JP2007264791A - カードアダプタ装置 - Google Patents

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隆志 川端
Kazuki Sato
一樹 佐藤
Toru Azuma
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Abstract

【課題】上ケースと下ケースとを超音波溶着する際に、上ケースと下ケースと端子支持部材とが一緒に溶着されてしまう事態を生じることなく端子支持部材を、上ケースと下ケースとの間に安定して保持させることができる。
【解決手段】合成樹脂製の上ケース2と、この上ケース2に接合される合成樹脂製の下ケース3と、これらの上ケース2と下ケース3との間に形成され、カード1を挿入可能なカード挿入部5と、カード1の複数の接触部のそれぞれと接触可能な複数の端子部材6aと、これらの端子部材6aにそれぞれ一体に形成され、外部回路と接続可能な複数の外部接続部6bと、複数の端子部材6aを支持する合成樹脂製の端子支持部材6とを備えるとともに、この端子支持部材6を、上ケース2との間に隙間7を設けて保持させる金属製の突張部材6cを備えた構成にしてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、挿入されたカードを保持した状態で、カードコネクタ装置に接続されるカードアダプタ装置に関する。
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、絶縁性のプラスチック、すなわち合成樹脂製の上ケースと下ケースとから成るベースハウジングと、このベースハウジング内に配置される合成樹脂製のインナーハウジング、すなわち端子支持部材とを備えている。また、ベースハウジング内には、小型化カード受入空洞すなわちカード挿入部が形成されている。さらに、このカード挿入部に挿入されたカードの接触部のそれぞれと接触可能な複数の接続端子、すなわち端子部材と、この端子部材にそれぞれ一体に形成され、外部回路を形成するカードコネクタ装置に接続可能な接点パッド、すなわち外部接続部とを備え、これらの端子部材と外部接続部は、上述したインナーハウジングに一体に形成され、支持されている。
このように構成したカードアダプタ装置は、カード挿入部にカードが挿入された状態でカードコネクタ装置に接続されることにより、このカードアダプタ装置の端子部材及び外部接続部を介して、保持されたカードと、カードコネクタ装置との間の信号の送受信が可能となる。
特開2004−145676公報
上述のような合成樹脂製の上ケース、下ケースから成るベースハウジング内に合成樹脂製の端子支持部材を配置したものにあって、製作作業能率を向上させるために、上ケースと下ケースとを溶着して一体に接合させる超音波溶着を実施することが考えられる。しかし、上述した従来技術では、ベースハウジング内に配置された端子支持部材がベースハウジングを形成する上ケースと下ケースの双方に接触することから、超音波溶着を実施した際に上ケース、端子支持部材、下ケースの三者が一緒に溶着されてしまう懸念がある。このように三者が溶着されてしまうと、全体形状あるいは各部の形状にゆがみが生じ、カードアダプタ装置としての信頼性が損なわれてしまう。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、上ケースと下ケースとを超音波溶着する際に、上ケースと下ケースと端子支持部材とが一緒に溶着されてしまう事態を生じることなく端子支持部材を、上ケースと下ケースとの間に安定して保持させることができるカードアダプタ装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、合成樹脂製の上ケースと、この上ケースに接合される合成樹脂製の下ケースと、これらの上ケースと下ケースとの間に形成され、カードを挿入可能なカード挿入部と、上記カードの複数の接触部のそれぞれと接触可能な複数の端子部材と、これらの端子部材にそれぞれ一体に形成され、外部回路と接続可能な複数の外部接続部と、上記複数の端子部材を支持する合成樹脂製の端子支持部材とを備えるとともに、上記端子支持部材を、上記上ケースと上記下ケースとの間に配置し、上記上ケースまたは上記下ケースとの間に隙間を設けて保持させる金属製の突張部材を備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、端子支持部材と上ケース、または端子支持部材と下ケースとの間に突張部材によって隙間を設けたので、上ケースと下ケースとを超音波溶着する際に、上ケースと下ケースと端子支持部材とが一緒に溶着されてしまうことを防止でき、しかも突張部材の突張り力によって端子支持部材を、上ケースと下ケースとの間に安定して保持させることができる。
また、本発明は上記発明において、上記複数の端子部材、及び上記突張部材は、上記端子支持部材と一体に成形されていることを特徴としている。このように構成した本発明は、複数の端子部材、突張部材、及び端子支持部材が一体構造物を形成するので、組み付けが容易である。
また、本発明は記発明において、上記複数の端子部材、及び上記突張部材は、一枚の金属板を打ち抜いて一体に形成されていることを特徴としている。このように構成した本発明は、複数の端子部材と突張部材を容易に製作することができる。
また、本発明は上記発明において、上記突張部材は、上記端子支持部材の両側部からそれぞれ腕状に張り出し形成され、これらの突張部材の先端部を上記上ケースに当接させて上記端子支持部材を上記下ケース側へ付勢することを特徴としている。このように構成した本発明は、上ケースと端子支持部材との間に隙間を形成させることができる。
また、本発明は上記発明において、上記端子支持部材は、上記上ケースまたは上記下ケースに対する位置決め部を有することを特徴としている。このように構成した本発明は、上ケースまたは下ケースに対する端子支持部材の位置決め精度を高めることができる。
また、本発明は上記発明において、上記カードの凹部に係合してこのカードを保持する係合部材を備えるとともに、この係合部材は、上記複数の端子部材と上記突張部材とともに上記一枚の金属板を打ち抜いて形成されていることを特徴としている。このように構成した本発明は、カードを保持する係合部材も、複数の端子部材と突張部材とともに容易に製作することができる。
本発明は、端子支持部材を、上ケースまたは下ケースとの間に隙間を設けて保持させる金属製の突張部材を備えたことから、上ケースと下ケースとを超音波溶着する際に、上ケースと下ケースと端子支持部材とが一緒に溶着されてしまう事態を生じることなく端子支持部材を、上ケースと下ケースとの間に安定して保持させることができる。したがって、超音波溶着した上ケースと下ケースを含めた全体及び各部に、従来懸念されていた超音波溶着に伴う形状のゆがみを生じることがなく、精度の高い形状にすることができる。これにより、超音波溶着による製作作業能率の向上を実現できるとともに、信頼性の高い装置を得ることができる。
以下,本発明に係るカードアダプタ装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
[本実施形態で使用されるカード]
図1は本発明に係るカードアダプタ装置に使用されるカードを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。
本実施形態で使用されるカード1は、例えば超小型カードであり、挿入側に位置する前端部1aの近傍の裏面側には、図示しないが信号の送受信に活用される複数の接触部を備え、両側部には凹部1bを備えている。
[本実施形態の構成]
図2は本発明に係るカードアダプタ装置の一実施形態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のA−A断面図、図3は図2の(b)図のB部拡大図である。また、図4は本実施形態に備えられ、超音波溶着が実施される前の下ケースを示す平面図、図5は本実施形態に備えられる端子部材、外部接続部、及び端子支持部材を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図、図6は図4に示す下ケースに図5に示す端子支持部材が装着され、超音波溶着が実施される前の状態を示す平面図である。また、図7は超音波溶着が実施される直前の上ケースと下ケースとの接合状態を示す要部拡大断面図、図8は超音波溶着が実施された後の上ケースと下ケースとの接合状態を示す要部拡大断面図である。
図2に示すように、本実施形態は、合成樹脂製の上ケース2と、この上ケース2に接合される合成樹脂製の下ケース3と、これらの上ケース2と下ケース3との間に形成され、図1に示すカード1が挿入される挿入口4を備えている。また、図4,5に示すように、挿入口4から挿入されたカードが装着される所定の装着部を形成するカード挿入部5を備えている。
上述の下ケース3は、図4に示すように、超音波溶着による上ケース2との接合に際して活用される多数の山形突起3aと、例えば4つの位置決め壁3bと、奥側位置に形成された段部3cとを備えている。山形突起3aは、例えば図7に示すように断面が三角形形状に形成されている。
また、図2に示すように、上ケース2と下ケース3との間には、合成樹脂製の端子支持部材6を配置してある。この端子支持部材6には、図5に示すように、カード1の複数の接触部のそれぞれに接触可能な複数の端子部材6aと、これらの端子部材6aにそれぞれ一体に形成され、外部回路を形成する図示しないカードコネクタ装置と接続可能な複数の外部接続部6bとを支持させてある。また、この端子支持部材6には、図2の(b)図に示すように、例えば上ケース2との間に隙間7を設けてこの端子支持部材6を保持させる金属製の突張部材6cと、図1に示すカード1の凹部1bのそれぞれに係合可能な凸部6d1を有する一対の係合部材6dも支持させてある。さらに、この端子支持部材6には、図6に示すように、下ケース3の上述の位置決め壁3bのそれぞれに係合する例えば4つの位置決め部6eと、下ケース3の上述の段部3cに係止される前壁部6fとを形成させてある。
上述した複数の端子部材6a、複数の外部接続部6b、一対の突張部材6c、及び一対の係合部材6dは、例えば一枚の金属板を打ち抜いて一体に形成してある。また、これらの端子部材6a、外部接続部6b、突張部材6c、及び係合部材6dは、例えばインサート成形によって端子支持部材6と一体に設けてある。
また、上述した突張部材6cは、図5,6に示すように、端子支持部材6の両側部からそれぞれ腕状に張り出し形成され、例えば図3に示すように、これらの突張部材6cの先端部6c1を上ケース2に当接させてあり、これに伴って生じる突張り力によって端子支持部材6を下ケース3側へ付勢している。これにより、上ケース2と端子支持部材6との間に上述の隙間7が形成されている。
なお、上ケース2と下ケース3との超音波溶着に際しては、あらかじめ図6に示すように、端子支持部材6が下ケース3に装着される。すなわち、端子支持部材6の前壁部6fを下ケース3の段部3cに係止させるようにして、また、端子支持部材6の位置決め部6eのそれぞれを、下ケース3の位置決め壁3bの対応するものに係合させるようにして、端子支持部材6が下ケース3に対して位置決めされ、装着される。
ここで図7に例示するように、下ケース3の上に、上ケース2が配置され、超音波が発せられる。これにより、多数の山形突起3aのそれぞれが溶けて、図8に示すように山形突起3aがそれまで存在していた部分に溶着部3dが形成され、これらの溶着部3dによって上ケース2と下ケース3とが一体に接合し、カードアダプタ装置が完成する。
[本実施形態の動作]
このように構成した本実施形態は、挿入口4からカード1が挿入され、このカード1が図6に示すカード挿入部5まで押し込まれると、カード1の両側部に形成された凹部1bのそれぞれに、係合部材6dの凸部6d1のそれぞれが係合し、このカード1が保持される。また、このカード挿入部5の位置において、カード1に設けられた接触部のそれぞれが同図6に示す端子部材6aのそれぞれに接触する。このようにカード1がカード挿入部5に挿入された状態で、図示しないカードコネクタ装置に接続されることにより、本実施形態に備えられる端子部材6a、外部接続部6bを介して、挿入されたカード1と、外部回路を構成する図示しないカードコネクタ装置との間で信号の送受信が可能となる。
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、端子支持部材6と上ケース2との間に突張部材6cによって隙間7を設けたので、上ケース2と下ケース3とを超音波溶着により一体に接合する際に、上ケース2と下ケース3と端子支持部材6とが一緒に溶着されてしまうことを防ぐことができる。しかも、突張部材6cの突張り力によって端子支持部材6を、上ケース2と下ケース3との間に安定して保持させることができる。したがって、超音波溶着した上ケース2と下ケース3を含めた全体及び各部に、超音波溶着に伴う形状のゆがみを生じることがなく、精度の高い形状にすることができる。これにより、超音波溶着による製作作業能率の向上を実現できるとともに、信頼性の高い装置を得ることができる。
また、複数の端子部材6a、複数の外部接続部6b、一対の突張部材6c、一対の係合部材6d、及び端子支持部材6が一体に成形され、一体構造物を形成するので、組み付けが容易となる。これによっても製作作業能率を向上させることができる。
また、複数の端子部材6a、複数の外部接続部6b、一対の突張部材6c、一対の係合部材6dを、一枚の金属板を打ち抜いて一体に形成したことから、これらの端子部材6a、外部接続部6b、突張部材6c、及び係合部材6dを容易に製作することができる。この点でも製作作業能率を向上させることができる。
また、端子支持部材6が下ケース3の位置決め壁3bに対する位置決め部6eを有することから、下ケース3に対する端子支持部材6の位置決め精度を高めることができ、信頼性の高い装置の実現に貢献する。
[他の実施形態]
上記実施形態は、突張部材6cの突張り力によって端子支持部材6を下ケース3側に付勢し、上ケース2と端子支持部材6との間に超音波溶着に際して上ケース2と端子支持部材6とを溶着させないようにする隙間7を設けた構成にしてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。突張部材6cの突張り力によって端子支持部材6を上ケース2側に付勢し、下ケース3と端子支持部材6との間に、超音波溶着に際し下ケース3と端子支持部材6とを溶着させないようにする隙間を設けた構成にすることもできる。
このように構成したものも、上ケース2と下ケース3との超音波溶着に際し、上ケース2と端子支持部材6と下ケース3とが一緒に溶着されてしまう事態を生じることがなく、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
また、上記実施形態は、端子支持部材6が下ケース3に示す位置決め部6eを備えた構成にしてあるのが、端子支持部材6が上ケース2に対する位置決め部を備えた構成にしてもよい。
本発明に係るカードアダプタ装置に使用されるカードを示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。 本発明に係るカードアダプタ装置の一実施形態を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のA−A断面図である。 図2の(b)図のB部拡大図である。 本実施形態に備えられ、超音波溶着が実施される前の下ケースを示す平面図である。 本実施形態に備えられる端子部材、外部接続部、及び端子支持部材を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は側面図である。 図4に示す下ケースに図5に示す端子支持部材が装着され、超音波溶着が実施される前の状態を示す平面図である。 超音波溶着が実施される直前の上ケースと下ケースとの接合状態を示す要部拡大断面図である。 超音波溶着が実施された後の上ケースと下ケースとの接合状態を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1 カード
1a 前端部
1b 凹部
2 上ケース
3 下ケース
3a 山形突起
3b 位置決め壁
3c 段部
3d 溶着部
4 挿入口
5 カード挿入部
6 端子支持部材
6a 端子部材
6b 外部接続部
6c 突張部材
6c1 先端部
6d 係合部材
6d1 凸部
6e 位置決め部
6f 前壁部
7 隙間

Claims (6)

  1. 合成樹脂製の上ケースと、この上ケースに接合される合成樹脂製の下ケースと、これらの上ケースと下ケースとの間に形成され、カードを挿入可能なカード挿入部と、上記カードの複数の接触部のそれぞれと接触可能な複数の端子部材と、これらの端子部材にそれぞれ一体に形成され、外部回路と接続可能な複数の外部接続部と、上記複数の端子部材を支持する合成樹脂製の端子支持部材とを備えるとともに、
    上記端子支持部材を、上記上ケースと上記下ケースとの間に配置し、上記上ケースまたは上記下ケースとの間に隙間を設けて保持させる金属製の突張部材を備えたことを特徴とするカードアダプタ装置。
  2. 上記請求項1記載の発明において、
    上記複数の端子部材、及び上記突張部材は、上記端子支持部材と一体に成形されていることを特徴とするカードアダプタ装置。
  3. 上記請求項1または2記載の発明において、
    上記複数の端子部材、及び上記突張部材は、一枚の金属板を打ち抜いて一体に形成されていることを特徴とするカードアダプタ装置。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか1項記載の発明において、
    上記突張部材は、上記端子支持部材の両側部からそれぞれ腕状に張り出し形成され、これらの突張部材の先端部を上記上ケースに当接させて上記端子支持部材を上記下ケース側へ付勢することを特徴とするカードアダプタ装置。
  5. 上記請求項1〜4のいずれか1項記載の発明において、
    上記端子支持部材は、上記上ケースまたは上記下ケースに対する位置決め部を有することを特徴とするカードアダプタ装置。
  6. 上記請求項3記載の発明において、
    上記カードの凹部に係合してこのカードを保持する係合部材を備えるとともに、この係合部材は、上記複数の端子部材と上記突張部材とともに上記一枚の金属板を打ち抜いて形成されていることを特徴とするカードアダプタ装置。
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