JP2007268445A - 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム - Google Patents

排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007268445A
JP2007268445A JP2006098391A JP2006098391A JP2007268445A JP 2007268445 A JP2007268445 A JP 2007268445A JP 2006098391 A JP2006098391 A JP 2006098391A JP 2006098391 A JP2006098391 A JP 2006098391A JP 2007268445 A JP2007268445 A JP 2007268445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
cooling medium
carbon dioxide
storage tank
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006098391A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsugi Sumiya
角谷  貢
Yoshio Shimizu
義夫 清水
Susumu Tsuneoka
常岡  晋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2006098391A priority Critical patent/JP2007268445A/ja
Publication of JP2007268445A publication Critical patent/JP2007268445A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Abstract

【課題】排ガスから有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収することができる排ガスの処理方法及び排ガスの処理システムを提供する。
【解決手段】排ガスを冷却媒体に流通させ、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物を液化または固化させる温度に冷却することにより排ガスに有害ガス成分として含まれる窒素酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する。この際、排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽171に当該貯留槽171の下方から導入し、冷却媒体中を浮上する排ガスの気泡を、貯留槽171の排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器17211により冷却媒体とともに渦流に変換するようにする。また、複数のキノコ形状の泡砕器17212によって気泡を細かい気泡に粉砕するようにする。
【選択図】図3A

Description

本発明は排ガスの処理方法及び排ガスの処理システムに関し、とくに石炭焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉、LNG焚きボイラ等から排出される排ガスに含まれる有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収するための技術に関する。
発電所や化学プラント等における石炭焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉、LNG焚きボイラ等から排出される排ガス中に含まれる硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害ガス成分は、例えば、湿式脱硫処理装置や脱硝触媒による脱硝処理装置等を用いて分離・除去されている。また、より効率の高い有害ガス成分の分離・除去方法として、活性炭を用いる、いわゆる物理吸着法が知られている。
他方、昨今では大気中の二酸化炭素量が増加し、温室効果と呼ばれている大気温度の上昇との関係が問題となってきている。二酸化炭素発生量の増加の原因は、化石燃料の燃焼により生ずるものが大半である。このため、発電所や化学プラント等においては、環境面から、排ガス中に含まれる二酸化炭素をなるべく大気中に排出させないようにすることが求められている。
特開2000−317302号公報 特開2005−305419号公報
このような中で、例えば石炭焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉等から排出される排ガスの処理に関しては、窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を効率よく除去するとともに、二酸化炭素については効率よく回収する必要があり、有害ガス成分の除去と二酸化炭素の回収とを一連の処理として効率よく連続的に行うことができる排ガスの処理システムが必要とされている。
また例えばLNG焚きボイラ等から排出される排ガスの処理に関しては、窒素酸化物等の有害ガス成分を効率よく除去するとともに、二酸化炭素についても効率よく回収する必要があり、有害ガス成分の除去と二酸化炭素の回収とを一連の処理として効率よく連続的に行うための仕組みが必要とされている。
この発明はこのような背景に鑑みてなされたもので、排ガスから有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収することができる排ガスの処理方法及び排ガスの処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の請求項1にかかる発明は、排ガスの処理方法であって、排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1のプロセスと、前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2のプロセスと、を含み、前記第1のプロセスは、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を、前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換するプロセスを含むこととする。
上記本発明によれば、排ガスの気泡が液面に到達するまでの時間が長くなり、排ガスの気泡がDME中に接触している時間が長くなる。このため、冷却効果、脱水効果が高められるとともに、排ガスからの有害ガス成分の除去効果も高められる。従って、排ガスから有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収することが可能となる。
また、本発明のうち請求項2にかかる発明は、排ガスの処理方法であって、排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物及び硫黄酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物及び前記硫黄酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1のプロセスと、前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2のプロセスと、を含み、前記第1のプロセスは、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換するプロセスを含むこととする。
本発明によれば、排ガスの気泡が液面に到達するまでの時間が長くなり、排ガスの気泡がDME中に接触している時間が長くなる。このため、冷却効果、脱水効果が高められるとともに、排ガスからの有害ガス成分の除去効果も高められる。従って、排ガスから有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収することが可能となる。
また、本発明のうち請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の排ガスの処理方法であって、前記第1のプロセスは、前記渦流発生器によって渦流に変換された前記排ガスの気泡を、前記渦流発生器の上方に設けた略キノコ形状の泡砕器によってより細かい気泡に粉砕するプロセスを含むこととする。
本発明によれば、略キノコ形状の泡砕器によって排ガスの気泡が効率よく砕かれて細かい気泡に粉砕されるため、排ガスとDMEとの間の接触面積が増大し、これにより冷却効果、脱水効果及び有害ガス成分の除去効果が高められる。また、気泡が粉砕されることにより気泡の浮力が弱まり排ガスがDME中に滞留する時間が長くなり、これにより冷却効果、脱水効果及び有害ガス成分の除去効果が高められる。
また、本発明のうち請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の排ガスの処理方法であって、前記渦流発生器は、中空円筒状の本体部分の内側に形成されており、前記泡砕器は、前記渦流発生器よりも上方の前記本体部分の内部の所定位置に突出させて設けられていることとする。
本発明によれば、泡砕器が渦流発生器の上方に突出させて設けられていることで、排ガスの気泡が効率よく泡砕器に接触し、気泡をより細かい気泡に効率よく粉砕することができる。
また、本発明のうち請求項5にかかる発明は、請求項1または2に記載の排ガスの処理方法であって、前記貯留槽の上方内部には、気体が溜まる空間が設けられ、前記貯留槽の上方には、前記空間に接する前記排ガスの排出口が設けられ、前記排ガスの排出口と前記貯留槽に貯留される液体の液面との間に、前記液面から前記排出口を隠す遮蔽板が設けられていることとする。
このように遮蔽板が設けられていることで、排ガスの気泡が液体表面で破裂した場合等に飛散する液滴が排ガス排出口に到達し、排ガスにDMEが混入してしまうのを防ぐことができる。
また、本発明のうち請求項6にかかる発明は、請求項1または2に記載の排ガスの処理方法において、前記第1のプロセスにより前記排ガスから分離される前記有害ガス成分を、前記冷却媒体は気化させるが前記有害ガス成分は気化させない温度に昇温することにより前記有害ガス成分と前記冷却媒体とを分離するプロセスと、前記有害ガス成分から分離される前記冷却媒体を、前記排ガスを流通させる前記冷却媒体として循環させるプロセスと、
を含むこととする。
本発明によれば、冷却媒体から有害ガス成分を効率よく分離することができる。また、冷却媒体を効率的に循環利用することができる。
また、本発明のうち請求項7にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1の装置と、前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2の装置と、を含み、前記第1の装置は、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を、前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換する装置を含むこととする。
また、本発明のうち請求項8にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、 排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物及び硫黄酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物及び前記硫黄酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1の装置と、前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2の装置と、を含み、前記第1の装置は、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換する装置を含むこととする。
また、本発明のうち請求項9にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、請求項7または8に記載の排ガスの処理方法であって、前記第1の装置は、前記渦流発生器によって渦流に変換された前記排ガスの気泡を、前記渦流発生器の上方に設けた略キノコ形状の泡砕器によってより細かい気泡に粉砕する装置を含むこととする。
また、本発明のうち請求項10にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、請求項9に記載の排ガスの処理システムであって、前記渦流発生器は、中空円筒状の本体部分の内側に形成されており、前記泡砕器は、前記渦流発生器よりも上方の前記本体部分の内部の所定位置に突出させて設けられていることとする。
また、本発明のうち請求項11にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、請求項7または8に記載の排ガスの処理システムであって、前記貯留槽の上方内部には、気体が溜まる空間が設けられ、前記貯留槽の上方には、前記空間に接する前記排ガスの排出口が設けられ、前記排ガスの排出口と前記貯留槽に貯留される液体の液面との間に、前記液面から前記排出口を隠す遮蔽板が設けられていることとする。
また、本発明のうち請求項12にかかる発明は、排ガスの処理システムであって、請求項7または8に記載の排ガスの処理システムにおいて、前記第1の装置により前記排ガスから分離される前記有害ガス成分を、前記冷却媒体は気化させるが前記有害ガス成分は気化させない温度に昇温することにより前記有害ガス成分と前記冷却媒体とを分離する装置と、前記有害ガス成分から分離される前記冷却媒体を、前記排ガスを流通させる前記冷却媒体として循環させる装置と、を含むこととする。
本発明によれば、排ガスから有害ガス成分を効率よく除去し、かつ、二酸化炭素を効率よく回収することができる。
以下、本発明の実施形態につき図面とともに詳細に説明する。
<<実施例1>>
図1に本発明の第1実施形態として説明する排ガス処理システムの概略的な構成を示している。この排ガス処理システムによれば、発電所や化学プラント等における、石炭焚きボイラ・重油焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉等の排ガス発生源10から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスについて、当該排ガスに含まれる水分や有害ガス成分を効率よく確実に除去するとともに、排ガスに含まれる二酸化炭素(CO)を効率よく確実に回収することができる。
本実施形態の排ガス処理システムは、まず前プロセスとして、排ガス発生源10から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスを、熱交換器11及び凝縮器(コンデンサ)13に収容される工業用水に導入することにより室温程度に冷却する。次に第1のプロセスとして室温程度に冷却された排ガスを、脱水塔17において二酸化炭素を固化させない第1の温度に冷却することにより、排ガスに含まれる水分、窒素酸化物、及び硫黄酸化物を液化または固化させて、これらを排ガスから分離する。さらに第2のプロセスとして、水分、窒素酸化物、及び硫黄酸化物を分離した前記排ガスを二酸化炭素分離装置30に導入し、ここで排ガス中に含まれている二酸化炭素を冷却固化させて分離するとともに、分離した二酸化炭素を液化して排出する。
上記第1のプロセスにおいて分離される有害ガス成分には、上記冷却媒体が混在しているが、本システムでは、冷却媒体及び有害ガス成分の気化温度差を利用する蒸発法により有害ガス成分と冷却媒体とを分離して回収し、回収した冷却媒体を再び冷却媒体として循環させて用いることで冷却媒体の有効利用を図っている。なお、蒸発法では加熱エネルギーが必要であるが、冷却媒体として沸点の低いものを採用することによって加熱エネルギーを削減することができる。
上記第2のプロセスにおいて排ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収するためには、水分や有害ガス成分を液化もしくは固化させる際に、二酸化炭素が液化又は固化してしまわないようにすることが必要である。ここで火力発電所排ガス中の二酸化炭素は、所定の温度以下でドライアイスとなる。そこで、二酸化炭素を固化させてしまわないようにするために、脱水塔17出口のガス温度は上記所定温度よりも高温とする。
上記第1のプロセスにおいて、液化又は固化した有害ガス成分と冷却媒体とを分離するためには、上記冷却媒体は有害ガス成分を液化又は固化させる温度においても固化しない性質であることが必要である。また有害ガス成分を効率よく液化または固化させるべく、上記冷却媒体は有害ガス成分を吸収しやすい性質を有している必要がある。さらに、排ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく上記第2のプロセスで回収すべく、上記冷却媒体は二酸化炭素が溶けにくい性質である必要がある。
これらの要求を満たす物質としては、例えばジメチルエーテル(以下、DMEと称する)、無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、臭素化合物(臭化リチウム、臭化ブロム等)、エーテル類(ジメチルエーテル、メチルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール等)、シリコンオイル類、パラフィン系炭化水素(プロパン、正ブタン等)、オレフィン系炭化水素、トルエン、エチルベンゼン等がある。なお、冷却媒体から液化もしくは固化した有害ガス成分を分離するためには、冷却媒体と有害ガス成分との沸点差が大きい方が有利である。このような観点から、上記冷媒としてはエーテル類、アルコール類が好適である。
図2は二酸化炭素濃度が10%の模擬ガスをDMEに流通させた場合における、模擬ガス中の二酸化炭素の濃度変化を示している。模擬ガス中の二酸化炭素の濃度は、模擬ガスのDMEへの流通開始時は模擬ガスがDMEに溶け込むために一時的に低下するが、その後は時間とともに次第にDMEに流通させる前の濃度(10%)に近づく。これはDME中の二酸化炭素が飽和状態になるとそれ以上DME中に二酸化炭素が溶けにくくなるからである。なお、DMEが窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を吸収しやすいことを確認すべく、本発明者らは有害ガス成分を含んだ模擬ガス(二酸化窒素:60ppm、二酸化硫黄:80ppm、アンモニア:10ppm)をDME中に流通させる試験を行った。その結果、流通開始後、1時間ほどで模擬ガス中の有害ガス成分が全て1ppm以下になることが確認された。
次にこの排ガスの処理システムの具体的な処理プロセスについて順に説明する。まず前プロセスにおいて、石炭焚きボイラや重油焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉等の排ガス発生源10から排出される、窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を含む排ガスが、熱交換器11に導入される。熱交換器11には海水ポンプ12によって供給される海水(例えば25℃)、及び、冷凍器40から循環供給されるエチレングリコール等の冷媒が導かれている。排ガス発生源10から導かれる排ガス(例えば55℃)は、熱交換器11を通過することにより上記海水及び冷媒によって室温程度に冷却される。
冷却された排ガスは、次に凝縮器(コンデンサ)13に導かれる。凝縮器13において、排ガスは当該凝縮器13に収容されている工業用水に導入される。これにより当該排ガスに含まれている水分、有害ガス成分、煤塵等が除去される。排ガスから除去された水分、有害ガス成分、煤塵等を含んだ液化水は、排水槽14に貯留された後、排水ポンプ15により排水処理装置50に導かれる。そして凝縮器13を通過した排ガスは、排ガスファン16(ブロワー)によって脱水塔17へと導かれる。なお、凝縮器13における工業用水との熱交換により排ガスは室温程度から例えば5℃にまで冷却される。
脱水塔17では、排ガスについて脱水(除湿)及び有害ガス成分の除去が行われる。なお、排ガス中の水分を脱水することで、後に行われる排ガス中の二酸化炭素の回収プロセスにおいて、二酸化炭素を効率よく回収することができる。
脱水塔17において、排ガスは脱水塔17の下方側から導入される。脱水塔17に導入された排ガス(例えば5℃)は、脱水塔17内に満たされているDMEにバブリング方式により流通される。そしてDMEと熱交換することにより排ガスは冷却される。このときの冷却温度は、排ガス中の水分や窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害ガス成分については液化もしくは固化させるが、二酸化炭素については固化させない温度である。このような温度に排ガスを冷却することで、有害ガス成分については液化または固化されて排ガスから分離されるが、二酸化炭素については気体のまま排ガス中に残留することになる。脱水塔17の上方に浮上してくる二酸化炭素を含んだ排ガスは、後述するリバーシブル熱交換器23へと導かれる。
脱水塔17内のDMEは、DME冷却塔18から循環的に供給される。DME冷却塔18には、冷凍機40で冷却された冷媒(液体窒素)が循環ポンプ19により循環的に供給される。DME冷却塔18において、DMEは前記冷媒と熱交換することにより冷却される。
脱水塔17において排ガスが流通されたDMEは、DME分離塔20へと導かれる。このDMEは液化または固化した水分及び有害ガス成分を含んでいる。DME分離塔20に導かれたDMEは、ここで海水と間接的に熱交換されて昇温される(例えば−20℃)。この温度において、水分及び有害ガス成分は液体または固体であり、DMEは気体となる。このため、DMEはDME分離塔20の上方に浮上して他成分と分離される。浮上したDMEは、DME分離塔20の上方から回収され、DME冷却塔18に導かれた後、さらに脱水塔17に導かれる。DMEはこのようにして循環させて再利用され、これにより系全体として冷却媒体が効率よく利用されることになる。
図3Aに本実施形態の脱水塔17の構成を示している。同図において、DMEが貯留される中空円筒状の貯留槽171は、ステンレス製(例えばSUS304)である。貯留槽171の高さは1800mm、直径457.2mmである。貯留槽171の内部を貯留槽171の外部から熱的に遮断するため、貯留槽171の側面1711は2層構造になっている。各層の間隔は25.4mmとしている。貯留槽171の上部には、貯留槽171の上部を封止する上部蓋体1712が、また貯留槽171の底部には、貯留槽171の底部を封止する底部蓋体1713が設けられている。
底部蓋体1713の所定位置には、排ガスを貯留槽171の内部に導入するための排ガス導入口17131が設けられている。この排ガス導入口17131には、排ガスファン16に繋がる配管1741が接続している。配管1741には貯留槽171に導入する排ガスの流量を調節するための調節弁17411が設けられている。
貯留槽171の内部には、その一端が排ガス導入口17131に接続し、水平方向に三方に分岐させた配管1743(1)〜(3)が設けられている。また、各配管1743(1)〜(3)のそれぞれには、所定位置に排ガス吹出口17431(1)〜(3)が設けられている。また各排ガス吹出口17431(1)〜(3)の部分にはエアレータ172(1)〜(3)が設けられている。
貯留槽171内部の側面1711の上方寄りの所定位置には、DMEを貯留槽171の内部に導入するための冷媒導入口17141が設けられている。冷媒導入口17141には、他端がDME冷却塔18に接続する配管1742が接続している。また貯留槽171内部の貯留槽171の側面1711の下方寄りの所定位置には、貯留槽171の内部の液体を貯留槽171の外部に搬出するための冷媒排出口17142が設けられている。また冷媒排出口17142には、他端がDME分離塔20に接続する配管1744が接続している。
貯留槽171の上部蓋体1712の所定位置には、冷却媒体中を浮上して貯留槽171の上方の空間に溜まった二酸化炭素を含んだ排ガスを貯留槽171の外部に排出するための排ガス排出口17121が設けられている。排ガス排出口17121には、他端がリバーシブル熱交換器23に接続する配管1745が接続している。また貯留槽171の内部の上方には、その外周が貯留槽171の側面1711に外接する三日月状の遮蔽板1715が排ガス排出口17121を隠すように設けられている。
図3Bにエアレータ172の側断面を示している。エアレータ172は、中空円筒状の本体部分1721と、本体部分1721を貯留槽171の底部の蓋体1713に固定するための直角三角形状の固定部材1722と、を含んで構成されている。エアレータ172の本体部分1721及び固定部材1722は、いずれもステンレス製(例えばSUS304)である。固定部材1722の直角部分を挟む短辺は、螺子止めや溶接等によって下部蓋体1713に固定されている。また固定部材1722の直角部分を挟む長辺は、本体部分1721の外側面に螺子止めや溶接等によって固定されている。貯留槽171の底面から本体部分1721の上部までの長さは350mmとしている。
エアレータ172の本体部分1721の上部及び底部はいずれも開口している。本体部分1721は、その底部が蓋体1713の上面から所定距離離間する位置に設けられている。すなわち、本体部分1721と蓋体1713との間には、貯留槽171内部に満たされている液体が流通可能な程度の隙間が設けられている。エアレータ172の本体部分1721は、排ガス吹出口17431の直上に設けられている。すなわち、エアレータ172は、排ガス吹出口17431から吹き出す排ガスが本体部分1721の中空内部に確実に取り込まれる位置に設けられている。
エアレータ172の本体部分1721の内部の下方位置には、渦流発生器17211が設けられている。渦流発生器17211は、螺旋状に形成された羽根状部を有しており、この羽根状部に沿って流体が流れることによって流体は渦流に変換される。本体部分1721の内側面の渦流発生器17211の上方には、排ガスの気泡をより細かい気泡に粉砕する複数のキノコ形状の泡砕器17212が突設されている。
次に、以上に説明した図3Aの構成からなる脱水塔17によって行われる脱水処理及び有害ガス成分の除去処理について説明する。脱水塔17には、冷媒導入口17141から導入され冷媒排出口17142から排出されることにより循環的に供給されるDMEが貯留されている。一方、貯留槽171の排ガス導入口17131には、排ガスファン16によって加圧搬送された排ガスが随時供給されている。排ガス吹出口17431から導入される排ガスは、気泡となって貯留槽171に満たされているDME中を浮上する。この気泡は、DMEとともにエアレータ172の本体部分1721の内部の渦流発生器17211において渦流に変換される。また渦流となった気泡は渦流発生器17211の直上に設けられている泡砕器17212によってより細かい気泡に粉砕される。
なお、排ガス導入口17131からの排ガスの導入に伴う流勢によって本体部分1721と蓋体1713との間の隙間から連続的にDMEが流入し、エアレータ172の周囲には定常的な循環流が発生する。この循環流によって、排ガスの気泡は効率よく渦流発生器17211へと導かれる。
DME中を浮上した排ガスの気泡は、DMEの液面に到達すると、貯留槽171の上方に気体として溜まる。この気体は上部蓋体1712と遮蔽板1715との間を通って排ガス排出口17121へと導かれ、排ガス排出口17121から貯留槽171の外部に排出される。なお、遮蔽板1715は、排ガスの気泡が液体表面で破裂した場合等に飛散する液滴が排ガスに混入し、排ガスとともに排ガス排出口17121から排出されてしまうのを防ぐために設けている。
以上の構成からなる脱水塔17について、図3Cに示す試験装置を構成することにより性能測定を行った。試験装置は、脱水塔17、模擬ガス(窒素ガスN)に水分を添加する水分添加装置1731、水分添加装置1731において水分が添加された模擬ガスにSO、NOを添加する有害ガス添加装置1732、有害ガス添加装置1732を通過した後の模擬ガス中の水分、SO、NOを測定する第1の測定装置1733、及び脱水塔17を通過後の模擬ガス中の水分、SO、NOを測定する第2の測定装置1734を含む構成とした。また試験に際し、模擬ガス(キャリアガス)として窒素ガスNを200l/分の流量で水分添加装置1731に導入した。表1に脱水性能についての試験結果を示す。
Figure 2007268445
表1に示すように、脱水塔17入り口での水分濃度が1.1%であるのに対して、脱水塔17出口での水分濃度は0.2%となっており、脱水塔17による脱水効果を確認することができた。表2にSO除去性能についての試験結果を示す。
Figure 2007268445
表2に示すように、脱水塔17入り口でのSO濃度が54.9ppmであるのに対して、脱水塔17出口でのSO濃度は5.0ppmとなっており、脱水塔17によるSO除去効果を確認することができた。表3にNO除去性能についての試験結果を示す。
Figure 2007268445
表3に示すように、脱水塔17入り口でのNO濃度が42.2ppmであるのに対して、脱水塔17出口でのSO濃度は7.6ppmとなっており、脱水塔17によるNO除去効果を確認することができた。表4に脱水塔17の冷却性能についての試験結果を示す。
Figure 2007268445
表4に示すように、排ガス導入口における排ガスの温度が23.7℃であるのに対し、排ガス排出口における排ガスの温度は−83.6℃となっており、本実施形態の脱水塔17が高い冷却性能を有することが確認できた。
なお、以上に説明した構成からなる本実施形態の脱水塔17は、次のような効果を奏する。すなわち、渦流発生器17211において気泡が渦流に変換されることで、排ガスの気泡が液面に到達するまでの時間が長くなり、排ガスの気泡がDME中に接触している時間が長くなる。このため、冷却効果、脱水効果が高められるとともに、排ガスからの有害ガス成分の除去効果も高められることとなる。また、本実施形態の脱水塔17によれば、泡砕器1721によって排ガスの気泡が砕かれるため排ガスとDMEとの間の接触面積が増大し、これによっても冷却効果、脱水効果及び有害ガス成分の除去効果が高められる。また、気泡が粉砕されることにより気泡の浮力が弱まって排ガスがDME中に滞留している時間が長くなり、相乗的に冷却効果、脱水効果、及び有害ガス成分の除去効果が高められることとなる。
DME分離塔20内に残留した水分(液体または固体)及び有害ガス成分は、輸送ポンプ21により成分分離塔22に導かれる。ここで水分及び有害ガス成分は、海水と間接的に熱交換されて昇温される(例えば5℃)。この温度において、水分及び二酸化窒素は液体であり、二酸化硫黄は気体となる。昇温されて気体となった二酸化硫黄は成分分離塔22の上方から排出された後、熱交換器11へと導かれ、排ガス発生源10から導かれる排ガス(例えば55℃)を冷却するための冷媒として利用される。このように二酸化硫黄が冷媒として利用されることで、系全体としてのエネルギー消費量が抑えられることになる。
冷媒として利用された後の排ガスは、熱交換器11で熱交換されて例えば45℃に昇温され、その後は煙突51に導かれて系外に排出される。また成分分離塔22内に残留する二酸化硫黄以外の液化水や二酸化窒素等の有害ガス成分は、排水処理装置50へと導かれる。
脱水塔17の上方に浮上してくる二酸化炭素を含んだ排ガスは、リバーシブル熱交換器23へと導かれる。脱水塔17からリバーシブル熱交換器23に導かれた排ガスは、ここで冷却された後、二酸化炭素分離装置30に導かれる。二酸化炭素分離装置30は、排ガス中に含まれている二酸化炭素を分離するとともに分離した二酸化炭素を液化して排出する。二酸化炭素分離装置30の詳細な構成及び機能については後述する。
液化されて排出された二酸化炭素は液化炭酸貯槽27に送られて貯留される。一方、二酸化炭素分離装置30において二酸化炭素が分離された後の排ガスは、リバーシブル熱交換器23に導入されて冷媒として用いられた後、熱交換器11に導かれる。排ガスは熱交換器11において再び冷媒として利用された後、煙突51から系外に大気放出される。ここでこの大気放出は、系内での排ガスの蓄積を緩和するためにその一部を系外に逃がすものである。従って放出される排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度は非常に低い。
ところで、上述した冷凍機40は、冷媒としての窒素ガスを冷却する。冷凍機40は、例えば電気エネルギー等のエネルギーによって繰り返し圧縮・膨張させることにより窒素ガスを冷却する。冷却により製造された液体窒素は、熱交換器11に循環されるエチレングリコールの冷却や、DME冷却塔18、ドライアイスサブリメータ24などに循環される当該液体窒素とは別系統で流通される液体窒素等の冷媒の冷却に用いられる。冷凍機40は、タービン式の圧縮機41(窒素昇圧機)、循環窒素圧縮機42、冷媒を膨張させて低温を得る冷凍装置43、冷媒である液体窒素とエチレングリコールや別系統で流通される液体窒素とを熱交換させる熱交換器44等を備える。
以上に説明したように、本実施形態の排ガス処理システムにあっては、石炭焚きボイラ、重油焚きボイラ、製鉄所における高炉、コークス炉、転炉等から排出される窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスについて、当該排ガスに含まれる水分や有害ガス成分を効率よく除去することができる。また、このように水分や有害ガス成分を効率よく除去しつつ、排ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収することができる。
なお、以上の説明において、排ガスからの除去対象となる有害ガスとしては、例えば、一酸化炭素、一酸化窒素等の他の窒素酸化物(NO)、一酸化硫黄等の他の硫黄酸化物(SOX)、フッ化水素などのハロゲン化合物等があり、二酸化炭素の固化温度及び有害ガス成分の液化又は固化温度を適切に設定し、上記の冷却媒体として適切なものを選択することにより、これらの有害ガス成分を効率よく除去することができる。
<二酸化炭素分離装置30>
二酸化炭素分離装置30の構成及び機能について詳述する。図3Dは本発明の一実施形態として説明する二酸化炭素分離装置30の概略的な構成である。本図において、耐圧容器310は縦・横・高さがそれぞれ数m程度の略直方体形状の金属製(例えばステンレス)の容器である。耐圧容器310の上面所定位置には、リバーシブル熱交換器23から導かれた排ガスを流入させるガス流入口321が設けられている。一方、耐圧容器310の下面所定位置には、排ガス中に含まれる二酸化炭素以外の成分を耐圧容器310の外部に排出するガス排出口322が設けられている。さらに耐圧容器310の下面所定位置には、上記ガス排出口322とは別に、耐圧容器310の底に溜まる液化した二酸化炭素を排出するための液体排出口323が設けられている。なお、ガス流入口321から流入した排ガスを耐圧容器310内に所定時間以上滞在させるべく、ガス排出口322はガス流入口321から所定距離だけ離間させた位置に設けられている。
ガス流入口321に連結する配管(ガス流入管331)には、排ガスの流入量を調節する制御バルブ341が設けられている。またガス排出口322に連結する配管(ガス排出管332)には、排ガスの流出量を調節する制御バルブ342が設けられている。また液体排出口323に連結する配管(液体排出管333)には、排出させる液体の二酸化炭素の量を調節する制御バルブ343が設けられている。これら制御バルブ341,342,343の全てを閉じることにより耐圧容器310内は完全に密閉された状態となる。
耐圧容器310の内部には、冷媒である液体窒素(LN)を流通させる金属製(例えば銅もしくはステンレス)の冷媒流通管(冷却器)312が配管されている。なお、上記冷媒となる液体窒素は冷凍機40から供給される。冷媒流通管312の上流には、冷媒の流量を制御する制御バルブ344が設けられている。冷媒流通管312は、耐圧容器310の内部に流通させる排ガスとの間の接触面積を十分に確保すべく、耐圧容器310の内部において2本に分岐させている。冷媒流通管312は耐圧容器1の内部で蛇行させてあり、これによってもガスとの間の接触面積が十分に確保されるようにしている。
耐圧容器310の壁面には伝熱管(伝熱器)313が埋設されている。伝熱管313の上流には伝熱管313に流通させる熱媒体の流量を制御する図示しない制御バルブが設けられている。上記熱媒体は例えば乾き空気であり、熱媒体は熱源314から伝熱管313に輸送されてくる。なお、冷凍機40から循環されている冷媒を上記熱媒体として用いることで、系全体としてのエネルギーの有効利用が図られる。また伝熱管313は耐圧容器310の壁面に埋設するのではなく、耐圧容器310の内部に設けるようにしてもよい。また伝熱管313に代えて電熱式のヒータ(例えばシリコンゴムヒータ、フッ素樹脂ヒータ)を用いてもよい。
耐圧容器310には、耐圧容器310内のガスの温度を計測するセンサ、冷媒流通管312表面の温度を計測するセンサ等、各種のセンサが設けられている。各センサの出力値は、図示しない計測機器やコンピュータに入力され、オペレータによってモニタされている。また耐圧容器310の所定位置には図示しない小窓が設けられ、ここから耐圧容器310の内部の様子を目視できるようになっている。
次に図4に示すプロセスフローとともに、上記二酸化炭素分離装置30を用いて行われる、排ガス中に含まれる二酸化炭素を分離するプロセスについて説明する。なお、初期状態では、制御バルブ341,342,343は全て閉じられているものとする(S401)。
まず制御バルブ344を開き、冷媒流通管312への冷媒(液体窒素)の流通を開始する(S402)。ここでは二酸化炭素は固化するが、窒素酸化物等の有害ガス成分については液化しない温度に冷媒流通管312の表面の温度を低下させる。図5は二酸化炭素(二酸化炭素)のT−P(温度−圧力)線図である。同図に示すように、二酸化炭素の昇華点は1atmで−78.5℃である。従って1atmを前提とした場合、冷媒流通管312の表面温度は少なくとも−78.5℃以下とする。
冷媒流通管312の表面温度が上記温度に達すると、次に制御バルブ341及び制御バルブ342を開いて制御バルブ341から二酸化炭素を分離しようとするガスを流入し、耐圧容器310へのガスの流通を開始する(S403)。ここで耐圧容器310を流通するガスは冷媒流通管312によって冷却され、ガス中に含まれる二酸化炭素が冷媒流通管312の外面にドライアイス350として析出してくる(S404)。一方、耐圧容器310内に流入された排ガスは耐圧容器310内を移動して制御バルブ342から耐圧容器310の外に排出される(S405)。
冷媒流通管312の表面に析出したドライアイス350の量が所定量に達したところで(S406:YES)、制御バルブ341及び制御バルブ342を閉じて耐圧容器310を密閉する(S407)。また制御バルブ344を閉じて冷媒流通管312の冷媒(液体窒素)の流通を停止する(S408)。なお、ドライアイス350の析出量が所定量に達したかどうかの判断は、例えば小窓から耐圧容器310内を目視したり、所定時間が経過しりしたことをもって行う。
次に制御バルブ345を開いて伝熱管313に熱媒体を流通させ(S409)、耐圧容器310内の温度を上昇させる。耐圧容器310内の温度上昇に伴い、冷媒流通管312の表面に析出していたドライアイス350が気化(昇華)し始める(S410)。一方、ドライアイス350が気化することによって耐圧容器310内の圧力は上昇する。ここで図9に示すように、二酸化炭素の三重点は、5.11atm/−56.6℃である。このため、ドライアイス350が気化して耐圧容器310内が三重点における温度及び圧力より高い温度及び圧力になると、耐圧容器310内の二酸化炭素の一部が液化し始め、液化により生じた液体の二酸化炭素が耐圧容器310の底に溜まり始める(S411)。
次に冷媒流通管312の表面に析出しているドライアイス350が完全に気化もしくは液化したところで(S411:YES)制御バルブ343を開放する。これにより耐圧容器の底に溜まった二酸化炭素(液体)が耐圧容器310内圧によって液体排出口323から耐圧容器310の外に排出される(S413)。なお、ドライアイス350が完全に気化もしくは液化したかどうかの判断は、例えば小窓からの耐圧容器310内の目視や所定時間が経過したことをもって行う。また液体排出口323に連結する液体排出管33内を二酸化炭素が液体の状態のまま保たれる圧力及び温度としておくことで、二酸化炭素を液体の状態に保ったまま耐圧容器310の外に排出することができる。
以上に説明したように、本実施形態の二酸化炭素分離装置30によれば、ガス中に含まれる二酸化炭素を効率よく分離することができる。なお、制御バルブ344及び伝熱管313の制御バルブ345を閉じ、再びS401からのプロセスを繰り返すことにより、リバーシブル熱交換器23から次々に導かれてくる排ガスについて連続して二酸化炭素を分離することができる(S414:NO)。
上記二酸化炭素分離装置30によれば、二酸化炭素の固化及び液化を同じ耐圧容器310内で行うことができる。また二酸化炭素分離装置30は、以上に説明したように装置構成が単純であるので、低コストで実施することができる。また上記二酸化炭素分離装置30では、ドライアイス350を伝熱管(冷媒流通管312)の外面に析出させるようにしているため、伝熱管313の管路が閉塞されることもなく、連続運転や自動運転を実施し易い。また特別な液化装置を用いることなく、運搬や貯留に便利な液体の状態で二酸化炭素を排出することができる。
なお、例えば、制御バルブ341〜345をそれぞれ電磁バルブとするとともに、各電磁バルブを制御するための制御ラインをコンピュータに接続し、コンピュータのハードウエアや当該ハードウエアで動作する制御ソフトウエアにより上記電磁バルブを遠隔制御するようにしてもよい。また、上記各種センサの出力値に基づいて、上述したプロセスの全部又は一部を自動実行させるようにしてもよい。
<<実施例2>>
図6に本発明の第2実施形態として説明する排ガス処理システムの概略的な構成を示している。この排ガス処理システムによれば、発電所や化学プラント等における、LNG焚きボイラ等の排ガス発生源10から排出される窒素酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスについて、当該排ガスに含まれる水分や有害ガス成分を効率よく除去するとともに、排ガスに含まれる二酸化炭素(CO)を効率よく回収することができる。
排ガス処理システムは、前プロセスとして、排ガス発生源10から排出される、窒素酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスを、熱交換器11及び凝縮器(コンデンサ)13に収容される工業用水に導入することにより室温程度に冷却する。次に第1のプロセスとして、室温程度に冷却された排ガスを、脱水塔17において二酸化炭素を固化させない第1の温度に冷却することにより、排ガスに含まれる水分、窒素酸化物を液化または固化させて、これらを排ガスから分離する。さらに第2のプロセスとして、水分及び窒素酸化物を分離した前記排ガスを、二酸化炭素分離装置30に導入し、ここで排ガス中に含まれている二酸化炭素を冷却固化させて分離するとともに、分離した二酸化炭素を液化して排出する。
次にこの排ガスの処理システムの具体的な処理プロセスについて順に説明する。 まず前プロセスにおいて、LNG焚きボイラ等の排ガス発生源10から排出される、窒素酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスが、熱交換器11に導入される。熱交換器11には、海水ポンプ12によって供給される海水(例えば25℃)、及び、冷凍機40から循環されるエチレングリコール等の冷媒が導かれている。排ガス発生源10から導かれる排ガス(例えば55℃)は、熱交換器11を通過することにより上記海水や冷媒によって室温程度に冷却される。
冷却された排ガスは、次に凝縮器(コンデンサ)13に導かれる。凝縮器13において、排ガスは当該凝縮器13に収容されている工業用水に導入される。これにより当該排ガスに含まれている水分、有害ガス成分、煤塵等が除去される。排ガスから除去された水分、有害ガス成分、煤塵等を含んだ液化水は、排水槽14に貯留された後、排水ポンプ15により排水処理装置50に導かれる。そして凝縮器13を通過した排ガスは、排ガスファン16によって脱水塔17へと導かれる。なお、凝縮器13における工業用水との熱交換により排ガスは室温程度から例えば5℃にまで冷却される。
脱水塔17では、排ガスについて脱水(除湿)及び有害ガス成分の除去が行われる。脱水塔17としては、例えば、図3A、図3Bに示した構造のものが用いられる。なお、排ガス中の水分を脱水することで、後に行われる排ガス中の二酸化炭素の回収プロセスにおいて、二酸化炭素を効率よく回収することができる。
脱水塔17において、排ガスは脱水塔17の下方側から導入される。脱水塔17に導入された排ガス(例えば5℃)は、脱水塔17内に満たされているDME(例えば、−90℃)に、バブリング方式により流通される。そしてDMEと熱交換することにより排ガスは冷却される。ここでこの温度において、排ガス中の水分や有害ガス成分については液化もしくは固化するが、二酸化炭素は凝固しない。このため、水分、二酸化窒素は液化または固化して排ガスから分離されるが、二酸化炭素は気体のまま排ガス中に残留することになる。なお、脱水塔17の上方に浮上してくる二酸化炭素を含んだ排ガスは、リバーシブル熱交換器23に導かれる。
脱水塔17内のDMEは、DME冷却塔18から循環的に供給される。DMEはDME冷却塔18で冷却される。DME冷却塔18には、冷凍/熱交換器45において冷却された冷媒(液体窒素)が循環ポンプ19により循環されており、DMEは、前記冷媒との間の熱交換により冷却される。
脱水塔17において排ガスが流通されたDMEは、固液分離装置28へと導かれる。なお、この段階では、DME及び水分及び有害ガス成分の固化物は、シャーベット状態(スラリー)になっている。固液分離装置28では、DMEと上記固化物とが分離される。固液分離装置28により分離された後のDMEは、これを再利用するために、DME分離塔20に導かれる。なお、DME分離塔20へと導かれるDME中には、水分及び有害ガス成分が幾分残留している。
脱水塔17からDME分離塔20に導かれたDMEは、ここで海水と間接的に熱交換されて昇温される(例えば5℃)。ここでこの温度では、水分及び有害ガス成分については液体または固体であるが、DMEは気体である。このため、DMEは気体となってDME分離塔20の上方に浮上し、これによりDMEは他の成分と分離される。DME分離塔20の上方に浮上してくるDMEは、DME分離塔20の上方から回収されてDME冷却塔18へと導かれた後、再び脱水塔17へと循環的に導かれる。このようにしてDMEは循環的に再利用されることとなる。このように冷却媒体としてのDMEが循環的に再利用されることで、本実施形態の排ガス処理システムは、系全体として冷却媒体が効率よく利用されて運用されることになる。一方、DME分離塔20内に残留した、液体または固体の水分及び有害ガス成分については排水処理装置50に導かれる。
一方、脱水塔17からリバーシブル熱交換器23に導かれた排ガスは、ここで冷却された後、二酸化炭素分離装置30に導かれる。二酸化炭素分離装置30は、排ガス中に含まれている二酸化炭素を分離するとともに分離した二酸化炭素を液化して排出する。二酸化炭素分離装置30の詳細な構成及び機能については上述したものと同様である。
液化されて排出された二酸化炭素は、液化炭酸貯槽27に送られて貯留される。一方、二酸化炭素分離装置30において二酸化炭素が分離された後の排ガスは、リバーシブル熱交換器23に導入されて冷媒として用いられた後、熱交換器11に導かれる。排ガスは熱交換器11において再び冷媒として利用された後、煙突51から系外に大気放出される。ここでこの大気放出は、系内での排ガスの蓄積を緩和するためにその一部を系外に逃がすものである。従って放出される排ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度は非常に低い。
ところで、上述した冷凍/熱交換器45では、LNGの気化熱を利用して、熱交換器11に循環されるエチレングリコールや、DME冷却塔18、ドライアイスサブリメータ24などに循環される液体窒素等の冷媒を冷却している。例えば、LNGをガス燃料として用いている発電所において、LNGは例えば−150℃〜−165℃の液体の状態で輸送されてLNGタンク60等に貯留される。ここでLNGをガス燃料として使用する際には、大気や海水から気化熱を得て昇温させて気化するが、冷凍/熱交換器45は、この際の気化熱を利用してエチレングリコールや液体窒素等の冷媒を冷却している。つまり排ガスもしくは冷却媒体は、LNGをガス燃料として用いた場合に生じる気化熱を利用して冷却されている。なお、LNGの気化熱を利用して排ガスに含まれる二酸化炭素を固化・分離する技術については、例えば、特開平8−12314号公報等に記載されている。
以上に説明したように、本実施形態の排ガス処理システムにあっては、LNG焚きボイラ等から排出される、窒素酸化物等の有害ガス成分を含んだ排ガスについて、当該排ガスに含まれる水分や有害ガス成分を効率よく除去することができる。また排ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収することができる。
なお、以上の説明では、排ガスからの除去対象となる有害ガス成分が、二酸化窒素である場合について説明したが、例えば、一酸化炭素、一酸化窒素等の他の窒素酸化物(NO)、フッ化水素などのハロゲン化合物等、他の有害ガス成分についても、上記の冷却媒体を適切に選択することによって、本実施例と同様の仕組みを適用することができる。
また例えば、制御バルブ341〜344をそれぞれ電磁バルブとするとともに、各電磁バルブを制御するための制御ラインをコンピュータに接続し、コンピュータのハードウエアや当該ハードウエア上で動作する制御ソフトウエアにより上記電磁バルブを遠隔制御するようにしてもよい。また、上記各種センサの出力値に基づいて、上述したプロセスの全部又は一部を自動実行させるようにしてもよい。
以上の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
本発明の一実施形態よる排ガス処理システムの概略的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態による二酸化硫黄濃度が80ppmの模擬ガスをDME中に流通させた場合における模擬ガス中の二酸化硫黄の濃度変化の測定結果を示す図である。 本発明の一実施形態による脱水塔17の構成を示す図である。 本発明の一実施形態によるエアレータ172の構造を説明するエアレータ172の側断面図である。 本発明の一実施形態による脱水塔17の性能を調べるための試験装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態による二酸化炭素分離装置30の概略的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態による二酸化炭素分離装置30を用いて行われる排ガス中に含まれる二酸化炭素を分離するプロセスを説明するプロセスフローを示す図である。 二酸化炭素のT−P(温度−圧力)線図を示す図である。 本発明の一実施形態よる排ガス処理システムの概略的な構成を示す図である。
符号の説明
10 排ガス発生源
11 熱交換器 13 凝縮器(コンデンサ)
14 排水槽 16 排ガスファン(ブロワー)
17 脱水塔 171 貯留槽
1711 側面 1712 上部蓋体
1713 下部蓋体 17121 排ガス排出口
17131 排ガス導入口 17141 冷媒導入口
17142 冷媒排出口 1715 遮蔽板
172 エアレータ
1721 本体部分 17211 渦流発生器
17212 泡砕器 1722 固定部材
18 DME冷却塔 20 DME分離塔
22 成分分離塔 23 リバーシブル熱交換器
27 液化炭酸貯槽 28 固液分離装置
30 二酸化炭素分離装置 40 冷凍機
44 熱交換器 45 冷凍/熱交換器
50 排水処理装置 51 煙突

Claims (12)

  1. 排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1のプロセスと、
    前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2のプロセスと、
    を含み、
    前記第1のプロセスは、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を、前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換するプロセスを含むこと
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  2. 排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物及び硫黄酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物及び前記硫黄酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1のプロセスと、
    前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2のプロセスと、
    を含み、
    前記第1のプロセスは、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を、前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換するプロセスを含むこと
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の排ガスの処理方法であって、
    前記第1のプロセスは、前記渦流発生器によって渦流に変換された前記排ガスの気泡を、前記渦流発生器の上方に設けた略キノコ形状の泡砕器によってより細かい気泡に粉砕するプロセスを含むこと
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  4. 請求項3に記載の排ガスの処理方法であって、
    前記渦流発生器は、中空円筒状の本体部分の内側に形成されており、前記泡砕器は、前記渦流発生器よりも上方の前記本体部分の内部の所定位置に突出させて設けられていること
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  5. 請求項1または2に記載の排ガスの処理方法であって、
    前記貯留槽の上方内部には、気体が溜まる空間が設けられ、前記貯留槽の上方には、前記空間に接する前記排ガスの排出口が設けられ、前記排ガスの排出口と前記貯留槽に貯留される液体の液面との間に、前記液面から前記排出口を隠す遮蔽板が設けられていること
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  6. 請求項1または2に記載の排ガスの処理方法において、
    前記第1のプロセスにより前記排ガスから分離される前記有害ガス成分を、前記冷却媒体は気化させるが前記有害ガス成分は気化させない温度に昇温することにより前記有害ガス成分と前記冷却媒体とを分離するプロセスと、
    前記有害ガス成分から分離される前記冷却媒体を、前記排ガスを流通させる前記冷却媒体として循環させるプロセスと、
    を含むこと
    を特徴とする排ガスの処理方法。
  7. 排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1の装置と、
    前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2の装置と、
    を含み、
    前記第1の装置は、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を、前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換する装置を含むこと
    を特徴とする排ガスの処理システム。
  8. 排ガスを冷却媒体に流通させて、二酸化炭素を固化させないが窒素酸化物及び硫黄酸化物を液化または固化させる第1の温度に冷却することにより前記排ガスに有害ガス成分として含まれる前記窒素酸化物及び前記硫黄酸化物を液化または固化させて前記排ガスから分離する第1の装置と、
    前記排ガスを二酸化炭素を固化させる第2の温度に冷却することにより前記排ガスに含まれる二酸化炭素を固化させて前記排ガスから分離する第2の装置と、
    を含み、
    前記第1の装置は、前記排ガスを冷却媒体が貯留された貯留槽に当該貯留槽の下方から導入し、前記冷却媒体中を浮上する前記排ガスの気泡を前記貯留槽の前記排ガスの導入口の上方に設けた渦流発生器により前記冷却媒体とともに渦流に変換する装置を含むこと
    を特徴とする排ガスの処理システム。
  9. 請求項7または8に記載の排ガスの処理方法であって、
    前記第1の装置は、前記渦流発生器によって渦流に変換された前記排ガスの気泡を、前記渦流発生器の上方に設けた略キノコ形状の泡砕器によってより細かい気泡に粉砕する装置を含むこと
    を特徴とする排ガスの処理システム。
  10. 請求項9に記載の排ガスの処理システムであって、
    前記渦流発生器は、中空円筒状の本体部分の内側に形成されており、前記泡砕器は、前記渦流発生器よりも上方の前記本体部分の内部の所定位置に突出させて設けられていること
    を特徴とする排ガスの処理システム。
  11. 請求項7または8に記載の排ガスの処理システムであって、
    前記貯留槽の上方内部には、気体が溜まる空間が設けられ、前記貯留槽の上方には、前記空間に接する前記排ガスの排出口が設けられ、前記排ガスの排出口と前記貯留槽に貯留される液体の液面との間に、前記液面から前記排出口を隠す遮蔽板が設けられていること
    を特徴とする排ガスの処理システム。
  12. 請求項7または8に記載の排ガスの処理システムにおいて、
    前記第1の装置により前記排ガスから分離される前記有害ガス成分を、前記冷却媒体は気化させるが前記有害ガス成分は気化させない温度に昇温することにより前記有害ガス成分と前記冷却媒体とを分離する装置と、
    前記有害ガス成分から分離される前記冷却媒体を、前記排ガスを流通させる前記冷却媒体として循環させる装置と、
    を含むこと
    を特徴とする排ガスの処理システム。

JP2006098391A 2006-03-31 2006-03-31 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム Withdrawn JP2007268445A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006098391A JP2007268445A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006098391A JP2007268445A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007268445A true JP2007268445A (ja) 2007-10-18

Family

ID=38671793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006098391A Withdrawn JP2007268445A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007268445A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010016500A1 (ja) * 2008-08-07 2010-02-11 東京エレクトロン株式会社 原料回収方法、及び、原料回収のためのトラップ機構
KR20210017902A (ko) * 2019-08-09 2021-02-17 한국에너지기술연구원 유해가스 응축 회수장치 및 회수방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010016500A1 (ja) * 2008-08-07 2010-02-11 東京エレクトロン株式会社 原料回収方法、及び、原料回収のためのトラップ機構
US8408025B2 (en) 2008-08-07 2013-04-02 Tokyo Electron Limited Raw material recovery method and trapping mechanism for recovering raw material
KR20210017902A (ko) * 2019-08-09 2021-02-17 한국에너지기술연구원 유해가스 응축 회수장치 및 회수방법
KR102241119B1 (ko) * 2019-08-09 2021-04-19 한국에너지기술연구원 유해가스 응축 회수장치 및 회수방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2005082493A1 (ja) 排ガスの処理方法、排ガスの処理システム、二酸化炭素の分離方法、及び二酸化炭素分離装置
US8702847B2 (en) Systems and methods for extraction of carbon dioxide from air
US7699909B2 (en) Systems and methods for extraction of carbon dioxide from air
US8544284B2 (en) Method and apparatus for waste heat recovery and absorption gases used as working fluid therein
JP4916138B2 (ja) 発電システム
JP5639814B2 (ja) 脱co2設備付き火力発電システム
JP2016522742A (ja) 蒸発脱離プロセス用の土壌ボックス
JP2019076810A (ja) 酸性ガス除去装置及び酸性ガス除去方法
JP2005279641A (ja) 排ガスから水分及び有害ガス成分を除去する方法及びシステム
US5389264A (en) Hydraulic energy dissipator for wet oxidation process
JP2005283094A (ja) 排ガスの処理方法及びシステム
JP2005279640A (ja) 排ガスの処理方法及びシステム
JP2007268445A (ja) 排ガスの処理方法及び排ガスの処理システム
JP2005305419A (ja) 排ガスの処理システム
JP2007069059A (ja) ガスの処理方法及びシステム、ならびに二酸化炭素回収方法及びシステム
JP2005306721A (ja) 二酸化炭素の分離方法及び二酸化炭素分離装置
JP2007069057A (ja) ガスの処理方法及びシステム、ならびに二酸化炭素回収方法及びシステム
WO2005082492A1 (ja) 排ガスから水分及び有害ガス成分を除去する方法及びシステム
JP2007069058A (ja) ガスの処理方法及びシステム、ならびに二酸化炭素回収方法及びシステム
JP5897142B2 (ja) 蒸気供給システム及びこれを備えたco2回収設備
JP2003324994A (ja) エネルギープラント
KR20130110840A (ko) 선박의 폐열 회수 시스템
JPWO2017038397A1 (ja) 排ガス処理装置およびガス捕捉材劣化状況推定方法
JP2007069057A5 (ja)
JP6322100B2 (ja) 気体分離装置及び気体分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090602