JP2007264109A - 回折格子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質な回折格子を、安価に提供することができるようにした回折格子の製造方法を提供するものである。
【解決手段】一方の面にミラー膜を形成した基板を上記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、上記ブロックの積層数を維持するようにして上記ブロックを切断して小ブロックを形成し、上記小ブロックを研摩して回折格子とするようにしたものであって、上記接合は、小球体を混入した接着剤を用いて行うようにした。
【選択図】図9

Description

本発明は、回折格子の製造方法に関し、さらに詳細には、大気環境、天文学、地球惑星科学、化学、生物学あるいは医学などの各種の分野において使用される分光計測装置や分析装置などに用いる分散学素子や、化学製品、食品、衛生関連製品の製造装置や品質管理装置などに用いる分散素子や、あるいは光通信やレーザー光学などに使用されるビーム分配器、ビーム混合器、波長弁別器ならびにレンズなどのような各種の回折光学素子などとして用いることのできる回折格子の製造方法に関するものであり、特に、光通信における波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)型光通信用の光インターコネクションとして普及している平面導波路の光スイッチや波長弁別器などに用いられる高次の回折格子および高分散分光装置の高次の分散素子として用いて好適な回折格子の製造方法に関する。
従来より、各種装置に回折格子が用いられているが、こうした回折格子として、例えば、国際公開第2004/111693号パンフレット(特許文献1)に開示されている本願発明者により発明された回折格子がある。
ここで、図1には、国際公開第2004/111693号パンフレットに開示された回折格子の概念構成説明図が示されており、図2には、図1のA−A線における断面図が示されている。
この回折格子10は、全体が板状体に形成されており、略矩形形状の回折格子入射面10aと、回折格子入射面10aと対向する略矩形形状の回折格子出射面10bと、回折格子入射面10aと回折格子出射面10bとの間に形成された複数の反射面10cとを有して構成されている。
そして、回折格子10は、透過型の回折格子であり平面回折格子として設計されている。
より詳細には、図1ならびに図2に示す座標系を参照して説明すると、回折格子入射面10aと回折格子出射面10bとはそれぞれ、Z軸方向の異なる高さに位置するXY平面に沿って延長された平面に略一致し、回折格子入射面10aと回折格子出射面10bとは互いに所定の間隔を有し略平行して対向している。
一方、反射面10cは、X軸方向における所定の間隔毎に形成されており、Z軸方向に沿って延長された平面に略一致するとともに、回折格子入射面10aならびに回折格子出射面10bのY軸方向における全長にわたって延長されている。つまり、反射面10cの延長方向は、回折格子入射面10aならびに回折格子出射面10bの延長方向と略直交している。従って、回折格子10は、回折格子入射面10aならびに回折格子出射面10bに対して略垂直に等間隔で形成された複数の反射面10cを備えているものである。
以上の構成において、この回折格子10においては、回折格子10の回折格子入射面10aから光が入射され、回折格子10内に入射された光は回折格子10内を通過して、回折格子出射面10bから出射される。
そして、図3に示すように、回折格子10の屈折率を「n」とし、回折次数を「m」とし、波長を「λ」とし、格子間隔を「d」とし、回折格子入射面10aからの入射光、即ち、反射面10cに入射する光と反射面10cとにより形成される角を「θ」とすると、回折格子10については、下記に示す式(1)の関係が成り立つことになる。
この際、反射面10cに入射する光と反射面10cとにより形成される角θの大きさは、反射面10cによって反射された光と反射面10cとにより形成される角の大きさと一致するものである。また、格子間隔dは、従来の回折格子においては、回折格子に形成された溝の間隔を示すものであるが、回折格子10においては、溝は形成されていないので、回折格子10に形成された反射面10cの間隔を示すものである。
mλ=2ndsinθ ・・・式(1)
ここで、式(1)は、ブラッグ回折の式と同じ式で表されており、θはブラッグ角に対応する。
そして、反射面10cの厚み(反射面10cの図3に示す座標系のX軸方向に沿った長さ)を「w」とし、反射面10cの高さ(反射面10cの図3に示す座標系のZ軸方向に沿った長さ)を「t」とすると、
tanθ=(d−w)/t ・・・式(2)
の条件を満たす場合には、図4に示すように、回折格子入射面10aから入射して回折格子10を通過する光束のほとんどが、反射面10cにより1回反射されて回折に寄与し、回折光として利用することができるので、回折効率が最も高くなる。
また、下記に示す数式(3)を、回折格子10のアスペクト比と称することとする。
t/(d−w)=1/tanθ ・・・式(3)
一方、上記した式(2)の条件を満たさない場合、即ち、tanθ>(d−w)/tの場合(図5参照)や、tanθ<(d−w)/tの場合(図6参照)には、入射光が回折光に寄与する方向以外にも分配されるために、回折効率が低下する。
より詳細には、図5に示すように、tanθ>(d−w)/tの場合には、回折格子入射面10aから入射して回折格子10を通過する光束のうち、反射面10cにより2回反射された光束が、回折格子入射面10aからの入射光と同じ方向に進むので、ケラレが生じてしまい(図5において網掛けで示した領域参照)、回折効率が低下する。
また、図6に示すように、tanθ<(d−w)/tの場合には、回折格子入射面10aから入射して回折格子10を通過する光束のうち、反射面10cに当たらない光速が、直進して回折格子入射面10aからの入射光と同じ方向に進むので、ケラレが生じてしまい(図6において網掛けで示した領域参照)、回折効率が低下する。
そして、外部から回折格子10の回折格子入射面10aから入射して、反射面10cにより反射された光束は、波長λと格子間隔dとで規定される回折分布で広がる。
特に、高次回折光を利用する場合には、反射面10cに対して正反射の方向に干渉の条件を満足する各次数の波長の光束に対して、最も高い回折効率を有し、その最も高い回折効率の波長の前後の波長の光束は、干渉の条件を満足する方向の回折強度分布に比例した効率を示す。
従って、上記した回折格子10によれば、高分散で高い回折効率を実現することができ、高次回折光のような高い次数であっても回折効率を高くすることができる。
また、回折格子10の反射面10cは回折格子の内部に形成されているので、反射面10cが傷付いて破損する恐れがなく、良好な動作状態を維持することができる。
こうした回折格子10は、半導体製造プロセスと同様な手法により製造することができるものであり、以下に図7を参照しながら回折格子10の製造方法について詳細に説明する。
回折格子10の製造に際しては、まず、全体がくし状に形成された基台100(図7(a)参照)を用いる。より詳細には、基台100は、平面状で略矩形形状の端面100aを有する略板状体の基部100bと、基部100bの端面100aの背面側に所定の間隔で突出形成された突部100cとを有して構成されている。こうした形状を備えた基台100は、異方性プラズマエッチングなどにより深い溝を形成することにより、基部100bと突部100cとを形成するようにすればよい。
この基台100の端面100aにより、回折格子10の回折格子出射面10bが形成されるものである。そして、基台100の端面100aの背面側は、突部100cの上端面100dと、突部100cの側面100e,100fと、隣り合う突部100c間に形成された底面100gとから構成される。
この基台100は、誘電体材料により形成されており、回折格子10全体の大きさや格子間隔d、反射面10cの高さtなどに応じて寸法設定されている。基台100を形成する誘電体材料としては、例えば、シリコン、石英、BK−7などのガラス素材、PMMAやポリイミドなどの樹脂、水晶やフッ化マグネシウム、あるいは各種結晶材料を用いることができる。
そして、基台100の端面100aの背面側に、異方性スパッタリングなどによって反射膜102を製膜する(図7(b)参照)。つまり、基台100の突部100cの上端面100d、側面100e、側面100fならびに底面100gに、異方性スパッタリングなどによって所定の膜厚で反射膜102を形成する。この反射膜102の材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、シリコン、ゲルマニウムなどを用いることができる。
こうして反射膜102が形成された後、垂直入射異方性プラズマエッチングなどにより(図7(b)に示す矢印参照)、基台100の突部100cの上端面100dならびに底面100gに形成されている反射膜102のみを除去する(図7(c)参照)。
その後、斜入射異方性プラズマエッチングなどにより(図7(c)に示す矢印参照)、基台100の突部100cの側面100eに形成されている反射膜102のみを除去する。
こうして突部100cの側面100fにのみ反射膜102が残された基台100(図7(d)参照)に、PMMA系樹脂あるいはシリコン系樹脂を充填すると、回折格子10が形成される(図7(e)参照)。つまり、充填されたPMMA系樹脂あるいはシリコン系樹脂により、回折格子10の回折格子入射面10aが形成されるものである。
なお、こうして突部100cの側面100fにのみ反射膜102が残された基台100(図7(d)参照)に充填する材料は樹脂に限られるものではなく、例えば、使用波長で透明であればSiO、MgF、Al、ZrO、ITO(透明電極)などの蒸着物質を用いたり、あるいは低融点ガラスなどを用いてもよい。この際、突部100cの側面100fにのみ反射膜102が残された基台100に充填する材料としては、基台100を形成する材料の屈折率と同じ屈折率を有するようなものを用いることが望ましい。
さらに、突部100cの側面100fにのみ反射膜102が残された基台100に、SiO、MgF、Al、ZrO、ITO(透明電極)などの蒸着物質を充填するのに代えて、ゾルゲル法やCVD法などにより成長させるようにしてもよい。

しかしながら、上記した回折格子の方法によれば、半導体製造プロセスと同様な手法を利用するものであるため、製造設備が高価なものとなってコスト高となり、量産されないとコスト面でメリットが得られないという問題点があった。
国際公開第2004/111693号パンフレット K.Oka, N.Ebizuka, K.Kodate, "Optimal design of the grating with reflective plate of comb type for astronomical observation using RCWA", Proc. SPIE, 5290, 168−178, 2004. N.Ebizuka, K.Oka, A.Yamada, M.Ishikawa, M.Kashiwagi, K.Kodate, Y.Hirahara, S.Sato, K.S.Kawabata, M.Wakaki, S.Morita, T.Shimizu, S.Yin, H.Omori and M.Iye, "Grism and Immersion Grating for Space Telescope", The 5th International Conference on Space Optics (ICSO 2004), ESA, SP−554, 743−749, 2004. K.Oka, N.Ebizuka and K.Kodate, "Rigorous Analysis of a Quasi−Bragg Diffraction Grating for Astronomical Observation", Diffractive Optics 2003 (European Optical Society), pp.46−47, (2003). 分波導波路;http://unit.aist.go.jp/photonics/optglass/#theme (産業技術総合研究所ホームページ) 紫外レーザーアブレーション微細加工技術;http://unit.aist.go.jp/photonics/group/laserimp.htm (産業技術総合研究所ホームページ) A New Generation of High−Performance Diffraction Gratings;http://www−cms.llnl.gov/s−t/diff_gratings.html
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高品質な回折格子を安価に提供することができるようにした回折格子の製造方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明による回折格子の製造方法は、片面にミラー膜を蒸着などにより形成したガラスや樹脂などの基板を積層して接合したブロックを形成し、当該ブロックを研摩して厚さを揃えるようにしたり、あるいは、当該ブロックを切断した後に研摩して厚さを揃えるようにしたものである。また、回折格子を導波路に用いる場合には、さらに切断ならびに研摩加工を行うようにすればよい。
本発明による回折格子の製造方法によれば、ガラスや樹脂などの基板は研摩面であるため損失が小さく、また、量産性に優れているため大幅なコストダウンが可能になる。

こうした本発明のうち請求項1に記載に発明は、一方の面にミラー膜を形成した基板を上記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、上記ブロックを研摩して回折格子とするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載に発明は、一方の面にミラー膜を形成した基板を上記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、上記ブロックの積層数を維持するようにして上記ブロックを切断して小ブロックを形成し、上記小ブロックを研摩して回折格子とするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載に発明は、一方の面にミラー膜を形成した基板を上記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、上記ブロックの積層数を維持するようにして上記ブロックを切断して小ブロックを形成し、上記小ブロックの積層数を維持するようにして上記小ブロックを切断して微小ブロックを形成し、上記微小ブロックを研摩して回折格子とするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載に発明は、本発明のうち請求項1、2または3のいずれか1項に記載の発明において、上記接合は、接着剤による接合であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載に発明は、本発明のうち請求項4に記載の発明において、上記接着剤に小球体または円筒体が混入されているようにしたものである。
本発明によれば、高品質な回折格子を安価に提供することができるようになるという優れた効果が奏される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による回折格子の製造方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。

図8(a)(b)〜図9(a)(b)(c)には、本発明による回折格子の製造方法の実施の形態の一例の概念構成説明図が示されており、この本発明による回折格子の製造方法によれば、上記において説明した国際公開第2004/111693号パンフレットに開示された回折格子10を製造することができる。
即ち、回折格子10の製造に際しては、まず、基板200の一方の面に反射面10cを構成するミラー膜202を形成したミラー膜基板204を複数枚準備する(図8(a)参照)。
ここで、基板200は、誘電体材料により形成されており、回折格子10全体の大きさや格子間隔d、反射面10cの高さtなどに応じて寸法設定されており、例えば、縦L1を10mm〜200mm程度、横W1を10mm〜200mm程度、厚さT1を10μm〜2mm程度とすることができる。
なお、基板200を形成する誘電体材料としては、例えば、シリコン、石英、BK−7などのガラス素材、PMMAやポリイミドなどの樹脂、水晶やフッ化マグネシウムあるいは各種結晶材料を用いることができる。
また、ミラー膜202は、基板200の一方の面のみに金属など、例えば、金、銀、クロム、アルミニウム、シリコン、ゲルマニウムなどを蒸着することにより形成することができる。
ここで、ミラー膜202の厚さT2は、設計に応じて適宜に設定すればよく、例えば、0.1μm〜1μm程度とすることができる。
次に、図10に示すように、対向する一方のミラー膜基板204と他方のミラー膜基板204との間に接着剤300を塗布しながら、多数のミラー膜基板204を積層して接着し、ミラー膜基板ブロック206を形成する(図8(b)参照)。
ここで、一方のミラー膜基板204と他方のミラー膜基板204とを積層して接着する際には、一方のミラー膜基板204のミラー膜202と他方のミラー膜基板204のミラー膜202とが隣接して対向しないようにする。
また、接着剤300には、所定の直径Dに調製された小球体302が混入されており、接着剤300により形成される接着層の厚さが一定になるようになされている。即ち、一方のミラー膜基板204と他方のミラー膜基板204とは、直径Dの間隙を開けて平行状態を維持した状態で接着可能となされている。小球体302は、例えば、誘電体材料、具体的には、石英系などのガラス素材、PMMAやポリイミドなどの樹脂などを用いることができる。
なお、接着剤300と小球体302との選択にあたっては、基板200の屈折率とマッチングする屈折率を備えたものを選択することが好ましい。
次に、ミラー膜基板ブロック206の積層数が維持されるようにして、切断機400を用いて基板200のミラー膜202が形成された面に対して垂直方向に沿ってミラー膜基板ブロック206を適宜の大きさ、例えば、横W1方向に沿う幅W2が20μm〜5mm程度となるように切断し、小ブロック208を形成する(図9(a)参照)。
なお、切断機400としては、図9(a)に示すような回転体の外周部位に切断歯を形成した外周歯切断機や、回転体の内周部位に切断歯を形成した内周歯切断機などを用いることができる。また、内周歯切断機を用いる際には、一般にシリコンウェハの切り出しなどに用いられている内周歯切断機を利用することができる。
次に、小ブロック208の切断面208a、208bを研磨して厚さT3(=幅W2)を均一に揃えると、回折格子10が形成される(図9(b)参照)。ここで、研磨した切断面208a、208bが、回折格子入射面10aと回折格子出射面10bとになる。
また、小ブロック208をさらに切断して微小ブロック210を形成し、微小ブロック210の切断面210a、210bを研磨して厚さを均一に揃えることにより、例えば、導波路として用いるのに適した回折格子10を形成するようにしてもよい(図9(c)参照)。なお、小ブロック208を切断して微小ブロック210を形成する際には、小ブロック208を研磨してもよいし、あるいは、小ブロック208を研磨しなくてもよい。

ここで、図11には本願発明者により作製されたミラー膜基板ブロック206の写真が示されており、図12には図11に示すミラー膜基板ブロック206の端面の光学顕微鏡写真が示されている。
この図11ならびに図12に示すミラー膜基板ブロック206は、基板200として石英ガラス基板を用い、ミラー膜202として石英ガラス基板上にクロムをコーティングすることよりミラー膜基板204を形成し、このミラー膜基板204を40枚積層して、直径Dが10μmの小球体302としてガラスビーズを混入した接着剤300を用いて接合したものである。なお、石英ガラス基板の大きさは、縦L1が10mmであり、横W1が10mmであり、厚さT1が0.2mmである。

以上において説明したように、本発明による回折格子の製造方法は、半導体製造プロセスを用いることなく、片面にミラー膜を蒸着したガラスや樹脂などの基板を積層して接合したブロックを形成し、このブロックを切断した後に研摩して厚さを揃えるという簡単な処理に回折格子10を製造することができるので、高品質な回折格子を安価に提供することができるようになる。

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)〜(6)に示すように変形することができるものである。
(1)上記した実施の形態においては、ミラー膜基板ブロック206を切断して回折格子10を形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ミラー膜基板ブロック206を切断せずに研磨して、ミラー膜基板ブロック206全体で回折格子10を構成するようにしてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、接着剤300を用いてミラー膜基板204を同士を接合するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、基板200として樹脂などを用いる場合には、溶着によりミラー膜基板204を同士を接合するようにしてもよい。また、接着剤を用いてミラー膜基板204を同士を接合する際や、溶着によりミラー膜基板204を同士を接合する際に、適宜に圧力を付与して接合を促進したり、接合状態を変化させるようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、小球体302を混入された接着剤300を用いてミラー膜基板204を同士を接合するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、小球体に代えて円筒体を混入された接着剤を用いるようにしてもよい。小球体に代えて接着剤に混入する円筒体としては、例えば、ファイバーを切断して形成した小片(ファイバー片)などを用いることができる。
(4)上記した実施の形態においては、小球体302を混入された接着剤300を用いてミラー膜基板204を同士を接合するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、小球体302を混入していない接着剤300を用いてミラー膜基板204を同士を接合するようにしてもよいし、また、小球体302を混入していない接着剤300を用いてミラー膜基板204を同士を接合する際に、対向するミラー膜基板204間に所定の厚さのスペーサーを配置して、所定の厚さの間隙を開けて平行状態を維持した状態でミラー膜基板204同士を接着可能としてもよい。
(5)上記した実施の形態においては、ミラー膜基板ブロック206を切断する際に外周歯切断機や内周歯切断機などの切断機を用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、各種の切断装置を用いてよい。
(6)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜(5)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、大気環境、天文学、地球惑星科学、化学、生物学あるいは医学などの各種の分野において使用される分光計測装置や分析装置などに用いる分散学素子や、化学製品、食品、衛生関連製品の製造装置や品質管理装置などに用いる分散素子や、あるいは光通信やレーザー光学などに使用されるビーム分配器、ビーム混合器、波長弁別器ならびにレンズなどのような各種の回折光学素子などとして用いることのできる回折格子の製造に利用することができ、特に、光通信における波長多重型光通信用の光インターコネクションとして普及している平面導波路の光スイッチや波長弁別器などに用いられる高次の回折格子および高分散分光装置の高次の分散素子として用いて好適な回折格子の製造に利用することができる。
図1は、国際公開第2004/111693号パンフレットに開示された回折格子の概念構成説明図である。 図2は、図1のA−A線における断面図である。 図3は、国際公開第2004/111693号パンフレットに開示された回折格子の要部を示す説明図である。 図4は、図1に示す回折格子において、tanθ=(d−w)/tの条件を満たす場合を示す説明図である。 図5は、図1に示す回折格子において、tanθ>(d−w)/tの場合を示す説明図である。 図6は、図1に示す回折格子において、tanθ<(d−w)/tの場合を示す説明図である。 図7(a)(b)(c)(d)(e)は、図1に示す回折格子の製造方法を示す説明図である。 図8(a)(b)は、本発明による回折格子の製造方法の実施の形態の一例を示す概念構成説明図である。 図9(a)(b)(c)は、本発明による回折格子の製造方法の実施の形態の一例を示す概念構成説明図である。 図10は、図8(b)の一部A矢視拡大概念説明図である。 図11は、本願発明者により作製されたミラー膜基板ブロックの写真である。 図12は、図11に示すミラー膜基板ブロックの端面の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
10 回折格子
10a 回折格子入射面
10b 回折格子出射面
10c 反射面
20 グリズム
22,24 プリズム
22a プリズム入射面
24a プリズム出射面
100 基台
100a 端面
100b 基部
100c 突部
100d 上端面
100e,100f 側面
100g 底面
102 反射膜
200 基板
202 ミラー膜
204 ミラー膜基板
206 ミラー膜基板ブロック
208 小ブロック
208a,208b 切断面
300 接着剤
302 小球体
400 切断機
210 微小ブロック
210a、210b 切断面

Claims (5)

  1. 一方の面にミラー膜を形成した基板を前記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、前記ブロックを研摩して回折格子とする
    ことを特徴とする回折格子の製造方法。
  2. 一方の面にミラー膜を形成した基板を前記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、前記ブロックの積層数を維持するようにして前記ブロックを切断して小ブロックを形成し、前記小ブロックを研摩して回折格子とする
    ことを特徴とする回折格子の製造方法。
  3. 一方の面にミラー膜を形成した基板を前記ミラー膜同士が隣接しないようにして複数積層して接合したブロックを形成し、前記ブロックの積層数を維持するようにして前記ブロックを切断して小ブロックを形成し、前記小ブロックの積層数を維持するようにして前記小ブロックを切断して微小ブロックを形成し、前記微小ブロックを研摩して回折格子とする
    ことを特徴とする回折格子の製造方法。
  4. 請求項1、2または3のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法において、
    前記接合は、接着剤による接合である
    ことを特徴とする回折格子の製造方法。
  5. 請求項4に記載の回折格子の製造方法において、
    前記接着剤に小球体または円筒体が混入されている
    ことを特徴とする回折格子の製造方法。
JP2006086238A 2006-03-27 2006-03-27 回折格子の製造方法 Pending JP2007264109A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103645533A (zh) * 2013-12-13 2014-03-19 聊城大学 一种纳米级光栅的制备方法
JP2017049487A (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 国立研究開発法人理化学研究所 光学素子およびその製造方法
JP2021131566A (ja) * 2017-04-25 2021-09-09 日亜化学工業株式会社 透過型回折格子の製造方法

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