JP2007270916A - 軸受およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内輪軌道面等に形成する微小くぼみの大きさや面積比、さらにはその形成位置を、コストアップさせることなく自由にコントロール可能にする。
【解決手段】 内輪軌道面3aのうち、微小くぼみ18を除く領域にインクジェット印刷で微量インクを供給し、マスク部16を形成する。次に、非マスク部17の表面をエッチングで除去して微小くぼみ18を形成し、その後、マスク部16を除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、軸受部品のうち、少なくとも他部材との摩擦面に微小なくぼみまたは突起を設けて粗面化した軸受およびその製造方法に関する。
近年、転がり軸受が使用される部位は、小型化、高出力化がますます進んでおり、使用環境が高荷重・高温化する傾向にある。このため軸受にとっては今まで以上に厳しい潤滑環境へと変化しており、潤滑不良による表面起点剥離や高面圧化による疲労寿命の低下、異物環境下での剥離が発生しやすくなってきている。そこで、低粘度過酷潤滑、異物環境下、清浄油潤滑下等、いかなる潤滑条件下でも寿命向上が図れるようにする必要がある。
この目的を達成するものとして、例えば特開2006−17289号公報には、少なくとも転動体の表面に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けて粗面化した転がり軸受が提案されている(特許文献1)。この転がり軸受では、くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、かつくぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内とし、外方部材、内方部材、および転動体のうち少なくとも何れか一つの部材を、窒素富化層を有し、かつ窒素富化層におけるオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲のものとしている。
特開2006−17289号公報
上記特許文献1では、特殊なバレル研摩で上記粗面化した仕上げ面を得ることにしている。しかしながらバレル研摩では、くぼみの大きさや面積比、さらにはその形成位置等をコントロールすることが困難である。これらがコントロール可能となれば、必要箇所のみを粗面化することも可能となり、低コスト化を図ることができる。
そこで、本発明は、粗面化に際して、その表面性状を自由にコントロールできるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、軸受部品のうち、少なくとも他部材と相対移動を伴って接触する接触面に微小なくぼみを形成して粗面化するに際し、接触面のうち、くぼみを除く領域に微量インクを供給してマスク部を形成し(図3(a)参照)、次いで非マスク部の表面を除去してくぼみを形成することにした。
この方法であれば、微量インクの供給位置を制御することで非マスク部の位置や形状、すなわち、微小くぼみの位置や形状を自由にコントロールすることが可能となる。接触面に多数の微小くぼみを形成して粗面化(微小粗面化)することで、例えば高荷重条件下で油膜が形成されにくい場合にも、くぼみでの保油効果により、接触面に安定して油膜を形成することができ、潤滑性が向上する。微量インクの供給位置のコントロールは、インクジェット印刷等を利用することにより精度よくかつ容易に行うことができるので、軸受の機能や使用条件に適合した多種多様のくぼみの配列パターンを有する軸受が低コストに得られる。
このように接触面にくぼみを形成する他、接触面に微小な突起を形成することにより粗面化しても、同様の効果を得ることもできる。この突起は、接触面のうち、突起に対応する領域に微量インクを供給してマスク部を形成し(図3(b)参照)、次いで非マスク部の表面を除去することにより形成することができる。
これらの手順から得られた軸受では、接触面を、微小なくぼみまたは突起を整列して形成することにより、粗面化することができ、この点で、ランダムなくぼみしか形成できない従来方法と比べ、接触面の粗面化パターンを多様化することができる。
この場合、微小なくぼみまたは突起を、荷重負荷領域に限定して形成することもでき、これにより粗面化する領域を減じて、粗面化に要するコストを削減することも可能となる。
本発明によれば、軸受部品の接触面の微小粗面化が低コストに行え、しかも多種多様の形態で微小粗面化することが可能となる。
以下、本発明方法の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に本発明にかかる軸受の一例として、転がり軸受の一種である深溝玉軸受を示す。深溝玉軸受は、軸受部品として、外輪1と、内輪3と、外輪軌道面1aと内輪軌道面3aとの間に介在させたボール2と、ボール2を円周方向の複数箇所に等配する保持器4とを具備する。
この種の軸受では、外輪軌道面1a、内輪軌道面3a、およびボール2表面が相互に相対的な移動を伴って接触(転がり接触)する接触面となる。本発明においては、少なくとも何れか一つの接触面に、図4に示すように、マスク部16を形成する第1工程、非マスク部17の表面を除去する第2工程、マスク部16を除去する第3工程を経て、微小なくぼみ18または突起19が多数形成される。以下では、接触面として内輪軌道面3aを挙げ、この内輪軌道面3aに微小なくぼみを多数形成する場合を例示する。
図1は、第1工程を示すもので、内輪3の内輪軌道面3aに微量インクを供給してマスキングパターンをインクジェット印刷する印刷装置の概要を示すものである。内輪3は、軸受鋼等の通常の軸受材料からなり、その軌道面3aには予め仕上げ加工が施されていて所定の精度に仕上げられている。この内輪3は、両端を支持部14で回転自在に支持した治具10の外周面に嵌合されている。この印刷装置では、治具10に保持された内輪3の軌道面3aと対向させて一又は複数のノズルヘッド11が配置され、さらにノズルヘッド11に対してその円周方向位置を異ならせ、例えば直径方向の対向位置に硬化装置13が配置さている。ノズルヘッド11には、微小液滴状態の微量インク15を吐出する複数のノズル12が軸方向に配設されている。インク15は、耐エッチング性を有するもので、例えば光硬化性インク、好ましくは紫外線硬化樹脂をベース樹脂とする紫外線硬化インクが使用される。必要に応じて適当な割合で有機溶媒が配合される。硬化装置13は、樹脂組成物を硬化させるための光を照射する光源で、例えば紫外線ランプが使用される。
紫外線硬化インクのベース樹脂としては、例えばラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマー、カチオン重合系モノマーの他、イミドアクリレート、あるいは環状ポリエン化合物やポリチオール化合物に代表されるエン・チオール化合物が挙げられるが、この中でもラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマー、カチオン重合系モノマーを好ましく使用することができる。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば単官能、2官能あるいは多官能のアクリレート系モノマーや、メタクリレート系モノマーが使用でき、ラジカル重合性モノマーとしては、例えばウレタンアクリレートや、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、あるいは不飽和ポリエステルなどが使用できる。また、カチオン重合系モノマーとしては、例えばビスフェノールA系エポキシ樹脂や、フェノールノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂の他、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルへキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等のオキセタン樹脂が使用できる。これら紫外線硬化樹脂は、単体で使用する他、2種類以上を混合したものをベース樹脂として使用することもできる。
これらベース樹脂には、紫外線照射により重合反応を起こさせるためのラジカル系光重合開始剤や、カチオン系光重合開始剤等の光重合開始剤が配合される。ラジカル系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノンや、オルソベンゾイン安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4‘−メチルジフェニルサルファイド、ベンゾフェノンのアンモニウム塩、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、チオキサントンのアンモニウム塩に代表される水素引抜型の光重合系開始剤が使用でき、あるいはベンゾイン誘導体や、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アクリルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物に代表される分子内開裂型の光重合開始剤が使用できる。また、カチオン系光重合開始剤としては、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートや、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、SP−170やSP−150(共に旭電化(株)製)、FC−508やFC−512(共に3Mカンパニー社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトリックカンパニー社製)に例示されるポリアリールスルホニウム塩、Uvacure1590やUvacure1591(共にダイセル・ユーシービー社製)に例示されるトリアリルスルフォニュムヘキサフルオロフォスフェード塩の混合物、Irg−261(チバ・ガイギー社製)に例示されるメタロセン化合物、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートやP−ノニルフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4‘−ジエトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のポリアリールヨードニウム塩が使用できる。これら光重合開始剤は、1種類であるいは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
以上の例示では、インクとして紫外線硬化タイプを例示したが、熱硬化タイプのインクを使用することもできる。但し、コスト面を考慮すると紫外線硬化タイプのインクを使用するのが望ましい。
この印刷装置では、治具10は、その両端に配した支持部14で回転自在に支持される。治具10に連結したモータ17を起動させることにより、治具10、さらには治具10に保持された内輪3が定速で回転する。この状態でノズルヘッド11を軸方向に往復スライドさせながら、ノズル12からインク15を間欠的に吐出させ、インクの微小液滴15を内輪軌道面3aの所定位置に着弾させる。この微小液滴が多数集合することで、図3(a)にクロスハッチングで示すように、内輪軌道面3aの表面に、マスク部16(マスカント)が形成される。マスキングされていない非マスク部17は、軌道面3aに形成するくぼみの形状および位置に対応して整列状態で形成される。
マスク部16の印刷は、内輪3の回転に伴って徐々に円周方向に進行する形で行われ、印刷部分が硬化装置13の対向領域に達すると、紫外線の照射を受けたインク15が重合反応を起こして順次硬化する。最終的には、各ノズル12からのインクの供給・停止を適宜切換えながら内輪3を1〜数十回転させて、内輪軌道面3aの全周にわたって、マスク部16と非マスク部17とからなるマスキングパターンAを形成する。図4(a)に示すように、マスク部16は、素材表面から数μm〜数十μm程度盛り上がっており、凹状の非マスク部17との間に凹凸断面を形成している。
なお、インク12の定着方式としては、上述のインクジェット方式のみならず、例えば電気泳動を利用して液滴を吐出する方法、いわゆるノズルレスタイプの液滴吐出方式、あるいはマイクロピペットを介してインク12を液滴の状態ではなく連続的に素材2a’の表面に吐出する方式、あるいは素材表面までの距離を短縮し、インク12を吐出と同時に定着面に接触させる方式などを使用することもできる。また、インクジェット印刷機の印刷方法は、連続(コンティニュアス)式、オンデマンド式の何れでもよい。
上記第1工程でのマスキングパターンの形成後、内輪3は第2工程に移送される。
図2(b)に示すように、第2工程では、内輪軌道面3aのうち、非マスク部17の表面が例えばエッチングにより規定の深さ分だけ除去される。エッチングは、化学エッチングおよび電解エッチングの何れでもよいが、電解エッチングの場合、電解電源を必要とし、処理装置が高価かつ複雑なものとなる。これに対し、化学エッチングであればこれらの問題点を解消することができる。エッチング以外にも、マイクロブラスト、レーザー加工、放電加工、超音波加工、切削加工等で非マスク部17の表面を除去することもできる。
化学エッチングを行う場合、エッチング液として、例えば比重40〜50Be’、望ましくは46±2Be’程度の塩化第二鉄溶液を使用することができる。
最後に、内輪3を第3工程に移送し、水洗後、内輪軌道面3aのマスク部16をジクロロメタン溶液等の有機溶剤等で膨潤もしくは剥離等させて除去する。これにより、図4(c)に示すように、内輪軌道面3aに凹状のくぼみ18が整列した状態で多数形成され、これ以外のマスク部16で被覆されていた部分は凸状に形成される。これにより、内輪軌道面3aが微小に粗面化される。特に本発明においては、くぼみ18が規則正しく整列した状態で形成されるので、内輪軌道面3aの全面にわたって粗密なく均一な油膜を形成することが可能となる。
この手順で形成した粗面は、以下の二つの特性を満たすものであるのが好ましい。
(1)くぼみAbを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内
(2)くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymax(基準長毎最大高さの最大値)が0.4〜1.0の範囲内
ここでくぼみの面積率は、内輪軌道面3a全体の面積に占めるくぼみの面積の割合を意味する。
この特性を満たすことにより、極端に油膜厚さが薄い条件下でも、高い油膜形成効果を発揮することを可能とし、油膜パラメータΛ=0.13という非常に過酷な潤滑条件下でも十分な長寿命化効果を得ることができる。また、面粗さを各表面の軸方向と円周方向のそれぞれで求めてパラメータRqniで表示したとき、軸方向面粗さRqni(L)と円周方向面粗さRqni(C)の比の値Rqni(L)/Rqni(C)が1.0以下になっているのが望ましい。パラメータRqniとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方向であり、別名自乗平均平方根粗さともいう(ISO 4287:1997)。Rqniは拡大記録した断面曲線、粗さ曲線から数値計算で求められ、粗さ計の触針を幅方向および円周方向に移動させて測定する。
パラメータRymax、Rqniの測定方法、条件を例示するならば次のとおりである。なお、これらのパラメータで表される表面性状を、転がり軸受の転動体や軌道輪といった構成要素について測定する場合、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
パラメータ算出規格:JIS B 0601:1994(サーフコム JIS 1994)
カットオフ種別:ガウシアン
測定長さ:5λ
カットオフ波長:0.25mm
測定倍率:×10000
測定速度:0.30mm/s
測定箇所:軌道面中央部
測定数:2
測定装置:面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密株式会社)
内輪軌道面3aに微小凹形状のくぼみを設ける場合、内輪軌道面3a全体に占めるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内とし、くぼみの平均面積は等価円直径3μmφ以下を除いて整理したとき30〜100μmになっている。Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲外で、くぼみの面積率が20%を越え、平均面積が100μmを越えると、接触有効長さが減少し、長寿命の効果は減少する傾向にある。くぼみの定量的測定を行うには、内輪軌道面3aの表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化できる。画像の白い部分は表面平坦部、微小なくぼみは黒い部分として解析する。たとえば、(株)ピアスのLA−525画像解析システムを用いて解析すると、まず原画の濃淡を強調フィルタで明確化し、その後非常に微細な黒い部分である等価円直径3μmφ以下はノイズイレーザで除去する。ノイズイレーザで除去した後に残された微小なくぼみの大きさ、分布、微小なくぼみの面積率を求め、内輪軌道面3aを評価するのである。その場合の測定条件はたとえば次のとおりである。
観察視野:826μm×620μm
測定箇所:軌道面中央部
測定数:2
この微小粗面化処理は、内輪軌道面3aの全面に渡って施す他、エッジロードの負荷域に限定して形成することもできる。これによりインクの無駄を避けつつも確実に潤滑性能を向上させることができる。例えば、図5に示すように、軸受がアンギュラ玉軸受であった場合、接触角α上の荷重負荷方向の周辺(符号Tで示す黒塗り部分)に限定して、以上に述べた微小粗面化処理を行うことができる。
以上の説明では、内輪軌道面3aに凹形状のくぼみを形成する例であったが、同様の効果は、内輪軌道面3aに微小な突起19(図4(c))を形成することによっても得られる。図3(b)は、その一例を示し、第1工程において、突起19の平面形状に対応する形状のマスク部16を整列状態で形成した例である。その後、マスク部16を除く非マスク部17の表面をエッチング等で除去し、次いで、マスク部16を取り除くことで、マスク部16で被覆された部分で突起19を形成し、それ以外の部分を連続した凹状のくぼみを形成することができる。この場合、第1工程のマスク部16は、インク液滴15の集合体で形成する他、一滴のインク液滴で形成することもできる。
以上に述べた微小粗面化は、転がり軸受の軸受部品のうち、他部材と相対移動を伴って接触する接触面に広く適用することができ、内輪軌道面3aに限らず、外輪軌道面1aや転動体2の表面を同様の手法で微小粗面化することもできる。また、保持器4の案内形式によっては、保持器4の内周面が内輪3の外周面と接触し、あるいは保持器4の外周面が外輪1の内周面と接触する場合もあるので、必要に応じて保持器4のこれら接触面を同様の手順で微小粗面化することもできる。
また、以上の説明では、軸受形式として、深溝玉軸受(図1)やアンギュラ玉軸受(図5)を例示しているが、他の軸受形式の転がり軸受においても同様の手順で接触面を粗面化することができる。転がり軸受は転動体(玉またはころ)の転がり運動によって回転又は揺動運動する軸を支持する機械要素である。通常、転動体は内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に介在するが、図6に示すように、軸5の外周面を直接軌道面とした内輪を有しないタイプ(針状ころ軸受)も存在し、この場合、ころ2との接触面となる軸5の外周面にも上述の粗面化処理を施すことができる。図示例のように、転動体2としてころを使用する場合、軌道面のみならず、滑り接触を生じるころの端面や軌道輪の肩部(図示例では外輪肩部1b)の端面にも粗面化処理を施すことができる。
また転がり軸受に限らず、滑り軸受において他部材と接触する接触面も同様に粗面化することができる。滑り軸受は、スリーブ状の軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸とで構成される場合が多いが、この場合、接触面(滑り接触面)となる軸受部材や軸部材の外周面にも同様の粗面化処理を施すことができる。
深溝玉軸受の断面図である。 マスキングパターンの印刷装置を示す側面図である。 マスキングパターンを例示する平面図である。 粗面化処理の工程を概念的に示す断面図である。 アンギュラ玉軸受の断面図である。 針状ころ軸受の断面図である。
符号の説明
1 外輪
1a 外輪軌道面
1b 肩部
2 ボール(転動体)
3 内輪
3a 内輪軌道面
4 保持器
10 治具
11 ノズルヘッド
12 ノズル
13 硬化装置
15 インク液滴
16 マスク部
17 非マスク部
18 くぼみ
19 突起

Claims (4)

  1. 軸受部品のうち、少なくとも他部材と相対移動を伴って接触する接触面に微小なくぼみを形成して粗面化するに際し、
    接触面のうち、前記くぼみを除く領域に微量インクを供給してマスク部を形成し、次いで非マスク部の表面を除去してくぼみを形成することを特徴とする軸受の製造方法。
  2. 軸受部品のうち、少なくとも他部材と相対移動を伴って接触する接触面に微小な突起を形成して粗面化するに際し、
    接触面のうち、前記突起に対応する領域に微量インクを供給してマスク部を形成し、次いで非マスク部の表面を除去することを特徴とする軸受の製造方法。
  3. 軸受部品のうち、少なくとも他部材と相対移動を伴って接触する接触面を、微小なくぼみまたは突起を整列して形成することにより、粗面化したことを特徴とする軸受。
  4. 微小なくぼみまたは突起を、荷重負荷領域に限定して形成した請求項3記載の軸受。
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