JP2007270796A - 内燃機関のリフト可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関のリフト可変動弁装置 Download PDF

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Takafumi Mizorogi
孝文 溝呂木
Hidetaka Ozawa
英隆 小沢
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Abstract

【課題】コントロールシャフトを有するとともに該コントロールシャフトの回動に応じて機関弁のリフト量を変化させることを可能としたリフト可変機構と、コントロールシャフトを回動駆動すべく前記コントロールシャフトの一端に連結されるアクチュエータとを備える内燃機関のリフト可変動弁装置において、コントロールシャフトの回動量の検出精度を高め、動弁制御精度を高める。
【解決手段】コントロールシャフト54の回動量を検出する一対のポジションセンサ84,118が、コントロールシャフト54の軸方向両端に連結される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、コントロールシャフトを有するとともに該コントロールシャフトの回動に応じて機関弁のリフト量を変化させることを可能としたリフト可変機構と、前記コントロールシャフトを回動駆動すべく前記コントロールシャフトの一端に連結されるアクチュエータとを備える内燃機関のリフト可変動弁装置に関する。
リフト可変機構のコントロールシャフトを、該コントロールシャフトの一端に連結されるアクチュエータで駆動することにより、機関弁のリフト量を変化させるようにし、コントロールシャフトの回動量を該コントロールシャフトの一端に連結されるポジションセンサで検出するようにした内燃機関のリフト可変動弁装置が、たとえば特許文献1で既に知られている。
特開2005−240615号公報
ところで、このようなリフト可変動弁装置では、コントロールシャフトが多気筒に共通に設けられているときには、コントロールシャフトに捩れが生じることにより、コントロールシャフトの他端側での回動量検出精度が低下し、動弁制御精度の低下を招く可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コントロールシャフトの回動量の検出精度を高め、動弁制御精度を高めた内燃機関のリフト可変動弁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コントロールシャフトを有するとともに該コントロールシャフトの回動に応じて機関弁のリフト量を変化させることを可能としたリフト可変機構と、前記コントロールシャフトを回動駆動すべく前記コントロールシャフトの一端に連結されるアクチュエータとを備える内燃機関のリフト可変動弁装置において、前記コントロールシャフトの回動量を検出する一対のポジションセンサが、前記コントロールシャフトの軸方向両端に連結されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記コントロールシャフトの回動量をフィードバックしつつ前記アクチュエータの作動を制御する制御ユニットが、前記両ポジションセンサの検出値に基づいて前記コントロールシャフトの回動量を算出することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、前記制御ユニットは、前記両ポジションセンサの検出値の平均値に基づいて前記コントロールシャフトの回動量を算出することを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明の構成に加えて、前記制御ユニットは、前記両ポジションセンサの検出値に基づいてポジションセンサの故障を判断するとともに、前記両ポジションセンサの一方が故障であると判断したときには他方のポジションセンサの検出値に基づいて前記コントロールシャフトの回動量を算出することを特徴とする。
なお実施例の吸気弁38が本発明の機関弁に対応する。
請求項1記載の発明によれば、コントロールシャフトの両端にポジションセンサがそれぞれ連結されるので、コントロールシャフトに捩れが生じたとしてもコントロールシャフトの両端でのコントロールシャフトの回動量検出精度を高めることができ、動弁制御精度の向上に寄与することができる。
また請求項2記載の発明によれば、両ポジションセンサの検出値に基づいてコントロールシャフトの回動量を算出するので、コントロールシャフトの回動量を精度良く検出することができる。
請求項3記載の発明によれば、両ポジションセンサの検出値の平均値に基づいてコントロールシャフトの回動量を算出するので、簡単な演算処理でコントロールシャフトの回動量を精度良く検出することができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、両ポジションセンサの一方が故障したときでも他方の正常なポジションセンサでコントロールシャフトの回動量を検出することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両搭載状態での内燃機関の側面図、図2は図1の2矢視図、図3は吸気側動弁装置の縦断側面図、図4は吸気側動弁装置の分解斜視図、図5はアクチュエータの側面図、図6はアクチュエータの上部を切欠いて示す縦断側面図、図7は図6の7−7線断面図、図8はアクチュエータの作動を制御するための制御系のブロック図、図9はデフォルト機構の構成を説明するための模式図である。
先ず図1および図2において、車両の前部には、クランクシャフト21の軸線Cを車両の幅方向に沿わせた複数気筒たとえば4気筒の機関本体22が搭載されており、各気筒は、前記軸線Cと平行な気筒配列方向23に並んで機関本体22に設けられる。
前記機関本体22は、前記クランクシャフト21を回転自在に支承するクランクケース24と、該クランクケース24に結合されるシリンダブロック25と、シリンダブロック25に結合されるシリンダヘッド26と、シリンダヘッド26に結合されるヘッドカバー27とを備えるものであり、車両の進行方向前方を向いた状態でクランクケース24の左端には変速機を収納するミッションケース32が、前記機関本体22の左側方かつ該ミッションケース32の上方に空きスペースを形成するようにして結合される。
前記シリンダヘッド26の前方側に臨む一側壁26a(図1参照)には、各気筒毎の吸気ポート33…が設けられており、それらの吸気ポート33…に吸気系34が接続される。また前記シリンダヘッド26の後方側に臨む他側壁26b(図1参照)には各気筒毎の排気ポート35…が設けられており、それらの排気ポート35…には、遮熱カバー36で上方から覆われる排気マニホールド37が接続される。
吸気系34は、エアクリーナ108と、各気筒に共通にしてシリンダヘッド26の前方に配置される吸気チャンバ109と、エアクリーナ108および吸気チャンバ109間を連結するホース等の管路部材110と、吸気チャンバ109から各気筒毎に分かれてシリンダヘッド26に接続される複数の吸気管111,111…とを備える。吸気チャンバ109には一対の支持脚112,112が下方に延びるようにして設けられており、それらの支持脚112…は、クランクケース28に取付けられるブラケット113に弾性部材114…を介して支持される。
図3および図4において、シリンダヘッド26には、各吸気ポート33…毎に一対の機関弁である吸気弁38…が開閉作動作動可能に配設されており、各吸気弁38…を開閉駆動する吸気側動弁装置39は、吸気側動弁カム40を各気筒毎に有する吸気側カムシャフト41と、吸気側動弁カム40に従動して揺動するとともに各気筒毎に一対の吸気弁38…に共通に連動、連結される吸気側ロッカアーム42と、吸気弁38…の作動特性のうち開弁リフト量を連続的に変化させるリフト可変機構43とを備える。
シリンダヘッド26には、各気筒の両側に配置されるようにして上部ホルダ44…が締結されており、各上部ホルダ44…と協働して吸気側カムシャフト41を回転自在に支承するキャップ45…が上部ホルダ44…の上面に締結される。
吸気側ロッカアーム42の一端部には、一対の吸気弁38…におけるステム38a…の上端に上方から当接するタペットねじ46…が進退位置を調節可能として螺合される弁連結部42aが設けられる。また吸気側ロッカアーム42の他端部には、第1支持部42bと、第1支持部42bの下方に配置される第2支持部42cとが相互に連なって設けられ、第1および第2支持部42b,42cは、吸気弁38…とは反対側に開いた略U字状に形成される。
吸気側ロッカアーム42の第1支持部42bには、吸気側カムシャフト41の吸気側動弁カム40に転がり接触するローラ47が第1連結軸48およびニードルベアリング49を介して軸支されるものであり、ローラ47は略U字状である第1支持部42bに挟まれるように配置される。
リフト可変機構43は、前記吸気側ロッカアーム42の第1支持部42bに一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が固定支軸50で回動可能に支承される第1リンクアーム51と、前記吸気側ロッカアーム42の第2支持部42cに一端部が回動可能に連結されるとともに他端部が可動支軸53で回動可能に支承される第2リンクアーム52と、前記可動支軸53をその軸線と平行な軸線まわりに角変位させることを可能として可動支軸53に連結されるコントロールシャフト54とを備える。
第1リンクアーム51の一端部は、吸気側ロッカアーム42の第1支持部42bを両側から挟むように略U字状に形成されており、ローラ47を吸気側ロッカアーム42に軸支する第1連結軸48を介して第1支持部42bに回動可能に連結される。また第1リンクアーム51の他端部を回動可能に支承する固定支軸50は、前記上部ホルダ44で支持される。
第1リンクアーム51の下方に配置される第2リンクアーム52の一端部は、吸気側ロッカアーム42の第2支持部42cに挟まれるように配置され、第2連結軸55を介して第2支持部42cに回動可能に連結される。
ところで、両吸気弁38…は図示しない弁ばねによって閉弁方向にばね付勢されるものであり、閉弁方向にばね付勢されている両吸気弁38…を吸気側ロッカアーム42で開弁方向に駆動しているときに吸気側ロッカアーム42のローラ47は、弁ばねのばね付勢力によって吸気側動弁カム40に接触しているのであるが、吸気弁38…の閉弁状態では、前記弁ばねのばね付勢力は吸気側ロッカアーム42に作用することはなく、ローラ47が吸気側動弁カム40から離れてしまい、吸気弁38…の微小開弁時における弁リフト量の制御精度が低下してしまう可能性がある。そこで、弁ばねとは別のロッカアーム付勢ばね56により、前記ローラ47を吸気側動弁カム40に当接させる方向に吸気側ロッカアーム42が付勢される。
コントロールシャフト54は、一列に並ぶ複数気筒に共通な単一のものであり、吸気側ロッカアーム42の両側に配置されるウエブ54a…と、両ウエブ54a…の基端部外面に直角に連なる軸部54b…と、両ウエブ54a…間を結ぶ連結部54c…とを各気筒毎に有して一体のクランク形状に構成され、前記固定支軸50および前記軸部54b…と平行な軸線を有する可動支軸53は、両ウエブ54a…間を結ぶようにしてコントロールシャフト54に連結される。しかも前記軸部54b…は、前記上部ホルダ44…と、各上部ホルダ44…の下面に締結される下部ホルダ57…により回動可能に支承される。
ところで吸気弁38…が閉弁状態にあるときに第2リンクアーム52を吸気側ロッカアーム42に連結する第2連結軸55は、コントロールシャフト54の軸部54b…と同軸上にあり、コントロールシャフト54が軸部54b…の軸線まわりに揺動すると、可動支軸53は軸部54b…の軸線を中心とする円弧上を移動することになる。
可動支軸53が下降する方向にコントロールシャフト54が回動し、吸気側カムシャフト41の吸気側動弁カム40でローラ47が押圧されると、固定支軸50、第1連結軸48、第2連結軸55および可動支軸53を結ぶ四節リンクが変形して吸気側ロッカアーム42が下方に揺動し、タペットねじ46…が吸気弁38…のステム38a…を押圧し、吸気弁38…を低リフトで開弁する。
また可動支軸53が上昇する方向にコントロールシャフト54が回動し、吸気側カムシャフト41の吸気側動弁カム40でローラ47が押圧されると、前記四節リンクが変形して吸気側ロッカアーム42が下方に揺動し、タペットねじ46…が吸気弁38…のステム38a…を押圧し、吸気弁38…が高リフトで開弁する。
気筒配列方向23に沿うコントロールシャフト54の一端部、すなわちコントロールシャフト54が備える複数の軸部54b…のうち前記気筒配列方向23に沿う一端側の軸部は連結軸部54dとして比較的長く形成されており、該連結軸部54dはシリンダヘッド26の左側方に突出するものであり、前記連結軸部54dが、シリンダヘッド26の左側端壁外面に取付けられるアクチュエータ60のケーシング67内に突入される。
図5〜図7において、アクチュエータ60は、駆動源である電動モータ62と、電動モータ62およびコントロールシャフト54の連結軸部54d間に設けられる動力伝達手段63と、電動モータ62の非通電時に前記連結軸部54dすなわちコントロールシャフト54を所定の回動位置に維持するためのデフォルト機構64とが、無給油のオイルレス構造に構成されてケーシング61に収容されて成るものである。
動力伝達手段63は、デフォルト機構64によるデフォルト位置を零点位置とした正逆回転可能な電動モータ62の作動に応じて吸気弁38…のリフト量を変化させるべくコントロールシャフト54を回動駆動するように構成されてコントロールシャフト54の連結軸部54dに連結されるものであり、前記連結軸部54dに固定されるウォームホイル65と、該ウォームホイル65に噛合するウォームギヤ66と、ウォームギヤ66および電動モータ62間に設けられる減速機構67とを備える。
ケーシング61の下部には、機関本体22の車両搭載時には前後方向に延びるようにして横断面円形のモータ収容孔68が設けられており、該モータ収容孔68に電動モータ62が嵌合、固定される。また機関本体22の車両搭載時には後方側側壁となるケーシング61の一側壁には、減速機構67を収容する減速機構収容凹部70が設けられており、減速機構収容凹部70に収容された減速機構67を覆う第1カバー69が複数のボルト86…でケーシング61に締結される。
而して前記減速機構67は、電動モータ62のモータハウジング116から突出して前記減速機構収容凹部70内に突入するモータ軸71に設けられる駆動ギヤ72と、該駆動ギヤ72に噛合する被動ギヤ73とから成る。
前記ウォームギヤ66は、前記モータ収容孔68の上方で該モータ収容孔68と平行に設けられるウォームギヤ収容孔74に収容されるものであり、一端部がボールベアリング75を介してケーシング61に回転自在に支承されるとともに他端部がニードルベアリング76を介してケーシング61に回転自在に支承されるようにしてウォームホイル65の下方に配置されるウォームギヤ軸77の外周に設けられる。而してウォームギヤ軸77の一端は減速機構収容室70に突入されており、前記被動ギヤ73がウォームギヤ軸77の一端部に固定される。
ケーシング61の上部には、ウォームギヤ収容孔74の中間部に通じるウォームホイル収容室78が形成されており、前記ウォームギヤ66に噛合するウォームホイル65が前記ウォームホイル収容室78内に収容される。而してウォームホイル収容室78には、コントロールシャフト54の連結軸部54dが突入されており、ウォームホイル65は、前記連結軸部54dの端部に同軸に設けられるねじ孔79(図4および図7参照)に螺合されるボルト80で連結軸部54dに締めつけ固定される。
またシリンダヘッド26とは反対側で前記ウォームホイル収容部61aには開口部80が設けられており、この開口部80を塞ぐ蓋部材82が3以上の複数たとえば4つののねじ部材83…でケーシング61に締結される。しかも蓋部材82には、ウォームホイル65に対向するポジションセンサ84が複数のねじ部材85…で取付けられており、ウォームホイル65には前記ポジションセンサ84を係合させる一対の検出孔86,86が設けられる。
上記ポジションセンサ84は、ウォームホイル65を介してコントロールシャフト54の一端部に連結されるのであるが、図7で明示するように、コントロールシャフト54の他端には他のポジションセンサ118が連結される。すなわちコントロールシャフト54の他端部に固定された係止部材119に係合するようにしてポジションセンサ118が、シリンダヘッド26の右側壁に取付けられるものであり、コントロールシャフト54の両端にポジションセンサ84,118が連結されることになる。
図8において、前記アクチュエータ60における電動モータ62の駆動するモータ駆動回路121の作動すなわちアクチュエータ60の作動は、コントロールシャフト54の回動量をフィードバックしつつ制御ユニット120で制御されるのであるが、該制御ユニット120は、前記両ポジションセンサ84,118の検出値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出するものであり、特に、両ポジションセンサ84,118の検出値の平均値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出する。
しかも前記制御ユニット120は、前記両ポジションセンサ84,118の検出値に基づいて、たとえば検出値が設定値から大きくずれる等の判断により、ポジションセンサ84,118の故障を判断することを可能とするものであり、両ポジションセンサ84,118の一方が故障であると判断したときに、前記制御ユニット120は他方のポジションセンサの検出値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出する。
ウォームホイル収容室78に関して減速機構収容凹部70とは反対側でケーシング61の他側壁にはデフォルト機構収容凹部89が設けられ、このデフォルト機構収容凹部89に収容されるデフォルト機構64の主要部を覆う第2カバー88が、複数のボルト87…でケーシング61に締結される。
デフォルト機構64は、電動モータ62に連動、連結される大径ギヤ92と、大径ギヤ92とともに同一軸線まわりに回動し得るスプリングホルダ93と、大径ギヤ92をスプリングホルダ93に当接、係合させる方向に付勢する第1デフォルトスプリング94(図4参照)と、大径ギヤ92およびスプリングホルダ93の当接、係合状態で第1デフォルトスプリング94とは逆方向にスプリングホルダ93を付勢する第2デフォルトスプリング95とを備える。
大径ギヤ92は、ウォームギヤ軸77と平行な軸線を有して両端がケーシング61および第2カバー88で支持されるデフォルト軸96によって回転自在に支承されており、ウォームギヤ軸77の他端に設けられる小径ギヤ97に噛合される。すなわち大径ギヤ92は、小径ギヤ97、ウォームギヤ軸77および減速機構67を介して電動モータ62に連動、連結されており、最大リフト量から最小リフト量たとえば全閉まで前記吸気弁38…のリフト量を変化させる作動範囲内で電動モータ62が回転するのに応じて大径ギヤ92は1回転未満の回動範囲で回動する。すなわち大径ギヤ92は、吸気弁38…のリフト量変化範囲内での電動モータ62の回転に応じて1回転未満の回動範囲で回動するようにして電動モータ62に連動、連結される。
スプリングホルダ95は、大径ギヤ92との相対回転を可能として前記デフォルト軸96に支承される。大径ギヤ92およびスプリングホルダ95の対向面には、前記吸気弁38…のリフト量を所定リフト量および最小リフト量間で変化させる間の大径ギヤ92の回動に応じて相互に当接、係合する係合突部98,99がそれぞれ突設されており、大径ギヤ92が前記吸気弁38…のリフト量を所定リフト量および最小リフト量間で変化させるように回動したときに、スプリングホルダ95は大径ギヤ92とともに同一軸線まわりに回動することになる。しかもスプリングホルダ95に突設された規制突部100は、前記吸気弁38…のリフト量を最小リフト量から所定リフト量まで変化させる際のスプリングホルダ95の回動に応じて第2カバー88に設けられたストッパ101(図9参照)に当接してスプリングホルダ95の回動を規制するものであり、スプリングホルダ95の回動範囲は前記所定リフト量および前記最小リフト量間に規制されることになる。
第2デフォルトスプリング95は、スプリングホルダ93に巻装されるねじりコイルばねであり、その一端はスプリングホルダ93に係合され、他端はケーシング61に係合される。而して第2デフォルトスプリング95は、スプリングホルダ93を前記最小リフト量側から所定リフト量側に付勢するばね力を発揮するものであり、そのばね荷重は第1デフォルトスプリング94よりも大きく設定される。なお第2デフォルトスプリング95を、ねじりコイルばねに代えてゼンマイばねとすることも可能である。
図4に注目して、シリンダヘッド26内でコントロールシャフト54の連結軸部54dには、該連結軸部54dを囲繞する筒状のスプリングホルダ101が固着されており、ねじりコイルばねである第1デフォルトスプリング94がスプリングホルダ102に巻装される。しかも第1デフォルトスプリング94の一端はシリンダヘッド26に係合され、第1デフォルトスプリング94の他端は前記スプリングホルダ102に係合される。
すなわち第1デフォルトスプリング94は、大径ギヤ92をスプリングホルダ93に当接、係合させる方向に付勢する機能だけでなく、ウォームホイル65およびウォームギヤ66間のバックラッシを吸収する機能を兼ねて、コントロールシャフト54の連結軸部54dおよびシリンダヘッド26間に介設されることになる。
このようにして、デフォルト機構64を構成する大径ギヤ92、スプリングホルダ93、第1デフォルトスプリング94および第2デフォルトスプリング95のうち、第1デフォルトスプリング94を除く主要部すなわち大径ギヤ92、スプリングホルダ93および第2デフォルトスプリング95はアクチュエータ60のデフォルト機構収容凹部89に収容され、第1デフォルトスプリング94だけがシリンダヘッド26内に配設されることになる。
このようなデフォルト機構64の構成を模式化して示す図9を参照して、デフォルト機構64の作用について説明すると、大径ギヤ92は第1デフォルトスプリング94で最大リフト位置から最小リフト位置側に向けてばね付勢され、最小リフト位置から吸気弁38…の所定リフト量であるデフォルト位置までの範囲に回動範囲が規制されたスプリングホルダ93は第1デフォルトスプリング94よりもばね荷重の大きな第2デフォルトスプリング95で最小リフト位置からデフォルト位置側に向けてばね付勢されている。したがって電動モータ62の非通電状態では、大径ギヤ92は係合突部98をスプリングホルダ93の係合突部93に当接、係合させる位置まで第1デフォルトスプリング94で回動付勢され、スプリングホルダ93は、第2デフォルトスプリング95によってデフォルト位置まで回動されることになり、コントロールシャフト54に小径ギヤ94、ウォームギヤ軸77、ウォームギヤ66およびウォームホイル65を介して連動、連結されている大径ギヤ98もデフォルト位置となり、吸気弁38…のリフト量が所定量に維持されることになる。
ところでアクチュエータ60の一部を構成するとともに対をなして相互に噛合するギヤ、すなわちウォームホイル65およびウォームギヤ66、駆動ギヤ72および被動ギヤ73、ならびに大径ギヤ92および小径ギヤ97の少なくとも一方は、合成樹脂から成るものであり、この実施例では、ウォームホイル65、被動ギヤ73および大径ギヤ92が、たとえばナイロンやPEEK(商標名;ビクトレックス社)等の合成樹脂から成るものである。
図7で明示するように、ケーシング61には、前記ウォームホイル収容室78に通じる円筒状の筒部61aが設けられており、シリンダヘッド26の左端壁には、コントロールシャフト54の連結軸部54dを同軸に囲繞する円筒状の筒部26cが前記筒部61aに嵌合可能として設けられ、筒部26cの外周には筒部61aの内周に弾発的に接触するOリング103が装着される。すなわちケーシング61およびシリンダヘッド26は、コントロールシャフト54が備える連結軸部54dの軸線に沿う方向で相互に嵌合される。
アクチュエータ60のケーシング61は、複数の締結部材であるボルト104…(図1参照)でシリンダヘッド26に取付けられるものであり、それらのボルト104…を挿通せしめる4つの挿通孔105…が、モータ収容孔68に嵌合、固定される電動モータ62の周囲の4箇所でケーシング61に設けられるとともに、デフォルト機構収容凹部89の上方でケーシング61に設けられる。
すなわち前記電動モータ62の周囲の4箇所でケーシング61がシリンダヘッド26に締結されるとともに、ケーシング61の上部の1箇所がシリンダヘッド26に締結されることになる。
次にこの実施例の作用について説明すると、吸気弁38…のリフト量を可変とするためのリフト可変機構43のコントロールシャフト54は、電動モータ62を有してシリンダヘッド26の外面に取付けられるアクチュエータ60で回動駆動され、電動モータ62の非通電時には、第1および第2デフォルトスプリング94,95を含むデフォルト機構64により吸気弁38…のリフト量を所定リフト量とする位置までコントロールシャフト54が回動付勢されるのであるが、前記デフォルト機構64のうち両デフォルトスプリング94,95の少なくとも一方を含む主要部、この実施例では第2デフォルトスプリング95を含む主要部がアクチュエータ60のケーシング61内に配設されるので、シリンダヘッド26内にデフォルト機構64を配設することでシリンダヘッド26が大型化することを回避することができる。
しかもデフォルト機構64が、前記吸気弁38…のリフト量変化範囲内での前記電動モータ62の回転に応じて1回転未満の回動範囲で回動するようにして前記電動モータ62に連動、連結される大径ギヤ92と、前記吸気弁38…のリフト量を前記所定リフト量および最小リフト量間で変化させる際に大径ギヤ92に当接、係合して同一軸線まわりに回動するとともに回動範囲が前記所定リフト量および前記最小リフト量間に規制されるスプリングホルダ93と、大径ギヤ92をスプリングホルダ93に当接、係合させる方向に付勢する第1デフォルトスプリング94と、スプリングホルダ93を前記最小リフト量側から所定リフト量側に付勢して第1デフォルトスプリング94よりもばね荷重が大きく設定される第2デフォルトスプリング95とを備え、少なくとも大径ギヤ92、スプリングホルダ93および第2デフォルトスプリング95がアクチュエータ60のケーシング61内に配設されるので、スロットルバルブ等で採用される既存のデフォルト機構を採用して電動モータ62の非通電時に吸気弁38…のリフト量を所定リフト量に確実に維持することができ、しかも第2デフォルトスプリング95をケーシング62内に配設するようにしたことで、アクチュエータ60内での減速比および減速効率等を考慮することによる第2デフォルトスプリング95のばね荷重増大分を小さく抑え、第2デフォルトスプリング95の大型化を回避し、ケーシング61の大型化も回避することができる。
またコントロールシャフト54の連結軸部54dに固定されるウォームホイル65に、大径ギヤ92が連動、連結されるとともに減速機構67を介して電動モータ62に連結されるウォームギヤ66が噛合されているので、電動モータ62の作動によってコントロールシャフト54を回動駆動する際のウォームギヤ66からウォームホイル65への動力伝達経路と同一方向の伝達経路でコントロールシャフト54に第2デフォルトスプリング95からの荷重を伝達するようにして、デフォルト時にコントロールシャフト54の確実な回動を保証することができる。
さらに第1デフォルトスプリング94が、ウォームホイル65およびウォームギヤ66間のバックラッシを吸収する機能を兼ねてコントロールシャフト54およびシリンダヘッド26間に介設されるものであるので、ウォームギヤ66およびウォームホイル65間のバックラッシを吸収するための専用のスプリングを不要として、部品点数を低減することができる。
しかもアクチュエータ60が、無給油のオイルレス構造に構成されるものであるので、環境温度が変化してもフリクションの変化が生じることがないようにして、コントロールシャフト54を常時安定的に回動駆動することができる。またオイルシールが不要となることで、電動モータ62の駆動効率が向上し、フェールセーフ時のデフォルト動作も円滑となる。
またアクチュエータ60の一部を構成するとともに相互に対をなして噛合されるギヤの少なくとも一方、この実施例では、対をなして相互に噛合するウォームホイル65およびウォームギヤ66、駆動ギヤ72および被動ギヤ73、ならびに大径ギヤ92および小径ギヤ97のうち一方のウォームホイル65、被動ギヤ73および大径ギヤ92が合成樹脂から成るものであるので、オイルレス化を可能としつつ、耐久性および静粛性を確保することができる。
さらにリフト可変機構43におけるコントロールシャフト54の回動量を検出する一対のポジションセンサ84,118が、コントロールシャフト54の軸方向両端に連結されているので、コントロールシャフト54に捩れが生じたとしてもコントロールシャフト54の両端でのコントロールシャフト54の回動量検出精度を高めることができ、動弁制御精度の向上に寄与することができる。
またコントロールシャフト54の回動量をフィードバックしつつアクチュエータ60の作動を制御する制御ユニット120が、両ポジションセンサ84,118の検出値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出するので、コントロールシャフト54の回動量を精度良く検出することができ、特に、制御ユニット120は、両ポジションセンサ84,118の検出値の平均値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出するので、簡単な演算処理でコントロールシャフト54の回動量を精度良く検出することができる。
しかも制御ユニット120は、両ポジションセンサ84,118の検出値に基づいてポジションセンサ84,118の故障を判断することを可能とするとともに、両ポジションセンサ84,118の一方が故障であると判断したときには他方のポジションセンサの検出値に基づいてコントロールシャフト54の回動量を算出するものであるので、両ポジションセンサ84,118の一方が故障したときでも他方の正常なポジションセンサでコントロールシャフト54の回動量を検出することが可能となる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
第1実施例の車両搭載状態での内燃機関の側面図である。 図1の2矢視図である。 吸気側動弁装置の縦断側面図である。 吸気側動弁装置の分解斜視図である。 アクチュエータの側面図である。 アクチュエータの上部を切欠いて示す縦断側面図である。 図6の7−7線断面図である。 アクチュエータの作動を制御するための制御系のブロック図である。 デフォルト機構の構成を説明するための模式図である。
符号の説明
54・・・コントロールシャフト
38・・・機関弁である吸気弁
43・・・リフト可変機構
60・・・アクチュエータ
84,118・・・ポジションセンサ
120・・・制御ユニット

Claims (4)

  1. コントロールシャフト(54)を有するとともに該コントロールシャフト(54)の回動に応じて機関弁(38)のリフト量を変化させることを可能としたリフト可変機構(43)と、前記コントロールシャフト(54)を回動駆動すべく前記コントロールシャフト(54)の一端に連結されるアクチュエータ(60)とを備える内燃機関のリフト可変動弁装置において、前記コントロールシャフト(54)の回動量を検出する一対のポジションセンサ(84,118)が、前記コントロールシャフト(54)の軸方向両端に連結されることを特徴とする内燃機関のリフト可変動弁装置。
  2. 前記コントロールシャフト(54)の回動量をフィードバックしつつ前記アクチュエータ(60)の作動を制御する制御ユニット(120)が、前記両ポジションセンサ(84,118)の検出値に基づいて前記コントロールシャフト(54)の回動量を算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のリフト可変動弁装置。
  3. 前記制御ユニット(120)は、前記両ポジションセンサ(84,118)の検出値の平均値に基づいて前記コントロールシャフト(54)の回動量を算出することを特徴とする請求項2記載の内燃機関のリフト可変動弁装置。
  4. 前記制御ユニット(120)は、前記両ポジションセンサ(84,118)の検出値に基づいてポジションセンサ(84,118)の故障を判断するとともに、前記両ポジションセンサ(84,118)の一方が故障であると判断したときには他方のポジションセンサの検出値に基づいて前記コントロールシャフト(54)の回動量を算出することを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関のリフト可変動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103291403A (zh) * 2012-02-23 2013-09-11 日立汽车系统株式会社 可变气门装置和其控制轴与促动器的连结结构

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