以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図17により説明する。本実施形態は、小売店での商品の価格を会計処理する会計システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態の無線タグ及びこれに記憶した無線タグ情報を読み取る無線タグ情報読み取り装置を備えた会計システムの全体概略を表すシステム構成図である。
図1に示すこの例において、この会計システム1はスーパーマーケットなどの小売店において配置されるものであり、商品2の会計処理を行うためのレジスタ3と、このレジスタ3に適宜の通信ネットワークNWを介して接続されたデータベース6とから構成されている。
商品(対象物)2には、その定価が印字されている定価タグラベル(第1無線タグ回路素子を備えるタグラベル)Tbと、時間サービスなどで定価から値引きする値引き額が印字されている値引タグラベル(第2無線タグ回路素子を備えるタグラベル)Thとの2つが貼付されている(タグラベルTb,Thの詳細構造については後述する)。定価タグラベルTbは商品2が商品棚に陳列されている間に常に貼付されるものであり、一方、値引タグラベルThは商品2が陳列されている間のうちの所定の時間の経過後(又はある時間帯限定で一時的に)商品に貼付されるものである。なお、商品2に添付するのは必ずしもタグラベル形式には限られず、例えばカード形式等の他の形式で同等の機能をもつ無線タグであってもよい。
レジスタ3は、この例では、無線通信を介し、商品2(対象物)に定常的に貼り付けられるタグラベルTbに備えられる無線タグ回路素子(対象用無線タグ回路素子としての第1無線タグ回路素子、図2参照)、及び、商品2に一時的に貼り付けられるタグラベルThに備えられる無線タグ回路素子To(変更用無線タグ回路素子としての第2無線タグ回路素子、図2参照)から読み取った識別情報(以下、タグIDという)の検出を行う(=無線タグ情報読み取り装置としての機能)とともに、そのタグIDに基づいて会計計算を行い、さらにタグラベルTb,Th自体を作成するタグラベル作成装置としての機能も備えている。
すなわち、レジスタ3は、各タグラベルTb,Thと無線通信によりそれぞれのIC回路部150に記憶されている情報を読み取るための読み取り装置側アンテナとしてのアンテナ(この例では平面アンテナ)4と、後述する操作部、表示部、レシート印字部及びタグラベル作成部とを備えたレジスタ本体5と、タグラベル作成部(タグラベル作成装置)11と、操作者からの指示や情報が入力される操作部(設定信号入力手段)14と、各種金額などの情報やメッセージを表示する表示部(表示手段)15と、販売した商品2の品目や金額の詳細をロール紙に印字してレシート18として出力するレシート印字部16とを有している。このとき、レジスタ本体5は通信ネットワークNWを介して上記データベース6と接続されており、各無線タグ回路素子Toから読み取ったタグIDに対応する各種の情報を授受可能となっている。また、操作部14には、数字を入力するテンキー(特に図示せず)の他に、開始スイッチ31、終了スイッチ32、会計スイッチ33、定価タグ作成スイッチ34、値引タグ作成スイッチ35、合計スイッチ36が備えられている。
図2は、本実施形態の会計システム1の概略を表す機能ブロック図である。
この図2において、各タグラベルTb,Thは、定価金額又は値引金額が直接印字されているラベル本体149を有し、このラベル本体149の内部にアンテナ151とIC回路部150とで構成される上記無線タグ回路素子Toが内包されている。
レジスタ3のレジスタ本体5は、CPU(中央演算装置、表示信号出力手段)10と、上記タグラベル作成部11と、上記通信ネットワークNWを介してデータベース6との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部12と、例えばRAMやROM等からなるメモリ13と、上記操作部14と、上記表示部15と、上記レシート印字部16と、上記平面アンテナ4を介しタグラベルTb,Thとの無線通信の制御を行うRF通信制御部17とを備えている。
CPU10は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってタグラベルTb,Thの検出処理や対応する情報をデータベース6から取得する処理及び会計処理などを行い、またタグラベル作成部11に対しタグラベルTb,Thを作成する処理を行うようになっている。
データベース6は、CPU(中央演算装置)21と、上記と同様のメモリ22と、各タグラベルTb,Thに関する各種情報を記憶するハードディスク装置23と、上記通信ネットワークNWを介してレジスタ3との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部24とを備えている。
上記の会計システム1において、会計操作時には、会計担当者であるレジスタ3の操作者が商品2を平面アンテナ4の近傍の領域に通過させる(あるいは接触させる)ことで、レジスタ3は平面アンテナ4を介して商品2に貼付されている各タグラベルTb,ThからそれぞれのタグIDを検出し、レジスタ3はそれら検出したタグIDに基づいて対応する定価金額又は値引金額等の情報を通信ネットワークNWを介してデータベース6から取得し会計計算を行う。
また、タグラベル作成操作時には、操作者が商品2の品目をレジスタ3に入力することで、予めデータベース6に各品目に関連付けて設定されている定価金額情報(価格情報、被変更情報、対象物情報)又は値引金額情報(価格変更情報、変更化情報)とそれら情報にそれぞれ対応付けられて設定されているタグIDを通信ネットワークNWを介して取得し、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ(後述)に対して無線タグ回路素子ToのIC回路部150に取得したタグIDを書き込むとともにタグテープの表面に取得した各金額情報を印字してタグラベルTb,Thを作成する。
図3は、上記レジスタ3におけるCPU10、RF通信制御部17、及び平面アンテナ4の詳細構成を表す機能ブロック図である。この図3において、レジスタ3のRF通信制御部17は上記平面アンテナ4を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(少なくともタグIDを含む無線タグ情報)へアクセスするものであり、またレジスタ3のCPU10は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する機能を含み、レジスタ3全体の動作を制御するものである。
RF通信制御部17は、平面アンテナ4を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、平面アンテナ4により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込み)ための搬送波を発生させる水晶振動子215A、CPU10の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU10から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU10からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU10からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯又はマイクロ波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介し平面アンテナ4に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部213は、平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU10に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU10に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のレジスタ3では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
なお、本実施形態では、通信ネットワークNWにケーブル等を使用した有線ネットワークを想定しているが、これに限らず、無線ネットワークを用いてもよく、またこの際、例えば上記RF通信制御部17と周波数帯及び送受信方式の異なるようにしてもよい。
図4は、タグラベル作成部11の概略構成を表す概念的説明図である。この図4において、このタグラベル作成部11は、後述する無線タグ回路素子Toを所定間隔で備えたタグテープ(タグ媒体)303をタグテープロール304に巻回してこのタグテープ303を連続的に供給するカートリッジ300を着脱可能なカートリッジホルダ308と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303(又はこのタグテープ303に貼り合わされる図示しない被印字媒体)のうち各無線タグ回路素子Toに対応した所定領域に所定の印字を行う印字ヘッド305と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うためのアンテナ(通信手段)306及び高周波回路(通信手段)301と、入出力インタフェース310を介して上記CPU10等に接続された制御回路302と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して上記タグラベルTb,Thとするカッタ307と、印字ヘッド305に対向して設けられ、制御回路302により制御されてタグテープ303を搬送する搬送装置(搬送手段)309とを有する。
タグラベル作成部11が備える高周波回路301及び制御回路302は、詳細な説明を省略するが、前述した上記レジスタ3のRF通信制御部17及びCPU10とほぼ同等の機能を備えるものであり、無線タグ回路素子(定価タグラベルTbに備えられる無線タグ回路素子又は値引タグラベルThに備えられる無線タグ回路素子)ToのIC回路部150へのアクセス情報(少なくとも識別情報であるタグIDを含む)をデータベース6から取得し、装置側アンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対して情報書き込みを行う。
図5は、上記各タグラベルTb,Thに共通して備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにレジスタ3の平面アンテナ4と例えばUHF帯やマイクロ波等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ151と、このアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグ側アンテナであるアンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記レジスタ3の平面アンテナ4からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、平面アンテナ4より受信された搬送波を変調し、アンテナ151より反射波として再送信する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
なお、メモリ部155には少なくとも各タグラベルTb,Thを個別に識別するためのタグIDが記憶されており、これらタグIDについては、定価タグラベルTbと値引タグラベルThとの間で区別できる情報となっている。またレジスタ3はこれに対応して、定価タグラベルTbと値引タグラベルThとを区別して検出できるようになっている。
図6は、上記タグラベルTb,Thの全体概略構造の一例を表す図であり、図6(a)は定価グラベルTbの上面図、図6(b)は値引タグラベルThの上面図である。これら図6(a)及び図6(b)において、タグラベルTb,Thは、前述したように、例えば略シート形状のラベル本体149と、このラベル本体149に配置される無線タグ回路素子Toとを備えている。
図6(a)に示すように、定価タグラベルTbのラベル本体149の表側(上面)には、対応する定価印字情報(この例では「定価:300円」)Rbが印字される定価印字領域Abが設けられている。また、図6(b)に示すように、値引タグラベルThのラベル本体149の表側(上面)には、対応する値引印字情報(この例では「値引き:30円」)Rhが印字される値引印字領域(印字領域)Ahが設けられている。なお、これら定価印字情報Rb、値引印字情報Rhの印字は必須ではなく、他に定価や品名などが印字されているラベルが貼付されている場合には文字でなく図形や符号、あるいは単なる色塗り(無色も可能)や模様等であってもよい。
本実施形態の最も大きな特徴は、既に述べたように、商品2に対してその定価をデータベース6から取得するために関連づけられたタグIDを記憶する定価タグラベルTbを商品2に貼付する以外に、所定時間の経過後(又は一時的に)上記定価を変更(値引き又は値上げ)するよう変更処理するための情報に対応する値引タグラベルThを商品2に貼付し、レジスタ3でこれに対応した処理を行うことにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
まず、本実施形態の例において定価タグラベルTbと値引タグラベルThにそれぞれ記憶されている情報と、それらに基づいてレジスタ3が行う情報の処理及び会計計算について説明する。
図7は、商品2に定価タグラベルTbだけが貼付されている場合の情報の処理と会計計算の流れを概念的に表す図である。この図7において、レジスタ3の平面アンテナ4とRF通信制御部17からは定価タグラベルTbに記憶されている物品タグID(タグ識別情報)だけが検出されることになり、レジスタ3はこの物品タグIDに対応する定価金額情報(この例では300円)をデータベース6から通信ネットワークNWを介して取得し、その定価金額をそのまま商品単品の販売価格として会計する。これが通常の場合の商品2の会計計算となる。
そして、例えば期間限定のセールサービスや閉店前の処分サービスなどで商品2に値引タグラベルThをさらに貼付した場合には、図8に示すように、レジスタ3の平面アンテナ4とRF通信制御部17から定価タグラベルTbに記憶されている物品タグIDと、値引タグラベルThに記憶されている変更タグID(変更化情報に対応する情報)とが検出されることになる。レジスタ3は物品タグIDに対応する定価金額情報と変更タグIDに対応する値引金額情報(この例では30円)をそれぞれデータベース6から取得し、これらに基づき定価金額情報を値引金額情報により変更処理するようにして商品単品の販売価格を算出し会計する。
そして、以上の物品タグIDと定価金額情報との関連付け、及び変更タグIDと値引金額情報との関連づけは、予めデータ管理者などがデータベース6に入力して構築されているものとなっている。
図9は、レジスタ3のCPU10によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図9において、例えば操作部14における開始スイッチ31(図1参照)が押下されると、このフローが開始される。
まず、ステップS5において、この例ではレジスタ3の操作部14における会計スイッチ33(図1参照)が押下されているか否かを判定する。操作者が会計操作を行うために会計スイッチ33が押下されている場合には、判定が満たされ、ステップS100の会計処理を行った後にステップS10へ移る。一方、会計スイッチ33が押下されていない場合には、判定が満たされず、そのままステップS10へ移る。
ステップS10では、定価タグラベル作成スイッチ34(図1参照)が押下されているか否かを判定する。操作者が定価タグラベルTbを作成するために定価タグラベル作成スイッチ34が押下されている場合には、判定が満たされ、ステップS200の定価タグラベル作成処理(通常モード)を行った後にステップS15へ移る。一方、定価タグラベル作成スイッチ34が押下されていない場合には、判定が満たされず、そのままステップS15へ移る。
ステップS15では、値引タグラベル作成スイッチ35(図1参照)が押下されているか否かを判定する。操作者が値引タグラベルThを作成するために値引タグラベル作成スイッチ35が押下されている場合には、判定が満たされ、ステップS300の値引タグラベル作成処理(変更タグモード)を行った後にステップS20へ移る。一方、値引タグラベル作成スイッチ35が押下されていない場合には、判定が満たされず、そのままステップS20へ移る。
ステップS20では、終了スイッチ32(図1参照)が押下されているか否かを判定する。操作者がレジスタ3での操作を終了するために終了スイッチ32が押下されている場合には、判定が満たされ、このフローを終了する。一方、終了スイッチ32が押下されていない場合には、判定が満たされず、すなわちまだレジスタ3での操作が継続して行われるものとみなされ、ステップS5へ戻り同じ手順を繰り返す。
図10は、レジスタ3のCPU10が上記ステップS100において実行する会計処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図10において、まずステップS105において、客一人における販売の合計金額Sを0にリセットする。
次にステップS110へ移り、レジスタ3の平面アンテナ4からタグラベルTb,Thを検出したか否かを判定する。タグラベルTb,Thの検出方法についてはここで特に詳しく説明しないが、公知の手法により例えば「Scroll All ID」信号などのような全てのタグラベルTb,Thに対して応答を要求する質問コマンド信号をRF通信制御部を介し平面アンテナ4から送信し、それに対してタグラベルTb,Thが発信する全ての応答信号を同じ平面アンテナ4で受信する。このとき、一つの商品2に貼付されている複数のタグラベルTb,Thを検出できるように、最初の応答信号を受信してからも所定時間範囲の間、タグラベルTb,Thの検出を継続する。そしてこのステップS110では一つでも応答信号が受信されるまでループし、質問信号を繰り返し送信し続ける。
次にステップS115へ移り、上記ステップS110で検出したタグラベルTb,Thからの応答信号に物品タグIDが含まれているか否かを判定する。一つの商品2には必ず定価タグラベルTbが貼付されて物品タグIDが検出されるべきであり、もし物品タグIDが検出されずにそれ以外の応答信号だけが検出されている場合には、判定が満たされず、すなわち定価タグラベルTbが商品2から取れてしまったか又は定価タグラベルTbの検出が失敗したとみなされ、ステップS120で表示部15にエラー表示を行う信号を出力するなどのエラー処理を行い、この会計処理のフローを終了する。一方、物品タグIDが検出されている場合には、判定が満たされ、次のステップS125へ移る。
ステップS125では、検出した物品タグIDに基づいてデータベース6(図中ではDBと省略、以下同様)へアクセスして検索を行い、対応するその商品2の定価金額を示す定価金額情報(図中及び以下の説明では定価金額と省略)をデータベース6から取得し、次のステップS130へ移る。
ステップS130では、上記ステップS110で検出したタグラベルTb,Thからの応答信号に変更タグIDが含まれているか否かを判定する。変更タグIDが含まれていない場合、判定が満たされず、すなわちこの商品2においては定価金額に値引き・値上げ等の変更がないものとみなされてステップS135、ステップS140の変更処理を行わずにそのままステップS145へ移る。一方、変更タグIDが検出されている場合には、次のステップS135、ステップS140の変更処理を行う。
次のステップS135では、検出した変更タグIDに基づいてデータベース6へアクセスして検索を行い、対応するその商品2の値引金額を示す値引金額情報(図中及び以下の説明では値引金額と省略)をデータベース6から取得し、次のステップS140で上記ステップS125で取得した定価金額から値引金額を差し引いて計算する(なお値上げ金額の場合は加算して計算する)。なお、この例では値引金額が定価金額から直接差し引く絶対金額として設定されているが、他にも例えば定価金額に対する割合で値引金額を設定してもよく(例えば10パーセント割引など)、その場合にはその割合で値引金額を計算して定価金額から差し引くよう計算する。また、この値引金額は時間の経過によって変動するように設定してもよく、その場合には特に図示しないがデータベース6に時計機能を持たせて時間の経過に応じて変動させた値引金額情報を取得できるようにする。
次にステップS145へ移り、表示部15に表示制御信号を出力してその時点での定価金額(値引きされている場合は値引金額が引かれた販売金額)を表示させる。また、ここでレシート印刷部16に印刷制御信号を出力してその時点での定価金額(販売金額)をレシート18に印刷させてもよい。このとき商品2の品目や値引金額も合わせて表示・印字させると商品単品における販売金額が明確になる。
次にステップS150へ移り、合計金額Sにその時点の定価金額(販売金額)を加算して次のステップS155へ移る。
ステップS155では、合計スイッチ36(図1参照)が押下されているか否かを判定する。合計スイッチ36が押下されていない場合には、判定が満たされず、すなわち同じ客でまだ会計すべき他の商品2があるとみなされてステップS110へ戻り、同様の手順を繰り返す。一方、合計スイッチ36が押下されている場合には、判定が満たされ、すなわち同じ客が購入する全ての商品2の会計が終わったものとみなされて、次のステップS160で表示部15に制御信号を出力し全ての商品2の販売金額の合計金額Sを表示させ(また合計金額Sをレシート18に印刷させ)、このフローを終了する。
図11は、レジスタ3のCPU10が上記ステップS200において実行する定価タグラベル作成処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図11において、まずステップS205において、図1に示したレジスタ3の操作部14(又は通信ネットワークNWを介して接続した図示しない他のPC端末機の操作部)により操作された、作成する定価タグラベルTbの貼付対象となる商品2の品目を入力(認識)する。なお、上記操作部での操作入力は、品目の名称をキーボードなどからそのまま入力してもよいし、又は例えば全ての品目を列挙したメニューを表示部15に表示してそこから選択して入力するようにしてもよい。
次にステップS210へ移り、ステップS210で入力された商品品目に基づいてデータベース6へアクセスして検索を行い、対応する物品タグIDと定価印字情報Rbをデータベース6から取得し、次のステップS215へ移る。
ステップS215では、タグラベル作成部11(図4参照)の制御回路302に対して指令信号を出力し、タグテープ303に備えられている無線タグ回路素子Toに対して上記ステップS210で取得した物品タグIDを書き込ませるとともにラベル本体149(タグテープ303)の表面の所定領域(定価印字領域Ab)に定価印字情報Rbを印字させる。
そして次のステップS220で、タグラベル作成部11の制御回路302に対し指令信号を出力し、タグラベル作成部11のカッタ307によりタグテープ303を切断させて1つの無線タグ回路素子Toを備えた定価タグラベルTbを作成し、このフローを終了する。
図12は、レジスタ3のCPU10が上記ステップS300において実行する値引タグラベル作成処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図12で示す制御手順は、上記図11で示した定価タグラベル作成処理のフローチャートとほぼ同様であり、以下では主に相違する手順についてのみ説明する。
図12において、まずステップS305においては上記図11のステップS205と同様に商品品目が入力され、次のステップS310では上記図11のステップS210と同様に入力された商品品目に基づいて対応する変更タグIDと値引印字情報Rhをデータベース6から取得する。なお、この値引印字情報Rhの元となる前述した値引金額情報は、例えば、レジスタ3のCPU10が表示部15に対し変更化設定画面を表示する表示信号を表示部15へ出力することで、定価金額情報とともに当該値引金額情報の内容を表示部15に表示させ(=変更化設定画面)、その変更化設定画面を見ながらユーザが操作部14を介してそれら情報内容を予め各種設定しておくようにしてもよい。
このとき、操作部14でのメニュー選択により商品2を選択指定してそれに基づき上記の各種情報を設定するようにしてもよいし、たとえば金額そのものを操作部14から直接入力して金額情報としてデータベース6に設定するようにしてもよい。
次のステップS315では、上記図11のステップS215と同様にタグラベル作成部11へ指令信号を出力し、タグテープ303に備えられている無線タグ回路素子Toに対し取得した変更タグIDを書き込ませるとともにラベル本体149(タグテープ303)の表面の所定領域(値引印字領域)に値引印字情報Rhを印字させる。
そして次のステップS320では、上記図11のステップS220と同様にタグテープ303を切断させて値引タグラベルThを作成し、このフローを終了する。
以上において、図10のフローにおけるステップS110、ステップS125及びステップS135が各請求項記載の情報取得手段に相当し、図10のフローにおけるステップS140が変更処理手段に相当し、図12のフローにおけるステップS315が、書き込み制御手段に相当する。また、図9のフローにおけるステップS10、ステップS15がモード切替手段に相当する。
以上説明したように、本実施形態においては、値引タグラベルThに備えられている無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、その値引タグラベルThが貼付される商品2に係わる定価金額情報をレジスタ3内だけで変更処理するための値引金額情報に対応する変更タグIDが記憶保持されている(なお、値引金額情報自体をIC回路部150に書き込んで記憶保持させるようにしてもよい)。
そして、レジスタ3が、定価タグラベルTbに備えられている無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持された物品タグIDに基づいて当該定価タグラベルTbに関連づけられた商品2に係わる定価金額情報を取得するとともに、上記値引タグラベルThの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されている上記変更タグIDを取得する制御手順(図10のフローにおけるステップS110、ステップS125及びステップS135)を行い、この変更タグIDに基づいて値引金額情報を取得し、この値引金額情報を用いて定価金額情報を変更処理する制御手順(図10のフローにおけるステップS140)を行う。
これにより、もともとの物品タグIDに対応してデータベース6内に記憶されている定価金額情報自体は維持したまま修正する必要がないので、データベース6内の定価金額情報を修正した後に再度元に戻す場合のような煩わしさやデータベース6を操作するための高度の知識を必要とせず、一般ユーザが容易かつ簡便な方法で実質的に定価金額情報の変更を行うことができる。
また本実施形態では特に、上記のように利用に供される定価タグラベルTbや値引タグラベルTh自体を、レジスタ3に備えられているタグラベル作成部11で作成することができる。すなわち、タグラベル作成部11は、タグテープ303を搬送装置で搬送しつつ、アンテナ306を介してタグテープ303に備えられている無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対し、当該無線タグ回路素子Toに対し予め想定された商品2に係わる定価金額情報を変更処理するための値引金額情報に対応する変更タグIDを書き込む制御手順(図12のフローにおけるステップS315)を行い、その無線タグ回路素子Toを用いてタグラベルTb,Thを作成する。
なお、値引タグラベルThの無線タグ回路素子Toに記憶させる情報は、値引金額情報を取得するための変更タグIDではなく値引金額情報そのものを記憶させてもよい。この場合、図13に示す情報の処理と会計計算の流れのように、レジスタ3の平面アンテナ4からは定価タグラベルTbに記憶されている物品タグIDと、値引タグラベルThに記憶されている値引金額情報とが検出されることになり、レジスタ3はデータベース6に対して物品タグIDに基づいて定価金額情報を取得した後すぐに値引金額情報で変更処理することができる。
また、この実施形態では特に、値引タグラベルThのラベル本体149に値引金額情報に関する値引印字情報Rhが印字された値引印字領域Ahを備えていることで、その値引印字領域Ahの印字を見るだけで、ユーザが当該値引タグラベルThがどのような変更機能を備えるかを明確に視覚的に認識することができる。
また、この実施形態では特に、レジスタ3が、上記値引タグラベルThの無線タグ回路素子ToのIC回路部150から上記値引金額情報に対応する変更タグIDを取得した時刻の前後所定時間範囲内に、上記定価タグラベルTbの物品タグIDに基づき上記定価金額情報を取得する。このように、前後所定時間範囲内に取得した定価金額情報については、値引タグラベルThの変更対象として想定された商品2の定価金額情報であるとみなし、値引金額情報を用いて変更処理する。これにより値引タグラベルThの無線タグ回路素子Toに物品タグIDや定価金額情報を必ずしも記憶保持させる必要がなくなって、その記憶容量を低減でき(又は別の用途に使用することができ)、レジスタ3側で照合を行ったりする必要もなくなって構成及び制御内容を簡素化し迅速に処理することができる。
また、この実施形態では特に、タグラベル作成部11において、値引金額情報に対応する変更タグIDの書き込みを行う図12のフローによる値引タグラベル作成処理と、当該値引金額情報に対応する変更タグIDの書き込みを行わない図11のフローによる定価タグラベル作成処理とを切り替える制御手順(図9のフローにおけるステップS10、ステップS15)を行う。これにより、ユーザは、用途やニーズに対応してタグラベルTb,Thの作成処理を選択的に切り替えることで、値引金額情報に対応する変更タグIDを無線タグ回路素子Toに備えた値引タグラベルThと、値引金額情報に対応する変更タグIDを無線タグ回路素子Toに備えない定価タグラベルTbとの両方をおなじタグラベル作成部11で作成することができるので、利便性が向上する。
また、この実施形態では特に、レジスタ3のCPU10が表示部15に対し、定価金額情報及び値引金額情報の内容を設定する変更化設定画面を表示する表示信号を表示部15へ出力することにより、定価金額情報や値引金額情報の内容を表示部15の変更化設定画面に表示し、その変更化設定画面でユーザがそれら情報内容を各種設定可能とすることにより、定価金額情報の変更処理を行う値引タグラベルThの作成作業をさらに容易かつ円滑に行うことができる。
なお、本実施形態のレジスタ3のラベル作成部11に関し、図9のフローにおけるステップS15で操作部14の値引タグラベル作成スイッチ35が押下されているか否かで値引タグラベル作成処理を行うか否かを判断していたが、これに限られず、例えば平面アンテナ4から定価タグラベルTbの物品タグIDが検出されたか否かで判断してもよい。つまり値引タグラベル作成スイッチ35を押下する代わりに、値引きさせたい商品2の定価タグラベルTbを平面アンテナ4近傍の領域に通過し物品タグIDを検出させることで値引タグラベル作成処理を始めることができ、その場合には図12のフローにおいてステップS305を省略し、ステップS310では検出した物品タグIDに基づいて予め関連づけられて設定されている変更タグIDと値引印字情報をデータベース6から取得する(特に図示せず、以降の制御手順は同じ)ようにすればよい。
このように、タグラベル作成部11に接続されたRF通信制御部17及び平面アンテナ4を介して所定の商品2に係る定価タグラベルTbの無線タグ回路素子Toから物品タグIDが検出された場合に、この物品タグIDに基づき当該商品2に対応する変更タグIDがデータベース6から取得されてタグラベル作成部11に入力し、対応する変更タグIDを備えた値引タグラベルThを作成する場合には、各商品2に対応した、変更タグIDを記憶する値引タグラベルThの作成を容易に行うことができ、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
なお、本実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1−1)値引タグラベルThに物品タグIDを記憶させる場合
上記第1実施形態では、値引タグラベルThに値引金額情報に対応する変更タグIDだけを記憶させていたが、本発明はこれに限られず、変更タグIDと併せて商品2の品目を識別可能な物品タグIDも値引タグラベルThに記憶させてもよい。
図14は、物品タグIDを記憶する定価タグラベルTbと物品タグID及び変更タグIDを記憶する値引タグラベルThとが商品(物品)2に貼付されている場合の情報の処理と会計計算の流れを概念的に表す図である。この図14において、レジスタ3の平面アンテナ4からは定価タグラベルTbに記憶されている第1物品タグIDと、値引タグラベルThに記憶されている第2物品タグID及び変更タグIDが検出されることになる。
そしてレジスタ3は第1物品タグIDと第2物品タグIDとを照合し、それらが一致するか否か(同じ商品品目に対応するタグIDであるか否か)を判定する。一致しない場合は、値引タグラベルThが当該商品2に対応していないものであるとみなしてエラー処理を行う。一致する場合は、第1物品タグIDに対応する定価金額情報と変更タグIDに対応する値引金額情報をそれぞれデータベース6から取得し、これらに基づき定価金額情報を値引金額情報により変更処理するようにして商品単品の販売価格を算出し会計する。
なお、各タグIDを検出する際には第1物品タグIDが定価タグラベルTbから検出されたものであって、第2物品タグIDが値引タグラベルThから検出されたものであると認識できるよう、別途の手法でそれぞれ商品2の識別情報を保持しながら個別に識別できるデータ構造とするか、または検出するタイミングに時間差を設けるようにしてもよい。
図15は、本変形例においてレジスタ3のCPU10が実行する会計処理の詳細手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態における図10に相当する図である。この図15のフローは概略的に図10のフローとほぼ同じであり、基本的には図10のフローにおけるステップS135の後にステップS137及びステップS139の手順が追加された点で異なっている。なお、ステップS115では第1物品タグIDの検出が判定されており、ステップS125では第1物品タグIDに対応する定価金額情報がデータベース6から取得されている。以下上記の相違する手順について説明する。
図15において、ステップS135で変更タグIDに対応する値引金額情報をデータベース6から取得した後にステップS137へ移り、ステップS110で検出しタグラベルTb,Thからの応答信号に第2物品タグIDが含まれているか否かを判定する。この例では、定価タグラベルTbに記憶されている第1物品タグIDに対して照合すべき第2物品タグIDが値引タグラベルThから検出されるべきであり、もし第2物品タグIDが検出されていない場合には、判定が満たされず、すなわち不良または不適切な値引タグラベルThが商品2に貼付されているとみなされ、ステップS120のエラー処理を行い、この会計処理のフローを終了する。一方、第2物品タグIDが検出されている場合には、判定が満たされ、次のステップS139へ移る。
ステップS139では、定価タグラベルTbから検出された第1物品タグIDと値引タグラベルThから検出された第2物品タグIDが一致するか否か、つまり2つの物品タグIDがそれぞれ同一の商品2に対応する識別情報であるか否かを判定する。2つの物品タグIDが一致しない場合、つまり各物品タグIDがそれぞれ異なる商品2に対応するタグ識別情報である場合には、判定は満たされず、すなわち同一の商品2に対して定価タグラベルTbと値引タグラベルThのいずれかが非対応の間違ったものが貼付されているとみなされ、ステップS120のエラー処理を行い、この会計処理のフローを終了する。一方、2つの物品タグIDが一致する場合、判定が満たされ、次のステップS140へ移る。他の手順については、図10と同様であり、説明を省略する。
また、本変形例において行う定価タグラベル作成処理は、上記第1実施形態における図11のフローチャートで、ステップS210で取得される物品タグID及びステップS215で書き込むタグIDがそれぞれ第1物品タグIDとなり、それ以外は同様となる。
また、本変形例において行う値引タグラベル作成処理は、上記第1実施形態における図12のフローチャートで、ステップS310で取得するタグIDが変更タグIDと第2物品タグIDの2つであり、またステップS315で書き込むタグIDもそれら変更タグIDと第2物品タグIDとなり、それ以外は同様となる。
以上において、図15のフローにおけるステップS139が、照合手段に相当する。
以上のように構成した本変形例においては、レジスタ3において、図15のフローにおけるステップS110が値引タグラベルThのIC回路部150に記憶保持された第2物品タグIDを取得し、図15のフローにおけるステップS140がその値引タグラベルThに係わる第2物品タグIDに基づき、定価タグラベルTbの第1物品タグIDに基づき取得した定価金額情報を、値引金額情報を用いて変更処理する。
このとき特に、ステップS139において、定価タグラベルTbの第1物品タグIDと値引タグラベルThの第2物品タグIDとの合致性を照合判定し、合致性が認められると判定された場合にのみ、定価タグラベルTbの第1物品タグIDに基づき取得した定価金額情報を変更処理する。これにより、ユーザが誤って値引タグラベルThの変更対象として想定されていない商品2の定価金額情報を取得し、値引タグラベルThに係る値引金額情報を用いて変更しようとしても、第1物品タグIDと第2物品タグIDとの照合で不適正の場合には変更不可能とすることができる。
(1−2)値引タグラベルThに定価金額情報を記憶させる場合
また、値引タグラベルThに変更タグIDと併せて定価金額情報を記憶させるようにしてもよい。
図16は、物品タグIDを記憶する定価タグラベルTbと定価金額情報及び変更タグIDを記憶する値引タグラベルThとが商品(物品)2に貼付されている場合の情報の処理と会計計算の流れを概念的に表す図である。この図16において、レジスタ3の平面アンテナ4からは定価タグラベルTbに記憶されている物品タグIDと、値引タグラベルThに記憶されている第2定価金額情報(被変更情報、物品の価格情報)及び変更タグIDが検出されることになる。
そしてレジスタ3は、物品タグIDに対応する第1定価金額情報と変更タグIDに対応する値引金額情報(物品の価格変更情報)をそれぞれデータベース6から取得した後、第1定価金額情報と第2定価金額情報とを照合し、それらが一致するか否かを判定する。一致しない場合は、値引タグラベルThが定価タグラベルTbに対応していないものであるとみなしてエラー処理を行う。一致する場合は、値引金額情報により第1定価金額情報(又は第2定価金額情報)を変更処理するようにして商品単品の販売価格を算出し会計する。
図17は、本変形例においてレジスタ3のCPU10が実行する会計処理の詳細手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態における図10に相当する図である。この図17のフローは概略的に図10のフローとほぼ同じであり、基本的には図10のフローにおけるステップS135の後にステップS137A及びステップS139Aの手順が追加された点で異なっている。以下、上記の相違する手順について説明する。
図17において、ステップS135で変更タグIDに対応する値引金額情報をデータベース6から取得した後にステップS137Aへ移り、ステップS110で検出したタグラベルTb,Thからの応答信号に第2定価金額情報が含まれているか否かを判定する。この例では、定価タグラベルTbに記憶されている物品タグIDに対応する第1定価金額情報に対して照合すべき第2定価金額情報が値引タグラベルThから検出されるべきであり、もし第2定価金額情報が検出されていない場合には、判定が満たされず、すなわち不良または不適切な値引タグラベルThが商品2に貼付されているとみなされ、ステップS120のエラー処理を行い、この会計処理のフローを終了する。一方、第2定価金額情報が検出されている場合には、判定が満たされ、次のステップS139Aへ移る。
ステップS139Aでは、定価タグラベルTbから検出された物品タグIDに基づいて取得された第1定価金額情報と値引タグラベルThから検出された第2定価金額情報が一致するか否かを判定する。2つの定価金額が一致しない場合、つまり各定価金額情報が異なる定価金額である場合には、判定は満たされず、すなわち同一の商品2に対して定価タグラベルTbと値引タグラベルThのいずれかが非対応の間違ったものが貼付されているとみなされ、ステップS120のエラー処理を行い、この会計処理のフローを終了する。一方、2つの定価金額が一致する場合、判定が満たされ、次のステップS140へ移る。
なお、ステップS140では第1定価金額(第2定価金額でもよい)から値引金額を差し引いて計算し、またステップS145では表示部15に第1定価金額(第2定価金額)を表示し、ステップS150では第1定価金額(第2定価金額)を合計金額Sに加算する。他の手順については、図10と同様であり、説明を省略する。
また、本変形例において行う値引タグラベル作成処理は、上記第1実施形態における図12のフローチャートで、ステップS310ではそれぞれ商品品目に対応する第2定価金額情報と変更タグIDと値引印字情報をデータベース6から取得し、またステップS315では第2定価金額情報と変更タグIDの書き込みと値引印字情報の印字を行い、それ以外は同様となる。
以上において、図17のフローにおけるステップS139Aが、照合手段に相当する。
以上のように構成した本変形例においては、レジスタ3において、図17のフローにおけるステップS110が値引タグラベルThのIC回路部150に記憶保持された物品タグIDを取得し、ステップS140がその値引タグラベルThに係わる第2物品タグIDに基づき、定価タグラベルTbの物品タグIDに基づき取得した第1定価金額情報(第2定価金額情報でもよい)を、値引金額情報を用いて変更処理する。
このとき特に、ステップS139Aにおいて、定価タグラベルTbに基づき取得した第1定価金額情報と値引タグラベルThに基づき取得した第2定価金額情報との合致性を照合判定し、合致性が認められると判定された場合にのみ、定価タグラベルTbの物品タグIDに基づき取得した第1定価金額情報を変更処理する。これにより、ユーザが誤って値引タグラベルThの変更対象として想定されていない商品2の定価金額情報を取得し、値引タグラベルThに係る値引金額情報を用いて変更しようとしても、上記照合で不適正の場合には変更不可能とすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図18〜図26により説明する。本実施形態は、ビル等の建造物での物品又は人物の出入りをモニター監視する監視システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
図18は、本実施形態の監視システムの全体構成を概略的に示す図である。この例では、本実施形態の監視システム101を複数階のフロアを有するオフィスビル(建造物;以下単に「ビル」と略す)102全体に適用した場合を示しており、そのうち各フロアにある所定の複数の部屋(例えば、事務室、給湯室、休憩室等を含んでいてもよい。)と各フロアの廊下をそれぞれ独立した管理対象区域とし、それら管理対象区域どうしは管理ゲート103(図中の点線部)を介して通じている。なお、各フロアの廊下間を連絡する階段の途中にも管理ゲート103が設けられて各階のフロアを区分しており、またビル102の外部との出入口通路である出入口ドア104も管理ゲート103の一つとなって外部とビル102内部とを区分している。
以上により、図18に示すビル102の例では、1階廊下、2階廊下、2階A室、2階B室、3階廊下、3階A室、及び3階B室がそれぞれ管理対象区域となっており、管理ゲート103は各管理対象区域の境界に位置する7箇所に設けられている。またこれら管理対象区域とは別に管理担当の操作者(図示せず、以下「管理者」という)が待機する監視室105がビル102の1階内部に設けられている。
監視システム101はまた、ビル102内の各管理ゲート103に設置されたリーダ(無線タグ情報読み取り装置)107と、監視室105内に設置されて上記各リーダ107と通信ネットワークNWを介して接続されている端末108、管理サーバ109、及びタグラベル作成装置110とを有している。
リーダ107は、7箇所の各管理ゲート103にそれぞれ一つずつ設置されている。どのリーダ107も同じ構成のものであり、各管理ゲート103での通過時に、各タグGj,GkjをサーチしてそれぞれのタグID等を検出するようになっている(詳細については後述する)。また、特に図示していないが、各管理ゲート103は同時に一人の人物106のみを通過させるようになっており、その一人の人物106による一回の通過を単位としてその各単位通過動作ごとにまとめて無線タグGj,Gkjを検出する。
管理サーバ109は、各人物タグGjに記憶されている人物タグIDに対応してどの管理ゲート103における通過が許可されているかを示す通過可否情報(移動制限情報、対象物情報)と、各人物許可タグGkjに記憶されている人物許可タグIDに対応してどの管理ゲート103において特別に通過を許可するかを示す通過許可情報(変更化情報、移動制限解除情報)とを記憶している。さらに管理サーバ109は、各リーダ107で各タグGj,Gkjが検出された際に、対応する管理ゲート103での通過動作が許可できるか否かを上記通過可否情報及び通過許可情報に基づいて判断し、許可できない通過動作であると判断した場合に管理者に対して報知処理を行う(詳しくは後述する)。
そしてこの例では、当該ビル102を居所とする会社の社員、来客者、等の当該ビル102に入る全ての人物(対象物)106が管理対象人物して監視の対象に設定されており、この全ての人物106には人物タグGjを所持させている。さらに、上記人物106のうちで所定の人物106には、所定の管理ゲート103の通過に関する制限を変更する(この例では、通過を追加的に許可させる等の制限緩和を行う。なお、逆に制限を厳しくする制限強化でもよい)ための人物許可タグ(図中では許可タグと省略)Gkjを所持させている。この人物許可タグGkjは、所定の条件を満たしている場合などにある限定された期間において(又は一時的にだけ)所持させるものである。
人物タグGjには上記第1実施形態で使用した定価タグラベルTbと同等の構成の人物タグラベルTj(第1無線タグ回路素子を備えた無線タグ;詳しくは後述する)が貼付されており、その人物タグラベルTjが備える無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、この人物タグGjを所持する人物106に対応した識別情報である人物タグIDが記憶されている。また、上記人物106のうちで所定の人物106が所持する人物許可タグGkjにも上記定価タグラベルTbと同等の構成の人物許可タグラベルTkj(第2無線タグ回路素子を備えた無線タグ;詳しくは後述する)が貼付されており、この人物許可タグラベルTkjの無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、この人物許可タグGkjを所持させている間だけその人物106に特別に通過を許可させる所定の管理ゲート103を記した通過許可情報に対応する人物許可タグIDが記憶されている。
このとき、監視システム101では、人物タグGjを所持していない不審者による各管理対象区域への侵入や、人物タグGjを所持している人物106でも予め通過可否情報(人物106の移動制限態様)に基づいて移動が制限されている管理対象区域への誤った入場を各管理ゲート103で検知し、そのような不適切な管理ゲート103の通過動作を入場管理の異常として管理者に報知される。そして、人物タグGjを所持している人物106がさらに人物許可タグGkjを所持している場合に限り、上記通過可否情報に基づく移動の制限を通過許可情報(人物106の移動制限の解除情報)に基づいて一部又は全部解除し、対応する管理ゲート103での通過を許可する(あるいは前述のように制限を強化し、通過を禁止するようにしてもよい)ものである。
図19は、本実施形態の監視システム101の概略を表すシステム構成図である。なお、上記第1実施形態におけるレジスタ3の構成(図2参照)と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。また、タグラベル作成装置110は、上記第1実施形態のレジスタ3内に設けられたタグラベル作成部11と同等の構成(図4参照)のものであり、同様に詳細な構成の図示を省略し別途説明する。
この図19において、この監視システム101は、上述したように各タグGj,Gkjとの無線通信によりそれぞれのタグIDの検出を行う上記リーダ107と、各リーダ107に適宜の通信ネットワークNWでそれぞれ接続された上記端末108、上記管理サーバ109、及び上記タグラベル作成装置110とから構成されている。監視室105に常駐する管理者(操作者)が端末108を操作することにより、端末108は通信ネットワークNWを介して管理サーバ109との間で指示信号や管理情報の送受を行い、また入力された指示信号に応じて管理サーバ109から通信ネットワークNWを介し各リーダ107へ制御信号が出力され、リーダ107からの検出結果の信号が管理サーバ109へと出力される。
また、端末108から指令信号が入力された際には、管理サーバ109から通信ネットワークNWを介してタグラベル作成装置110へ制御信号が出力され、タグラベル作成装置110が無線タグラベルとしての人物タグGj又は人物許可タグGkjを作成する。
リーダ107は、制御部111と、リーダアンテナ(読み取り側アンテナ)113とを有している。なお、必要に応じて、管理ゲート103における何らかの通過動作の検知を行うセンサ(例えば赤外線センサ)112と、この赤外線センサ112の制御を行うセンサ制御部117とを設け、このセンサ112で通過検知されたときに無線タグ回路素子Toへの情報送受信を行うようにしてもよい。
制御部111は、CPU(中央演算装置)114と、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ109との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部115と、例えばRAMやROM等からなるメモリ116と、リーダアンテナ113を介し各タグGj,Gkjとの無線通信の制御を行うRF通信制御部118とを備えている。
CPU114は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって管理サーバ109からの検出処理の実行命令の入力を受け付け、リーダアンテナ113を介した無線通信によりタグGj,Gkjの検出処理を行い、その検出結果を上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ109へ出力するようになっている。
リーダアンテナ113は、上記第1実施形態におけるレジスタ3の平面アンテナ4より通信距離が長く設定されているアンテナであり、管理ゲート103全体に対して通過するタグGj,Gkjを検出できるものである。
管理サーバ109は、CPU(中央演算装置)121と、上記と同様のメモリ122と、ハードディスク装置などの大容量記憶装置からなり各タグGj,Gkjや各リーダ107などに関する各種情報を記憶するデータベース123と、上記通信ネットワークNWを介してリーダ107との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部124とを備えている。なお、データベース123は、管理サーバ109内に設けるのに限らず、上記第1実施形態と同様に何らかの通信回線を介して情報を送受可能に接続した外部のデータベースを利用してもよい。なお、特に図示していないが、各リーダ107には個別に識別するための識別番号が予め設定されており、管理サーバ109はそのリーダ107の識別番号を用いて一つのリーダ107を特定し、制御信号及び情報信号の授受を行うようになっている。
端末108は、CPU(中央演算装置)131と、上記と同様のメモリ132と、管理者からの指示や情報が入力される操作部(設定信号入力手段)133と、各種情報やメッセージを表示する表示部(表示信号出力手段)134と、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ109との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部135と、各管理ゲート103において許可されない通過動作が検知された際に管理者に音声報知するブザー136とを備えている。この端末108は、管理サーバ109とタグラベル作成装置110の両方に対して共通の操作端末・表示端末として機能する。
タグラベル作成装置110は、上記第1実施形態においてレジスタ3の内部に設けたタグラベル作成部11と同等の構成のものであり、図4に示す入出力I/Fに代えてネットワーク通信制御部124が設けられ、上記通信ネットワークNWを介して管理サーバ109との制御信号及び情報信号の授受の制御を行う。
図20は、上記タグGj,Gkjの全体概略構造の一例を表す図であり、図20(a)は人物タグGjの上面図、図20(b)は人物許可タグGkjの上面図である。これら図20(a)及び図20(b)において、この例では、タグGj,Gkjはそれぞれ本体プレート148を有しており、各本体プレート148の表面にはそれぞれ前述したように上記第1実施形態のタグラベルTb,Thと同等の構成の人物タグラベルTjまたは人物許可タグラベルTkjが貼付されている。なおこのような本体プレート148へのラベル添付方式とせず、カードタイプの無線タグ(人物タグラベルTjまたは人物許可タグラベルTkjと同等の機能を備える)としてもよい。
図20(a)に示すように、人物タグラベルTjのラベル本体149の表側(上面)には、これを所持する人物106の所属と氏名を表す人物印字情報(この例では「技術部:山田二郎」)Rjが印字される人物印字領域Ajが設けられているとともに、所持する人物106に対応する通過可否印字情報(この例では「1,2階フロアのみ」)Rtが印字される通過可否印字領域Atが設けられている。また、図20(b)に示すように、人物許可タグラベルTkjのラベル本体149の表側(上面)には、対応する通過許可印字情報(この例では「3階B室以外許可」)Rkjが印字される通過許可印字領域(印字領域)Akjが設けられている。なお、これら通過可否印字情報Rt、通過許可印字情報Rkjの印字は必須ではなく、図形や符号、あるいは単なる色塗り(無色も可能)や模様等であってもよい。
本実施形態の最も大きな特徴は、既に述べたように、予め通過可能に設定された管理ゲート103以外の、その他の管理ゲート103も通過許可する人物許可タグGkjよりリーダ7で情報取得を行い、これに対応する処理を行うことにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
図21は、管理サーバ109のCPU121によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図21において、例えば端末108の操作部133において監視開始の指示入力(例えばキー操作)されると、このフローが開始される。
まず、ステップS405において、監視を行う管理ゲート103及びそれに対応するリーダ107を特定するための変数Mを1に初期設定する。
次にステップS410へ移り、通信ネットワークNWを介し、特定変数Mに対応する管理ゲート103(以下、M番目の管理ゲート103という)に設けられたリーダ107(以下、M番目のリーダ107という)の制御部111に制御信号を出力し、例えば「Scroll All ID」信号などのような全てのタグGj,Gkjに対して応答を要求する質問信号をリーダアンテナ113から送信し、それに対してタグGj,Gkjが発信する全ての応答信号を同じリーダアンテナ113で受信し、何らかの応答信号を受信したか(通過動作を検知したか)否かを判定する。何らかの通過動作を検知している場合、判定が満たされ、次のステップS420へ移る。
ステップS420では、上記ステップS410で人物タグGjが読み取られたか否か、つまり通過動作が検知されたM番目の管理ゲート103において人物タグIDが検出されたか否かを判定する。人物タグIDが検出されていない場合、判定は満たされず、すなわち人物タグGjを所持していない不審者がM番目の管理ゲート103を通過しているものとみなされ、ステップS425で通信ネットワークNWを介し端末108へ制御信号を出力し、その表示部134に警告表示を行うなどの報知処理を行い(詳しくは後述する)、このフローを終了する。一方、人物タグIDが検出されている場合には、判定が満たされ、次のステップS430へ移る。
ステップS430では、上記ステップS410で検出した人物タグIDに基づいてデータベース123へアクセスして検索を行い、対応する通過可否情報をデータベース123から取得し、次のステップS435へ移る。
ステップS435では、上記ステップS430で取得した通過可否情報に基づいて上記ステップS410で検出した人物タグIDを記憶する人物タグGjを所持する人物106がM番目の管理ゲート103を通過可能であるか否かを判定する。通過可否情報に基づいてこの人物106がM番目の管理ゲート103は通過できないよう設定されている場合、判定が満たされず、すなわちこの人物106は人物タグGjを所持しているものの入ることのできない管理対象区域に入ろうとしているものとみなされ、次のステップS440からステップS450でさらに通過許可の確認を行う。
次のステップS440では、上記ステップS410で人物許可タグGkjが読み取られたか否か、つまり通過動作が検知されたM番目の管理ゲート103において人物許可タグIDが検出されたか否かを判定する。人物許可タグIDが検出されていない場合、判定は満たされず、すなわち本来入ることのできない管理対象区域に入ろうとしている人物106が人物許可タグGkjをも所持しておらず不当に入ろうとしているものとみなされ、ステップS425で報知処理を行い、このフローを終了する。一方、人物許可タグIDが検出されている場合には、判定が満たされ、次のステップS445へ移る。
ステップS445では、上記ステップS410で検出した人物許可タグIDに基づいてデータベース123へアクセスして検索を行い、対応する通過許可情報をデータベース123から取得し、次のステップS450へ移る。
ステップS450では、上記ステップS445で取得した通過許可情報に基づいて上記ステップS410で検出した人物許可タグIDを記憶する人物許可タグGkjはM番目の管理ゲート103の通過を許可するものか否かを判定する。通過許可情報に基づいて人物許可タグGkjがM番目の管理ゲート103の通過を許可するものでない場合、判定が満たされず、すなわちM番目の管理ゲート103を通過しようとする人物106は入ることのできない管理対象区域に入ろうとし、また特別に許可もされていないものとみなされ、ステップS425で報知処理を行い、このフローを終了する。一方、人物許可タグGkjがM番目の管理ゲート103の通過を許可するものである場合には、判定が満たされ、すなわちM番目のリーダ107の監視によりM番目の管理ゲート103においては適切な通過動作が行われているとみなされ、次のステップS455へ移る。
また、一方、上記ステップS410の判定で何らかの応答信号が受信されず(通過動作を検知しておらず)判定が満たされない場合、または上記ステップS435の判定で通過可否情報に基づいて人物106がM番目の管理ゲート103を通過できるよう設定されており判定が満たされる場合、報知処理を行わずにステップS455へ移る。
ステップS455では、全てのリーダ107により上記の監視処理を行ったか否か、つまり特定変数Mが最大値(この例では7)になっているか否かを判定する。まだ全てのリーダ107により監視処理を行っていない(特定変数Mが最大値=7となっていない)場合、判定が満たされず、ステップS460で特定変数Mに1を加算してからステップS410に戻り、同様の探索ループの手順を繰り返す。一方、全てのリーダ107による監視処理を一通り行った場合は判定が満たされ、次のステップS465へ移る。
ステップS465では、端末108の操作部133においてこのフローを終了させる操作がなされたか否かを判定する。終了操作がなされていない場合、判定が満たされず、ステップS405に戻りこのフローを最初から繰り返す。一方、終了操作がなされていた場合、判定が満たされ、このフローを終了する。
なお、上記ステップS425の報知処理について、具体的には、例えば端末108に制御信号を出力してブザー136を鳴動させるとともに表示部134に適宜の報知表示を行わせ、管理者に対し人物106の通過動作の異常を報知する。なおこの際に、各タグIDを検出している場合には、そのタグIDに対応する人物106の氏名等をデータベース123から検索し、入ろうしている管理ゲート103(M番目の管理ゲート103)とともに端末108の表示部134に表示させてもよい。
また、特に詳しく説明しないが、本実施形態におけるタグラベル作成装置110も上記第1実施形態におけるタグラベル作成部11と同様の制御により、人物タグラベルTj及び人物許可タグラベルTkjを作成する。つまり、本実施形態の管理サーバ109が備えるCPU121が、上記図11及び図12に記載のフローと同等の制御手順を行うことで人物タグラベルTjと人物許可タグラベルTkjを作成する。この場合には、商品品目に代わって人物106の氏名が用いられ、物品タグIDに代わって人物タグIDが用いられ、変更タグIDに代わって人物許可タグIDが用いられ、定価印字情報に代わって人物印字情報と通過可否印字情報が用いられ、値引印字情報に代わって通過許可印字情報が用いられる。また、図11のステップS205と図12のステップS305ではそれぞれ端末108の操作部133から人物106の氏名(及び所属)が入力される。
以上において、図21のフローにおけるステップS410、ステップS430、及びステップS445が各請求項記載の情報取得手段に相当し、図21のフローにおけるステップS450が変更処理手段に相当する。
以上説明したように、本実施形態においては、人物許可タグラベルTkjに備えられている無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、その人物許可タグラベルTkjを所持する人物106に係わる通過可否情報を管理サーバ109内だけで変更処理するための通過許可情報に対応する人物許可タグIDが記憶保持されている(なお、通過許可情報自体をIC回路部150に書き込んで記憶保持させるようにしてもよい)。
そして、管理サーバ109及び各リーダ107は、人物タグラベルTjに備えられている無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持された人物タグIDに基づいて当該人物タグラベルTjを所持する人物106に係わる通過可否情報を取得するとともに、人物許可タグラベルTkjの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されている上記人物許可タグIDに基づいて通過許可情報を取得する制御手順(図21のフローにおけるステップS410、ステップS430及びステップS445)を行い、取得した通過許可情報を用いて通過可否情報を変更処理する制御手順(図21のフローにおけるステップS450)を行う。
これにより、もともとの人物タグIDに対応してデータベース123内に記憶されている通過可否情報自体は維持したまま修正する必要がないので、データベース123内の通過可否情報を修正した後に再度元に戻す場合のような煩わしさやデータベース123を操作するための高度の知識を必要とせず、一般ユーザが容易かつ簡便な方法で実質的に通過可否情報の変更を行うことができる。
なお、本実施形態では、通過許可情報として3階B室以外に入ることを許可するといったように人物106の移動制限を部分的に解除するものであったが、本発明はそれに限られず、全ての管理ゲート103での通過を許可して移動制限を全て解除するようにしてもよい。また、人物許可タグラベルTkjに通過許可情報そのものを記憶させてもよい。
また、本実施形態においても上記第1実施形態の2つの変形例と同様な変形が可能である。すなわち、上記第1実施形態の変形例(1−1)にならって、人物許可タグラベルTkjに人物許可タグIDと併せて人物106の識別情報としての人物タグIDを記憶させてもよく、この場合にはリーダ107により人物タグラベルTjから第1人物タグIDが検出され、人物許可タグラベルTkjから第2人物タグIDと人物許可タグIDが検出される。そして、特に図示しないが、上記図21のフローにおけるステップS445の後で第1人物タグIDと第2人物タグIDが一致するか否かの照合判定を行い、一致する場合は次のステップS450へ移り、一致しない場合に報知処理を行うようにする。
これにより、ユーザが誤って人物許可タグラベルTkjの変更対象として想定されていない人物106の通過可否情報を取得し、人物許可タグラベルTkjの通過許可情報を用いて変更しようとしたとき、第1人物タグIDと第2人物タグIDとの照合を行って本来変更対象でないことを何らかの形で確認したり、照合不適正の場合には変更不可能としたり等の各種対応をとることができる。
また、上記第1実施形態の変形例(1−2)にならって、人物許可タグラベルTkjに人物許可タグIDと併せて通過可否情報を記憶させてもよく、この場合にはリーダ107により人物タグラベルTjから人物タグIDが検出され、人物許可タグラベルTkjから第2通過可否情報と人物許可タグIDが検出される。そして、特に図示しないが、上記図21のフローにおけるステップS445の後で人物タグIDに対応して取得した第1通過可否情報と人物許可タグラベルTkjから直接検出した第2通過可否情報とが一致するか否かの照合判定を行い、一致する場合は次のステップS450へ移り、一致しない場合に報知処理を行うようにする。この場合も、上記と同様の効果を得る。
なお、この第2実施形態においても、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(2−1)物品を監視対象とする場合
上記第2実施形態では、管理対象の人物106が監視対象として設定されていたが、本発明はこれに限られず、管理対象の物品を監視対象として設定してもよい。
図22は、本変形例の監視システム101の全体構成を概略的に示す図である。この例では、通常の場合はビル102内の所定の部屋のいずれかに保管されるべき書類・備品・プロジェクトファイル等、管理対象の物品(対象物)141が監視対象として設定されており、各管理対象の全ての物品141には物品タグGbが添付(又は同梱等、何らかの形で関連付けられていればよい)されている。さらに、上記物品141のうちで所定の物品141には、所定の管理ゲート103の通過を追加的に許可させる物品許可タグGkb(図中では許可タグと省略)が添付されている。この物品許可タグGkbは、所定の条件を満たしている場合などにある限定された期間において(又は一時的に)添付されるものである。
物品タグGbには上記第2実施形態で使用した人物タグラベルTjと同等の構成の物品タグラベルTbが貼付されており、その物品タグラベルTbが備える無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、この物品タグGbが添付されている物品141に対応した識別情報である物品タグIDが記憶されている。また、上記物品141のうちで所定の物品141に添付されている物品許可タグGkbにも上記物品タグラベルTbと同等の構成の物品許可タグラベルTkbが貼付されている。この物品許可タグラベルTkbの無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、この物品許可タグGkbが添付されている間だけその物品141の通過に関する制限を変更する(この例では、通過を追加的に許可させる等の制限緩和を行う。なお、逆に制限を厳しくする制限強化でもよい)所定の管理ゲート103を記した通過許可情報に対応する物品許可タグIDが記憶されている。
本変形例の監視システム101は、物品タグGbが添付されている管理対象の物品141に対してのみ監視し、それについて予め通過可否情報(物品141の移動制限態様)に基づいて移動が制限されている管理対象区域への誤った入場を各管理ゲート103で検知し、そのような不適切な管理ゲート103の通過動作を入場管理の異常として管理者に報知するものである。そして、物品タグGbが添付されている物品141にさらに物品許可タグGkbが添付されている場合に限り、上記通過可否情報に基づく移動の制限を通過許可情報(物品141の移動制限の解除情報)に基づいて一部又は全部解除し、対応する管理ゲート103での通過を許可する(あるいは前述のように制限を強化し、通過を禁止するようにしてもよい)ものである。
本変形例におけるその他のハードウェア構成(リーダ107、管理サーバ109、端末108、タグラベル作成装置110)は、上記図19に示した上記第2実施形態のものと全く同一であり、管理サーバ109のCPU121が行う制御手順が少し異なるだけである。以下、その制御手順について説明する。
図23は、本変形例において管理サーバ109のCPU121によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第2実施形態における図21に相当する図である。この図23のフローは概略的に図21のフローとほぼ同じであり、基本的には図21のフローにおけるステップS420に代えてステップS420Aの手順を行う点が異なっている。なお、ステップS430では物品タグIDに対応する通過可否情報がデータベース123から取得されており、ステップS435では物品タグIDの通過が可能であるか判定されており、ステップS440では物品許可タグIDの検出が判定されており、ステップS445では物品許可タグIDに対応する通過許可情報がデータベース123から取得されており、ステップS450では物品許可タグIDの通過が許可されているか判定されている。以下、上記の相違する手順のみを説明する。
図23において、ステップS410で「Scroll All
ID」信号に対し各タグGb,Gkbが発信する全ての応答信号をリーダアンテナ113で受信して通過判定を行った後にステップS420Aへ移り、ステップS410で検出したタグGb,Gkbからの応答信号に物品タグIDが含まれているか否かを判定する。
この例では、ビル102内の各管理対象区域に保管してある多くの物品141のうち、保安管理のために移動制限が設定されている管理対象の物品141にだけ物品タグGbが添付されており、この物品タグGbが添付されていない管理対象外の物品141に対しては監視する必要がない。したがって、物品タグIDが検出されていない場合、判定が満たされず、すなわちM番目の管理ゲート103を通過している物品141(または人物106)に対しては監視する必要がないとみなしてステップS455へ移る。一方、物品タグIDが検出されている場合には、判定が満たされ、すなわちM番目の管理ゲート103に管理対象の物品141が通過しているものとみなして次のステップS430へ移る。他の手順については、図21と同様であり、説明を省略する。
また、特に詳しく説明しないが、本変形例におけるタグラベル作成装置110も上記第1実施形態におけるタグラベル作成部11と同様の制御により、物品タグラベルTb及び物品許可タグラベルTkbを作成する。つまり、本変形例の管理サーバ109が備えるCPU121が、上記図11及び図12に記載のフローと同等の制御手順を行うことで物品タグラベルTbと物品許可タグラベルTkbを作成する。この場合には、商品品目に代わって物品141の名称が用いられ、変更タグIDに代わって物品許可タグIDが用いられ、定価印字情報Rbに代わって物品印字情報(例えば物品141の名称など)と通過可否印字情報が用いられ、値引印字情報Rhに代わって通過許可印字情報が用いられる。
また、図11のステップS205と図12のステップS305ではそれぞれ端末108の操作部133から物品141の名称が入力される。また、作成される物品タグラベルTbと物品許可タグラベルTkbの外観については、特に図示しないが、上記第2実施形態で作成される図20(a)、図20(b)で示した人物タグラベルTjと人物許可タグラベルTkjとそれぞれほぼ同じ外観で印字され、図20(a)の人物タグラベルTjにおける人物印字領域Ajの代わりに物品印字情報が印字される物品印字領域が設けられる点で異なる。
以上のように構成した本変形例においては、物品許可タグラベルTkbの変更対象として予め想定された物品141に係わる物品タグラベルTbの無線タグ回路素子Toの物品タグIDをリーダ107及び管理サーバ109が読み取り、管理サーバ109がこの物品タグIDに対応する通過可否情報をデータベース123から取得する一方で、物品許可タグラベルTkbに対しても物品許可タグIDの読み取りを行ってこれに基づき通過許可情報をデータベース123から取得することで、上記取得された通過可否情報を管理サーバ109内だけで通過許可情報により変更処理することができ。
したがって、もともとの物品タグIDに対応してデータベース123内に記憶されている通過可否情報自体は維持したまま修正する必要がないので、データベース123内の通過可否情報を修正した後に再度元に戻す場合のような煩わしさやデータベース123を操作するための高度の知識を必要とせず、一般ユーザが容易かつ簡便な方法で実質的に通過可否情報の変更を行うことができる。
なお、本変形例においても上記第1実施形態の2つの変形例と同様な変形が可能である。
(2−2)人物と物品とが監視対象として設定されている場合
さらに、管理対象の人物106と管理対象の物品141とを組み合わせて監視対象に設定してもよい。
本変形例は、上記第2実施形態とその変形例(2−1)とを組み合わせて人物106による物品141の持ち出し・持ち込みを監視する変形例であり、人物タグGj、人物許可タグGkj、物品タグGb及び物品許可タグGkbを含めたハードウェア構成は、上記図19に示した上記第2実施形態のもの及び上記図22に示した変形例のものと全く同一であり、管理サーバ109のCPU121が行う制御手順が少し異なるだけである。以下、その制御手順について説明する。
図24は、本変形例において管理サーバ109のCPU121によって実行される制御手順を表すフローチャートである。この図24のフローは概略的には図21のフローとほぼ同じであり、基本的には図21のフローにおけるステップS420とステップS430〜ステップS450の手順からなる人物監視処理(図中ではステップS600として省略して示す)の後にステップS700の物品監視処理を併せて行う点が異なっている。他の手順については、図21と同様であり、説明を省略する。
図25は、管理サーバ109のCPU121が上記図24中のステップS600において実行する人物監視処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図25のフローは、図21のフローにおけるステップS420とステップS430〜ステップS450の手順と同じであり、ステップS620で判定が満たされない場合、ステップS640で判定が満たされない場合、及びステップS650で判定が満たされない場合には上記図24におけるステップS525の報知処理へ移る。また、ステップS635で判定が満たされる場合、上記図24におけるステップS700の物品監視処理へ移る。
図26は、管理サーバ109のCPU121が上記図24中のステップS700において実行する物品監視処理の詳細手順を表すフローチャートである。この図26のフローは、図21のフローにおけるステップS420AとステップS430〜ステップS450の手順と同じであり、ステップS720では物品タグIDの検出が判定されており、ステップS730では物品タグIDに対応する通過可否情報がデータベース123から取得されており、ステップS735では物品タグIDの通過が可能であるか判定されており、ステップS740では物品許可タグIDの検出が判定されており、ステップS745では物品許可タグIDに対応する通過許可情報がデータベース123から取得されており、ステップS750では物品許可タグIDの通過が許可されているか判定されている。
そしてステップS740で判定が満たされない場合、及びステップS750で判定が満たされない場合には上記図24におけるステップS525の報知処理へ移る。また、ステップS720で判定が満たされない場合、及びステップS735で判定が満たされる場合、上記図24におけるステップS555へ移る。
また、特に詳しく説明しないが、本変形例におけるタグラベル作成装置110も上記第1実施形態におけるタグラベル作成部11と同様の制御により、人物タグラベルTj、人物許可タグラベルTkj、物品タグラベルTb及び物品許可タグラベルTkbを作成する。
以上において、人物タグIDと物品タグIDにそれぞれ対応する通過可否情報が、人物106による物品141の持ち出し・持ち込み制限態様に相当する。また、人物許可タグIDと物品許可タグIDにそれぞれ対応する通過許可情報が、人物106による物品141の持ち出し・持ち込み制限の解除情報に相当する。
以上のように構成した本変形例においては、上記第2実施形態と(2−1)の変形例のそれぞれの効果を併せて得ることができる。すなわち、もともとの人物タグID及び物品タグIDにそれぞれ対応してデータベース123内に記憶されている通過可否情報自体は維持したまま修正する必要がないので、データベース123内の通過可否情報を修正した後に再度元に戻す場合のような煩わしさやデータベース123を操作するための高度の知識を必要とせず、一般ユーザが容易かつ簡便な方法で実質的に通過可否情報の変更を行うことができる。
なお、本変形例においても上記第1実施形態の2つの変形例と同様な変形が可能である。
また、上記のタグラベル作成部11及びタグラベル作成装置110において、無線タグ回路素子ToのIC回路部155へ情報書き込みを行うと共に、印字ヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印字を行うものにも限られない。この印字は必ずしも行われなくともよい。
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものであるが、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上においては、変更対象として予め想定された商品2に係わるタグラベルTb(対象用無線タグ)の無線タグ回路素子To(対象用無線タグ回路素子)のタグ識別情報をレジスタ3の無線タグ情報読み取り装置としての機能で読み取り、リンク付けをもとに対応する対象物情報をデータベース6から取得する一方で、タグラベルTh(変更用無線タグ)の無線タグ回路素子To(変更用無線タグ回路素子)に対しても読み取りを行ってこれに基づき変更化情報を取得することで、上記取得された対象物情報の全部又は一部を変更処理する(読み出した後に変更・修正して認識する)ようにしたが、これに限られない。すなわち、対象物情報を無線タグ以外の無線通信で読み取り可能な他の記憶媒体又は他の態様の情報、例えばバーコード情報として記憶させ、これを変更するようにしてもよい。
この場合、変更対象として予め想定された対象物に係わるバーコード情報等の情報をバーコードスキャナ等(レジスタ3に備えられていてもよいし、レジスタ3に対しネットワークNWを介し接続されていてもよい)で読み取り、予め設定されたリンク付けをもとに対応する対象物情報をデータベース6から取得する一方で、タグラベルTh(変更用無線タグ)の無線タグ回路素子To(変更用無線タグ回路素子)に対しても読み取りを行ってこれに基づき上記変更化情報を取得することで、上記取得された対象物情報の全部又は一部を変更処理する(読み出した後に変更・修正して認識する)ようにすればよい。この場合も、上記同様、もともとのバーコード情報等にリンクされたデータベース6内の対象物情報自体は維持したまま修正する必要がないので、上記実施形態と同様、データベース6内の対象物情報を修正した後に再度元に戻す場合のような煩わしさや高度の知識を必要とせず、一般ユーザが容易かつ簡便な方法で実質的に対象物情報の内容の変更を行うことができる。
さらに、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。