JP2007271800A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対向基板側の電位が液晶の配向状態に与える不具合を抑制するとともに微細加工が容易で平坦性に優れた構造を低コストで実現することである。
【解決手段】アレイ基板100において画素電極131と共通電極133とは層間絶縁膜132を介して積層されており、共通電極133はアレイ基板100の表示領域A10内で液晶310に最も近くに位置する導電膜として構成されている。対向基板200の遮光膜230は、クロム等の金属膜で構成されており、表示領域A10内において液晶310に最も近くに位置する導電膜として構成されている。導電部材390が共通電極133と遮光膜230とに接して配置されており、これにより遮光膜230に共通電極133と同じ電位が印加される。
【選択図】図1
【解決手段】アレイ基板100において画素電極131と共通電極133とは層間絶縁膜132を介して積層されており、共通電極133はアレイ基板100の表示領域A10内で液晶310に最も近くに位置する導電膜として構成されている。対向基板200の遮光膜230は、クロム等の金属膜で構成されており、表示領域A10内において液晶310に最も近くに位置する導電膜として構成されている。導電部材390が共通電極133と遮光膜230とに接して配置されており、これにより遮光膜230に共通電極133と同じ電位が印加される。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルおよび液晶表示装置に係り、具体的には対向基板側の電位が液晶の配向状態に与える不具合を抑制するとともに微細加工が容易で平坦性に優れた構造を低コストで提供するための技術に関する。
広視野角の液晶パネルとして、例えばIPS(In-Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶パネルがある(例えば特許文献1,2参照)。これらのモードでは、アレイ基板側に画素電極および共通電極を設け、両電極間に生じる電界(横電界)の制御によって液晶層の配向状態を制御する。
このような液晶パネルでは、対向基板側の電位が液晶層に不具合を発生させないようにするために、対向基板に設けられる遮光膜を樹脂で形成したり(例えば特許文献3参照)、対向基板においてアレイ基板側にITO(Indium Tin Oxide)を成膜してDC電位を与えたりする必要がある(例えば特許文献4参照)。
しかし、樹脂製の遮光膜は、微細加工が困難であるという問題があり、また、膜厚が1〜2μm前後あるのでギャップ換言すれば平坦性に問題がある。さらに、上述の樹脂製の遮光膜およびITO膜はいずれもコスト増加を招くという問題もある。
本発明の目的は、対向基板側の電位が液晶の配向状態に与える不具合を抑制するとともに微細加工が容易で平坦性に優れた構造を低コストで実現可能な液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することである。
本発明に係る液晶パネルは、層間絶縁膜を介して積層された画素電極と共通電極とを含んで構成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向配置されており遮光膜を含んで構成された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に封入された液晶とを備え、前記画素電極と前記共通電極との間の電界によって前記液晶の配向状態を制御する液晶パネルにおいて、前記遮光膜は導電性を有し、前記遮光膜と前記共通電極とは互いに前記液晶を介して位置する導電膜として構成され、前記液晶パネルは、前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置され前記共通電極と前記遮光膜とを電気的に接続する導電部材をさらに備え、前記導電部材によって前記遮光膜に前記共通電極と同じ電位が印加されることを特徴とする。
また、前記遮光膜は金属膜で構成されていることが好ましい。
また、前記金属膜はクロムで構成されていることが好ましい。
また、前記導電部材は前記共通電極と前記遮光膜と少なくとも1つに接して配置されていることが好ましい。
また、前記アレイ基板に設けられ前記共通電極に電気的に接続されたアレイ基板側電極部と、前記対向基板に設けられ前記遮光膜に電気的に接続された対向基板側電極部と、の少なくとも1つ電極部をさらに備え、前記導電部材は前記少なくとも1つの電極部に接して配置されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る液晶表示装置は、層間絶縁膜を介して積層された画素電極と共通電極とを含んで構成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向配置されており遮光膜を含んで構成された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に封入された液晶と、前記画素電極および前記共通電極に駆動電位を供給する駆動装置とを備え、前記画素電極と前記共通電極との間の電界によって前記液晶の配向状態を制御する液晶表示装置において、前記遮光膜は導電性を有し、前記遮光膜と前記共通電極とは互いに前記液晶を介して位置する導電膜として構成され、前記遮光膜には前記共通電極の電位に関連した電位が印加されることを特徴とする。
また、前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置され前記共通電極と前記遮光膜とを電気的に接続する導電部材をさらに備え、前記導電部材によって前記共通電極と同じ電位が前記共通電極の前記電位に関連した前記電位として前記遮光膜に印加されることが好ましい。
また、前記遮光膜は前記駆動装置に電気的に接続されており、前記駆動装置によって前記遮光膜に前記共通電極の前記電位に関連した前記電位が印加されることが好ましい。
上記構成により、遮光膜が導電性を有し所定電位が印加されるので、遮光膜の電位が液晶配向状態に不具合を生じさせることがない。このとき、導電性の遮光膜によれば、別途にITO等を設ける必要がないので、低コストで上記効果を得ることができる。さらに、金属膜で構成された遮光膜によれば、樹脂製の遮光膜と比較して、微細加工が容易であり、平坦性に優れ、低コストである。これらの結果、対向基板側の電位が液晶配向状態に与える不具合を抑制することができるとともに、微細加工が容易で平坦性に優れた構造を低コストで実現することができる。
図1に本発明に係る第1実施形態の液晶表示装置1を説明する模式図を示す。図1に示すように、液晶表示装置1は液晶パネル10と駆動装置50とを含んで構成されている。ここで、駆動装置50は、液晶パネル10の駆動をするための各種装置、例えば電源装置、信号処理回路、垂直ドライバ51(後述の図6のVDR51を参照)、水平ドライバ52(後述の図6のHDR52を参照)等を総称するものとする。なお、液晶表示装置1が透過型または半透過型の場合、液晶表示装置1はさらに不図示のバックライト装置を含んで構成される。
図1に示すように、液晶パネル10は、アレイ基板100と、アレイ基板100に対向配置された対向基板200と、これら2枚の基板100,200の間に封入された液晶310とを含んで構成されている。なお、アレイ基板100はTFT基板、素子基板等とも呼ばれ、対向基板はカラーフィルタ基板等とも呼ばれる。
まず、液晶パネル10について、画素が例えばマトリクス配列されて映像等の表示を行う領域である表示領域A10内の構成を説明する。
図2の(a)および(b)にアレイ基板100について表示領域A10内の平面図および断面図を示す。図1および図2に示すように、アレイ基板100は、ガラス等で構成される基板110と、画素TFT(Thin Film Transistor)120T等が作り込まれた回路層120と、画素電極131と、層間絶縁膜132と、共通電極133と、不図示の配向膜とが積層されて構成されている。画素TFT120Tおよび画素電極131は画素ごとに設けられており、したがって図1では画素2個分の構成を図示し、図2では画素1個分の構成を図示している。なお、図1に示すように、回路層120内の画素TFT120T等は駆動装置50によって駆動される。
回路層120は、図2に示すように、半導体膜121と、ゲート絶縁膜122と、ゲート電極123と、層間絶縁膜124と、ソース電極125Sと、ドレイン電極125Dと、層間絶縁膜126と、が積層されて構成されている。ゲート電極123とゲート絶縁膜122と半導体膜121とで画素TFT120TのMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造またはMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造が構成される。
半導体膜121は、画素ごとに設けられており、基板110の対向基板200側の表面上に局所的に配置されている。半導体膜121は例えばシリコン膜で構成されており、半導体膜121には画素TFT120Tのためのソース領域、ドレイン領域および両領域間のチャネル領域(いずれも不図示)が設けられている。
ゲート絶縁膜122は、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜で構成されており、半導体膜121上および基板110上に積層されている。
ゲート電極123は、例えばシリコン等の半導体膜や金属膜で構成されており、ゲート絶縁膜122上に、ゲート絶縁膜122を介して半導体膜121のチャネル領域に対向する位置に配置されている。
層間絶縁膜124は、例えばシリコン酸化膜で構成されており、ゲート電極123およびゲート絶縁膜122上に積層されている。層間絶縁膜124は平坦化膜を兼ねている。
ソース電極125Sおよびドレイン電極125Dは、例えば金属膜で構成されており、層間絶縁膜124上に積層されている。層間絶縁膜124およびゲート絶縁膜122には半導体膜121のソース領域に至るコンタクトホールが形成されており、ソース電極125Sは、このコンタクトホールを介してソース領域に電気的に接続されている。同様に、ドレイン電極125Dは、層間絶縁膜124およびゲート絶縁膜122を貫くコンタクトホールを介して半導体膜121のドレイン領域に電気的に接続されている。
層間絶縁膜126は、例えばシリコン酸化膜で構成されており、ソース電極125S上、ドレイン電極125D上および層間絶縁膜124上に積層されている。層間絶縁膜124は平坦化膜を兼ねている。
画素電極131は、回路層120の層間絶縁膜126上に積層されており、画素ごとに設けられている。画素電極131は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の光透過性導電膜で構成されている。なお、画素電極131の全部または一部を金属等の光反射性導電膜で構成することにより、液晶パネル10を反射型または半透過型に構成することができる。層間絶縁膜126にはドレイン電極125Dに至るコンタクトホールが形成されており、画素電極131は、このコンタクトホールを介してドレイン電極125Dに電気的に接続されている。したがって、画素電極131の駆動時の電位(駆動電位)は画素TFT120Tを介して不図示の駆動装置によって制御される。ここでは画素電極131が接続される側をドレイン電極125Dとしたが、これをソース電極125Sと呼んでも構わない。
層間絶縁膜132は、例えばシリコン酸化膜で構成されており、画素電極131上および回路層120の層間絶縁膜126上に積層されている。
共通電極133は、例えばITOやIZO等の光透過性導電膜で構成されている。共通電極133は層間絶縁膜132上に積層されており、これにより表示領域A10内において共通電極133と画素電極131とが層間絶縁膜132を介して積層されている。共通電極133は、画素電極131よりも液晶310の側に配置されており、表示領域A10においてアレイ基板100のうちで液晶310に最も近い導電膜として構成されている。共通電極133は、表示領域A10の全域に渡って配置され、表示領域A10内の画素、換言すれば画素電極131に対して共通に設けられている。共通電極133には画素電極131に対向する位置に、共通電極133を厚さ方向に貫通した開口134が設けられている。なお、開口134の形状および数は図示の例に限られない。
共通電極133は、図1に示すように駆動装置50に電気的に接続されており、共通電極133の駆動時の電位(駆動電位)は駆動装置50によって制御され、ここでは所定の直流(DC)電位V0が印加されるものとする。
共通電極133上に不図示の配向膜が配置されている。
ここで、図3および図4に、液晶パネル10における液晶310の配向状態の制御を説明する模式図を示す。まず、画素電極131と共通電極133とを同電位に設定した場合、図3に示すように、液晶310は所定の状態に配向している。これに対して、画素電極131と共通電極133とで電位を違えた場合、図4に示すように、両電極間131,133間には開口134を介して電界Eが形成され、液晶310は図3の無電界時の配向状態とは異なった状態に配向する。このとき、両電極131,133間の電界Eの強度によって液晶310の配向状態すなわち液晶310の透過率が制御され、表示光が調光される。画素電極131と共通電極133との間の電界Eによって配向状態が制御可能な限り、図3および図4の例示とは異なる配向状態を適用することも可能である。
なお、液晶パネル10のように、アレイ基板側に層間絶縁膜を挟んで積層された画素電極131と共通電極133とを有し両電極131,133間の電界によって液晶配向状態を制御する技術はFFS(Fringe Field Switching)モードと呼ばれる。
対向基板200は、図1に示すように、ガラス等で構成された基板210と、カラーフィルタ220と、遮光膜230と、不図示の配向膜とを含んで構成されている。図5に対向基板200の平面図を示す。
カラーフィルタ220は、基板210のアレイ基板100側の表面上に、アレイ基板100の画素電極131に対向する位置に配置されている。すなわち、画素ごとに設けられている。カラーフィルタ220はその画素の表示色に応じた色の例えば樹脂膜で構成されている。
遮光膜230は、導電膜、例えばクロム(Cr)等の金属膜で構成され、隣接するカラーフィルタ220間の隙間を埋めるように基板210上に設けられている。
カラーフィルタ220上および遮光膜230上に不図示の配向膜が配置されている。
対向基板200において、表示領域A10内に遮光膜230以外の導電膜は存在しておらず、したがって、遮光膜230よりも液晶310の側に導電膜は存在せず、表示領域A10において遮光膜230は対向基板200のうちで液晶310に最も近い導電膜として構成されている。このとき、遮光膜230と共通電極133とは互いに表示領域A10内で液晶310を介して最も近くに位置する導電膜として構成されている。すなわち、液晶310を挟んで両側に遮光膜230と共通電極133とが位置しており、遮光膜230に液晶310側で最も近い導電膜が共通電極133であるとともに、共有電極133に液晶310側で最も近い導電膜が遮光膜230である。
アレイ基板100と対向基板200とはそれぞれの不図示の配向膜を向き合わせて配置されており、両基板100,200間の隙間に液晶310が封入されている。
次に、液晶パネル10について、表示領域A10の外側の領域である周辺領域A20内の構成を説明する。
図1に示すように、アレイ基板100では回路層120、層間絶縁膜132および共通電極133が周辺領域A20内にも延在している。なお、周辺領域A20内において回路層120には例えば画素TFT120Tに接続された配線や、垂直ドライバ51(図6参照)、水平ドライバ52(図6参照)等が形成されている(いずれも図1には不図示)。他方、図1および図5に示すように、対向基板200では導電性の遮光膜230が周辺領域A20内にも延在している。共通電極133と遮光膜230とは周辺領域A20においても互いに液晶310に最も近い導電膜として構成されている。
液晶パネル10は周辺領域A20内に導電部材390を含んで構成されており、導電部材390はアレイ基板100と対向基板200との間に配置されている。導電部材390は、共通電極133および導電性の遮光膜230の両方に接しており、これにより共通電極133と導電性の遮光膜390とを電気的に接続している。
導電部材390として図1には金属等の導電性材料から成る球体(ビーズ)を1個例示しているが、複数個の球体であってもよいし、1個または複数個のファイバ等であってもよい。また、共通電極133と導電性の遮光膜230とを電気的に接続可能な限り、例えば樹脂球の表面を金属メッキしたものを導電部材390として用いることもできる。このような導電部材390を例えば不図示のペースト材料(導電性の有無は問わない)と混練し、混練したペーストを共通電極133上と遮光膜230上との少なくとも一方に配置し、アレイ基板100と対向基板200とを貼り合わせることによって、両基板100,200間に導電部材390を配置することができる。上記ペースト材料として例えば液晶310を封入するためのシールを利用することが可能である。
また、導電部材390は、上述の球体等のような固形物以外に、金(Au)ペースト等の導電性ペーストであってもよい。具体的には、ペースト状の導電部材390を共通電極133上と遮光膜230上との少なくとも一方に配置し、アレイ基板100と対向基板200とを貼り合わせることによって、両基板100,200間に導電部材390を配置することができる。導電部材390を構成する導電ペースト中にスペーサ(導電性の有無は問わない)を混練してもよい。
この構成によれば、遮光膜230が導電性を有し、この導電性の遮光膜230には導電部材39を介して共通電極133と同じ電位V0が印加される。このため、遮光膜230の電位がフローティング状態になることがない。また、遮光膜230に共通電極133と同じ電位が印加されるため、遮光膜230に液晶310を介して対峙する共通電極133との間には縦方向の電界が形成されない。したがって、遮光膜230の電位が液晶310の配向状態に不具合を生じさせることがない。
しかも、導電性の遮光膜230によれば、遮光膜230上にさらにITO膜等の導電膜を設ける必要がないので、低コストである。また、クロム(Cr)等の金属膜で構成された遮光膜230によれば、樹脂製の遮光膜と比べて、薄く形成可能なので、微細加工が容易であり、平坦性に優れる。さらに、金属膜で構成された遮光膜230によれば、樹脂製の遮光膜よりも低コストである。
次に、図6および図7に本発明に係る第2実施形態の液晶パネル10Bを説明する平面図および断面図を示す。なお、図6では、画素電極131等の図示を省略し、画素Pを○印で模式的に図示し、表示領域A10を破線で示し、対向基板200の輪郭および遮光膜230を一点鎖線で図示している。また、説明の簡単のため、表示領域A10および共通電極133は図5において四角形とする。図6では共通電極133を表示領域A10よりも広く図示しているが、共通電極133を表示領域A10に一致させてもよい。また、遮光膜230の配置範囲は図示の例に限られない。液晶パネル10Bは、液晶パネル10に替えて、液晶表示装置1に適用可能である。
図6に示すように、液晶パネル10Bのアレイ基板100Bは、駆動装置の一部である垂直ドライバ51(図中ではVDR51と表記している)および水平ドライバ52(図中ではHDR52と表記している)と、例えば金属膜で構成された配線L123,L51,L125S,L52,L133と、をさらに含んで構成されており、これらは回路層120(図1参照)内に設けられている。
配線L51は周辺領域A20内に延在しており、各配線L51の一端は端子領域A21内に設けられており、端子領域A21内において各配線L51の端部は外部接続端子部を構成している。ここで、端子領域A21は、周辺領域A20の一部であり、アレイ基板100Bのうちで対向基板200Bに覆われてない部分に設けられており、図5の例では図面においてアレイ基板100Bの下方端部に設けられている。各配線L51の他端は、薄膜トランジスタ(TFT)等の回路素子によって構成された垂直ドライバ51の入力端に接続されている。なお、これら複数の配線L51をまとめて配線群G51と呼ぶことにする。
垂直ドライバ51は、入力端を介して受信した信号等を処理して画素TFT120T(図2参照)のゲート電極123へ印加する駆動電位を生成し、生成した駆動電位を所定のタイミングで所定の出力端から出力するように構成されている。垂直ドライバ51は、周辺領域A20内において表示領域A10(または共通電極133)の1辺に沿った領域に設けられており、図5の例では図面において表示領域A10の左横に設けられている。
垂直ドライバ51の各出力端には配線L123が接続されている。各配線L123は表示領域A10内へ延在し、複数の画素Pに共通に設けられている。具体的には、1本の配線L123に複数の画素TFT120T(図2参照)のゲート電極123が接続されている。
この構成により、垂直ドライバ51は、駆動装置の他の一部を構成する不図示の外部装置から配線L51を介して信号等を受信し、受信した信号等から駆動電位を生成し、この駆動電位を配線L123へ出力する。このとき、垂直ドライバ51は、複数の配線L123を順次に選択し、すなわち複数の配線L123を走査し、その選択した配線L123へ駆動電位を印加する。これにより、選択された配線L123に接続された複数の画素TFT120Tのゲート電極123に同時に駆動電位が印加される。
配線L52は周辺領域A20内に延在しており、各配線L52の一端は端子領域A21内に設けられており、端子領域A21内において各配線L52の端部は外部接続端子部を構成している。各配線L52の他端は、薄膜トランジスタ(TFT)等の回路素子によって構成された水平ドライバ52の入力端に接続されている。なお、これら複数の配線L52をまとめて配線群G52と呼ぶことにする。
水平ドライバ52は、入力端を介して受信した信号等を処理して画素Pの表示データに応じた所定の駆動電位を生成し、生成した駆動電位を所定のタイミングで出力端から出力するように構成されている。水平ドライバ52は、周辺領域A20内に設けられ、表示領域A10(または共通電極133)の4辺のうちで垂直ドライバ51が隣接する上記1辺と交差する他の1辺に沿った領域に設けられており、図5の例では図面において表示領域A10の下に設けられ、表示領域A10と端子領域A21との間に設けられている。
水平ドライバ52の各出力端には配線L125Sが接続されている。各配線L125Sは表示領域A10内へ延在し、複数の画素Pに共通に設けられている。具体的には、1本の配線L125Sに複数の画素TFT120T(図2参照)のソース電極125Sが接続されている。
この構成により、水平ドライバ52は、駆動装置の他の一部を構成する不図示の外部装置から配線L52を介して信号等を受信し、受信した信号等から表示データに応じた駆動電位を生成し、この駆動電位を配線L125Sへ出力する。このとき、水平ドライバ52は、垂直ドライバ51による配線L51の走査に同期して、選択された配線L51に接続された各画素Pへその画素Pごとの駆動電位を出力する。これにより、選択された配線L123に接続された複数の画素TFT120Tを介して画素電極131に駆動電位が印加される。水平ドライバ52は複数の配線L125Sへの出力を同時に行う。
ここで、垂直ドライバ51による配線L51の順次選択動作は表示データに応じた駆動電位を印加すべき画素Pを順次に選択する動作に等しく、このため垂直ドライバ51を画素選択回路と呼ぶことができる。他方、水平ドライバ52は、選択された画素Pの画素電極131へその画素Pの表示データに応じた駆動電位を印加するので、電位印加回路と呼ぶことができる。このとき、垂直ドライバ151の入力端群に接続された配線群G51を画素選択回路用配線群と呼ぶことができ、水平ドライバ52の入力端群に接続された配線群G52を電位印加回路用配線群と呼ぶことができ、これらの配線群G51,G52、換言すれば複数の配線L51および複数の配線L52は各画素電極131の電位を制御するために設けられている。
配線L133は周辺領域A20内に延在しており、一端は端子領域A21内に設けられており、端子領域A21内において配線L133の端部は外部接続端子部を構成している。配線L133の他端は、共通電極133のうちで垂直ドライバ51と水平ドライバ52との両方に近接した隅部付近において共通電極133に電気的に接続されている。この構成により、駆動装置の他の一部を構成する不図示の外部装置から配線L133の外部接続端子部へ印加された電位が共通電極133へ印加される。すなわち、配線L133は共通電極への電位印加用に設けられている。
共通電極用配線L133は、垂直ドライバ51、水平ドライバ52および配線群G51,G52との交差を避けて配置されている。具体的には、配線L133は、共通電極133の上記隅部付近から引き出され(すなわち2つのドライバ51,52の間を通り)、2つの配線群G51,G52の間の領域を通って端子領域A21内へ延在している。さらに、端子領域A21内では、配線L133の外部接続端子部は配線群G51の外部接続端子部と配線群G52の外部接続端子部との間に設けられている。この配置形態によれば、共通電極用配線L133は上述の交差を避けた配置において許容される領域内で最短の長さで端子領域A21内へ引き出されている。
さらに、図6および図7に示すように、アレイ基板100Bはアレイ基板100(図1等参照)の周辺領域A20内にアレイ基板側引き出し線L190と、絶縁膜180と、アレイ基板側パッド192とを追加した構成を有している。また、対向基板200Bは対向基板200(図1等参照)の周辺領域A20内に対向基板側引き出し線L290と、絶縁膜280と、対向基板側パッド292とを追加した構成を有している。液晶パネル10Bのその他の構成は液晶パネル10と同様であるため、同様の構成要素には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
アレイ基板側引き出し線L190は、ここでは基板110上に配置されており、一端において共通電極133に電気的に接続され、共通電極133から離れた位置へ引き出されている。引き出し線L190は、例えば金属膜で構成してもよいし、共通電極133用の導電膜をパターニングすることによって共通電極133とともに形成してもよい。
絶縁膜180は、例えばシリコン酸化膜で構成されており、アレイ基板側引き出し線L190上に積層され、引き出し線L190の一部191上に開口を有している。
アレイ基板側パッド192は、絶縁膜180上に配置され、絶縁膜180の開口を介してアレイ基板側引き出し線L190の一部191に接している。これにより、引き出し線L190の一部191とパッド192とによってアレイ基板側電極部190が構成されている。アレイ基板側パッド192は、金属、ITO、IZO等の導電膜で構成されている。
対向基板側引き出し線L290は、ここでは基板210上に配置されており、一端において導電性の遮光膜230に電気的に接続され、遮光膜230から離れた位置へ引き出されている。引き出し線L290は、例えば金属膜で構成してもよいし、遮光膜230用の導電膜をパターニングすることによって遮光膜230とともに形成してもよい。
絶縁膜280は、例えばシリコン酸化膜で構成されており、対向基板側引き出し線L290上に積層され、引き出し線L290の一部291上に開口を有している。
対向基板側パッド292は、絶縁膜280上に配置され、絶縁膜280の開口を介して対向基板側引き出し線L290の一部291に接している。これにより、引き出し線L290の一部291とパッド292とによって対向基板側電極部290が構成されている。対向基板側パッド292は、金属、ITO、IZO等の導電膜で構成されている。
アレイ基板側電極部190と対向基板側電極部290とは周辺領域A20内において対向して設けられている。このため、アレイ基板側引き出し線L190はアレイ基板側電極部190の位置へ向かって共通電極133から引き出されており、対向基板側引き出し線L290は対向基板側電極部290の位置へ向かって導電性の遮光膜230から引き出されている。図6では2つの引き出し線L190,L290の全体が対向する形態を例示している。引き出し線L190,L290の引き出し位置および引き出し方向は図6の例に限られないが、アレイ基板側引き出し線L190をドライバ51,52および配線群G51,G52との交差を避けて引き出すことが好ましい。
導電部材390は、アレイ基板100Bと対向基板200Bとの間に配置され、アレイ基板側電極部190と対向基板側電極部290とに接している。これにより、アレイ基板側引き出し線L190と対向基板側引き出し線L290とが電気的に接続され、導電性遮光膜230に共通電極133と同じ電位V0が印加される。
なお、パッド192を用いずにアレイ基板側電極部190を構成してもよいし、同様にパッド292を用いずに対向基板側電極部290を構成してもよい。
また、遮光膜230をアレイ基板側電極部190に対向するように延在させることによって、導電性の遮光膜230とアレイ基板側電極部190との間に導電部材390を配置してもよい。同様に、共通電極133を対向基板側電極部290に対向するように延在させることによって、共通電極133と対向基板側電極部290との間に導電部材390を配置してもよい。
ここで、液晶パネル10Bにかんがみれば、液晶パネル10(図1参照)において、共通電極133と導電部材390との間にパッド192,292と同様のパッドを設けてもよいし、同様に導電性の遮光膜230と導電部材390との間にパッドを設けてもよい。この場合にも、導電部材390はパッドを介して共通電極133と遮光膜230とを電気的に接続している。
アレイ基板側電極部190および対向基板側電極部290の配置位置は、図6の例に限られない。例えば図8の平面図および図9の断面図に示すように、共通電極133へ電位V0を印加するための配線L133の途中にアレイ基板側電極部190を設け、アレイ基板側電極部190に対向させて対向基板側電極部290を設け、対向基板側電極部290と遮光膜230とを対向基板側引き出し線L290で接続してもよい。
図10に第3実施形態の液晶パネル10Cの模式図を示し、図11に液晶パネル10Cを適用した液晶表示装置1Cの模式図を示す。
液晶表示装置1Cは液晶パネル10Cと駆動装置50Cとを含んで構成されている。液晶パネル10Cは液晶パネル10B(図6および図7参照)のアレイ基板100Bをアレイ基板100Cに替えた構成を有しており、アレイ基板100Cはアレイ基板100Bにおいてアレイ基板側引き出し線L190を配線L390に替えた構成を有している。
配線L390は周辺領域A20内に延在しており、配線L390の一端は端子領域A21内に設けられており、端子領域A21内において配線L390の端部は外部接続端子部を構成している。配線L390の他端は基板110とパッド192との間に設けられており、この一端部において配線L390の一部391はパッド192に接し、パッド192とともにアレイ基板側電極部190を構成している。
アレイ基板側電極部190に対向して対向基板側電極部290が設けられ、対向基板側電極部290と遮光膜230とが対向基板側引き出し線L290で接続されている。
なお、アレイ基板側電極部190および対向基板側電極部290の配置位置は、図10の例に限られない。
駆動装置50Cは、駆動装置50(図1参照)と同様に画素TFT120Tを駆動するための駆動電位等および共通電極133への印加電位V0を出力可能に構成されているとともに、導電性の遮光膜230への印加電位V1を出力可能に構成されている。そして、駆動装置50Cの電位V1の出力端は配線L390の外部接続端子部に接続されている。
この構成により、配線L390の外部接続端子部へ印加された電位V1は、配線L390、アレイ基板側電極部190、導電部材390、対向基板側電極部290および対向基板側引き出し線L290を介して導電性の遮光膜230に印加される。すなわち、遮光膜230には駆動装置50Cに電気的に接続されている。
液晶表示装置1Cのその他の構成は液晶表示装置1と同様であるため、同様の構成要素には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
この構成において、遮光膜230への印加電圧V1を共通電極133への印加電圧V0と同じに設定する(V1=V0)ことによって、液晶表示装置1と同様の駆動が可能である。また、液晶表示装置1Cでは、遮光膜230への印加電位V1を共通電極133への印加電位V0に関連した電位、例えば電位V0に所定電位を重畳した電位に設定することが可能であり、この場合にも遮光膜230の電位がフローティング状態になるのを防止することができる。
1,1C 液晶表示装置、10,10B,10C 液晶パネル、50,50C 駆動装置、100,100B,100C アレイ基板、131 画素電極、132 層間絶縁膜、133 共通電極、190 アレイ基板側電極部、200,200B 対向基板、230 遮光膜、290 対向基板側電極部、310 液晶、390 導電部材、A10 表示領域、A20 周辺領域、E 電界、V0,V1 電位。
Claims (8)
- 層間絶縁膜を介して積層された画素電極と共通電極とを含んで構成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向配置されており遮光膜を含んで構成された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に封入された液晶とを備え、前記画素電極と前記共通電極との間の電界によって前記液晶の配向状態を制御する液晶パネルにおいて、
前記遮光膜は導電性を有し、前記遮光膜と前記共通電極とは互いに前記液晶を介して位置する導電膜として構成され、
前記液晶パネルは、前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置され前記共通電極と前記遮光膜とを電気的に接続する導電部材をさらに備え、
前記導電部材によって前記遮光膜に前記共通電極と同じ電位が印加されることを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記遮光膜は金属膜で構成されていることを特徴とする液晶パネル。 - 請求項2に記載の液晶パネルにおいて、
前記金属膜はクロムで構成されていることを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の液晶パネルにおいて、
前記導電部材は前記共通電極と前記遮光膜と少なくとも1つに接して配置されていることを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の液晶パネルにおいて、
前記アレイ基板に設けられ前記共通電極に電気的に接続されたアレイ基板側電極部と、
前記対向基板に設けられ前記遮光膜に電気的に接続された対向基板側電極部と、
の少なくとも1つ電極部をさらに備え、
前記導電部材は前記少なくとも1つの電極部に接して配置されていることを特徴とする液晶パネル。 - 層間絶縁膜を介して積層された画素電極と共通電極とを含んで構成されたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向配置されており遮光膜を含んで構成された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に封入された液晶と、前記画素電極および前記共通電極に駆動電位を供給する駆動装置とを備え、前記画素電極と前記共通電極との間の電界によって前記液晶の配向状態を制御する液晶表示装置において、
前記遮光膜は導電性を有し、前記遮光膜と前記共通電極とは互いに前記液晶を介して位置する導電膜として構成され、前記遮光膜には前記共通電極の電位に関連した電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項6に記載の液晶表示装置において、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置され前記共通電極と前記遮光膜とを電気的に接続する導電部材をさらに備え、
前記導電部材によって前記共通電極と同じ電位が前記共通電極の前記電位に関連した前記電位として前記遮光膜に印加されることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項6に記載の液晶表示装置において、
前記遮光膜は前記駆動装置に電気的に接続されており、前記駆動装置によって前記遮光膜に前記共通電極の前記電位に関連した前記電位が印加されることを特徴とする液晶表示装置。
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