JP2007263774A - 走査型電子顕微鏡及びそれを用いる測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】標準試料を使用することなく正確に測定可能な走査型電子顕微鏡及びそれを用いる測定方法を提供すること。
【解決手段】試料6に対して走査する電子線(入射線)を断続的に照射し、該電子線が試料6に照射されたときに発生する後方散乱電子を後方散乱電子検出器22で検出し、時間差検出部53により、試料6に照射される電子線と後方散乱電子検出器22で検出した後方散乱電子との時間差を比較計測し、試料表面の形状を測定する。
【選択図】図1
【解決手段】試料6に対して走査する電子線(入射線)を断続的に照射し、該電子線が試料6に照射されたときに発生する後方散乱電子を後方散乱電子検出器22で検出し、時間差検出部53により、試料6に照射される電子線と後方散乱電子検出器22で検出した後方散乱電子との時間差を比較計測し、試料表面の形状を測定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料表面に入射線(入射ビーム)を走査して得た後方散乱電子による画像信号から試料表面の形状を観察(測定)する走査型電子顕微鏡及びそれを用いる測定方法に関する。
従来、試料表面の形状を観察するために走査型電子顕微鏡が使用されている。
図8は、そのような走査型電子顕微鏡の外観を示す図であり、図9は、走査型電子顕微鏡の要部の概略構成図である。
走査型電子顕微鏡は、電子光学系1、観察室2、真空系3、モニタ4及び電子光学系制御部5から構成されている。
電子光学系1は、電子線を発生するための電子銃11と、該電子銃11で発生した電子線を細く絞るための電磁コイル12と、該電磁コイル12で絞られた電子線を試料6の表面に走査させる偏向コイル13とから構成される。
観察室2には、試料台21と、後方散乱電子検出器22と、引込電極23とが配置されている。試料台21は、例えばゴニオメータ等が使用され、該試料台21上に固定保持された試料6を観察箇所に移動させることができるようになっている。後方散乱電子検出器22は、上記試料6の表面に電子線を照射することでその試料6の表面から発生される後方散乱電子を検出するものである。この後方散乱電子検出器22は、試料6の表面とのなす角度は45度前後、試料6の表面までの距離は10[cm]前後に設置される。引込電極23は、上記後方散乱電子検出器22の前に、試料6との間に配置され、例えば、円筒形の形状のものである。(内部にグリッド(メッシュ)電極をもつものもある。)後方散乱電子は、2次電子や弾性散乱電子(反射電子)等を含むが(詳細は後述)、2次電子はエネルギーが小さい(速度が遅い)電子であるため、正の引込電圧が印加された引込電極23によって引込み、後方散乱電子検出器22の方向へ加速することで、観察可能となる。この引込電極23に引込電圧を印加しない場合には、後方散乱電子検出器22には弾性散乱電子のみが到達し、観察される。
なお、電子ビームによる観察のため、上記電子光学系1や観察室2は真空でなければならない。真空系3は、そのために、これらの系をロータリーポンプや油拡散ポンプなどで真空状態にするものである。
モニタ4は、得られる2次電子像や反射電子像を観察するためのものである。
電子光学系制御部5は、これらの走査像を得るための電子回路や電源などから構成されている。例えば、上記引込電極23に上記正の引込電圧を印加するための引込電源51や、その引込電圧を印加する/しないを切り替える切替スイッチ52を含む。
このような構成の走査型電子顕微鏡においては、電子光学系1から電子線を試料6の表面に走査させるのに伴って、試料6の表面から発生した後方散乱電子を後方散乱電子検出器22で検出し、上記走査と同期させて後方散乱電子検出器22からの強度やその測定より得られる解析結果等をモニタ4に表示させる。試料6の表面に電子線を走査させ、試料6の表面の走査位置における後方散乱電子の強度変化が試料6の表面の凹凸と対応することで、試料6の表面の形状が観察される。なお、その際、観測される後方散乱電子量は表面が平らな部分では発生が少なく、傾斜が大きいところで発生量が多いことを利用している。
従来の走査型電子顕微鏡における表面粗さ(JIS0601)の測定は、このように後方散乱電子像の積算による表面形状測定によるものを利用するものであり、後方散乱電子像の走査像は後方散乱電子検出器22のコントラストや明るさ調整により変化する。
特許文献1には、このように試料6の表面を電子ビームで走査して得た後方散乱電子を積分して表面の断面形状を測定する走査型電子顕微鏡による表面粗さ測定装置において、高さ(表面粗さ)が既知試料で補正を行うことで、測定の信頼性を向上する技術が開示されている。
特公平02−46083号公報
従来の走査型電子顕微鏡における表面粗さの測定は、上述のように後方散乱電子像の積算による表面形状測定によるものであり後方散乱電子像の走査像は後方散乱電子検出器22のコントラストや明るさ調整により変化し、絶対値を得るためには標準試料を使用する必要がある。しかしながら、後方散乱電子の後方散乱強度は、重い元素では大きく、軽い元素では小さいという原理的な特性があるため、標準試料も実際の測定対象の試料6と同様の元素組成を持つものを用いなければ正確な補正ができないという問題点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、標準試料を使用することなく正確に測定可能な走査型電子顕微鏡及びそれを用いる測定方法を提供することを目的とする。
本発明の走査型電子顕微鏡の一態様は、
入射線を断続的に照射する入射線断続照射手段と、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査手段と、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出手段と、
前記入射線と前記検出手段で検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測手段と、
を具備することを特徴とする。
入射線を断続的に照射する入射線断続照射手段と、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査手段と、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出手段と、
前記入射線と前記検出手段で検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測手段と、
を具備することを特徴とする。
また、本発明の走査型電子顕微鏡を用いる表面測定方法の一態様は、
入射線を断続的に照射する入射線断続照射ステップと、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査ステップと、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出ステップと、
前記入射線と前記検出ステップで検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測ステップと、
を具備したことを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いる測定方法である。
入射線を断続的に照射する入射線断続照射ステップと、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査ステップと、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出ステップと、
前記入射線と前記検出ステップで検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測ステップと、
を具備したことを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いる測定方法である。
本発明によれば、入射線(入射ビーム)照射手段から試料に照射される入射線と、検出手段で検出した入射線が試料に照射されたときに発生する後方散乱電子との時間差を比較計測することで、試料の表面から検出手段までの距離が測定でき、延いては試料表面の凹凸が測定できる。従って、標準試料を使用しなくても正確に測定することが可能な走査型電子顕微鏡及びそれを用いる測定方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る走査型電子顕微鏡の要部構成例を示す概略構成図である。なお、同図において、従来と同様のものについては図8及び図9と同一の参照番号を付し、その説明は省略する。また、図1では、真空系3の図示を省略している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る走査型電子顕微鏡の要部構成例を示す概略構成図である。なお、同図において、従来と同様のものについては図8及び図9と同一の参照番号を付し、その説明は省略する。また、図1では、真空系3の図示を省略している。
本第1実施形態に係る走査型電子顕微鏡は、電子光学系10に、電子銃11、収束手段としての電磁コイル12及び走査手段としての偏向コイル13に加えて、絞り14とチョッピング用コイル15とを有している。ここで、絞り14には所定の大きさの開口が設けられており、チョッピング用コイル15は、電子銃11で発生された電子線をその絞り14の開口外にまで大きく曲げるものである。このチョッピング用コイル15を周期的に動作させることにより、電子線発生手段である上記電子銃11で発生した連続的な電子線を、絞り14を介して時間的なパルス状として、観察室2の試料台21に固定保持された試料6に照射することができる。即ち、絞り14及びチョッピング用コイル15により入射線(電子線)断続手段が構成され、該入射線(電子線)断続手段と上記入射線(電子線)発生手段とによって入射線(電子線)を断続的に照射する入射線(電子線)断続照射手段を構成する。
図2は、電子線が照射されたときに試料6から発生する後方散乱電子7のエネルギー分布を示す図である。なお、この図は、電子銃11における加速電圧が1kVの場合を示している。
後方散乱電子7は、エネルギー小さい方から順に、2次電子71、オージェ電子72、非弾性散乱電子73及び弾性散乱電子(反射電子)74と称される領域に分類される。
弾性散乱電子(反射電子)はその名前の通り、入射された電子線とほとんど同じエネルギーを持つ電子である。
試料6の表面にパルス状に入射された電子線は、この図2に示すようなエネルギー分布を持つ後方散乱電子を発生し、検出手段である後方散乱電子検出器22(本実施形態では、弾性散乱電子(反射電子)検出器)で検出される。なお、本実施形態では、上記後方散乱電子7のうち、エネルギーの大きい弾性散乱電子74を検出するので、後方散乱電子検出器22は、弾性散乱電子(反射電子)検出器と言うことができる。
上記電子光学系10の各部を制御する電子光学系制御部50には、本実施形態では更に、時間差検出部53と演算部54が設けられている。時間差検出部53は、試料6の表面に入射された電子線により生じるパルス状の入射電線(試料電流)と、上記後方散乱電子検出器22で検出される弾性散乱電子74の強度のパルスとが供給されよう構成されている。そして、該時間差検出部53において、それらの時間差が測定される。
図3は、このパルス状の入射電子線の強度と検出された弾性散乱電子74の強度を示す波形図である。横軸は時間、縦軸は電子線強度をそれぞれ示している。入射電子線と弾性散乱電子74との時間差(遅延時間T)は、電子線が試料6に照射されてから入射電子線と同じ速度である弾性散乱電子74が後方散乱電子検出器22に到達するまでの時間であるので、この遅延時間Tより、演算部54において、試料6の表面と後方散乱電子検出器22との距離が計算できることになる。
電子線の速度veは電子銃11における加速電圧により変化する。後方散乱電子検出器22を、試料6の表面とのなす角度は45度、試料6の表面までの距離は10[cm]と設定した場合、試料6の表面から後方散乱電子検出器22まで弾性散乱電子74が飛行する時間は容易に計算できる。表1は、電子線波長、速度の加速電圧との関係を計算した結果(一部相対論の補正を含む)及び、その電子線の速度から飛行時間等を算出した値を示す表である。
通常、走査型電子顕微鏡の場合には、1kV〜30kVの加速電圧を使用して観察する。ここでは1kVを例にとり説明すると、電子線の速度は1.87×E9[cm/s]、試料6の表面から後方散乱電子検出器22までの距離が10[cm]では、遅延時間Tは5.348E-9[s]となる。
図4は、入射電子線と後方散乱電子検出器22との位置関係を示す図であり、この図を参照して、試料6の表面の凹凸量の算出方法を説明する。
即ち、試料6の表面と後方散乱電子検出器22のなす角度が45度の場合、図4に示すような簡単な幾何学により試料6の凹凸の差が計算できることになる。
である。
仮に、基準となる基準点Oにおける基準遅延時間Tに対して1[ps]の遅延が観測された場合には、加速電圧が1kVのとき、試料6の表面から後方散乱電子検出器22までの距離l+は、
l+=l+Δl=10+0.00187=10.00187[cm]
となる。
l+=l+Δl=10+0.00187=10.00187[cm]
となる。
となる。
逆に、基準となる基準点Oにおける基準遅延時間Tに対して1[ps]早く信号が観測された場合には、試料6の表面から後方散乱電子検出器22までの距離l-は、
l-=l−Δl=10−0.00187=9.99813[cm]
となる。
l-=l−Δl=10−0.00187=9.99813[cm]
となる。
となる。
走査型電子顕微鏡においては、電子線は試料6の表面を掃引することになり、後方散乱電子検出器22と電子線のなす角度は異なってくるが、電子線は電気的に走査し、試料6の表面の2次元平面の位置x,yは正確に決められる。従って、観察している領域の試料6の表面に垂直な凹凸量を計算によって求めることができる。
(なお、現在、オシロスコープとして15[GHz](例えば、日本テクトロニクス社より販売されているTDS6154C型)のものも入手可能であり、その画面上では1升目0.01[ns]の測定が可能である(=10ps/div)。時間差検出部53として、この程度からサブピコ秒の時間差までを検出できる技術は身近になってきている。)
こうして、演算部54で算出された凹凸量を、試料6の表面に対する電子線の走査と同期させてモニタ4上に演算処理結果を表示することで、試料6の表面の形状が観察される。
こうして、演算部54で算出された凹凸量を、試料6の表面に対する電子線の走査と同期させてモニタ4上に演算処理結果を表示することで、試料6の表面の形状が観察される。
このように、本第1実施形態では、パルスの遅延時間から試料6の表面形状を求めることがきる。従って、試料6の組成によらず基準点Oさえ決めておけば、試料6の表面の凹凸粗さが測定できる。即ち、標準試料を使用することなく正確に測定することができる。
なお、遅延時間の計測精度が上がれば、測長精度も上がることになる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る走査型電子顕微鏡の要部構成例を示す概略構成図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同様のものについては図1と同一の参照番号を付し、その説明は省略する。また、図5では、真空系3の図示を省略している。
図5は、本発明の第2実施形態に係る走査型電子顕微鏡の要部構成例を示す概略構成図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同様のものについては図1と同一の参照番号を付し、その説明は省略する。また、図5では、真空系3の図示を省略している。
本第2実施形態においては、観察室2内に配された後方散乱電子検出器22の前に、引き込み手段としての引込電極230と後方散乱電子の選択手段としてのエネルギー分光器24とを設置し、図2で説明した後方散乱電子7のエネルギー上限を変えた電子を検出する。
図6は、この引込電極231及びエネルギー分光器24の部分を拡大して示す概略構成図である。また、図7は、エネルギー分光器24の偏向電極241の部分を拡大して示す概略構成図である。 試料6の表面より発生した後方散乱電子7は、電子光学系制御部50に構成された引込電源51から正電圧が印加された引込電極230に引込まれる。そして、該引込電極230に設けられた中央の貫通孔230aを通り後方散乱電子検出器22の方向へ加速される。
この引込電極230を通過した後方散乱電子7は、電子光学系制御部50に構成された可変電源55と設置電位との間に接続された偏向手段としての円筒状の外側偏向電極241aと中心に配置された中央電極241bからなる偏向電極241の中を通過する際に、クーロン力で曲げられる。この場合、2次電子71のようにエネルギーの小さい(速度の遅い)電子は大きく曲げられ、弾性散乱電子74のようにエネルギーの大きな(速度の速い)電子は小さく曲げられる。(中央電極241bは後述の遮蔽板242から引込電極230の向きに垂直に伸びる針状の電極である。)
こうして曲げられた後方散乱電子7は、後方散乱電子検出器22で検出される。この後方散乱電子検出器22は、NaI蛍光板221とフォトマルチプライヤ222とから構成されている(特に説明しなかったが、上記第1実施形態も同様の構成である)。即ち、後方散乱電子7は、NaI蛍光板221に衝突した際に蛍光を発する。フォトマルチプライヤ222は、その発光量を検出することで、後方散乱電子7の電子量を検出することができる。
こうして曲げられた後方散乱電子7は、後方散乱電子検出器22で検出される。この後方散乱電子検出器22は、NaI蛍光板221とフォトマルチプライヤ222とから構成されている(特に説明しなかったが、上記第1実施形態も同様の構成である)。即ち、後方散乱電子7は、NaI蛍光板221に衝突した際に蛍光を発する。フォトマルチプライヤ222は、その発光量を検出することで、後方散乱電子7の電子量を検出することができる。
そして、本実施形態では、上記NaI蛍光板221の中心に、遮蔽手段としての遮蔽板242を設けている。即ち、上記偏向電極241で大きく曲げられないエネルギーの高い電子は、この遮蔽板242により上記NaI蛍光板221に到達しないようしている。
可変電源55から偏向電極241(外側偏向電極241a)に印加する電圧を変えることでクーロン力が変化し、後方散乱電子7の曲げられる量を可変することができる。即ち、クーロン力が強くなればなるほど、あるエネルギーの電子の曲げられる量が大きくなるものであり、換言すれば、クーロン力が強くなれば、エネルギーの大きな(速度の速い)電子でも、エネルギーの小さな(速度の遅い)電子同じように曲げられるということである。つまり、偏向電極241に印加する電圧を変えることで、遮蔽板242で遮蔽される後方散乱電子7のエネルギーの下限を可変させ、後方散乱電子検出器22で検出される後方散乱電子7のエネルギー上限を変えることができる。従って、適切な偏向電圧を241に印加することで、後方散乱電子7のうち、速度の速い弾性散乱電子74や非弾性散乱電子73等を除いた速度の遅い2次電子71やオージェ電子72を使って、その飛行時間から、試料6の表面の凹凸を測定することが可能となる。
このような第2実施形態では、飛行時間を測定する電子のエネルギーを小さい(速度の遅い)ものとしたことにより、飛行時間が弾性散乱電子74よりも長くなるので、時間差を測定しやすくなり、凹凸の測定精度が向上するという利点がある。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上記第1実施形態では、入射線(入射ビーム)を電子線としたが、表面が損傷しない程度の加速電圧(3kV以下)のイオンビームとしても良く、さらにはX線としても良い。これは、これらの入射線が、その入射線と同じ程度のエネルギーの電子を放出させるからである。即ち、X線の場合には、入射X線のエネルギーより、試料固体の仕事関数φを差し引いたエネルギーの光電子が試料固体の価電子帯より発生する。また、イオンビームの場合には、電子より質量数が大きいので、速度は遅くなるが、固体表面に与えるエネルギーは同じであり、イオンビームにより固体表面から加速電圧に対応するエネルギーの電子も発生する。なお、イオンビームとしては、Cs(セシウム)イオン、Ga(ガリウム)イオン、酸素イオン、Ar(アルゴン)イオンなど、いずれもプラス1価イオンを使用する。
2…観察室、 3…真空系、 4…モニタ、 5…電子光学系制御部、 6…試料、 7…後方散乱電子、 10…電子光学系、 11…電子銃、 12…電磁コイル、 13…偏向コイル、 14…絞り、 15…チョッピング用コイル、 21…試料台、 22…後方散乱電子検出器、23…引込電極、 24…エネルギー分光器、 50…電子光学系制御部、 51…引込電源、 53…時間差検出部、 54…演算部、 55…可変電源、 71…2次電子、 72…オージェ電子、 73…非弾性散乱電子、 74…弾性散乱電子、 221…NaI蛍光板、 222…フォトマルチプライヤ、 230…引込電極、 230a…貫通孔、 241…偏向電極、241a…外側偏向電極、 241b…中央電極、 242…遮蔽板。
Claims (8)
- 入射線を断続的に照射する入射線断続照射手段と、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査手段と、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出手段と、
前記入射線と前記検出手段で検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測手段と、
を具備することを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 前記検出手段は、前記後方散乱電子のうち、前記入射線断続照射手段から前記試料に照射される前記入射線と同じエネルギーを持つ弾性散乱電子を検出することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記検出手段の前に、前記後方散乱電子を引き込む引き込み手段を設け、
前記検出手段は、前記後方散乱電子のうち、弾性散乱電子よりもエネルギーの低い電子を検出することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。 - 前記検出手段の前に、前記検出手段に到達する前記後方散乱電子のエネルギーの上限を制限する後方散乱電子選択手段を設けることを特徴とする請求項3に記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記後方散乱電子選択手段は、
前記引き込み手段によって引き込まれた前記後方散乱電子のうち、前記制限されたエネルギーの上限に満たない電子を所定量以上偏向させる偏向手段と、
前記偏向手段で前記所定量以上偏向されない前記制限されたエネルギーの上限以上の高いエネルギーの電子が前記検出器に到達するのを妨げる遮蔽手段と、
からなることを特徴とする請求項4に記載の走査型電子顕微鏡。 - 前記計測手段によって比較計測された前記時間差から、前記試料の表面の凹凸量を演算する演算手段を更に具備することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の走査型電子顕微鏡。
- 入射線を断続的に照射する入射線断続照射ステップと、
前記入射線を、試料に対して走査させる走査ステップと、
前記入射線が前記試料に照射されたときに発生する後方散乱電子を検出する検出ステップと、
前記入射線と前記検出ステップで検出された前記後方散乱電子との時間差を比較計測する計測ステップと、
を具備したことを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いる測定方法。 - 前記計測ステップによって比較計測された前記時間差から、前記試料の表面の凹凸量を演算する演算ステップを更に具備したことを特徴とする請求項7に記載の走査型電子顕微鏡を用いる測定方法。
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WO2023032034A1 (ja) * | 2021-08-31 | 2023-03-09 | 株式会社日立ハイテク | 電子顕微鏡 |
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