JP2007274745A - 駆動装置 - Google Patents
駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007274745A JP2007274745A JP2006093465A JP2006093465A JP2007274745A JP 2007274745 A JP2007274745 A JP 2007274745A JP 2006093465 A JP2006093465 A JP 2006093465A JP 2006093465 A JP2006093465 A JP 2006093465A JP 2007274745 A JP2007274745 A JP 2007274745A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drive shaft
- driven member
- piezoelectric element
- leaf spring
- drive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Lens Barrels (AREA)
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
【課題】簡易な構造でありながら板バネを容易に取り付けられる駆動装置を提供すること。
【解決手段】圧電素子1の伸縮に応じて駆動軸2を往復移動させ、駆動軸2に摩擦係合される被駆動部材3を駆動軸2に沿って移動させる駆動装置であって、駆動軸2に対し交差する方向に向けて配設され両端が被駆動部材3に掛止されその両端の間の中間部分で駆動軸2を押圧して被駆動部材3と駆動軸2を摩擦係合させる板バネ7を備えて構成されている。板バネ7の両端を被駆動部材3に掛止させて配設できるため、ネジ止め作業などが不要であり、板バネ7の取り付けが容易に行える。また、ネジなど部品が不要であり少ない部品で摩擦係合構造を構成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】圧電素子1の伸縮に応じて駆動軸2を往復移動させ、駆動軸2に摩擦係合される被駆動部材3を駆動軸2に沿って移動させる駆動装置であって、駆動軸2に対し交差する方向に向けて配設され両端が被駆動部材3に掛止されその両端の間の中間部分で駆動軸2を押圧して被駆動部材3と駆動軸2を摩擦係合させる板バネ7を備えて構成されている。板バネ7の両端を被駆動部材3に掛止させて配設できるため、ネジ止め作業などが不要であり、板バネ7の取り付けが容易に行える。また、ネジなど部品が不要であり少ない部品で摩擦係合構造を構成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は圧電素子などの電気機械変換素子を用いた駆動装置に関し、特に小型デジタルカメラやウェブカメラ又はカメラ付き携帯電話機等に搭載する小型のレンズなど光学部材を駆動する駆動装置に関する。
従来、圧電素子を用いたレンズの駆動装置として、特許第2633066号公報に記載されるように、鏡筒を移動させる装置であって、鏡筒に板バネをネジ止めによって取り付け、鏡筒を支持する駆動軸(駆動棒)を板バネによって押圧することにより鏡筒を駆動軸に摩擦係合させるものが知られている。
特許第2633066号公報
しかしながら、このような駆動装置は、構成部品を組み付けにくいという問題点がある。例えば、板バネを取り付ける際に、少なくとも二箇所のネジ止めが必要となり、取り付け作業が煩雑なものとなる。特に、駆動装置が小型である場合には、各構成部品も小さいものとなり、板バネを取り付け位置に支持しつつ二箇所のネジ止めを行う作業はかなりの困難を要する。
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、簡易な構造でありながら板バネを容易に取り付けられる駆動装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る駆動装置は、電気機械変換素子の伸縮に応じて駆動軸を往復移動させ、前記駆動軸に摩擦係合される被駆動部材を前記駆動軸に沿って移動させる駆動装置において、前記駆動軸に対し交差する方向に向けて配設され、両端が前記被駆動部材に掛止され、その両端の間の中間部分で前記駆動軸を押圧して前記被駆動部材と前記駆動軸を摩擦係合させる板バネを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、板バネの両端を被駆動部材に掛止させて配設できるため、ネジ止め作業などが不要であり、板バネの取り付けが容易に行える。また、ネジなど部品が不要であり少ない部品で摩擦係合構造を構成することができる。
また本発明に係る駆動装置において、前記板バネは、L字状に屈曲して形成され、その屈曲部分に外側へ突出する湾曲部を形成していることが好ましい。
この発明によれば、板バネをL字状に形成しその屈曲部に外側へ突出する湾曲部を形成することにより、簡易な構成でありながら所定範囲の押圧力で被駆動部材を駆動軸に圧接させることができる。また、湾曲部を形成することにより、被駆動部材や駆動軸などの構成部品の製造誤差を吸収することができ、摩擦係合のバラツキを低減できる。従って、被駆動部材の安定した移動制御が行える。
また本発明に係る駆動装置において、前記板バネにおける前記駆動軸と当接する側の端部が前記被駆動部材と点接触していることが好ましい。
この発明によれば、板バネにおける駆動軸と当接する側の端部が被駆動部材と点接触していることにより、板バネの端部が被駆動部材の接触面に対し傾いた状態で被駆動部材に掛止されることが許容される。このため、板バネの姿勢が端部の掛止状態で決められてしまうことを回避でき、板バネを駆動軸の表面形状に沿って接触させることができる。従って、板バネと駆動軸との接触状態のバラツキが低減され、安定した被駆動部材の移動制御が行える。
本発明によれば、駆動軸に被駆動部材を摩擦係合させる板バネを、簡易な構造により容易に取り付けることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る駆動装置の断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る駆動装置は、圧電素子1の伸縮に応じて駆動軸2を往復移動させ、駆動軸2に摩擦係合される被駆動部材3を駆動軸2に沿って移動させるものである。
圧電素子1は、電気信号の入力により伸縮可能な電気機械変換素子であり、所定の方向へ伸長及び収縮可能となっている。この圧電素子1は、制御部81に接続され、その制御部81により電気信号を入力されることにより伸縮する。例えば、圧電素子1には、二つの入力端子11a、11bが設置される。この入力端子11a、11bに印加される電圧を繰り返して増減させることにより、圧電素子1が伸長及び収縮を繰り返すこととなる。
駆動軸2は、圧電素子1の伸縮方向に長手方向を向けて圧電素子1に取り付けられている。例えば、駆動軸2の一端が圧電素子1に当接され接着剤21を用いて接着されている。この駆動軸2は、長尺状の部材であり、例えば円柱状のものが用いられる。駆動軸2は、固定枠4から内側へ延びる仕切り部4a、仕切り部4cにより長手方向に沿って移動可能に支持されている。仕切り部4b、仕切り部4cは、被駆動部材3の移動領域を仕切るための部材であり、駆動軸2の支持部材としても機能している。固定枠4は、圧電素子1、駆動軸2及び被駆動部材などを収容し組み付けるための筐体として機能する。
駆動軸2の材質は、軽く高剛性のものが適しており、その条件を満たすものとしてはベリリウムが理想的であるが、この材料は稀少金属であるため高価で且つ加工性が悪いという欠点を持っている。そこで本実施形態においては、黒鉛結晶を強固に複合させた黒鉛複合体、例えばカーボングラファイトが用いられる。(ここで、黒鉛複合体とは炭素の六角板状結晶体であるグラファイトとグラファイト以外の物質との複合体を意味し、カーボングラファイトとはグラファイトと無定形炭素からなる物質を意味する。また、グラファイトは黒鉛とも言われる。)この黒鉛複合体であるカーボングラファイトは、ベリリウムと似た特性を有しながら(ベリリウムの比重は約1.85、カーボングラファイトの比重は約1.8である)、ベリリウムと異なって比較的安価であり加工しやすいという特性を有している。なお、駆動軸2の形状は円柱状に限定されるものではなく、角柱状でもよい。
仕切り部4b、仕切り部4cには、駆動軸2を貫通させる貫通孔4aがそれぞれ形成されている。仕切り部4bは、駆動軸2の圧電素子1取付部分の近傍箇所、すなわち駆動軸2の基端箇所を支持している。仕切り部4cは、駆動軸2の先端箇所を支持している。駆動軸2は、圧電素子1に取り付けられることにより、圧電素子1の伸長及び収縮の繰り返し動作に応じて、その長手方向に沿って往復移動する。
なお、図1では、駆動軸2を仕切り部4b、4cによりその先端側と基端側の二箇所で支持する場合を示しているが、駆動軸2をその先端側又は基端側の一方で支持する場合もある。例えば、仕切り部4bの貫通孔4aを駆動軸2の外径より大きく形成することにより、駆動軸2が仕切り部4cにより先端箇所のみで支持されることとなる。また、仕切り部4cの貫通孔4aを駆動軸2の外径より大きく形成することにより、駆動軸2が仕切り部4bにより基端箇所のみで支持されることとなる。
また、図1では、駆動軸2を支持する仕切り部4b、4cが固定枠4と一体になっている場合について示したが、これらの仕切り部4b、4cは固定枠4と別体のものを固定枠4に取り付けて設けてもよい。別体の場合であっても、一体となっている場合と同様な機能、効果が得られる。
被駆動部材3は、駆動軸2に移動可能に取り付けられている。この被駆動部材3は、駆動軸2に対し摩擦係合されて取り付けられ、駆動軸2の長手方向に沿って移動可能となっている。例えば、被駆動部材3は、板バネ7により駆動軸2に圧接されて所定の摩擦係数で係合しており、一定の押圧力で駆動軸2に押し付けられることによってその移動の際に一定の摩擦力が生ずるように取り付けられている。この摩擦力を超えるように駆動軸2が移動することにより、慣性により被駆動部材3がその位置を維持し、その被駆動部材3に対し相対的に駆動軸2が移動する。
圧電素子1は、支持部材5により固定枠4に取り付けられている。支持部材5は、圧電素子1をその伸縮方向に対して側方から支持して取り付けるものであり、圧電素子1と固定枠4との間に配設されている。この場合、支持部材5により圧電素子12をその伸縮方向と直交する方向から支持することが好ましい。この支持部材5は、圧電素子1を側方から支持して取り付ける取付部材として機能している。
支持部材5は、所定以上の弾性特性を有する弾性体により形成され、例えばシリコーン樹脂により形成される。支持部材5は、圧電素子1を挿通させる挿通孔5aを形成して構成され、その挿通孔5aに圧電素子1を挿通させた状態で固定枠4に組み付けられている。支持部材5の固定枠4への固着は、接着剤22による接着により行われる。また、支持部材5と圧電素子1の間の固着も、接着剤による接着により行われる。この支持部材5を弾性体によって構成することにより、圧電素子1をその伸縮方向に移動可能に支持することができる。図1において、支持部材5が圧電素子1の両側に二つ図示されているが、この支持部材5、5は環状の支持部材5の断面をとることによって二つに図示されたものである。
なお、支持部材5の固定枠4への固着及び圧電素子1への固着は、固定枠4と圧電素子1の間に支持部材5を圧入し、支持部材5の押圧によって行ってもよい。例えば、支持部材5を弾性体により構成し、かつ、固定枠4と圧電素子1の間より大きく形成して、その間に圧入して設置する。これにより、支持部材5は、固定枠4及び圧電素子1に密着して配設される。この場合、圧電素子1は、支持部材5により伸縮方向に直交する方向の両側から押圧される。これによって、圧電素子1が支持される。
また、ここでは支持部材5をシリコーン樹脂で形成する場合について説明したが、支持部材5をバネ部材により構成してもよい。例えば、固定枠4と圧電素子1の間にバネ部材を配置し、このバネ部材によって圧電素子1を固定枠4に対し支持してもよい。
被駆動部材3には、レンズ枠91を介して移動レンズ90が取り付けられている。移動レンズ90は、カメラの撮影光学系を構成するものであり、駆動装置の移動対象物となるものである。この移動レンズ90は、被駆動部材3と一体的に設けられ、被駆動部材3と共に移動するように設けられている。移動レンズ90の光軸O上には、図示しない固定レンズなどが配設され、カメラの撮影光学系を構成している。また、光軸O上には、撮像素子82が配設されている。撮像素子82は、撮影光学系により結像された画像を電気信号に変換する撮像手段であり、例えばCCDにより構成される。撮像素子82は、制御部81と接続されており、画像信号を制御部81に出力する。
圧電素子1の端部には、錘部材6が取り付けられている。錘部材6は、圧電素子1の伸縮力を駆動軸2側へ伝達させるための部材であって、圧電素子1の駆動軸2が取り付けられる端部と反対側の端部に取り付けられている。錘部材6としては、駆動軸2より重いものが用いられる。また、錘部材6として、弾性変形可能な部材に金属粉を混入させたものを用いることが好ましい。金属粉を混入させることにより重量を大きくすることができ、弾性変形可能な部材を用いることにより圧電素子1の作動時における不要な共振を減衰させることができる。
錘部材6の材質は、圧電素子1及び駆動軸2よりもヤング率の小さい材料のものが用いられる。錘部材6のヤング率としては、1GPa以下が好ましく、300MPa以下がより好ましい。このような錘部材6は、ゴム等の弾性体に比重の大きい金属粉を混ぜ合わせることによって形成され、例えばウレタンゴムやウレタン樹脂にタングステンの粉末を混合することによって製造される。錘部材6の比重は、装置の小型化のためにできるだけ高いことが好ましく、例えば8〜12程度に設定される。また、ウレタンゴムやウレタン樹脂にタングステンの粉末を混合することによって製造される錘部材6のヤング率は60MPa程度、比重は11.7程度となる。したがって、錘部材6を出来るだけ小さい体積で設計する場合は、出来るだけ比重が大きく且つヤング率の小さい組み合わせが最適となるが、錘部材6は駆動軸2の比重より大きく(比重1.8以上)、且つヤング率が1GPa以下のものであれば利用可能である。すなわち、比重をヤング率で除した数値(比重/ヤング率)が1.8×10−9 以上であれば錘部材6として適している。なお、錘部材6と圧電素子1とを固着する接着剤としては、弾性接着剤を用いることが好ましい。
また、錘部材6を軟性部材により構成することにより、圧電素子1、駆動軸2における共振周波数を圧電素子1の駆動周波数に対し十分に小さくすることができ、共振の影響を低減できる。例えば、圧電素子1の駆動周波数をfとし、圧電素子1及び駆動軸2における共振周波数をf0とした場合、f≧21/2・f0の関係を満たすことが好ましい。この場合、圧電素子1の伸縮動作による振動の振動伝達率を1以下の範囲に抑えることができ、共振の影響を低減することができる。周波数の組み合わせとしては、例えば共振周波数f0を70kHz以下とし、駆動周波数fを50〜100kHzとすることにより、上述したf≧21/2・f0の関係を満たすことができる。
また、錘部材6は、固定枠4に対し支持固定されない状態で設けられている。すなわち、錘部材6は、圧電素子1の自由端に取り付けられ、固定枠4に対し直接支持されたり固定されておらず、また接着剤や樹脂材を介して固定枠4に対し動きを拘束されるように支持されたり固定されていない状態で設けられている。
駆動装置には、被駆動部材3の移動位置を検出する検出器83が設けられている。検出器83としては、例えば光学式の検出器が用いられ、フォトリフレクタ、フォトインタラプタなどが用いられる。具体的には、検出器83としてリフレクタ83a、検出部83bを備えたものを用いる場合、被駆動部材3と一体に形成されるレンズ枠91にリフレクタ83aを取り付け、検出部83bからリフレクタ83a側へ検出光を出射し、リフレクタ83a側で反射してくる反射光を検出部83bで検出することにより被駆動部材3及び移動レンズ90の移動位置を検出する。
検出器83は、制御部81に接続されている。検出器83の出力信号は制御部81に入力される。制御部81は、駆動装置全体の制御を行うものであり、例えばCPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路などにより構成される。また、制御部81は、圧電素子1を作動させるための駆動回路を備えており、圧電素子1に対し駆動のための電気信号を出力する。
図2は、図1のII−IIにおける被駆動部材3の摩擦係合部分の断面図である。
図2に示すように、被駆動部材3は、板バネ7により駆動軸2に圧接されて摩擦係合している。被駆動部材3にはV字状の溝3aが形成されている。この溝3aには、その表面に沿って摺動板3bが付設されている。摺動板3bは、駆動軸2と摺動する板体であり、溝3aの表面形状に応じて断面V字状に屈曲して設けられている。摺動板3bの被駆動部材3への付設は、例えば接着により行われる。また、被駆動部材3と共に摺動板3bを一体成形して設けてもよい。この摺動板3bは、例えば被駆動部材3より硬質な素材により構成される。
駆動軸2は、溝3a内に配され、摺動板3bに当接して設置されている。この駆動軸2を被駆動部材3との間で挟むように、板バネ7が設けられている。板バネ7は、駆動軸2に対し交差する方向に向けて配設されており、例えば駆動軸2の軸方向と直交する方向に配設される。
板バネ7は、L字状に屈曲して形成されており、駆動軸2と当接する板片71とその板片71に対し屈曲して形成される板片72とを備えている。ここで、L字状とは、板片71、72が90度の垂直になっている場合のみならず、それらのなす角が90±20度程度のほぼL字状になっているものも含むものである。
板片71、72の各端部は、それぞれ被駆動部材3に掛止されている。すなわち、板バネ7の両端はネジ止めなどされておらず、被駆動部材3にそれぞれ掛止されて取り付けられている。板片71の端部は、被駆動部材3に鈎状に形成される掛止部3dに掛止されている。板片72の端部は、被駆動部材3に鈎状に形成される掛止部3eに掛止されている。板片72の端部には、外側に屈曲する鈎部72aが形成されている。鈎部72aは、掛止部3eと係合しており、板片72がその長手方向にすり抜けることが防止されている。
板片71の端部には、外側に突出する突起部71aが形成されている。突起部71aは、板バネ7を被駆動部材3と点接触させるための部位である。この突起部71aは、例えば、図3に示すように、板バネ7の端部の中央部分を長手方向に沿って逆V字状に屈曲させて形成される。
図2に示すように、板バネ7の板片71の中間部分には、逆V字状に屈曲させた摺動部71cが形成されている。摺動部71cは、駆動軸2に当接され、駆動軸2を押圧している。これにより、被駆動部材3と駆動軸2が所定の押圧力で圧接され、所定の摩擦係数で摩擦係合した状態となっている。この摺動部71cは、被駆動部材3の溝3aと対面する位置に形成される。
板バネ7の屈曲部分には、外側へ突出する湾曲部73が形成されている。湾曲部73は、板片71と板片72の屈曲部分に設けられ、板片71と板片72を直角に屈曲した場合と比べてその屈曲外側へ湾曲状に突出させて形成されている。
このように、断面V字状の摺動板3bと断面逆V字状の摺動部71cにより駆動軸2を挟み込むことにより、被駆動部材3が駆動軸2に複数箇所で線接触することになり、駆動軸2に対し安定して摩擦係合させることができる。また、複数箇所の線接触状態により被駆動部材3が駆動軸2に係合しているため、実質的に被駆動部材3が駆動軸2に面接触状態で係合していると同様な係合状態となり、安定した摩擦係合が実現できる。
なお、図2においては摺動板3bが断面V字状とされ摺動部71cが断面逆V字状とされているが、摺動板3b及び摺動部71cを駆動軸2の周面に沿った断面円弧状の板体として構成して、駆動軸2に面接触させてもよい。この場合、被駆動部材3が駆動軸2に面接触状態で係合するため、被駆動部材3を駆動軸2に対しより安定して摩擦係合することができる。
図4は、圧電素子1を作動させる駆動回路の回路図である。
図4に示すように、駆動回路85は、制御部81内に配置されて設けられている。この駆動回路85は、圧電素子1のドライブ回路として機能するものであり、圧電素子1に対し駆動用の電気信号を出力する。駆動回路85は、制御部81の制御信号生成部(図示なし)から制御信号を入力し、その制御信号を電圧増幅又は電流増幅して圧電素子1の駆動用電気信号を出力する。駆動回路85は、例えば入力段を論理回路U1〜U3により構成し、出力段に電界効果型のトランジスタ(FET)Q1、Q2を備えたものが用いられる。トランジスタQ1、Q2は、出力信号として、H出力(高電位出力)、L出力(低電位出力)及びOFF出力(オープン出力)を出力可能に構成されている。
図5に駆動回路85に入力される入力信号、図6に駆動回路85から出力される出力信号を示す。図5(A)は、被駆動部材3を圧電素子1に接近させる方向(図1において右方向)に移動させる際に入力される入力信号であり、図5(B)は、被駆動部材3を圧電素子1から離間させる方向(図1において左方向)に移動させる際に入力される入力信号である。また、図6(A)は、被駆動部材3を圧電素子1に接近させる方向(図1において右方向)に移動させる際に出力される出力信号であり、図6(B)は、被駆動部材3を圧電素子1から離間させる方向(図1において左方向)に移動させる際に出力される出力信号である。
図6(A)、(B)の出力信号は、図5(A)、(B)の入力信号と同一タイミングでオンオフするパルス信号となっている。図6(A)、(B)における二つの信号は、圧電素子1の入力端子11a、11bに入力される。この入力端子11a、11bには、台形波形状の電圧信号を入力してもよいが、図6に示す矩形状のパルス信号を入力して圧電素子1を作動させることができる。この場合、圧電素子1の駆動信号が矩形状のパルス信号でよいため、その信号生成が容易なものとなる。
図6(A)、(B)の出力信号は、同一周波数となる二つの矩形状のパルス信号により構成されている。この二つのパルス信号は、互いの位相を異ならせることにより、互いの信号の電位差が段階的に大きくなり急激に小さくなる信号又は電位差が急激に大きくなって段階的に小さくなる信号となっている。このような二つの信号を入力することにより、圧電素子1の伸長速度と収縮速度を異ならせることができ、被駆動部材3を移動させることができる。
例えば、図6(A)、(B)において、一方の信号がH(ハイ)となりL(ロー)に低下した後に他方の信号がHとなるように設定されている。それらの信号において、一方の信号がLになった際に一定のタイムラグtOFFの経過後、他方の信号がHとなるように設定される。また、二つの信号が両方ともLの場合には、出力としてはオフ状態(オープン状態)とされる。
この図6の(A)、(B)の出力信号、すなわち圧電素子1を作動させる電気信号は、可聴周波数を超える周波数の信号が用いられる。図6(A)、(B)において、二つの信号の周波数は、可聴周波数を超える周波数信号とされ、例えば、30〜80kHzの周波数信号とされ、より好ましくは40〜60kHzとされる。このようは周波数の信号を用いることにより、圧電素子1の可聴領域における作動音を低減することができる。
次に、本実施形態に係る駆動装置における被駆動部材3及び板バネ7の組み付けについて説明する。
図7は、被駆動部材3及び板バネ7の組み付け工程の説明図である。図7に示すように、まず、駆動軸2が溝3a内に収容されるように被駆動部材3が配置される。この被駆動部材3の配置状態を保持しつつ、板バネ7を被駆動部材3に掛止させる。
板バネ7の板片71の端部が鈎状の掛止部3dの内側に当接するように配置される。そして、板片72の端部が鈎状の掛止部3eの内部に装着される。この際、板片72の端部をピンセットなどで把持して移動させることにより、容易にその端部を掛止部3eに掛止させることができる。
板片71,72の端部がそれぞれ被駆動部材3に掛止されると、図2に示すように、駆動軸2を被駆動部材3と板バネ7で挟み込むように組み付けられ、駆動軸2に対し被駆動部材3を摩擦係合した状態で設置することができる。
このとき、板バネ7の両端を被駆動部材3に掛止させて配設できるため、ネジ止め作業などが不要であり、板バネ7の取り付けが容易に行える。また、ネジなど部品が不要であり少ない部品で摩擦係合構造を構成することができる。
また、板片71の端部には突起部71が形成され板バネ7の端部が点接触した状態となっている。これにより、板バネ7の端部が被駆動部材3の接触面に対し傾いた状態で被駆動部材3に掛止されることが許容される。例えば、板バネ7の端部が被駆動部材3の接触面に対し平行な場合にはその平行な状態で被駆動部材3に掛止され、被駆動部材3の接触面に対し傾斜している場合にはその傾斜状態で被駆動部材3に掛止される。このため、板バネ7の姿勢が端部の掛止状態で決められてしまうことが回避でき、板バネ7を駆動軸2の表面形状に沿って確実に接触させることができる。従って、板バネ7と駆動軸2との接触状態のバラツキが低減され、安定した摩擦係合状態を確保でき、安定した被駆動部材3の移動制御が行える。
また、板バネ7に湾曲部73を形成することにより、簡易な構成でありながら所定範囲の押圧力で被駆動部材3を駆動軸2に圧接させることができる。従って、安定して被駆動部材3の移動が行える。
また、湾曲部73を形成することにより、被駆動部材3や駆動軸2などの構成部品の製造誤差を吸収することができ、摩擦係合のバラツキを低減できる。例えば、駆動軸2の大きさ(太さ)にバラツキがある場合、その大きさに応じて湾曲部73の湾曲状態が変化し、そのバラツキを吸収し、駆動軸2に対する板バネ7の押圧力のバラツキが低減される。
次に、本実施形態に係る駆動装置の動作について説明する。
図1において、圧電素子1に電気信号が入力され、その電気信号の入力により圧電素子1が伸長及び収縮を繰り返す。この伸長及び収縮に応じて駆動軸2が往復運動する。このとき、圧電素子1の伸長速度と収縮速度を異ならせることにより、駆動軸2が一定の方向へ移動する速度とその逆方向へ移動する速度が異なることとなる。これにより、被駆動部材3及び移動レンズ90を所望の方向へ移動させることができる。
圧電素子1が伸縮する際に、その伸縮による振動が生ずるが、圧電素子1を支持部材5によって伸縮方向に対し側方から支持されているため、圧電素子1の伸縮により生ずる振動が圧電素子1及び駆動軸2の外部へ伝達されにくい。このため、圧電素子1及び駆動軸2が固定枠4などの外部の部材と共振することが抑制され、その共振の影響を低減することができる。従って、被駆動部材3及び移動レンズ90を正確に移動させることができる。
以上のように、本実施形態に係る駆動装置によれば、板バネ7の両端を被駆動部材3に掛止させて配設できるため、ネジ止め作業などが不要であり、板バネ7の取り付けが容易に行える。また、ネジなど部品が不要であり少ない部品で摩擦係合構造を構成することができる。
また、板バネ7をL字状に形成しその屈曲部に外側へ突出する湾曲部73を形成することにより、簡易な構成でありながら所定範囲の押圧力で被駆動部材3を駆動軸2に圧接させることができる。また、湾曲部73を形成することにより、被駆動部材3や駆動軸2などの構成部品の製造誤差を吸収することができ、摩擦係合のバラツキを低減できる。従って、被駆動部材の安定した移動制御が行える。
また、板バネ7における駆動軸2と当接する側の板片71の端部が被駆動部材3と点接触していることにより、板バネ7の端部が被駆動部材3の接触面に対し傾いた状態で被駆動部材3に掛止されることが許容される。このため、板バネ7の姿勢が端部の掛止状態で決められてしまうことを回避でき、板バネ7を駆動軸2の表面形状に沿って接触させることができる。従って、板バネ7と駆動軸2との接触状態のバラツキが低減され、安定した被駆動部材3の移動制御が行える。
さらに、本実施形態に係る駆動装置をカメラの撮影光学系における構成部品のアクチュエータとして用いることにより、駆動機構を小型に構成でき、カメラの小型化が実現できる。また、携帯電話のカメラの撮影光学系における構成部品のアクチュエータとして用いることにより、駆動機構を小型に構成でき、携帯電話の小型化が実現できる。その他、webカメラなどのアクチュエータとして用いることもできる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る駆動装置の一例を示すものである。本発明に係る駆動装置は、これらの実施形態に係る駆動装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る駆動装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、本実施形態では、移動レンズを駆動する駆動装置に適用した装置について説明したが、移動レンズ以外の物を駆動する駆動装置に適用してもよい。
また、本実施形態では、圧電素子1を支持部材5を介し固定枠4に取り付けて圧電素子1の端部を自由端にした場合について説明したが、圧電素子1の端部を直接固定枠4に取り付けるものであってもよい。
1…圧電素子、2…駆動軸、3…被駆動部材、4…固定枠、5…支持部材、6…錘部材、7…板バネ。
Claims (3)
- 電気機械変換素子の伸縮に応じて駆動軸を往復移動させ、前記駆動軸に摩擦係合される被駆動部材を前記駆動軸に沿って移動させる駆動装置において、
前記駆動軸に対し交差する方向に向けて配設され、両端が前記被駆動部材に掛止され、その両端の間の中間部分で前記駆動軸を押圧して前記被駆動部材と前記駆動軸を摩擦係合させる板バネを備えたこと、
を特徴とする駆動装置。 - 前記板バネは、L字状に屈曲して形成され、その屈曲部分に外側へ突出する湾曲部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
- 前記板バネにおける前記駆動軸と当接する側の端部が前記被駆動部材と点接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006093465A JP2007274745A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006093465A JP2007274745A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007274745A true JP2007274745A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38676969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006093465A Pending JP2007274745A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007274745A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101436834A (zh) * | 2007-11-15 | 2009-05-20 | 日本电产科宝株式会社 | 驱动装置 |
JP2010039063A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Hitachi Maxell Ltd | レンズ駆動機構、レンズ鏡筒、レンズユニット、及びカメラモジュール |
JP2010243606A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
JP2013164627A (ja) * | 2013-05-16 | 2013-08-22 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
JP2013250297A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Konica Minolta Inc | 駆動機構およびレンズ移動機構 |
-
2006
- 2006-03-30 JP JP2006093465A patent/JP2007274745A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101436834A (zh) * | 2007-11-15 | 2009-05-20 | 日本电产科宝株式会社 | 驱动装置 |
JP2009124857A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Nidec Copal Corp | 駆動装置 |
JP2010039063A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Hitachi Maxell Ltd | レンズ駆動機構、レンズ鏡筒、レンズユニット、及びカメラモジュール |
JP2010243606A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
JP2013250297A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Konica Minolta Inc | 駆動機構およびレンズ移動機構 |
JP2013164627A (ja) * | 2013-05-16 | 2013-08-22 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4884050B2 (ja) | 駆動装置 | |
JP2007274777A (ja) | 圧電素子及び駆動装置 | |
JP4931425B2 (ja) | 駆動装置 | |
JP4931183B2 (ja) | 駆動装置 | |
US7446949B2 (en) | Driving mechanism, imaging mechanism and cellular phone | |
JP4936511B2 (ja) | 駆動装置、撮影装置及び携帯電話 | |
JP2007282448A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007274745A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007274746A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007049873A (ja) | アクチュエータ | |
JP2008245467A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007267538A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007049880A (ja) | アクチュエータ | |
JP2008253021A (ja) | 駆動装置 | |
JP2009027783A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007274788A (ja) | 駆動装置 | |
JP2012227988A (ja) | 振動型リニアアクチュエータとそれを有する光学機器 | |
JP2007274776A (ja) | 駆動装置 | |
JP2007274816A (ja) | 駆動装置 | |
JP6465587B2 (ja) | 振動子ユニット、振動型アクチュエータ及び撮像装置 | |
JP2008253107A (ja) | 駆動装置 | |
JP2010051055A (ja) | 駆動装置及び光学装置 | |
JP2010051059A (ja) | 駆動装置及び光学装置 | |
JP2009025407A (ja) | 駆動装置 | |
JP2008253106A (ja) | 駆動装置 |