JP2007268439A - スパイラル熱交換器一体型吸着装置 - Google Patents

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礼 速水
Susumu Shishikura
進 宍倉
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Abstract

【課題】 装置のサイズが限定されるという問題を解決し、ガスの吸着処理量が多い大型の吸着装置を提供する。
【解決手段】 複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3と、複数の金属板2e,2e’で形成された薄型ロール状の中空容器に吸着剤4を充填した吸着材室2とを、円筒状本体1内にロールが相互に密着するように設置し、前記熱媒体室3の外周端3c、及び内周端3dに熱媒体導排出管3a,3bを夫々接続し、さらに、前記吸着材室2の外周端2d、及び内周端2cにガス導排出管2a,2bを夫々接続してある。熱媒体hは、熱媒体室3の外周端3cより導入され、熱媒体室3の内周端3dより排出される。一方、被処理ガスg1は、吸着剤室2の内周端2cより導入され、吸着剤室2の外周端2dへと排出される向流接触となるように形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスの分離、精製等を行う吸着装置において、多量のガスを吸着処理することのできる吸着装置を提供するものである。
フロンガスや有機塩素系溶剤(四塩化炭素、クロロホルム等)の排出規制、PRTR(環境汚染物質排出・移動登録)法の施工など昨今の環境浄化に関する法規制は一層厳しくなっている。これに伴い、工場などからの溶剤ガス等の排出ガスの回収再利用などの対策が行われてきている。
このようなガスの処理方法として、吸着法、吸収法、深冷法などがあるが、吸着法は、吸収法のような薬剤の取扱いがないこと、深冷法のような極低温を必要としないことから広く使われている。
この吸着法には、温度スイング吸着(TSA:Thermal Swing Adsorption)方式、圧力スイング吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)方式、圧力温度スイング吸着(PTSA:Pressure and Thermal Swing Adsorption)方式がある。
TSA方式は、吸着ガス成分を脱着させる際に吸着剤を加熱、昇温させるものであり、PSA方式は、吸着ガス成分を脱着させる際に吸着剤層の圧力を吸着時よりも低くするものである。また、PTSA方式は、温度を高くし、吸着時より圧力を低くして吸着ガス成分を脱着させるものである。
以上の原理を、図1を参照して説明する。
TSA方式は、圧力を一定(不変)として温度を操作するものであり、例えば、吸着処理を常温・常圧で行い、脱着処理は高温・常圧で行うものである。この場合、吸着処理時の平衡吸着量Aと加熱脱着処理時の平衡吸着量Bとの差(A−B)が脱着できるガス量、言い換えれば吸着処理可能なガス量となり、これを一般的に有効吸着量と言う。
これに対し、PSA方式は、温度を一定(不変)として圧力を操作するものであり、吸着処理を例えば常温・常圧で行い、脱着処理は常温・低圧で行うものである。吸着処理時の平衡吸着量Aと加熱脱着処理時の平衡吸着量Cとの差(A−C)がPSA方式の有効吸着量である。
また、PTSA方式は、温度と圧力の両方を操作するものであり、吸着処理を例えば常温・常圧で行い、脱着処理は高温・低圧で行うものである。すなわち、吸着処理時の平衡吸着量Aと加熱・減圧脱着処理時の平衡吸着量Dの差(A−D)がPTSA方式の有効吸着量である。このように、PTSA方式が最も有効吸着量が多いという特徴がある。
これは、同じガスを処理する場合、PTSA方式の所要吸着剤量が最も少ないことを意味し、言い換えれば吸着装置が最も小さくて済むということである。ただし、実際の装置設計でどの方式を採用するかは、吸着槽の大きさのみならず、処理するガスの性状(成分、温度、圧力等)、機器類(ポンプ、バルブ等)や配管の大きさ、設備のユーティリティー使用量(熱媒体、計装空気等)、所要動力等の経済評価によって決定される。
一方、前記各方式の吸着装置として、円筒状タンク等に吸着剤(例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等)を充填した吸着装置が知られている。
このような吸着装置により排ガス等を処理する場合、一般的には2基の吸着装置を用いて、排ガスの処理(排ガス中の目的成分の吸着分離。以下、吸着工程という。)と、吸着剤に吸着した成分の脱着(吸着剤の再生工程に相当する。以下、脱着工程という。)を交互に行う。
先ず、吸着工程では、吸着装置に排ガスを流通させ目的の成分を吸着させる。この際、吸着装置からは吸着成分を含まないガスが流出する。この操作を延々と続けると、やがて吸着剤が飽和に達し、吸着していた成分が流出しだす。そのため、出口側でガス組成がある許容範囲を超える前に吸着工程を終了させ、次の脱着工程に移行する。
脱着工程では、吸着剤を加熱、及び/若しくは減圧を行うことで吸着した成分を吸着剤から脱離させる。この際、必要に応じてパージガスを流通させることもある。溶剤回収装置の場合、一般的には、吸着装置に直接スチームを吹き込んで吸着成分を脱離させ、コンデンサによりスチームと共に液化して回収している。
ところで、このような吸着装置における吸着原理上の課題として、吸着処理の際にガスの吸着に伴う吸着剤の発熱と、脱着処理の際に吸着剤の低温化といった現象ある。吸着剤の発熱は、ガスの吸着が発熱反応であることに起因するものであるが、吸着工程において、吸着剤の温度が上昇すると吸着能力の低下といった問題が生じ、さらには吸着剤に活性炭を用いた場合、吸着成分によっては発火するといった危険性がある。他方、吸着剤の低温化は特にPSA方式の課題であり、吸着されたガスの脱着に熱が使われるので吸着剤が低温化し、吸着ガス成分が脱着し難くなるというものである。従って、吸着処理では吸着工程での吸着剤の除熱と脱着工程での吸着剤の加温が吸着装置の稼動効率を上げるのに有効であることが知られている。
発明者らは、このような問題を解決すべく、熱交換器一体型吸着装置を提案している(例えば、特許文献1。)。この吸着装置はPTSA方式による運転を採用している。
この熱交換器一体型吸着装置は、図5に示す如く、プレートフィン型熱交換器20からなり、複数の隔壁プレート21と、該隔壁プレート21によって一段おきに形成される熱媒体室24Aと、該熱媒体室24Aにその流れ方向と同方向に設けられる伝熱フィン22Aと、前記熱媒体室24Aと90°異なる処理吸着剤室24Bと、該処理吸着剤室24Bにその流れ方向と同方向に設けられた伝熱フィン22Bと、前記処理吸着剤室24Bに充填される吸着剤23とから主として構成されている。
そして、処理ガス26(排ガス等)は、処理吸着剤室24Bに導入され、該流路24Bを通過する間に吸着剤23によって処理ガス中の被吸着物質が吸着され、精製ガス27となって精製ガス出口から排出される。次に、前記被吸着物質を吸着した吸着剤23は、熱媒体室24Aを流れる熱媒体25によって加熱されると共に減圧手段により減圧され、吸着物質の脱着が行われた後、常温・常圧に戻されて再生処理がなされる。
前記熱媒体としては、吸着工程での除熱用に例えば水が、脱着工程での加熱用に例えばスチームを使用することができる。
吸着工程時の加熱および脱着工程時の冷却は、各流路24A,24Bに設けられた伝熱フィン22A,22Bによる伝熱面積を大きく形成できるから、短時間で吸着剤23の加熱・除熱ができるので、吸着・脱着のサイクル時間が短いという特徴がある。また、直接スチームを吸着剤層に流すことがないので、脱離成分にスチーム由来の水分が混入することがない。
ところで、このプレートフィン型熱交換器は、表面にろう剤層を有する材料(伝熱フィン22A,22Bおよび隔壁プレート21)を交互に積層し、真空炉にて加熱処理(ロウ付け)することにより製造される。そのため、製作できる熱交換器の大きさ、伝熱フィンの大きさ(高さ、ピッチ間隔)が制限されている。例えば、隔壁プレートは1500mm角、伝熱フィンは高さ20mm程度、そのピッチ間隔は10mm程度、積層は80層程度が製造上の上限である。
すなわち、大型のプレートフィン型熱交換器の製造ができないので、多量のガスを処理する場合には、多数の吸着装置を並列して運転しなければならない。さらに、伝熱フィン22A,22Bの大きさの制限から、伝熱フィン22Bと隔壁プレート21とによる空間に充填できる吸着剤23は、充填可能な吸着剤の形状や大きさ、さらにその量が制限されてしまい、大きくとも2〜3mm程度の大きさのものしか使用できない。
それに加え、伝熱フィン22Bの連続する屈曲により、この伝熱フィン22Bと隔壁プレート21とのロウ付け箇所周囲に吸着剤23の未充填箇所を生じ、被吸着物質が吸着剤に吸着されることなく排出されてしまうショートパス現象が発生するおそれがある。
特公平6−85848号公報
本発明は、装置のサイズが限定されるという前記の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ガスの吸着処理量が多い大型の吸着装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明に係るスパイラル熱交換器一体型吸着装置は、
1)複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3と、複数の金属板2e,2e’で形成された薄型ロール状の中空容器に吸着剤4を充填した吸着材室2とを、円筒状本体1内にロールが相互に密着するように設置し、前記熱媒体室3の外周端3c、及び内周端3dに熱媒体導排出管3a,3bを夫々接続し、さらに、前記吸着材室2の外周端2d、及び内周端2cにガス導排出管2a,2bを夫々接続したことを特徴とする。
2)複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3と、複数の金属板2e,2e’で形成されその上部が開放されている薄型ロール状の容器に吸着剤4を充填した吸着剤室2とを、円筒状本体1内にロールが相互に密着するように設置し、前記熱媒体室3の外周端3c、及び内周端3dに熱媒体導排出管3a,3bを夫々接続し、さらに、前記吸着剤室2の少なくとも上端に吸着剤室密閉部材5を備えたことを特徴とする。
3)複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3を円筒状本体1に設置し、前記熱媒体室3の外周端3c、及び内周端3dに熱媒体導排出管3a,3bを夫々接続し、前記円筒状本体1内の熱媒体室3以外の空間に吸着剤4を充填し吸着剤室2とし、前記円筒状本体1の上下にガス導排出管2a,2bを夫々接続したことを特徴とする。
本発明に係る吸着装置は、従来の吸着装置のような製造時のロウ付けが不要であって、装置の製作サイズが限定されることがない。従って、大型の装置が容易に製作でき、吸着剤の充填量を多くして多量のガスを処理することができる。
〔実施例1〕
次に、本発明に係る第1形態の吸着装置Kについて図2を参照して説明する。
この吸着装置Kは、複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3と、複数の金属板2e,2e’で形成された薄型ロール状の中空容器に吸着剤4を充填した吸着材室2とを、円筒状本体1内にロールが相互に密着するように設置してある。また、前記熱媒体室3の外周端3c、及び内周端3dに熱媒体導排出管3a,3bを夫々接続し、さらに、前記吸着材室2の外周端2d、及び内周端2cにガス導排出管2a,2bを夫々接続してある。
熱媒体hは、熱媒体室3の外周端3cより導入され、熱媒体室3の内周端3dより排出される。一方、被処理ガスg1は、吸着剤室2の内周端2cより導入され、吸着剤室2の外周端2dへと排出される。この場合は、熱媒体hの流れと被処理ガスg1の流れとが向流となるように配置しているが、この他に併流となるような配置もある。但し、吸着効率の面からは、向流の方が好ましい。
また、前記吸着剤4が充填され被処理ガスg1が流通する吸着剤室2の導排出管2bには、この吸着剤室2内を減圧する真空ポンプが設置され、さらに、脱着工程時に脱着された溶剤ガスg3等を冷却・濃縮して回収する手段が導排出管2b側の導入管路に設置されていることが好ましい。
この吸着剤室2は、例えば、下端2iのみを溶接した金属板2eをロール状に成形し、溶接していない上端2hの隙間より吸着剤4を充填し、充填後に上端2hを溶接し密閉するのが好ましい。
前記熱媒体hは、高温(例えば、120〜150℃)の熱媒体と常温(例えば、20〜40℃)の熱媒体とが交互に使用される。熱媒体hとしては、高温用としてスチーム、常温用として水の組み合わせ、若しくは熱媒油(シリコーンオイル等)を適宜、加熱、冷却して使用することもできるが、これらに限られるものではない。
前記吸着剤4としては、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル等を使用することができる。その形状は、球形(2〜10mm程度)、ビーズ(極小さい球形:2mm以下)、円柱ペレット(直径1〜10mm、長さ2〜15mm)、不定形破砕物(最大長さ10mm以下)等、種々のものを使用することができる。
〔吸着工程の解説〕
このように構成されたガス吸着装置Kの吸着工程の一例として、常圧・常温下で熱媒体油を使用した溶剤回収装置を図4を参照して説明する。この図は、本発明の第1形態に係る吸着装置Kを適用した溶剤回収装置Pの概略図である。脱着処理と吸着処理とを平行して行えるようにガス吸着装置Kは2基設置されている。
この溶剤回収装置Pにおいて、吸着装置Kの吸着剤4の吸着熱を除熱するための常温(例えば、30℃)の熱媒体油h2が吸着装置K1の熱媒体室3に供給され、吸着剤室2内は常温に保持される。吸着剤室2には、吸着剤4として活性炭が使用され、この活性炭が充填された吸着剤室2に溶剤等の被吸着成分を含む被処理ガスg1(例えば、トルエンを3000ppm程度含む空気)が導入管路12aを介して導入される。この際、吸着剤室2内を流通する被処理ガスg1は、この吸着剤室2に充填された活性炭により吸着され、次第にそのトルエン濃度が低下し、浄化された処理ガスg2となって排出口2bから排出される。
活性炭等の吸着剤はトルエン等の被吸着物質を吸着する際に発熱するが、吸着剤室2と熱媒体室3とが積層状に交互に配置、間接的に吸着剤4が冷却され、かつ、その流れは向流であるので効率よく除熱される。
前記吸着剤4(活性炭)の吸着能力が低下し、処理ガスg2中に含まれる被吸着成分(トルエン等)の濃度が所定濃度(例えば、25ppm)に達したら、導入管路12aのバルブを操作して他方の吸着装置K2に被処理ガスg1を導入させる。この間に前記吸着装置K1の吸着剤4の再生処理(脱着処理)が行われる。
〔脱着工程の解説〕
脱着工程(吸着剤の再生処理)は、PTSA方式の場合、その特徴である減圧・高温下で行われる。
詳しくは、先ず、吸着剤室2の導排出管2b側管路12aに設置された真空ポンプVにより常圧から所定圧力にまで減圧(例えば、大気圧→20kPa)すると共に、常温の熱媒体油h2を前記他方の吸着装置K2側に供給するようにバルブを操作し、脱着工程を行う吸着装置K1に高温の熱媒体h1を供給し、間接的に吸着剤4が加熱される(例えば、30℃→120℃)。
この減圧・高温を保持しながらさらにパージガスg(空気、窒素等)をパージガス管路15から排出管路13aに供給し、前記真空ポンプVでこのパージガスgを吸引すると一層効率が良い。
そして、前記減圧・高温により吸着剤4から脱着した溶剤ガスg3(トルエン)は、前記パージガスgと共に導入口12aから回収管路14へ排出され、この回収管路14に設置したコンデンサ16と溶剤回収タンク17からなる回収手段により液化されて回収される。このようにして吸着剤4の再生と、吸着ガス成分の回収が同時になされる。
回収手段による溶剤の回収が終わったら、バルブを操作して真空ポンプVによる減圧を終了し、パージガスgにより装置K1の吸着剤室2内を常圧にまで戻す。また、ガス吸着装置K1への高温の熱媒体h1の導入を終了し、常温の熱媒体油h2を流通させて装置K1内を常温にまで冷却する。
そして、この間に吸着工程を行っている前記他方のガス吸着装置K2の吸着能力が低下してきたら、前記脱着工程により吸着剤4を再生した吸着装置K1に被処理ガスg1を供給する。このように2基の吸着装置K1,K2を交互に吸着・脱着処理を繰返させながら連続的に溶剤回収装置Pは運転される。
本発明に係る吸着装置Kによると、吸着装置の製作の過程で真空加熱炉によるロウ付けが不要となり、大容量のものを容易に製作することができる。結果、吸着装置に充填される吸着剤4の量を多くすることができるので、吸着装置の数を増やすことなく多量のガスを処理することができる。
また、吸着剤室2の内部に吸着剤4が充填できない微細部分がないので、被処理ガスg1中の吸着成分がショートパスするおそれがない。
また、多種多彩な形状の吸着剤を使用することができるので、多様なガス処理に対応することができる。この場合、処理するガス成分によっては複数の吸着剤を充填しても良い。
さらに、ガス流と熱媒体流とが向流に供給されており、熱交換効率がよいので、被処理ガスg1を大量に導入する際(吸着処理)の温度コントロールと、吸着剤を再生する際(脱着処理)の温度コントロールが安定して行え、装置の安定した運転をすることができる。
なお、本実施例では、溶剤回収装置Pに適用したものを説明したが、これに限られるものではない。例えば、一般的な2塔式吸着装置(不図示)に適用することもできる。この場合は、真空ポンプに溶剤回収手段が設置されていないという違いだけで、吸着・脱着工程は本実施例と同様であるので説明は省略する。
さらにまた、本実施例では、吸着剤充填後に吸着剤室上端2hを溶接密閉する場合について説明したが、吸着剤室2に上部が開放されている薄型ロール状の容器を用いた場合は、吸着剤密閉部材5を用いて吸着剤室2をシールすることができる。このような吸着剤室は、吸着剤の詰め替えも容易で、吸着剤充填後の上部溶接作業も不要であるため、好ましい吸着室の形態である。なお、吸着剤室密閉部材5の密閉部分は、耐熱性パッキン等を備え、吸着剤室を形成する金属板の上端はシール性を確保できるよう肉厚構造としておくことが好ましい。
〔実施例2〕
次に、本発明に係る第2形態の吸着装置Kについて図3を参照して説明する。
この吸着装置Kは、複数の金属板3e,3e’で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室3を円筒状本体1に設置してある。また、円筒状本体1内の熱媒体室3以外の空間に吸着剤4を充填し吸着剤室2とし、さらに、円筒状本体1の上下にガス導排出管2a,2bを夫々接続してある。
この場合、熱媒体hは、熱媒体室3の外周端3cより導入され、熱媒体室3の内周端3dより排出される。一方、被処理ガスg1は、吸着剤4が充填された円筒状本体1の上部のガス導排出管2aより導入され、下部のガス導排出管2bより排出される。
また、熱媒体h、及び吸着剤4については、第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
〔吸着工程の解説〕
このように構成されたガス吸着装置Kの吸着工程は、常圧・常温下で行われ、その操作は第1形態と同一であるので説明は省略する。
ただしこの場合、被処理ガスg1は吸着剤を支持している吸着剤密閉部材5を通り抜けるため、吸着剤密閉部材5は、パンチングメタルやメッシュ等の通気性のある材料で構成される必要がある。
〔脱着工程の解説〕
脱着工程(吸着剤の再生処理)は、PTSA方式の場合、その特徴である減圧・高温下で行われ、その操作は第1形態と同一であるので説明は省略する。
本発明に係る吸着装置によると、吸着剤の充填が更に容易になる。
また、円筒状本体1内に吸着剤4が充填できない微細部分がないので、ガスがショートパスするおそれがない。
なお、本実施例ではPTSA方式によるものについて説明したが、TSA方式やPSA方式による運転をすることもできる。
更にまた、本実施例では竪型の吸着装置について説明したが、横置きにして使用することもできる。このことにより、薄型ロール状容器内に充填される吸着剤の片寄りを一層防止することができる。
(従来例との比較)
次に、表1に本発明に係る吸着装置の一実施例と従来例とを示す。実施例及び従来例はPTSA方式の2塔式の溶剤回収装置である。
Figure 2007268439
従来例は、製作可能な最大サイズのステンレス鋼製の吸着装置(図5に示すようなプレートフィン熱交換器一体型吸着装置)を用いた。隔壁プレートサイズは1500mm角、伝熱フィン高さは20mm、伝熱フィンピッチは10mmであり、被処理ガス流路24Bと熱媒体流路24Aとを合わせて80層(高さ1000mm)である。
実施例は、従来例と設置面積が同程度のサイズのステンレス鋼製の吸着装置(第1形態)を用いた。吸着剤室2と熱媒体室3とのピッチは15mm、被処理ガスg1と熱媒体hとは向流であり、ロールの直径1600mm、ロールの高さ3000mmである。
運転条件は、被処理ガスg1はトルエン3370ppm含有空気(常圧)、吸着処理温度40℃(常圧)、脱着処理温度120℃(20kPa)である。吸着剤には活性炭を用い、シース熱電対(Kタイプ)を塔内に設置して吸着剤層の温度を測定した。
計測データは、温度、圧力、トルエン濃度、ガス流速であり、各々、シース熱電対(Kタイプ)、半導体歪ゲージ式センサー内蔵の圧力計、水素炎イオン検出法による全炭化水素連続測定装置、およびガスメータを用いた。
試験方法は、導入ガスを吸着装置に導入し、排出される処理ガス中に含まれるトルエン濃度が25ppmを超えたときの流量(m3N)を比較した。
結果、従来例の流量は1500m3Nが上限であり、実施例は7000m3Nであった。設置面積は本発明と従来例は同様であるが、その処理能力は従来例の4倍以上であった。
吸着方式による有効吸着量の比較 本発明に係る吸着装置の一実施形態における概略構成図である。 本発明に係る他の吸着装置の一実施形態における概略構成図である。 本発明に係る吸着装置あるいは本発明に係る他の吸着装置を適用した溶剤回収装置の一実施形態における概略構成図である。 従来の吸着装置の概略構成図である。
符号の説明
g パージガス g1 被処理ガス g2 処理ガス
g3 脱着ガス h 熱媒体 h1 高温熱媒体
h2 常温熱媒体油 V 真空ポンプ K 吸着装置
1 円筒状本体 2 吸着剤室
2a,2b ガス導排出管 2c 吸着剤室内周端
2d 吸着剤室外周端 2e,2e’ 金属板
2f 吸着剤層 2h 上端 2i 下端 3 熱媒体室
3a,3b 熱媒体導排出管 3c 熱媒体室外周端
3d 熱媒体室内周端 3e,3e’ 金属板 4 吸着剤
5 吸着剤室密閉部材 5a,5b 溝 8 被処理ガス供給ブロワ
9 処理ガス排出ブロワ 10a,10b 熱媒体タンク
11a,11b 熱媒体供給管路 12a,12b ガス導入管路
13a,13b ガス排出管路 14 ガス回収管路
15 パージガス供給管路 16 コンデンサ
17 溶剤回収タンク

Claims (3)

  1. 複数の金属板で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室と、複数の金属板で形成された薄型ロール状の中空容器に吸着剤を充填した吸着材室とを、円筒状本体内にロールが相互に密着するように設置し、前記熱媒体室の外周端、及び内周端に熱媒体導排出管を夫々接続し、さらに、前記吸着材室の外周端、及び内周端にガス導排出管を夫々接続したことを特徴とする、スパイラル熱交換器一体型吸着装置。
  2. 複数の金属板で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室と、複数の金属板で形成されその上部が開放されている薄型ロール状の容器に吸着剤を充填した吸着剤室とを、円筒状本体内にロールが相互に密着するように設置し、前記熱媒体室外周端、及び内周端に熱媒体導排出管を夫々接続し、さらに、前記吸着剤室の少なくとも上端に吸着剤室密閉部材を備えたことを特徴とする、スパイラル熱交換器一体型吸着装置。
  3. 複数の金属板で形成された薄型ロール状の中空容器である熱媒体室を円筒状本体に設置し、前記熱媒体室の外周端、及び内周端に熱媒体導排出管を夫々接続し、前記円筒状本体内の熱媒体室以外の空間に吸着剤を充填し吸着剤室とし、前記円筒状本体の上下にガス導排出管を夫々接続したことを特徴とする、スパイラル熱交換器一体型吸着装置。
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