び経皮吸収促進剤(例えば、エタノール、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸、スクワラン、オレイン酸、メントール、N-メチル-2-ピロリドン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、尿素、植物油、動物油)、防腐剤(例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エチルパラベン、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、メチルパラベン)、色素剤(例えば、カオリン、カルミン、グンジョウ、酸化クロム、酸化鉄)、香料、pH調整剤(例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸)、界面活性剤(例えば、イソステアリン酸ソルビタン、クレモフォーEL、イソステアリン酸ポリグリセリル、ヤシ脂肪酸スクロース)を挙げることができる。
薬剤をマトリックスに封入するには、マトリックスおよび薬剤の親水-疎水性が重要な要因となる。薬剤の親水−疎水性の指標として、フラスコシェイキング法により得られる1−ブタノール/水(pH7.4緩衝溶液)の分配係数の対数比(Log P)が広く用いられている。Log Pが負である親水性薬剤の生体高分子への封入は容易で、既に報告されている。しかし、難水溶性薬剤、すなわちLog P が 1以上の薬剤の生体高分子への均一な封入は生体高分子が親水性であることから困難である。本発明では、封入する薬物のLog Pは好ましくは0以上20以下であり、さらに好ましくは1以上15以下であり、特に好ましくは2以上10以下であり、最も好ましくは3以上5以下である。
薬剤の具体例としては、特には限定されないが、好ましくは、制癌剤、免疫抑制剤(例えば、ラパマイシン、タクロリムス、シクロスポリン)、抗アレルギー剤、抗酸化剤、抗血栓剤、又は抗炎症剤であり、特に好ましくは制癌剤である。本発明で用いることができる制癌剤の具体例としては、ビタミンAの活性代謝物(例えば、トレチノイン);植物アルカロイド薬(例えば、トポテシンやカンプト(CPT)、タキソール(パクリタキセル)(PTX)、タキソテール(DTX));抗男性ホルモン薬(例えば、ビカルタミドやフルタミド);女性ホルモン薬(ホスフェストロール、メストラノール、酢酸クロルマジノン);抗エストロゲン薬(クエン酸タモキシフェンやクエン酸トレミフェンなど);黄体ホルモン薬(例えば、酢酸メドロキシプロゲステロン);などが挙げられるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
本発明の生分解性マトリックスは、例えば、以下の方法により製造することができる。ゼラチンなどの生分解性マトリックス形成物質、及び該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素(例えば、トランスグルタミナーゼなど)を含むPBS溶液に、薬剤を含むエタノール溶液などの水に相溶性の溶液を加え、溶液全体に薬剤を分散させる。次いで、該溶液を、例えば25℃で1〜24時間程度静置することにより、内部にパクリタキセルが均一に分散した生分解性マトリックスを作成することができる。例えば、生分解性マトリックス形成物質としてゼラチンを使用する場合には、生分解性マトリックスとして架橋ゼラチンゲルが形成される。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の生分解性マトリックスは、生分解性マトリックス形成物質、及び薬剤のみから構成することができる。
本発明において、生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行う際に使用する容器の形状や大きさは特に限定されず、任意の形状及び大きさを有する容器を用いて架橋と封入を行うことができる。容器の大きさは例えば、100μLから100L、好ましくは200μLから10mL程度である。このような容器を用いて作成される本発明の薬剤を封入した生分解性マトリックスの形状及び大きさは、使用した容器の形状及び大きさに応じたものとなり、特に限定されるものではない。また、上記したような所定の形状及び大きさの容器で作成された生分解性マトリックスを容器から取り出し、所望の形状及び大きさに裁断してから使用に供することも可能であり、本発明の薬剤を封入した生分解性マトリックスの形状及び大きさは、特に限定されるものではない。
本発明の生分解性マトリックスは、薬剤の徐放がマトリックスの分解に依存することを特徴とする。即ち、本発明の生分解性マトリックスにおいては、マトリックスの設計によるマトリックス分解速度の制御により、一定の徐放速度を達成することができ、これにより病巣部位での濃度を制御することが可能である。
本発明の生分解性マトリックスは例えば癌の治療に使用できる。癌部位に抗癌剤を含んだ固体あるいは半固体状のマトリックスを癌部位に埋め込むことで、抗癌剤がマトリックスの分解により徐放され、局所の薬剤を高濃度に維持することができる。該マトリックスは好ましくは固体状であることが望ましい。また、別の形態によると、該マトリックスを皮膚表面あるいは癌近辺の皮膚に貼りつけ、封入した該薬剤を皮膚表面の癌に直接作用、あるいは経皮吸収させて作用させることもできる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例:パクリタキセル封入ゼラチンゲル
実施例1:ゼラチンへの薬剤の封入方法
酸処理ゼラチン(PSPゼラチン、ニッピ製)(6.67%)、トランスグルタミナーゼ(アクティバTG-S, 0.08%)を含むPBS溶液(750μL)にパクリタキセルを含むエタノール溶液(0.1 mg/mL)を250μL加え、溶液全体にパクリタキセルを分散させた。該溶液を25℃で17時間静置し、内部にパクリタキセルが均一に分散した架橋ゼラチンゲルを作成した。
実施例1:ゼラチンへの薬剤の封入方法
酸処理ゼラチン(PSPゼラチン、ニッピ製)(6.67%)、トランスグルタミナーゼ(アクティバTG-S, 0.08%)を含むPBS溶液(750μL)にパクリタキセルを含むエタノール溶液(0.1 mg/mL)を250μL加え、溶液全体にパクリタキセルを分散させた。該溶液を25℃で17時間静置し、内部にパクリタキセルが均一に分散した架橋ゼラチンゲルを作成した。
実施例2:薬剤の放出性
パクリタキセル封入ゼラチンゲル(ゼラチン:5%、TG-S:0.8%、エタノール25%(v/v)、ゲル体積:1 mL、パクリタキセル濃度: 0.025 mg/mL)を1.5 mLのチューブ(φ=8 mm)の底に留置した。ゲルの上部にPBSを400μL加えローテーターにて37℃で回転させた。所定期間(1, 3, 5, 7日)後に溶液をそれぞれ100 μL抜き取り(同量のPBSをチューブに追加)、5 mLのアセトンに加え、遠心分離した。該上澄み液の227 nmの波長の吸光度(ε=3.27x104 M-1cm-1)をUV-vis.分光計により測定し、溶液に放出されたパクリタキセルの総量を調べた。パクリタキセルの放出量は時間の経過に従って増加したが、7日後でも封入したパクリタキセルの約2%であった(図1)。7日後、該溶液を抜き取り、ゼラチンを分解する酵素であるサーモライシン(5 μM)を400μL添加すると、ゲルが経時的に分解され、6時間後には約60%のゲルが分解された。また、放出されたパクリタキセル量はゲルの分解量とほぼ一致し、6時間後には約60%のパクリタキセルの放出を認めた(図1)。該パクリタキセル封入ゼラチンゲルからのパクリタキセルの放出量はゲルの分解速度に依存していると言える。
パクリタキセル封入ゼラチンゲル(ゼラチン:5%、TG-S:0.8%、エタノール25%(v/v)、ゲル体積:1 mL、パクリタキセル濃度: 0.025 mg/mL)を1.5 mLのチューブ(φ=8 mm)の底に留置した。ゲルの上部にPBSを400μL加えローテーターにて37℃で回転させた。所定期間(1, 3, 5, 7日)後に溶液をそれぞれ100 μL抜き取り(同量のPBSをチューブに追加)、5 mLのアセトンに加え、遠心分離した。該上澄み液の227 nmの波長の吸光度(ε=3.27x104 M-1cm-1)をUV-vis.分光計により測定し、溶液に放出されたパクリタキセルの総量を調べた。パクリタキセルの放出量は時間の経過に従って増加したが、7日後でも封入したパクリタキセルの約2%であった(図1)。7日後、該溶液を抜き取り、ゼラチンを分解する酵素であるサーモライシン(5 μM)を400μL添加すると、ゲルが経時的に分解され、6時間後には約60%のゲルが分解された。また、放出されたパクリタキセル量はゲルの分解量とほぼ一致し、6時間後には約60%のパクリタキセルの放出を認めた(図1)。該パクリタキセル封入ゼラチンゲルからのパクリタキセルの放出量はゲルの分解速度に依存していると言える。
実施例3:ゲルの生体適合性および分解性
ゼラチンゲルの生体内での分解性の評価は既報であるグルタルアルデヒド架橋ゼラチンの手法を元に行った(Biomaterials 20 2169-2175, 1999)。ゼラチンゲル(5 cm x 5 cm x 1.8 mm)をマウス(22-24 g、6週令、メス)の皮下組織に埋入した。所定期間(3、7、14、20、25、30、35日)後に、(1)ゲル周辺組織を取り出し、ホルマリンで固定化、切片作成した後、ヘマトキシリン−エオシン染色した標本を光学顕微鏡観察することで、組織の炎症や石灰化の有無を調べ、(2)ゲルの重量を測定することにより、ゲルの生体適合性と分解性を評価した。ゲル周辺には7日後まで移植操作に伴う軽微な炎症を認めたのみで、分解するまで周辺組織の顕著な炎症や石灰化を認めず、該ゲルの生体適合性が高いことを示した。また、ゲルの重量変化は組織による分解と宿主組織の侵入の相殺により得られるため、直線的な減少は得られなかったが、時間の経過に従って減少しゲルの種類により3−4週間で消失し(図2、表1)、コントロールとしたグルタルアルデヒド架橋ゼラチンと同程度の分解性を示した。
ゼラチンゲルの生体内での分解性の評価は既報であるグルタルアルデヒド架橋ゼラチンの手法を元に行った(Biomaterials 20 2169-2175, 1999)。ゼラチンゲル(5 cm x 5 cm x 1.8 mm)をマウス(22-24 g、6週令、メス)の皮下組織に埋入した。所定期間(3、7、14、20、25、30、35日)後に、(1)ゲル周辺組織を取り出し、ホルマリンで固定化、切片作成した後、ヘマトキシリン−エオシン染色した標本を光学顕微鏡観察することで、組織の炎症や石灰化の有無を調べ、(2)ゲルの重量を測定することにより、ゲルの生体適合性と分解性を評価した。ゲル周辺には7日後まで移植操作に伴う軽微な炎症を認めたのみで、分解するまで周辺組織の顕著な炎症や石灰化を認めず、該ゲルの生体適合性が高いことを示した。また、ゲルの重量変化は組織による分解と宿主組織の侵入の相殺により得られるため、直線的な減少は得られなかったが、時間の経過に従って減少しゲルの種類により3−4週間で消失し(図2、表1)、コントロールとしたグルタルアルデヒド架橋ゼラチンと同程度の分解性を示した。
実施例4:マトリックス中の薬剤の粒径
パクリタキセルを含むエタノール溶液(パクリタキセル濃度:0.1 mg/mL、2 mL)をゼラチン水溶液(6.67%、6 mL)に加え、動的光散乱により粒径を測定すると、ゲル中で数十nmから500 nmの粒子が分散した(図3)。該分散液の粒径は2日間変化しなかった。
パクリタキセルを含むエタノール溶液(パクリタキセル濃度:0.1 mg/mL、2 mL)をゼラチン水溶液(6.67%、6 mL)に加え、動的光散乱により粒径を測定すると、ゲル中で数十nmから500 nmの粒子が分散した(図3)。該分散液の粒径は2日間変化しなかった。
実施例5:薬効(CAMアッセイ)
パクリタキセル封入ゼラチンゲルの薬効はニワトリ胚のCAMアッセイは既報(Pharmaceutical Research 13(3) 368-375, 1996)に従って評価した。受精した家禽の卵をあらかじめ4日間インキュベーション(37℃、5%CO2、飽和水蒸気)し、続いて2日間卵殻無しでインキュベーション(37℃、3%CO2、湿度90%)した。この絨毛尿膜上でパクリタキセル封入ゼラチンゲル(パクリタキセル濃度:10μg/mL、1μg/mL、0μg/mL、1 cm x 1 cm x 1 mm)を留置した。2日後、脈管構造を実体顕微鏡により観察し、ゲルから半径4 mm以上血管新生していないか否かで薬効を評価した。パクリタキセル封入していないゲルでは血管新生を認めたが、パクリタキセル封入ゲルを作用させた部位ではパクリタキセル濃度によらず有意な血管新生阻害を認めた(表2)。
パクリタキセル封入ゼラチンゲルの薬効はニワトリ胚のCAMアッセイは既報(Pharmaceutical Research 13(3) 368-375, 1996)に従って評価した。受精した家禽の卵をあらかじめ4日間インキュベーション(37℃、5%CO2、飽和水蒸気)し、続いて2日間卵殻無しでインキュベーション(37℃、3%CO2、湿度90%)した。この絨毛尿膜上でパクリタキセル封入ゼラチンゲル(パクリタキセル濃度:10μg/mL、1μg/mL、0μg/mL、1 cm x 1 cm x 1 mm)を留置した。2日後、脈管構造を実体顕微鏡により観察し、ゲルから半径4 mm以上血管新生していないか否かで薬効を評価した。パクリタキセル封入していないゲルでは血管新生を認めたが、パクリタキセル封入ゲルを作用させた部位ではパクリタキセル濃度によらず有意な血管新生阻害を認めた(表2)。
実施例6:遺伝子組み換えゼラチン
上記実施例の酸処理ゼラチンに代えて遺伝子組み換えゼラチン(100kD、フィブロジェン社製)を使用しても同様に良好な結果が得られた。
上記実施例の酸処理ゼラチンに代えて遺伝子組み換えゼラチン(100kD、フィブロジェン社製)を使用しても同様に良好な結果が得られた。
Claims (19)
- 生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行うことによって得られる、薬剤を封入した生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質がタンパク質である、請求項1に記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質がコラーゲン又はゼラチンである、請求項1又は2に記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質が、牛、豚又は魚類に由来するゼラチン、である、請求項1から3の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質が遺伝子組み換えゼラチンである、請求項1から3の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素が、トランスグルタミナーゼ、リシルオキシダーゼ、又はラッカーゼから選択される少なくとも1種以上の酵素である、請求項1から5の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素が、微生物由来の酵素又はヒト由来の酵素である、請求項1から6の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 薬剤が、1−オクタノール/水の分配係数log Pが0〜20である薬剤である、請求項1から7の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 薬剤が制癌剤、免疫抑制剤、抗アレルギー剤、抗酸化剤、抗血栓剤、または抗炎症剤である、請求項1から7の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 薬剤が制癌剤である、請求項1から7の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質と該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素とを含む水溶液と、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体とを混合し、続いて生分解性マトリックス形成物質をゲル化させることによって得られる、請求項1から10の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- さらに添加剤を含有する、請求項1から11の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- ゼラチン、ゼラチンを架橋するトランスグルタミナーゼ、および制癌剤を含む、請求項1から12の何れかに記載の生分解性マトリックス。
- 生分解性マトリックス形成物質、該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素、及び薬剤を混合し、生分解性マトリックス形成物質の架橋と生分解性マトリックスへの薬剤の封入とを同時に行う工程を含む、薬剤を封入した生分解性マトリックスの製造方法。
- 生分解性マトリックス形成物質と該生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素とを含む水溶液と、薬剤を含む水又は水と相溶性の液体とを混合する工程、及び生分解性マトリックス形成物質をゲル化させる工程を含む、薬剤を封入した生分解性マトリックスの製造方法。
- 水と相溶性の液体がアルコールである、請求項15に記載の方法。
- 生分解性マトリックス形成物質がコラーゲン又はゼラチンである、請求項14から16の何れかに記載の方法。
- 生分解性マトリックス形成物質を架橋するための酵素が、トランスグルタミナーゼ、リシルオキシダーゼ、又はラッカーゼから選択される少なくとも1種以上の酵素である、請求項14から17の何れかに記載の方法。
- 薬剤を含む水又は水と相溶性の液体が、薬剤を均一に分散させるための添加剤を含んでいる、請求項14から18の何れかに記載の方法。
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