JP2007275735A - 浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不具合が発生しにくい浄化装置を提供するとともに、省電力化を図れる浄化装置を提供する。
【解決手段】浄化装置Sは、フィルタ11を介して吸い上げられた所定の水域Aの液体と気体とを混合し液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段6と、前記溶解液所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段7と、を具備する浄化装置Sであって、前記液体を前記溶解液生成手段6に供給する前に前記液体がフィルタ11を介して水域Aに戻される流路循環手段50を備えている。
【選択図】図1

Description

本願は、汚染された水を浄化するための浄化装置に関する。
公園等に形成されている池、噴水、プール等、特に閉鎖された水域は、時間とともに水域内部の内壁への苔の付着や水の汚染(たとえば、水苔)等の問題があり、水を浄化するための浄化装置が必要である。
水を浄化するための装置の一例として、微細気泡を発生するマイクロバブル発生装置を利用した浄化装置がある。このマイクロバブル発生装置は、微細気泡(酸素)を汚染された水に接触させて水中内の溶存酸素を増加させることによって水を浄化するものである。
当該マイクロバブル(微細気泡)発生装置として、例えば特許文献1、及び2に示すような形態の装置が存在する。
特許文献1に開示されている微細気泡発生装置は、液体中に気体を噴射して微細気泡を発生させ、縮径ノズルによって当該微細気泡を放出するものである。
また、特許文献2に開示されている微細気泡発生装置は、加圧された液体を噴射することによって、気体を誘引して液体中に気体を混入させて放出するものである。
特開2003−245533号公報 特開2001−252546号公報
しかしながら、従来から知られている微細気泡発生装置を用いて浄化装置を製造し、湖沼などに用いた場合、アオコなどの微細固形物を含む水を吸引するため、例えば、当該微細固形物がフィルタに付着して目詰まりを起こしたり、水を給水する給水管に付着して詰まり、装置の機能が低下若しくは停止したりするなどの不具合が発生する場合がある。
また、居住地域を離れ、電源のない山間部の湖沼やはるか海上の養殖場などにおいて浄化装置を適用した場合、メンテナンスのための作業員の接近が困難であり、不具合の発生頻度が少なくメンテナンス性の良い装置が望まれる。
また、従来の浄化装置は、販売価格が高く、消費電力も多いためランニングコストが高くなり、浄化装置の導入や維持にかかるコストが高いなどの問題がある。
さらに、浄化装置を遠隔地で管理できれば便利である。
本願は上記各問題点の解決を課題の一例として為されたもので、不具合が発生しにくい浄化装置を提供することを第1の目的とし、省電力化を図れる浄化装置を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の浄化装置(S)は、フィルタ(11)を介して吸い上げられた所定の水域(A)の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段(6)と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段(52)と、を具備する浄化装置であって、前記吸い上げられた液体を前記溶解液生成手段に供給する前に、前記液体が前記フィルタを介して水域に戻される流路循環手段(50)を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の浄化装置は、フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、前記気体と液体とが溶解液生成手段に供給される前に、前記溶解液生成手段において前記気体及び液体の流れる方向が逆転するように流路を切換える流路切換手段(5)を、更に備えていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の浄化装置は、フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、前記溶解液生成手段は、筒状の本体(41)と、当該本体の周壁から中心方向に延びて形成され、その端部が鋸刃状に形成された仕切体(42)と、を具備し、前記仕切体は、前記液体と気体の進行方向に向かって本体の軸周りの角度が所定の角度にずらされて複数設けられており、前記液体及び気体が回転しながら混合され、前記液体に前記気体が溶解されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の浄化装置は、フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、前記気泡放出手段は、徐々に開口が狭められるように湾曲して形成されるノズル(52)を備えていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の浄化装置は、フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、前記水域における酸素溶存量を検出するセンサ(70)と、前記センサにより検出された値と、予め設定された規定値と、を比較し、前記比較結果により、規定値がセンサにより検出された値を上回っている時は、前記ポンプの駆動力を上げる制御を行う制御手段(9)と、を具備することを特徴とする。
以下、本願の最良の実施形態について、図1乃至図5を用いて詳細に説明する。図1は浄化装置の概要構成図、図2は水域に設置されるフィルタの取付構造図、図3は水域に設置される他の実施形態のフィルタの取付構成図、図4は流路切換部の配管図、図5は溶解液生成部の管体の内部構造図である。なお、以下に説明する実施の形態は、一実施例として、池等の水域において浄化装置を適用した場合の実施形態を示すものであるが、この実施形態に限定されるものではなく、たとえば、当該水域として、養殖場や有機底質土の好気性バクテリアの生成による分解改良、あるいは農・工業設備にかかわる廃水処理などに適用することも可能である。
本実施形態の浄化装置Sは、図1に示すように、所定の水域Aの水を汲み上げるとともに、外気(気体)を給気して、前記水と気体とを混合させつつ水に気体を溶解させ、当該水に気体が溶解した溶解液を減圧することによって微細気泡を発生させて、前記微細気泡を前記水域Aに放出するものである。
本実施形態の浄化装置Sは、具体的には、図1に示すように、池等の所定の水域Aの水を吸い上げる流体吸い上げ部3と、外気(気体)を給気する気体給気部4と、前記流体吸い上げ部3により吸い上げられた水と前記気体給気部4により給気された気体の流路を切換える流路切換部5と、前記流路を介して前記流体吸い上げ部3により吸い上げられた水と前記気体給気部4により給気された気体とを混合させつつ前記水に気体を溶解させて溶解液を生成する溶解液生成部6と、当該溶解液を減圧して微細気泡を発生させる気泡発生部7と、各部に電源を供給する電源供給部8と、各部3〜8を統括的に制御する制御部9と、を備えている。
流体吸い上げ部3は、前記水域Aの水に含まれるゴミ等のダスト(以下、「固形物」と称する。)を除去するフィルタ部11と、前記フィルタ部11を介して前記水域Aの水を吸い上げるポンプ12と、を備え、図1中の実線で示す矢印のように、所定の水域Aの水がフィルタ部11を介してポンプ12により吸い上げられるようになっている。また、ポンプ12によって吸い上げられた水は、給水管13及び、給水管13に取り付けられたレギュレータ18を介して、流路切換部31に所定の圧力で供給されるようになっている。
フィルタ部11は、図2に示すように、例えば、上端部と下端部に水が通過する複数の孔15を備えた所定の空間Hを有する箱状体16内部の上端部と下端部にフィルタ11aを設けて構成されており、水域Aの水は、図2中実線で示す矢印のように、ポンプ12の駆動によって当該孔15とフィルタ11aを通過し、給水管13を介して吸い上げられるようになっている。なお、給水管13の一端は、箱状体16の内部と連絡し、他端は、流路切換部31と連絡している。
また、流体吸い上げ部3には、図1中の鎖線で示す矢印のように、ポンプ12で吸い上げた水をフィルタ部11に戻し、フィルタ11aに詰まった固形物を水域に戻すことによって、フィルタ11aに固形物が詰まることを防止するフィルタの目詰まり防止部50を備えている。
フィルタの目詰まり防止部50は、図1に示すように、フィルタ部11の代わりとなる補助フィルタ部51と、ポンプ12により吸い上げられた水をフィルタ部11の空間Hに戻す水戻し管52と、を備えて構成され、当該補助フィルタ部51と水戻し管52は、それぞれ弁体53、54及び55を介して給水管13に連絡している。なお補助フィルタ部51は、所定の管体により給水管13に弁体53を介して取り付けられている。
そして、弁体53、54及び55の開閉動作によって当該吸い上げられた水が通過する流路が切換えられるようになっている。
すなわち、弁体53の開閉動作によってフィルタ部11からポンプ12への流路と、補助フィルタ部51からポンプ12への流路と、に切換可能になっている。一方、弁体54の開閉動作によってポンプ12によって吸い上げられた水を流路切換部31へ供給する流路と、ポンプ12によって吸い上げられた水をフィルタ部11へ戻す流路と、に切換可能になっている。なお、弁体55は、弁体54と連動して開閉動作が行われるようになっている。
そして、所定の期間、又は時間ごとに弁体53〜55を開閉制御し、図1及び図2中鎖線で示す矢印のように、フィルタ部11に変えて補助フィルタ部51を用いて所定の水域Aの水をポンプ12によって吸い上げ、当該吸い上げた水を水戻し管52を通過させてフィルタ部11を構成する箱状体16の空間Hに送るようになっている。空間Hに水が送られると、フィルタ部11を構成する箱状体16の空間H内の圧力が高まり、図2中鎖線で示す矢印のように、当該水がフィルタ11a及び孔15を介して外部に排出される。これにより、フィルタ11aに詰まった水域Aの水に含まれる固形物が水域Aに戻されるのでフィルタの目詰まりを容易に防止できる。
本実施形態の浄化装置Sは、このような流路の切換制御を所定の時間又は期間ごとに行うことにより、水を吸い上げる際にフィルタ11aに詰まる固形物を水域Aへと放出することが可能となり、フィルタの目詰まりを防止することが可能となっている。
なお、上記のように弁体53〜55を開閉制御し水の流路を切り換えてフィルタ11aに詰まった固形物を取り除く処理を行う場合には、流路切換部31には、水が供給されないため、一端、浄化装置Sを構成する構成部品の動作を止めるなどの処理が必要となるが、弁体54として開閉度を調整可能な弁体を用いて、その開度を調整して流路切換部31に送られる水のうち、一部の水のみを水戻し管52に送るように制御しても構わない。このようにすれば、装置を止めることなくフィルタの目詰まりを防止することが可能となる。
また、図3に示すように、フィルタの目詰まり防止部50aは、フィルタ部55、56を2組設けて、それぞれにポンプ12と連絡する流路57と、ポンプ12により吸い上げられた水をフィルタ部55又は56に戻す流路58と、を弁体59、60を介して配管し、当該弁体59、60を開閉制御して、図3中実線又は鎖線で示す矢印のように、当該2組のフィルタ部55、56を交互に吸水と排水を繰り返すようにしてフィルタの目詰まりを防止するようにしても構わない。また、本実施形態の場合、弁体54の開度は適宜調整可能になっており、流路切換部5に送られる水のうち、一部の水のみが水戻し管として機能する流路58に送られるように制御される。なお、フィルタ部55、56の構成は、図2に示すフィルタ部11と同様であるため省略するものとする。
すなわち、例えば、一方のフィルタ部55が水を給水する際には、図3中実線で示す矢印のように、他方のフィルタ部56に当該吸い上げられた水の一部が戻され、他方のフィルタ部56を構成する箱状体の空間Hから外部へと水が排水されるため、他方のフィルタ部56のフィルタに詰まった固形物を水域Aへと放出することが可能となっている。なお、他方のフィルタ部56が水域Aの水を給水する際には、図3中鎖線で示す矢印のように、一方のフィルタ部55の空間Hから外部へと水が排水されるようになっている。
気体給気部4は、図1に示すように、外気に含まれるゴミ等のダストを除去する給気フィルタ21と、前記給気フィルタ21を介して外気を給気するポンプ22と、前記ポンプ22によって給気された気体を所定の圧力で蓄積するタンク23と、を具備し、ポンプ22により給気された気体がフィルタ21を介してタンク23内に所定の圧力で蓄積されるようになっている。当該タンク23は管体からなる給気管24及び給気管24に取り付けられるレギュレータ25を介して流路切換部5と連絡しており、当該タンク23に蓄積された気体は、レギュレータ25によって気体の圧力が調整されて、給気管24を介して流路切換部5に供給される。
また、タンク23内には液体は存在しないが、仮に液体が侵入した場合に当該液体を排水するための排水弁27が当該タンク23の底部(下部)に設けられている。また、給気管24はタンク23の上部に連絡している。
また、タンク23には、当該タンク23内の圧力を検出し表示するための圧力検出モニタ26が設けられている。
流路切換部5は、図1に示すように、弁体31を介して、流体吸い上げ部3、気体給気部4、溶解液生成部6、及び気泡発生部7と連絡しており、当該弁体31を開閉制御して、流体吸い上げ部3により吸い上げられた水及び気体給気部4により給気された気体を溶解液生成部6に供給するとともに、溶解液生成部6により生成された溶解液を気泡発生部7に供給するようになっている。
具体的には、図4に示すように、流路切換部5は、第一乃至第五の弁体31a〜31fを備え、第一及び第五の弁体31a、31eの一方は、給水管13を介して流体吸い上げ部3と連絡し、第三及び第四の弁体31c、31dの一方は、給気管24を介して気体給気部4と連絡している。また、第二及び第六の弁体31b、31fの一方は、溶解液排出管33を介して気泡発生部7と連絡している。
また、第一の弁体31aの他方は、溶解液生成部6の一端と管体32aを介して連絡しており、当該管体32aは、途中で分岐して、それぞれ第二及び第三の弁体31b、31cの他方と連絡している。また、第六の弁体31fの他方は、溶解液生成部6の他端と管体32bを介して連絡しており、当該管体32bは、途中で分岐して、それぞれ第四及び第五の弁体31d、31eの他方と連絡している。
また、溶解液生成部6の一端及び他端に取り付けられる管体32a、32bは、アスピレータノズルを伴なって取り付けられている。具体的には、図示しないが、水が通過するノズルと、当該水がノズルを通過することによって生ずる負圧によって気体が当該水に流入するサブノズルと、を備えており、水がノズルを通過することにより、差圧(圧力差)によってサブノズルからノズルに気体が流入し、水と気体とが混合して溶解液生成部6に流入するようになっている。
そして、第一乃至第五弁体31a〜31fをそれぞれ予め定められた開閉制御をすることによって、気体と水が溶解液生成部6へ供給されるとともに、溶解液生成部6から当該気体と水とが混合された混合液が気泡発生部7へ供給されるようになっている。
ここで、例えば、図4に示すように、第一、第三、及び第六の弁体31a、31c、31fを開き、第二、第四、及び第五の弁体31b、31d、31eを閉じれば、図4中実線で示す矢印のように、気体と水は、第一及び第三の弁体31a、31cを通って溶解液生成部6の一端側(図中右側)に流入し、溶解液生成部6の内部で混合されて混合液が溶解液生成部6の他端側(図中左側)から排出され、当該第六の弁体31fを通って気液発生部7へと送られる。
一方、図示しないが、第二、第四、及び第五の弁体31b、31d、31eを開き、第一、第三、及び第六の弁体31a、31c、31fを閉じれば、図4中破線で示す矢印のように、気体と水は、第二及び第四の弁体31b、31dを通って溶解液生成部6の他端側に流入し、溶解液生成部6の内部で混合されつつ気体が水に溶解して生成される溶解液が溶解液生成部6の一端側から排出され、当該第二の弁体31bを通って気液発生部7へと送られる。
当該第一乃至第五の弁体31a〜31fは、上記に示すように、所定の時間又は期間ごとにそれぞれの弁体31a〜31fの開閉制御を切換えて、水及び気体が流れる方向を逆転可能になっている。
このように、弁体31a〜31fを開閉制御することによって、気体給気部4によって給気された気体及び流体吸上げ部3により吸い上げられた水を溶解液生成部6の一端側に導入し溶解液生成部6の他端側から気泡発生部7に排出する流路と、気体給気部4によって給気された気体及び流体吸上げ部3により吸い上げられた水を溶解液生成部6の他端側に導入し溶解液生成部6の一端側から気泡発生部7に排出する流路と、に切換えることが可能となっている。
本実施形態の浄化装置Sは、気体と水とが溶解液生成部6に供給される前に、前記溶解液生成部6において前記水と気体とからなる混合液の流れる方向が逆転するように流路を切換える流路切換部5を備え、このような流路の切換制御を所定の時間又は期間ごとに行うことにより、溶解液生成部6内における気体及び水の流れ方向を逆方向に制御できるので、例えば、溶解液生成部6を構成する管体41の一端及び他端付近に微細な異物などが付着するのを防止し、当該微細な異物が付着などすることにより発生する管体の目詰まりなどを防止することが可能となっている。
溶解液生成部6は、図1及び図4に示すように、円筒状の管体41を複数直列に接続して構成されている。
図5に示すように、当該管体41には水及び気体の混合液が通過するようになっており、当該管体41の内部は前記混合液が通過する通路41aとして機能する。この通路41aには、水と気体とが混合され前記水に気体が溶解されるのを促進するための半円状に形成された仕切体42を複数備えている。
当該仕切り壁42は、図5(a)の矢印に示すように、気体と液体からなる混合液の進行方向に対して逆方向に管体41の周壁と約45度の角度θをもって管体の周縁から中心方向に向かって延びて形成されているとともに、混合液の進行方向に向かって管体41の軸周りの角度が90度ずつずらされて設けられており、混合液が回転しながら進むようになっている。また、管体41の中心方向に延びる仕切体42の端部は、図4(b)に示すように、鋸刃状43aに形成されており、この鋸刃に混合液が接触して切断され、水に気体が溶解されるのが促進されて溶解液が生成されるようになっている。また、溶解液生成部6により、気体の水への溶解をより促進できるので、より微細な気泡を発生させることが可能となる。
このようにして構成される溶解液生成部6では、当該仕切体42により空気と水とが攪拌混合されつつ、混合液が管体41の内部を回転しながら通過する。また、仕切体42の一端が鋸刃状43aになっており、管体41の内部を通過する混合液はこの鋸刃によって、切断され、空気の水への混入が促進され水に気体が溶解された溶解液が生成されるようになっている。
気泡発生部7は、図1に示すように、溶解液の圧力を調整し蓄積する圧力調整付きタンク51と、溶解液を減圧して均質な微細気泡を発生させる放出ノズル52と、当該放出ノズル52を加熱して溶解液を加熱する加熱部53と、を備えている。圧力調整付きタンク51は、溶解液生成部6から流入する溶解液を収容する槽51aを備え、当該槽51aには内部の圧力を調整するための調整弁55が設けられている。当該槽51aは、密閉されており、溶解液生成部6から流入する溶解液を蓄積するとともに、調整弁55を開閉制御して当該溶解液を所定の圧力に調整する。また、調整弁55は、圧力調整と兼ねて微細気泡とならず、または溶解し得なかった気体(余剰気体)を排除する役目も果すようになっている。
一方、放出ノズル52は、徐々に先細り状に形成されたノズルが前記槽51aと一体的に形成されており、所定の圧力に調整された溶解液を徐々に減圧する。当該放出ノズル52の先端は、フィルタ54を介して水域Aに接触するように設けられており、当該放出ノズル52の先端からは微細気泡が放出されるようになっている。
このように本実施形態の浄化装置Sの気泡放出部7は、徐々に開口が狭められるように湾曲して形成される放出ノズル52を備えているので、放出ノズル52から放出される気泡を均一且つ微細にできる。
また、電源供給部8は、電気を発電するソーラパネル又は燃料電池などの発電部64と、発電された電気を蓄電する蓄電池などの蓄電部63と、を備えている。当該電源供給部8は、蓄電部63に蓄電された電気を各部3〜7に供給するものである。
また、本実施形態の浄化装置Sは、発電部64として燃料電池を用いた場合に当該燃料電池の熱源を放出ノズル52を加熱する加熱部53に供給する熱供給手段61を備えている。具体的には、加熱部53と連絡する管体61aを備え、燃料電池から発生する熱を当該管体61aを介して加熱部53に供給して当該放出ノズル52を加熱し、当該放出ノズル52の内部を通過する溶解液を加熱するようになっている。さらに具体的には、燃料電池の熱源と放出ノズル52とを金属部材などからなる熱伝導体などで接続して直接熱を放出ノズル52に供給するようにしてもよいし、当該管体61aの内部に流体を循環させて、流体を介して間接的に熱を放出ノズル52に供給するようにしてもよい。
このように本実施形態の浄化装置Sは、放出ノズル52を加熱して、前記放出ノズル52内を通過する溶解液を加熱する加熱部53を備えているので、放出ノズル52から放出される気泡をより均一且つ微細にできる。
また、浄化装置Sは、電気を供給する燃料電池63を更に備え、前記加熱部53は、前記燃料電池63の使用により発熱する熱を前記放出ノズル52に伝達(供給)する熱伝達(供給)手段61を備えており、排出すべき熱を有効利用しているため、省エネルギー化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態の浄化装置Sの電源供給部8は、ソーラパネルや燃料電池などの発電部64と発電した電気を蓄電する蓄電部63によって構成されているが、商用電源のみ、又は商用電源とバッテリなどの蓄電池との組み合わせで構成されても構わない。その場合には、溶解液を加熱する加熱手段を別途設けるようにすればよい。
また、制御部9は、各部3〜8、及びセンサ70と電気的に接続され、且つコンピュータとして、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えており、操作部9からの指示に従い、気体給気部4のポンプ22や流体吸い上げ部3のポンプ12の駆動動作、流路切換部5の弁体31の開閉動作、その他の弁体14、25の開閉動作、タンク23及び槽51内の圧力を制御するための調整弁26、55の開閉動作、放出ノズルを加熱する際の温度調整等を行うとともに、浄化装置全体を統括制御する。
また、制御部9は、通信部9aを備え、外部の端末と情報の送受信を行うことによって、当該ポンプ12、22の駆動動作や弁体14、25、31の開閉動作などを遠隔制御することが可能となっている。
また、本実施形態の浄化装置Sにおいて制御部9は、対象水域の状況に応じて、微細気泡の生産・放出を過不足なく最適に保つようにポンプ12等を制御することにより、水域の環境を常に良好な状態に維持すると同時に、浄化装置Sの運転に必要なエネルギーの最小化(最適化)を実現することが可能となる。すなわち、本実施形態の浄化装置Sでは、水域A内に水質監視センサ(例えば、水域における酸素溶存量、又は/及び水域の温度を検出するセンサ70)を備え、当該センサ70により対象水域の酸素要求量を算出し、これを解析することによって、最適な微細気泡の放出量を算出し、この放出量を放出するために必要な水や気体のポンプ12、22の運転(駆動力)を制御するようになっている。
例えば、相当の水質汚染が進行した湖沼環境において、装置の導入初期を除いては、目標とする水質の維持に努めればよく、この期間において浄化装置Sは、ポンプ12をフル稼働する必要がないので、ポンプ12の稼動を低位に維持すればよい。また、水温の変化による汚濁の進行状況を予測して、運転状況を変更し、常に一定の水質維持を実現するようにするとなおよい。
以下に制御部におけるポンプ制御の一例を示す。
まず、制御部9は、センサ70により酸素溶存量の値Xや温度を検出し、当該酸素溶存量の値Xと予め定められた規定値Aとを比較し、Aの値がXの値を上回っているか否かを判断する。そして、その判断が肯定されれば、気体給気部4のポンプ22の駆動力を上げ、否定されれば、当該ポンプ22を現状の状態を維持するよう駆動する。
また、酸素溶存量の値X及び温度を所定の期間又は時間測定しつづけて得た測定結果に基づいて、カルマンフィルタ等の理論を用いて、将来の酸素溶存量の値Xを予測し、当該予測した値を多目的決定理論を用いて気体給気部4のポンプ22を駆動すべきか否かを判断し、当該判断結果に基づいてポンプ22の駆動力を制御する。
このようにすれば、水域Aの水質を維持すべき量の微細気泡を発生させるために、ポンプ22を稼動すべき時に適切な駆動力で稼動することができるため、省電力化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態の溶解液生成部6は、本願の溶解液生成手段として機能し、本実施形態の放出ノズル52は、本願の気泡放出手段として機能する。また、本実施形態のフィルタの目詰まり防止部50は、本願の流路循環手段として機能し、本実施形態の流路切換部5は、本願の流路切換手段として機能する。また、本実施形態の管体41は、本願の本体として機能し、本実施形態の放出ノズル52は、本願のノズルとして機能する。さらに、本実施形態の加熱部53は、本願の加熱手段として機能し、本実施形態の管体61aは、本願の熱伝達手段として機能する。さらにまた、本実施形態の制御部9は、本願の制御手段、予測手段、及び判断手段として機能する。
本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態の浄化装置Sでは、外気をポンプ22で給気するようになっているが、密閉されたタンクに収容された酸素やオゾンなどを気体として溶解液生成部6に供給するようにしても構わない。また、本実施形態の浄化装置Sでは所定の水域として、湖や沼などを想定しているものの、農業・漁業生産水域や放流水、工場廃水などに適用することも可能である。
浄化装置の概要構成図である。 水域に設置されるフィルタの取付構造図である。 水域に設置される他の実施形態のフィルタの取付構成図である。 流路切換部の配管図である。 溶解液生成部の管体の内部構造図である。
符号の説明
3 流体吸い上げ部
4 気体給気部
5 流路切換部
6 溶解液生成部
7 気泡発生部
9 制御部
17 水戻し管
41 管体
41a 通路
42 仕切体
50 フィルタの目詰まり防止部
52 放出ノズル
53 加熱部
A 水域
S 浄化装置

Claims (8)

  1. フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、
    前記吸い上げられた液体を前記溶解液生成手段に供給する前に、前記液体が前記フィルタを介して水域に戻される流路循環手段を備えていることを特徴とする浄化装置。
  2. フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、
    前記気体と液体とが溶解液生成手段に供給される前に、前記溶解液生成手段において前記気体及び液体の流れる方向が逆転するように流路を切換える流路切換手段を、更に備えていることを特徴とする浄化装置。
  3. フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、
    前記溶解液生成手段は、筒状の本体と、当該本体の周壁から中心方向に延びて形成され、その端部が鋸刃状に形成された仕切体と、を具備し、
    前記仕切体は、前記液体と気体の進行方向に向かって本体の軸周りの角度が所定の角度にずらされて複数設けられており、前記液体及び気体が回転しつつ混合され、前記液体に前記気体が溶解されることを特徴とする浄化装置。
  4. フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、
    前記気泡放出手段は、
    徐々に開口が狭められるように湾曲して形成されるノズルを備えていることを特徴とする浄化装置。
  5. 前記ノズルを加熱して、前記ノズル内を通過する溶解液を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の浄化装置。
  6. 電気を供給する燃料電池を更に備え、
    前記加熱手段は、前記燃料電池の使用により発熱する熱を前記ノズルに伝達する熱伝達手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の浄化装置。
  7. フィルタを介して吸い上げられた所定の水域の液体と気体とが供給され、前記液体に気体が溶解された溶解液を生成する溶解液生成手段と、前記溶解液を所定の圧力に減圧して微細気泡を発生させ、前記微細気泡を前記水域に放出する気泡放出手段と、を具備する浄化装置であって、
    前記水域における酸素溶存量を検出するセンサと、
    前記センサにより検出された値と、予め設定された規定値と、を比較し、前記比較結果により、規定値がセンサにより検出された値を上回っている時は、前記ポンプの駆動力を上げる制御を行う制御手段と、
    を具備することを特徴とする浄化装置。
  8. 前記センサは、
    前記水域の温度を更に検出し、
    前記制御手段は、
    前記センサにより検出された酸素溶存量及び温度の値に基づいて前記水域における将来の酸素溶存量の値を予測する予測手段と、
    予測した酸素溶存量の値に基づいて前記ポンプを駆動すべきか否かを判断する判断手段と、を更に具備し、
    前記判断結果に基づいて、前記ポンプの駆動力を制御することを特徴とする請求項7に記載の浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012512012A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 オキシ ソリューションズ エーエス 流体の酸素化における改良
KR101179885B1 (ko) 2011-10-28 2012-09-17 주식회사 지케이옥시 나노 기포 발생장치용 밸브 및 그 사용방법

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