JP2007270964A - 歯車 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷間鍛造により歯車を製造する場合に歯面にクラウニングを形成するには、ダイを上下に二分してそれぞれに抜け勾配を形成しておく構成が考えられるが、パーティングラインが歯面の厚み方向の中心線と重なり合うことになり、必ずパーティングラインを削除する工程が必要になり、工数の削減や製造費の低減が難しかった。
【解決手段】冷間鍛造により成形される歯車であって、その歯が、歯車厚み方向において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みを有し、かつ歯たけに垂直な断面の歯面輪郭を円弧形状に形成してなるものである。
【選択図】図4
【解決手段】冷間鍛造により成形される歯車であって、その歯が、歯車厚み方向において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みを有し、かつ歯たけに垂直な断面の歯面輪郭を円弧形状に形成してなるものである。
【選択図】図4
Description
本発明は、主として金属製の平歯車や内歯車などの歯車に関するものである。
従来、歯車は、工作誤差、使用時における回転軸の平行度誤差、組み込まれている装置における組立誤差、さらには各部の弾性変形などによる歯の片当たりを防止するために、歯面が外側に膨出する曲面に形成してある。このような歯面の形状は、クラウニングと呼ばれるもので、例えば特許文献1に示されている。このようなクラウニングは、例えば特許文献2に記載されている歯車シェービング盤により、被加工歯車のそれぞれの歯面をシェービング加工することにより形成されるものである。
このように、切削にて歯車を製造する場合、歯切を行って得られた被加工歯車を切削とは別の加工装置つまり歯車シェービング盤に搬送し、またセットして、上述のシェービング加工をする必要がある。したがって、機械加工が必要であることから、そのような機械加工が製造費を高くしている。
一方、製造費を低減する目的から、冷間鍛造によって歯車を製造することが知られている(例えば特許文献3)。この特許文献3のものにあっては、二次加工歯車を最終製品にしごき成形をして歯車を製造するものである。
特開平6−91428号公報
特開平2−100817号公報
特開平5−154598号公報
ところが、特許文献3のように、冷間鍛造の最終工程においてしごき成形を行うと、冷間鍛造においてクラウニングを形成することは不可能である。つまり、冷間鍛造においてしごき成形してダイから歯車を抜くと、それぞれの歯面が平坦となる。したがって、クラウニングについては、このしごき成形の後に、シェービング加工によらなければならない。
このようなことから、冷間鍛造により歯車を製造する場合に歯面にクラウニングを形成するには、ダイを上下に二分してそれぞれに抜け勾配を形成しておく構成が考えられる。つまり、抜け勾配によりクラウニングが形成されるように抜け勾配を設定するものである。この場合に、上下それぞれのダイから歯車が抜けるためには、それぞれのダイが抜け勾配を有するものである。そしてこのように抜け勾配を設定したダイにより歯車を冷間鍛造すると、パーティングラインが歯面の厚み方向の中心線と重なり合うことになる。
このようなパーティングラインは、歯面において比較的顕著に突出するものであるので、完全に削除する必要がある。つまり、上述のように、クラウニングを形成するためには、ダイの型割の制約上、必ずパーティングラインが歯面に形成されることになる。したがって、冷間鍛造のみで歯車を製造することが不可能なものとなり、工数の削減や製造費の低減が難しかった。
そこで本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明の歯車は、冷間鍛造により成形される歯車であって、その歯が、歯車厚み方向において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みを有し、かつ歯たけに垂直な断面の歯面輪郭を円弧形状に形成してなることを特徴とするものである。
このような構成によれば、歯厚みが歯車厚み方向において一端側から他端側に向かって徐々に小さくなるので、冷間鍛造におけるダイに抜け勾配に対応させることが可能になる。このため、単一のダイにより冷間鍛造を行うことが可能になり、ダイを分割する冷間鍛造におけるパーティングラインが形成されることがない。したがって、パーティングラインの後処理に要する加工を削減することが可能になる。
しかも、冷間鍛造において、歯面にパーティングラインが形成されないので、シェービング加工などの歯面に対する鍛造後の機械加工が必要でないため、製造費を低減することが可能になる。また、歯面に対する鍛造後の機械加工を実施しないので、冷間鍛造により硬化され強度が向上された歯面の性能を維持することが可能になる。
加えて、歯面が円弧形状をしているので、同種の歯を備える他の歯車と歯の向きを互いに反対にして組み合わせることにより、かみあい部位を歯面の中央部位に位置させた歯車列を構成することが可能である。
本発明は、以上説明したような構成であり、冷間鍛造により製造することができ、しかもクラウニングを鍛造後の歯面の機械加工に頼らずに形成することができる。このため、製造コストを低減することができる。また、歯面の機械加工を行わないので、冷間鍛造の利点を生かして、歯面の性能を維持することができる。しかも、歯面が円弧形状をしているので、同種の歯を備える他の歯車と歯の向きを互いに反対にして組み合わせることにより、かみあい部位を歯面の中央部位に位置させた歯車列を構成することができ、クラウニング形状の歯車と同等に歯の片あたりを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する
この実施形態にあっては、図1〜図4に示す平歯車100を説明する。平歯車100は、冷間鍛造により製造されるもので、中央部分に軸孔1を備えている。平歯車100の歯2は、歯車厚み方向DR(図1において、紙面の表面から裏面に向かう方向であり、図2にては矢印DRにて示す方向)において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みTHK(図4に示す)を有し、かつ歯たけ3に垂直な断面の歯面輪郭が円弧形状に形成してある。平歯車100は、組み込まれる歯車列や減速機などの装置において必要とされる厚みを有しており、その厚み方向つまり例えば正面4から裏面5への方向において、一端側例えば正面4側から他端側例えば裏面5側に向かうにしたがって徐々に小さくなる厚みをそれぞれの歯2が有している。
この実施形態にあっては、図1〜図4に示す平歯車100を説明する。平歯車100は、冷間鍛造により製造されるもので、中央部分に軸孔1を備えている。平歯車100の歯2は、歯車厚み方向DR(図1において、紙面の表面から裏面に向かう方向であり、図2にては矢印DRにて示す方向)において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みTHK(図4に示す)を有し、かつ歯たけ3に垂直な断面の歯面輪郭が円弧形状に形成してある。平歯車100は、組み込まれる歯車列や減速機などの装置において必要とされる厚みを有しており、その厚み方向つまり例えば正面4から裏面5への方向において、一端側例えば正面4側から他端側例えば裏面5側に向かうにしたがって徐々に小さくなる厚みをそれぞれの歯2が有している。
具体的には、歯2は、その断面形状を次のように設定されるものである。図3に示すように、歯たけ3に垂直な断面、したがって歯先円7にほぼ平行な断面において、その断面6は平歯車100の正面4側の正面側寸法8がその断面6において最大となり、平歯車100の裏面5側の裏面側寸法9がその断面6において最小となる形状である。正面側寸法8及び裏面側寸法9とは、歯厚みTHKの最大値と最小値である。そして、この断面6のこのような正面側端部の正面側寸法8と裏面側端部の裏面側寸法9とにおいて、正面側から裏面側にかけての歯面10に対応する縁部11は、円弧形状をなしている。
このような歯2の断面形状において、歯面10に対応する縁部11は、歯面10の形状を規定するものである。すなわち、それぞれの歯2における背向する歯面10はそれぞれ、隣接する歯2の方向に膨出する曲面形状をしている。この場合、断面6における歯面10の輪郭を示す縁部11は、その断面6と同一の仮想面において平歯車100の正面4の直線12上に中心13を置く円により規定される。この円の半径は、例えば歯2の厚みの約1000倍に設定するものである。
このような円により縁部11を形成することにより、縁部11つまり歯面10は、平歯車100の正面4側から裏面5側にかけて、一つの歯2における歯面間距離つまり歯厚みTHKが平歯車100の正面4側で最大であり裏面5で最小となり、その正面4側から裏面5側にかけて順次小さくなり、その間で正面4側の最大値つまり正面側寸法8を超えることはない。このことは、歯面10が平歯車100の正面4側から裏面5側にかけて断面円弧形状の曲面で膨出するが、最大値となる正面4側の正面側寸法8以上に歯面10が膨出しないことを意味している。
したがって、このような歯面10の形状が、平歯車100を冷間鍛造する場合の抜け勾配となる。この歯面10の形状は、通常の切削により製造されるクラウニングの形状を、歯2の厚み方向において二分した形状に相当するものである。したがって、歯2はその厚み方向の中心線14に対して、歯面10の形状は非対称形となっている。
以上の構成の平歯車100に対応する冷間鍛造におけるダイ(型)は、上述した平歯車100の歯面10の形状を抜け勾配に対応させて形成されている。つまり、ダイは、平歯車100の形状に対応する凹部を有するものであり、その歯2の部分に対応する歯部凹部は、深くなるにしたがって歯面10を形成する内壁間の距離が小さくなっていくように形成してあり、歯部凹部の開口部分でその内壁間の距離が最大となる。この内壁間の郷里は、歯厚みTHKに対応する。またこの凹部は、平歯車100の厚みに対応する深さに設定してあり、その底面が平歯車100の裏面5を形成する面になる。
このように、歯部凹部が深くなるにしたがって内壁間の距離が小さくなっているので、内壁は開口部分に向かうにしたがって広がる勾配を有するものとなる。したがって、ダイは抜け勾配を有するものとなり、二分割する構成のものとする必要がない。この結果、ダイを分割して製造するものにおいて形成されるパーティングラインが、冷間鍛造した平歯車100の歯面10に形成されることをなくすことができるものとなる。
ダイを用いた冷間鍛造自体は、よく知られている通常の冷間鍛造と同じであってよい。ただし、この実施形態にあっては、ダイは、単一のものであり、二分割されるものではない。冷間鍛造において、まずダイの凹部内に材料を置き、この凹部に対応するパンチにより材料を圧縮する。これによって、材料がダイの凹部内の隅々まで充満する。パンチは、凹部の開口とほぼ等しい位置まで移動するものである。したがって、ダイとパンチとの境界部分となる、鍛造される平歯車100の一方の端面すなわち正面4側に、ダイよりはみ出す材料により少量のバリが形成されることがある
以上のようにして冷間鍛造を行った後、ダイから平歯車100を取り出す。上述のように、ダイには、抜き勾配が形成してあるので凹部の開口より容易に抜き出すことができる。そして、抜き出された平歯車100は、単一のダイを使用して鍛造したものであるので、パーティングラインが形成されない。その一方で、上述したように、ダイとパンチとの境界となる平歯車100の正面4側には、まれに非常に少量ではあるがバリが発生する。このようなバリは、平歯車100の歯面10からははずれた位置である平歯車100の正面4に形成されるものであるので、平歯車100の正面4側の表面を研磨することによりきわめて容易に除去することができるものである。したがって、歯面10にクラウニングを形成する場合のような工数を必要とするものではない。
以上のようにして冷間鍛造を行った後、ダイから平歯車100を取り出す。上述のように、ダイには、抜き勾配が形成してあるので凹部の開口より容易に抜き出すことができる。そして、抜き出された平歯車100は、単一のダイを使用して鍛造したものであるので、パーティングラインが形成されない。その一方で、上述したように、ダイとパンチとの境界となる平歯車100の正面4側には、まれに非常に少量ではあるがバリが発生する。このようなバリは、平歯車100の歯面10からははずれた位置である平歯車100の正面4に形成されるものであるので、平歯車100の正面4側の表面を研磨することによりきわめて容易に除去することができるものである。したがって、歯面10にクラウニングを形成する場合のような工数を必要とするものではない。
また、ダイの抜け勾配により、歯面10にクラウニングを形成したものとほぼ同様の形状に形成することができるので、冷間鍛造後に歯面10にシェービング加工を施す必要がない。したがってこのような機械加工に要する工数を削減することができる。このため、そのような加工工数を削減したことにより、製造費を低減させることができる。これに加えて、歯面10を切削する機械加工を行わないため、冷間鍛造により硬化し、強度が向上した表面構造を残すことができる。この結果、製造された平歯車100の少なくとも歯面10の機械的性能を高めることができる。
この実施形態の平歯車100にあっては、歯の断面形状が、従来のものとは異なり、平歯車100の歯車厚み方向DRの中央において幅が最大となる形状ではないが、上述したように、断面6において円弧形状を呈するものであるので、同型の平歯車100の複数を組み合わせて歯車列を形成することで、片当たりを防止できる構成にすることができる。すなわち、この実施形態における平歯車100の二枚を噛み合わせる場合、図5に噛み合い部分の構造をその断面形状において示すように、第一の平歯車100Aの正面104A側と第二の平歯車100Bの裏面105B側とが同じ方向を向くように噛み合わせる。このように二枚の平歯車100A、100Bを噛み合わせると、その噛み合いは第一の平歯車100Aの歯102Aの歯厚みTHKの大きい端部102Aaが第二の平歯車100Bの歯厚みTHKの小さい端部102Bbと組み合わさることになり、クラウニングが形成してあるものと同様に、両方の平歯車100A、100Bの歯面110A、110Bが一点において接触するものとなる。したがって、複数の平歯車を組み合わせた歯車列を形成する場合に、それぞれの平歯車を歯面の平歯車の厚み方向のほぼ中央において噛み合うようにすることができる。これにより、平歯車が片当たりすることを防止することができる歯車列を構成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態においては、平歯車を説明したが、内歯車、すぐばラック、かさ歯車などに適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
DR…歯車厚み方向
THK…歯厚み
2…歯
3…歯たけ
4…正面
5…裏面
6…断面
10…歯面
THK…歯厚み
2…歯
3…歯たけ
4…正面
5…裏面
6…断面
10…歯面
Claims (1)
- 冷間鍛造により成形される歯車であって、
その歯が、歯車厚み方向において一端側から他端側に向かうにしたがって徐々に小さくなる歯厚みを有し、かつ歯たけに垂直な断面の歯面輪郭を円弧形状に形成してなる歯車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097505A JP2007270964A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 歯車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097505A JP2007270964A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 歯車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007270964A true JP2007270964A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38673978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006097505A Pending JP2007270964A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 歯車 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007270964A (ja) |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097505A patent/JP2007270964A/ja active Pending
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