JP2007263784A - 基板搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板検査装置および方法において、簡素な手段によって縦筋ノイズを除去することができるようにする。
【解決手段】ライン照明ユニット3と、ラインセンサカメラ6と、それらと基板とを副走査方向に相対移動する基板保持移動ユニット4と、基板保持移動ユニット4の移動動作およびラインセンサカメラ6の撮像動作を制御することにより基板の2次元の走査画像を取得せしめる装置制御部13と、走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出手段と、縦筋ノイズ検出手段が検出した縦筋ノイズを除去処理して補正画像を生成する縦筋ノイズ除去手段とを有する画像ノイズ処理部15と、補正画像から欠陥抽出を行う欠陥抽出処理部16を備える構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、基板検査装置および方法に関する。例えば、半導体ウエハ、液晶基板などの板状の被検体に対して、ライン状の撮像領域を相対移動することで2次元の走査画像を取得し、その走査画像に基づいて欠陥抽出を行う基板検査装置および方法に関する。
例えば、半導体ウエハや液晶基板などの基板の製造工程において、膜ムラや、キズ、ゴミ、露光パターンの不良などの欠陥を、検査者が目視によって検査する、いわゆるマクロ検査が行われている。
近年では、検査効率や検査精度の観点から、このマクロ検査を基板の画像データに基づいて自動検査する基板検査装置が用いられるようになってきた。例えば、ラインセンサカメラなどのライン画像撮像手段によって、基板上を走査することにより2次元の走査画像を取得し、その走査画像に基づいて欠陥検査を行う基板検査装置が知られている。
このような基板検査装置では、基板条件や撮像条件によって生じる種々の画像ノイズが走査画像に含まれるので、これらの画像ノイズを精度よく除去して、擬似欠陥の検出を防止する必要がある。
一方、このような自動検査では、最終的に、欠陥抽出が正しく行われているかチェックするため、取得した走査画像を検査者が確認する場合がある。その際、背景輝度に対する輝度差がごくわずかであるため欠陥と判定されない画像が残っていると、例えば、筋状などの画像は人間の視覚により鋭敏に検出されるので、不慣れな検査者によって異常画像と判断されてしまうことがある。
このため、基板検査装置では、欠陥判定処理の前に、欠陥とは異なる画像ノイズを高精度に除去しておく必要がある。
従来、このような画像ノイズを除去するため、良品基板の走査画像を基準として、シェーディング補正を行っていた。
また、このような画像ノイズ除去に関連する技術として、特許文献1には、繰り返しパターンを有する被検物のモアレの影響を除去するために、第1位置で撮像した画像と、撮像手段の画素と繰り返しパターンとの位置関係が略同一となるようにして撮像位置をずらした第2位置で撮像した画像とを比較して欠陥を検出する欠陥検査装置が記載されている。
また、特許文献2には、デジタル複写機、ファクシミリ、スキャナなどの画像読取装置およびその画像読取方法に関するスジ状ノイズの除去技術として、2つの読取手段を副走査方向に離間して配置し、それぞれの画像を比較することでスジ状ノイズの検出、除去を行う画像読取装置および画像読取方法が記載されている。
ただし、この場合のスジ状ノイズは、読取手段にゴミが付着するなどして、受光量が激しく変化して発生するものであり、上記のシェーディング補正などにより除去するような微妙な輝度ムラではない。この場合のスジ状ノイズは、画像上ではっきりとした黒筋となるもので、ゴミを除去すれば解消することができるものである。
特開平11−194098号公報(図1、2) 特開2000−295416号公報(図1、2)
しかしながら、上記のような従来の基板検査装置には以下のような問題があった。
マクロ検査を行う基板検査装置の明視野照明の検査では、撮像手段を照明光の反射角方向に配置して、基板の膜ムラなどの欠陥を検出するための干渉像を撮像する場合と、照明光の回折角の方向に撮像手段を配置して、基板上の繰り返しパターンの露光不良や大きなゴミの付着などを検出するための回折像を撮像する場合があり、従来のシェーディング補正は、干渉像を用いて行っていた。すなわち、補正の基準とする良品基板として、基板材料である素ガラスや被検査基板の均一膜部分を用いて、反射角方向で撮像して、シェーディング補正データを作成していた。
ところが、ある種の縦筋ノイズは、干渉像と回折像とでは、微妙に現れ方が異なり、シェーディング補正データを回折像に適用しても縦筋ノイズが除去できないという問題があった。
良品基板として、回折パターンを有する被検査基板を用いることも考えられるが、例えば、液晶基板などは大型化が著しく、基準に用いることができるほどバラツキの小さい良品基板を製作することは困難である。良品基板を製作できたとしても、回折像の縦筋ノイズは、基板の品種や工程によって強度が異なるため、オペレータが、品種と工程との組み合わせに応じて多数のシェーディング補正データを作成する必要がある。そのため、作成にとても手間がかかり、またデータの作成時のミスも発生しやすくなるという問題がある。
一方、特許文献1、2に記載の技術では、いずれも良品基板を用いることなく画像ノイズを除去することができるものの、前者は撮像素子の画素の配列ピッチと繰り返しパターンとの位置関係に依存するモアレを除去するものであり、後者は読取手段のゴミなどに起因する縦筋ノイズのみを除去するものである。そのため、それ以外の要因による縦筋ノイズを除去することはできないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、簡素な手段によって縦筋ノイズを除去することができる基板検査装置および方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の基板検査装置は、被検体を照明する照明部と、前記被検体上を主走査してライン画像を撮像する撮像部と、前記照明部および前記撮影部と、前記被検体とを、前記主走査方向に直交する副走査方向に相対移動する移動機構と、該移動機構の移動動作および前記撮影部の撮像動作を制御することにより、前記被検体の2次元の走査画像を取得せしめる撮像制御部と、前記撮像部が撮像した前記被検体の走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出手段と、該縦筋ノイズ検出手段が検出した縦筋ノイズを除去処理して補正画像を生成する縦筋ノイズ除去手段とを有する画像ノイズ処理部と、該画像ノイズ処理部が生成した補正画像から欠陥抽出を行う欠陥抽出処理部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の基板検査方法は、被検体に対してライン状の撮像領域を相対移動してすることで2次元の走査画像を取得し、該走査画像に基づいて前記被検体の欠陥抽出を行う基板検査方法であって、前記走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出工程と、該縦筋ノイズ検出工程で検出された縦筋ノイズを除去処理して補正画像を生成する縦筋ノイズ除去工程とからなる画像ノイズ処理工程を備え、該画像ノイズ処理工程で生成された補正画像から欠陥抽出を行うことを特徴とする。
本発明の基板検査装置および方法によれば、撮像した走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出し、その縦筋ノイズを除去処理するので、例えば良品基板などの参照物を用いることなく、簡素な手段によって縦筋ノイズを除去することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る基板検査装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の概略構成を示す正面図である。図2(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の概略構成を示す平面図および側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の制御ユニットの機能ブロック図である。図4は、本発明の施形態に係る基板検査装置の画像ノイズ処理部の機能ブロック図である。
本実施形態の基板検査装置50は、基板1(被検体)の欠陥、例えば、膜ムラ、キズ、ゴミ、回路パターンの不良などを画像検査するもので、いわゆる自動マクロ検査装置である。
基板1としては、例えば、フォトリソグラフィプロセスなどにより、表面に回路パターンなどからなる繰り返しパターンが形成された半導体ウエハや液晶基板などを挙げることができる。以下では、基板1が面視矩形状の液晶基板からなる場合の例で説明する。
基板検査装置50の概略構成は、図1、2、3に示すように、浮上ホルダ2、基板保持移動ユニット4(移動機構)、ライン照明ユニット3(照明部)、ラインセンサカメラ6(撮像部)、および制御ユニット8からなる。
浮上ホルダ2は、基板1を円滑に移動するために、略水平に配置された基盤上で、基板1を浮上させる機構であり、長手方向が図示左右方向となるように配置されている。浮上ホルダ2としては、例えば、基盤上に多数設けられたエア吐出口2aからエアなどのガスを吐出するガス浮上機構を好適に採用することができる。
特に図示しないが、後述する撮像領域Pの近傍位置には、基板1の先端が撮像領域Pに到達するタイミングを検出することができる位置検出センサが設けられている。
基板保持移動ユニット4は、浮上ホルダ2上に浮上された基板1の端部を固定保持して移動する機構である。本実施形態では、浮上ホルダ2の両端側にそれぞれ設けられ、それぞれ浮上ホルダ2の長手方向に沿って延ばされたガイド4aに沿って移動できるようになっている。
各基板保持移動ユニット4の上面には、浮上ホルダ2上に浮上された基板1の下面と同高さの位置で、基板1の端部を着脱可能に固定保持する保持面4bが設けられている。保持面4bの固定方式は、例えば、真空吸着方式などを採用することができる。
なお、基板1は、適宜の移載機構を用いることにより、基板保持移動ユニット4に対して手動また自動で正確に位置決めして移載することができるが、基板保持移動ユニット4の近傍に、基板1を所定の基準位置に載置して固定するための位置決め機構や、載置位置を検出するための位置検出センサを設けてもよい。
ライン照明ユニット3は、基板1の上面が移動する水平面上に基板保持移動ユニット4の移動方向と直交する方向を長手方向として設定されたライン状の撮像領域Pを照明するものである。そして、図1、2での図示は省略するが、適宜の回動機構を備える撮像方向設定機構9(図3参照)によって、撮像領域Pの長手方向に直交する平面内で、撮像領域Pを中心として回動可能に保持され、撮像領域Pにおける基板1に対する照明光の入射角θを可変できるようになっている。
ラインセンサカメラ6は、撮像領域Pのライン画像を撮像するためのもので、結像レンズ6aと、結像レンズ6aの結像位置に配置されたライン撮像素子6bとを備える。そして、撮像方向設定機構9(図3参照)によってライン照明ユニット3と同様に回動可能に保持され、撮像領域Pにおける基板1の法線に対する撮像方向角度θを可変できるようになっている。
ライン撮像素子6bは、例えば必要感度、画素数などに応じて、適宜のセンサを採用することができるが、例えば、1次元CCDなどを採用することができる。
撮像領域Pと結像レンズ6aとの間の光路上には、鮮明な干渉像を取得するために撮像領域Pからの光の波長帯域を制限する適宜のバンドパスフィルタなどからなる干渉フィルタ5が進退可能に設けられている。この進退機構は、ラインセンサカメラ6に内蔵されるものであってもよいが、本実施形態では、撮像方向設定機構9に設けられ、撮像方向設定機構9と同様に、後述する装置制御部13により進退動作が制御されるようになっている。
制御ユニット8は、基板検査装置50の装置制御全般と、画像処理制御とを行うもので、すべて専用のハードウェアで構成してもよいが、本実施形態では、CPU、メモリ、各種入出力インタフェースなどを備えるコンピュータと、各種入出力インタフェースを通して、制御信号やデータを通信して、各種動作を行うその他のハードウェアとから構成されている(いずれも不図示)。そして、メモリに適宜ロードされたプログラムを実行することにより、それぞれのプログラムやハードウェアに応じた各種の機能、動作を実現するようになっている。
以下では、制御ユニット8の概略構成について、図3に示す機能ブロックごとに説明する。
制御ユニット8の機能ブロックは、カメラ制御部11、照明制御部12、装置制御部13、画像記憶部14、表示制御部18、画像ノイズ処理部15、欠陥抽出処理部16、および欠陥情報登録部17からなる。
また、特に説明、図示はしないが、コンピュータやハードウェアに操作入力を行う操作部は当然に備えている。
カメラ制御部11は、装置制御部13からの制御信号に応じて、ラインセンサカメラ6の撮像動作を制御するとともに、ラインセンサカメラ6が取得した撮像信号を信号処理して、各走査ラインごとのライン画像データを取得し、画像記憶部14に記憶するものである。
照明制御部12は、装置制御部13からの制御信号に応じて、ライン照明ユニット3の照明条件、例えば、点灯タイミング、光量などを制御するものである。
装置制御部13は、カメラ制御部11、照明制御部12、撮像方向設定機構9、基板保持移動ユニット4、浮上ホルダ2に対して、制御信号を送出して、各制御部、各機構をそれぞれ制御することで、主として、基板検査装置50の撮像動作を制御するものである。
装置制御部13は、撮像方向設定機構9に対して、ライン照明ユニット3、ラインセンサカメラ6の配置角度設定情報を送出して、ライン照明ユニット3、ラインセンサカメラ6の回動角度位置を制御し、照明光の入射角θと、撮像方向角度θを設定する。
例えば、干渉像を撮像する場合には、θ=θに設定し、干渉フィルタ5を光路上に進出させる。
また、回折像を撮像する場合には、各角度θ、θの相対関係を特定の次数の回折光の回折方向に合わせて設定し、干渉フィルタ5を光路上から退避させる。
また、装置制御部13は、基板保持移動ユニット4に対して、基板1が、ライン撮像素子6bの1ライン分の撮像タイミングごとに画素サイズ分の距離だけ搬送されるような搬送速度Vを設定し、副走査方向に駆動する。
また、浮上ホルダ2に対しては、浮上のオン/オフ制御および浮上高さを安定させるための吐出圧制御を行う。
なお、これらの装置制御部13の制御によって可変される各種情報、例えば、ライン照明ユニット3、ラインセンサカメラ6の角度θ、θ、基板保持移動ユニット4、基板1の位置座標などは、装置制御部13に通信され、必要に応じて、後述する表示制御部18に送出することで、表示部10に表示されるようになっている。
画像記憶部14は、カメラ制御部11、画像ノイズ処理部15、欠陥抽出処理部16、表示制御部18との間で通信を行って、各種の画像データを読み書きできるようになっている。
表示制御部18は、装置制御部13、画像ノイズ処理部15、欠陥抽出処理部16などからの情報や、画像記憶部14に記憶された画像データに基づいて、表示部10に表示する画像信号を生成するものである。
表示部10は、モニタや専用表示装置などからなる。
画像ノイズ処理部15は、カメラ制御部11を通して画像記憶部14に記憶された基板1の画像を読み出して、縦筋ノイズを除去し、その画像を画像記憶部14に記憶するものである。
その概略構成は、図4に示すように、縦筋ノイズ検出手段20と、縦筋ノイズ除去手段21とからなる。
縦筋ノイズ検出手段20は、主走査方向輝度取得部22、輝度比較部23、縦筋ノイズ情報記憶部24、および縦筋ノイズ判定部25からなる。
主走査方向輝度取得部22は、画像記憶部14に記憶された走査画像から、主走査方向のライン画像データを読み出し、輝度分布プロファイルを順次取得するものである。
輝度比較部23は、主走査方向輝度取得部22で順次取得した輝度プロファイルにおいて、主走査方向の隣接画素の輝度を比較し、所定範囲以上の輝度変化が生じている帯状の範囲がある場合、縦筋ノイズの候補として記録する。例えば、その帯の中央位置、帯幅、輝度変化の全幅、帯境界線の輝度などの情報を縦筋ノイズ情報として、縦筋ノイズ情報記憶部24に記憶する。
縦筋ノイズ情報記憶部24は、輝度比較部23で検出された縦筋ノイズ情報を、各ライン画像データの副走査方向の位置情報とともに記憶するもので、例えば、メモリに記域を確保して構成する。
縦筋ノイズ判定部25は、縦筋ノイズ情報記憶部24に記憶された、副走査方向の全長にわたる縦筋ノイズ情報から、予め設定された縦筋ノイズの長さ判定条件に対応する画素数だけ副走査方向に連続しているものを探して縦筋ノイズと判定する。
縦筋ノイズ除去手段21は、シェーディング補正データ作成部26と、シェーディング補正部27とからなる。
シェーディング補正データ作成部26は、縦筋ノイズ判定部25によって、判定された縦筋ノイズを除去するためのシェーディング補正データを作成するものである。
本実施形態では、縦筋ノイズ部分の輝度を、縦筋ノイズの近傍の輝度から生成した補正輝度と置き換えるようなシェーディング補正データを用いている。
例えば、補正輝度として、縦筋ノイズ情報記憶部24を参照して、帯境界線の輝度を取得し、縦筋ノイズ領域の輝度データを帯境界線の輝度に置き換えるようにしている。
シェーディング補正部27は、シェーディング補正データ作成部26で作成したシェーディング補正データによって、走査画像のシェーディング補正を行い、補正後の画像データを画像記憶部14に記憶するものである。
シェーディング補正部27は、縦筋ノイズ除去が完了すると、欠陥抽出処理部16に通知する。また、必要に応じて、シェーディング補正後の画像データを表示部10に出力するように、表示制御部18に制御信号を送出する。
欠陥抽出処理部16(図3参照)は、画像ノイズ処理部15によって、縦筋ノイズを除去した画像データから欠陥抽出を行うものである。欠陥抽出のアルゴリズムは、抽出する欠陥の種類などに応じて、周知のいかなるアルゴリズムを用いてもよい。ただし、縦筋ノイズの緩和、除去、縦筋ノイズ部分の判定などの動作を含む場合は、それらの動作部分を省略することができる。
欠陥情報登録部17は、欠陥抽出処理部16で抽出された欠陥情報、例えば、欠陥の種類、欠陥の位置座標などを、外部記憶部19に登録するものである。
次に、基板検査装置50の動作について、画像ノイズ処理工程の動作を中心に説明する。
図5は、走査画像の一例を示す模式図である。図6は、本発明の実施形態に係る基板検査装置の画像ノイズ処理工程の動作フローを示すフローチャートである。図7は、図5のA−A線に沿う輝度プロファイルを表す模式グラフである。横軸は画素位置、縦軸は輝度を表す。図8は、図5に示す走査画像に対応する補正画像の一例を示す模式図である。
基板検査装置50により、基板1を検査するには、まず、浮上ホルダ2をオンして、基板1を浮上ホルダ2上に浮上させ、基板1の両端を基板保持移動ユニット4上に吸着固定する。
そして、検査の種類、例えば、干渉像を撮像するか、回折像を撮像するかに応じて、撮像方向設定機構9を駆動し、ライン照明ユニット3、ラインセンサカメラ6の位置関係および干渉フィルタ5の進退位置を設定する。
本実施形態の画像ノイズ処理工程は、原理的に干渉像、回折像のいずれにも適用できるので、それぞれの検査種類に固有の動作の説明は割愛する。
次に、ライン照明ユニット3を点灯し、基板保持移動ユニット4を搬送速度Vで駆動して、基板1の移動を開始する。そして、ラインセンサカメラ6により、撮像領域Pに到達した基板1のライン画像を連続的に撮像する。
このライン画像は、カメラ制御部11により、ライン画像データに変換され、画像記憶部14に順次記憶される。そして、走査が完了すると、画像記憶部14には、基板1の2次元の走査画像の画像データが記憶されることになる。
例えば、図5に示す走査画像100が記憶されたものとする。ただし、走査画像100は、説明の便宜のため単純化して模式的に表したものである。
走査画像100は、低輝度部100b上に、略一定の高輝度を有する4つの矩形状の高輝度部100aが格子状に形成され、高輝度部100aの正常な画像と異なる低輝度を有する部分として、欠陥101、筋状欠陥102、筋状欠陥103、縦筋ノイズ104a、104b、105a、105b、106a、106bが認められる。
欠陥101は、高輝度部100aの領域に対してやや狭い領域に略楕円状の広がる低輝度部である。
筋状欠陥102は、副走査方向に対して斜め方向に分布する筋状の低輝度部であり、高輝度部100aの外形寸法より短い長さを有している。
筋状欠陥103は、副走査方向に略沿う筋状の低輝度部であり、筋状欠陥102と同様、高輝度部100aの外形寸法より短い長さを有している。
縦筋ノイズ104a、104bは、副走査方向に隣接する高輝度部100a、100a内を、主走査方向の同位置においてそれぞれ副走査方向に沿って貫通する縦筋状の低輝度部である。
縦筋ノイズ105a、105bと、縦筋ノイズ106a、106bとは、それぞれ、縦筋ノイズ104a、104bと、主走査方向の異なる位置に出現した同様の縦筋状の低輝度部である。
縦筋ノイズ104aなどの輝度低下量は発生する原因によりバラツキがあるが、輝度低下量が低い場合でも、同方向に連続的な縦筋のため連続しているため、目視では目立ちやすく、不慣れな検査者が検査結果チェックを行う場合などには異常画像として挙げられやすいものである。
この場合、輝度情報や形状に基づく自動判定結果と、検査者の目視チェック結果が対立し、再検査、再判定などを行うなどの手間がかかってしまうことになる。
そこで、本実施形態では、画像ノイズ処理工程を設けて、これらのような欠陥と判定すべきでない縦筋ノイズを欠陥抽出を行う前に除去する。
画像ノイズ処理工程の動作フローを図6を参照して説明する。
画像ノイズ処理工程は、撮像工程が終了し、走査画像100が取得された時点から開始される。
ステップS1は、走査画像100を演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出工程である。
まず、主走査方向輝度取得部22によって、走査画像100のライン画像の輝度プロファイル110を呼び出す。一例として、図4のA−A線に沿う輝度プロファイルを図7に示す。
輝度プロファイル110は、走査画像100の2つの高輝度部100aに対応して、輝度b1の高輝度領域110A、110Bが対応し、それぞれの両側に、低輝度部100bに対応する輝度b(ただし、b>b)の低輝度領域110Cが対応する、略矩形波状の輝度分布を示す。
そして、縦筋ノイズ104a、105a、106aの画像に対応する画素位置L、L、Lに輝度低下部110a、110b、110cが現れている。
例えば、輝度低下部110aは、画素位置LからL(ただし、L<L<L)の間で、輝度b1から極小値輝度b2(ただし、b1>b2)を取って、輝度b1に至るような凹状の変化を示している。ここで、輝度差(b−b)は、輝度b、bのいずれに対しても微小な値である。また、欠陥101、筋状欠陥102、103の輝度差と比べても微小である場合が多い。
次に、輝度比較部23により、輝度プロファイル110を演算処理して、縦筋ノイズ104aなどを検出する。本実施形態では、隣接画像の輝度を比較し、例えば、高輝度領域110Aにおいて、輝度bから輝度低下に転ずる画素位置Lを検出し、続いて比較を続けて、輝度低下の継続を検出し、輝度の極小値bを検出し、さらに、輝度上昇を検出して、輝度bに戻る画素位置Lを検出する。
この場合、幅を有する輝度変化領域が検出されたので、画素位置L、Lの間の帯状領域を縦筋ノイズの候補として、縦筋ノイズ情報を縦筋ノイズ情報記憶部24に記憶する。縦筋ノイズ情報として、例えば、ライン画像の副走査方向位置を特定する画素位置情報、帯境界位置を与える主走査方向の画素位置L、L、帯境界線の輝度b、帯内の輝度の極小値b、輝度差(b−b)、帯の全幅(L−L)、帯幅の中心L=(L+L)/2などの情報が挙げられる。
これらの処理を走査画像100の全ライン画像データについて行った後、縦筋ノイズ判定部25によって、縦筋ノイズ情報記憶部24に記憶された情報に基づいて、縦筋ノイズの候補の中から縦筋ノイズを判定する。
本実施形態では、縦筋ノイズ情報が記憶された各位置で、副走査方向に連続する画素数をカウントし、予め設定された長さ判定条件に対応する画素数がカウントされた場合、縦筋ノイズと判定する。
長さ判定条件は、誤って欠陥を除外しないように、欠陥として想定される長さより長い適宜範囲を設定することができる。
また、主走査方向の画素位置の同一性の判定は、縦筋ノイズの線幅の不安定性を考慮して、ある程度幅を持たせておくことが好ましい。
例えば、走査画像100の例では、高輝度部100a上の欠陥を除外するためには、高輝度部100aの副走査長さよりわずかに短い長さとすればよい。
この場合、筋状欠陥102は筋状であるが、斜め方向に延びているため、副走査方向に連続する画素数がきわめて短くなり、縦筋ノイズとは判定されない。
また、筋状欠陥103は、副走査方向に沿って連続する筋状だが、高輝度部100aの副走査方向長さより短いので、縦筋ノイズとは判定されない。
また、輝度差が少ない場合は、同一の主走査方向画素位置に、破線状の縦筋ノイズとなることが考えられるので、このような場合には、一定の主走査方向画素位置での副走査方向において縦筋ノイズ候補の出現率がある程度高い場合に、破線状でも縦筋ノイズと判定してもよい。
縦筋ノイズ判定部25において、縦筋ノイズがないと判定された場合、ステップS4に移行する。
縦筋ノイズがあると判定された場合、ステップS2を実行する。
以上で、縦筋ノイズ検出工程が終了する。
ステップS2以降は、縦筋ノイズ除去工程に入る。
ステップS2では、シェーディング補正データ作成部26により、シェーディング補正データを作成する。
走査画像100の例では、例えば、縦筋ノイズ104aの場合、画素位置L〜Lの輝度データを帯境界線の輝度bで置き換えるようなデータを作成する。
なお、一般に、縦筋ノイズは線幅が狭いことにより視認しやすいものであり、背景となる輝度分布は、縦筋ノイズの線幅の範囲では緩やかに変化する場合が多いが、帯境界線の輝度が一致しない場合もある。この場合は、平均値をとってもよい。また、それらを直線近似した輝度分布に置き換えるようなデータとすればより好ましい。
ステップS3では、シェーディング補正部27によりシェーディング補正データ作成部26で作成したシェーディング補正データによって、走査画像100のシェーディング補正を行う。これにより、縦筋ノイズ104a、104b、105a、105b、106a、106bが除去され、例えば、図8に示すような補正画像200が得られる。
ステップS4では、補正画像200を、画像記憶部14に記憶する。そして、縦筋ノイズ除去が終了したことを欠陥抽出処理部16に通知する。また、必要に応じて、表示制御部18に制御信号を送出して、補正画像200を表示部10に表示させる。この場合、検査者が、補正画像200を見ても縦筋ノイズは認められないので、擬似欠陥として誤った判断をするおそれがないものである。
以上で、画像ノイズ処理工程が終了する。
補正画像200は、欠陥抽出処理部16によって、欠陥抽出処理工程が実行される。このとき、縦筋ノイズが除去されているので、走査画像100で縦筋ノイズが突出する輝度差を有している場合でも、欠陥抽出の対象とならないから、擬似欠陥として自動検出されるおそれがないものである。
欠陥抽出処理部16で抽出された欠陥は、欠陥情報登録部17により、外部記憶部19に登録される。
このようにして、一定の撮像条件下で取得された走査画像100に基づく検査工程が終了する。
他の撮像条件でさらに検査を続ける場合には、上記の動作を初めから繰り返す。
このように、本実施形態の基板検査装置50によれば、撮像した走査画像100の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出し、画像ノイズ処理部15によりシェーディング補正データを画像データから自動的に生成して縦筋ノイズを除去するので、製造工程ごとに良品基板を用いて、オペレータがシェーディング補正データを作成するような手間をかけることなく、簡素な手段によって縦筋ノイズを除去することができる。
そして、基板検査装置50によれば、干渉像の撮像でも回折像の撮像でも、同様にして縦筋ノイズを除去できるので、きわめて好都合である。
また、本実施形態の基板検査方法によれば、画像ノイズ処理工程を行ってから、欠陥抽出工程を行うので、縦筋ノイズを擬似欠陥として誤検出することなく欠陥抽出を高精度に行うことができる。
なお、上記の説明では、縦筋ノイズの候補として検出する場合、縦筋ノイズとなりうる輝度変化部分をすべて記憶する場合の例で説明したが、予め、装置の仕様や装置の稼働環境、検査者のレベルなどから、除去すべき縦筋ノイズの条件が、ある程度、特定される場合には、それらの条件を基に、縦筋ノイズの候補の検出に条件をつけるようにすれば、演算処理時間を短縮することができるので好ましい。
例えば、同じ輝度差でも、人間の目に縦筋ノイズとして認識されやすいのは、ある程度細いものである。そのため、全幅(L−L)が所定値より大きい場合には、縦筋ノイズの候補としないようにしてもよい。
また、輝度差(b−b)の大きさや、輝度差(b−b)と全幅(L−L)との組み合わせなどによって、候補から外すようにしてもよい。
また、上記の説明では、シェーディング補正データを、縦筋ノイズの境界線における輝度に置き換える場合の例で説明したが、縦筋ノイズの部分を検査者が誤検出しない程度に除去することができ、かつ本物の欠陥の検出に支障ない範囲であれば、適宜の演算処理を採用することができる。例えば、適宜の処理領域内で輝度を平均化してもよい。
また、上記の説明では、縦筋ノイズ検出工程で、輝度プロファイル上で隣接画素の輝度変化を比較して縦筋ノイズの候補を求めたが、候補の検出が、このような輝度比較に限定されるものではない。例えば、輝度プロファイルを、適宜演算処理してから検出してもよい。
例えば、輝度プロファイルのノイズレベルによっては、輝度プロファイル上の連続した複数画素の輝度を積算平均したり、平滑化処理したりして、その値をもとに輝度変化を判定してもよい。この場合、輝度変化のノイズ成分が平均化されるので検出精度を向上することができる。
また、輝度プロファイルの変化が少ないような場合には、輝度プロファイルの輝度変化成分を強調処理してから検出してもよい。
また、上記の説明では、画像ノイズ処理を走査画像を取得して記憶してから行う場合の例で説明したが、画像ノイズ処理工程は、縦筋ノイズの長さ判定条件に対応する数のライン画像データ単位で行うことができるので、必要なライン数のライン画像データを記憶するバッファメモリにライン画像データを記憶して、撮像工程と画像ノイズ処理工程とを並行して行うようにしてもよい。
また、上記の説明では、縦筋ノイズが、輝度プロファイルにおいて高輝度領域で部分的に輝度低下する場合の例で説明したが、低輝度領域で部分的に輝度上昇するような場合も、同様にして縦筋ノイズとして判定することができる。
また、上記の説明では、撮像領域Pが固定され、基板1が移動する場合の例で説明したが、照明部および撮像部と、被検体とは、副走査方向に相対移動できればよい。例えば、照明部および撮像部が、被検体に対して移動するような構成でもよい。
本発明の実施形態に係る基板検査装置の概略構成を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る基板検査装置の概略構成を示す平面図および側面図である。 本発明の実施形態に係る基板検査装置の制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る基板検査装置の画像ノイズ処理部の機能ブロック図である。 走査画像の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る基板検査装置の画像ノイズ処理工程の動作フローを示すフローチャートである。 図5のA−A線に沿う輝度プロファイルを表す模式グラフである。 図5に示す走査画像に対応する補正画像の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 基板(被検体)
3 ライン照明ユニット(照明部)
4 基板保持移動ユニット(移動機構)
5 干渉フィルタ
6 ラインセンサカメラ(撮像部)
6b ライン撮像素子
8 制御ユニット
9 撮像方向設定機構
10 表示部
13 装置制御部(撮像制御部)
14 画像記憶部
15 画像ノイズ処理部
16 欠陥抽出処理部
20 縦筋ノイズ検出手段
21 縦筋ノイズ除去手段
22 主走査方向輝度取得部
23 輝度比較部
24 縦筋ノイズ情報記憶部
25 縦筋ノイズ判定部
26 シェーディング補正データ作成部
27 シェーディング補正部
50 基板検査装置
100 走査画像
104a、104b、105a、105b、106a、106b 縦筋ノイズ
110 輝度プロファイル
200 補正画像
P 撮像領域

Claims (5)

  1. 被検体を照明する照明部と、
    前記被検体上を主走査してライン画像を撮像する撮像部と、
    前記照明部および前記撮影部と、前記被検体とを、前記主走査方向に直交する副走査方向に相対移動する移動機構と、
    該移動機構の移動動作および前記撮影部の撮像動作を制御することにより、前記被検体の2次元の走査画像を取得せしめる撮像制御部と、
    前記撮像部が撮像した前記被検体の走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出手段と、該縦筋ノイズ検出手段が検出した縦筋ノイズを除去処理して補正画像を生成する縦筋ノイズ除去手段とを有する画像ノイズ処理部と、
    該画像ノイズ処理部が生成した補正画像から欠陥抽出を行う欠陥抽出処理部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  2. 前記縦筋ノイズ検出手段が、
    前記走査画像のうち、前記主走査方向の輝度変化部分を検出するとともに、該輝度変化部分が前記副走査方向に連続する長さを判定して、前記縦筋ノイズを検出することを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
  3. 前記縦筋ノイズ除去手段が、
    前記縦筋ノイズ検出手段により検出された縦筋ノイズの輝度を、該縦筋ノイズ近傍の輝度から生成した補正輝度と置き換えることにより前記縦筋ノイズの除去処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の基板検査装置。
  4. 前記画像ノイズ処理部が検出する縦筋ノイズの、背景輝度に対する輝度差が、前記欠陥抽出処理部が抽出する欠陥の、背景輝度に対する輝度差より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板検査装置。
  5. 被検体に対してライン状の撮像領域を相対移動してすることで2次元の走査画像を取得し、該走査画像に基づいて前記被検体の欠陥抽出を行う基板検査方法であって、
    前記走査画像の画像データを演算処理することにより縦筋ノイズを検出する縦筋ノイズ検出工程と、該縦筋ノイズ検出工程で検出された縦筋ノイズを除去処理して補正画像を生成する縦筋ノイズ除去工程とからなる画像ノイズ処理工程を備え、
    該画像ノイズ処理工程で生成された補正画像から欠陥抽出を行うことを特徴とする基板検査方法。
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