以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
<学習支援システムの構成概要>
図1は、本発明の第1実施形態に係る学習支援システム1の構成概要を示す図である。
図1に示すように、学習支援システム1は、サーバ100、及び端末10〜50とを備えて構成され、サーバ100と端末10〜50は、インターネット等のネットワーク回線NTを介して、相互にデータ送受信可能に接続されている。また、サーバ100には、学習支援システム1を管理するための端末(管理用端末)190がデータ送受信可能に接続されている。
サーバ100は、各種教材に関するデータ等を蓄積したデータベース(教材DB)110を備えており、端末10〜50からの要求に応じて、教材を選択するための情報や、教材の実体的な内容を示すデータ(内容データ)等を端末10〜50に対して提供する。
<学習支援システムの機能構成>
図2は、学習支援システム1の機能構成を示すブロック図である。なお、図2では、図が複雑化するのを防ぐため、端末10〜50を代表して端末10のみを記載している。
端末10は、例えば、一般家庭で使用されるパーソナルコンピュータ(パソコン)である。なお、端末10は、携帯式の端末(PDA)等であっても良い。この端末10は、主に、インターフェース(I/F)11、端末制御部12、表示部13、操作部14、及び記憶部15を備えている。
I/F11は、サーバ100等との間におけるネットワーク回線NTを介したデータの送受信をコントロールするためのインターフェースである。
記憶部15は、例えばハードディスク等を備えて構成されており、学習支援システム1の機能の一部を実現するためのプログラムPG1が記憶されている。端末10では、端末制御部12がプログラムPG1を読み込んで実行することにより、学習支援システム1に係る機能が実現される。
操作部14は、例えばキーボードやマウス等で構成されており、端末10のユーザー(学習者)によって操作部14が適宜操作されると、端末制御部12に対して操作に応じた各種信号を送信する。
表示部13は、例えば、CRTや液晶パネルによって構成され、端末制御部12からの信号に応答して、各種画像を可視的に出力する。
端末制御部12は、CPU12aおよびメモリ12bを有しており、操作部14からの各種信号や、記憶部15に格納されたプログラムPG1等に基づいて、各種機能や動作を実現する。例えば、表示部13における各種画像の表示を制御する表示制御部12Aの他、項目選出部12B、詳細項目表示要求部12C、及び教材項目指定部12D等が機能として実現される。なお、端末制御部12における情報処理の過程で生成される各種データはメモリ12bに一時的に記憶される。
管理用端末190は、例えば、パーソナルコンピュータ(パソコン)等によって構成される。管理用端末190は、主に、インターフェース(I/F)191、PC制御部192、表示部193、操作部194、及び記憶部195を備えている。
I/F191は、サーバ100等との間におけるデータの送受信をコントロールするためのインターフェースである。
記憶部195は、例えばハードディスク等を備えて構成されており、学習支援システム1の機能の一部を実現するためのプログラムPG2が記憶されている。管理用端末190では、PC制御部192がプログラムPG2を読み込んで実行することにより、学習支援システム1に係る機能が実現される。
操作部194は、例えばキーボードやマウス等で構成されており、管理用端末190のユーザー(管理者)によって操作部194が適宜操作されると、PC制御部192に対して操作に応じた各種信号を送信する。
表示部193は、例えば、CRTや液晶パネルによって構成され、PC制御部192からの信号に応答して、各種画像を可視的に出力する。
PC制御部192は、CPU192aおよびメモリ192bを有しており、操作部194からの各種信号や、記憶部195に格納されたプログラムPG2等に基づいて、各種機能や動作を実現する。例えば、表示部193における各種画像の表示を制御する表示制御部192A等が機能として実現される。なお、PC制御部192における情報処理の過程で生成される各種データはメモリ192bに一時的に記憶される。
サーバ100は、主に、記憶部101、サーバ制御部120、及びインターフェース(I/F)150を備えている。
I/F150は、端末10等との間におけるネットワーク回線NTを介したデータの送受信をコントロールしたり、管理用端末190との間におけるデータの送受信をコントロールするためのインターフェースである。
記憶部101は、例えばハードディスク等を備えて構成されており、サーバ100の機能を実現するためのプログラムPG3が記憶されている。サーバ100では、サーバ制御部120がプログラムPG3を読み込んで実行することにより、図6に示す機能構成が実現される。また、記憶部101には、教材DB110が格納されている。
教材DB110は、教材を構成する複数の内容データ(内容データ群)111、複数の内容データの目次や関連等を示す情報(内容データ関連情報)112、及び学習者から送られてくる各種入力情報等を解析するための解析用データ113を記憶している。
内容データ関連情報112は、RDF(Resource Description Framework)等を利用して記述されており、教材を構成する複数の項目をそれぞれ示す複数のテキストデータ等の要素(教材項目要素)を相互に関連付けた情報を有している。そして、各教材項目要素には、内容データ群111のうち、当該各教材項目要素にそれぞれ対応する教材の実体的な内容を示すデータ(内容データ)が適宜関連付けられている。また、内容データ関連情報112では、各教材の内容の特徴を示す情報(例えば、特徴を示す代表的な複数のキーワード等)が、検索を行うための情報として各教材項目要素に対して付されている。
図3から図5は、内容データ関連情報112の内容を例示する図であり、図3から図5では、一例として数学の教材について示している。
図3に示すように、内容データ関連情報112では、教材項目要素「数学」に対して、6つの教材項目要素「代数学」「線形代数学」「解析学」「微分積分学」「統計学」「幾何学」が属するように関連付けられており、当該6つの教材項目要素に対して、更に1以上の教材項目要素が順次属するように関連付けられている。これは、教材を構成する項目「数学」には、大きく分けて6つの項目「代数学」「線形代数学」「解析学」「微分積分学」「統計学」「幾何学」が存在して(属して)おり、当該6つの大項目「代数学」「線形代数学」「解析学」「微分積分学」「統計学」「幾何学」に対して、更に1以上の小項目が順次存在して(属して)いることを示している。このように、内容データ関連情報112では、複数の教材項目要素に含まれる各教材項目要素が、上位から下位の階層を含む複数階層のうちのいずれかに属している。
また、図4に示すように、例えば、内容データ関連情報112に属する教材項目要素「偏微分方程式」に対して、属性「対象」「手段」「結語」についてのキーワード「気液界面の現象」「数値解析」「解きたい」がそれぞれ属性値として付されている。また、教材項目要素「偏微分方程式」に対して、属性「データ」についての属性値として内容データのファイル名が付されることで、内容データが関連付けられている。なお、図4では、教材項目要素「偏微分方程式」に着目して示したが、内容データ関連情報112に含まれる他の教材項目要素についても同様な形式で各種情報が適宜付されている。
また、内容データ関連情報112で関連付けられている複数の教材項目要素には、教材を構成する詳細な項目を示す1以上の要素(以下「詳細項目要素」とも称する)が従属する(紐付けされた)1以上の要素(以下「詳細項目付き要素」とも称する)が含まれている。つまり、複数の教材項目要素には、1以上の詳細項目要素と1以上の詳細項目付き要素とが含まれている。
図5に示すように、例えば、詳細項目付き要素「メッシュの切り方」に対して、詳細項目要素「概念」「A法」「B法」が従属している。そして、詳細項目付き要素「B法」に対して、詳細項目要素「教材」「確認テスト」が従属している。更に、詳細項目付き要素「教材」に対して、詳細項目要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」が従属している。また、詳細項目要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」に対して、それぞれ内容データが紐付けされている。なお、図5では、詳細項目要素「B法」及び「教材」について従属する要素を示して説明したが、他の詳細項目要素についても適宜同様な形式で詳細項目要素が更に従属している。
解析用データ113は、いわゆる形態素解析及び係り受け解析に必要なデータ(形態素解析用データ、及び係り受け解析用データ)、同じ意味を示す複数の同義語(例えば、「気体と液体の界面」「気液界面」)と当該複数の同義語の代表語(気液界面)との関連付けが多数列挙された辞書を示すデータ(辞書データ)、及び後述する機械学習機能によって取得した各種データ(機械学習データ)が格納される。辞書データには、シソーラス辞書等の専門性を有する辞書を示すデータが含まれる。なお、形態素解析用データ、係り受け解析用データ、及び辞書データは、管理用端末190等から予め入力されて記憶される。
機械学習データは、例えば、端末10〜50において学習者が入力した学習目標を示す自由文(テキストデータ)の情報(学習目標情報)を解析する際に、基準となる情報であり、管理用端末190等から入力されるデータに基づく機械学習によって取得される。
サーバ制御部120は、CPU120aおよびメモリ120bを有しており、管理用端末190や端末10〜50からの各種信号や、プログラムPG3等に基づいて、学習支援システム1に関する動作を制御する部位である。ここでは、例えば、管理用端末190からの信号に基づき、サーバ制御部120が、記憶部101に格納されているプログラムPG3を読み込んで実行することにより、学習支援システム1に関する機能及び動作が実現される。なお、サーバ制御部120における情報処理の過程で生成される各種データは、メモリ120bに一時的に記憶される。
学習支援システム1では、サーバ制御部120、PC制御部192、及び端末制御部12の各機能が協働して、各種データを相互に送受信し合うことで、学習支援に係る動作(以下「学習支援動作」と称する)を実現する。
以下、学習支援システム1における学習支援動作について説明する。
<学習支援動作>
図6は、学習支援動作が実行される際に、サーバ制御部120において実現される機能を例示する図である。学習支援動作を行う際には、サーバ制御部120は、機能として、入力情報受付部121、機械学習部122、学習目標解析部123、情報抽出部124、教材抽出提供部125、採点情報管理部126、及び情報更新部127を備えて構成される。また、学習支援動作を行う際には、サーバ制御部120が、記憶部101に格納された教材DB110内のデータを適宜用いることで、学習者の意図に適合した教材内容の提供が実現される。
入力情報受付部121は、例えば、I/F11,150,191等を介して端末10や管理用端末190から入力される各種情報を受け付ける。例えば、端末10において学習者が入力した学習目標を示す情報(学習目標情報)や各種入力情報を受け付けたり、管理用端末190において管理者が入力した各種情報を受け付ける。
機械学習部122は、解析用データ113に含まれる機械学習データを取得する。機械学習データには、学習目標情報を解析するデータ(学習目標解析用データ)を含む。機械学習部122は、例えば、教師データとして学習用コーパスなどが与えられることで、機械学習データを学習する。つまり、学習用コーパスに基づいて、機械学習データを機械学習によって取得する。このとき、学習用コーパスに含まれる多数のテキストデータからそれぞれ必要な要素が抽出されるとともに、RDFを利用して構造化が行なわれる。
ここで、学習目標解析用データを機械学習によって取得する手法について説明する。
学習用コーパスは、学習目標を示す自由文の形式(文章モデル)に準じた大量のテキストデータを含む。この文章モデルは、例えば、「対象→手段→結語」といった具合に、学習目標を示す自由文の構成を示すものである。そして、学習用コーパスでは、例えば、学習目標の文章モデル(「学習目標文モデル」とも称する)を構成する各要素の分類項目名が各語句にタグ付けされている。例えば、要素の分類項目としては、「対象」「手段」及び「結語」等が挙げられる。
そして、学習用コーパスでは、例えば、「気液界面の現象」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「対象」がタグ付けされている。「数値解析」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「手段」がタグ付けされている。「解きたい」「知りたい」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「結語」がタグ付けされている。
機械学習部122は、学習用コーパスから語句を抜き出し、対応する要素の分類項目毎にそれぞれ記憶する。つまり、機械学習部122では、学習用コーパスを含む教師データを学習教材とし、教師データを参照して要素の分類項目毎に各要素の分類項目に属する語句を学習して記憶する。
更に、機械学習部122では、学習用コーパスにおける要素の出現パターンも学習して記憶する。例えば、対象「気液界面の現象」の後には要素「手段」に属する語句が出現する等といった、如何なる分類項目に属する如何なる語句が、どのような順で出現するのかといった出現パターンを学習して記憶する。例えば、「対象→手段→結語」といった順番で、「対象」「手段」「結語」を示す語句が出現するといった出現パターンを学習して記憶する。このような出現パターンによって、学習用コーパスに含まれていない語句が出現したとしても、「対象」「手段」「結語」を示す語句を認識することが可能となる。
機械学習部122で学習されて記憶される学習目標解析用データは、学習目標を示すテキストデータを構成する各要素をどのような要素の分類項目に分解するのかを示すモデルのデータ(モデルデータ)として使用される。
また、機械学習部122は、モデルデータを通信回線や記憶媒体等を介して外部のコンピュータに出力したり、外部のコンピュータで学習されたモデルデータを通信回線や記憶媒体等を介して入力することもできる。よって、学習支援システム1において学習されたモデルデータを他の学習支援システムで利用したり、逆に、他の学習支援システムにおいて学習されたモデルデータを学習支援システム1で利用することができる。
学習目標解析部123は、機械学習部122で学習されたモデルデータ、又は外部から取得したモデルデータを基準としつつ、形態素解析用データを用いた形態素解析、係り受け解析用データを用いた係り受け解析、辞書データを用いた同義語の代表語への変換、及び公知のSVM(Support Vector Machine)を用いて、入力情報受付部121で受け付けられる学習目標を示す自由文の情報(学習目標情報)を解析する。よって、学習目標解析部123では、辞書データを用いた処理を行うことで、同じ内容を示す多数の言い回しから1つの内容を特定しつつ、学習者が入力した学習目標情報を解析する。そして、学習目標解析部123では、この解析の結果、項目「対象」「手段」「結語」を示す語句の要素を識別することで、学習目標情報が示す内容(すなわち、学習者の意図)を特定することができる。
図7は、学習支援動作において、端末10で表示制御部12Aの制御によって表示部13に表示される学習目標を示す自由文を入力する画面(以下「学習目標入力画面」とも称する)GMを例示する図である。学習支援動作では、表示部13に学習目標入力画面GMが表示された状態で、学習者が操作部14を適宜操作することで、入力欄B1に学習目標を示す自由文が記述される。そして、実行ボタンEX1がマウスポインタMPによって押下されると、学習目標情報が端末制御部12に入力される。端末制御部12に入力された学習目標情報は、一時的にメモリ12bに記憶され、続いて、I/F11,150を介してサーバ制御部120に送信されて、入力情報受付部121で受け付けられる。このとき、学習目標情報は、メモリ120bに一時的に格納される。
例えば、図7で示すように、学習目標入力画面GMにおいて、学習目標を示す自由文「液体と気体の現象を数値解析で解きたい」が入力され、当該自由文を示す入力情報が入力情報受付部121で受け付けられた場合、学習目標解析部123は、項目「対象」を示す要素「気液界面の現象」、項目「手段」を示す要素「数値解析」、及び項目「結語」を示す要素「解きたい」を認識する。
なお、ここでは、辞書データを用いて同義語を1つの代表語へ変換するため、例えば、「液体と気体の現象を数値解析で解きたい」と同じ意味を示す異なる複数の表現「気液界面の現象を数値解析で解きたい」「液体と気体の界面を偏微分方程式を用いて解きたい」「界面を有した液体の流れを偏微分方程式で数値計算したい」の自由文が学習目標として入力された場合であっても、学習目標解析部123は、項目「対象」「手段」「結語」を示す要素として「気液界面の現象」「数値解析」「解きたい」をそれぞれ認識することができる。
情報抽出部124は、学習目標解析部123における学習目標情報の解析結果に基づいて、入力情報受付部121で受け付けた学習目標情報に対応する1以上の教材項目要素と、当該1以上の教材項目要素に対して所定の関係を有する1以上の教材項目要素とからなる複数の教材項目要素、及び当該複数の教材項目要素どうしの関係を示す情報を、内容データ関連情報112から抽出する。なお、情報抽出部124では、内容データ関連情報112のうちの一部の情報を抽出するため、情報抽出部124によって抽出される情報を「一部関連情報」とも称する。なお、情報抽出部124によって抽出された一部関連情報は、メモリ120bに一時的に格納される。
ここで言う「所定の関係」とは、学習目標情報に対応する1以上の教材項目要素を基準として、1つ大きな概念を示す関係、及び当該1つの大きな概念を示す教材関連要素に属する関係を示している。
例えば、学習目標解析部123で、項目「対象」を示す要素「気液界面の現象」、項目「手段」を示す要素「数値解析」、及び項目「結語」を示す要素「解きたい」が認識された場合には、情報抽出部124は、内容データ関連情報112から属性「対象」「手段」「結語」についてそれぞれキーワード「気液界面の現象」「数値解析」「解きたい」が属性値として付されている教材項目要素を、学習目標情報に対応する教材項目要素として抽出する。
具体的には、例えば、図4に示すように、属性「対象」「手段」「結語」についてそれぞれキーワード「気液界面の現象」「数値解析」「解きたい」が属性値として付されている教材項目要素「偏微分方程式」が、学習目標情報に対応する教材項目要素として抽出される。このように、「気液界面の現象を数値解析で解きたい」という学習目標に対して、教材項目要素「偏微分方程式」が抽出されるように設定されているのは、物理現象を数値解析で解く場合は偏微分方程式が利用されるからである。
そして、図8に示すように、教材項目要素「偏微分方程式」よりも1つ大きな概念を示す教材項目要素「微分の基礎」と、教材項目要素「微分の基礎」に属する複数の教材項目要素(ここでは、「常微分方程式」・・・、及び「偏微分方程式」・・・)とが関連付けられた一部関連情報が内容データ関連情報112から抽出される。このように、学習目標情報と直接対応する教材項目要素以外の関連する教材項目要素が抽出されるのは、例えば
、「偏微分方程式」を解く為には、基礎方程式として「質量保存方程式」や「運動量方程式」の知識が必要となるからである。更に、「偏微分方程式」を解く為には、様々な近似法の知識が必要であり、微分の基礎的な知識も必要であることも前提となるからである。
情報抽出部124で抽出された一部関連情報は、I/F150,11などを介して、端末10の端末制御部12に送られる。このとき、端末制御部12では、一部関連情報をメモリ12bに記憶する。
そして、端末制御部12では、機能として実現される表示制御部12Aが、メモリ12bに記憶された一部関連情報に基づき、一部関連情報に含まれる各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられた情報(ネットワーク情報)を表示部13において表示するように制御する。このとき、一部関連情報に1以上の詳細項目付き要素が含まれる場合、表示制御部12Aの制御下で、一部関連情報に基づき、1以上の詳細項目要素を除く各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報が表示部13において可視的に出力(表示)される。
図8は、表示部13に表示されるネットワーク情報の一覧表示D1を例示する図である。この図8に示すようなネットワーク情報の一覧表示を含む画面は、学習者が自己の意志で、必要な教材の項目を指定することができる画面(以下「教材項目指定画面」とも称する)として機能する。
例えば、図9で示すように、学習者が操作部14に含まれるマウスを適宜操作することで、一覧表示D1に含まれる複数の教材項目要素から学習者自身が未習得で学習したい教材項目要素(以下「学習対象項目要素」とも称する)を選択することができる。
具体的には、図8に示す一覧表示D1において、学習者が操作部14を適宜操作することでマウスポインタMPを所望の教材項目要素に合わせて適宜所定のマウス操作を行うと、項目選出部12Bが、マウスポインタMPが合わされた1つの教材項目要素を選出する。すなわち、内容データ関連情報112の複数階層に含まれる1つの階層に属する1つの教材項目要素を選出する。このとき、項目選出部12Bによって一部関連情報から選出された教材項目要素を特定する情報(項目特定情報)が、メモリ12bに一時的に格納される。
そして、一覧表示D1において、表示制御部12Aが、項目特定情報に基づき、項目選出部12Bによって選出された1つの教材項目要素(以下「選出教材項目要素」とも称する)と、当該1つの選出教材項目要素と一部関連情報において関連付けられた2以上(ここでは、複数)の教材項目要素のうち選出教材項目要素が属する1つの階層よりも下位の階層に属する1以上(ここでは、複数)の教材項目要素とが、残余の教材項目要素とは区別可能な異なる表示態様となるように制御する。ここでは、1つの選出教材項目要素と、一部関連情報において当該1つの選出教材項目要素に対して属するように関連付けられた1以上(ここでは、複数)の教材項目要素とが、残余の教材項目要素とは区別可能な異なる表示態様となるように制御される。
図9は、一覧表示D1において学習対象項目要素を選択した後の画面を例示する図である。図9は、一覧表示D1のうち学習者によって選択された系列の教材項目要素の表示が、他の系列の教材項目要素の表示とは区別可能な異なる色で着色(例えば、赤色で着色)された態様で表示された表示例D11を示している。
ここで、図9の表示例D11が得られる過程について説明する。
学習者が操作部14に含まれるマウスを適宜操作することで、図8に示す一覧表示D1において、要素「偏微分方程式」にマウスポインタMPを合わせて、学習者が所定のマウス操作(例えば、右クリック)を行うと、要素「偏微分方程式」及び要素「偏微分方程式」に属する要素(同一階層にある要素「質量保存則」「運動量方程式」「近似法」及び当該要素に属する全ての要素)が所定の色で着色された状態となる。
次に、同一階層にある要素「質量保存則」「運動量方程式」「近似法」のうち要素「近似法」にマウスポインタMPを合わせて所定のマウス操作を行うと、要素「近似法」と同一階層にある他の要素「質量保存則」「運動量方程式」の着色(所定の色の着色)が解除される。なお、要素「質量保存則」「運動量方程式」に属する要素があれば、それらの要素の着色も解除される。
その次に、同一階層にある要素「テーラー展開」「メッシュの切り方」のうち要素「メッシュの切り方」にマウスポインタMPを合わせて所定のマウス操作を行うと、要素「メッシュの切り方」と同一階層にある他の要素「テーラー展開」の着色(所定の色の着色)が解除される。
更に、同一階層にある要素「陽解法」「陰解法」のうち要素「陰解法」にマウスポインタMPを合わせて所定のマウス操作を行うと、要素「陰解法」と同一階層にある他の要素「陽解法」の着色(所定の色の着色)が解除される。
図10では、学習者が教材項目「メッシュの切り方」を学習しようとして要素「メッシュの切り方」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作(例えば、左クリック)を行った状態が示されている。
要素「メッシュの切り方」は、図5で示したように、詳細項目付き要素であり、要素「メッシュの切り方」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作(例えば、左クリック)を行うと、詳細項目表示要求部12Cが、表示部13に表示される一覧表示において、要素「メッシュの切り方」に属する詳細項目要素を表示するように要求する。そして、当該要求に応答して、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納された一部関連情報に基づき、要素「メッシュの切り方」に属する3つの細分化された詳細項目要素「概念」「A法」「B法」が図10に示すような態様で表示部13において表示される。よって、学習者は、教材「概念」のみを学習することもできるし、その他「A法」「B法」についても適宜学習することができる。
なお、図10では、詳細項目付き要素「メッシュの切り方」に属する3つの詳細項目要素を表示する例を示したが、これに限られない。例えば、1つの詳細項目付き要素に対して1以上の任意の数の詳細項目要素が属する場合、学習者の操作に応答して、1つの詳細項目付き要素に属する1以上の任意の数の詳細項目要素を表示するようにしても良い。
図10では、項目「概念」及び「A法」を習得した学習者が「B法」の習得に自信がないために、項目要素「B法」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行った後の状態が示されている。
要素「B法」は、図5で示したように、詳細項目付き要素であり、要素「B法」には、詳細項目要素「教材」「確認テスト」が関連付けられている。ここでは、上述した要素「メッシュの切り方」に係る詳細項目要素の表示と同様に、要素「B法」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納された一部関連情報に基づき、要素「B法」に属する2つの細分化された詳細項目要素「教材」「確認テスト」が図10に示すような態様で表示部13において表示される。
端末制御部12の教材項目指定部12Dは、学習者による入力操作に応答して、教材項目指定画面から、実行したい内容データを示す教材項目要素(以下「実行対象項目要素」とも称する)を指定する。この実行対象項目要素を特定する情報は、一旦メモリ12bに格納された後、I/F11,150等を介してサーバ制御部120に送信され、メモリ120bに格納される。
サーバ制御部120の教材抽出提供部125は、メモリ120bに格納された実行対象項目要素を特定する情報を参照することで、内容データ群111から実行対象項目要素に対応する内容データを抽出する。この教材抽出提供部125によって抽出された内容データは一旦メモリ120bに格納された後、I/F11,150等を介して端末制御部12に送信されて、メモリ12bに格納される。つまり、学習者の端末10に対して内容データが提供される。このとき、端末制御部12の表示制御部12Aにより、メモリ12bに格納された実行対象項目要素に対応する内容データに基づいて、内容データに基づく画面が表示部13において表示される。すなわち、学習者に対して内容データが可視的に提供される。
例えば、学習者は、図10に示すような教材項目指定画面が表示部13において表示された状態で、要素「教材」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、内容データ関連情報112においてB法の要素「教材」に関連付けられていた内容データを内容データ群111から抽出して実行することで、B法の「教材」を学習することができる。
また、学習者は、B法の「教材」を用いて学習する前に、要素「確認テスト」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うことでB法の「確認テスト」によってB法についての自己の理解度を確認することができる。具体的には、図10に示す教材項目指定画面において、要素「確認テスト」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うことで、内容データ関連情報112において要素「確認テスト」に関連付けられていた内容データ「確認テスト」を内容データ群111から抽出して実行することができる。
図11は、内容データ「確認テスト」に基づいて表示制御部12Aの制御により表示部13において表示される画面(以下「確認テスト画面」と称する)CTを例示する図である。
図11に示す確認テスト画面CTでは、「B法」についての1以上(例えば、10問)のテスト問題が列挙され、各テスト問題に対する解答(「YES」又は「NO」)を指定するラジオボタンRBが、各テスト問題の右方に表示されている。この確認テスト画面CTが表示部13に表示された状態で、学習者が適宜マウスを操作して、マウスポインタMPを所望のラジオボタンRBに合わせてマウスを左クリックすることでラジオボタンRBを指定する動作を各問題について行うことができる。そして、最後に送信ボタンTBにマウスポインタMPを合わせてマウスを左クリックすることで、確認テストに対する解答を示す情報(以下「確認テスト解答情報」と称する)をメモリ12bからI/F11,150等を介してサーバ制御部120に対して送信し、メモリ120bに格納することができる。
サーバ制御部120は、メモリ120bに格納された確認テスト解答情報について採点を行い、その採点結果を示す情報(以下「採点結果情報」と称する)を、メモリ120bからI/F11,150等を介して端末制御部12に送信する。端末制御部12では、採点結果情報をメモリ12bに格納した後、表示制御部12Aの制御下で、採点結果情報が表示部13において可視的に出力される。学習者は、この採点結果を視認することで、自己の理解度を確認することができる。そして、学習者が自己の理解度が低いと思えばB法の「教材」を学習するようにすれば良い。
図12は、学習者が「確認テスト」で自己の理解度は不十分であると判断して、教材項目指定画面において、要素「教材」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行った状態を示している。なお、図12は、要素「B法」及び当該要素に従属する要素に着目して示しており、その他の要素については図示を省略している。
図12に示すように、要素「教材」に対しては、要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」が従属するように関連付けられている。
このとき、学習者が操作部14を適宜操作することで、要素「解説」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、教材項目指定部12Dによって要素「解説」が実行対象項目要素として指定される。すると、教材抽出提供部125の働きにより、内容データ関連情報112を参照しつつ内容データ群111から要素「解説」に対応する内容データが抽出され、表示制御部12Aの働きにより、要素「解説」に対応する内容データに基づく画面(例えば、図13)が表示部13に表示される。つまり、要素「解説」に係る教材の内容が表示される。学習者は、「解説」の教材内容を読むことで、「B法」の理解に努めることができる。
そして、同様な操作により、学習者は、「解説」を読んだ後に、教材項目指定画面において、要素「例題1」及び「例題2」を実行対象項目要素として時間順次に指定することで、「例題1」及び「例題2」の教材の内容を示す画面(例えば、図14)を表示部13に表示させて、「B法」の理解に努めることができる。つまり、「解説」の教材内容を読んだ上で、「例題1」「例題2」を解くことにより理解度が高まるように構成されている。
更に、その後、同様な操作により、学習者は、教材項目指定画面において、要素「問題1」及び「問題2」を実行対象項目要素として時間順次に指定することで、「問題1」及び「問題2」を示す画面を表示部13に表示させて、「問題1」「問題2」を解くことにより「B法」の理解度を確認することができる。
この「問題1」「問題2」などといった問題は、例えば、図11で示した確認テストと同様に、YES・NOを選択的に解答するようなもの(例えば、図15)や、穴埋め問題のようなコンピュータで容易に採点可能な問題とすることができる。この問題に対しては、確認テストと同様にして学習者が操作部14を適宜操作することで、問題に対する解答を示す情報(「問題解答情報」と称する)を入力することができる。このとき、端末制御部12において、メモリ12bに問題解答情報を格納した後に、問題解答情報が示す解答と問題に係る内容データに含まれる正解とが合致するか否かが判定され、その判定結果を示す情報(以下「採点情報」と称する)が求められる。そして、採点情報は、メモリ12bからI/F11,150を介して端末制御部12からサーバ制御部120に転送されて、メモリ120bに格納される。
この採点情報は、問題を特定する情報と、解答が合っているか否かを示す情報とを含んでおり、採点情報管理部126が、多数の採点情報に基づいて、各問題の正答率を管理するリスト(正答率リスト)を作成して、記憶部101に記憶する。そして、例えば、管理者が、管理用端末190の操作部194を種々操作すると、記憶部101に記憶された正答率リストがサーバ制御部120の機能によりPC制御部192に転送され、表示制御部192Aの制御下で、表示部193に正答率リストが可視的に出力される。このとき、管理者は、正答率リストを視認することで、例えば、「問題1」の正答率が高いにも拘わらず、「問題2」の正答率が低い場合には、「問題2」に対する教材が不十分であると認識することができる。
このように、管理者は、正答率の低い問題を見つけると、例えば、「問題2」の解き方に関する記述を「解説」「例題1」「例題2」に対して適宜追加するような修正を加えることで、内容データ群111が充実するように進化させることができる。
具体的には、管理者による操作部194の操作に応答して、PC制御部192から内容データ関連情報112及び内容データ群111を修正する信号及びデータが送信される。このとき、例えば、情報更新部127の機能により、内容データ群111に対して教材を構成する新たな項目に係る内容データを追加するとともに、内容データ関連情報112に対して新たな項目を示す新たな教材項目要素が追加され、更に、当該新たな教材項目要素に対して対応する新たな内容データが関連付けられる。
以上では、教材提供に関する動作について、機能構成の面から説明したが、以下、教材提供に関する動作フローについて説明する。
図16は、教材提供に関する動作フローを示すフローチャートである。図16で示す動作フローは、サーバ制御部120、及び端末制御部12の各機能が協働した制御によって実現される。この動作フローは、学習者が端末10の操作部14を種々操作することで、端末制御部12から所定の信号がサーバ制御部120に送信されることで、開始される。
ステップS1では、入力情報受付部121によって学習目標情報が受け付けられたか否か判定される。ここでは、学習目標情報を受け付けるまでステップS1の判定が繰り返され、学習目標情報が受け付けられるとステップS2に進む。以下のステップでは、図7に示すような学習目標入力画面GMにおいて「液体と気体の界面の現象を数値解析で解きたい」という学習目標情報が入力されたものとして説明する。
ステップS2では、学習目標解析部123によってステップS1で受け付けた学習目標情報が解析される。例えば、項目「対象」「手段」「結語」を示す要素「気液界面」「数値解析」「解きたい」がそれぞれ識別されることで、学習目標情報が示す内容(すなわち、学習者の意図)が特定される。このとき、解析結果を示す情報が一時的にメモリ120bに格納される。
ステップS3では、情報抽出部124によってステップS2の解析結果に基づき、ステップS1で受け付けられた学習目標情報に対応する教材項目要素が認識される。例えば、属性「対象」「手段」「結語」についてそれぞれキーワード「気液界面の現象」「数値解析」「解きたい」が属性値として付されている教材項目要素「偏微分方程式」が、学習目標情報に対応する教材項目要素として認識される。
ステップS4では、ステップS3で認識された教材項目要素と、当該教材項目要素と所定の関係を有する教材項目要素とからなる複数の教材項目要素、及び当該複数の教材項目要素どうしの関係を示す一部関連情報が、内容データ関連情報112から抽出される。例えば、教材項目要素「偏微分方程式」と、教材項目要素「偏微分方程式」よりも1つ大きな概念を示す教材項目要素「微分の基礎」と、教材項目要素「微分の基礎」に属する複数の教材項目要素(ここでは、「常微分方程式」・・・、及び「偏微分方程式」・・・)とを含む多数の教材項目要素が関連付けられた一部関連情報が内容データ関連情報112から抽出される。このとき、一部関連情報が一時的にメモリ120bに格納される。
ステップS5では、ステップS4で抽出された一部関連情報が端末制御部12に転送される。このとき、一部関連情報が一時的にメモリ12bに格納される。
ステップS6では、表示制御部12Aによって、ステップS5で受信した一部関連情報に基づいて、各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を含む教材項目指定画面(例えば、図8)が表示部13に表示される。
ステップS7では、教材項目指定部12Dにより、学習者による操作部14の操作に応答して、ステップS6で表示部13に表示された教材項目指定画面の一覧表示から実行対象項目要素が指定されたか否か判定する。ここでは、実行対象項目要素が指定されるまでステップS7の判定を繰り返し、実行対象項目要素が指定されると、ステップS8に進む。このとき、実行対象項目要素を示す情報がメモリ12bからI/F11,150を介してサーバ制御部120に転送され、メモリ120bに一時記憶される。
ステップS8では、教材抽出提供部125によって、内容データ関連情報112を参照することで、ステップS7において指定された実行対象項目要素に対応する内容データが抽出される。このとき、抽出された内容データは、メモリ120bに一時記憶される。
ステップS9では、ステップS8で抽出された内容データが端末制御部12に転送される。つまり、端末10(学習者)に対して内容データが提供される。このとき、内容データがメモリ12bに一時記憶される。
ステップS10では、表示制御部12Aによって、ステップS9で受信した内容データに基づく画面が表示部13に表示される。換言すれば、学習者に対して、内容データに基づく教材が提供される。
ステップS11では、ステップS10において表示が開始された内容データに基づく画面の表示が終了したか否か判定する。すなわち、内容データの実行が終了したか否か判定する。ここでは、内容データの実行が終了するまでステップS11の判定を繰り返し、内容データの実行が終了するとステップS6に戻り、ネットワーク情報の一覧表示を含む教材項目指定画面が表示部13に表示される。
以上のように、第1実施形態に係る学習支援システム1では、教材を構成する複数の項目をそれぞれ示す複数の教材項目要素が相互に関連付けられた内容データ関連情報112を記憶部101に記憶しておく。また、記憶部101に格納される内容データ群111に各教材項目要素にそれぞれ対応する内容データを記憶し、内容データ関連情報112において、各教材項目要素に対してそれぞれ対応する内容データを関連付けて記憶しておく。そして、学習者が端末において学習目標情報を入力すると、学習目標情報に対応する少なくとも1以上の教材項目要素及び当該1以上の教材項目要素と所定の関係を有する1以上の教材項目要素を含む一部関連情報が抽出される。その後、抽出された一部関連情報に基づき、各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示が学習者の端末に表示される。このような構成を採用することで、学習者の意図に適合した学習教材の項目の一覧表示を参照しつつ、学習者は容易に所望の学習教材を選択することができる。すなわち、学習者の意図に適合した学習教材を提供することができる。
また、一覧表示において学習者が指定した教材項目要素に対応する内容データが学習者に対して可視的に提供されるため、学習者が自らの意図に適合した学習教材を得ることができる。
また、学習者による学習目標情報の入力に応答して学習者の端末で表示されるネットワーク情報の一覧表示では、教材を構成する詳細な項目を示す詳細項目要素が省略されて各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報が可視的に出力される。このため、一覧表示に含まれる教材項目要素が多く成り過ぎて、ユーザーが一覧表示から所望の教材項目を見つけ出すことが困難になるといった不具合を回避することができる。
また、学習者の要求に応じて詳細項目要素も一覧表示において表示する。このため、学習者は教材を構成する詳細な項目も含めた複数の項目から、所望の教材項目を選択することができる。
また、内容データ関連情報112では、複数の教材項目要素が階層構造をなしている。そして、一覧表示において、学習者の操作に応じて1つの教材項目要素が選出されると、当該1つの教材項目要素と当該1つの教材項目要素に属する教材項目要素とが、残余の教材項目要素とは区別可能な異なる表示態様で表示される。このため、一覧表示から所望の学習教材を絞り込んで指定する動作が容易となる。
また、管理者の操作に応答して、新たな内容データを追加して、内容データ関連情報112にも新たな項目を追加する。このような構成を採用することで、必要に応じて管理者が教材の内容を進化させた後に、学習者が新たな教材を含めて所望の教材を容易に選び出すことができる。
また、学習目標情報を含む学習者によって入力される情報を解析する際に基準となる情報が機械学習によって取得される。このような構成を採用することで、学習者が入力する多種多様な情報に対処することができる。
また、学習目標情報を含む学習者によって入力される情報を解析する際に、同一内容を示す複数の表現から1つの内容を特定する。このような構成を採用することで、学習者が入力する多種多様な情報に対処することができる。
また、内容データ関連情報112がRDFによって記述されるような構成を採用することで、内容データ関連情報112を容易に記述することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態に係る学習支援システム1では、学習者が入力した学習目標情報に対応した教材項目要素の一覧表示が提示され、学習者は、一覧表示から所望の教材項目要素を指定することで、学習者自身の意図に沿った教材を得ることができた。これに対して、第2実施形態に係る学習支援システム1Aでは、教材項目要素の一覧表示において、理解すべき教材項目要素が提示されるだけでなく、学習経路をガイドする情報も提示される。
なお、第2実施形態に係る学習支援システム1Aと第1実施形態に係る学習支援システム1とは、内容データ群111や内容データ関連情報112に格納されている記憶内容、及び端末10〜50で提示される一覧表示等の各種表示などといった学習支援動作の内容が異なる。しかしながら、システムの構成の概要や機能構成などは同様なものであるため、これらについては説明を省略し、異なる点について以下説明する。
<記憶部の記憶内容>
図17は、内容データ関連情報112に含まれる一部の情報を例示している。図17では、「CPUのハードウェア設計」を学ぶ際に理解すべき項目に関する教材について示している。
図17に示すように、内容データ関連情報112では、教材項目要素「CPUの設計」に対して、3つの教材項目要素「レイアウト設計」「論理設計」「計算機アーキテクチャ」が属するように関連付けられており、当該3つの教材項目要素に対して、更に1以上の教材項目要素が順次属するように関連付けられている。具体的には、教材項目要素「半導体デバイス」「半導体物性」「電子物性」「基礎物理」「論理設計」「論理回路」「電子回路」「電気回路」「基礎数学」「ハードウェア記述言語」「プログラミング」「情報数学」が適宜属するように関連付けられている。
図17では図示を省略しているが、第1実施形態と同様に、内容データ関連情報112では、教材項目要素の内容を代表して示す複数のキーワードが、検索を行うための情報として各教材項目要素に対して付されている。また、各教材項目要素に対して、CPUの(ハードウェア)設計を学ぶ際に、学習すべき経路(学習経路)を示す情報(以下「学習経路情報」とも称する)が関連付けられている。ここでは、1〜15の番号が学習経路情報として関連付けられている。更に、第1実施形態と同様に、内容データ関連情報112に含まれる教材項目要素には、教材を構成する詳細な項目を示す詳細項目要素が紐付けされた詳細項目付き要素が含まれている。
また、内容データ群111には、教材項目要素「CPUの設計」「レイアウト設計」「論理設計」「計算機アーキテクチャ」「半導体デバイス」「半導体物性」「電子物性」「基礎物理」「論理設計」「論理回路」「電子回路」「電気回路」「基礎数学」「ハードウェア記述言語」「プログラミング」「情報数学」に対応する内容データが格納されている。
なお、図17では図示を省略しているが、第1実施形態と同様に、内容データ関連情報112のうち、3つの教材項目要素「レイアウト設計」「論理設計」「計算機アーキテクチャ」以下の教材項目要素に対しては、内容データ群111内の各教材項目要素に対応する教材の実体的な内容を示すデータ(内容データ)が関連付けられている。
以下、学習支援システム1Aにおける学習支援動作について説明する。なお、基本的な学習支援動作が実行される際にサーバ制御部120において実現される機能構成は図6で示したものと同様であるため、説明を省略する。
<基本的な学習支援動作>
図18は、内容データ関連情報112から、端末10を操作する学習者が入力した学習目標情報に対して要素「CPUの設計」以下の複数の要素が関連付けられた一部関連情報が抽出された場合に、表示部13において表示される教材項目指定画面を例示する図である。
ここでは、教材抽出提供部125によって内容データ関連情報112から抽出された一部関連情報(図17)が端末制御部12に転送されると、表示制御部12Aの制御により表示部13において教材項目指定画面(図18)が表示される。このとき、表示制御部12Aは、図17に示すような一部関連情報に基づいて、一部関連情報に含まれる各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報を表示部13において一覧表示するように制御される。
このとき、表示制御部12Aの制御により、図18に示すように、教材項目指定画面では、図17で示した一部関連情報に含まれる学習経路情報(記憶部101の記憶内容)に基づいて、各教材項目要素に対して学習経路情報に基づく情報(具体的には、1〜15の番号)が付加されて可視的に出力(表示)される。
このように、教材項目指定画面においては、番号1〜15といった具合に、複数の教材項目要素に学習すべき経路の指針(順番)を示す情報がそれぞれ付されて表示されるため、学習者は、この番号を参照することで、学習すべき教材の順番を容易に把握することができる。
また、ここで、例えば、要素「情報数学」が詳細項目付き要素である場合、図18に示すように、学習者が操作部14を種々操作することで、要素「情報数学」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作(例えば、左クリック)を行うと、詳細項目表示要求部12Cが、表示部13に表示される一覧表示において、要素「情報数学」に属する詳細項目要素を表示するように要求する。そして、当該要求に応答して、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納された一部関連情報に基づき、要素「情報数学」に属する細分化された詳細項目要素「集合」「○○」「××」「写像」「代数の基礎」「ブール代数」が図19に示すような態様で表示部13において表示される。要素「情報数学」について、1階層目の詳細項目要素(「集合」等)を子項目要素と称し、2階層目の詳細項目要素(「○○」等)を孫項目要素と適宜称する。
学習者は、図19に示すように列挙された詳細項目要素を視認することで、「情報数学」について、詳細な項目を確認して自分が「情報数学」の内容を理解しているか否か判断することができる。
そして、図19に示すような画面が表示された状態で、詳細項目要素「情報数学」の内容を理解していない可能性があると判断すれば、学習者が操作部14を種々操作することで、例えば、要素「○○」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、図10に示したような態様と同様に、要素「○○」に属する要素「教材」「確認テスト」が表示される。このとき、「確認テスト」を実行することで、学習者自身が理解度を確認して、理解していると判断できる場合には、当該項目要素に係る学習をスキップすることができる。一方、理解していないと判断出来る場合には、要素「教材」を実行対象項目要素として指定することで、要素「○○」に係る教材を学習することができる。なお、要素の指定については、上記第1実施形態と同様な手法とすることができる。そして、学習者は、「○○」・・・の教材を学習することで、「情報数学」の理解に努めることができる。
なお、列挙される複数の詳細項目要素から学習者自身が理解できていないと思われる任意の要素を実行対象項目要素として指定し、当該実行対象項目要素に係る教材の内容を理解することで、自分に合った学習を行うこともできる。
ここまで、基本的な学習支援動作について説明したが、以下、特別な学習支援動作について説明する。
<特別な学習支援動作>
上記では、一部関連情報に基づく教材項目指定画面について説明したが、第2実施形態に係る学習支援システム1Aでは、一部関連情報が抽出された際に、サーバ100が学習者の既習知識を調査するアンケート(質問)を学習者の端末に表示させ、質問に対する学習者の回答の入力に応答して、回答に応じてカスタマイズした教材項目指定画面を表示させることができる。以下、この動作を「カスタマイズ動作」と称する。
図20は、カスタマイズ動作を行う際にサーバ制御部120で実現される機能構成を示すブロック図である。図20は、図6で示した機能構成に、カスタマイズ動作に係る機能構成を追加したものを示している。なお、ここでは、内容データ関連情報112において、予め適宜教材項目要素に対して、学習到達レベルを問う質問のデータ(到達レベル質問データ)が関連付けられ、更に、内容データ群111に実体的な到達レベル質問データが含まれているものとして説明を行う。
図20に示すように、カスタマイズ動作を行う際にサーバ制御部120では、既習知識調査部128及び表示カスタマイズ部129が実現される。
既習知識調査部128は、学習者に対して学習到達レベルを問う質問を提供して、その回答情報を解析することで、学習者の学習到達レベルを認識し、一部関連情報から、学習到達レベルに対応する1以上の教材項目要素を認識するものである。
ここで、既習知識調査部128の具体的な処理について説明する。
既習知識調査部128は、情報抽出部124によって内容データ関連情報112から抽出された一部関連情報に含まれる教材項目要素に到達レベル質問データが関連付けられている場合に、一部関連情報を端末制御部12に転送する前に、到達レベル質問データを端末制御部12を提供する。このとき、到達レベル質問データはメモリ12bに一時的に記憶され、表示制御部12Aの制御により到達レベル質問データに基づく画面(到達レベル質問画面)QGが表示部13に表示される。
図21は、到達レベル質問画面QGの表示例を示す図である。なお、図21では、要素「CPUの設計」についての到達レベル質問画面QGを示している。
図21に示すように、到達レベル質問画面QGには、「CPUの設計」についての1以上(例えば、10問)の質問が列挙され、各質問に対する回答(例えば「YES」又は「NO」)を指定するラジオボタンRBが、各質問の右方に表示されている。なお、質問としては、大学で電子回路の単位を修得したか否かといった過去の学習履歴に関する質問などが考えられる。
この到達レベル質問画面QGが表示部13に表示された状態において、学習者が適宜マウスを操作することで、マウスポインタMPを所望のラジオボタンRBに合わせてマウスを左クリックしてラジオボタンRBを指定する動作を各質問について行い、最後に送信ボタンTB1にマウスポインタMPを合わせてマウスを左クリックすることで、質問に対する回答を示す情報(回答情報)を、メモリ12bからI/F11,150等を介してサーバ制御部120に対して送信することができる。このとき、入力情報受付部121が学習者の学習到達レベルを示す回答情報を受け付けて、メモリ120bに回答情報が一時的に格納される。
既習知識調査部128は、回答情報を解析することで、既に抽出した「CPUの設計」に関する一部関連情報に含まれる複数の教材項目要素のうち、学習者が既に習得済みであると思われる1以上の教材項目要素を認識する。この認識処理は、例えば、学習到達レベルに関する各質問の回答(例えば「YES」又は「NO」)に対して、各教材項目要素が既習か未習であるかを示す情報を対応付けたデータ(既習判断基準データ)を予め教材DB110に格納しておき、既習知識調査部128が、既習判断基準データを参照することで実現することができる。
表示カスタマイズ部129は、既習知識調査部128による認識結果の情報(すなわち、どの教材項目要素が既習/未習であるかを示す情報)を、メモリ120bに一時的に格納されている一部関連情報に対して付加する。このとき生成される情報を以下では「認識情報付き一部関連情報」と称する。そして、教材抽出提供部125によって、認識情報付き一部関連情報が端末制御部12に送信されてメモリ12bに一時的に格納される。このとき、表示制御部12Aが、メモリ12bに格納された認識情報付き一部関連情報に基づいて、表示部13に表示される一覧表示において、既習知識調査部128によって既習であると認識された1以上の教材項目要素(既習項目要素)を、残余の教材項目要素とは区別可能な異なる態様で表示するように制御する。
ここで言う区別可能な異なる態様については、例えば、既習項目要素を残余の教材項目要素とは異なる色で表示したりする態様などが考えられる。図22は、既習項目要素を残余の教材項目要素とは異なる色で示した場合の一覧表示を例示する図であり、ハッチングを付した要素が既習項目要素を示している。なお、区別可能な異なる態様については、色を異ならせる他に、フォントを異ならせたり、文字の太さなどといった強調度合いを異ならせるような他の態様も考えられる。また、スキップする要素の数字を表示させなかったり、更にはスキップする要素の数字よりも後の数字を前に詰めて要素に数字を付したりする態様も考えられる。
このような教材項目指定画面のカスタマイズ動作により、学習者は、既習項目要素を容易に認識することができる。
また、教材項目指定画面のカスタマイズ動作の内容は、上述した例に限られず、学習者に既習知識があると分かった場合には、「基礎数学」をスキップする学習経路を示すような教材項目指定画面とすることができる。また、大学で物性を学んだ学習者については、要素「計算機アーキテクチャ」「電気回路」「電子回路」「情報数学」「論理回路」「論理設計」「ハードウェア記述言語」「半導体デバイス」「レイアウト設計」を学習するような学習経路を示す教材項目指定画面とすることもできる。
なお、上記では、既習項目要素を残余の教材項目要素とは区別可能な異なる表示態様で表示したが、学習者自らが既習項目要素の内容を忘れていると判断し、当該既習項目要素に係る学習を行うこともできる。
以上のように、第2実施形態に係る学習支援システム1Aでは、教材項目指定画面に含まれるネットワーク情報の一覧表示において、各教材項目要素に対して学習経路を示す情報が付加されて可視的に出力される。このため、学習者が学習すべき順番を容易に把握することができる。
また、学習者の学習到達レベルに対応する教材項目要素が認識され、教材項目指定画面に含まれる一覧表示において、残余の教材項目要素とは区別可能な異なる表示態様で表示される。このため、学習者は自己のレベルに応じた学習経路を容易に把握することができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上記実施形態では、学習目標を示す自由文を入力すると、当該自由文を形態素解析等を用いることで、項目「対象」「手段」「結語」を示す語句を認識して、当該要素と同一のキーワードが付与された教材項目要素を内容データ関連情報112から抽出したが、これに限られず、例えば、学習目標を示す自由文を対象とした形態素解析を行うことで1以上の単語を認識し、当該1以上の単語と一致するキーワードがより多く付された教材項目要素を内容データ関連情報112から抽出するようにしても良い。
また、内容データ関連情報112において、各教材項目要素に対して想定される学習目標を示す自由文(想定学習目標情報)を多数(例えば、100個)付与しておき、学習目標を示す自由文と一致する想定学習目標情報が付されている教材項目要素を内容データ関連情報112から抽出するようにしても良い。
また、学習目標を示す自由文を入力することで、学習者の意図を入力する態様の他に、図3に示すような内容データ関連情報112の一覧表示を表示部13に表示し、学習者が操作部14を適宜操作することで、より大きな概念を示す要素(例えば「数学」)から順次従属する要素を選択することで、学習目標に合致する教材項目要素を絞り込んでいくようにしても良い。
更に、学習目標情報は、テキストデータに限られず、記号や図や表などといった各種要素であっても良い。
◎また、上記実施形態では、教材項目要素が語句によって構成されたが、これに限られず、例えば、記号や図や表などといった各種要素であっても良い。
◎また、上記第1実施形態では、図9に示すように、一覧表示D1のうち選択された系列の教材項目要素の表示が他の教材項目要素の表示とは区別可能な異なる色で着色された態様で表示されたが、これに限られず、例えば、図23に示すように、一覧表示D1のうち選択された系列の教材項目要素のみが表示され、その他の教材項目要素が一覧表示D1から消去されることで、選択された系列の教材項目要素とその他の教材項目要素とが区別可能な異なる態様で表示されるようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、学習者がマウスを適宜操作することで、各種情報の選択、指定、入力等を行ったが、これに限られず、例えば、キーボード等、操作部14に含まれる各種部材を学習者が操作することで、各種情報の選択、指定、入力等を実行するようにしても良い。また、学習者が発する音声を受け付けて、音声を認識することで、各種情報の選択、指定、入力等を実行するようにしても良い。
◎また、内容データ関連情報112で、例えば、内容データ関連情報112に含まれる教材項目要素のうち、1以上の任意の数の教材項目要素が、詳細項目付き要素であっても良い。
◎また、上記実施形態では、教材項目指定画面において、学習者の入力に応答して、複数の詳細項目要素に含まれる1つの教材詳細項目要素を指定することで、当該指定された詳細項目要素に対応する内容データを内容データ群111から抽出して、学習者に提供した。しかしながら、これに限られず、内容データ関連情報112に含まれる複数の教材項目要素に含まれる1つの教材項目要素を指定することで、当該指定された教材項目要素に対応する内容データを内容データ群111から抽出して、学習者に提供するようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、確認テストとして与えられるテスト問題は、YES・NOを選択的に解答するものであったが、これに限られず、例えば、いわゆる穴埋め問題のようなコンピュータで採点可能なテスト問題であれば良い。
◎また、上記実施形態では、「問題1」「問題2」等の問題がコンピュータで採点可能な形式の問題であったが、これに限られず、論述形式の解答を求める問題なども考えられる。図24は、論述式の問題を提示する画面を例示する図である。このような態様では、学習者はテスト問題を解いた後で、所定の解答ボタンをクリックすれば解答例が示され、学習者自らが採点することによって自己の理解度を判断することが出来るようにしても良い。また、学習者が、端末10において採点結果を示す情報(採点結果情報)を入力することで、当該採点結果情報がサーバ制御部120に転送され、サーバ制御部120の採点情報管理部126の管理下で、正答率や得点分布等と各問題とを対応させたリストを生成して、記憶部101に記憶するようにしても良い。
◎また、上記第1実施形態では、数値解析を学習したい学習目標に対して、数値解析のロジックとアルゴリズムの習得に係る教材項目要素によって構成される一覧表示が学習者に対して提供されたが、これに限られない。
例えば、数値解析を学習したい学習者がプログラミングも学習したい場合も考えられる。このような場合には、数値解析を学習したい学習目標に対して、プログラム言語やコーディングルールに関する教材項目要素によって構成される一覧表示を提示する必要がある。つまり、学習目標情報に対して、数値解析のロジックとアルゴリズムの習得に係る教材項目要素のグループと、プログラミングに関する知識の習得に係る教材項目要素のグループとが抽出される必要がある。
但し、このように、複数の教材項目要素が関連付けられた教材項目要素のグループ(教材項目要素グループ)が複数個抽出された場合、複数個の教材項目要素グループを示す一覧表示が表示部13に同時に表示されると、一覧表示が見難くなり、学習者が実行対象項目要素を指定し難くなる。このような状態は、入力された学習目標情報だけでは不十分で、提示する教材項目要素の範囲を絞り込んで確定することができない状態とも言える。
そこで、複数個の教材項目要素グループが抽出された場合には、一旦、複数個の教材項目要素グループを示す一覧表示を表示部13に表示させて、何れか一つの教材項目要素グループを選択するように学習者に促すようにしても良い。
このような構成を実現するための動作について以下説明する。
入力情報受付部121が、学習者が入力した学習目標情報を受け付けて、メモリ120bに一時的に学習目標情報を記憶する。次に、学習目標解析部123が学習目標情報を解析することで、学習目標情報が示す内容を特定して、学習目標を特定する情報(目標特定情報)を得て、メモリ120bに一時記憶する。更に、情報抽出部124が、メモリ120bに記憶されている目標特定情報に基づいて、内容データ関連情報112から学習目標情報に対応する1つの教材項目要素及び当該1つの教材項目要素と所定の関係を有する1以上の教材項目要素をそれぞれ含む複数の教材項目要素グループを示す一部関連情報を抽出し、メモリ120bに一時記憶するとともに、端末制御部12に転送する。このとき、メモリ12bに複数の教材項目要素グループを示す一部関連情報が一時記憶される。そして、当該メモリ12bに格納された情報に基づいて、表示制御部12Aの制御により、複数の教材項目要素グループの一覧表示と、複数の教材項目要素グループから1つの教材項目要素グループを指定することを促す旨とを含む教材項目指定画面が表示部13に表示される。
図25は、複数の教材項目要素グループから1つの教材項目要素グループの選択を促す旨が付された教材項目指定画面を例示する図である。図25で示す教材項目指定画面では、数値解析のロジックとアルゴリズムの習得に係る教材項目要素のグループAに係る一覧表示と、プログラミングに関する知識の習得に係る教材項目要素のグループBに係る一覧表示とが表示されている。このような教材項目指定画面が表示されている状態で、ユーザーが操作部14を種々操作することでマウスポインタMPをグループA又はグループBの表示に合わせて特定のマウス操作を行うことで、1つのグループを選択することができる。
なお、この選択操作に応答して、表示制御部12Aの制御により、1つのグループに係る一覧表示が表示部13に表示される。例えば、図25で示す教材項目指定画面で、グループAが選択されると、図8で示したような一覧表示を含む教材項目指定画面が表示部13に表示される。
そして、以上のような構成を採用すると、当初学習教材を絞り込むことができない学習目標が入力された場合にも、最終的に学習者の意図に適合した学習教材を提供することができる。
また、以上のように、複数個の教材項目要素グループから何れか一つの教材項目要素グループを選択する態様以外にも、教材項目要素グループを絞り込んで学習者に提示する種々の態様が考えられる。
例えば、数値解析のロジックとアルゴリズムの習得の方が、プログラミングに関する知識の習得よりも優先するといった情報を内容データ関連情報112に付しておいて、図8で示したような一覧表示を含む教材項目指定画面を表示部13に表示するとともに、プログラミングの学習が必要か否かを尋ねる質問が教材項目指定画面に提示されるようにしても良い。そして、学習者は、当該質問に対して「YES」「NO」等で回答することで、プログラミングの学習に係る教材項目要素グループを教材項目指定画面に表示するようにしても良い。
また、例えば、1つの教材項目要素グループ(例えば、数値解析のロジックとアルゴリズムの習得に係る教材項目要素グループ)に係る学習が終了した時点で、他の教材項目要素グループ(例えば、プログラミングに関する知識の習得に係る教材項目要素グループ)に係る学習を行うか否かを尋ねる質問が表示部13に表示されるようにしても良い。このような動作は、例えば下記のような処理によって実現される。学習者が操作部14を種々操作することで、1つの教材項目要素グループの学習の終了が指示されると、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納されている一部関連情報に基づいて、他の教材項目要素グループに係る学習を行うか否かを尋ねる質問が表示部13に表示される。
図26は、他の教材項目要素グループに係る学習を行うか否かを尋ねる質問が表示部13に表示されている様子を例示する図である。
図26で示すような画面が表示された状態で、学習者が操作部14を種々操作することで、マウスポインタMPを所定のOKボタンに合わせて当該OKボタンを押下処理すると、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納されている一部関連情報に基づいて、他の教材項目要素グループ(プログラミングに関する知識の習得に係る教材項目要素グループ)に係る一覧表示を含む教材項目指定画面が表示部13に表示される。
また、学習目標情報が入力された時点で、2以上の教材項目要素グループが抽出された場合には、図25に示すように、複数の教材項目要素グループから1つの教材項目要素グループの選択を促す旨の代わりに、教材項目要素グループを1つに絞り込む条件が足りないものとして、より詳細な学習目標情報の入力を促す旨が表示されるようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、教材項目要素「教材」の学習について説明したが、この「教材」の学習の最後に、学習者が、教材に関する質問事項を入力できるようしても良い。
例えば、図12に示すような教材の内容を学習する場合には、問題2に対して解答した後に、図27に示すような質問事項を記入することができる画面(質問事項記入画面)が表示部13に表示されるようにしても良い。このような動作を実現するためには、例えば、この質問事項記入画面を表示するためのデータを、「問題2」の内容データに含ませておき、「問題2」に対する学習者による解答の入力に応答して、表示制御部12Aの制御により、「問題2」の内容データに基づいて、質問事項記入画面が表示されるような態様が考えられる。
図27に示す質問事項記入画面では、質問事項を示す文章情報を記入するための枠WFが略中央に配置され、学習者が操作部14を種々操作することで、枠WFに質問事項を示す文章を記入することができる。更に、学習者が操作部14を種々操作することで、マウスポインタMPを送信ボタンTBに合わせて特定のマウス操作を行うと、送信ボタンTBが押下され、枠WFに記入された質問事項を示す文章の情報(質問情報)が、メモリ12bからI/F11,150等を介して端末制御部12からサーバ制御部120に送信される。このとき質問情報が入力情報受付部121によって受け付けられてメモリ120bに一時的に記憶される。そして、サーバ制御部120の機能により、PC制御部192に質問情報が転送され、メモリ192bに質問情報が一時的に格納される。その結果、表示制御部192Aの制御により、メモリ192bに格納されている質問情報に基づき、表示部193において図28に示すような態様で質問情報が可視的に提示される。図28では、「例題2の○○が分からない」といった質問情報が可視的に提示されている様子が示されている。
管理者は、図28で示したような表示画面を視認することで、学習者からの質問に応じて新たな内容データを追加することができる。つまり、学習者の状況に対応した形に教材を進化させることができる。
例えば、図5で示した要素「教材」に対して、「例題2がわからない」といった質問が多ければ、例題1と例題2との間に論理の飛躍があると考えられるため、図29に示すように、要素「例題1」と要素「例題2」との間に、要素「例題1−2」「例題1−3」を追加するようにしても良い。そして、このとき、図12に示した教材項目指定画面の代わりに、図30に示す教材項目指定画面が表示部13に表示されるようにしても良い。また、問題に対する他の解答の存在を質問者が示唆する質問をしてきた場合には、問題に対する解答例が追加されるようにしても良い。
新たな内容データの追加を実現する動作としては、第1実施形態で説明したものと同様に、以下のような動作が考えられる。管理者による操作に応答して、PC制御部192から内容データ関連情報112及び内容データ群111を修正する信号及びデータが送信される。このとき、情報更新部127の機能により、内容データ関連情報112に教材を構成する新たな項目を示す新たな教材項目要素が追加されるとともに、当該新たな教材項目要素に対して対応する新たな内容データが関連付けられて記憶部110に追加記憶される。
なお、上記では、質問情報をインターネット経由で送信したが、これに限られず、例えば、学習者は手紙などの他の手段によって質問を送ることができ、管理者は、質問を見ることで、上記と同様な対処を行うことができる。また、電子メールを用いて別途質問を送信することも可能である。
また、以上では、質問事項を管理者が視認することで理解して、追加するデータを決定したが、サーバ制御部120において、学習目標解析部123における学習目標情報の解析と同様な手法を用いて、メモリ120bに格納されている質問情報を解析することで、サーバ制御部120が自動的に質問情報の内容を特定する情報を認識するようにしても良い。
すなわち、サーバ制御部120は、学習目標情報や質問情報等といった学習者が入力する各種入力情報を解析する際に、同じ内容を示す多数の言い回しから1つの内容を特定する機能を有するようにしても良い。また、例えば、質問情報の内容を特定する情報に対応したデータを予め教材DB110に格納しておき、質問情報の解析結果として得られる内容を特定する情報に基づいて、内容データ関連情報112に質問情報に対応する新たな内容データの内容を示す教材項目要素が追加されるようにしても良い。
また、例えば、学習者が入力し、端末制御部12からサーバ制御部120に送信された質問情報を、サーバ制御部120が、学習目標情報と同様な手法を用いた言語解析を行って、質問情報の内容を特定する情報(質問特定情報)を認識し、サーバ制御部120の機能により、質問特定情報に基づき、新たな内容データが内容データ群111に追加されるとともに、新たな内容データを示す教材項目要素が内容データ関連情報112に追加されるようにしても良い。なお、このような動作を実現するには、教材DB110に想定される質問特定情報と追加候補の新しい内容データとを記憶させておけば良い。
◎また、上記第2実施形態では、教材項目指定画面において学習経路に関する情報が付与されて表示されたが、内容データの追加ならびに学習経路が進化するようにしても良い。具体的には、管理者による操作部194の操作に応答して、サーバ制御部120の情報更新部127によって、内容データ関連情報112に新たな教材項目要素が追加されるとともに、新たな教材項目要素に対して学習経路を示す新たな学習経路情報及び対応する新たな内容データが関連付けられて教材DB110に追加記憶されるようにしても良い。このような構成を採用することで、教材項目指定画面に含まれる一覧表示において、新たな内容データを示す教材項目要素に対しても学習経路を示す情報が付加されて可視的に出力されるため、学習者が新たな教材を含めて学習する順番を容易に把握することができる。
例えば、図17に示す情報において、要素「電気回路」と要素「基礎数学」の間に、新たな教材項目要素「○○○」を加えるとともに、「3.5」等といった学習経路を示す情報及び新たな教材項目要素「○○○」に対応する内容データを付加するようにしても良い。このとき、教材項目要素「○○○」に対応する内容データが内容データ群111に追加されるようにすれば良い。
◎また、上記説明では、質問の内容が分かり易い場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば、質問の内容が良くわからないような乱暴な質問が入力されてくる可能性も考えられる。例えば、図31に示すように単に「分からない」等といった具合に、質問の対象が良く分からないような質問が入力されることも考えられる。このような場合に、例えば、図32に示すように質問事項記入画面において質問の再入力を要求する旨(図32では、「申し訳ございませんが、質問の意図が明確となるようにご記入下さい」という文章)が表示されるようにすれば大変便利である。
この動作を実現するための構成例を以下説明する。
入力情報受付部121が、端末制御部12から質問情報を受け付けて、メモリ120bに一時記憶する。そして、サーバ制御部120の機能により、質問情報の内容を特定する所定の項目に属する要素が含まれているか否か判定する。この所定の項目には、質問の対象を示す項目「対象」、及び質問の結語を示す項目「結語」等が含まれる。例えば、「例題2が分からない」という質問が入力されると、質問情報には項目「対象」について要素「例題2」が含まれ、項目「結語」について要素「分からない」が含まれていると判定される。一方、単に「わからん」という質問が入力されると、項目「結語」について要素「分からない」が含まれているが、質問情報には項目「対象」についての要素が含まれていないものと判定される。
このとき、サーバ制御部120の判定結果を示す情報が、メモリ120bからI/F11,150等を介してサーバ制御部120から端末制御部12に転送されて、メモリ12bに一時記憶される。そして、判定結果が、質問情報に内容を特定する所定の項目に属する要素が全て含まれていないとの判定結果であれば、表示制御部12Aの制御により、表示部13に表示される質問事項記入画面に学習者に対して質問の再入力を要求する旨が表示される。
このような構成を採用すると、質問からだけでは学習者の意図が分からない場合にも、容易に対処することができる。
◎また、上記実施形態では、内容データ関連情報112の各教材項目要素に対してキーワードなどの内容を特定する情報が付加されたが、これに限られず、要素「対象」「手段」「結語」にそれぞれ対応する複数の要素と、教材項目要素との関係を示す情報(例えば、リスト)を予め教材DB110に記憶しておき、当該情報を参照しつつ学習目標情報を解析することで、対応する教材項目要素を導き出すことができるようにしても良い。
◎また、上記第2実施形態では、一覧表示において要素を区別可能な異なる態様で表示する例として、例えば、既習項目要素を残余の教材項目要素とは異なる色で表示したりする態様などを挙げたが、これに限られず、例えば、既習項目要素は表示しないようにする態様も考えられる。
◎また、上記第2実施形態では、学習者の学習到達レベルに応じて教材項目指定画面をカスタマイズしたが、これに限られない。例えば、学習者の立場が違えば、学習対象の分野について学習すべき内容や深さが異なる。具体的には、「CPUの設計」について本格的な設計者としての知識が欲しい場合と、マネージャーとしての概要知識が欲しい場合とでは、理解する目標の程度(必要とする知識の深さ)が異なる。このように、必要とする知識の深さに応じて教材項目指定画面に提示される学習経路に関する情報を異ならせても良い。例えば、学習到達レベルに関する質問に代えて、又は当該質問に加えて、学習者が目標とする立場を問いかける質問を行うようにしても良い。
例えば、到達レベル質問画面QGに、学習者が目標とする立場(例えば、「本格的な設計者」「マネージャー」等)を問いかける選択的な質問を加えるとともに、当該立場に対応した教材項目要素を示すデータを予め教材DB110に格納しておけば、目標とする立場の質問に対する回答に応じてカスタマイズした教材項目指定画面を提示することができる。具体的には、図22で示した教材項目指定画面を例にとれば、到達レベルに応じたカスタマイズを除けば、目標とする立場が、本格的な設計者であれば、全ての教材項目要素が学習対象とされて、念入りな学習経路が勧められる。一方、目標とする立場が、マネージャーであれば、「計算機アーキテクチャ」「論理回路」「論理設計」「ハードウェア記述言語」の子項目要素から抜粋したものだけが学習対象とされ、短時間で概要を学べるような学習経路が勧められる。
なお、目標とする立場が本格的な設計者である場合とマネージャーである場合とを切り分ける手法としては、例えば、学習目標情報から抽出される結語が「管理したい」「設計したい」「作りたい」等といった具合に目標とする立場によって異なるといった点に着目して、立場を切り分ける手法も考えられる。
◎また、上記第2実施形態では、一部関連情報が抽出された時点で学習者に対して学習到達レベルを質問したが、これに限られず、教材項目指定画面において、教材項目要素を指定する毎に、指定された教材項目要素について学習到達レベルを質問し、既習であれば当該教材項目要素についてはスキップを勧めるような構成とすることで、理解できていない項目から学習をスタートすることが容易にできるようにしても良い。
また、確認テストの採点結果を見たり、小項目や孫項目の表示を見ただけで、既習済みであると判断できる場合には、学習者が操作部14を種々操作することで、その項目が既習項目である事を入力すれば、教材項目指定画面において、当該既習項目を示す教材項目要素と未習項目を示す教材項目要素とが区別可能な異なる表示態様となるようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、学習者が、複数の教材項目要素によって構成されるネットワーク情報の一覧表示や、学習経路情報を視認することで、自己の意図に沿った教材項目要素を指定して、学習することができた。しかしながら、問題の解答などから学習者が前に学習した教材の理解が不十分であると判定される場合には、当該前に学習した教材に戻るように警告するようにしても良い。
このような動作を実現するための機能構成について以下説明する。
例えば、教材DB110に、次に学習すべき教材項目要素と出題に対する解答結果(正解/不正解)とを関連付けた情報(以下「学習指針情報」と称する)を予め格納しておく。この学習指針情報は、内容データ関連情報112において、対応する出題の項目を示す詳細項目要素(以下「出題項目要素」と称する)に関連付けられており、一部関連情報に出題項目要素が含まれている場合には、学習指針情報が含まれた状態で一部関連情報がメモリ12bに格納されることになる。
このような状態で、教材項目指定部12Dの制御により、学習者による操作部14の操作に応じて、一覧表示中の1つの教材項目要素(例えば「B法」)についての出題項目要素(例えば、図15で示した問題1など)が指定されると、表示制御部12Aの制御により、出題項目要素の内容データに基づいて、学習者に対する出題(例えば、図15で示した問題1)を提示する画面が表示部13に表示される。
そして、当該画面が表示された状態で、学習者が操作部14を種々操作することで、出題に対する解答を示す情報(解答情報)がメモリ12bに格納される。更に、表示制御部12Aが、メモリ12bに格納された解答情報と、一部関連情報に含まれる学習指針情報とを参照することで、図33に示すように、学習者が次に学習すべき教材項目要素(例えば、前に学習した要素「微分方程式」)を表示部13に表示するように制御する。つまり、次の学習指針を提示する。
このように、1つの教材項目についての出題に対する学習者の解答に応じて、学習者が次に学習すべき教材項目要素が表示されるような構成を採用することで、学習者の状況に応じた学習指針が示されるため、学習効果の向上を図ることができる。
このように、問題に間違えるなど、途中でわからなくなれば、その理解に必要な項目まで戻って学習することができるが、更に、もともと学習経路に組み込まれていなかった教材項目要素が自動的に挿入されたりして、学習経路が変更されるような態様としても良い。更に分からなければ、通常では提示しない子項目や教材を学習してもらい、教材の難易度が少しずつ高くなるようにして、学習者のレベルに合わせるような態様としても良い。
◎また、上記実施形態では、1つの教材項目要素に対して、1種類の内容データしか用意していなかったが、1つの教材項目要素に対して、複数レベルに応じた複数種類の内容データを準備しておき、学習者のレベルに応じた内容データを提供するようにしても良い。
このような動作を実現するための機能構成について以下説明する。
内容データ関連情報112に、複数のレベルにそれぞれ対応する1以上の教材項目要素からなる教材項目要素群を含ませるとともに、当該複数レベルの教材項目要素群がそれぞれ属するように関連付けられた教材項目要素(以下「複数レベル付き教材項目要素」とも称する)を含ませておく。また、内容データ群111に、複数レベル付き教材項目要素の内容データとして、学習者のレベルを把握するための質問(以下「レベル把握用質問」とも称する)を示す情報(以下「レベル把握用質問情報」とも称する)と、当該レベル把握用質問に対する回答結果と複数のレベルとの関係を示す情報(以下「回答解析用情報」とも称する)とを記憶させておく。更に、内容データ関連情報112の複数レベル付き教材項目要素には、レベル把握用質問情報と回答解析用情報とを含む内容データを関連付けておく。
この状態で、情報抽出部124によって抽出された後にメモリ120bからI/F11,150を介して端末制御部12に転送されてメモリ12bに一時的に格納された一部関連情報に複数レベル付き教材項目要素が含まれる場合、学習者の操作部14の操作による当該複数レベル付き教材項目要素の指定に応じて、端末制御部12がメモリ12bに格納された複数レベル付き教材項目要素に関連付けられたレベル把握用質問情報を内容データ群111からメモリ12bに読み出す。そして、表示制御部12Aが、メモリ12bに格納されたレベル把握質問情報に基づき、レベル把握用質問を表示部13に表示するように制御する。
レベル把握用質問が表示部13に表示された状態で、学習者が操作部14を適宜操作すると、レベル把握用質問に対する学習者の回答結果を示す情報(回答情報)が端末制御部12に受け付けられてメモリ12bに格納される。次に、端末制御部12がメモリ12bに格納された複数レベル付き教材項目要素に関連付けられた回答解析用情報を内容データ群111からメモリ12bに読み出す。更に、表示制御部12Aが、メモリ12bに格納された回答解析用情報を参照することで、メモリ12bに格納された回答情報に応じた1つのレベルを把握して、一覧表示において、複数レベルの教材項目要素群のうちから、把握した1つのレベルの教材項目要素群を選択的に表示部13に表示するように制御する。
例えば、図34に示すように、B法の教材に「入門」「中級」「上級」等といった複数レベルの教材項目要素群をそれぞれ準備しておく。そして、教材項目指定画面において要素「教材」が指定された時点で、表示制御部12Aの制御により、図21で示したように、教材項目要素「教材」について学習者に対する質問を行う質問画面が表示部13に表示される。次に、図21で示した質問画面における操作と同様な操作により、教材項目要素「教材」の質問に対する学習者の回答を示す情報(回答情報)がメモリ12bに格納される。更に、表示制御部12Aが、複数レベルの教材項目要素群(図34に示す「入門」「中級」「上級」の教材項目要素群)のうち、回答情報に応じた1つのレベルの教材項目要素群を表示部13において選択的に表示するように制御する。図35では、「入門」に係る教材項目要素群が選択的に表示されている様子が示されている。
このように、1つの教材項目についての出題に対する学習者の解答に応じて、学習者が次に学習すべき教材項目要素が表示されるような構成を採用することで、学習者の状況に応じた学習指針が示されるため、学習効果の向上を図ることができる。
◎また、上記実施形態では、「気液界面の現象」や「CPU回路」等といった工学分野の学習教材を例示して説明したが、これに限られず、例えば、人文科学系や医療分野の各種教材についても本発明を適用することができる。
その一例について以下簡単に説明する。
例えば、看護を学ぶ学生は「基礎看護」を学んだ後、「疾患別看護」を学習する。更にその後に「実習」を行い実践的な知識を習得する。これら看護分野における学習体系のそれぞれの教材項目要素を体系に沿って関連付けておき、更に、それぞれの教材項目要素の詳細を上記第1実施形態で示したものと同様な形式で関連付けることにより、第1実施形態で示したものと同様な学習支援システムの構築が可能である。
一方、このような看護知識に係る教材項目要素を体系的に関連付けた詳細な学習支援システムが構築できると、一般の患者や家族にとっても有用なものと成り得る。
例えば、胃がんで胃を切除した患者は退院後、食事のとり方に苦労するのが一般的である。しかし、病院では退院後に外来で通院する患者に付きっきりで食事指導する訳にはいかない。その際に患者や家族が、本学習支援システムにアクセスすることで、胃を切除した後の食事のコントロール方法や排便のコントロール方法を参照することも出来る。更に、教材にない情報は質問を行うことで、管理者にフィードバックされ、管理者が自ら質問に対して回答すると同時に、その回答を教材項目要素の適切な位置に組み込むことによって、教材項目要素や提示する学習経路を進化させることもできる。また、この仕組みを利用すれば、一般患者の様々な体験談を収集して、患者の体験に基づいた教材を作成することも容易にできる。
◎また、上記実施形態では、サーバ100と管理用端末190と端末10〜50とが別々に構成され、ネットワーク回線NTを介して各種データの送受信を行ったが、これに限られず、例えば、サーバ100、管理用端末190、及び端末10〜50の機能が1つのコンピュータ(例えば、パソコン)等に搭載されたものであっても良い。
◎また、図24を示して、学習者に対して論述形式の解答を求める問題を出題して、学習者がテスト問題を解いた後に解答例を見ることによって、自己の理解度を判断することが可能である構成について説明したが、この自己の理解度を利用して、次に学習すべき教材項目要素が自動的に表示部13において可視的に出力されるようにしても良い。
以下、具体例を挙げて説明する。なお、図7で示した学習目標入力画面GMにおいて「電界がかかった状態で液体と気体の界面の現象を数値解析で解きたい」という学習目標情報が入力されて、図8で示したネットワーク情報の一覧表示D1を含む教材項目指定画面が表示部13に提示された場合を例にとって説明する。
ここでは、内容データ関連情報112において、例えば、図36に示すように、詳細項目付き要素「運動量方程式」に対して、詳細項目要素「教材」「確認テスト」が従属している。そして、詳細項目付き要素「教材」に対して、詳細項目要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」「解答例」が従属している。また、詳細項目要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」「解答例」に対して、それぞれ内容データが紐付けされている。
図37では、一覧表示D1(図8)を含む教材項目指定画面において、学習者が教材項目「運動量方程式」を学習しようとして要素「運動量方程式」にマウスポインタMPを合わせて操作部14に含まれる特定のマウス操作(例えば、左クリック)を行った状態が示されている。要素「運動量方程式」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作(左クリック)を行うと、詳細項目表示要求部12Cが、表示される一覧表示において、詳細項目付き要素「運動量方程式」に属する詳細項目要素を表示するように要求する。そして、当該要求に応答して、表示制御部12Aの制御により、メモリ12bに格納された一部関連情報に基づき、詳細項目付き要素「運動量方程式」に属する2つの細分化された詳細項目要素「教材」「確認テスト」が図37に示すような態様で表示部13において表示される。
図38は、学習者が、教材項目指定画面において、詳細項目付き要素「教材」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行った状態を示している。なお、図38は、教材項目要素「運動量方程式」及び当該教材項目要素に従属する教材項目要素に着目して示しており、その他の教材項目要素については図示を省略している。
図38に示すように、教材項目要素「教材」に対しては、詳細項目要素「解説」「例題1」「例題2」「問題1」「問題2」「解答例」が従属するように関連付けられている。
このとき、学習者が操作部14を適宜操作することで、各教材項目要素にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、教材項目指定部12Dによって各教材項目要素が実行対象項目要素として指定される。例えば、学習者は、「解説」「例題1」「例題2」を学習した後に、教材項目指定画面において、教材項目要素「問題1」及び「問題2」を実行対象項目要素として時間順次に指定することで、「問題1」及び「問題2」を示す画面を表示部13に表示させて、「問題1」「問題2」を解くことにより「運動量方程式」の理解度を確認することができる。
図39は、教材項目要素(出題項目要素)「問題2」に係る論述式の問題(出題)の内容を提示する画面(問題提示画面)を例示する図である。
図39で示す問題提示画面では、画面上部に問題文「非圧縮性のニュートン流体と過程した自由表面を伴う導電性流体に対して、瞬時局所で成立する基礎方程式を示せ」WDが配置され、画面中央部から下部にかけて解答に係る文章入力が可能な欄(解答欄)WAが配置され、及び画面右下部に解答例の表示を要求するためのコマンドボタン(解答例要求ボタン)RXが配置されている。学習者は、操作部14を種々操作することで、解答欄WAに問題文WDに対する解答を記入した後に、マウスポインタMPで解答例要求ボタンRXを押下すると、教材項目指定部12Dによって現在表示中の問題提示画面に係る教材項目要素「問題2」に対応する教材項目要素「解答例」が自動的に実行対象項目要素として指定される。
図40及び図41は、教材項目要素「解答例」に係る論述式の問題(出題)に対応する解答例を提示する画面(以下「解答例提示画面」とも称する)を例示する図である。
図40及び図41で示す解答例提示画面は、上半分が解答例が提示される領域(以下「解答例提示領域」とも称する)RA1によって構成され、下半分が問題に対する学習者の理解度の入力を行うための領域(以下「理解度入力領域」とも称する)RA2によって構成されている。なお、初期状態では、図40で示すように解答例提示領域RA1が主に表示され、その後は、マウスポインタMPによって画面右端のスクロールバーSBをスライドさせることで、図41で示すように理解度入力領域RA2が主に表示された状態と、図40で示すように解答例提示領域RA1が主に表示された状態とを適宜切り換えることができる。
図40で示すように、解答例提示領域RA1では、上部に問題文「非圧縮性のニュートン流体と過程した自由表面を伴う導電性流体に対して、瞬時局所で成立する基礎方程式を示せ」WDが配置され、画面中央部から下部にかけて問題に対応する解答例が表示される欄(解答例欄)WXが配置されている。この解答例欄WXには、例えば、図42で示されるような解答例(模範解答)が可視的に提示される。学習者は、当該解答例を視認することで、自己の問題に対する理解度を把握することができるとともに、理解を深めることもできる。
但し、複雑な式などを問うような問題については、コンピュータで解答の正誤や理解できていない箇所を判断させることは困難であり、解答例を参照して、学習者が判断する方が効率的といえる。そこで、理解度入力領域RA2で、学習者が解答例を参照した結果としての理解度を入力させることで、その後に提供される学習教材の適正化を図るようにしている。
図41で示すように、理解度入力領域RA2では、学習者の問題に対する理解度を尋ねる質問文が列挙され、各質問文の右方にそれぞれYES又はNOで選択的に回答するためのラジオボタンRB1が設けられている。ここでは、4つの質問文「質量保存式は示すことができましたか?」「運動方程式は示すことができましたか?」「静電気力の項は表現できましたか?」「表面張力の項は表現できましたか?」が示され、各質問文は出題に関してユーザーが既に理解できている内容であるのか、未だ理解出来ていない内容であるのかを尋ねるものとなっている。ここでは、ユーザーが操作部14を種々操作することで、マウスポインタMPを適宜ラジオボタンRB1の上に合わせて左クリックすることで、ラジオボタンRB1において適宜指定されていることを示す黒丸を出現させることができる。
また、理解度入力領域RA2の最下部には、回答を選択した後に、次の学習へ進むことを要求するコマンドボタン(以下「次へボタン」とも称する)NXが配置されており、適宜マウスポインタMPで次へボタンNXが押下されると、理解度入力領域RA2で入力されたユーザーの問題に関する理解度を示す情報が端末制御部12からサーバ制御部120へ転送される。この理解度を示す情報(以下「理解度情報」とも称する)は、出題に関してユーザーが既に理解できている内容を特定する情報(以下「既理解内容情報」とも称する)と、出題に関してユーザーが未だ理解できていない内容を特定する情報(以下「未理解内容情報」とも称する)とを含む。
この理解度情報は、未理解内容情報を含むため、ユーザーが学習すべき(すなわち、学習したい)目標に係る情報(学習目標情報)とみなすことができる。ここでは、学習目標解析部123によって、当該学習目標情報が解析されて未理解内容情報が認識される。例えば、図41で示す理解度入力領域RA2において、質問文「質量保存式は示すことができましたか?」に対して「NO」が指定された場合、「質量保存則」が未理解内容情報として認識される。この認識を実現するためのルールについても記憶部101に適宜記憶しておけば良い。当該ルールは、例えば、質問文の内容と回答「NO」と未理解内容(例えば、質量保存則)とを関連付けた情報であれば良い。
ここで、記憶部101内の教材DB110に、複数の未理解内容情報に含まれる各未理解内容情報に対して、内容データ関連情報112に含まれ且つ1以上の教材項目要素によって構成される一部の教材項目要素が相互に関連付けられた情報(一部関連情報)を対応付けた情報(以下「情報要素対応付け情報」とも称する)を事前に格納させているものとする。なお、この情報要素対応付け情報では、未理解内容情報に対して、学習すべき教材項目に係る教材項目要素を含む一部関連情報が対応付けられている。
このような条件では、理解度入力領域RA2の次へボタンNXがマウスポインタMPで押下されると、学習目標解析部123により未理解内容情報が認識され、情報抽出部124により、未理解内容情報と対応付けられている一部関連情報が情報要素対応付け情報から抽出される。そして、当該一部関連情報が端末制御部12に転送され、表示制御部12Aにより、一部関連情報に含まれる各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられた情報(ネットワーク情報)の一覧表示が表示部13において可視的に表示される。
図43及び図44は、未理解内容情報に対応する一部関連情報を可視的に提示した画面(すなわち教材項目指定画面)を例示する図である。図43で示す教材項目指定画面は、図41で示す理解度入力領域RA2において、質問文「質量保存式は示すことができましたか?」に対して回答「NO」が指定された場合、質問文「運動方程式は示すことができましたか?」に対して回答「NO」が指定された場合、及び質問文「表面張力の項は表現できましたか?」に対して回答「NO」が指定された場合に表示される教材項目指定画面を示している。ここでは、質量保存式や運動方程式そのものが示せない場合には、学習者は微分法の理解ができていないのではなくて、流体力学の知識が不足していると判断されるため、流体力学の学習体系に係るネットワーク情報が示されるのである。また、表面張力の項が表現できない場合にも、流体力学の知識が不足していると判断されるため、流体力学の学習体系に係るネットワーク情報が示されるのである。
また、図44で示す教材項目指定画面は、図41で示す理解度入力領域RA2において、質問文「静電気力の項は表現できましたか?」に対して回答「NO」が指定された場合に表示される教材項目指定画面を示している。ここでは、静電気力の項が表現できない場合には、電磁気学の知識が不足していると判断されるため、電磁気学の学習体系に係るネットワーク情報が示されるのである。
学習者は、図43及び図44で示すような教材項目指定画面において、適宜教材項目要素を指定しつつ、学習等を行うことで、未だ理解できていない内容についての理解を深めることができる。
図45は本変形例に係る動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、論述式の問題に係る教材項目要素(例えば、要素「問題2」)が実行対象項目要素として指定されると開始され、ステップSP1に進む。
ステップSP1では、表示制御部12Aの制御により、論述式の問題(出題)が提示される問題提示画面が表示部13において表示される。例えば、学習者が操作部14を適宜操作することで、教材項目指定画面において、教材項目要素「問題2」にマウスポインタMPを合わせて特定のマウス操作を行うと、教材項目指定部12Dによって、教材項目要素「問題2」が実行対象項目要素として指定され、サーバ制御部120に対して当該指定情報が転送される。このとき、教材抽出提供部125では、内容データ群111から実行対象項目要素「問題2」に対応する内容データが抽出され、端末制御部12に対して転送される。そして、端末制御部12の表示制御部12Aにより、実行対象項目要素「問題2」に対応する内容データに基づいて、図39で示すような問題提示画面が表示部13において表示される。
ステップSP2では、端末制御部12により、解答例の表示が要求されたか否か判定される。例えば、問題提示画面で解答例要求ボタンRXがマウスポインタMPで押下されると、解答例の表示が要求されたもの判定され、ステップSP3に進む。一方、解答例要求ボタンRXがマウスポインタMPで押下されるまではステップSP2の判定が繰り返される。
ステップSP3では、教材項目指定部12Dにより、現在出題中の問題に係る出題項目要素と内容データ関連情報112において対応付けられている教材項目要素「解答例」が実行対象項目要素として指定される。
ステップSP4では、表示制御部12Aにより、ステップSP3で指定された要素「解答例」に係る内容データに基づき解答例提示画面が表示部13において表示される。
ステップSP5では、端末制御部12により、解答例提示画面において理解度情報が入力されたか否か判定される。ここでは、解答例提示画面の理解度入力領域RA2に設けられた次へボタンNXがマウスポインタMPで押下されれば、理解度情報が入力されたものとしてステップSP6に進む。なお、次へボタンNXが押下されるまでは、ステップSP5の判定が繰り返される。
ステップSP6では、端末制御部12により、解答例提示画面で入力された理解度情報が受け付けられる。このとき、理解度情報は、端末制御部12からサーバ制御部120に対して転送されて、入力情報受付部121によって受け付けられる。
ステップSP7では、学習目標解析部123により、ステップSP6で受け付けられて転送されてきた理解度情報が解析される。ここでは、理解度情報に含まれる未理解内容情報が認識される。
ステップSP8では、情報抽出部124により、ステップSP7における解析結果(すなわち未理解内容情報)に対応する一部関連情報が内容データ関連情報112から抽出される。例えば、教材DB110に格納された情報要素対応付け情報において、未理解内容情報と対応付けられている一部関連情報が内容データ関連情報112から抽出される。ここでは、一部関連情報が、サーバ制御部120から端末制御部12に対して転送される。
ステップSP9では、表示制御部12Aの制御により、ステップSP8で抽出された一部関連情報に基づき、一部関連情報に含まれる各教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられた情報(ネットワーク情報)の一覧表示が表示部13において可視的に表示されて、本動作フローが終了する。
以上のような構成では、学習者が問題に対して解答した後に、解答例が学習者に対して提示される。そして、解答例を視認した学習者が理解できていない内容に係る情報を入力すると、当該情報に応じた教材項目要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示が提示される。このため、学習者は自己のレベルに応じた学習教材を容易に把握することができる。すなわち、当該構成により、適正な学習を行いたい等といった学習者の意図に適合した学習教材を提供することができる。
なお、以上では、理解度を尋ねる質問に対して択一的な回答を要求したが、自由な文章(自由文)で理解度を入力させ、学習目標解析部123において、上記実施形態において説明したものと同様な言語処理により理解度情報を解析して、項目「対象」「結語」等に係る各要素を認識することで未理解内容情報を認識するような構成を採用しても良い。例えば、自由文「Feの項、分からない」が理解度として入力された場合には、項目「対象」に係る要素「Feの項」及び項目「結語」に係る要素「分からない」が認識され、学習者が理解できていない内容を示す情報(未理解内容情報)が認識されるような構成が挙げられる。
このような構成を採用する場合には、情報抽出部124が、上記実施形態において学習目標情報の解析結果に基づいて一部関連情報を抽出した処理と同様な態様で、理解度情報の解析結果である未理解内容情報に基づいて、未理解内容情報に対応する1以上の教材項目要素と、当該1以上の教材項目要素に対して所定の関係を有する1以上の教材項目要素とからなる複数の教材項目要素、及び当該複数の教材項目要素どうしの関係を示す情報を、内容データ関連情報112から一部関連情報として抽出するようにしても良い。
また、学習目標解析部123による解析結果(すなわち認識された未理解内容情報)が管理用端末190に転送され、表示制御部192Aの制御により、未理解内容情報が可視的に出力されるようにしても良い。このように構成とすれば、管理者は、教材を学習後に学習者が頻繁に理解できていない(又は間違える)箇所は教材の内容を見直す必要があると判断することができ、管理用端末190から管理者が適宜教材の内容を変更することができるため好ましい。
例えば、PC制御部192において、多数の学習者の未理解内容情報が統計的に処理されて、学習者が理解できていない内容を示す情報別に、入力回数をまとめたテーブル状の情報とされ、表示制御部192Aの制御下で、当該情報の一覧表示が表示部193に可視的に出力されれば、学習者が頻繁につまずく(理解できない)箇所を管理者が容易に把握することができるため好ましい。そして、管理者がPC制御部192の操作部194を種々操作して種々の情報を入力することで、情報更新部127の機能により、教材DB101の内容が適宜変更される。
この情報更新部127の機能による教材DB110の内容変更については、例えば以下の態様1〜4等が考えられる。
<態様1>
特定のユーザーであるシステムの管理者による管理用端末190からの情報入力に基づき、情報更新部127により、記憶部101内の内容データ群111に既に含まれている複数の内容データとは異なる新規な内容データが追加されるとともに、内容データ関連情報112に既に含まれている複数の教材項目要素とは異なり且つ新規な内容データに対応する新規な教材項目要素が内容データ関連情報112に対して追加される。このとき、内容データ関連情報112では、情報更新部127の機能により、既存の教材項目要素に対して新規な教材項目要素が適宜関連付けられるとともに、新規な教材項目要素に対して新規な内容データが関連付けられる。このような新規な教材内容の追加としては、例えば、図30で示したような、より多段的かつ着実な理解の向上を目指した「例題」の追加等が挙げられる。
<態様2>
特定のユーザーであるシステムの管理者による管理用端末190からの情報入力に基づき、情報更新部127により、記憶部101内の内容データ群111に既に含まれている複数の内容データのうちの少なくとも1以上の内容データが変更される。このような内容データの変更としては、例えば、説明不足による弊害を無くすこと目指した要素「解説」に係る内容の充実化に関する内容データの変更等が挙げられる。
<態様3>
特定のユーザーであるシステムの管理者による管理用端末190からの情報入力に基づき、情報更新部127により、内容データ関連情報112において学習経路を規定する複数の教材項目要素の間における関連付けに関し、既存の関連付けとは異なる新規な関連付けが追加される。このような新規な関連付けの追加としては、例えば、ある式の理解には、他の式の理解を優先的に学習した方が良いと考えられる場合に、当該学習経路を追加する新規な関連付けの追加等が挙げられる。
<態様4>
特定のユーザーであるシステムの管理者による管理用端末190からの情報入力に基づき、情報更新部127により、内容データ関連情報112において学習経路を規定する複数の教材項目要素の間における関連付けが変更される。このような関連付けの変更としては、例えば、教材を学習すべき順番が誤っていた場合に、その学習経路を変更するための複数の教材項目要素間における関連付けの変更等が挙げられる。
なお、態様3,4については、第2実施形態で示したような学習経路情報(例えば、番号1,2,3,・・・)が各教材項目要素に関連付けられているような場合には、学習経路情報の追加及び変更等も考えられる。
このようにして、管理者等といった特定のユーザー等は学習者の理解度を考慮して、新規な教材項目要素や内容データを追加したり、内容データを更新したり、複数の教材項目要素間の関連付けを追加したり、複数の教材項目要素間の関連付けを更新したりすることができる。その結果として、教材の適正化が図られる。
なお、ここでは、管理者による管理用端末190からの情報入力に基づき情報更新部127によって内容データ群111や内容データ関連情報112が適宜更新されたが、これに限られず、IPアドレスのフィルタリングやパスワードやIDの入力によって情報更新の為の情報入力を端末に対して許可するようにしても良い。このような構成では、情報更新のアクセス権が与えられた所定の装置(端末など)をユーザー(管理者等の特定のユーザー)が種々操作することで、内容データ群111や内容データ関連情報112が適宜更新される。
◎なお、本明細書において、内容データ群111に対して新たな内容データを加えることは、内容データ群111に既に含まれている内容データとは異なる別個の内容データを追加することである。また、内容データ関連情報112に対して新たな教材項目要素を加えることは、内容データ関連情報112において既に相互に関連付けられている教材項目要素とは異なる別個の教材項目要素を追加して、既存の教材項目要素と適宜関連付けることである。そして、教材を構成する新たな項目とは、教材を既に構成していた項目とは異なる別個の項目である。
◎また、本発明は、トラブル対応等といった他の各種分野の学習にも使用することができる。トラブル対応の学習の一例としては、複写機のトラブル対応等の学習が挙げられる。例えば、複写機において、「トナーの定着不良」が生じた場合には、「定着させる際のトナーに掛かる圧力やトナーの加熱温度等が低い」「使用したトナーの融点が高い」「使用したトナーの粒径が大きい」等といった原因が考えられる。
このようなケースについてのトラブル対応を学ぶ教材項目が複写機のトラブル対応の教材に含まれている場合を想定すると、例えば、内容データ関連情報112において詳細項目付き要素「トナーの定着不良」に対して詳細項目要素「トナーの圧力・温度」「トナーの融点」「トナーの粒径」が従属するように関連付けされ、サービスマンによって学習目標情報「定着不良がある」が入力されると、内容データ関連情報112から詳細項目付き要素「トナーの定着不良」及び当該要素に従属する詳細項目要素を含んで構成される一部関連情報が抽出されて、可視的に表示されても良い。このような構成により、サービスマンは「定着不良」に対するトラブル対応について適宜学習を進めることができる。なお、この学習は、サービスマンの養成及び研修等で使用することができる他、実際のトラブル対応における実務上の参考情報を得るといった観点からも有益である。