JP2007263522A - 熱機関、熱機関用放熱器、熱機関用放熱器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却用の作動流体を搬送する搬送ポンプ等の水搬送手段を廃止することができる熱機関、熱機関用放熱器、熱機関用放熱器の製造方法を提供する。
【解決手段】熱機関は作動流体を圧縮させる圧縮部1と、圧縮部1で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器2と、吸熱部6と、放熱させた作動流体により冷却能または動力が得られる膨脹部3とをもつ。放熱器2は、圧縮された作動流体の熱を受熱する受熱部20と、冷却用流体Wを収容すると共に受熱部20からの伝熱により冷却用流体Wの気化を促進させる気化室21をもつ収容部22と、気化室21で気化した冷却用流体Wを冷却させて冷却用流体Wを液化させる液化部23と、液化部23で液化した冷却用流体Wを気化室21に帰還させる帰還路25とをもつ。気化室21は大気圧よりも減圧されていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】熱機関は作動流体を圧縮させる圧縮部1と、圧縮部1で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器2と、吸熱部6と、放熱させた作動流体により冷却能または動力が得られる膨脹部3とをもつ。放熱器2は、圧縮された作動流体の熱を受熱する受熱部20と、冷却用流体Wを収容すると共に受熱部20からの伝熱により冷却用流体Wの気化を促進させる気化室21をもつ収容部22と、気化室21で気化した冷却用流体Wを冷却させて冷却用流体Wを液化させる液化部23と、液化部23で液化した冷却用流体Wを気化室21に帰還させる帰還路25とをもつ。気化室21は大気圧よりも減圧されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は放熱器をもつ熱機関、熱機関用放熱器、熱機関用放熱器の製造方法に関する。本発明は例えば、作動流体が往復移動(振動)する振動流再生型熱機関に適用することができる。熱機関は冷凍を出力する冷凍機および動力を出力するエンジンを含む。
作動流体を圧縮させる圧縮部と、圧縮部で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器と、吸熱部と、放熱させた作動流体により冷却能または動力が得られる膨脹部とを備える熱機関が提供されている。このような熱機関として、スターリング冷凍機が知られている(特許文献1、非特許文献1)。放熱器は熱交換器の1種であり、圧縮部で圧縮された作動流体を放熱させるためのものである。放熱器は冷却水をポンプ等の搬送手段により通過させることにより形成されている。更に空冷式の放熱器も提供されている。
一般的な放熱器は前述したように冷却水を通過させる水冷方式とされている。この場合、冷却水は比熱が大きい為、高い熱輸送能力が得られるものの、冷却水を搬送する搬送ポンプ等の水搬送手段が必要とされる。また、空冷式の放熱器の場合には、水冷式に比較して高い熱輸送能力が得られない。更に、自然空冷では熱輸送能力の面で限界があるため、空冷のための冷却用空気を発生させるファン装置も、通常、必要とされる。
特開平05−126427号公報
第9回スターリングサイクルシンポジウム講演論文集、P9〜10
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、冷却水等の冷却用流体を搬送する搬送ポンプ等の水搬送手段を廃止することができる熱機関、熱機関用放熱器、熱機関用放熱器の製造方法を提供することを課題とする。
(1)様相1に係る熱機関は、作動流体を圧縮させる圧縮部と、圧縮部で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器と、吸熱部、作動流体に基づいて冷却能または動力が得られる膨脹部とを具備する熱機関において、
放熱器は、圧縮部で圧縮された作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えていることを特徴とする。
放熱器は、圧縮部で圧縮された作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えていることを特徴とする。
様相1によれば、圧縮部で圧縮された作動流体の熱は受熱部に受熱される。受熱部からの伝熱により冷却用流体は加熱され、収容部の気化室において液状の冷却用流体の気化が促進される。気化した冷却用流体は、気化室から液化部に移動する。液化部に移動した冷却用流体は、液化部で冷却されて液化(凝縮)する。液化部で液化(凝縮)した冷却用流体は、帰還路を介して収容部の気化室に帰還する。このように冷却用流体の気化および液化(凝縮)を連続的に切り返して冷却用流体を放熱器の内部において循環させることができる。
(2)様相2に係る熱機関によれば、様相1において、熱機関が作動していないとき、収容部の気化室は大気圧よりも減圧されている。このように熱機関が作動していないとき、収容部の気化室は大気圧よりも減圧されて負圧状態とされている。このため、熱機関が作動するとき、気化室に収容されている冷却用流体の飽和蒸気圧は、減圧されていなときに比較して低下する。従って、減圧されていないときに比較して、気化室に収容されている冷却用流体の気化は、促進され、気化量(蒸発量)が増加する。よって気化熱により受熱部は効果的に冷却される。このため、圧縮部で圧縮された作動流体の熱は、受熱部により効果的に放熱される。更に、気化室が減圧されているため、冷却用流体の気化量(蒸発量)が増加する。故に、冷却用流体の気化および液化(凝縮)を連続的に繰り返して冷却用流体を放熱器の内部において効果的に循環させることができる。
(3)様相3に係る熱機関用放熱器は、熱機関に使用される放熱器であって、作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部に帰還させる帰還路とを備えていることを特徴とする。
様相3によれば、圧縮部で圧縮された作動流体の熱は受熱部に受熱される。受熱部からの伝熱により冷却用流体は加熱され、収容部の気化室において液状の冷却用流体の気化が促進される。気化した冷却用流体は液化部に移動する。液化部に移動した冷却用流体は、液化部で冷却されて液化する。液化部で液化した冷却用流体は、帰還路を介して、収容部の気化室に帰還する。このように冷却用流体の気化および液化(凝縮)を利用して放熱器の内部において冷却用流体を循環させることができる。
(4)様相4に係る熱機関用放熱器によれば、様相2において、熱機関が作動していないとき、収容部の気化室は大気圧よりも減圧されていることを特徴とする。
様相4によれば、熱機関が作動していないとき、収容部の気化室は大気圧よりも減圧されて負圧状態とされている。このため、熱機関が作動するときにおいて、気化室に収容されている冷却用流体の飽和蒸気圧は、減圧されていなときに比較して低下する。従って、減圧されていなときに比較して、気化室に収容されている冷却用流体の気化は促進され、気化量(蒸発量)は増加する。よって気化熱により受熱部は効果的に冷却される。このため、圧縮部で圧縮された作動流体の熱は、受熱部により効果的に放熱される。
更に、気化室が減圧されているため、冷却用流体の気化量(蒸発量)が増加するため、冷却用流体の気化および液化(凝縮)を利用して放熱器の内部において冷却用流体を効果的に循環させることができる。
(5)様相5に係る熱機関用放熱器の製造方法は、作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容可能であり受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部に帰還させる帰還路とを備えている熱機関用放熱器を準備する準備工程と、熱機関用放熱器のうち気化室と減圧手段とを直接的または間接的に繋ぎ、その状態で、減圧手段により少なくとも気化室を減圧させる減圧工程と、その後、気化室に冷却用流体を供給する注入工程と、その後、気化室を密閉する密閉工程とを順に実施することを特徴とする。
様相5によれば、熱機関用放熱器の気化室と減圧手段とを直接的または間接的に繋ぐ。上記したように気化室と減圧手段とを繋いだ状態で、減圧手段により少なくとも気化室を減圧させる減圧工程を実施する。その後、気化室に冷却用流体を供給する注入工程を実施する。その後、気化室を密閉する密閉工程を実施する。これにより上記した様相に係る放熱器が形成される。
本発明によれば、圧縮部で圧縮された作動流体の熱は受熱部に受熱される。受熱部からの伝熱により冷却用流体は加熱され、収容部の気化室において液状の冷却用流体の気化が促進される。気化した冷却用流体は液化部に移動する。液化部に移動した冷却用流体は、液化部で冷却されて液化する。液化部で液化した冷却用流体は、帰還路を介して、収容部の気化室に帰還する。このような本発明によれば、前述したように、放熱器を流れる冷却用流体を搬送する搬送ポンプ等の水搬送手段を廃止することができる。
また本発明によれば、収容部の気化室は大気圧よりも減圧されている場合には、減圧されていない場合に比較して、冷却用流体の飽和蒸気圧は低下する。従って、減圧されていない場合に比較して、気化室における冷却用流体の気化は促進され、気化量(蒸発量)が増加する。このため気化熱により受熱部は効果的に冷却される。従って、加熱された作動流体の熱は、受熱部により効果的に放熱される。従って、放熱器の放熱作用が良好に確保され、熱機関の機関性能が向上する。
更に気化室が減圧されている場合には、冷却用流体の気化量(蒸発量)が増加し、放熱器において、冷却用流体の気化および液化(凝縮)を利用して冷却用流体を効果的に循環させることができる。
熱機関は、作動流体を圧縮させる圧縮部と、圧縮部で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器と、吸熱部と、放熱させた作動流体により冷却能または動力が得られる膨脹部とを具備する。膨脹部は、放熱させた作動流体により冷却能または動力が得られる部位をいう。膨脹部は、作動流体を膨脹させる膨脹空間を形成する手段が例示される。更に、膨脹部は作動流体を膨脹させる部位である。放熱器と膨脹部との間には、熱再生作用を果たす蓄熱部(蓄冷部)が設けられている形態が例示される。蓄熱部は再生器とも呼ばれる。吸熱部は、被冷却体から吸熱して熱を奪い、被冷却体を冷却するものであるか、エンジンにおいてはバーナ等の加熱手段から吸熱する役割を果たすものである。一般的には、吸熱部は、冷凍機の場合には蓄熱部の低温端付近に、エンジンの場合には高温端付近に配置されている。
作動流体としては熱機関の性能を良好に発揮させるものが採用され、ヘリウム、水素等が例示される。作動流体はスターリングサイクルを形成する形態が例示される。従って本発明はスターリング冷凍機、スターリングエンジンに適用できる。スターリングサイクルは、圧縮部の圧縮空間の容積および膨脹空間の容積を所定の位相差をもって周期的に変化させることにより、冷却または動力を得るサイクルをいう。スターリング冷凍機の場合、または、スターリングエンジンの場合には、放熱器は、圧縮部の近傍に配置され、室温レベルに設置されているのが一般的である。
放熱器は、圧縮部で圧縮された作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えている。受熱部からの伝熱により冷却用流体は加熱され、収容部の気化室において液状の冷却用流体の気化が促進される。気化した冷却用流体は、液化部に自動的に移動する。このため、放熱器を流れる冷却用流体を搬送する搬送ポンプ等の搬送手段を廃止することができる。
冷却用流体としては水、不凍液等が例示される。収容部の気化室は大気圧よりも減圧されている。熱機関が作動していないとき、収容部の気化室の内圧は0.01〜0.09MPaである形態が例示される。熱機関が作動していないとき、収容部の気化室の内圧の上限としては、0.09MPa、0.08MPa、0.06MPa、0.04MPaが例示されるが、これらに限定されるものではない。なお、大気圧(1気圧)は0.101MPaである。
熱機関が作動していないとき、および、熱機関が定常運転で作動しているときの双方において、収容部の気化室の内圧は大気圧未満(負圧状態)であることが好ましい。この場合、気化室の内圧は0.01〜0.09MPaである形態が例示される。減圧されていれば、収容部の気化室における冷却用流体の気化が促進されるため、冷却用流体の気化量(蒸発量)が促進され、気化熱を利用した放熱特性を向上させるのに有利となる。
なお、熱機関が作動していないとき、および、熱機関が定常運転で作動しているときの双方において、収容部の気化室の内圧の上限としては、0.09MPa、0.08MPa、0.06MPa、0.04MPaが例示されるが、これらに限定されるものではない。
収容部の気化室に収容されている冷却用流体は、水または水溶液とすることができる。この場合、収容部の気化室に収容されている冷却用流体は、25〜97℃の温度領域、25〜85℃の温度領域、40〜70℃の温度領域で沸騰する形態が例示される。このような温度であれば、スターリングサイクルの既存の熱機関に速やかに適用できる。
放熱器は、受熱部および収容部のうちの一方を形成する第1空間と、受熱部および収容部のうちの他方を形成する第2空間とを有する形態が例示される。第1空間および第2空間は同軸的に配置されている形態が例示される。この場合、放熱器のコンパクト化が図られる。
液化部は収容部よりも重力方向において上側に配置されている形態が例示される。従って液化した作動流体を液化部から、重力を利用して、収容部の気化室に帰還させることができる。液化部は帰還路により吸熱部から遠ざけられている形態が例示される。液化部においては液化熱(凝固潜熱)が発生する関係で、吸熱部の吸熱作用を良好に実現させるためには、液化部を吸熱部から遠ざけることが好ましい。
圧縮部および/または膨脹部は摺動部を有しており、摺動部にはセラミックス層が積層されている形態が例示される。
熱機関用放熱器の製造方法は、次の形態が例示される、即ち、作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容可能であり受熱部からの伝熱により冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、液化部で液化した冷却用流体を収容部に帰還させる帰還路とを備えている熱機関用放熱器を準備する準備工程を実施する。その後、熱機関用放熱器の気化室と減圧手段とを直接的または間接的に繋ぐ。気化室と減圧手段とを直接的に繋ぐとは、他の通路を介さずに、気化室と減圧手段とを直接的に繋ぐことを意味する。気化室と減圧手段とを間接的に繋ぐとは、他の通路を介して、気化室と減圧手段とを直接的に繋ぐことを意味する。減圧手段は気化室を減圧できるものであれば何でも良く、真空ポンプ、エゼクタ等が例示される。次に、減圧手段により少なくとも気化室を減圧させる減圧工程を実施する。これにより気化室の残留気体が排気される。その後、気化室に冷却用流体を供給する注入工程を実施する。その後、気化室を密閉する密閉工程とを順に実施する。密閉の形態としては、注入孔を閉鎖する栓、注入孔を溶接する手段等が例示される。
本発明は、作動流体が往復移動(振動)する振動流再生型熱機関に利用することができる。振動流再生型熱機関としては、上記したスタリーング冷凍機、スタリーングエンジン以外の振動流再生型熱機関にも適用できる。例えば、ビルミエ機関、CY機関、パルス管冷凍機、熱音響機器等に適用できる。
以下、本発明の実施例1について図1および図2を参照して説明する。本実施例は熱機関として機能するスターリング冷凍機に適用する。図1はスターリング冷凍機の概念を模式化して示す。スターリング冷凍機には作動流体(例えば5〜30気圧)が封入されている。作動流体としては熱機関の性能を良好に発揮させるものが採用され、ヘリウムが用いられている。
スターリング冷凍機は、作動流体が往復移動(振動)する振動流再生型熱機関である。スターリング冷凍機は、図1に示すように、作動流体を圧縮させる圧縮部1と、圧縮部1で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器2と、作動流体により冷却能が得られる膨脹部3とを備えている。
圧縮部1は、作動流体を圧縮させる圧縮空間10を形成する圧縮シリンダ12と、圧縮シリンダ12内に往復移動可能に設けられた圧縮ピストン14とを備えている。
膨脹部3は、放熱させた作動流体により冷却能を得るための部位をいう。膨脹部3は、作動流体を膨脹させる膨脹空間30を形成する膨脹シリンダ32と、膨脹シリンダ32内に往復移動可能に設けられた膨脹ピストン34とを備えている。更に、放熱器2と膨脹部3との間には、再生器4(蓄熱部、蓄冷器)および吸熱部6が直列に設けられている。吸熱部6は被冷却体から吸熱して熱を奪い、被冷却体を冷却するものであり、コールドヘッドとも呼ばれる。
作動流体はスターリングサイクルを形成する。スターリングサイクルは、圧縮部1の圧縮空間10の容積および膨脹空間の容積を所定の位相差をもって周期的に変化させる。これにより吸熱部6において冷却作用を得る。図1に示すように、圧縮部1と放熱器2とは第1配管17で繋がれている。吸熱部6と膨脹部3とは第2配管37で繋がれている。放熱器2は圧縮部1の近傍に配置され、室温レベルに設置されている。従って、図1に示すように、圧縮部1、放熱器2、再生器4、吸熱部6、膨脹部3の順に配置されている。つまり放熱器2は圧縮部1と放熱器2との間に配置されている。
放熱器2は、圧縮部1で圧縮された作動流体を通過させ作動流体の熱を受熱する受熱部20と、冷却用流体Wを収容すると共に受熱部20からの伝熱により冷却用流体Wの気化を促進させる気化室21をもつ収容部22と、気化室21で気化した冷却用流体Wを冷却させて冷却用流体Wを液化させる液化部23と、液化部23で液化した冷却用流体Wを収容部22の気化室21に帰還させる帰還路25とを備えている。
液化部23は、伝熱要素としての伝熱フィン27をもつ凝縮部24と、凝縮部24よりも重力方向の下方に配置されたタンク25とをもつ。伝熱フィン27は伝熱面積を増加させて冷却性能を増加させるものである。凝縮部24に送風するファン装置が設けられていないが、場合によってはファン装置が設けられていても良い。なお、タンク25および伝熱フィン27は必要に応じて設ければ良い。気化室21と液化部23の凝縮部24とは搬送路28で繋がれている。
気化室21には冷却用流体Wが封入されている。冷却用流体Wとしては、水または水溶液とされている。なお、スターリング冷凍機を設置した設置環境温度を考慮して、必要に応じて、冷却用流体に不凍液を混入させても良い。
図2に示すように、放熱器2は、受熱部20と、収容部22の気化室21とを有する。受熱部20が気化室21で包囲されるように、受熱部20および気化室21はほぼ同軸的に配置されている。このようにほぼ同軸的に配置されていると、放熱器2のコンパクト化が図られる。換言すると、放熱器2は、受熱部20を形成する内筒部50と、内筒部50に対して外側にほぼ同軸的に配置された外筒部51と、外筒部51を閉鎖するリング形状の閉鎖部52とを有する。
閉鎖部52は、気化室21に連通するように出口53および入口54をもつ。受熱部20を形成する内筒部50の内壁面50fは、作動ガスが通過する通路50cを形成する。圧縮部1で圧縮された作動流体が通路50cを通過する。この場合、圧縮部1で圧縮されて高温となった作動流体の熱が受熱部20に受熱される。
図2に示すように、収容部22において、気化した冷却用流体Wが気化室21から吐出される出口53は、重力方向の上側に配置されている。収容部22において、液化した冷却用流体Wが気化室21に供給される入口54は、重力方向において出口53よりも下側に配置されている。
本実施例によれば、冷却用流体Wが放熱器2の気化室21に密閉状態に封入されている。ここで、収容部22の気化室21は大気圧よりも減圧されている。スターリング冷凍機が作動していないとき、収容部22の気化室21の内圧PAは大気圧未満(負圧状態)とされている。本実施例によれば、スターリング冷凍機が作動していないとき、および、スターリング冷凍機が定常状態で作動しているときの双方において、気化室21の内圧PAは上記した圧力とされている。この結果、気化室21の冷却用流体W(水又は水溶液)は、100℃未満の温度(例えば25〜80℃の温度領域内)で沸騰するように設定されている。このような温度であれば、通常のスターリング冷凍機における放熱器2で放出される温度に対応することができる。
冷却用流体Wを放熱器2に密閉状態に封入する代表例を説明する。まず、放熱器2の搬送路28に形成されている注入口28cを開放し、注入口54と真空ポンプ500(減圧手段)とを繋ぐ。これにより気化室21と真空ポンプ500とを間接的に繋ぐ。この状態で、真空ポンプ500を作動させることにより、気化室21を減圧雰囲気(約0.01〜0.09MPa)に減圧させる減圧工程を実施する。これにより気化室21の残留空気、更に、搬送路28、帰還路25、凝縮部24、タンク25の残留空気が排気される。その後、搬送路28の注入孔28cから気化室21に冷却用流体Wを供給する注入工程を実施する。その後、搬送路28の注入孔28cを密閉し、気化室21を密閉する密閉工程とを順に実施する。これにより冷却用流体Wは放熱器2の内部に減圧状態で封入される。密閉の形態としては、注入孔28cを閉鎖する栓、注入孔28cを溶接して閉鎖する手段等が例示される。
スターリング冷凍機が作動するとき、圧縮ピストン14および膨脹ピストン34が周期的に作動し、圧縮空間10と膨脹空間30との間で作動流体は、放熱器2の受熱部20、再生器4、吸熱部6を介して往復移動する。膨脹ピストン34が圧縮ピストン14と所定の位相差をもって周期的に作動する。このようなスターリングサイクルが連続的に運転されると、吸熱部6により低温の冷凍(例えば0℃〜−150℃)が出力される。
スターリング冷凍機の作動時において、圧縮部1で圧縮された作動流体(温度:約20〜100℃)は、放熱器2の受熱部20の通路50cを通過する。作動流体の熱は受熱部20に伝熱される。このとき、受熱部20からの伝熱により、受熱部20の温度は約30〜70℃程度の温度領域内となる。このため受熱部20から気化室21の冷却用流体Wは加熱される。この結果、収容部22の気化室21において、液状の冷却用流体Wの気化が促進される。気化室21内は気体と液体とが共存する気液2相状態であると考えられる。
そして、気化室21において液体状態から気体状態に相変化したガス状の冷却用流体Wは、気化室21の出口53から、搬送路28を通過して液化部23の凝縮部24に向けて自動的に移動する。この場合、気化した冷却用流体Wは、上昇して液化部23に到達する。
上記したようにガス状の冷却用流体Wは凝縮部24に到達し、凝縮部24において冷却されて凝縮し、液体状となる。液体状となった冷却用流体Wは、重力により自然落下してタンク25に溜まる。タンク25内の冷却用流体Wは、帰還路25を介して気化室21に帰還する。タンク25はリザーパタンク25機能を果たす。このようにして冷却用流体Wの気化および液化(凝縮)を連続的に繰り返し、冷却用流体Wを放熱器2において効果的に循環させることができる。このため、放熱器2を流れる冷却用流体Wを、気化室21から液化部23の凝縮部24に搬送させる搬送ポンプ等の搬送手段を廃止することができる。
上記した気化・凝縮のプロセスは、スターリング冷凍機の稼働中において連続的に行われ、放熱器2において冷却用流体Wの沸騰、液化が連続的に行われる。故に、放熱器2の放熱特性が良好に確保され、スターリング冷凍機の性能が確保される。
殊に本実施例によれば、冷凍機が作動していないとき、および、凍機が定常状態で作動しているとき、気化室21内が減圧されて負圧状態とされている。このため、気化室21の冷却用流体Wの気化は促進される。例えば、沸騰または沸騰に近い状態とされる。このように気化室21における気化が促進されるため、気化量(蒸発量)が増加するため、放熱器2の放熱特性が向上する。更に、気化室21内が減圧されて射るため、気化量(蒸発量)が増加し、冷却用流体Wの気化および液化(凝縮)を利用して、冷却用流体Wを放熱器2において効果的に循環させることができる。
更に本実施例によれば、図1に示すように、液化部23を構成する凝縮部24およびタンク25は、搬送路28を介して、収容部22の気化室21よりも重力方向において上側に配置されている。従って、液化部23の凝縮部24で液化した液体状の作動流体を液化部23から、重力を利用して、収容部22の気化室21に自動的に帰還させることができる。従って、この意味においても、冷却用流体Wを液化部23から収容部22の気化室21に帰還させるにあたり、ポンプ等の搬送要素が廃止される。
ところで、液化部23においては液化熱(凝固潜熱)が発生する。その関係で、吸熱部6の吸熱作用を良好に実現させてスターリング冷凍機の冷凍性能を良好に得るためには、液化部23を吸熱部6から遠ざけることが好ましい。この点本実施例によれば、液化部23を構成する凝縮部24およびタンク25は、帰還路25の距離に相当するぶん、上方側に吸熱部6から遠ざけられている。従って、液化部23における液化熱が吸熱部6に影響を与えることが抑制される。故に、吸熱部6における吸熱作用を良好に実現させることができ、スターリング機関の冷凍性能が確保される。
凝縮部24およびタンク25は、吸熱部6および収容部22の上方に配置されている。凝縮部24およびタンク25は、例えば、吸熱部6から例えば約1〜10メートル程度上方または斜め上方に遠ざけられている。このようにタンク25が帰還路25の距離に相当するぶん、上方または斜め上方に吸熱部6から遠ざけられているため、タンク25は収容部22の気化室21よりも高い位置に設置されている。故に、タンク25に貯まった液状の冷却用流体Wの水頭圧が良好に確保される。故に、タンク25に貯まった液状の冷却用流体Wを、重力を利用して気化室21に良好に帰還させることができる。
以上説明したように本実施例によれば、放熱器2において、受熱部20からの伝熱により気化室21の冷却用流体Wは加熱され、収容部22の気化室21において液状の冷却用流体Wの気化が促進される。気化した冷却用流体Wは、液化部23に自動的に移動する。このため、放熱器2を流れる冷却用流体Wを搬送する搬送ポンプ等の水搬送手段を廃止することができる。放熱器2を水冷方式としたときには、水は比熱が大きいため、高い熱輸送能力を得ることができる。即ち、放熱器2を水冷方式としたときには熱伝達率のオーダーとしては、条件にもよるが、例えば5000〜20000W/m2K程度と高い熱輸送能力が得られる。しかし水をポンプ等の輸送手段で強制的に輸送する必要がある。
本実施例によれば、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。このため、気化室21における冷却用流体Wの気化が促進され、気化量(蒸発量)が増加し、気化熱が増加するため、放熱器2の放熱特性が向上する。
更に、このような本実施例によれば、気体化した冷却用流体Wを液化部23までポンプ等の輸送手段で搬送せずとも良い。更に、液化部23で液化した冷却用流体Wは気化室21に移動するため、ポンプ等の輸送手段で気化室21まで搬送せずとも良い。この結果、本実施例によれば、水冷方式に近い熱輸送能力か、水冷方式よりも高い熱輸送能力を獲得しつつ、ポンプ等の輸送手段を廃止することができる。
本実施例に係る放熱器2によれば、気化室21、搬送路28、液化部23、帰還路25は密閉構造とされている。このため、放熱器2の内部への異物の混入が抑制されている。更に本実施例によれば、気化室21に封入されている冷却用流体Wは、自然冷媒である水、または、水を主成分とする水溶液とされているため、環境汚染防止の面で有利である。
以下、本発明の実施例2について図3を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。液化部23は、配管を複数回巻回したキャピラリチューブ23mで形成されており、タンク25を有していない。必要に応じて、伝熱フィンをキャピラリチューブ23mを設けても良い。
本実施例は実施例1と基本的には同様の作用効果を有する。即ち、放熱器2において、受熱部20からの伝熱により気化室21の冷却用流体Wは加熱され、収容部22の気化室21において液状の冷却用流体Wの気化が促進される。気化した冷却用流体Wは、液化部23に自動的に移動し、液化部23から気化室21に自動的に流れる。このため、放熱器2を流れる冷却用流体Wを搬送する搬送ポンプ等の搬送手段を廃止することができる。
以下、本発明の実施例3について図4を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。放熱器2を構成する収容部22において、気化した冷却用流体Wが吐出される出口53は、重力方向の下側に配置されている。液化した冷却用流体Wが供給される入口54は、重力方向において出口53よりも上側に配置されている。本実施例においても、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。
以下、本発明の実施例4について図5を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。本実施例においても、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。
以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。スターリング冷凍機では、作動空間内は、再生器4等の流路の汚れ、目詰まりを抑えるため、無給油のドライ状態に維持されることが多い。汚れ、目詰まりが発生すれば、流動損失、伝熱性低下が誘発される。更に、給油が過剰であると、圧縮部1や膨脹部3で油を液圧縮させるおそれがある。この場合、機関の機能低下を招く。このため従来では、圧縮ピストンと圧縮シリンダとの摺動、膨脹ピストンと膨脹シリンダとの摺動は、無給油のドライ状態に維持されることが多い。このため摺動部位は樹脂材料を用い、油潤滑なしで摺動させることが多い。しかし樹脂材料は摩耗がつきまとう。
そこで本実施例によれば次のようにしている。即ち、図5に示すように、圧縮ピストン14または膨脹ピストン34は、金属製(例えば炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼であるが、これらに限定されるものではない)のピストン101と、ピストン101を作動させる金属製のロッド部102と、金属製(例えば炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼であるが、これらに限定されるものではない)の筒形状のシリンダ104とをもつ。
ピストン101の外周部には、これを1周するようにセラミックスコートによりセラミックス層200が形成されている。セラミックス層200はピストン101の軸長方向の全長にわたり形成されている。セラミックスとしては、アルミナ系、シリカ系、窒化ケイ素系、炭化ケイ素系、ジルコニア系、窒化硼素系が例示される。摺動の相手材であるシリンダ104の内周面は金属のままとされている。従って金属−金属との摺動ではなく、セラミックス−金属の摺動となる。この場合、摺動部分が無給油のドライ状態に維持されたとしても、このため摺動部位の焼付、摺動性等は防止され、長寿命化が図られる。
セラミックスコートでは例えば溶射法が採用できる。セラミックス層200が気孔を有する場合には、セラミックス層200に樹脂を含浸させても良い。この場合、セラミックス層200とその相手側とのなじみ性が向上する。樹脂としては熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでも良い。例えばポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が例示される。
なお、ピストン101に限らず、ディスプレーサーに適用しても良いことは勿論である。セラミックス層200にオイル、グリース等の潤滑剤を染みこませることもできる。
以下、本発明の実施例5について図6を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。故に本実施例においても、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図6に示すように、圧縮ピストン14または膨脹ピストンは、金属製のピストン101と、ピストン101を作動させる金属製のロッド部102と、筒形状のシリンダ104をもつ。シリンダ104の内周部にはセラミックスコートによりセラミックス層200が形成されている。セラミックス層200はピストン101の往復移動する距離に相当するぶん、または、それ以上形成されている。摺動の相手材であるピストン101の内周面は金属のままとされている。従って金属−金属との摺動ではなく、セラミックス−金属の摺動となる。この場合、摺動部分が無給油のドライ状態に維持されたとしても、このため摺動部位の焼付、摺動性等は防止され、長寿命化が図られる。セラミックスコートでは溶射が採用できる。セラミックス層200が気孔を有する場合には、セラミックス層200に樹脂を含浸させても良い。この場合、セラミックス層200とその相手側とのなじみ性が向上する。
以下、本発明の実施例6について図7を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。故に本実施例においても、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図7に示すように、圧縮ピストン14または膨脹ピストンは、金属製(例えば炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼)のピストン101と、ピストン101を作動させる金属製(例えば炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼)のロッド部102とをもつ。ロッド部102は、リング形状の軸受部110で摺動可能に軸支されている。ロッド部102のうち、軸受部110の内周部と摺動する領域の外周部には、セラミックスコートによりセラミックス層200が形成されている。セラミックス層200は、軸受部110と摺動する距離に相当するぶん、または、それ以上形成されている。
摺動の相手材である軸受部110の内周部は金属のままとされている。従って金属−金属との摺動ではなく、セラミックス−金属の摺動の摺動となる。この場合、摺動部分が無給油のドライ状態に維持されたとしても、このため摺動部位の焼付、摺動性等は防止され、長寿命化が図られる。セラミックスコートでは溶射が採用できる。セラミックス層200が気孔を有する場合には、セラミックス層200に樹脂を含浸させても良い。この場合、セラミックス層200とその相手側とのなじみ性が向上する。
以下、本発明の実施例7について図8を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図8に示すように、圧縮ピストン14または膨脹ピストン34は、金属製のピストン101と、ピストン101を作動させる金属製のロッド部102とをもつ。ロッド部102は軸受部110で摺動可能に軸支されている。ロッド部102のうち、軸受部110と摺動する領域の外周部には、セラミックスコートによりセラミックス層200が形成されている。セラミックス層200は軸受部10と摺動する距離に相当するぶん、または、それ以上形成されている。摺動の相手材であるロッド部102の外周部は金属のままとされている。従って金属−金属との摺動ではなく、セラミックス−金属の摺動となる。セラミックスコートでは溶射が採用できる。セラミックス層200が気孔を有する場合には、セラミックス層200に樹脂を含浸させても良い。この場合、セラミックス層200とその相手側とのなじみ性が向上する。
以下、本発明の実施例8について図9を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、放熱器2からの放熱温度がやや高温である。従って放熱器2の放熱温度に対処すべく、収容部22の気化室21の内圧はスターリング冷凍機が作動していないとき、大気圧に設定されている。
以下、本発明の実施例9について図10を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。故に本実施例においても、放熱器2の気化室21を減圧状態(負圧状態)とし、減圧による気化促進作用を利用している方式が採用されている。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図9に示すように、気化室21の入口54と液化部23のタンク25との間には逆止弁300が設けられている。
逆止弁300は、液化部23のタンク25から気化室21への流体流れを許容するものの、気化室21から液化部23のタンク25への流体流れを阻止する。仮に、放熱器2への入熱量が多くなり、気化室21の沸騰が激しくなっても、気化室21からタンク25側への逆流は抑えられる。
その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
上記した記載から次の技術的思想が把握される。
・作動流体を圧縮させる圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体を放熱させる放熱器と、放熱させた前記作動流体に基づいて冷却能または動力が得られる膨脹部とを具備する熱機関において、
前記放熱器は、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に前記受熱部からの伝熱により前記冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、前記気化室で気化した前記冷却用流体を冷却させて前記冷却用流体を液化させる液化部と、前記液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えており、且つ、前記収容部の前記気化室に封入されている前記冷却用流体の沸騰温度は25〜97℃の温度領域内に設定されていることを特徴とする熱機関。
・作動流体を圧縮させる圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体を放熱させる放熱器と、放熱させた前記作動流体に基づいて冷却能または動力が得られる膨脹部とを具備する熱機関において、
前記放熱器は、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に前記受熱部からの伝熱により前記冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、前記気化室で気化した前記冷却用流体を冷却させて前記冷却用流体を液化させる液化部と、前記液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えており、且つ、前記収容部の前記気化室に封入されている前記冷却用流体の沸騰温度は25〜97℃の温度領域内に設定されていることを特徴とする熱機関。
本発明は、作動流体を圧縮させる圧縮部で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器2をもつ熱機関に利用できる。例えば、振動流再生型熱機関に利用できる。具体的には、スタリーング冷凍機、スタリーングエンジン、ビルミエ機関、CY機関、パルス管冷凍機、熱音響機器等に利用できる。
図中、1は圧縮部、2は放熱器、3は膨脹部、4は再生器、6は吸熱部、20は受熱部、21は気化室、22は収容部、23は液化部、24は凝縮部、25はタンク、25は帰還路、28は搬送路、500は真空ポンプ(減圧手段)を示す。
Claims (15)
- 作動流体を圧縮させる圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体を放熱させる放熱器と、吸熱部と、前記作動流体に基づいて冷却能または動力が得られる膨脹部とを具備する熱機関において、
前記放熱器は、前記圧縮部で圧縮された前記作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に前記受熱部からの伝熱により前記冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、前記気化室で気化した前記冷却用流体を冷却させて前記冷却用流体を液化させる液化部と、前記液化部で液化した冷却用流体を収容部の気化室に帰還させる帰還路とを備えていることを特徴とする熱機関。 - 請求項1において、熱機関が作動していないとき、前記収容部の前記気化室は、大気圧よりも減圧状態とされていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1または2において、熱機関が作動していないとき、および、熱機関が定常運転で作動しているときの双方において、前記収容部の前記気化室は大気圧よりも減圧状態とされていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項において、熱機関が作動していないとき、前記収容部の前記気化室の内圧は0.01〜0.09MPaの範囲内に設定されていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記収容部の前記気化室の冷却用流体の沸騰温度は25〜97℃の温度領域内に設定されていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、前記放熱器と前記膨脹部との間には蓄熱部が設けられていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜6のうちのいずれか一項において、前記作動流体はスターリングサイクルを形成することを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜7のうちのいずれか一項において、前記放熱器は、同軸的に形成された第1空間および第2空間を有しており、前記第1空間は前記受熱部および前記気化室のいずれか一方を形成し、前記第2空間は前記受熱部および前記気化室のいずれか他方を形成していることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜8のうちのいずれか一項において、前記液化部は前記収容部よりも重力方向において上側に配置されていることを特徴とする熱機関。
- 請求項1〜9のうちのいずれか一項において、前記液化部は前記帰還路により前記吸熱部から遠ざけられていることを特徴とする熱機関。
- 熱機関に使用される放熱器であって、
作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容すると共に受熱部からの伝熱により前記冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、前記気化室で気化した冷却用流体を冷却させて冷却用流体を液化させる液化部と、前記液化部で液化した冷却用流体を収容部に帰還させる帰還路とを備えていることを特徴とする熱機関用放熱器。 - 請求項11において、前記収容部の前記気化室は、熱機関が作動していないとき、大気圧よりも減圧状態とされていることを特徴とする熱機関用放熱器。
- 請求項11または12において、熱機関が作動していないとき、前記収容部の前記気化室の内圧は0.01〜0.09MPaの範囲内に設定されていることを特徴とする熱機関用放熱器。
- 請求項11〜13のうちのいずれか一項において、前記収容部の前記気化室の冷却用流体の沸騰温度は25〜97℃の温度領域内に設定されていることを特徴とする熱機関用放熱器。
- 作動流体の熱を受熱する受熱部と、冷却用流体を収容可能であり前記受熱部からの伝熱により前記冷却用流体の気化を促進させる気化室をもつ収容部と、前記気化室で気化した前記冷却用流体を冷却させて前記冷却用流体を液化させる液化部と、前記液化部で液化した前記冷却用流体を収容部に帰還させる帰還路とを備えている熱機関用放熱器を準備する準備工程と、
前記熱機関用放熱器のうち前記気化室と前記減圧手段とを直接的または間接的に繋ぎ、その状態で、前記減圧手段により少なくとも前記気化室を減圧させる減圧工程と、
その後、前記気化室に前記冷却用流体を供給する注入工程と、
その後、前記気化室を密閉する密閉工程とを順に実施することを特徴とする熱機関用放熱器の製造方法。
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JP2006091753A JP2007263522A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 熱機関、熱機関用放熱器、熱機関用放熱器の製造方法 |
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JP2009068782A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Tlv Co Ltd | 気化冷却装置 |
-
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- 2006-03-29 JP JP2006091753A patent/JP2007263522A/ja active Pending
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