JP2007277046A - ホルミジウムの単藻大量培養方法、このホルミジウムを含有する液体肥料、及びその施肥方法 - Google Patents

ホルミジウムの単藻大量培養方法、このホルミジウムを含有する液体肥料、及びその施肥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
土壌藍藻ホルミジウムを簡便かつ安価に大量培養する方法、及び、この培養方法で得られたホルミジウムを含有する液体肥料を提供する。
【解決方法】
火成岩粉末および粘土を主成分とし、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥と、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土、および隆起サンゴ粉末を混合した土壌改良剤の抽出液である第1培養液に、ホルミジウムを移植後、静置培養による1次培養を行い、1次培養にて増殖したホルミジウムを、第1培養液と同じ成分からなる第2培養液に分植後、静置培養による2次培養を行う。
得られたホルミジウムの乾燥態を前記抽出液に付帯させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、土壌改良剤の抽出液を利用し土壌藍藻であるホルミジウム(Phormidium)を簡便かつ安価に大量培養する方法と、この方法で得られたホルミジウムを含有する液体肥料とその施肥方法に関する。
作物の成長促進剤に関しては、従来、様々な提案がなされており、その多くは化学合成された薬剤を希釈して散布する方法であった。
しかし、最近は、堆肥や自然の有機肥料を使用する有機農法が盛んになり、人体の健康や環境面に影響を与えることのないものを開発する試みがなされている。
水田に藍藻をまくと収穫率が向上することは、かつて日本で研究されていたが、化学肥料の普及に伴い研究は中断され、もっぱらインドなどで開発研究が受け継がれ、実践が行われてきた。しかし、近年の報告は少ない。
水田における藍藻添加の目的は、藍藻の窒素固定能を利用した窒素の補給と考えられていたが、現在は作物と土壌微生物との幅広い物質交換の研究がすすめられ、藍藻による作物の成長促進効果も窒素だけではないと考えられるようになって来ている(≪非特許文献1≫及び≪非特許文献2≫参照)。
また、土壌に生育する藍藻や微生物の増殖を促し、それによって高カルシウム作物が得られるというピロール農法が提案されている(≪非特許文献3≫参照)。ピロール農法に使われる資材は、糞尿などの有機物を生石灰および微量要素とともに独自の方法で混合し、アルカリ化したものである。このため、ピロール農法は、悪臭が著しく、生産者の手が炎症を起こすなど生産者にとって扱いにくい面が多々あった。なお、この方法で増殖促進が行われる藍藻は特定されていない。
一方、土壌藻類を培養し高吸水性樹脂と一体化したものを、荒廃土壌や砂漠化土壌に散布することで、これらの土壌を植物生育が可能な耕地に転換する土壌改良法が提案されている(≪特許文献1≫参照)。この方法は、吸水性樹脂が自重の500〜1000倍の水を吸収するため、乾燥により高塩類濃度化した土壌であっても藻類の生育を促すことが可能とされている。しかし、この方法では、アナベナ(Anabaena)やノストック(Nostoc)に関しては試験されているものの、ホルミジウムについては触れられていない。
生きているホルミジウムには、自身の分泌物質により、基物に付着したり、互いに付着し合い塊(以下、この塊を「マット」とも言う)を形成する特性がある。このため、生きたホルミジウムが懸濁された状態の液体肥料においては、例えば、該液体肥料の収納容器や散布器の底面に凝集付着してしまうため、散布器に入れる前や施肥直前などに撹拌する必要が生じており、取扱い(施肥はもとより、保存、運搬、販売など)に関する改良が望まれ、この要望に応じた開発が急務となっている。
ところが、ホルミジウムは細胞が直列した糸状体(トリコーム)を形成し、分泌した粘液物質によって基物に付着し増殖するので、クロレラ等の微細藻類に用いられる液体懸濁培養法(液体培地を用いて撹拌または振盪しながら行う培養法)は不可能である。同時に、ホルミジウムは原核生物であるので抗生物質等は用いられず、純粋培養は困難であり、大量培養の方法は確立されていないのが現状である。例えば、非特許文献4では、前述のノストックで球状に生育するコロニーを液体通気培養法(液体培地に酸素や混合ガスを強制通気しながら培養する方法)で増殖させる方法が提案されている。しかし、この方法は、図1に示すような付着性の糸状群体を形成するホルミジウムでは有効ではなく、大量培養にはつながっていない。
「Blue-green algae for rice production. A manual for its promotion.」 Venkataraman GS(1981) FAO Bulletin No.46 FAO Rome 「Soil and Rice Field. In The Ecology of Cyanobacteria. P.233-255」 B.A.Whitton(2000) Kluwer Academic Publishers 「高カルシウム作物を作るピロール農法」 酒井弥著(1996)農文協 「土壌圏の創生とラン藻」大森正之、犬伏和之著(2004) 化学と生物 特開平6−80490号公報
本発明は、土壌改良剤の抽出液を使用して、土壌藍藻ホルミジウムを簡便かつ安価に大量培養する方法を提供することを課題とする。また、この培養方法で得られたホルミジウムを含有する液体肥料であって、農業や林業の生産者が簡便にかつ快適に取り扱うことのできる施肥方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、火成岩粉末および粘土を主成分とし、それに完熟堆肥や堆積土、隆起サンゴ粉末などを混合した土壌改良剤を開発し、この熱水抽出液を培養液として用いると、ホルミジウムの成長が促進されることに着目し、
1)この土壌改良剤の抽出液と、ホルミジウムの特性(土壌や他の微生物を排除しながら、分泌する粘液物質によって互いに凝集しながら増殖する性質)とを利用して大量培養する方法を見出し、さらに、
2)藍藻は環境に対する抵抗性が強く、乾燥状態で生存可能であるため、ホルミジウムの乾燥態を作成し、これを上記抽出液に付帯させた液体肥料とすることをも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)火成岩粉末および粘土を主成分とし、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土、および隆起サンゴ粉末を混合した土壌改良剤の抽出液を第1培養液とし、該第1培養液に、土壌表層より採取したホルミジウムを移植後、静置培養による1次培養を行い、1次培養にて増殖したホルミジウムを土壌および他の微生物から単離し、第1培養液と同じ成分からなる第2培養液に移植後、静置培養による2次培養を行う、ことを特徴とするホルミジウムの単藻大量培養方法。
(2)前記土壌改良剤が、火成岩粉末および粘土100重量部に対し、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥1〜50重量部と、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土および隆起サンゴ粉末の混合物1〜50重量部とを、配合・混合したものであることを特徴とする(1)に記載のホルミジウムの単藻大量培養方法。
(3)前記第1、第2培養液が、前記土壌改良剤を水と混合攪拌後、静置した上清であって、火成岩粉末、粘土および隆起サンゴ粉末から溶出したミネラルと、完熟堆肥土および堆積土中に含まれる土壌微生物及びその代謝産物からの抽出物を含み、少なくとも、
カルシウム(Ca)10〜100mg/L(リットル)
窒素(N)10〜100mg/L(リットル)
ナトリウム(Na)1〜50mg/L(リットル)
カリウム(K)1〜50mg/L(リットル)
マグネシウム(Mg)1〜50mg/L(リットル)
を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のホルミジウムの単藻大量培養方法。
(4)前記抽出液をA剤、および、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法で得られたホルミジウムの乾燥態をB剤、としてなることを特徴とする液体肥料。
(5)(4)に記載のホルミジウムを含有する液体肥料の施肥方法であって、ホルミジウムの乾燥態0.2乃至0.5gを、前記抽出液1L(リットル)に対して配合し、直ちに散布することを特徴とする施肥方法。
を提供することが出来る。
本発明のホルミジウムの大量培養方法により土壌藍藻ホルミジウムを簡便かつ安価に大量培養することが可能となる。
また、本発明の大量培養方法で得られたホルミジウムを含有する液体肥料の施肥方法は、農業や林業の生産者が簡便にかつ快適に実施することができるものである。この施肥方法を行うことで、休眠状態から復活したホルミジウムが植物の毛根表面にマットを形成しつつ増殖し、毛根から吸収されたホルミジウムによる生理活性物質(植物ホルモンなど)が植物の成長を促進すると推測され、このような藍藻ホルミジウムの根圏での増殖により、農作物の品質向上、疲弊した森林の回復、などが達成され得ることは実験結果より明らかである。
本発明者等は、火成岩粉末および粘土を主成分とし、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥と、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土、および隆起サンゴ粉末を混合した土壌改良剤が、植物の成長を促進することを見出した。
この火成岩粉末および粘土については、例えば、岡山県真庭市内で採取したものを好適に使用することができる。また、完熟堆肥については、植物性原料の藁、糠、苅草を含むものが好ましい。
このような土壌改良剤における配合比としては、火成岩粉末および粘土100重量部に対し、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥を1〜50重量部、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土および隆起サンゴ粉末の混合物を1〜50重量部、分散混合したものが好ましい。
また、土壌改良剤の形態は、粉剤(固体)でも液剤(液体)でもよい。
土壌改良剤から抽出液を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、純水1Lに対し10gの該土壌改良剤を浸した後、適時撹拌しながら一定期間静置した上清を抽出液とすればよい。抽出温度については、高すぎると、抽出液の有効成分が分解するなどの懸念があり、低すぎると、長い抽出時間を要するため、10〜100℃が好ましく、手間とコストを省くうえで室温(25℃程度)がより好ましい。抽出時間については、長ければ長いほど藍藻や作物の成長に有益な成分の濃度が高まるが、実用上は、20〜24時間程度で十分である。
本発明では、このようにして得られる抽出液が、少なくとも、カルシウム(Ca)10〜100mg/L、窒素(N)10〜100mg/L、ナトリウム(Na)1〜50mg/L、カリウム(K)1〜50mg/L、マグネシウム(Mg)1〜50mg/L、を含むことが好ましく、その他のミネラルとして鉄(Fe)やリン(P)等も微量1mg以下程度含むことが望ましい。
本発明のホルミジウムの大量培養方法では、このような抽出液である第1培養液にホルミジウムを移植後、静置培養による1次培養を行い、1次培養にて増殖したホルミジウムを、第1培養液と同じ成分からなる大量の第2培養液に分植し、静置培養による2次培養を行うことが重要である。
第1培養液による1次培養の目的は、土壌から採取したホルミジウムを、混在する土や他の微生物から分離して純粋に取り出すことであり、第2次培養で、純粋に取り出したホルミジウムを実用化できる状態まで増殖させる。第2次培養は大量培養であるため、大量の第2次培養液を必要とし、多数の2次培養容器を用い、各々に適宣のホルミジウムを分植し、静置培養すればよい。
また、ホルミジウムは液体中に浮遊させないほうが増殖しやすいうえ、光合成を行うため空気と接する液表面積が広い方がよいので、1次、2次培養容器としては、いずれも液深の浅い(具体的には、液深が1〜2cm程度、)平型容器が適している。
このように、懸濁培養や通気培養ではなく静置培養(液体培地を撹拌・振盪せずに静置した状態で培養する方法)を用いることによって、ホルミジウムを容器に付着させて、増殖させることができる。また、静置培養を2回繰り返すことによって、より確実に土壌や異物が排除され、抗生物質等を用いなくとも、大量の純粋培養が可能となる。
本発明の培養に用いられるホルミジウムについては、雨後、緑色化する土壌の表面を剥ぎ取り、これを顕微鏡で観察し、ホルミジウムであることを確かめた上、第1次培養に移す。本発明で使用したホルミジウムは岡山県真庭市内で採取したものである。また、長期、室内培養で保持されているものは、活性が弱いので、逐次土壌から採取して、1次培養したものを用いる。
本発明のホルミジウムを含有する液体肥料の施肥方法は、上記大量培養方法で得られたホルミジウムの乾燥態0.2〜0.5g(乾燥重量)を、前述の抽出液1Lに対して配合し、直ちに散布することが好ましい。抽出液1Lに対して配合されるホルミジウムの乾燥態は、少なすぎると、作物の毛根にマットを形成するのに長時間を要し、作物の成長促進に十分な効果を与えられず、多すぎても、作物の成長促進効果は飽和してしまうため、本発明では、上記範囲内が好ましい。
ホルミジウムの乾燥態は、本発明の大量培養方法で得られたホルミジウムを、自然乾燥させても、乾燥機などで強制乾燥させてもよい。ホルミジウムは乾燥に十分耐え得るので休眠状態となる。保存や運搬のしやすさを考慮し、この乾燥態を粉末とすることが好ましい。この乾燥態を保存する条件としては、プラスチック製の袋等に充填し密封し、大気中の湿気を遮断して保存することが、簡便であり、また運搬や取り扱いのしやすさなどからも、好ましい。
本発明の施肥方法では、上記配合割合にて、ホルミジウムの乾燥粉末態を、該抽出液に使用(散布)直前に混入し、よく攪拌後散布すればよい。このように、使用直前に抽出液に混入させることで、抽出液中で塊を形成したり、散布器の底面に凝集することが確実に防止できる。
本発明では、抽出液をA剤とし、ホルミジウムの乾燥態をB剤とし、A/Bが10000重量部/2〜5重量部の配合比の範囲の中から、施肥方法や施肥場所、対象作物に応じて適宜選択し、液体肥料として提供することも可能である。
本発明の液体肥料の散布方法としては、特に限定されず、一般的なジョウロや散布器を用いればよく、散布後の土壌には本発明の液体肥料のほかに十分な水を補給してホルミジウムの増殖を促すこともできる。
本発明の液体肥料を使用しうる田畑、森林は特定の条件を必要としないが、概して既存の栄養添加の少ない土壌で効果的であり、著しく貧栄養の砂丘砂でもよくその効果が表われることが実証されている。
<抽出液の作成>
岡山県真庭市内で採取する火成岩粉末および粘土を主成分とし、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟した完熟堆肥、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土、および隆起サンゴ粉末を分散混合させた土壌改良剤として、市販されている“銀河の星((株)みどり共生製)”を用いた。
上記土壌改良剤を、室温25℃以上の純水に1Lあたり10gの割合で浸し、適時攪拌しながら24時間放置し、濾過した上清を、ホルミジウムの大量培養方法における「第1培養液」、「第2培養液」、及び、ホルミジウムの乾燥態を付帯させる「液体肥料」とする。
<土壌からのホルミジウムの採取>
土壌(雨後、ホルミジウムが土壌表層にあらわれて緑化がみられる土壌)に、“銀河の星”を、土壌/“銀河の星”が1/100(重量比)程度となるように混入し十分な純水を与えて、直射日光を避けた自然光下に、2週間ほど放置すると、土壌表面に緑色の皮膜となってホルミジウムが増殖する。図2に、土壌表面上に増殖したホルミジウムを示す。
<1次培養>
このようにして得られた皮膜状のホルミジウムは、容易に剥がれるので、これを土壌表面から剥がし採り、前述の第1培養液に移す。
およそ3mm3のホルミジウム塊に対し、20〜30mL(ミリリットル)程度の培養液とすることが好ましい。
培養の容器としては、液深の浅い平型容器、具体的には、シャーレ、透明ふた付きバットなどが好ましい。
培養条件としては、直射日光を避けた自然光下が好ましく、培養温度は20〜30℃、好ましくは25℃(室温)程度であり、培養期間は2週間程度である。ホルミジウム塊は培養容器の底面に一層になって広がり増殖する。
<2次培養>
1次培養にて増殖した薄層状および塊状のホルミジウムのみを、剥がしとって小塊とし、前述の第2培養液に移植する。図3に、第2培養液が入ったシャーレ(約30個)に分植されたホルミジウムを示す。
移植ホルミジウムに対する培養液の量、好ましい培養容器、及び、好ましい培養条件は、上記1次培養と同様である。
図4に、第2培養液に分植してから14日後の単藻培養として得られたホルミジウムを示す。1次培養後のホルミジウム小塊約0.1g(湿重量)から、14日後に5〜10g(湿重量)の純粋なホルミジウムが収穫された。
ホルミジウムの大量培養には、平面上に薄型シャーレを100個の単位で配置し、温度22℃、直射日光はさけた自然光で培養を行い、2週間毎に新たな培養を行い常時ローテーションで大量収穫を得る。
<ホルミジウムの乾燥態の作成>
得られたホルミジウムを室温で乾燥させた、2日、5日、15日、20日のそれぞれの乾燥期間ののち、第1、第2次培養液と同じ培養液に戻して培養すると、いずれも1週間後には、復活した。しかし、20日間乾燥したものは復活の遅延がみられたので、約2週間までの乾燥体を用いるのが好ましい。乾燥体は、直射日光を避けた常温下で保存した。
<ホルミジウムを含有する液体肥料の施肥>
ホルミジウム乾燥粉末5gを、散布の直前に前述の液体肥料10Lに混入し、よく攪拌して散布器に入れ、目的土壌に散布した。散布後の土壌には十分な水を補給した。
検討例
岡山県真庭市内で採取する火成岩粉末および粘土を主成分とし、完熟堆肥等を混合した土壌改良剤、“銀河の星((株)みどり共生製)”を用いた。
この“銀河の星”(粉剤)から抽出液を得る最良条件としての抽出温度と時間を検討した。水1Lあたり“銀河の星”10gの割合で、それぞれ表1に示す条件下で抽出を行い、それぞれの抽出液を滅菌砂丘砂に注入し、小松菜を播種し、実生の成長を比較した。結果を表1に示す。なお、表1中+は成長の度合いを示し、+が多いほど成長が良好であることを示している。
表1に示したように、抽出には、抽出温度ではなく、浸漬時間すなわち抽出時間が強く影響することがわかり、室温程度であっても6時間以上の長時間の浸漬を行えば効果的であることがわかった。実用的には、室温で6〜20時間程度の浸漬処理を行えばよい。
実施例1
“銀河の星”(粉剤)100gを純水10Lに浸し、20時間室温25℃に保ち、その後、濾過して上清を得た(以下、これを「Gex」とする)。
このGex20mLに、本発明の大量培養方法にて培養したホルミジウムの乾燥態を、表2に示す量で混入し、直ちに滅菌砂丘砂60mLに散布した。ホルミジウムを加えない場合を比較例とした。
それぞれに小松菜種子は24時間水に浸した後10粒づつ蒔き、水分のみを補給しながら自然光下、常温で2週間保ち、2週間後の小松菜実生の成長をホルミジウムの有無について比較した。結果を表2に示す。
小松菜実生の成長効果については、比較例のものを基準とした。
いずれも小松菜実生は成長したが、表2および図5に示すようにホルミジウムの有無について、明らかな成長の差異が生じた。
また、小松菜実生の毛細根について、DAPI染色による蛍光顕微鏡観察を行った。この結果は、クロロフィルの自家蛍光で赤色の糸に見えるホルミジウムは、自身が分泌した粘液物質(凝集素であるレクチン用物質)等により毛細根の表面に配列しマットを形成しており、抽出液Gexを加えた場合は、抽出液Gexを加えない場合よりも、ホルミジウムがより多く増殖していることが観察された。
本発明のホルミジウムを含有する液体肥料は、土壌改良剤の肥料効果と藍藻ホルミジウムの土壌改良効果とを、より合理的に高めるために両者を複合して散布可能な状態にしたものである。
例えば、台風被害によって荒廃した田畑の浄化と修復、長年の化学肥料投与によって硬化した土壌の修復、等に好適に用いることができる。
また、散布の方法をとることにより、耕作前の土壌に混入することとは別に、すでに作物が存在する土壌にも追肥として与えて成長の改善や補強に寄与し得る。
さらに、近年、森林の荒廃が大きな課題となり、脆弱化した森林土壌による倒木も多く見られることから、本発明のホルミジウムを含有する液体肥料を広範囲に散布することにより森林土壌の改善に用いることができる。
藍藻は、この地球での生物進化の原生物であると同時に、岩石からなるこの地球に「土壌」をもたらした生き物である。現在の地球でも、生物の育たない荒廃土壌に最初に現れて植物の生育可能な土壌を作っていくのは藍藻である。藍藻を増やして肥沃な土壌を広げ、豊かな環境と資源豊富な緑の地球を保ち、発展させたいのは、今、人類の切なる願いであり、本発明のホルミジウムを含有する液体肥料の施肥方法の開発はその一環である。
付着性の糸状群体を形成するホルミジウムの顕微鏡写真である。 土壌表層に皮膜状に繁殖したホルミジウムの写真である。 一次培養にてシャーレの底面に広がって増殖したホルミジウムの薄層を剥ぎ取り、第2培養液に分植した後の2次培養開始時の写真である。 2次培養開始後、ホルミジウムの2週間後の繁殖状況を示す写真である。 小松菜実生の成長が乾燥態ホルミジウムの有無によって差異が生じることを調べた写真である。

Claims (5)

  1. 火成岩粉末および粘土を主成分とし、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土、および隆起サンゴ粉末を混合した土壌改良剤の抽出液を第1培養液とし、
    該第1培養液に、土壌表層より採取したホルミジウムを移植後、静置培養による1次培養を行い、
    1次培養にて増殖したホルミジウムを土壌および他の微生物から単離し、第1培養液と同じ成分からなる第2培養液に移植後、静置培養による2次培養を行う、ことを特徴とするホルミジウムの単藻大量培養方法。
  2. 前記土壌改良剤が、火成岩粉末および粘土100重量部に対し、肥料としてそのまま施すことができる程度にまで熟成した完熟堆肥1〜50重量部と、フミン酸コロイドミセルを含む堆積土および隆起サンゴ粉末の混合物1〜50重量部とを混合したものであることを特徴とする請求項1に記載のホルミジウムの単藻大量培養方法。
  3. 前記第1、第2培養液が、前記土壌改良剤を水と混合攪拌した後、静置した上清であって、火成岩粉末、粘土および隆起サンゴ粉末から溶出したミネラルと、完熟堆肥や堆積土中に含まれる土壌微生物及びその代謝産物からの抽出物を含み、少なくとも、
    カルシウム(Ca)10〜100mg/L
    窒素(N)10〜100mg/L
    ナトリウム(Na)1〜50mg/L
    カリウム(K)1〜50mg/L
    マグネシウム(Mg)1〜50mg/L
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のホルミジウムの単藻大量培養方法。
  4. 前記抽出液をA剤、および、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法で得られたホルミジウムの乾燥態をB剤、としてなることを特徴とする液体肥料。
  5. 請求項4に記載の液体肥料の施肥方法であって、ホルミジウムの乾燥態0.2乃至0.5gを、前記抽出液1Lに対して配合し、直ちに散布することを特徴とする施肥方法。

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