JP2007275954A - 圧延機の変形特性同定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割バックアップロール型の圧延機のキスロール締め込みによる変形特性同定方法について、精度の高い圧延機の変形特性を求めることができる圧延機の変形特性同定方法を提供する。
【解決手段】上、下のロールアセンブリーの少なくともいずれか一方が軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、各分割バックアップロールはそれぞれ独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備えた圧延機について、いずれかのロールに40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、0.1μm以上厚さの潤滑膜を形成させて、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定し、これら測定値のデータ群に基づいて当該圧延機の変形特性を表現するパラメーター群を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は上、下ロールアセンブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する圧延機における変形特性同定方法に関する。
近年、分割バックアップロールの荷重分布を測定し、圧延材とワークロール間の荷重分布を推定し、これにより圧延後の板クラウン・板形状を高精度に推定し得る圧延機が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
上記板圧延機の板形状制御では、分割バックアップロールの剛性あるいはそれも含めた圧延機の変形特性の同定精度が板形状品質に大きく影響する。そこで、本発明者らは、板圧延機の分割バックアップロールの剛性あるいはそれも含めた圧延機の変形特性を精度良く、経済的にも安く、短時間で求めることができる方法を発明してきた。
上記圧延機の変形特性同定方法は、キスロール締め込み状態で各分割バックアップロールの変位と荷重分布を検出し、これを基準状態とし、さらに上、下ワークロールがロール胴長全域にわたって接触する状態で各分割バックアップロールの位置を個々にまたは複数個を同時に変化させた場合の各分割バックアップロールの荷重および変位を、分割されたバックアップロールの数以上の水準数検出し、検出したこれらの分割バックアップロールの荷重および変位と、前記基準状態の各分割バックアップロールの荷重および変位との差を求め、これらの差を用いて分割バックアップロール系の剛性を表現する変形マトリクスさらにはそれも含めた圧延機の変形特性を求めるものである(例えば、特許文献2参照)。
また、上下とも分割バックアップロールである圧延機の変形特性同定方法に関しても、同様に特許文献3に開示されている。
ところで、所定の厚さの潤滑膜を形成させる方法として、潤滑油をガスを使って霧状にして噴射供給するガスアトマイズ法が特許文献4に開示されている。
特開平5−69010号公報(第3頁、図1および図2) 特開平8−192205号公報(第1頁) 特開2005−118842号公報(第1頁) 特開2003−94104号公報
しかし、上記従来方法によって変形特性同定に必要な分割バックアップロールの荷重や圧下位置などのデータを採取する際に、片側が分割バックアップロールでもう片方が非分割バックアップロールである圧延機でも、上下とも分割バックアップロールである圧延機でも、上下ワークロール間の回転軸のズレや、ワークロールの回転軸と各分割バックアップロールの回転軸のズレ等によって、締め込み時にスラスト力が発生する。これらのズレ(スキュー角)は、分割バックアップロール個々の据え付け精度の不可避的なバラツキによって引き起こされるものや、分割バックアップロールを個別に押し引きするときに生じる局部的なワークロールの撓みにより押し引きしていない別の分割バックアップロールの回転軸と撓んだワークロールの回転軸との間に発生するものなどがある。締め込み荷重が高くなるほどスラスト力は大きくなり、圧延機のスラスト荷重の許容限界を超えて設備破損を招くこともある。
さらに、スラスト力はロール胴面に平行に作用する力であるため、分割バックアップロールに備えられた荷重検出機構では精度よく検出することが困難である。つまり、分割バックアップロールに備えられた荷重検出機構によって得られる荷重データにはスラスト力成分が反映されていないことになる。ロールに働くスラスト力はロールの撓みを助長するため、スラスト力が反映されていない荷重データでは、スラスト力が作用しているロールの撓み量を精度よく計算することは難しく、同定された圧延機の変形特性の精度も悪化する。
一方、形状制御性に優れた圧延機は最終製品の仕上圧延機、つまり形状矯正を目的とした精整工程で使用されることが多い。このようなところで使用される圧延機では通常潤滑圧延は行われない。なぜなら、潤滑油が鋼材製品の表面に不均一に付着すると斑模様になり表面品質を著しく低下させるためである。とりわけ分割バックアップロールを有する圧延機のワークロールや分割バックアップロールに付着した潤滑油は除去しにくく、精整工程前における鋼材には温度が100℃以下のものもあるので、潤滑油を鋼材の熱で直ぐに焼き切ることはできない。従って、潤滑油を使って変形特性を測定することは行われていなかった。もし、潤滑油を用いるならば、使用する潤滑油に必要とされる特性として、比較的低温でも直ぐに熱で焼き切れ、その焼失痕の跡がほとんど判別することができず、表面品質の低下を引き起こさないようにすることが必要である。
本発明は、スラスト力をできるだけ低減することで、スラスト力によるロールの撓みを低減し、スラスト力によるロール撓みの影響が少ない締め込みデータを得ることによって、高精度で圧延機の変形特性を求めることができる圧延機の変形特性同定方法を提供することを課題としている。
本発明者らは鋭意研究の末、圧延機の変形特性を同定する際に、鋼材製品の表面品質の低下を招かずに、潤滑油を用いることのできる条件を見出だした。そこで、本発明者らはこの条件を基にして以下の方法を発明した。
第1発明の圧延機の変形特性同定方法は、少なくとも上、下のロールアセンブリーのいずれか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、各分割バックアップロールはそれぞれ独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備えた圧延機について、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定し、これら測定値のデータ群に基づいて当該圧延機の変形特性を表現するパラメーター群を求める圧延機の変形特性同定方法において、40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、上、下ワークロールの少なくとも一方の胴長面に、0.1μm以上の潤滑膜を形成させた状態で、前記各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定することを特徴としている。
第2発明の同定方法は、上下のロールアセンブリーが軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、一方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールはそれぞれ独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備え、他方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールは少なくとも荷重測定装置を備えた圧延機の変形特性同定方法において、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、前記一方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールの荷重および圧下位置、ならびに他方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールの荷重を測定し、これら測定値のデータ群に基づいて、独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備えた方のロールアセンブリーの変形特性を表現するパラメーター群を、上下のロールアセンブリー別個に求める圧延機について、40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、上、下ワークロールの少なくとも一方の胴長面に、0.1μm以上の潤滑膜を形成させた状態で、前記各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定することを特徴としている。
本発明の変形特性同定方法によれば、1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置における、各分割バックアップロールの荷重の測定に際して、スラスト力の影響を従来よりも大幅に低減した測定値を、鋼材製品の表面品質を悪化させることなく得ることができるので、当該圧延機の変形特性を表現するパラメーター群を精度良く求めることができる。この結果、この変形マトリクスを用いることにより形状制御をより高精度で行なうことができる。
図1および図2は、本発明の変形特性同定方法を実施する圧延機の例を示している。
板圧延機8は、主圧下装置17および主荷重測定装置18がハウジング9に設けられている。ハウジング9内に上インナーハウジング15および下インナーハウジング45が設けられている。上インナーハウジング15は、主圧下装置17により昇降可能に配されている。
上インナーハウジング15に、上ロールアセンブリー10が設けられている。上ロールアセンブリー10には分割バックアップロール21〜27が配され、上ワークロール13を支持している。また、各々の分割バックアップロール21〜27には独立した荷重測定装置321〜327および圧下位置測定装置341〜347が配備されている。図中301〜307は、各分割バックアップロール21〜27に独立に配した圧下装置の例である。図2に示すように、3個の入側分割バックアップロール22、24、26と4個の出側分割バックアップロール21、23、25、27とがロール軸方向に交互に配置されている。
下インナーハウジング45にも、同様に下ロールアセンブリー40が設けられ、下ワークロール43を支持している。下ロールアセンブリー40は、分割バックアップロール51〜57、圧下装置601〜607、荷重測定装置621〜627および圧下位置測定装置641〜647を備えている。入側分割バックアップロール52、54、56と出側分割バックアップロール51、53、55、57の配置は、上インナーハウジング15のものと同じである。また、上分割バックアップロール21〜27と下分割バックアップロール51〜57とは上下対称となっている。
なお、下側ロールアセンブリー40の荷重測定装置621〜627および圧下位置測定装置641〜647は、変形特性同定時のみ必要である。したがって、変形特性同定時に、これら装置を備えた、例えば予備のロールアセンブリーを流用することができる。
第1発明および第2発明の実施の形態は、上記圧延機において、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定する。そのときに、40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、少なくとも上、下のワークロールに0.1μm以上の厚さの潤滑膜を形成させた状態で測定する。潤滑膜を形成させることによって摩擦力が低減し、スラスト力も小さくなる。これによってスラスト力によるロール撓み量が低減し、より精度の高い分割バックアップロール荷重のデータが得られる。この分割バックアップロール荷重や分割バックアップロール位置等のデータを用いて、当該圧延機の変形特性(第j分割バックアップロールに単位荷重が負荷された時の第i分割バックアップロールの変位を表す影響係数マトリクスを意味するが、この中に、ハウジングの変形およびワークロールと分割バックアップロール間の接触による両ロールの偏平変形を含めた変形マトリクスも含めてもよい)を精度良く同定することができる。
潤滑膜は締め込み前に事前にワークロールもしくはバックアップロールに形成させていてもよいし、締め込みデータ採取中常に、潤滑剤を連続的もしくは断続的に供給することによって、潤滑膜の厚さを0.1μm以上に保ちながらデータを測定してもよい。潤滑膜の厚さが0.1μmよりも小さいと、ロール粗度よりも潤滑膜厚さが小さくなり、摩擦力低減効果が期待できない。従って、潤滑膜厚さは0.1μm以上必要である。十分な摩擦力低減効果を確保する観点から、潤滑膜厚さは0.3μm以上が好ましい。所定の厚さの潤滑膜を形成させる方法として、特許文献4によって容易に達成できる。すなわち、潤滑膜を形成させるロールの回転速度と潤滑油の供給量および潤滑油の噴射コーン幅から、所定の厚さの潤滑膜を形成させるのに必要な噴射時間が決まるので潤滑供給条件が確定する。
使用する潤滑剤は、40℃における動粘度が60mm2/s未満のものでなければならない。40℃における動粘度が60mm2/s以上の潤滑油を使用すると、当該圧延機で圧延される鋼材の温度では十分に消失せず斑模様となって最終製品に残るからである。40℃における動粘度が60mm2/s未満であれば、当該圧延機で圧延される鋼材の温度で最終製品の表面品質を劣化させない程度に消失する。消失しやすさの観点では、40℃における動粘度が40mm2/s未満であるのが好ましい。
以下、測定データから変形特性を同定する方法について説明する。
第i分割バックアップロールに作用する荷重をqi、その位置に対応する下ワークロールと下第i分割バックアップロールとの間の荷重をriとし、上下ワークロールを仮想的に1本のロールとして求めた、仮想ワークロールの軸心撓みの変形マトリクスをKW ij、求める分割バックアップロール系の変形マトリクスをKB ij、ロールクラウンの型式で表現した仮想ワークロールプロフィルをCW i、求める分割バックアップロールプロフィルをCB i、仮想ワークロール軸心撓みをyW iとすると、分割バックアップロールとワークロールの適合条件より、式(1)が得られる。なお、2本のロールを仮想的に1本のロールに置きかえる手法は、公知の技術であるので詳述は省略する。
W i=KB ijj+CW i+CB i (1)
なお、本明細書の数式では、同添字の繰り返しがある場合にはアインシュタインの総和規約を用いて表現する。また、KB ijは第j分割バックアップロールに単位荷重が負荷された時の第i分割バックアップロールの変位を表す影響係数マトリクスであるが、ここでは、ハウジングの変数およびワークロール〜分割バックアップロールの接触による両ロールの偏平変形を含めた変形マトリクスを表す。
実際にはスラスト力によるロール撓み量があるので、これを考慮すると式(1)’になるが、スラスト力sjは圧延機に備えられている荷重検出機構では測定できないので、変形特性を同定するときにはスラスト力は無視して求めなければならない。
W i=KB ij(qj+sj)+CW i+CB i (1)‘
一方、ワークロール撓みは、変形マトリクスKW ijおよびワークロールと上下分割バックアップロールとの間に作用する荷重分布qi、riを用いて、式(2)で表される。
W i=KW ij(rj−qj) (2)
式(2)においても、rjおよびqjの他にスラスト力が考慮されなければならないが、検出できないため、無視して同定計算を行わなければならない。
式(1)、式(2)よりyW iを消去し、整理すると式(3)が得られる。
i=qi+[KW-1 ij(KB jkk+CW j+CB j)(3)
上記の右辺で、[KW-1 jkはKW ijの逆マトリクスであり、riはキスロール締め込みによって実測されるので、KB jk以外は計算もしくは測定により既知の量である。したがって、未知数はKB jkだけであるので、上記の(1)〜(3)を用いて、KB jkを求めることができる。この計算手順は、第1発明(請求項1)および第2発明(請求項2)の両方に使用できる。第2発明では、上下のロールアセンブリーにおいて、分割バックアップロールの位置を変えたキスロール締め込みデータを測定することができるので、より精度の高い変形特性の同定が可能になる。現実的には、上下の分割バックアップロールの位置を変えたキスロール締め込みデータを用いると、データ数が多くなり精度向上にはよいが、計算時間が増加し非効率であるので、第1発明の手法のように、片側だけの分割バックアップロールの位置を変えたキスロール締め込みデータを用いても、実用上問題ない精度の変形特性を求めることができる。
式(1)から明らかなように、スラスト力は小さいほど精度の高い締め込みデータが得られ、変形特性同定精度も向上するが、実際にはスラスト力を完全に零にすることはできない。発明者らの検討によると、実用上問題ないレベルの変形特性の同定精度を得るには、分割バックアップロール荷重の総和の2%以内に抑えることが好ましい。すなわち、分割バックアップロール荷重の合計が9800kNであるとき、スラスト力は196kN以下であれば、実用上問題ない精度の変形特性を同定することができる。
40℃での動粘度が10mm2/s、30mm2/s、55mm2/s、65mm2/s、80mm2/sの5種類の鉱物油を準備し、これらの潤滑油で上下ワークロールに、0.05μm、0.13μm、0.40μm、1μmの4水準の潤滑膜を形成させて、キスロール締込み試験を実施したときの、上ワークロールのスラスト力を測定した。圧延機は上下のバックアップロールが幅方向に7分割されたもので、入側の分割バックアップロールが3個、出側の分割バックアップロールが4個の上下対象のロールアセンブリーになっているものである。ワークロールの直径は80mm、胴長は550mm、分割バックアップロールの直径は130mmで胴長は65mmである。ワークロールチョックには軸方向に作用するスラスト力を測定する装置が設置されている。スラスト力に対しては68.6kNまで計測・許容することができる。締め込み荷重は分割バックアップロール荷重の合計で88.2kNとした。ワークロールは約20m/分で回転させながら締め込み実験を行った。
潤滑膜は締め込む前に予め上下ワークロールの胴長面にガスアトマイズ法によって所定の厚さの潤滑膜を形成させた。ロール胴長面上で広がり幅L(mm)が50mmになるように、外部混合型の気液2流体ノズルを使ってガス圧力を調整した。ノズルから噴射される潤滑油供給量をQ(cm3/分)、潤滑油の噴射領域に形成させる潤滑膜の厚さをd(μm)、噴射時間をt(分)、噴射供給するロールの回転速度をv(m/分)とすると、式(4)の関係式から所定の潤滑膜を形成させるための噴射条件が決まる。
d=Q/(v×t×L/1000) (4)
5種類の動粘度の潤滑油及び4種類の潤滑油膜厚の条件に対して、最大締め込み荷重条件のとき(分割バックアップロール荷重の合計が約88.2kNの条件)のスラスト力を測定した結果、表1に示すように、本発明では上ワークロールにはたらくスラスト力が大幅に低減できた。なお、潤滑を用いなかった場合、分割バックアップロール荷重の合計が約490kNのときに、スラスト荷重が66.64kNとなり、スラスト荷重許容量にほぼ達したため、予定の88.2kNの荷重条件での締め込みデータを得ることができなかった。
分割バックアップロール荷重の合計が88.2kNの場合、その2%、すなわちスラスト力が17.64kN以内の抑えられれば、実用上問題ないレベルの精度の変形特性が同定できる。表1に示すように、本発明によれば(表1の二重線枠内)、スラスト力が17.64kNよりも小さな値になっているので、精度上問題ないレベルの変形特性が得られる。
さらに実際に締め込み試験を行った直後に5mmの板厚、300mmの板幅、2500mmの板長さのスケールが表面についた鋼板を圧延した。鋼板の圧延時の温度は50℃、100℃、200℃、300℃の4水準とした。このときワークロールや分割バックアップロールには締め込み試験で使用した潤滑油が残存している。圧延後の板表面の潤滑油転着状況を目視観察した結果も表1に示した。
その結果、本発明によると、鋼板の表面に転着した潤滑油はほとんど消失して目視認知できない状態であったが、本発明以外の条件では、潤滑油膜厚さに関係なく潤滑油転着痕跡が残存した。
Figure 2007275954
○:潤滑油転着痕跡無し、△:若干の潤滑油転着痕跡あるが品質上問題なし
×:潤滑油転着痕跡あり
本発明の方法を実施する上、下分割バックアップロールを備えた圧延機を示す側面図である。 図1に示す圧延機の分割バックアップロールの配置を示す平面図である。
符号の説明
8 分割バックアップロール型板圧延機
9 ハウジング
10、40 ロールアセンブリー
13、43 ワークロール
15、45 インナーハウジング
17 主圧下装置
18 主荷重測定装置
21〜27 上分割バックアップロール
301〜307 上分割バックアップロール圧下装置
321〜327 上分割バックアップロール荷重測定装置
341〜347 上分割バックアップロール圧下位置測定装置
51〜57 下分割バックアップロール
601〜607 下分割バックアップロール圧下装置
621〜627 下分割バックアップロール荷重測定装置
641〜647 下分割バックアップロール圧下位置測定装置

Claims (2)

  1. 上、下のロールアセンブリーのいずれか一方のロールアセンブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、各分割バックアップロールはそれぞれ独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備えた圧延機について、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定し、これら測定値のデータ群に基づいて当該圧延機の変形特性を表現するパラメーター群を求める圧延機の変形特性同定方法であって、40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、上、下ワークロールの少なくとも一方の胴長面に、0.1μm以上の潤滑膜を形成させた状態で、前記各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定することを特徴とする圧延機の変形特性同定方法。
  2. 上下のロールアセンブリーが軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップロールによってワークロールを支持する機構を有し、一方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールはそれぞれ独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備え、他方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールは少なくとも荷重測定装置を備えた圧延機について、上、下ワークロールを接触させて1水準以上のロールアセンブリーの締め込み圧下位置で、前記一方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールの荷重および圧下位置、ならびに他方のロールアセンブリーの各分割バックアップロールの荷重を測定し、これら測定値のデータ群に基づいて、独立した圧下装置、荷重測定装置および圧下位置測定装置を備えた方のロールアセンブリーの変形特性を表現するパラメーター群を、上下のロールアセンブリー別に求める圧延機の変形特性同定方法であって、40℃における動粘度が60mm2/s未満の潤滑油を用いて、上、下ワークロールの少なくとも一方の胴長面に、0.1μm以上の潤滑膜を形成させた状態で、前記各分割バックアップロールの荷重および圧下位置を測定することを特徴とする圧延機の変形特性同定方法。
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