JP2007264588A - 液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Kentaro Takeda
健太郎 武田
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良幸 木谷
Naho Murakami
奈穗 村上
Shusaku Nakano
秀作 中野
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Abstract

【課題】優れた視野角補償が行われ、斜め方向のコントラストにきわめて優れ、かつ、薄型化可能な液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液晶パネルは、第1の偏光子と、第1の光学補償層と、液晶セルと、第2の光学補償層と、第2の偏光子とをこの順に有する。第1の光学補償層および第2の光学補償層は、それぞれ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含み、かつ、nx>ny>nzの屈折率分布を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。より詳細には、本発明は、カラーシフトが非常に小さい液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。
例えばVAモードの液晶セルにおいては、液晶分子が垂直方向に配向しているので、液晶パネルを法線方向からずれた方向から観察した場合には、液晶分子が見かけ上斜め方向に配向した状態となる。その結果、液晶分子の有する複屈折の影響を受けて光漏れが発生し、視野角が狭くなるという問題がある。
また、吸収軸を直交させて液晶セルの両側に配置した偏光板を液晶パネルの法線方向から観察した場合、光漏れは生じない。しかし、吸収軸方向とずれた方位において観察角度を法線方向から変化させると、この偏光板の吸収軸が見かけ上非直交状態となって、光漏れが発生する。
このような問題を解決するために、nx>ny>nzの屈折率分布を有する2軸光学補償板を用いて、液晶分子の複屈折と偏光板の軸ズレによる光漏れへの影響を補償する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、これらの技術はいずれも、カラーシフトを十分に低減することはできない。
特開2003−926号公報 特開2003−27488号公報 特開2003−38734号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、カラーシフトが非常に小さい液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明の液晶パネルは、第1の偏光子と、第1の光学補償層と、液晶セルと、第2の光学補償層と、第2の偏光子とをこの順に有し、該第1の光学補償層および該第2の光学補償層は、それぞれ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含み、かつ、nx>ny>nzの屈折率分布を有する:ここで、nxは光学補償層の遅相軸方向の屈折率であり、nyは光学補償層の進相軸方向の屈折率であり、nzは光学補償層の厚み方向の屈折率である。
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層は、それぞれ、0.5〜10μmの厚みを有する。
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層は、それぞれ、2≦Nz≦20のNz係数を有する。
好ましい実施形態においては、上記液晶パネルは、上記第1の光学補償層と上記第1の偏光子との間に第1の保護層を、および、上記第2の光学補償層と上記第2の偏光子との間に第2の保護層をさらに有する。さらに好ましい実施形態においては、上記第1の保護層および上記第2の保護層は、それぞれセルロース系ポリマーを含み、かつ、該第1の保護層および該第2の保護層の少なくとも一方の厚み方向位相差Rthが30nm以下である:ここで、厚み方向位相差Rthは、式:Rth=(nx−nz)×dで表され;nxは光学補償層の遅相軸方向の屈折率であり、nzは光学補償層の厚み方向の屈折率であり、dは光学補償層の厚みである。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルはVAモードまたはOCBモードである。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。
以上のように、本発明によれば、特定の光学補償層を液晶セルの両側に配置することにより、片側に配置する場合に比べてカラーシフトを顕著に低減することが可能となる。好ましい実施形態においては、液晶セルの両側に配置される光学補償層は同一の特性(例えば、構成材料、光学特性、厚み)を有する。このような対称配置を行うことにより、カラーシフトがさらに低減され得る。好ましい実施形態においては、上記光学補償層と偏光子との間に厚み方向位相差が小さい保護層を配置することにより、カラーシフトがさらに低減され得る。上記特定の光学補償層を液晶セルの両側に配置することによる効果は理論的には明らかではないが、以下のように推測できる。本発明における液晶セルは主としてVAモードまたはOCBモードに関するが、波長が大きくなるに従い位相差が小さくなる正の波長分散特性を有し、その傾きは大きい。本発明におけるポリイミド等の非液晶材料は同様に正の波長分散特性を有し、その傾きも大きく、液晶セルの両側に配置することで、液晶セルの波長分散特性とよりマッチし、光学特性が向上する。
A.液晶パネルの全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。図示例においては、液晶パネル100は、視認側から順に、第1の偏光子10と、第1の光学補償層20と、液晶セル30と、第2の光学補償層40と、第2の偏光子50とをこの順に有する。第1の偏光子10および第2の偏光子50は、代表的には、その吸収軸が互いに直交するようにして配置されている。液晶セル30は、一対のガラス基板31、32と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層33とを有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)32には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている(いずれも図示せず)。他方のガラス基板(カラーフィルター基板)31には、カラーフィルター(図示せず)が設けられる。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板32に設けてもよい。基板31、32の間隔(セルギャップ)は、スペーサー34によって制御されている。基板31、32の液晶層33と接する側には、例えばポリイミドからなる配向膜(図示せず)が設けられている。
好ましくは、第1の光学補償層20と第1の偏光子10との間に第1の保護層(図示せず)が設けられ、第2の光学補償層40と第2の偏光子50との間に第2の保護層(図示せず)が設けられる。さらに、実用的には、第1の偏光子10の第1の光学補償層20と反対側(第1の偏光子10の外側、図示例では視認側)に別の保護層(図示せず)が設けられ、第2の偏光子50の第2の光学補償層40と反対側(第2の偏光子50の外側、図示例ではバックライト側)にさらに別の保護層(図示せず)が設けられる。
液晶セル30の駆動モードとしては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な駆動モードが採用され得る。駆動モードの具体例としては、STN(Super Twisted Nematic)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、VA(Vertical Aligned)モード、OCB(Optically Aligned Birefringence)モード、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モードおよびASM(Axially
Symmetric Aligned Microcell)モードが挙げられる。VAモードおよびOCBモードが好ましい。第1の光学補償層20および第2の光学補償層40と組み合わせると、カラーシフトの改善が著しいからである。
図2(a)および(b)は、VAモードにおける液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。図2(a)に示すように、電圧無印加時には、液晶分子は基板31、32面に垂直に配向する。このような垂直配向は、垂直配向膜(図示せず)を形成した基板間に負の誘電率異方性を有するネマティック液晶を配することにより実現され得る。このような状態で、偏光子50を通過した直線偏光の光を一方の基板32の面から液晶層33に入射させると、当該入射光は、垂直配向している液晶分子の長軸の方向に沿って進む。液晶分子の長軸方向には複屈折が生じないため入射光は偏光方位を変えずに進み、偏光子50と直交する吸収軸を有する偏光子10で吸収される。これにより電圧無印加時において暗状態の表示が得られる(ノーマリブラックモード)。図2(b)に示すように、電極間に電圧が印加されると、液晶分子の長軸が基板面に平行に配向する。この状態の液晶層33に入射した直線偏光の光に対して液晶分子は複屈折性を示し、入射光の偏光状態は液晶分子の傾きに応じて変化する。所定の最大電圧印加時において液晶層を通過する光は、例えばその偏光方位が90°回転させられた直線偏光となるので、偏光子10を透過して明状態の表示が得られる。再び電圧無印加状態にすると配向規制力により暗状態の表示に戻すことができる。また、印加電圧を変化させて液晶分子の傾きを制御して偏光子10からの透過光強度を変化させることにより階調表示が可能となる。
図3(a)〜(d)は、OCBモードにおける液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。OCBモードは、液晶層33をいわゆるベンド配向といわれる配向によって構成する表示モードである。ベンド配向とは、図3(c)に示すように、ネマチック液晶分子の配向が基板近傍においては、ほぼ平行の角度(配向角)を有し、配向角は液晶層の中心に向かうに従って基板平面に対して垂直な角度を呈し、液晶層の中心から離れるに従って対向する基板表面と配向になるように漸次連続的に変化し、かつ、液晶層全体にわたってねじれ構造を有しない配向状態をいう。このようなベンド配向は、以下のようにして形成される。図3(a)に示すように、何ら電界等を付与していない状態(初期状態)では、液晶分子は実質的にホモジニアス配向をとっている。ただし、液晶分子は、プレチルト角を有し、かつ、基板近傍のプレチルト角とそれに対向する基板近傍のプレチルト角とが異なっている。ここに所定のバイアス電圧(代表的には、1.5V〜1.9V)を印加すると(低電圧印加時)、図3(b)に示すようなスプレイ配向を経て、図3(c)に示すようなベンド配向への転移が実現され得る。ベンド配向状態からさらに表示電圧(代表的には、5V〜7V)を印加すると(高電圧印加時)、液晶分子は図3(d)に示すように基板表面に対してほぼ垂直に立ち上がる。ノーマリーホワイトの表示モードにおいては、偏光子50を通過して、高電圧印加時に図3(d)の状態にある液晶層33に入射した光(直線偏光)は、偏光方位を変えずに進み、偏光子10で吸収される。したがって、暗状態の表示となる。表示電圧を下げると、ラビング処理の配向規制力により、ベンド配向に戻り、明状態の表示に戻すことができる。また、表示電圧を変化させて液晶分子の傾きを制御して偏光板からの透過光強度を変化させることにより、階調表示が可能となる。なお、OCBモードの液晶セルを備えた液晶表示装置は、スプレイ配向状態からベンド配向状態への相転移を非常に高速でスイッチングできるため、TNモードやIPSモード等の他駆動モードの液晶表示装置に比べ、動画表示特性に優れるという特徴を有する。
B.光学補償層
B−1.光学補償層の特性
第1の光学補償層20の面内位相差(正面位相差)Δndは、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。第2の光学補償層40の面内位相差Δndもまた、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。本発明の効果が得られる限りにおいて、ΔndおよびΔndは、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、それぞれの光学補償層の面内位相差は同一である。カラーシフトの改善効果が著しいからである。例えば、ΔndおよびΔndの下限はそれぞれ、好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上、最も好ましくは15nm以上である。ΔndまたはΔndが5nm未満の場合には、斜め方向のコントラストが低下する場合が多い。一方、ΔndおよびΔndの上限はそれぞれ、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは200nm以下、特に好ましくは150nm以下、とりわけ好ましくは100nm以下、最も好ましくは80nm以下である。ΔndまたはΔndが400nmを超えると、視野角が小さくなる場合が多い。より具体的には、液晶セルがVAモードを採用する場合には、ΔndおよびΔndはそれぞれ、好ましくは5〜100nm、さらに好ましくは10〜70nm、最も好ましくは30〜50nmである。液晶セルがOCBモードを採用する場合には、ΔndおよびΔndはそれぞれ、好ましくは5〜400nm、さらに好ましくは10〜300nm、最も好ましくは15〜200nmである。なお、面内位相差Δndは、式:Δnd=(nx−ny)×dで求められる。ここで、nxは光学補償層の遅相軸方向の屈折率であり、nyは光学補償層の進相軸方向の屈折率であり、d(nm)は光学補償層の厚みである。代表的には、Δndは、波長590nmの光を用いて測定される。遅相軸は、フィルム面内の屈折率が最大になる方向をいい、進相軸は、面内で遅相軸に垂直な方向をいう。
第1の光学補償層20の厚み方向位相差Rthもまた、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。さらに、第2の光学補償層40の厚み方向位相差Rthも、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。本発明の効果が得られる限りにおいて、RthおよびRthは、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、それぞれの光学補償層の厚み方向位相差は同一である。カラーシフトの改善効果が著しいからである。例えば、RthおよびRthの下限はそれぞれ、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上、最も好ましくは50nm以上である。RthまたはRthが10nm未満の場合には、斜め方向のコントラストが低下する場合が多い。一方、RthおよびRthの上限はそれぞれ、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは400nm以下、特に好ましくは300nm以下、とりわけ好ましくは280nm以下、最も好ましくは260nm以下である。RthまたはRthが1000nmを超えると、光学補償が大きくなりすぎて結果的に斜め方向のコントラストが低下してしまう可能性がある。より具体的には、液晶セルがVAモードを採用する場合には、RthおよびRthはそれぞれ、好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは20〜250nm、最も好ましくは50〜200nmである。液晶セルがOCBモードを採用する場合には、RthおよびRthはそれぞれ、好ましくは10〜1000nm、さらに好ましくは20〜500nm、最も好ましくは50〜400nmである。なお、厚み方向位相差Rthは、式:Rth=(nx−nz)×dで求められる。ここで、nzは、フィルム(光学補償層)の厚み方向の屈折率である。Rthもまた、代表的には波長590nmの光を用いて測定される。
第1の光学補償層20のNz係数(=Rth/Δnd)もまた、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。さらに、第2の光学補償層40のNz係数も、液晶セルの駆動モードに対応して最適化され得る。本発明の効果が得られる限りにおいて、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40のNz係数は、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、それぞれの光学補償層のNz係数は同一である。カラーシフトの改善効果が著しいからである。例えば、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40のNz係数はそれぞれ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10、とりわけ好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜6である。より具体的には、液晶セルがVAモードを採用する場合には、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40のNz係数はそれぞれ、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜6である。液晶セルがOCBモードを採用する場合には、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40のNz係数は、好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10、最も好ましくは2〜8である。また、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40はそれぞれ、nx>ny>nzの屈折率分布を有する。このような光学特性(すなわち、Δnd、Rth、屈折率分布およびNz係数)を有する光学補償層を液晶セルの両側に配置することにより(さらに好ましくは、同一の光学補償層を対称配置することにより)、カラーシフトが非常に小さい液晶パネルが得られる。
第1の光学補償層20および第2の光学補償層40はそれぞれ、本発明の効果を奏する限りにおいて任意の適切な厚みを有し得る。具体的には、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40の厚みはそれぞれ、好ましくは0.1〜50μmであり、さらに好ましくは0.5〜30μmであり、特に好ましくは0.5〜10μmであり、とりわけ好ましくは1〜10μmであり、最も好ましくは1.5〜5μmである。液晶表示装置の薄型化に寄与し得るとともに、視野角補償性能に優れ、かつ位相差が均一な光学補償層が得られ得るからである。第1の光学補償層20および第2の光学補償層40の厚みは、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、それぞれの光学補償層の厚みは同一である。カラーシフトの改善効果が著しいからである。
第1の光学補償層20および第2の光学補償層40はそれぞれ、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。積層体の場合には、積層体全体として上記のような光学特性を有する限り、各層を構成する材料および各層の厚みは適宜設定され得る。
B−2.光学補償層の構成材料
第1の光学補償層20および第2の光学補償層40を構成する材料としては、上記のような光学特性が得られる限りにおいて任意の適切な材料が採用され得る。本発明の効果が得られる限りにおいて、第1の光学補償層20および第2の光学補償層40は、同一の材料で構成されてもよく、異なる材料で構成されてもよい。例えば、光学補償層の構成材料としては、非液晶性材料が挙げられる。特に好ましくは、非液晶性ポリマーである。このような非液晶性材料は、液晶性材料とは異なり、基板の配向性に関係なく、それ自身の性質によりnx>nz、ny>nzという光学的一軸性を示す膜を形成し得る。その結果、配向基板のみならず未配向基板も使用され得る。さらに、未配向基板を用いる場合であっても、その表面に配向膜を塗布する工程や配向膜を積層する工程等を省略することができる。
上記非液晶性材料としては、例えば、耐熱性、耐薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーが好ましい。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリアリールエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが特に好ましい。ポリイミドは、波長が大きくなるに従い位相差が小さくなる正の波長分散特性を有し、その傾きが、VAモードやOCBモードの液晶セルの波長分散特性と最適にマッチするので好ましい。
上記ポリマーの分子量は、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
上記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000−511296号公報に開示された、9,9−ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC10アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R〜Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC10アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基である。
上記式(1)中、Zは、例えば、C20の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記式(2)で表される基である。
上記式(2)中、Z’は、例えば、共有結合、C(R基、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(C基、または、NR基であり、複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、wは、1から10までの整数を表す。Rは、それぞれ独立して、水素またはC(Rである。Rは、水素、炭素原子数1〜約20のアルキル基、またはC20アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、それぞれ独立して、水素、フッ素、または塩素である。
上記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基が挙げられる。また、上記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された上記多環式芳香族基が挙げられる。
この他にも、例えば、特表平8−511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)または(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等が挙げられる。なお、下記式(5)のポリイミドは、下記式(3)のホモポリマーの好ましい形態である。
上記一般式(3)〜(5)中、GおよびG’は、それぞれ独立して、例えば、共有結合、CH基、C(CH基、C(CF基、C(CX基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(CHCH基、および、N(CH)基からなる群から選択される基であり、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
上記式(3)および式(5)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。上記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、およびC1−3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基が挙げられる。また、上記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0から3までの整数である。
上記式(3)〜(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。上記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。上記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。また上記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基が挙げられる。fは、0から4までの整数であり、gは、0から3までの整数であり、hは、1から3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
上記式(4)中、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から選択される基である。その中でも、R10およびR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
上記式(5)中、MおよびMは、それぞれ独立して、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。上記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。また、上記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、およびC1−3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基が挙げられる。
上記式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記式(6)で表されるもの等が挙げられる。
さらに、上記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーが挙げられる。
上記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
上記ピロメリット酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,6−ジフェニルピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリット酸二無水物等が挙げられる。上記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。上記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。上記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。上記2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2’−ジブロモ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ジクロロ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6−トリフルオロ−3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−2,2−ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−[4,4’−イソプロピリデン−ジ(p−フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N−(3,4−ジカルボキシフェニル)−N−メチルアミン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等が挙げられる。
これらの中でも、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2’−ビス(トリハロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
上記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンが挙げられる。
上記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o−、m−およびp−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼンおよび1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンからなる群から選択されるジアミン等が挙げられる。上記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、および3,3’−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。上記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノナフタレン、および1,5−ジアミノナフタレン等が挙げられる。上記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、および2,4−ジアミノ−S−トリアジン等が挙げられる。
また、芳香族ジアミンとしては、上記の他に、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジアニリン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記ポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンが挙げられる。
上記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、または、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。上記低級アルキル基としては、例えば、Cの直鎖または分岐鎖を有するアルキル基が好ましく、より好ましくはCの直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、および、tert−ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。上記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の上記低級アルキル基のハロゲン化物が挙げられる。上記低級アルコキシ基としては、例えば、Cの直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはCの直鎖または分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、および、tert−ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエトキシ基である。上記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の上記低級アルコキシ基のハロゲン化物が挙げられる。
上記式(7)中、qは、0から4までの整数である。上記式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、上記式(7)中、Rは、下記式(8)で表される基であり、mは、0または1の整数である。
上記式(8)中、X’は置換基を表し、例えば、上記式(7)におけるXと同様である。上記式(8)において、X’が複数の場合、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。q’は、上記X’の置換数を表し、0から4までの整数であって、q’=0が好ましい。また、pは、0または1の整数である。
上記式(8)中、Rは、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o−、m−もしくはp−フェニレン基、または、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o−、m−もしくはp−テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等が挙げられる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、上記Rとしては、下記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
上記式(7)中、Rとしては、下記式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)において、Rおよびpは上記式(8)と同義である。
さらに、上記式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合であってもよい。
さらに、上記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p−テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(17)で表すことができる。なお、下記式において、nは上記式(7)と同様の重合度を表す。
上記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(21)で表されるもの等が挙げられ、下記各式において、nは、上記式(7)と同様の重合度を表す。
また、これらの他に、上記ポリアミドまたはポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルが挙げられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
上記式(22)中、Yは、OまたはNHである。また、Eは、例えば、共有結合、Cアルキレン基、ハロゲン化Cアルキレン基、CH基、C(CX基(ここで、Xはハロゲンまたは水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO基、Si(R)基、および、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。上記Eにおいて、Rは、C1−3アルキル基およびC1−3ハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
また、上記式(22)中、AおよびA’は、置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0から3までの整数であり、qは、1から3までの整数であり、rは、0から3までの整数である。
上記Aは、例えば、水素、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、上記で定義したとおりである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、C1−9アルコキシカルボニル基、C1−9アルキルカルボニルオキシ基、C1−12アリールオキシカルボニル基、C1−12アリールカルボニルオキシ基およびその置換誘導体、C1−12アリールカルバモイル基、ならびに、C1−12アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。上記A’は、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。上記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、C1−3アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基およびこれらの組み合わせが挙げられる。上記tは、0から4までの整数であり、上記zは、0から3までの整数である。
上記式(22)で表されるポリアミドまたはポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
上記式(23)中、A、A’およびYは、上記式(22)で定義したとおりであり、vは0から3の整数、好ましくは、0から2の整数である。xおよびyは、それぞれ0または1であるが、共に0であることはない。
B−3.光学補償層の形成方法
次に、光学補償層の形成方法について説明する。光学補償層の形成方法としては、上記のような光学特性を有する光学補償層が得られる限りにおいて任意の適切な方法が採用され得る。代表的な形成方法は、基材フィルムに上記非液晶性ポリマーの溶液を塗工する工程と、当該溶液中の溶媒を除去して非液晶性ポリマーの層を形成する工程とを含む。代表的には、当該基材フィルムは、最終的に上記第1または第2の保護層となる。したがって、第1および第2の保護層を構成するフィルム(代表的には、セルロース系フィルム)が基材フィルムとして用いられる。セルロース系フィルムの詳細については、後述のD項で説明する。
上記塗工溶液(非液晶性ポリマー溶液)の溶媒は、特に制限されず、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、バラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。中でも、メチルイソブチルケトンが好ましい。非液晶材料に対して高い溶解性を示し、かつ、基材フィルムを侵食しないからである。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いられ得る。
上記塗工溶液における上記非液晶性ポリマーの濃度は、上記のような光学補償層が得られ、かつ塗工可能であれば、任意の適切な濃度が採用され得る。例えば、当該溶液は、溶媒100重量部に対して、非液晶性ポリマーを好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部含む。このような濃度範囲の溶液は、塗工容易な粘度を有する。
上記塗工溶液は、必要に応じて、安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤をさらに含有し得る。
上記塗工溶液は、必要に応じて、異なる他の樹脂をさらに含有し得る。このような他の樹脂としては、例えば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。このような樹脂を併用することにより、目的に応じて適切な機械的強度や耐久性を有する光学補償層を形成することが可能となる。
上記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等が挙げられる。上記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
上記塗工溶液に添加される上記異なる樹脂の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、このような樹脂は、上記非液晶性ポリマーに対して、好ましくは0〜50質量%、さらに好ましくは0〜30質量%の割合で添加され得る。
上記溶液の塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。また、塗工に際しては、必要に応じて、ポリマー層の重畳方式も採用され得る。
塗工後、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥(例えば、60〜250℃)により、上記溶液中の溶媒を蒸発除去させ、基材フィルム(最終的に第1または第2の保護層となる)上に光学補償層を形成する。
好ましくは、上記の光学補償層の形成方法においては、光学的二軸性(nx>ny>nz)を付与するための処理が行われ得る。このような処理を行うことにより、面内に屈折率の差(nx>ny)を確実に付与することができ、光学的二軸性(nx>ny>nz)を有する光学補償層が得られる。面内に屈折率の差を付与する方法としては、代表的には、上記基材フィルムと該基材フィルム上に形成された上記光学補償層とを一体的に延伸または収縮させる方法が挙げられる。好ましい実施形態においては、所定の温度に加熱して延伸または収縮が行われる。加熱温度(延伸温度)は、例えば120〜180℃であり、延伸倍率は、例えば1.1〜1.5倍であり、好ましくは1.1〜1.3倍である。このようにして、光学補償層が形成される(言い換えれば、光学補償層と保護層との積層体が得られる)。なお、基材フィルムとしては、保護層を構成しない任意の適切なフィルムを用いてもよい。この場合には、形成された光学補償層は、基材フィルムから保護層または偏光子に転写され得る。
C.偏光子
第1の偏光子10および第2の偏光子50としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。第1の偏光子10および第2の偏光子50は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
D.第1および第2の保護層
上記の通り、本発明の液晶パネルは、第1の光学補償層20と第1の偏光子10との間に第1の保護層(図示せず)を、および/または、第2の光学補償層40と第2の偏光子50との間に第2の保護層をさらに有する。さらに好ましくは、本発明の液晶パネルは、第1の光学補償層20と第1の偏光子10との間に第1の保護層をさらに有し、かつ、第2の光学補償層40と第2の偏光子50との間に第2の保護層をさらに有する。光学補償層と偏光子との間に保護層を設けることにより、偏光子の劣化が防止され、かつ、偏光子と光学補償層との接着性(結果として、耐久性)が改善され得る。代表的には、第1の光学補償層20と第1の保護層、および、第2の光学補償層40と第2の保護層は、直接積層されている。例えば、上記B−3項に記載のように、保護層を構成するフィルム上に光学補償層を形成する材料を塗布・乾燥することにより、保護層と光学補償層とが直接積層され得る。また、代表的には、第1の偏光子10と第1の保護層、および、第2の偏光子50と第2の保護層は、任意の適切な接着剤層を介して積層されている。第1の保護層および第2の保護層は、同一の特性(例えば、光学特性、機械的特性、熱的特性)を有していてもよく、異なる特性を有していてもよい。好ましくは、第1の保護層および第2の保護層は同一である。カラーシフトの改善が著しいからである。
第1および第2の保護層(偏光子の液晶セル側の保護層)は、その光学特性を最適化することが好ましい。具体的には、第1および第2の保護層の面内位相差Δndp1およびΔndp2はそれぞれ、好ましくは15nm以下、さらに好ましくは10nm以下、特に好ましくは6nm以下、とりわけ好ましくは4nm以下、最も好ましくは2nm以下である。一方、Δndp1およびΔndp2はそれぞれ、好ましくは0nm以上であり、さらに好ましくは0nmより大きい。本発明によれば、上記のような範囲の面内位相差Δndを有する保護層(偏光子の内側の保護層)と上記のような特定の光学補償層とを組み合わせて液晶パネルに組み込むことにより、カラーシフトを非常に小さくすることができる。Δndp1およびΔndp2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、Δndp1およびΔndp2は同一である。カラーシフトの改善が著しいからである。
第1および第2の保護層の厚み方向の位相差Rthp1およびRthp2はそれぞれ、好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下、特に好ましくは30nm以下、とりわけ好ましくは20nm以下、最も好ましくは10nm以下である。一方、Rthp1およびRthp2はそれぞれ、好ましくは0nm以上であり、さらに好ましくは0nmより大きい。1つの実施形態においては、第1および第2の保護層の厚み方向位相差Rthp1およびRthp2のうち少なくとも一方は30nm以下である。本発明によれば、上記のような範囲の厚み方向位相差Rthを有する保護層(偏光子の内側の保護層)と上記のような特定の光学補償層とを組み合わせて液晶パネルに組み込むことにより、カラーシフトを非常に小さくすることができる。Rthp1およびRthp2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、Rthp1およびRthp2は同一である。カラーシフトの改善が著しいからである。
第1および第2の保護層の材料としては、任意の適切な材料を採用できる。例えば、セルロース系材料、ノルボルネン系材料が挙げられる。好ましい具体例の1つは、第1および第2の保護層がセルロース系材料から得られるフィルム(セルロース系フィルム)で構成される。セルロース系フィルムとしては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なセルロース系フィルムが用いられる。第1および第2の保護層は、同一のセルロース系フィルムで構成されてもよく、異なるセルロース系フィルムで構成されてもよい。第1および第2の保護層は、同一のセルロース系フィルムで構成されるのが好ましい。カラーシフトの改善が著しいからである。当該フィルムを構成するセルロース系材料の具体例としては、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどの脂肪酸置換セルロース系ポリマーが挙げられる。
上記のような光学特性の最適化が行われている限り、本発明における第1および第2の保護層としては、一般的に透明保護フィルムとして用いられているセルロース系フィルム(例えば、富士写真フィルム社製、商品名TF80UL)をそのまま用いてもよく、適切な処理(例えば、厚み方向位相差(Rth)を小さくするための処理)を施したセルロース系フィルムを用いてもよい。また、厚み方向位相差(Rth)を小さく制御した市販のセルロース系フィルム(例えば、富士写真フィルム社製、商品名ZRF80S)を用いてもよい。
厚み方向位相差(Rth)を小さくするための上記処理としては、任意の適切な処理方法を採用できる。例えば、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗布したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレス等の基材を、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば、80〜150℃程度で3〜10分程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂等をシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を、一般的なセルロース系フィルムに塗布し、加熱乾燥(例えば、80〜150℃程度で3〜10分程度)した後、塗布フィルムを剥離する方法;などが挙げられる。
上記脂肪酸置換セルロース系ポリマーとしては、脂肪酸置換度を制御した脂肪酸置換セルロース系ポリマーが好ましい。例えば、一般的に用いられているトリアセチルセルロースでは、酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7、さらに好ましくはプロピオン酸置換度を0.1〜1に制御することによって、厚み方向位相差(Rth)を小さく制御することができる。
1つの実施形態においては、上記脂肪酸置換セルロース系ポリマーに、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、厚み方向位相差(Rth)を小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸置換セルロース系ポリマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは1〜20重量部、最も好ましくは1〜15重量部である。
上述したような厚み方向位相差(Rth)を小さく制御するための技術は、適宜組み合わせて用いてもよい。
第1および第2の保護層の別の好ましい具体例として、アクリル樹脂フィルムも挙げられる。第1および第2の保護層の両方がアクリル樹脂フィルムであってもよいし、一方のみがアクリル樹脂フィルムであってもよい。第1および第2の保護層の両方がアクリル樹脂フィルムの場合は、同一のアクリル樹脂フィルムであってもよいし、異なるアクリル樹脂フィルムであってもよい。アクリル樹脂フィルムとして好ましくは、特開2005−314534号公報に記載の、下記構造式(24)で表されるグルタル酸無水物単位を含有するアクリル樹脂(A)を主成分として含むアクリル樹脂フィルムである。下記構造式(24)で表されるグルタル酸無水物単位を含有することにより、耐熱性が向上し得る。下記構造式(24)中、R、Rは、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記アクリル樹脂(A)中、上記構造式(24)で表されるグルタル酸無水物単位の含有割合は、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜35重量%である。
上記アクリル樹脂(A)は、上記構造式(24)で表されるグルタル酸無水物単位の他に、任意の適切なモノマー単位を1種または2種以上含んでいても良い。このようなモノマー単位として、好ましくは、ビニルカルボン酸アルキルエステル単位が挙げられる。上記アクリル樹脂(A)中、ビニルカルボン酸アルキルエステル単位の含有割合は、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは65〜75重量%である。
上記ビニルカルボン酸アルキルエステル単位としては、例えば、下記一般式(25)で表される単位が挙げられる。下記一般式(25)中、Rは水素原子または炭素数1〜5の脂肪族もしくは脂環式炭化水素、Rは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素を表す。
上記アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは80000〜150000である。
上記アクリル樹脂フィルム中の上記アクリル樹脂(A)の含有割合は、好ましくは60〜90重量%である。
上記アクリル樹脂フィルム中には、上記アクリル樹脂(A)の他に、任意の適切な成分が1種または2種以上含まれていても良い。このような成分としては、本発明の目的を損なわない範囲で任意の適切な成分を採用し得る。例えば、上記アクリル樹脂(A)以外の樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。
第1および第2の保護層の厚みとしては、所望の厚み方向位相差(Rth)が得られ、かつ、保護層(保護フィルム)としての機械的強度が維持される限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、第1および第2の保護層の厚みはそれぞれ、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは5〜200μm、特に好ましくは20〜200μm、とりわけ好ましくは30〜100μm、最も好ましくは35〜95μmである。第1および第2の保護層の厚みは、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、第1および第2の保護層の厚みは同一である。カラーシフトの改善が著しいからである。
E.別の保護層(外側の保護層)
実用的には、第1の偏光子10の外側(図示例では視認側)に別の保護層(図示せず)が設けられ、第2の偏光子50の外側(図示例ではバックライト側)にさらに別の保護層(図示せず)が設けられる。これらの外側の保護層は光学補償に影響を与えないので、光学特性を最適化する必要はない。したがって、これらの外側の保護層としては、目的に応じて任意の適切な保護層が採用され得る。外側の保護層は、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるプラスチックフィルムから構成される。プラスチックフィルムを構成する樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、セルロース樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂も用いられ得る。偏光特性および耐久性の観点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
さらに、例えば、特開2001−343529号公報(WO 01/37007号)に記載されているような樹脂組成物から形成されるポリマーフィルムも外側の保護層に使用可能である。より詳細には、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とシアノ基とを有する熱可塑性樹脂との混合物である。具体例としては、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。例えば、このような樹脂組成物の押出成形物が用いられ得る。
上記外側の保護層は、透明で色付が無いことが好ましい。具体的には、外側の保護層の厚み方向の位相差Rthが、好ましくは−90nm〜+75nm、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、最も好ましくは−70nm〜+45nmである。外側の保護層の厚み方向の位相差Rthがこのような範囲であれば、外側の保護層に起因する偏光子の光学的着色を解消し得る。
上記外側の保護層の厚みは、目的に応じて適宜設定され得る。外側の保護層の厚みは、代表的には500μm以下、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
上記外側の保護層の偏光子を接着させない面には、任意の適切な表面処理を施すことができる。表面処理の具体例としては、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理や、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)が挙げられる。上記ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を上記保護層表面に形成することができる。上記反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施される。また、上記スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。上記アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて保護層の表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。また、上記アンチグレアによって形成されるアンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
F.液晶表示装置
本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置は、上記本発明の液晶パネルを含んで構成される。液晶パネル以外の構成部材については、任意の適切な構成部材が採用される。例えば、本発明の液晶表示装置は、本発明の液晶パネルと、該液晶パネルの両側に配置された表面処理層と、バックライト側の表面処理層の外側(バックライト側)に配置された輝度向上フィルム、プリズムシート、導光板およびバックライトとを備える。表面処理層としては、上記のハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散処理(アンチグレア処理)などを施した処理層が用いられる。表面処理層は、上記外側の保護層に表面処理を施すことにより形成してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)位相差の測定
試料フィルムの屈折率nx、nyおよびnzを、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21−ADH)により計測し、面内位相差Δndおよび厚み方向位相差Rthを算出した。測定温度は23℃、測定波長は590nmであった。
(2)カラーシフトの測定
ELDIM社製 商品名 「EZ Contrast160D」を用いて、方位角30°、45°および60°方向で、極角を0°〜80°に変化させて液晶表示装置の色調を測定し、XY色度図上にプロットした。さらに、極角60°方向で、方位角を0°〜60°に変化させてx値およびy値を測定し、方位角とx値およびy値との関係をプロットした。
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)とから合成された下記式(6)で表される重量平均分子量(Mw)70,000のポリイミドを、メチルイソブチルケトンに溶解して、10質量%のポリイミド溶液を調製した。なお、ポリイミドの調製等は、文献(F. Li et al. Polymer40 (1999) 4571−4583)の方法を参照した。このポリイミド溶液を、位相差の小さいトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム社製、商品名ZRF80S、厚み80μm)に22μmの厚みで塗布し、120℃で5分間乾燥して、基材(TACフィルム:最終的に保護層となる)と光学補償層(厚み2.2μm)とを有する積層体を得た。この積層体を150℃で1.2倍に横延伸した。延伸して得られた積層体の面内位相差は43nmであり、厚み方向位相差は192nmであった。一方、基材(TACフィルム)のみを同様に延伸して位相差を測定したところ、面内位相差は4nmであり、厚み方向位相差は20nmであった。積層体の位相差と基材の位相差との差から光学補償層(ポリイミド層)の位相差を算出した。光学補償層(ポリイミド層)の面内位相差は39nmであり、厚み方向位相差は172nmであった。さらに、光学補償層のNz係数は4.4であった。
一方、ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸して偏光子を作製した。この偏光子と上記積層体とを接着剤を介して貼り合わせた。このとき、基材(保護層)と偏光子とが隣接するようにして貼り合わせた。また、偏光子の吸収軸(延伸軸)と光学補償層の遅相軸(延伸軸)とが直交するようにして貼り合わせた。さらに、積層体が貼り合わされていない偏光子の面に接着剤を介して、一般的に用いられるTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名TF80UL、厚み80μm)を貼り合わせた。このようにして、外側保護層(一般的なTACフィルム)/偏光子/内側保護層(位相差の小さいTACフィルム)/光学補償層(ポリイミド層)の構造を有する偏光板一体型積層体を得た。この偏光板一体型積層体を2枚作製した。
液晶パネル(AUO社製、商品名BenQ DV3250、32インチ、VAモード)から液晶セルを取り出した。この液晶セルの両側に、接着剤を介して上記2枚の偏光板一体型積層体をそれぞれ外側保護層が最外層となるようにして貼り合わせた。このとき、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。このようにして、液晶パネルを得た。この液晶パネルについてカラーシフトを測定した。x値およびy値と方位角との関係を図4に、xy色度図を図5に示す。さらに、この液晶パネルの、(X,Y)値、(Xi,Yi)値、ΔXY値、(u’ ,v’)値、(u’i,v’i)値、Δu’v’値を、表1に示す。ΔXY値は、下記の式(A)で表され、液晶セルの法線方向から観察した場合の色度(X,Y)と、色度図上で(X,Y)から最も離れた点(Xi,Yi)との距離を示し、この値が大きいほどカラーシフトが大きいことを示す。Δu’v’値は、下記の式(B)で表され、液晶セルの法線方向から観察した場合の色度(u’,v’)と、色度図上で(u’,v’)から最も離れた点(u’i,v’i)との距離を示し、この値が大きいほどカラーシフトが大きいことを示す。
ΔXY={(X−Xi)+(Y−Yi)1/2 ・・・(A)
Δu’v’={(u’−u’i)+(v’−v’i)1/2 ・・・(B)
実施例1と同様のポリイミド溶液を、一般的に用いられるTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名TF80UL、厚み80μm)に32μmの厚みで塗布し、120℃で5分間乾燥して、基材(TACフィルム:最終的に保護層となる)と光学補償層(厚み3.2μm)とを有する積層体を得た。この積層体を165℃で1.27倍に横延伸した。延伸して得られた積層体の面内位相差は38nmであり、厚み方向位相差は144nmであった。一方、基材(TACフィルム)のみを同様に延伸して位相差を測定したところ、面内位相差は10nmであり、厚み方向位相差は60nmであった。積層体の位相差と基材の位相差との差から光学補償層(ポリイミド層)の位相差を算出した。光学補償層(ポリイミド層)の面内位相差は28nmであり、厚み方向位相差は84nmであった。さらに、光学補償層のNz係数は3であった。
一方、実施例1と同様にして偏光子を作製した。この偏光子と上記積層体とを接着剤を介して貼り合わせた。このとき、基材(保護層)と偏光子とが隣接するようにして貼り合わせた。また、偏光子の吸収軸(延伸軸)と光学補償層の遅相軸(延伸軸)とが直交するようにして貼り合わせた。さらに、積層体が貼り合わされていない偏光子の面に接着剤を介して、一般的に用いられるTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名TF80UL、厚み80μm)を貼り合わせた。このようにして、外側保護層(一般的なTACフィルム)/偏光子/内側保護層(一般的なTACフィルム)/光学補償層(ポリイミド層)の構造を有する偏光板一体型積層体を得た。この偏光板一体型積層体を2枚作製した。
液晶パネル(シャープ社製、商品名アクオス、32インチ、VAモード)から液晶セルを取り出した。この液晶セルの両側に、接着剤を介して上記2枚の偏光板一体型積層体をそれぞれ貼り合わせた。このとき、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。このようにして、液晶パネルを得た。この液晶パネルについてカラーシフトを測定した。x値およびy値と方位角との関係を図6に示す。さらに、この液晶パネルの、(X,Y)値、(Xi,Yi)値、ΔXY値、(u’ ,v’)値、(u’i,v’i)値、Δu’v’値を、上記表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様のポリイミド溶液を、一般的に用いられるTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名TF80UL、厚み80μm)に31μmの厚みで塗布し、120℃で5分間乾燥して、基材(TACフィルム:最終的に保護層となる)と光学補償層(厚み3.1μm)とを有する積層体を得た。この積層体を160℃で1.168倍に横延伸した。延伸して得られた積層体の面内位相差は55nmであり、厚み方向位相差は260nmであった。一方、基材(TACフィルム)のみを同様に延伸して位相差を測定したところ、面内位相差は10nmであり、厚み方向位相差は60nmであった。積層体の位相差と基材の位相差との差から光学補償層(ポリイミド層)の位相差を算出した。光学補償層(ポリイミド層)の面内位相差は45nmであり、厚み方向位相差は200nmであった。さらに、光学補償層のNz係数は4.4であった。
後の手順は実施例1と同様にして、外側保護層(一般的なTACフィルム)/偏光子/内側保護層(一般的なTACフィルム)/光学補償層(ポリイミド層)の構造を有する偏光板一体型積層体を得た。
液晶パネル(AUO社製、商品名BenQ DV3250、32インチ、VAモード)から液晶セルを取り出した。この液晶セルの一方の側に上記の偏光板一体型積層体を、もう一方の側にTAC/偏光子/TACの構造を有する市販の偏光板(日東電工製、商品名SEG1224)を、それぞれ接着剤を介して貼り合わせた。このとき、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。このようにして、液晶パネルを得た。この液晶パネルについてカラーシフトを測定した。x値およびy値と方位角との関係を図7に、xy色度図を図8に示す。さらに、この液晶パネルの、(X,Y)値、(Xi,Yi)値、ΔXY値、(u’ ,v’)値、(u’i,v’i)値、Δu’v’値を、上記表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様のポリイミド溶液を、位相差の小さいTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名ZRF80S、厚み80μm)に42μmの厚みで塗布し、120℃で5分間乾燥して、基材(TACフィルム:最終的に保護層となる)と光学補償層(厚み4.2μm)とを有する積層体を得た。この積層体を155℃で1.2倍に横延伸した。延伸して得られた積層体の面内位相差は55nmであり、厚み方向位相差は245nmであった。一方、基材(TACフィルム)のみを同様に延伸して位相差を測定したところ、面内位相差は4nmであり、厚み方向位相差は20nmであった。積層体の位相差と基材の位相差との差から光学補償層(ポリイミド層)の位相差を算出した。光学補償層(ポリイミド層)の面内位相差は51nmであり、厚み方向位相差は225nmであった。さらに、光学補償層のNz係数は4.4であった。
後の手順は実施例1と同様にして、外側保護層(一般的なTACフィルム)/偏光子/内側保護層(位相差の小さいTACフィルム)/光学補償層(ポリイミド層)の構造を有する偏光板一体型積層体を得た。
液晶パネル(AUO社製、商品名BenQ DV3250、32インチ、VAモード)から液晶セルを取り出した。この液晶セルの一方の側に上記の偏光板一体型積層体を、もう一方の側にTAC/偏光子/TACの構造を有する市販の偏光板(日東電工製、商品名SEG1224)を、それぞれ接着剤を介して貼り合わせた。このとき、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。このようにして、液晶パネルを得た。この液晶パネルについてカラーシフトを測定した。x値およびy値と方位角との関係を図9に示す。
(比較例3)
実施例1と同様のポリイミド溶液を、一般的に用いられるTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名TF80UL、厚み80μm)に31μmの厚みで塗布し、120℃で5分間乾燥して、基材(TACフィルム:最終的に保護層となる)と光学補償層(厚み3.1μm)とを有する積層体を得た。この積層体を160℃で1.168倍に横延伸した。延伸して得られた積層体の面内位相差は50nmであり、厚み方向位相差は270nmであった。一方、基材(TACフィルム)のみを同様に延伸して位相差を測定したところ、面内位相差は10nmであり、厚み方向位相差は60nmであった。積層体の位相差と基材の位相差との差から光学補償層(ポリイミド層)の位相差を算出した。光学補償層(ポリイミド層)の面内位相差は40nmであり、厚み方向位相差は210nmであった。さらに、光学補償層のNz係数は5.3であった。
後の手順は実施例1と同様にして、外側保護層(一般的なTACフィルム)/偏光子/内側保護層(一般的なTACフィルム)/光学補償層(ポリイミド層)の構造を有する偏光板一体型積層体を得た。
液晶パネル(シャープ社製、商品名アクオス、32インチ、VAモード)から液晶セルを取り出した。この液晶セルの一方の側に上記の偏光板一体型積層体を、もう一方の側にTAC/偏光子/TACの構造を有する市販の偏光板(日東電工製、商品名SEG1224)を、それぞれ接着剤を介して貼り合わせた。このとき、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。このようにして、液晶パネルを得た。この液晶パネルについてカラーシフトを測定した。x値およびy値と方位角との関係を図10に示す。さらに、この液晶パネルの、(X,Y)値、(Xi,Yi)値、ΔXY値、(u’,v’)値、(u’i,v’i)値、Δu’v’値を、上記表1に示す。
(評価)
図5と図8とを比較すると明らかなように、実施例1の液晶パネルは、極角に対する色変化の傾向が方位角によらずほぼ一定であるのに対し、比較例1の液晶パネルは、極角に対する色変化の傾向が方位角によって大きく変化している。このことから、実施例1の液晶パネルは比較例1の液晶パネルに比べて、観察方向に依存した色調の変化が顕著に小さいことがわかる。さらに、図4、図6、図7、図9および図10から明らかなように、本発明の実施例の液晶パネルは、比較例の液晶パネルに比べて、方位角に対するx値のカーブとy値のカーブとが交差する度合いが顕著に小さい。このこともまた、実施例の液晶パネルは比較例の液晶パネルに比べて、観察方向に依存した色調の変化が顕著に小さいことを示している。加えて、表1から明らかなように、実施例1の液晶パネルのΔXY値およびΔu’v’値は、比較例1の液晶パネルのΔXY値およびΔu’v’値に比べて、それぞれ実用上有意に小さい。また、実施例2の液晶パネルのΔXY値およびΔu’v’値は、比較例3の液晶パネルのΔXY値およびΔu’v’値に比べて、それぞれ実用上有意に小さい。これらの結果から、所定の光学補償層を液晶セルの両側に配置することにより、片側に配置する場合に比べてカラーシフトが顕著に小さくなることがわかる。
本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器;携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器;ビデオカメラ,液晶テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器;バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器;商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器;監視用モニターなどの警備機器;介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器に好適に用いられる。
本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。 本発明の液晶表示装置がVAモードの液晶セルを採用する場合に、液晶層の液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。 本発明の液晶表示装置がOCBモードの液晶セルを採用する場合に、液晶層の液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。 実施例1の液晶パネルのx値およびy値と方位角との関係を示すグラフである。 実施例1の液晶パネルのxy色度図である。 実施例2の液晶パネルのx値およびy値と方位角との関係を示すグラフである。 比較例1の液晶パネルのx値およびy値と方位角との関係を示すグラフである。 比較例1の液晶パネルのxy色度図である。 比較例2の液晶パネルのx値およびy値と方位角との関係を示すグラフである。 比較例3の液晶パネルのx値およびy値と方位角との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 第1の偏光子
20 第1の光学補償層
30 液晶セル
40 第2の光学補償層
50 第2の偏光子
100 液晶表示装置

Claims (7)

  1. 第1の偏光子と、第1の光学補償層と、液晶セルと、第2の光学補償層と、第2の偏光子とをこの順に有し、
    該第1の光学補償層および該第2の光学補償層が、それぞれ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含み、かつ、nx>ny>nzの屈折率分布を有する、液晶パネル:
    ここで、nxは光学補償層の遅相軸方向の屈折率であり、nyは光学補償層の進相軸方向の屈折率であり、nzは光学補償層の厚み方向の屈折率である。
  2. 前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層が、それぞれ、0.5〜10μmの厚みを有する、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層が、それぞれ、2≦Nz≦20のNz係数を有する、請求項1または2に記載の液晶パネル。
  4. 前記第1の光学補償層と前記第1の偏光子との間に第1の保護層を、および、前記第2の光学補償層と前記第2の偏光子との間に第2の保護層をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
  5. 前記第1の保護層および前記第2の保護層が、それぞれセルロース系ポリマーを含み、かつ、該第1の保護層および該第2の保護層の少なくとも一方の厚み方向位相差Rthが30nm以下である、請求項4に記載の液晶パネル:
    ここで、厚み方向位相差Rthは、式:Rth=(nx−nz)×dで表され;nxは光学補償層の遅相軸方向の屈折率であり、nzは光学補償層の厚み方向の屈折率であり、dは光学補償層の厚みである。
  6. 前記液晶セルがVAモードまたはOCBモードである、請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネル。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。


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