JP2007269665A - 配位子置換型輸液製剤 - Google Patents

配位子置換型輸液製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2007269665A
JP2007269665A JP2006095901A JP2006095901A JP2007269665A JP 2007269665 A JP2007269665 A JP 2007269665A JP 2006095901 A JP2006095901 A JP 2006095901A JP 2006095901 A JP2006095901 A JP 2006095901A JP 2007269665 A JP2007269665 A JP 2007269665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
oxygen
infusion preparation
administration
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006095901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5020525B2 (ja
Inventor
Hidetoshi Tsuchida
英俊 土田
Hiromi Sakai
宏水 酒井
Intaglietta Marcos
マルコス・インタリエッタ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2006095901A priority Critical patent/JP5020525B2/ja
Publication of JP2007269665A publication Critical patent/JP2007269665A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5020525B2 publication Critical patent/JP5020525B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】血管拡張効果および細胞保護効果を示す輸液製剤を提供する。
【解決手段】配位子結合部位に一酸化炭素または一酸化窒素が結合したヘムを包含し、生体の血管内に投与された後に一酸化炭素または一酸化窒素を徐放し、血管拡張作用または細胞保護効果を示すことを特徴とする輸液製剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医療分野において、輸血を必要とする患者に対して使用するための輸液製剤に係り、より詳しくは、血管拡張作用または細胞保護効果を示す配位子置換型輸液製剤に関する。本発明は、特に、虚血状態からの回復において虚血再灌流障害を防止し得る輸液製剤に関する。
現行の献血/輸血システムは医療に不可欠の技術として確立している。しかし諸問題(感染、保存期限、献血者数の減少等)も抱え、輸血に代わる方法の探索が緊急課題になっており、特に酸素運搬機能を司る赤血球の代替物の実現が求められている。
赤血球に高濃度で含まれるヘモグロビン(Hb)が酸素結合蛋白質であることから、赤血球の代替物として、このHbを利用した人工赤血球の開発が進められている。Hbは、厳密な精製を経れば、病原体や血液型物質を完全に除去することが可能である。Hbを利用した人工赤血球としては、化学修飾Hb(水溶性高分子結合型、分子内架橋型、重合型)のほか、リン脂質小胞体の内水相に高純度Hbを内包したHb小胞体等が知られている。これらのうち、世界的に見て、修飾Hb溶液の開発が先行し、臨床試験の最終段階に到達したものがある(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。しかし、予期せぬ副作用のために開発を中断するケースが相次いでいる。これは、赤血球の生理学的意義に基づいた構造の欠如による。赤血球は直径約8μmの中窪み円盤状粒子であり、Hb(分子量64500)の高濃度溶液(35%)を赤血球膜で内包した構造を持っている。Hb溶液が赤血球膜で覆われている理由は、35%濃厚Hb溶液の高い粘度と膠質浸透圧の抑制、Hb機能維持のための各種リン酸化合物や酵素類等機能物質の保持の役割、また、本来毒性のあるHbの逸脱の抑制である。遊離したHbは血管内皮弛緩因子である一酸化窒素(NO)を強く結合し、投与に際し血圧の異常亢進や食道の蠕動運動の障害等の副作用が明らかになっている。また、血管壁との直接的な接触により血管壁に損傷を与えることも指摘されている。従って、赤血球と同様の小胞体(細胞型)構造が重要である。
両親媒性分子であるリン脂質が水中で自己集合して二分子膜を形成しこれが小胞構造(リポソーム)になることが1960年代後半に報告され、このリン脂質小胞体にHbを内包する試みがなされてきたが、粒径制御等調製の困難さと、血漿蛋白質との相互作用に起因する凝集を阻止するための有効な手段が見いだせなかったため、成功しなかった(非特許文献1)。しかし、その後、リン脂質二分子膜で高濃度Hb溶液を被覆する技術が開発され、特に毛細血管を容易に通過することを可能とする粒径の制御と、血中分散安定性の向上が達成されたことにより、Hb小胞体が完成した(非特許文献2)。また、ポリエチレングリコールをリン脂質小胞体粒子の表面に配することによりHb小胞体粒子間の凝集の抑制と分散安定性の向上が達成され、Hb小胞体分散溶液から酸素を実質的に完全に除去することにより、その分散溶液のまま室温にて長期間の保存が可能となった(特許文献5)。
Hb小胞体粒子は分子状のHb修飾体に比較して粒子径が大きいため、希薄分散溶液状態でのその酸素解離速度定数は、ストップドフロー法で計測すると、Hb小胞体の方が極めて遅い(非特許文献3)。さらにHb小胞体の濃厚溶液の微小細管内における酸素の放出速度も、分子状Hbよりも遅い。これは、分子状Hbはそれ自体が拡散することにより酸素の移動が促進される効果(促進輸送効果)があるためである(非特許文献4)。
Hb小胞体粒子分散液は膠質浸透圧を持たないので、血液交換率が高い場合には循環血液量を維持するために、血漿増量剤の添加が必要となる。例えばHb小胞体を5%アルブミン水溶液に分散させた場合の膠質浸透圧は20mmHgとなり、粘度と浸透圧は血液とほぼ同等になり、循環動態の恒常性に寄与する。Hb小胞体の粒径は赤血球の約1/30と小さく、血漿中に均一分散できる。Hb小胞体の動物投与試験では、臨床現場で想定される最大の交換率40%の交換輸血においてもラットは全例が生存し、ヘマトクリットは1週間で完全に回復する。Hb小胞体は最終的に細網内皮系に捕捉され、安全に分解、排泄される。従って、Hb小胞体は、臨床では術前血液希釈、術中出血分の補給、さらに胸部外科手術における人工心肺(ECMO)体外循環回路の補充液としての利用が十分に期待できる。
Hb小胞体は、出血性ショック時の蘇生液としても検討され、赤血球と同等の酸素運搬機能が実証されている。例えば、麻酔下、ラットの循環血液量の50%を脱血して15分後にHb小胞体を5%アルブミン溶液に分散させて投与し6時間観察した実験では、アルブミン単独の投与では8匹中2匹が死亡したのに対し、Hb小胞体の投与では循環動態も血液ガス組成も脱血液の投与と同等に推移し全例が生存した(非特許文献2)。これらの結果は、Hb小胞体が医療現場で使用できるようになれば、特に救急医療や外科的手術において、血液型の不一致や感染の心配をせずに、何時でも要求に応じて投与し、同種血輸血の回避、または必要輸血量の低減が可能となることを示唆する。
一方、一酸化窒素(NO)が血管内皮細胞から産生され、血管弛緩因子として作動することが報告されて以来、生体内NOが情報伝達分子として様々な機能を果すことが明らかにされている。また、一酸化炭素(CO)についても、ヘムの代謝の過程で微量に産生され、これが極めて重要な役割を果していることが解ってきた。例えば肝臓では、肝実質細胞に存在する酵素ヘムオキシゲナーゼ−2(HO−2)がヘム分解酵素として存在し、この酵素によるヘム1分子の分解で、1分子のCOガスが放出される。このCOは、肝類洞血管内皮の伊東細胞に対し、血管弛緩因子として作動することが明らかになっている(非特許文献5)。また、内因性のCOガスは、抗炎症作用を示すことも明らかになっている(非特許文献6)。これらの事実から、COの薬効を積極的に活用するため、COガス吸入器が報告された(特許文献6)。また、静脈内投与可能な化合物としてルテニウムのCO錯体等を合成し、そのCO放出薬としての効果を調べる研究も行われるようになってきた(非特許文献7、特許文献7)。さらに、一酸化炭素中毒で知られるように、不完全燃焼等で生じるCOガスの吸入は極めて危険であるが、出血性ショックモデルラットに対し、低濃度で吸入させることにより、多臓器不全の改善が見られることが明らかになっている(非特許文献8)。
Hb分子は、酸素だけでなく、一酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)とも結合するので、これまでは、Hbを用いる人工赤血球の投与においてはこれら内因性のガス状分子を捕捉しない分子設計が重要であるとされてきた。
ところで、Hb小胞体の調製において、一酸化炭素(CO)を使用する工程が取り入れられている(特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11)。すなわち、HbのCOに対する親和性は酸素の約200倍といわれ、HbCO体(カルボニルヘモグロビン)は酸化劣化に対する耐性があるので、Hb精製工程においてHbをHbCO体として加熱処理(60℃、10時間)している。Hb小胞体の調製の最終工程で、酸素気流下、可視光の照射によってCOは容易に解離除去され、それにより得られた酸素錯体を体内に投与している。
しかし、Hb小胞体にCOが結合したままの投与は従来知られていなかった。それはCOが有毒ガスであるという認識に基づいている。
また、アルブミン分子に合成ヘム誘導体を包接させたアルブミン−ヘム包接体が、全合成系のヘム蛋白質として開発され、その酸素運搬効果が明らかになっている。このアルブミン−ヘム包接体のヘムに一酸化炭素を結合させることにより、自動酸化が抑制され、長期間の保存安定度が得られ(非特許文献9)、また、ヘムに結合したCOを光照射によって排除し、酸素を結合させた後に動物に投与した場合の酸素運搬機能が確認されている。
しかし、COを結合したままでの投与は従来知られていなかった。
Djordjevich & Miller, Fed. Proc. 1977; 36:567 Sakai et al., Crit. Care Med. 2004;32(2); 539-45 Sakai et al., Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol. 1999; 276 (2): H553-62 Sakai et al., Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol. 2003; 285 (6): H2543-51 Goda et al., J. Clin. Invest. 1998; 101 (3): 604-12 Otterbein et al., Nat. Med. 2000; 6 (4): 422-8. Johnson et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2003; 42:3722-9 Zuckerbraun et al., Shock 2005; 23 (6): 527-32. Tsuchida et al., Polymer Adv. Technol. 2002; 13: 845-50 特許第3034529号明細書 特許2707241号明細書 特許2531661号明細書 特公平05−032372号公報 特許第3466516号明細書 特表2005−531376号公報 特表2004−526739号公報 特許第3648261号明細書 特許第3331433号明細書 特許第2936109号明細書 特許第3682072号明細書
人工赤血球の臨床的適応の一つに、出血性ショック状態における緊急投与が想定され、赤血球投与と同等の血行動態の回復と蘇生効果が確認されている。しかし、急性出血性ショック状態に陥ると、カテコールアミン等の血管収縮因子が産生され、それにより末梢血管が収縮しているため、人工赤血球の投与は輸血と同様に、臓器によっては末梢血流の迅速な回復には繋がらない場合があるので、何らかの血管拡張剤の併用が求められていた。
また、出血性ショックからの蘇生は、全身的な虚血再灌流を意味し、活性酸素の産生による様々な障害、いわゆる虚血再灌流障害、さらには多臓器不全に繋がる可能性がある。一般的に虚血状態では細胞内ATPが代謝されてヒポキサンチンになり、これが組織内に高濃度で蓄積する。ここに再灌流により酸素が供給されるとキサンチンオキシダーゼの作用により活性酸素(スーパーオキサイド)が多量に発生する。また、マクロファージが活性化されて炎症性サイトカインを産生し、これに反応して好中球等が遊走される。各種接着因子も誘導され、好中球は血管内皮細胞に接着し、さらに血管外組織にまで浸潤する。ここに再灌流により酸素が供給されると、好中球細胞膜にあるNADPH−オキシダーゼが大量の活性酸素を産生する。従って、出血性ショックに対する蘇生液として輸血または酸素運搬体を投与することは、初期の状態においては生体に対し酸素を過剰に供給して活性酸素産生を促し、虚血再灌流障害を助長させる。特に小腸は虚血の影響を強く受け、この虚血再灌流は小腸障害のみでなく、肺、肝、腎等の遠隔臓器の障害をもたらす。従って、酸素運搬機能が投与直後は抑制されているが、次第に増大する蘇生液が理想的である。
また、COガスまたはNOガスを直接的に吸入させ、肺胞を経由して血中に移行させる方法が検討されている。しかし、緊急時に大掛かりな吸入設備を用いたガス吸入は医療施設内では可能であるものの、受傷現場では不可能である。さらに、吸入濃度を調節しても、体内血中への移行量は肺のガス交換に依存しており、呼吸機能が低下している場合には使用できない。また、出血性ショックの蘇生手順は一般的に循環血液量の補給が先決であり、COガスまたはNOガスを輸液と一緒に投与できる方法が求められていた。
また、静脈内投与可能なルテニウムのCO錯体等の化合物が開発されているものの、分子量が小さいためCOを放出する前に血中から消失することが予想され、血中滞留時間の長いCOガス担体が求められていた。
以上のことを背景にして、本発明は、血管拡張効果および細胞保護効果を示す輸液製剤、特に虚血状態にある患者をその虚血状態から回復させ、しかも虚血状態からの回復において虚血再灌流障害を防止し得る輸液製剤を提供することを課題とする。
発明者らは上述の背景と課題を熟慮し、鋭意研究を重ねた結果、人工赤血球の構成成分の配位子結合部位(ヘム)に予めCOガスまたはNOガスが結合した状態で血管内投与することによって血管拡張効果および細胞保護効果を得る手法を見いだした。特に、配位子結合部位に予めCOガスが結合した状態で出血性ショック状態の動物に対し血管内投与することで、虚血再灌障害を防止し得ることを見いだした。ヘムに対しCOガスは極めて強力に結合するが、血管内投与後は酸素との配位子交換反応により、徐々にCOを放出し、血管弛緩因子として作用し、血管を拡張して末梢血流を促進させる。予めCOを結合させたヘムは、投与直後では酸素運搬効果は低いものの、虚血再灌流による活性酸素の産生量を低減させ、組織細胞を保護する効果が期待できるし、輸液として循環血液量の増大にも貢献する。また、Hb分子は4個のサブユニットから構成されているが、このうち一部にCOが結合した状態では酸素配位のアロステリック効果が消失し、残りのサブユニットの酸素親和性が極めて高い状態になるので、COを放出して末梢血管を拡張しながら低酸素領域に陥った末梢組織に効率的に酸素を運搬することが可能となる。ヘムは、COを放出し終えると完全な酸素運搬体として機能し、赤血球と同様に、全身に必要量の酸素を供給することができるのである。
すなわち、本発明は、配位子結合部位に一酸化炭素が結合したヘムを包含し、虚血状態の生体の血管内に投与された後に一酸化炭素を徐放し、その後酸素運搬体として機能することにより虚血再灌流障害を防止することを特徴とする輸液製剤を提供する。
本発明の輸液製剤の、血管内投与された後のCOの徐放は、虚血再灌流障害を防止することに繋がり、特に肝臓組織および心臓組織の保護効果が顕著に得られる。
また、本発明の輸液製剤がHb小胞体により代表される細胞型Hb製剤のように粒子径が100〜500nmに調節されている場合は、粒子自体の血中滞留時間が長く、また非細胞型のHbを利用する輸液製剤に比較してCO保持効果が長く適度なCO放出速度が得られる。
さらに、本発明の輸液製剤は、血管内投与後、COガスを放出した後は、静脈を経て肺胞に到達すると速やかに酸素が結合し、動脈を経て末梢組織に到達し、結合した酸素を放出するようになる。
本発明によれば、臨床現場で、COガスまたはNOガスを結合したヘムを含む輸液製剤を投与することにより、血管拡張効果および細胞保護効果を得ることができる。また、出血性ショック状態の患者に対し、COガスを結合したヘムを含む輸液製剤を投与することにより、投与直後に遊離COが末梢血管を拡張させて血流を速やかに回復させるとともに、次第に酸素運搬体として作動するようになり、赤血球と同等の酸素運搬機能を得て、正常な酸素代謝状態を維持することができる。従って、虚血再灌流障害が有効に防止される。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の輸液製剤は、ヘムを活性成分として包含し、その配位子結合部位に一酸化炭素(CO)または一酸化窒素(NO)が配位している。
本発明のヘム(Hb)を含む輸液製剤としては、Hbに化学的修飾を加え分子量や粒子径を増大させて、血管外漏出とHbの毒性を低減させた修飾Hb溶液(重合型、水溶性高分子結合型)のほか、赤血球と類似の構造をした細胞型Hb(H. Sakai et al., Bioconjug. Chem. 2000; 11:56-64参照)等のいわゆる輸液製剤が含まれる。重合型Hbには、グルタルアルデヒド等の架橋剤でHbの表面のリジン残基と結合させたHb重合体(S.A. Gould et al., J. Am. Coll. Surg., 2002;195:445-52参照)、Hbのグロビン鎖の末端カルボン酸とリジン残基を分子間で直接結合させたHb重合体(B. Matheson et al., J. Appl. Physiol., 2002; 93:1479-86参照)がある。水溶性高分子結合型としては、ヒドロキシエチルスターチと共重合させたもの(T. Hu et al., Biochem. J. 2005; 392:555-64参照)、Hbの表面に片末端メトキシ基ポリエチレングリコール(PEG)を結合させたPEG−Hb(T.M. Chang, Appl. Biochem. Biotechnol., 1984;10:5-24参照)等が利用できる。細胞型Hbとしては、ナイロン、ポリ乳酸、ゼラチン、シリコンゴム等高分子薄膜から形成されるカプセルの中にHbが高濃度で内包されている形態や(L. Djordjevich & I.F. Miller, Fed. Proc., 1977; 36:567)、リン脂質二分子膜から構成されるリン脂質小胞体(リポソーム)の中にHbが内包されている形態(Hb小胞体)もある。また、親水性高分子と疎水性高分子が共重合した両親媒性高分子が形成するカプセル(ポリマーソーム)の中にHbを内包した形態も利用できる(D.R. Arifin, & A.F. Palmer. Biomacromolecules, 2005; 6:2172-81参照)。しかし、細胞膜と類似の脂質成分から構成され、生体適合性に優れるHb小胞体が好ましい。一般的に修飾Hbは粒子径が小さく、配位子促進輸送効果が現れるため、配位子の放出速度が極めて速くなり、配位子の保持効果が低下する。従って、細胞型Hbのように粒子径はできるだけ大きいものがよく、50nm以上であることが好ましい。しかし、製造工程におけるフィルタ滅菌の容易性、血中での均一分散性、および毛細管を塞栓させないことを考慮すると、その粒子径は1000nm以下、好ましくは300nm以下である。Hb小胞体は、脂質成分(リン脂質、コレステロール、負電荷脂質、ポリエチレングリコール結合脂質)が分子間相互作用により自発的に集合した形態にあるので、粒子径を極めて容易に制御できるという利点を有する。粒子径の厳密な調節には、エクストルージョン法が最適であるが(前出H. Sakai et al., Bioconjug. Chem., 2000; 11:56-64参照)、高速撹拌法によって剪断応力を与えることによってもある程度の調節可能である。さらに、その粒子内部には35g/dLもの高濃度Hb(約3万個のHb)が充填でき、一粒子当たりの配位子運搬数は12万個になる。
輸血用赤血球(血液から取り出された赤血球)に含有されるHbにCOまたはNOを結合させて投与すれば、これもCOまたはNOの徐放効果が得られる。しかし、赤血球はその構造が脆弱なので、COまたはNOガスのバブルにより容易に溶血する可能性があるので、輸液製剤としては、構造的により安定な輸液製剤(例えば、ヘモグロビンを内包したリン脂質小胞体粒子の形態にある輸液製剤等)を用いることがより好ましい。
いうまでもなく、本発明の輸液製剤は、人工赤血球(特に細胞型Hb)、血液から取り出された赤血球等の小胞体が生理学的に許容され得る分散媒に分散した形態にあり得る。生理学的に許容され得る分散媒としては、等張の生理食塩水を好適に用いることができるが、さらにその高張溶液でもよい。また、ヒト血清由来アルブミン、リコンビナントアルブミン、ヒドロキシエチルスターチ、デキストラン、修飾ゼラチン等代用血漿剤の水溶液を併用することもできる。いずれの形態においても、本発明の輸液製剤は、電解質や代用血漿剤を用いて、生理学的に許容される晶質浸透圧(200mOsm/L〜2500mOsm/L、膠質浸透圧(0〜80mmHg)、pH(4〜9)に調節される。
Hbを用いる輸液製剤の保存形態としては従来、酸素が結合した状態でガラス容器内に充填され、これを冷蔵保存する方法、またはプラスチック製バッグに充填されて冷凍保存する方法が知られている。また、充填容器内に存在する酸素を実質的に完全に除去し、酸素流入を完全に遮断し、溶液状態で室温保存する方法が知られている。本発明では、いずれの形態においてもHbの酸素結合部位であるヘムの全てまたは一部にCOまたはNOが結合した状態に変換して保存をすればよい。輸液製剤にCOガスを通気すれば、オキシヘモグロビン(HbO2)は次第にカルボニルヘモグロビン(HbCO)に変換されるし、配位子が結合していないデオキシモグロビン(デオキシHb)の状態にある輸液製剤にCOガスを通気すれば、極めて速やかにCOが結合し、HbCOに変換される。COの結合反応を促進するため、気−液界面積を増大させる目的で、液膜を形成してCOガスと接触させたり、市販の膜型人工肺を使用してもよい。COは酸素よりも結合力が200倍強く耐熱性が向上し、また自動酸化が抑制され、保存安定度が向上する利点を有する。NOガスの場合も同様に、配位子が結合していないデオキシHbの状態にある輸液製剤にNOガスを通気すれば極めて速やかにNOが結合し、ニトロシルヘモグロビン(HbNO)に変換される。HbCOまたはHbNOの含量は、可視吸収スペクトルにおいてソレー帯またはQ帯におけるデオキシHbとの吸光度比から容易に算出できる。
使用に際し、配位座の全てまたは一部にCOまたはNOが結合されヘムを含む本発明の輸液製剤(通常、上記生理学的に許容され得る分散媒に分散された形態、または同分散媒に溶解した溶液の形態にある)を静脈内投与する。Hb小胞体のように粒子径が大きい場合は膠質浸透圧を持たないので、大量に投与する際にはアルブミンやヒドロキシエチルスターチ等代用血漿剤の投与も必要になる。いうまでもなくCO、NOガスは毒性も示すので、投与に際しては血行動態や血液ガス組成を継続してモニタリングする。また、投与されたCOガスは体内で薬理効果を示した後、最終的には呼気として排出されるのみであるので、呼吸状態の維持管理が重要である。血中のHbCO量またはHbNO量の推移は、採血液の可視吸収スペクトルにおいてソレー帯またはQ帯におけるデオキシHbとの吸光度比から容易に算出できる。本発明の輸液製剤の投与量としては、COとして、0.001〜0.25ミリモル/kg(体重)となるような量である。NOとしては、COとほぼ同程度か、それよりも少ない。
COが結合したヘムを含む本発明の輸液製剤を投与することにより、先ず血管拡張効果が期待できる。そのメカニズムとしては次のことが考えられる。(i)COガスが血管壁平滑筋にあるグアニル酸シクラーゼ(GC)に直接結合して血管拡張し、末梢血流を改善する。(ii)正常組織では血管弛緩因子であるNOがミオグロビン(Mb)と反応して失活する経路が存在するが、このとき本発明の輸液製剤から放出されるCOがMbに結合することにより、NOの失活が抑制される。GCに対する作用はCOよりもNOの方が数千倍強力であり、血管拡張により末梢血流を改善する。(iii)末梢血流の改善は、代謝産物の除去と酸素供給を促進する。
本発明の輸液製剤による虚血再灌流障害の低減のメカニズムとしては、(iv)ヘムにCOを結合させることにより酸素含量を低下させ、投与直後の酸素負荷を低減でき、ヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼの反応による活性酸素の産生量を低減させる。(v)活性化好中球の細胞膜に存在するヘム蛋白質NADPH−オキシダーゼが活性酸素を産生するが、本発明の輸液製剤から放出されるCOガスがNADPH−オキシダーゼのヘム活性部位に結合することによって、活性酸素の産生が抑制され、細胞障害を抑制する。これらのメカニズムは類推の域を脱していないが、内因性COおよび吸入COガスの効果は最近では多くの研究者が報告しているところである。
本発明のCOが結合したヘムを包含する輸液製剤は、血管内投与後COを放出すると、代わって酸素が可逆的にHbのヘムに結合解離するようになり、赤血球と同等の酸素運搬機能を呈する。すなわち、本発明のCOが結合したヘムを包含する輸液製剤は、血管内に投与すると、初期にはCO運搬体として機能し、その後酸素運搬体として機能する。
以下、本発明を実施例等により説明する。
比較例1
Hb小胞体(HbV)は、既報(H. Sakai et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 2004; 311:874-84)に従って調製した。具体的には、Hb溶液に一酸化炭素を結合させて60℃にて10時間の加熱処理を行い、さらに限外濾過膜処理により高純度高濃度Hb溶液を得た。これにアロステリック因子としてピリドキサル5’−リン酸を添加した。次いで、混合脂質粉末(ジパルミトイルホスファチジルコリン/コレステロール/負電荷脂質/ポリエチレングリコール結合型ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン)を添加して形成された多重層のHb小胞体を、エクストルージョン法を用いて平均粒径を250nmに制御した。酸素気流下、可視光の照射によりHbに結合した一酸化炭素を光解離させ、酸素と置換させた。最後に、ガラス容器に封入して、窒素ガスを通気して完全に酸素を除去して保存した。使用直前に空気を通気して酸素を結合したHb小胞体とした。
ウィスター系ラット(雄、体重約250g)を、1.5%セボフルレンの吸入により、麻酔状態とし、自発呼吸を維持させた。ラットの頸動脈と頸静脈にカテーテルを留置し、頸動脈より50%脱血した(全血液量を56mL/kgとすると、脱血量は28mL/kg、約8.4mL)。脱血速度は1mL/分とした。脱血後、15分間放置し、試料を投与した。投与試料は、上記酸素を結合したHbVの分散液と25%アルブミン(HSA)を混合したHbV/HSA(HbV/25%rHSA=8.6/1.4(vol/vol)、[Hb]=8.6g/dL、n=8)、脱血した自己血(SAB群、n=8)、ヒト血清アルブミン(HSA群、n=8)、および洗浄赤血球をHSAに分散させ、Hb濃度を8.6g/dLに調整した溶液(RBC/HSA、n=8)、およびHSA単独であった。測定ポイントは、脱血前、脱血後、投与直後、投与1時間後、投与3時間後、および投与6時間後(犠牲死)とした。投与6時間後、血液を6mL程度採取、採血管に入れて遠心分離し血球成分を除去。血清を超遠心分離機にかけてHbVを除去し、血液生化学的検査を実施し、肝機能を反映する項目としてアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)を測定した。また、心筋機能を反映する項目として、乳酸脱水素酵素アイソエンザイム−1(LDH−1)を測定した。
HSA群のみ8例中、2例が投与3時間後から6時間後の間に死亡した。他は生存した。血圧(MAP)は、脱血前に100mmHg程度であったが、脱血後に30mmHg程度にまで低下した。SAB群は投与直後に110mmHgにまで上昇したが、1時間後に90mmHgになり、そのまま6時間推移した。HSA群は投与直後に90mmHgに上昇したが、1時間後に74mmHgにまで低下した。生存したラットの6時間後の血圧は71mmHgでありSAB群に比較して有意に低い値であった。一方でHbVは投与後に98mmHgにまで回復、1時間後には93mmHgになり、そのまま6時間後まで推移し、HSA群よりも有意に高い値であり、SAB群と同等であった。ヘマトクリット(Hct)は、脱血前約43%であるが、脱血後に約35%に低下した。SAB群では投与後に43%程度にまで回復した。一方、HSA群とSAB群では、投与直後に血液が希釈されるため、約20%に低下した。血液ガス組成については、脱血後に代償機能によりPaO2の上昇、PaCO2の低下、またpHの低下と乳酸値の上昇が見られた。蘇生液の投与直後に、全群に関してPaO2、PaCO2が初期値にまで回復した。pH値は投与直後に最低値を示した。また乳酸値も投与直後には回復しなかったが、1時間後には初期値まで回復し、6時間まで推移した。pH、乳酸値の回復の遅れは、投与直後に末梢微小循環が回復に向い、蓄積していた代謝産物が洗い出されたために見られた現象である。全群ともに同様の傾向を示したが、rHSA投与死亡群では、PaO2が低値傾向を示した。従って、酸素運搬の低下による低血圧と、麻酔条件では呼吸に依る代償機能が不十分であったことが死因と考えられる。従って、Hb小胞体の出血性ショック蘇生効果は、赤血球と同等であることが解る。
投与6時間経過後の血液生化学検査の結果、HbV群、SAB群、RBC群のAST値はそれぞれ249±104、228±97、211±109U/Lとなり、またALT値はそれぞれ97±54、108±60、95±73U/Lであり、正常値(AST:64±13U/L;ALT:32±8U/L)に比較して極めて高い値になっていた。一般的にASTは、心筋、肝、脳に高濃度に存在し、ついで骨格筋、腎等に多く含まれる。また、ALTは肝臓に最も多く含まれ、以下は腎、心筋、骨格筋の順番である。臨床的には、AST、ALTの上昇は主に肝疾患の時に見られる。従って、AST値およびALT値が著明に増大した事実から判断して、出血性ショックによる虚血と人工赤血球投与による再灌流の結果、肝臓に虚血再灌流障害が生起したことを意味する。また、HbV群、SAB群、RBC群のLDH−1値は、それぞれ、308±111、287±157、207±129U/Lであり、正常値(32±17U/L)に比較して極めて高い値になった。一般的にLDH−1は心筋に多く存在し、臨床的には心筋梗塞などの障害があるときに高い値になる。従って、LDH−1が顕著に増大した事実から判断して、出血性ショックによる虚血と人工赤血球投与による再灌流の結果、心筋に虚血再灌流障害が生起したことを意味する。
実施例1
比較例1で調製し、脱酸素状態でガラス容器に封入保存されていたHb小胞体の分散液(容量10mL)について、ブチルゴム製の蓋に金属製の導入針を刺し、COガスをバブルし、Hbの配位子を全てCOとし、つまり100%HbCOとした。この溶液8.6mLに対し、25%濃度のアルブミン溶液を1.4mL添加し、膠質浸透圧を約20mmHgに調節した。結果としてHb濃度は8.6グラム/dLになった。これを蘇生液(HbV−CO/HSA)とした。
比較例1に記載の方法と同じ方法により、ウィスター系ラット(雄、体重250〜300g)を1.5%セボフルレンの吸入で麻酔状態とし、自発呼吸を維持し、頸動脈と頸静脈にカテーテルを留置した。頸動脈より循環血液量の50%相当の血液を1mL/分の速度で抜いた。15分間放置した後、脱血量と同量のCOを結合したHb小胞体分散液を投与し、6時間に亘り血行動態、血液ガス組成、をモニタリングした。また、採血液中のHbCOの濃度を可視吸収スペクトルから計測した。脱血前の血圧約96mmHgは、脱血後に約29mmHgまで低下し、投与後に約89mmHgにまで回復した。これは比較例1記載のHbV/HSA群よりも僅かに低い値であった。HbCOの比率は、投与直後25±3%であったが、30分後に14±4%、1時間後に6±2%、3時間後には1±2%にまで低下しており、HbVの殆どが酸素運搬体として機能していた。6時間経過後の血液生化学検査の結果、AST値は185±82U/L、ALT値は50±16U/L、LDH−1値は97±38U/Lであり、比較例1に記載の場合に比較して顕著に低下していたことから、肝機能障害および心筋障害(虚血再灌流障害)が低減されていることが明らかになった。
実施例2
ウィスター系ラットの赤血球を得るため、ラット(雄、体重250〜300g)をエーテル麻酔下、開腹し、下大静脈より採血した。これを遠心分離(2000g、15分)して赤血球層を得て、さらに5%アルブミン溶液を添加して遠心分離、再分散する操作を2回繰り返した。この洗浄赤血球分散液10mLを50mLガラス容器に入れ、ブチルゴム製の蓋で封入した。金属製の導入針を刺し、COガスを通気し、Hbの配位子を全てCOとし、つまり100%HbCOとした。通気の操作で溶血が認められたので、再度遠心分離して上澄みを除去し、再度5%アルブミン溶液を添加し、最終的にHb濃度を8.6g/dLに調節した。これを蘇生液(wRBC−CO/HSA)とした。採血から投与試験に用いるまでの所要時間は、3時間以内とした。
比較例1および実施例1に記載の方法と同じ方法により、ウィスター系ラット(雄、体重250〜300g)の出血性ショックモデルに対し、wRBC−CO/HSAを投与した。脱血前の血圧約100mmHgは、脱血後に約31mmHgまで低下し、投与後に約89mmHgにまで回復し、そのまま6時間推移した。HbCOの比率を血液ガス組成測定装置(ラジオメータ社製、ABL−700)で測定したところ、投与直後39±2%であったが、30分後に25±2%、1時間後に14±2%、3時間後には4±1%、6時間後に漸く1%程度にまで低下しており、wRBCの殆どが酸素運搬機能を回復してとしていた。赤血球のCO放出速度は明らかにHb小胞体よりも遅かった。6時間経過後の血液生化学検査の結果、AST値は126±54U/L、ALT値は33±9U/L、LDH−1値は72±46U/Lであり、比較例1に記載の場合に比較して顕著に低下していたことから、肝機能障害および心筋障害(虚血再灌流障害)が低減されていることが明らかになった。
実施例3
修飾Hbとして、ウシヘモグロビンをグルタルアルデヒドで重合したポリHb溶液について、Hb小胞体とCOの放出速度の相違を検討した。先ずポリHbおよびHb小胞体分散液([Hb]=10g/dL)に一酸化炭素ガスを通気し、一酸化炭素を結合させた溶液を調製した。ラットの血液から洗浄赤血球を調製し、Hb濃度を10g/dLにした。酸素を結合したラット赤血球4.5mLに対し、一酸化炭素が結合したポリHbまたはHb小胞体を0.5mL添加し、速やかにボルテックスミキサーで混合した。ポリHbまたはHb小胞体に結合した一酸化炭素が徐々に遊離して赤血球に結合するので、混合後30秒、1分、3分後に、0.5mLを採取し、遠心分離(2000g、30秒)して上澄みのポリHbまたはHb小胞体の分画について、カルボニルヘモグロビン(HbCO)の割合を測定した。亜ニチオン酸ナトリウム粉末を添加して酸素を除去したときの可視吸光度スペクトルにおけるデオキシHb(430nm)とHbCO(419nm)のピーク比からHbCOの割合を算出した。ポリHb溶液の場合、HbCOの割合は混合後35%(30秒)、15%(1分)、9%(3分)のように低下したのに対し、Hb小胞体の場合は、42%(30秒)、23%(1分)、11%(3分)となり、Hb小胞体の方がポリHbよりもCO放出速度が遅く、CO徐放性に優れていた。

Claims (6)

  1. 配位子結合部位に一酸化炭素または一酸化窒素が結合したヘムを包含し、生体の血管内に投与された後に一酸化炭素または一酸化窒素を徐放し、血管拡張作用または細胞保護効果を示すことを特徴とする輸液製剤。
  2. 配位子結合部位に一酸化炭素が結合したヘムを包含し、虚血状態の生体の血管内に投与された後に一酸化炭素を徐放し、その後酸素運搬体として機能することにより虚血再灌流障害を防止することを特徴とする輸液製剤。
  3. 50nm〜1000nmの粒径を有する粒子の形態にあることを特徴とする請求項1または2に記載の輸液製剤。
  4. ヘモグロビンを内包したリン脂質小胞体粒子の形態にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の輸液製剤。
  5. 生理学的に許容され得る分散媒に分散した形態にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の輸液製剤。
  6. 血液から取り出した赤血球の形態にある請求項1または2に記載の輸液製剤。
JP2006095901A 2006-03-30 2006-03-30 配位子置換型輸液製剤 Active JP5020525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006095901A JP5020525B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 配位子置換型輸液製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006095901A JP5020525B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 配位子置換型輸液製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007269665A true JP2007269665A (ja) 2007-10-18
JP5020525B2 JP5020525B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=38672828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006095901A Active JP5020525B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 配位子置換型輸液製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5020525B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012137834A1 (ja) 2011-04-04 2012-10-11 学校法人早稲田大学 小胞体の製造方法
JP2012529531A (ja) * 2009-06-09 2012-11-22 プロロング ファーマシューティカルズ,エルエルシー ヘモグロビン組成物
US10172950B2 (en) 2009-06-09 2019-01-08 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
US10172949B2 (en) 2009-06-09 2019-01-08 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2936109B2 (ja) * 1990-05-22 1999-08-23 財団法人生産開発科学研究所 ヘモグロビン含有小胞体の製造法
JP3331433B2 (ja) * 1992-02-05 2002-10-07 財団法人生産開発科学研究所 ヘモグロビン精製法
JP3466516B2 (ja) * 1999-09-07 2003-11-10 科学技術振興事業団 安定保存可能な酸素輸液剤
WO2004043341A2 (en) * 2002-11-07 2004-05-27 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Treatment for hemorrhagic shock
WO2004045598A1 (en) * 2002-11-20 2004-06-03 Hemocorm Limited Therapeutic delivery of carbon monoxide to extracorporeal and isolated organs
JP2004526739A (ja) * 2001-03-30 2004-09-02 サングスタット メディカル コーポレイション 血管の、炎症性の及び免疫の障害の治療のための、一酸化炭素生成性化合物
JP3648261B2 (ja) * 1993-05-21 2005-05-18 株式会社 オキシジェニクス ヘモグロビン含有水溶液の処理方法
JP3682072B2 (ja) * 1993-12-21 2005-08-10 株式会社 オキシジェニクス HbCOのHbO2 への変換方法及びその装置
JP2005533812A (ja) * 2002-06-21 2005-11-10 ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション 一酸化窒素、ヘムオキシゲナーゼ−1、およびヘム分解生成物の薬学的使用
JP2006508972A (ja) * 2002-11-20 2006-03-16 ヘモコーム リミテッド 一酸化炭素の治療的放出

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2936109B2 (ja) * 1990-05-22 1999-08-23 財団法人生産開発科学研究所 ヘモグロビン含有小胞体の製造法
JP3331433B2 (ja) * 1992-02-05 2002-10-07 財団法人生産開発科学研究所 ヘモグロビン精製法
JP3648261B2 (ja) * 1993-05-21 2005-05-18 株式会社 オキシジェニクス ヘモグロビン含有水溶液の処理方法
JP3682072B2 (ja) * 1993-12-21 2005-08-10 株式会社 オキシジェニクス HbCOのHbO2 への変換方法及びその装置
JP3466516B2 (ja) * 1999-09-07 2003-11-10 科学技術振興事業団 安定保存可能な酸素輸液剤
JP2004526739A (ja) * 2001-03-30 2004-09-02 サングスタット メディカル コーポレイション 血管の、炎症性の及び免疫の障害の治療のための、一酸化炭素生成性化合物
JP2005533812A (ja) * 2002-06-21 2005-11-10 ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション 一酸化窒素、ヘムオキシゲナーゼ−1、およびヘム分解生成物の薬学的使用
WO2004043341A2 (en) * 2002-11-07 2004-05-27 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Treatment for hemorrhagic shock
WO2004045598A1 (en) * 2002-11-20 2004-06-03 Hemocorm Limited Therapeutic delivery of carbon monoxide to extracorporeal and isolated organs
JP2006508972A (ja) * 2002-11-20 2006-03-16 ヘモコーム リミテッド 一酸化炭素の治療的放出

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012529531A (ja) * 2009-06-09 2012-11-22 プロロング ファーマシューティカルズ,エルエルシー ヘモグロビン組成物
JP2016074710A (ja) * 2009-06-09 2016-05-12 プロロング ファーマシューティカルズ,エルエルシー ヘモグロビン組成物
US10080782B2 (en) 2009-06-09 2018-09-25 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
US10172950B2 (en) 2009-06-09 2019-01-08 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
US10172949B2 (en) 2009-06-09 2019-01-08 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
US10772937B2 (en) 2009-06-09 2020-09-15 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
US10780148B2 (en) 2009-06-09 2020-09-22 Prolong Pharmaceuticals, LLC Hemoglobin compositions
WO2012137834A1 (ja) 2011-04-04 2012-10-11 学校法人早稲田大学 小胞体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5020525B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sakai et al. Review of hemoglobin‐vesicles as artificial oxygen carriers
Vlahakes et al. Hemodynamic effects and oxygen transport properties of a new blood substitute in a model of massive blood replacement
CA2117528C (en) Facilitated oxygen delivery in conjunction with hemodilution
Zuck et al. Current status of injectable oxygen carriers
EP1466649B1 (en) Pharmaceutical composition containing artificial oxygen carrier
JP6807740B2 (ja) 血液代用組成物及びその使用方法
JPH11507378A (ja) 酸素飽和状態(oxgenation status)をモニターすることによって簡便化された血液希釈法
Standl et al. Bovine haemoglobin-based oxygen carrier for patients undergoing haemodilution before liver resection
JP5020525B2 (ja) 配位子置換型輸液製剤
Mohanto et al. Current perspectives of artificial oxygen carriers as red blood cell substitutes: a review of old to cutting-edge technologies using in vitro and in vivo assessments
Lane Perfluorochemical-based artificial oxygen carrying red cell substitutes
Sakai Present situation of the development of cellular-type hemoglobin-based oxygen carrier (hemoglobin-vesicles)
JP3466516B2 (ja) 安定保存可能な酸素輸液剤
Sakai et al. Gas bioengineering using hemoglobin-vesicles for versatile clinical applications
Sakai et al. Performances of PEG-modified hemoglobin-vesicles as artificial oxygen carriers in microcirculation
Sakai Artificial Oxygen Carriers (Hemoglobin-Vesicles) as a Transfusion Alternative and for Oxygen Therapeutics
Agashe et al. Current perspectives in liposome‐encapsulated hemoglobin as oxygen carrier
Takeoka Developmental trend of artificial blood (artificial red blood cells)
Beauchesne The Design of Blood Substitutes: Oxygen Carriers
Sakai et al. Solution to the problems of acellular hemoglobins by encapsulation and the intrinsic issues of hemoglobin vesicles as a molecular assembly
Spahn The optimal and critical hemoglobin in health and acute illness
CA2315877C (en) Facilitated oxygen delivery in conjunction with hemodilution
Kobayashi et al. Safety and efficacy of hemoglobin-vesicles and albumin-hemes
Voynikov et al. A review on the properties and applications of perfluorocarbon emulsions
Sakai et al. Hemoglobin Vesicles as a Cellular‐Type Hemoglobin‐Based Oxygen Carrier

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090313

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5020525

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250