JP2007269670A - 水中油型保湿化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質保湿成分が存在していても、保存安定性が良好で、使用感もなめらかで、べたつき感の少ない水中油型保湿化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(D);
(A)アルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン
(B)油性成分
(C)保湿成分
(D)水
を配合する水中油型保湿化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、油性成分、保湿成分、及び水を配合する水中油型保湿化粧料に関するものである。より詳細には、電解質である保湿成分が配合されていても、ゲル化等を生じることなく保存安定性が良好で、使用感もなめらかで、べたつき感の少ない水中油型保湿化粧料に関する。
保湿化粧料とは、皮膚の水分保持機能を発揮させて皮膚に潤いを与える為に用いられる化粧料であり、特に冬場の乾燥時等に多く使用されてきた化粧料である。皮膚の水分保持機能が欠如すると、肌荒れを起しやすい状態となるので、この機能は皮膚の恒常性を維持する為にも重要な機能であった。
従来から、保湿化粧料には、グリコールやグリセリンといった水和力の高い成分を用いて保湿効果を得る化粧料と、アミノ酸やピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF(天然保湿因子)成分を用いて水分保持機能自身を高めて保湿効果を得る化粧料があった。グリコールやグリセリン等の成分を用いた場合には、保湿効果を高める為に多量に配合するとべたつきを生じる事となり、NMF成分は微量で保湿効果を得る事ができるが、化粧料としてのなめらかさや柔軟性を得る目的で油剤を配合した乳化化粧料の場合には、乳化界面に電気的作用等を与えエマルション同士の凝集といった現象を生じる事があった。そこで、それらを改善する為に様々な検討がなされていた。
例えば、相乗的に保湿効果を得る技術としてモヅク抽出物とアミノ酸等の組合せである化粧料の技術(特許文献1参照)や、3価以上の多価アルコ−ルとレシチンと3−メチル−1,3−ブチレングリコ−ルの組合せで保湿効果と安定性に優れる化粧料の技術(特許文献2参照)、ポリアスパラギン酸塩を保湿剤として配合する技術(特許文献3参照)があった。また、電解質存在下でも良好な安定性を得られる技術としては、尿酸と特定の両性界面活性剤とアミン系アルカリ剤の組み合わせである水性組成物(特許文献4参照)や、シリコ−ンコポリオ−ルスルホスクシネ−トと両性界面活性剤と医薬との組み合わせである化粧料(特許文献5参照)が提案されていた。
特開2004−2217号公報 特開平8−259433号公報 特開平6−157237号公報 特開平11−012153号公報 特開平6−9368号公報
しかしながら、特許文献1、2の技術では、使用時にべたつき感を感じる傾向があり、特許文献3、4の技術では、油性成分の少ない水性化粧料の場合に効果を発揮するものであり、しっとり感に欠けることがあった。特許文献5の技術は、身体擦り込み用化粧料の技術であり、本願発明の保存安定性及びエモリエント感に関する記載はなかった。
このため、使用感もなめらかで、べたつき感が少なく、NMF成分のような電解質成分が存在していても、保存安定性が良好で、水中油型保湿化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情を鑑み、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、保湿成分を配合させた水中油型保湿化粧料において、アルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、油性成分、保湿成分、及び水を配合する化粧料が、保存安定性が良好で、なめらかでありながらべたつき感の少ない化粧料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 次の成分(A)〜(D);
(A)アルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン
(B)油性成分
(C)保湿成分
(D)水
を配合する水中油型保湿化粧料である。
また、成分(E)として、成分(A)以外の界面活性剤を配合する水中油型保湿化粧料の関する。
本発明の水中油型保湿化粧料は、保存安定性が良好で、使用感もなめらかで、べたつき感の少ない化粧料を提供する。
本発明に用いられる成分(A)のアルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタインは、下記一般式(1)で示される中和塩等が挙げられ、一般的には頭髪用コンディショニング剤として使用されるが、本発明では乳化剤として使用されるものである。具体的には、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ウンデシレル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ベヘニル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン等を挙げられる。このような成分(A)は、市販品として、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタインのナトリウム塩であるリカビオンA−700(新日本理化株式会社製)等を例示することができる。これらのアルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタインは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。アルキル基の炭素数が16未満であると、保存安定性に劣り、22より大きい場合は、なめらかな使用感を得ることができない。
[m=16〜22、M:アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はアンモニウム]
本発明に用いられる成分(A)のアルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタインの配合量は、特に限定されるものではないが、0.01〜1質量%(以下質量%は「%」と略す)が好ましい。0.01%未満であると良好な保存安定性を得られない場合があり、1%をこえるとなめらかな使用感を得られない場合がある。
本発明に用いられる成分(B)の油性成分は、皮膚を保護して保湿効果を高め、なめらかな使用感を得る目的で用いられるものであり、通常の化粧料に使用されるものであればいずれのものでもよく、性状も固形、ペースト、液状のいずれのものも使用することができる。具体的には、液状の油剤としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、例えばペースト油としては、カカオ脂、シアバター、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、例えば固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリベヘン酸グリセリル、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられる。
中でも、なめらかな使用感を得られやすいという観点から、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油等の植物由来の液状油を好ましいものとすることができる。これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
本発明の水中油型保湿化粧料における、成分(B)の油性成分の配合量は、特に限定されるものではないが、1〜50%であれば良好な使用感を得られやすいものである。
本発明の水中油型保湿化粧料における、成分(C)の保湿成分は、保湿効果を与える目的で配合されるものであり、タンパク質またはその誘導体もしくは加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びその誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等)、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、温泉水、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを配合するカンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クインスシード(マルメロ)抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、ゴマ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、ハッカ(ペパーミント、ミドリハッカ、スペアミント等)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出液、トウチュウカソウ抽出物、トウモロコシ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハトムギ(ヨクイニン)抽出物、ハマメリス(ウイッチヘーゼル)抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン(スモモ)抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、茶(烏龍茶、緑茶、紅茶等)抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダラワ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、オオキリンサイ、キリンサイ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)等が挙げられる。
中でも本発明の水中油型保湿化粧料においては、微量でも保湿効果を得られ、電解質成分である、タンパク質またはその誘導体もしくは加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びその誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、尿素等が効果を発揮し好ましいものとして挙げることができる。これらの保湿成分は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
本発明の水中油型保湿化粧料における、成分(C)の保湿成分の配合量は、特に限定されるものではないが、0.001〜10%であれば、保湿効果が得られ好ましい。
本発明の水中油型保湿化粧料においては、成分(E)の成分(A)以外の界面活性剤を、乳化剤として用いても良く、より優れた保存安定性を得ることを目的として配合されるものである。一般に化粧品に用いられるものであれば、いずれのものも使用することができ、具体的には、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。更に、カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。更にまた、両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプの硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型、及びリン脂質等を挙げることができる。中でも、乳化力が高く保存安定性に優れるアニオン性界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
本発明に用いられる成分(E)の界面活性剤は、特に限定されるものではないが、化粧料中0.1〜10%が好ましい。この範囲であれば、成分(C)である油性成分を良好に乳化し、優れた保存安定性を得ることが可能である。
本発明の水中油型保湿化粧料には、上記成分の他に通常化粧料に用いられる各種成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば、アルコール類、電解質でない保湿剤、増粘剤、防腐剤、粉体、顔料、色素、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料、薬効成分等を挙げられる。
本発明の水中油型保湿化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、成分(D)に、成分(A)〜(C)を、ディスパ−等の機器を用いて分散する事により得られる。
本発明の水中油型保湿化粧料おいては、特に乳液、クリ−ム等の粘性、25℃における粘度が10000〜100000mPas程度の水中油乳化型化粧料において、エマルション同士の凝集・合一を防止して、保存安定性を得られるものであり好ましい。
本発明の水中油型保湿化粧料は、一般の皮膚外用剤全般を包含するものであり、その剤型も特に限定されず、目的に応じて選択することができる。例えば、化粧水、美容液、乳液、クリ−ム、パック、クレンジング料、メーキャップ化粧料等の剤型が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
実施例1〜10及び比較例1〜8 水中油型保湿乳液
下記表1、2、3に示す組成の水中油型保湿乳液を調製し、(1)使用感(なめらかさ、べたつきのなさ、保湿効果)(2)保存安定性の評価項目について下記の方法により評価し、結果を併せて表1、2、3に示した。
(製造方法)
A:1〜9を混合溶解する。(70℃)
B:10を加熱する。(70℃)
C:BにAを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dに11〜16を添加し、保湿乳液を得た。
[評価項目1:使用感(なめらかさ、べたつきのなさ、保湿効果)]
化粧歴10年以上の女性20名をパネルとし、前記実施例及び比較例の水中油型保湿乳液を使用してもらい、めらかさ、べたつきのなさ、保湿効果の各評価項目について以下の5段階絶対評価基準Aに基づいて評点を付し、全パネルの評点の平均値を求め、以下の4段階判定基準aにより判定した。
(5段階絶対評価基準A)
(評点):(評価結果)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
(4段階判定基準a)
(判定):(評点の平均値)
◎:平均点4.5点以上
○:平均点3.5点以上4.5点未満
△:平均点2.5点以上3.5点未満
×:平均点2.5点未満
[評価項目2:保存安定性]
前記実施例及び比較例の水中油型保湿乳液を40℃で1ヶ月間保存し、保存品の状態をを目視により観察し、以下の4段階判定基準bに従い判定した。
(4段階判定基準b)
(判定):(保存の状態)
◎:2ヶ月で分離、クリーミングもゲル化も認められない
○:1ヶ月で分離、クリーミングもゲル化も認められない
△:1ヶ月で分離、クリーミングもしくはゲル化が認められる
×:1週間で分離、クリーミングもしくはゲル化が認められる
表1に示した実施例1〜10の結果より、本発明の水中油型保湿化粧料は、保存安定性が良好で、なめらかでありながらべたつき感の少なく、保湿効果の高い保湿乳液であった。
一方、比較品1は、アルキル基の長さが短いため親水性が高すぎて乳化安定性に優れず、比較品2〜5は、ステアリルベタインの変わりに、アミドプロピルベタイン、ステアリン酸ナトリウム石鹸、リン脂質、ノニオン界面活性剤を用いたが、電解質耐性がないため、凝集が起こり乳化安定性に優れなかった。さらに、比較品6では油の配合がないためステアリルベタインが結晶となって析出し化粧料として安定なものを作ることができなかった。
実施例11 保湿美容液
(成分) (%)
(1)N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.05
(2)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
(3)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.5
(4)ステアリン酸ナトリウム 0.1
(5)ジプロピレングリコール 12.0
(6)1,3−ブチレングリコール 3.0
(7)精製水 残量
(8)L−セリン 3.0
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)エタノール 10.0
(12)ペクチン(5%水溶液) *1 20.0
*1:ゲニュペクチン LM−104(CP Kelco社製)
(製法)
A:1〜6を混合溶解する。(70℃)
B:7を加熱する。(70℃)
C:BにAを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dをホモジナイザ−で分散する。
F:Eに8〜12を添加し、保湿美容液を得た。
実施例12の保湿美容液は、保存安定性が良好で、なめらかでありながらべたつき感の少なく、保湿効果の高い保湿美容液であった。
実施例13 保湿クリ−ム
(成分) (%)
(1)N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン 1.0
(2)水素添加大豆リン脂質 0.5
(3)POE(20)コレスタノールエーテル 1.0
(4)スクワラン 25.0
(5)マイクロクリスタリンワックス 5.0
(6)1,3−ブチレングリコール 10.0
(7)精製水 残量
(8)シルクたんぱく質加水分解物 1.0
(9)水酸化ナトリウム(1%水溶液) 適量
(10)防腐剤 適量
(11)香料 適量
(12)アルキル変性カルボキシビニルポリマ−(1%水溶液)*2 20.0
*2:CARBOPOL 1342(グッドリッチケミカル社製)
(製法)
A:1〜6を混合溶解する。(70℃)
B:7を加熱する。(70℃)
C:BにAを添加し乳化する。(70℃)
D:Cに8〜12を添加し、室温まで冷却後、保湿クリ−ムを得た。
実施例13の保湿クリ−ムは、保存安定性が良好で、なめらかでありながらべたつき感の少なく、保湿効果の高い保湿クリ−ムであった。
実施例14 保湿クレンジング
(成分) (%)
(1)N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0
(2)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 *3 5.0
(3)流動パラフィン 30.0
(4)ジメチルシクロペンタシロキサン 15.0
(5)ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 5.0
(6)精製水 残量
(7)防腐剤 適量
(8)香料 適量
(9)エチルアルコール 10.0
(10)カルボキシメチルセルロ−スナトリウム(2%水溶液) 20.0
*3:シリコン KF−6015(信越化学社製)
(製法)
A:1〜4を混合する。
B:6にAを添加し乳化する。
C:Bに5、7〜10を添加し、保湿クレンジングを得た。
実施例14の保湿クレンジングは、保存安定性が良好で、なめらかでありながらべたつき感の少なく、保湿効果の高い保湿クレンジングであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)アルキル基の炭素数が16〜22であるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン
    (B)油性成分
    (C)保湿成分
    (D)水
    を配合することを特徴とする水中油型保湿化粧料。
  2. 成分(C)が、電解質であることを特徴とする請求項1記載の水中油型保湿化粧料。
  3. 更に、成分(E)として、成分(A)以外の界面活性剤を配合することを特徴とする請求項1または2記載の水中油型保湿化粧料。
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