JP2007264772A - 数値制御装置への指令方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工プログラムと加工に関する情報を一元化し、加工中に加工に関する情報の収集も可能にする。
【解決手段】ISO14649形式のNCプログラムの「Display_Message」の命令に、引数「NC:」の拡張命令を設ける。NCプログラムから順次1行ずつ解読し(a2)、メモリに記憶するとき、「Display_Message」命令で、引数が「NC:」のときは、拡張命令フラグをオンとして、解読結果と共にメモリに記憶する(a3〜a6)。この解読した命令を実行するときには、拡張命令フラグがオンか判断し、オンでなければ通常の処理を行う。オンのときには、拡張命令の処理を実行し、引数で指令された種類の情報を引数で指示された処理を行う。この拡張命令で加工状態の情報や外部データベースからの情報等の加工に関連する情報を収集し表示することができ、情報が一元化される。
【選択図】図3
【解決手段】ISO14649形式のNCプログラムの「Display_Message」の命令に、引数「NC:」の拡張命令を設ける。NCプログラムから順次1行ずつ解読し(a2)、メモリに記憶するとき、「Display_Message」命令で、引数が「NC:」のときは、拡張命令フラグをオンとして、解読結果と共にメモリに記憶する(a3〜a6)。この解読した命令を実行するときには、拡張命令フラグがオンか判断し、オンでなければ通常の処理を行う。オンのときには、拡張命令の処理を実行し、引数で指令された種類の情報を引数で指示された処理を行う。この拡張命令で加工状態の情報や外部データベースからの情報等の加工に関連する情報を収集し表示することができ、情報が一元化される。
【選択図】図3
Description
本発明は、数値制御装置に関し、特に、数値制御装置で制御される工作機械による作業に対する指令方式に関する。
数値制御装置で制御される工作機械による加工においては、その全体作業として、数値制御装置に入力する、実際に加工するためのNCプログラムを作成し用意すると共に、他に加工に使用する工具に関する指示やワークの取り付けなどの作業手順に関する指示、付属機器に対する作業の指示が必要である。NCプログラムでは、数値制御装置で制御する工作機械に対して工具経路や、工作機械及び周辺機器への各種指令を指令することができるが、上述した加工作業者に対する作業手順等は、NCプログラムでは指示できない。そのため、現状では、これらの指示は紙または電子化された情報によって行われている。しかし、NCプログラムとは物理的に別の情報媒体であるため、NCプログラムとこれら作業手順等を関連づけて管理しなければならず、手間を要している。
この問題の解決のために、加工のための前処理、後処理の付属処理と加工の指示をスクリプトで記述しCNCへ入力する方式が知られている(特許文献1参照)。この方式による作業指示は、加工のための前処理、後処理の付属処理の指示と、NCプログラム名やシーケンスプログラム名による加工の指示とで構成され、付属処理は、通常の文章と機能コードで指示され、通常の文章はそのまま表示装置に表示され、機能コードは、指示された機能コードのプログラムが実行されるものとされている。
一方、現行のGコード形式に代わる新たなNCプログラムの記述形式として、ISO14649の規格化が進められている。このISO14649形式では、使用する工具の情報や加工作業者へのメッセージを記述できるようになっている。
加工にともなう、前処理、後処理等の付属処理や実際の加工処理の情報を一元化することは、加工作業を効率的に行う上で重要な要因である。例えば、NCプログラムを実行して加工を行い、その実行中に必要な情報を表示したり、加工中の工具への負荷データを収集し切削条件を改良することなど、加工中に情報を処理することは、加工作業を効率的に行う上で重要な要素であり、このような数値制御装置による情報処理への要求は高まっている。これらの情報処理は、NCプログラムの実行と連動して行うことが重要で、それを可能にする手法は実現されていない。
ISO14649形式のプログラムでは、加工の内容や使用する工具の情報等を加工作業者へメッセージとして表示することができるが、加工中に加工状態を表す情報を収集することや、外部のデータベースから情報を取得し、加工支援情報として作業者へ提示することは、プログラムに記述し指令することはできない。
また、本願発明の発明者は、Gコード形式のNCプログラムに加工情報の収集に関する指令を記述する手法を開発し特開2005−11203として公知となっている。しかし、この手法は、加工情報の取得に限定されるので情報の一元化という点では不十分である。また、適用対象もGコード形式のNCプログラムに限定される。
そこで、本発明は、加工プログラムと加工に関する情報を一元化し、加工中に加工に関する情報の収集も可能にする数値制御装置への指令方式を提供することにある。
そこで、本発明は、加工プログラムと加工に関する情報を一元化し、加工中に加工に関する情報の収集も可能にする数値制御装置への指令方式を提供することにある。
本発明は、数値制御装置への指令方式であって、工具の動きと機械および周辺機器への指示に加えて、加工作業者への支援、或いは、加工に関する情報収集、表示と外部システムとの情報交換を指令する命令を設け、NCプログラムに記述できるようにした。これによって、加工プログラムと加工に関する情報を一元化し、加工作業者に必要となる情報を提供できる。また、このNCプログラムをISO14649形式のものとした。ISO14649形式の「DISPLAY MESSAGE」命令の引数によって、前述した加工作業者への支援、或いは、加工に関する情報収集、表示と外部システムとの情報交換を指令する命令を加え、情報の収集、表示交換を可能とした。
加工に関する指示をNCプログラムに統合できるので、作業手順等の情報をもNCプログラムと一体となって提示することができ、情報管理が容易になる。また、加工の単位(ポケットの荒加工、穴明けなど)毎に、加工を実行したときの状態を表す情報をきめ細かく収集できるので、着目する情報を効率的に収集して加工条件や加工方法の改良に利用できる。
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本実施形態の数値制御装置の概要ブロック図である。
本実施形態では、パソコン(パーソナルコンピュータ)機能を備えたオープンCNC(コンピュータ内蔵数値制御装置)10を採用し、該数値制御装置10は、パソコン部11とCNC(数値制御装置)部12で構成されている。パソコン部11に、ISO14649形式のNCプログラムの解読処理部21、NCプログラムの実行処理部22を搭載する。NCプログラムの実行処理部22は、その内部にISO14649命令の処理部31と拡張命令の処理部32を含む。また、数値制御装置10は、通信路13を介して外部システムやデータベースに接続されている。
図1は、本実施形態の数値制御装置の概要ブロック図である。
本実施形態では、パソコン(パーソナルコンピュータ)機能を備えたオープンCNC(コンピュータ内蔵数値制御装置)10を採用し、該数値制御装置10は、パソコン部11とCNC(数値制御装置)部12で構成されている。パソコン部11に、ISO14649形式のNCプログラムの解読処理部21、NCプログラムの実行処理部22を搭載する。NCプログラムの実行処理部22は、その内部にISO14649命令の処理部31と拡張命令の処理部32を含む。また、数値制御装置10は、通信路13を介して外部システムやデータベースに接続されている。
NCプログラムには、ISO14649形式を拡張した書式を使用する。図2は、本実施形態におけるISO14649形式のNCプログラムの一部の説明図であり、ISO14649形式で規格化されているDisplay_Message命令を拡張した書式で記述した部分を示すものである。このDisplay_Message命令の括弧の中に「OP:」または「NC:」で始まる引数を設け、「OP:」で始まる引数の場合は、通常のISO14649の命令とみなして、通常のISO14649の命令の処理として処理し、「OP:」に続く文字列をCNC10の表示器に表示する。例えば、「PO:起動ボタンを押す」であれば、「起動ボタンを押す」という文字列が表示器に表示される。図2で示す例では、「OP:運転を起動する前にパラメータ10番=1であることを確認する」と記述されていることからCNC10の表示器には、このまま、「運転を起動する前にパラメータ10番=1であることを確認する」が表示されることになる。
また、「NC:」で始まる引数は拡張された引数であり、拡張された処理を実行させるもので、「NC:」の次の引数が拡張した処理の内容を示すものである。「NC:」の次に命令の種類が記述され、次に、その命令の実行内容が記述されるように規定されている。図2に示した例では、「NC:標準情報収集,周期=1」と記述されていることから、標準の情報収集を実行することを示し、この標準情報収集にて実行する内容はスクリプトで別のファイルに記述されている。次の「周期=1」は情報を収集する周期を表し、この例では1秒毎に収集することを指令している。なお、収集する情報は「標準の情報収集」という指定により決まるとしている。
図3は、数値制御装置10のパソコン部11のISO14649形式のNCプログラムの解読部21での解読処理のアルゴリズムである。このNCプログラム解読処理では、まず、拡張フラグをオフとし(ステップa1)、NCプログラムの命令を1行解読し(ステップa2)、該命令が「Display_Message」か否か判断し(ステップa3)、「Display_Message」でなければ、ステップa6に移行して解読した命令をメモリに記憶する。そして、最後の命令でなければ(ステップa7)、ステップ1に戻る。またステップa3で、解読した命令が「Display_Message」であると判断されたときは、括弧の中の引数が「OP:」または「NC:」のいずれで始まるかをチェックして、「OP:」で始まる場合は、ステップa6に移行し、「NC:」で始まる場合は、「拡張命令フラグ」をオンとし(ステップa5)、その後、ステップa6に移行する。こうして、Display_Message命令において、拡張された「NC:」で始まる引数の場合には、拡張命令フラグがオンとされて解読されたデータと共にメモリに記憶されることになる。かくして、NCプログラムの最後の命令まで解読され、解読された命令と拡張命令フラグのオン、オフがメモリに記憶されることになる。そして、Display_Message命令の場合、引数が「NC:」の場合には拡張命令フラグのオンが記憶されることになる。
図4は、こうして解読されたプログラム命令を実行処理部22で実行するときの処理フローチャートである。
まず、メモリに記憶された命令の内容を1つ読み出し(ステップb1)、拡張命令フラグがオンかオフか判断し(ステップb2)、オフであれば、通常のISO14649命令の処理を実行する(ステップb3)。これは、図1における通常ISO14649命令の処理部31の処理である。メモリから読み出した命令の内容が、「Display_Message」の命令で、引数が「OP:」で始まるものであるときには、拡張フラグはオフであり、通常のISO14649命令の表示指令と判断し、「OP:」に続く文字列をそのまま数値制御装置の表示器に表示する。例えば、図2に示すように、「OP:」の後に「運転を起動する前にパラメータ10番=1であることを確認する」と記述されていれば、この文字列が表示器に表示される。
まず、メモリに記憶された命令の内容を1つ読み出し(ステップb1)、拡張命令フラグがオンかオフか判断し(ステップb2)、オフであれば、通常のISO14649命令の処理を実行する(ステップb3)。これは、図1における通常ISO14649命令の処理部31の処理である。メモリから読み出した命令の内容が、「Display_Message」の命令で、引数が「OP:」で始まるものであるときには、拡張フラグはオフであり、通常のISO14649命令の表示指令と判断し、「OP:」に続く文字列をそのまま数値制御装置の表示器に表示する。例えば、図2に示すように、「OP:」の後に「運転を起動する前にパラメータ10番=1であることを確認する」と記述されていれば、この文字列が表示器に表示される。
一方、読み出し出した命令の拡張命令フラグがオンであれば、拡張された命令の処理を実行する(ステップb4)。これは、図1における拡張された命令の処理部32の処理である。以下、最後の命令が読み出されるまで(ステップb5)、上述したステップb1〜ステップb5の処理を繰り返し実行する。
図5は、この拡張された命令の実行処理(図1における拡張された命令の処理部32の処理)の内容を示す詳細な処理のフローチャートである。
まず、拡張命令フラグがオンであるときには、「NC:」の次の引数を読み拡張命令の種類を記憶する(ステップb41)。「NC:」で始まる引数には、前述したように「NC:」の次に命令の種類が記述され、次のその命令の実行内容が記述されている。そこで、次の第2の引数を読み出し、その命令をパラメータとして記憶し(ステップb42)、ステップb41で記憶した命令の種類に応じたスクリプトをメモリから呼び出し、該スクリプトにステップb42で記憶したパラメータを渡して実行し、実行結果を表示器に表示し(ステップb43)、この拡張された命令の処理は終了する。
まず、拡張命令フラグがオンであるときには、「NC:」の次の引数を読み拡張命令の種類を記憶する(ステップb41)。「NC:」で始まる引数には、前述したように「NC:」の次に命令の種類が記述され、次のその命令の実行内容が記述されている。そこで、次の第2の引数を読み出し、その命令をパラメータとして記憶し(ステップb42)、ステップb41で記憶した命令の種類に応じたスクリプトをメモリから呼び出し、該スクリプトにステップb42で記憶したパラメータを渡して実行し、実行結果を表示器に表示し(ステップb43)、この拡張された命令の処理は終了する。
図2に示した例では、「Display_Message」の命令の拡張命令が「NC:標準情報収集,周期=1」と記述されていることから、情報の種類が「標準情報収集」であり、その処理内容が、「周期=1」で1秒毎に情報収集することが指令されており、この命令に基づいて、1秒毎に、標準情報の収集がなされることになる。なお、収集する情報は「標準情報収集」という指定によって、自動的に決まっているものである。
このように、拡張命令によって、情報の収集ができることから、加工中における加工状態を表す情報(速度等の切削条件や実トルク等の情報)を収集し、表示することができるので、ポケットの荒加工、仕上げ加工、穴明け加工、平面荒加工等の加工の単位毎に加工を実行したときの状態を表す情報を収集して表示することができる。また、「NC:」に続く引数によって、情報の種類と処理内容を指定できることから、通信路13を介して、外部システムやデータベースから情報を収集し、表示する等の、加工支援情報として、各種情報を、必要なときタイムリーに表示させることができる。これによって、加工作業者が必要とする情報を効率的に収集して、加工条件や加工方法の改良に利用できるものである。
さらには、収集した情報を外部システム等に送信させることもでき、必要な情報を外部システムと交換できるものである。
さらには、収集した情報を外部システム等に送信させることもでき、必要な情報を外部システムと交換できるものである。
上述した実施形態では、ISO14649形式にすでにある既存の命令を拡張して利用したものであるが、新たな命令を設けて、上述した拡張命令と同等の処理動作を実施されるようにしてもよい。例えば、新たな命令を「CNC Cmd」とし、この命令で新たな処理動作を指令する。図2に示した拡張命令「#10=DISPLAY MESSAGE(‘NC:標準情報収集,周期=1’);」に対応する命令は、「#10=CNC Cmd(標準情報収集,周期=1);」となる。
10 数値制御装置
11 パソコン部
12 CNC部
21 ISO14649形式の解読部
22 実行処理部
31 通常ISO14649命令の処理部
32 拡張された命令の処理部
11 パソコン部
12 CNC部
21 ISO14649形式の解読部
22 実行処理部
31 通常ISO14649命令の処理部
32 拡張された命令の処理部
Claims (3)
- 工具の動きと機械および周辺機器への指示に加えて、加工作業者への支援、或いは、加工に関する情報収集、表示と外部システムとの情報交換を指令する命令を設け、NCプログラムに記述できるようにした数値制御装置への指令方式。
- NCプログラムにISO14649形式を使用する請求項1に記載の数値制御装置への指令方式。
- ISO14649形式の「DISPLAY MESSAGE」命令の引数に、前記加工作業者への支援、或いは、加工に関する情報収集、表示と外部システムとの情報交換を指令する命令を加えた請求項2に記載の数値制御装置への指令方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006085866A JP2007264772A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 数値制御装置への指令方式 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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