JP2007262993A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの駆動により弁の開閉動作を行うシステムにおいて、モータの駆動回路に故障が発生した場合であっても、弁の開閉動作を確実に行うこと。
【解決手段】各気筒が備える弁体36をモータ54A,54Bにより開閉駆動する動弁装置48A,48Bと、モータ54A,54Bを駆動するための昇圧コンバータ72と、昇圧コンバータ72に故障が発生した場合に、モータ54A,54Bの回転速度又は駆動負荷を制限するECU40と、を備える。昇圧コンバータ72に故障が発生した場合は、モータ54A,54Bの回転速度又は駆動負荷を制限するため、故障発生時においても弁体36を必要な範囲で開閉駆動することが可能となる。
【選択図】図8

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特開2005−54732号公報には、弁とピストンとの同期が異常であると判定された場合には、回転駆動力を電動モータに伝える第1状態と、弁の開閉動作を停止するか又はリフト量を低リフト化させる第2状態とに切り換える技術が開示されている。
特開2005−54732号公報
弁を開閉駆動するモータへ安定した電圧を供給するために、昇圧コンバータなどの駆動回路を使用することが想定される。しかしながら、上記公報に記載された技術は、駆動回路の故障を考慮するものではないため、駆動回路の故障時に弁の開閉動作を確実に行うことは困難である。このため、弁を正確なタイミングで駆動することが困難となり、動弁機構の故障が拡大する虞が生ずる。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、モータの駆動により弁の開閉動作を行うシステムにおいて、モータの駆動回路に故障が発生した場合であっても、弁の開閉動作を確実に行うことを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、各気筒が備える弁体をモータにより開閉駆動する弁駆動手段と、前記モータを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記モータの回転速度又は駆動負荷を制限する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記制御手段は、制限した前記回転速度に基づいて前記弁体の作用角を決定し、前記弁駆動手段は、決定された前記作用角に基づいて前記弁体を開閉駆動することを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記制御手段は、制限した前記駆動負荷に基づいて前記弁体のリフト量を決定し、前記弁駆動手段は、決定された前記リフト量に基づいて前記弁体を開閉駆動することを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記駆動回路は、前記モータに供給する電圧を昇圧する昇圧回路であることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記弁駆動手段は、前記弁体を駆動するためのカムシャフトを備え、前記モータは、前記カムシャフトを揺動駆動モードで揺動させて駆動することを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記揺動駆動モードから前記カムシャフトを一方向へ回転させる正転駆動モードへ切り換えることを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記弁駆動手段は、前記弁体を駆動するためのカムシャフトを備え、前記モータは、前記カムシャフトの回転速度をクランク軸の回転速度に対して相対的に可変する可変速度モードで前記カムシャフトを駆動することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記可変速度モードから前記カムシャフトを一方向へ一定速度で回転させる正転駆動モードへ切り換えることを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記正転駆動モードへ切り換える前に、制限された前記回転速度に基づいて作用角の許容範囲を決定することを特徴とする。
第1の発明によれば、駆動回路に故障が発生した場合は、モータの回転速度又は駆動負荷を制限するため、故障発生時においても弁体を必要な範囲で開閉駆動することが可能となる。従って、モータにより弁体を駆動する内燃機関の信頼性を向上することが可能となる。
第2の発明によれば、制限した回転速度に基づいて弁体の作用角を決定するため、制限した回転速度の範囲内で弁体を開閉駆動することが可能となる。
第3の発明によれば、制限した駆動負荷に基づいて弁体のリフト量を決定するため、制限した駆動負荷の範囲内で弁体を開閉駆動することが可能となる。
第4の発明によれば、モータに供給する電圧を昇圧する昇圧回路に故障が生じた場合においても、弁体を必要な範囲で開閉駆動することが可能となる。
第5の発明によれば、弁体を駆動するためのカムシャフトを揺動駆動モードで駆動するため、駆動回路に故障が発生した場合に、制限された回転速度又は駆動負荷の範囲内で弁体の作用角、リフト量を最適に制御することが可能となる。
第6の発明によれば、駆動回路に故障が発生した場合に、揺動駆動モードから正転駆動モードへ切り換えるため、正転駆動モードの状態でモータの回転速度を低下することができる。
第7の発明によれば、弁体を駆動するためのカムシャフトを可変速度モードで駆動するため、駆動回路に故障が発生した場合に、制限された回転速度又は駆動負荷の範囲内で弁体の作用角を最適に制御することが可能となる。
第8の発明によれば、駆動回路に故障が発生した場合に、可変速度モードから正転駆動モードへ切り換えるため、正転駆動モードの状態でモータの回転速度を低下することができる。
第9の発明によれば、正転駆動モードへ切り換える前に、制限された回転速度に基づいて作用角の許容範囲を決定するため、正転駆動モードにおけるモータの回転速度を作用角の許容範囲に基づいて最適に制御することが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の動弁装置を備えたシステムの構成を示す模式図である。内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温THA(すなわち外気温)を検出する吸気温センサ18が組みつけられている。また、排気通路14には排気浄化触媒32が配置されている。
エアフィルタ16の下流には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ24と、スロットルバルブ22が全閉となることでオンとなるアイドルスイッチ26とが配置されている。スロットルバルブ22の下流には、サージタンク28が設けられている。また、サージタンク28の更に下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が配置されている。
内燃機関10は、吸気弁36および排気弁38を備えている。吸気弁36には、吸気弁36を駆動するための動弁装置48が接続されている。また、排気弁38には、排気弁38を駆動するための動弁装置50が接続されている。
また、燃焼室内に噴霧された燃料に点火するため、内燃機関10の筒内には点火プラグが設けられている。更に、筒内には、その内部を往復運動するピストン44が設けられている。ピストン44には、その往復運動によって回転駆動されるクランク軸46が連結されている。車両駆動系と補機類(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコンバータ、パワーステアリングのポンプ等)は、このクランク軸46の回転トルクによって駆動される。
図1に示すように、本実施形態の制御装置はECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種センサに加え、内燃機関10の運転状態を把握すべく、ノッキングの発生を検知するKCSセンサや、スロットル開度、機関回転数、排気温度、冷却水温度、潤滑油温度、触媒床温度などを検出するための各種センサ(不図示)が接続されている。また、ECU40には、上述した燃料噴射弁30、動弁装置48,50などが備える各アクチュエータ、センサが接続されている。
図2は、吸気弁36および動弁装置48の周辺の構成を示す模式図であって、主としてシリンダヘッドの周りの構成を示している。図2では、排気弁38および動弁装置50の図示を省略しているが、吸気側の動弁装置48と排気側の動弁装置50は基本的に同一の構成を有している。ここでは、内燃機関10の個々の気筒に2つの吸気弁36と2つの排気弁38とが備わっているものとする。
本実施形態の内燃機関10は4つの気筒(#1〜#4)を備えており、#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われる。動弁装置48は、2つの装置(動弁装置48A、動弁装置48B)から構成されている。動弁装置48Aは#2気筒および#3気筒が備える吸気弁36を駆動し、動弁装置48Bは#1気筒および#4気筒が備える吸気弁36を駆動する。
動弁装置48Aは、駆動源としての電動機(以下、モータと称する)54Aと、モータ54Aの回転運動を伝達する伝達機構としてのギヤ列56Aと、ギヤ列から伝達された回転運動を吸気弁36の直線的な開閉運動に変換するカムシャフト58Aとを備えている。同様に、動弁装置48Bは、モータ54B、ギヤ列56B、カムシャフト58Bを備えている。ギヤ列56Bの構成はギヤ列56Aと同様である。
モータ54A,54Bには、例えば回転速度の制御が可能なDCブラシレスモータ等が使用される。モータ54A,54Bには、その回転位置を検出するためのレゾルバ、ロータリーエンコーダ等の位置検出センサが内蔵されている。カムシャフト58A、58Bの外周部には、カムシャフト58A、58Bに対して一体回転するカム駆動ギヤ60と、やはりカムシャフト58A、58Bに対して一体回転するカム62とが設けられている。
ギヤ列56Aは、モータ54Aの出力軸55に取り付けられたモータギヤ64Aの回転を中間ギヤ66Aを介してカムシャフト58Aのカム駆動ギヤ60に伝達する。ギヤ列56Aはモータギヤ64Aとカム駆動ギヤ60とが互いに等しい速度で回転するように構成されても良いし、モータギヤ64Aに対してカム駆動ギヤ60を増速又は減速させるように構成されても良い。同様にして、ギヤ列56Bは、モータ54Bの出力軸に取り付けられたモータギヤ64Bの回転を中間ギヤ66B(図2において不図示)を介してカムシャフト58Bのカム駆動ギヤ60に伝達する。
図2に示すように、カムシャフト58Aは#2,#3気筒の吸気弁36の上部に配置されており、カムシャフト58Aに設けられた4つのカム62により#2,#3気筒の各吸気弁36が開閉駆動される。また、カムシャフト58Bは2つに分割された状態で#1,#4気筒の吸気弁36の上部に配置されており、カムシャフト58Bに設けられた4つのカム62により#1,#4気筒の各吸気弁36が開閉駆動される。2つに分割されたカムシャフト58Bはカムシャフト58Aの中心に設けられた貫通孔に挿通された連結部材58Cにより接続され、一体的に回転するように構成されている。なお、説明の便宜上、図2では、カムシャフト58Aと2つのカムシャフト58Bをそれぞれ分離した状態を示している。
図3は、カム62によって吸気弁36が駆動される様子を示す模式図である。カム62はカムシャフト58A,58Bと同軸の円弧状のベース円62bの一部を半径方向外側に向かって膨らませてノーズ62aを形成した板カムの一種として形成されている。カム62のプロファイルはその全周に亘って負の曲率が生じないように、つまり半径方向外側に向かって凸曲面を描くように設定されている。
図2に示すように、吸気弁36はそれぞれ弁軸36aを備えている。各カム62は吸気弁36の弁軸36aの一端に設けられたリテーナ68と対向する。各吸気弁36はバルブスプリング(不図示)の圧縮反力によってカム62側に付勢され、カム62のベース円62bとリテーナ68が対向している場合は、吸気ポートのバルブシート(不図示)に吸気弁36が密着して吸気ポートが閉じられる。
モータ54A、54Bの回転運動がギヤ列56A,56Bを介してカムシャフト58A,58Bに伝達されると、カムシャフト58A,58Bと一体にカム62が回転し、ノーズ62aがリテーナ68を乗り越える間にリテーナ68が押し下げられ、吸気弁36がバルブスプリングに抗して開閉駆動される。
また、図3(A)及び図3(B)は、カム62の2つの駆動モードを示している。カム62の駆動モードには、モータ54A、54Bを一方向に連続回転させて図3(A)に示すようにカム62を最大リフト位置、すなわちカム62のノーズ62aが相手側の部品(この場合はリテーナ68)と接する位置を越えて正転方向(図3(A)中の矢印方向)に連続的に回転させる正転駆動モードと、正転駆動モードにおける最大リフト位置に達する前にモータ54A、54Bの回転方向を切り換えて図3(B)に示すようにカム62を往復運動させる揺動駆動モードとがある。
正転駆動モードでは、クランク軸46の回転に対してカム62の回転速度を可変することで吸気弁36の作用角が制御される。また、揺動駆動モードでは、カム62の回転速度とともに、カム62が揺動する角度範囲を制御することで、吸気弁36の最大リフト量、作用角を制御することができる。
正転駆動モードには、機関回転数が一定の場合に、カム62を一定の速度で回転させるモードと、カム62の回転速度を可変する可変速度モードとがある。可変速度モードは、例えば、カム62が吸気弁36を押し下げている間はカム62の回転速度を遅くし、カム62が吸気弁36を押し下げていない間はカム62の回転速度を速くするモードである。また、可変速度モードにおいて、カム62が吸気弁36を押し下げている間はカム62の回転速度を速くし、カム62が吸気弁36を押し下げていない間はカム62の回転速度を遅くすることもできる。このような制御により、クランク軸46の回転角に対して吸気弁36の作用角を自在に設定することが可能となる。
以上のような制御によれば、運転状態に応じた最適なリフト量、作用角で吸気弁36を駆動することが可能となる。図4は内燃機関10の機関回転数、出力トルクと、カム62の駆動モードとの関係を示す模式図である。図4に示すように、カム62の駆動モードは、機関回転数と出力トルクとに関連付けて使い分けられる。基本的に低回転域では揺動駆動モードが選択され、高回転域では正転駆動モードが選択される。これにより、低回転域では吸気弁36のリフト量、作用角を少なくし、高回転域では吸気弁36のリフト量、作用角を大きくする制御が行われ、機関回転数と出力トルクに応じた最適な空気量を機関筒内に送ることが可能となる。
図5は、カムシャフト58Aに設けられた2種類のカム62を詳細に示す模式図である。図5に示すように、カムシャフト58Aには、#2気筒の吸気弁36を駆動するためのカム62と、#3気筒の吸気弁36を駆動するためのカム62とが180°の角度位置だけ離間して設けられている。4気筒の内燃機関ではクランク角720°の間に#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われるため、#2気筒と#3気筒の吸気行程はクランク角の360°毎に行われる。動弁装置48Aは、クランク角360°毎に#2気筒用のカム62と#3気筒用のカム62が、交互に#2気筒の吸気弁36と#3気筒の吸気弁36を駆動するようにカムシャフト58Aを回転または揺動させる。同様に、カムシャフト58Bには#1気筒、#4気筒の吸気弁36を駆動するための2種類のカム62が設けられており、動弁装置48Bは、カムシャフト58Bを回転または揺動させることで、#1気筒の吸気弁36と#4気筒の吸気弁36を駆動する。
図6は、動弁装置48A,48Bのモータ54A,54Bを駆動する駆動システム70と、駆動システム70に電力を供給する昇圧コンバータ72を示す模式図である。図6に示すように、駆動システム70は、モータ54A,54Bの駆動を制御するECU40、ドライバ76、およびセンサ78を備えている。ドライバ76には、動弁装置48A,48Bのモータ54A,54Bが接続されている。ドライバ76は、ECU40からの指令を受けて、所定のモードでモータ54A,54Bを駆動する。また、センサ78は、モータ54A,54Bに内蔵されており、カムシャフト58A,58Bの角度位置、回転速度を検出する。
昇圧コンバータ72には入力電源(バッテリー)80が接続されている。昇圧コンバータ72は、PICマイコン82、コイル84、スイッチ86を備えている。昇圧コンバータ72は、PICマイコン82で電圧制御(フィードフォワードとフィードバック)を行う。そして、昇圧コンバータ72は、PICマイコン82による制御の結果によってスイッチ86のオン/オフ時間の割合を決定し、入力電源80の電圧を昇圧して駆動システム70へ供給する機能を有している。
本実施形態のシステムがハイブリッド自動車に搭載されるものである場合、入力電源80の電圧は、通常、200V程度であり、運転状態に応じて170V〜240V程度の範囲で変化する。入力電源80の電圧は、PICマイコン82の指令を受けて280V程度まで昇圧され、センサ88を介して駆動システム70へ出力される。駆動システム70は、昇圧コンバータ72からの電力を受けて、ECU40の指令に基づいてモータ54A,54Bを制御する。
図7は、昇圧コンバータ72の出力電圧と、モータ54A,54Bの回転数、負荷との関係を示す特性図である。図7において、縦軸は昇圧コンバータ72の出力電圧を、横軸はモータ54A,54Bの回転数を示している。また、図7に示す特性の傾きは、モータ54A,54Bの負荷を表している。
図7に示すように、昇圧コンバータ72が正常に作動しており、センサ88で測定された出力電圧が280V以上の場合は、図7中に実線で示す特性X1の負荷でモータ54A,54Bを駆動することができ、モータ54A,54Bの最大回転数をr1まで上昇させることができる。従って、昇圧コンバータ72からの出力電圧に基づいて、駆動システム70によるモータ54A,54Bの駆動を正常に行うことができる。
一方、昇圧コンバータ72内のPICマイコン82、コイル84、スイッチ86などに故障が発生し、昇圧コンバータ72の動作に異常が生じている場合は、入力電源80の電圧を十分に昇圧することができないため、センサ88で測定された電圧が280Vよりも低下してしまう場合がある。
図7に示すように、昇圧コンバータ72の出力電圧が200Vに低下してしまうと、特性X1の負荷でモータ54A,54Bを駆動しようとした場合、最大回転数をr2まで低下させる必要が生じる。最大回転数の低下を回避するためには、図7中に破線で示す特性X2のように、モータ54A,54Bの負荷を低下させる必要が生じる。従って、昇圧コンバータ72の出力電圧が低下した状態では、モータ54A,54Bを正常に駆動できなくなる事態が想定される。
このため、本実施形態では、センサ88で測定された電圧が280Vよりも低下している場合は、フェールモードに移行し、センサ88で検出された電圧で駆動が可能なように、モータ54A,54Bの回転速度、又は駆動負荷を低減させる制御を行う。
すなわち、フェールモードに移行した場合は、センサ88で検出された電圧がECU40に送られる。ECU40は、センサ88で検出された電圧値に基づいて、モータ54A,54Bの回転速度、又は駆動負荷を低減させるように駆動モードを制限し、ドライバ76へ送る。ドライバ76は、ECU40で決定された駆動モードにより、モータ54A,54Bを駆動する。これにより、出力を低下させた状態で動弁装置48A,48Bを駆動することができる。
図8は、フェールモード時に行われる揺動制御を示す特性図である。ここで、図8(A)は、昇圧コンバータ72の出力電圧が280Vの場合を示しており、正常時の特性を示している。また、図8(B)は、昇圧コンバータ72の出力電圧が200Vの場合を示しており、フェールモード時の特性を示している。
上述のように、フェールモード時には、モータ54A,54Bの回転速度を低下させるか、又はモータ54A,54Bの駆動負荷を低下させるように制御が行われる。図8(A)及び図8(B)の上段の図は、リフト量と時間との関係を示している。
図8(A)及び図8(B)の上段の特性図に示すように、フェールモード時には、正常時に比べて吸気弁36のリフト量が少なくなるようにモータ54A,54Bが制御される。これにより、モータ54A,54Bの駆動負荷を低減することができ、昇圧コンバータ72の出力電圧が低下した場合であっても、動弁装置48A,48Bを駆動することができ、吸気弁36を作動させることができる。従って、昇圧コンバータ72に異常が発生した場合においても内燃機関10を運転することができる。
また、図8(A)及び図8(B)の上段の特性図に示すように、フェールモード時には、正常時に比べて吸気弁36の作用角θが大きくなるようにモータ54A,54Bが制御される。図8(A)及び図8(B)の下段の特性図は、それぞれ上段の特性図に対応しており、リフト量を上段の図に示すように制御した場合のカムシャフト58A,58Bの回転速度を示している。機関回転数を一定とした場合、作用角θを大きくすると、カム62が吸気弁36をリフトしている時間が長くなるため、吸気弁36をリフトしている間のカムシャフト58A,58Bの回転速度をより遅くすることができる。従って、作用角θを大きくすることで、モータ54A,54Bの回転速度を低下させることができ、昇圧コンバータ72の出力電圧が低下した場合であっても、動弁装置48A,48Bを駆動することが可能となる。
図9及び図10は、カム62の動作モードに応じたモータ54A,54Bの回転速度の特性を示す図である。図9及び図10において、横軸は時間、縦軸はモータ54A,54Bの回転速度を示している。図9において、実線で示す特性A1,A2は、正転駆動モードにおけるモータ54A,54Bの回転速度を示している。
また、図9において、一点鎖線で示す特性B1,B2は、揺動駆動モードにおけるモータ54A,54Bの回転速度を示している。ここで、特性B1は吸気弁36が小作用角でリフトする場合の特性を示しており、特性B2は吸気弁36が大作用角でリフトする場合の特性を示している。また、図10において、実線で示す特性C1、特性C2,C3は、正転駆動モードにおいて、可変速度モードでモータ54A,54Bを駆動した場合の特性を示している。
正転駆動モードでは、モータ54A,54Bが一方向のみに回転する。図9及び図10では、正転駆動モードにおけるモータ54A,54Bの回転速度を正の値としている。揺動駆動モードでは、モータ54A,54Bが正転、反転を繰り返すため、図9中に示すように、特性B1,B2で示される回転速度は、正の値と負の値が繰り返す特性となる。
揺動駆動モードにおいて、小作用角で吸気弁36を駆動する場合は、クランク軸46の回転角に合わせて瞬時に吸気弁36を開弁、閉弁する必要があるため、図9中に示す特性B1のように、モータ54A,54Bの回転速度の最大値が比較的大きくなる。一方、大作用角で吸気弁36を駆動する場合は、小作用角の場合に比べて吸気弁36を緩やかに駆動することができるため、モータ54A,54Bの回転速度は小さくなる。
図9中に破線で示すように、モータ54A,54Bの回転速度には、安全確保領域が設定されている。そして、フェールモード時には、モータ54A,54Bの回転速度が安全確保領域内となるように制御が行われる。安全確保領域は、センサ88で検出された電圧が正常時よりも小さい場合であっても、動弁装置48A,48Bによる吸気弁36の駆動が可能な範囲を示している。従って、フェールモード時に、安全確保領域内でモータ54A,54Bを駆動することで、昇圧コンバータ72に異常が発生した場合であっても、動弁装置54A,54Bを安定して駆動することができる。なお、安全確保領域は、センサ88で検出された電圧に応じて可変しても良い。この場合、センサ88で検出された電圧が低い場合ほど、安全確保領域の幅を狭くすることが好適である。
以下、各駆動モード毎に、フェールモード時にECU40で行われる制御について説明する。先ず、正転駆動モードでモータ54A、54Bが一定速度で駆動されている場合について説明する。この場合は、フェールモード時にモータ54A,54Bの回転数を低下させる制御を行う。例えば、図9において、特性A1の回転速度で正転駆動が行われている場合は、フェールモード時に特性A2まで回転速度を低下させて、回転速度が安全確保領域内に入るように制御を行う。これにより、昇圧コンバータ72に異常が発生している場合であっても、昇圧コンバータ72から出力された電圧で動弁装置48A,48Bを駆動することができる。
正転駆動モードでモータ54A,54Bの回転速度を低下させると、カムシャフト58A,58Bの回転数が低下するため、これに合わせて内燃機関10の機関回転数を低下させる必要がある。従って、モータ54A、54Bの回転数を低下させるとともに、ECU40の指令により、内燃機関10の機関回転数を低下させる制御が行われる。
次に、揺動駆動モードで動弁装置48A,48Bが駆動されている場合について説明する。この場合は、フェールモード時に作用角を拡げる制御を行うか、又はリフト量を低下させる制御を行う。図8で説明したように、機関回転数が同一の条件下で、吸気弁36の作用角を拡げると、カムシャフト58A,58Bの回転速度は低下する。従って、作用角を拡げることでモータ54A,54Bの回転速度を低下させることができる。図9に示すように、特性B1により吸気弁36が小作用角で駆動されている場合は、作用角を拡げて特性B2で吸気弁36を駆動する。これにより、モータ54A,54Bの回転速度を低下させることができ、安全確保領域内でモータ54A,54Bを駆動することができる。
また、揺動駆動モードでは吸気弁36のリフト量を可変することができ、フェールモード時には、リフト量を小さくする制御が行われる。回転速度と同様に、リフト量についても、センサ88で検出された電圧が280Vよりも小さい場合に吸気弁36の駆動が可能となる安全確保領域が設定されている。従って、リフト量を安全確保領域内まで低下させることで、図8で説明したように、モータ54A、54Bの負荷を低下させることができ、昇圧コンバータ72に異常が発生した場合であっても、動弁装置48A,48Bを駆動することができる。また、揺動駆動モードから一定速度の正転駆動モードに切り換えた後、回転速度が安全確保領域内となるように制御を行っても良い。
次に、正転駆動モードの可変速度モードで動弁装置48A,48Bが駆動されている場合について説明する。この場合は、図10に示すように、特性C1から特性C2へ制御を切り換えて、全体的に回転速度を低下させ、回転速度のピーク値が安全確保領域内となるように制御を行う。また、可変速度モードから一定速度の正転駆動モードに切り換えた後、回転速度が安全確保領域内となるように制御を行っても良い。この場合、正転駆動モードへ切り換える前に、モータ54A、54Bの作用角の許容範囲を予め決定しておき、正転駆動モードにおけるモータ54A、54Bの回転速度を作用角の許容範囲に基づいて最適に制御することが好適である。正転駆動モードにおいて、予め決定された作用角の許容範囲でモータ54A、54Bを駆動できない場合は、可変速度モードの状態で回転速度のピーク値が安全確保領域内となるように制御を行う。更に、図10中の特性C3に示すように、回転速度のピーク値を減少させ、作用角を拡げることで、回転速度が安全確保領域内となるように制御しても良い。
可変速度モードでモータ54A,54Bの回転速度を低下させた場合もカムシャフト58A,58Bの回転数が低下するため、これに合わせて内燃機関10の機関回転数を低下させる必要がある。従って、モータ54A、54Bの回転数を低下させるとともに、ECU40の指令により、内燃機関10の機関回転数を低下させる制御が行われる。
次に、図11のフローチャートに基づいて、本実施形態のシステムにおける処理について説明する。ここでは、揺動駆動モードに運転を切り換えた後、フェールモードに対処する場合について説明する。
先ず、ステップS1では、揺動駆動モードへの切り換えを行う。次のステップS2では、現在の運転状態における作用角、リフト量の指令値を取得する。次のステップS3では、現在のクランク軸46の回転速度、作用角およびリフト量の指令値に基づいて、カムシャフト58A,58Bが揺動した際の最大回転速度を算出する。
次のステップS4では、リフト量の指令値に基づいて、モータ54A,54Bを駆動する際の最大負荷を算出する。
次のステップS5では、現在の運転状態がフェールモードであるか否かを判定する。ここでは、センサ88で検出された電圧が280Vよりも低下している場合は、フェールモードであると判定される。一方、センサ88で検出された電圧が280V以上の場合は、フェールモードではないと判定される。
ステップS5でフェールモードと判定された場合は、ステップS6へ進み、作用角、リフト量が安全確保領域となるように調整を行う。そして、ステップS7では、調整された作用角、リフト量に基づいて揺動動作を実行する。なお、ステップS6では、作用角、リフト量のいずれか一方のみを安全確保領域へ調整することとしても良い。ステップS7の後は、処理を終了する(RETURN)。
一方、ステップS5でフェールモードではないと判定された場合は、ステップS7へ進み、ステップS2で取得した作用角、リフト量の指令値に基づいて揺動動作を実行する。ステップS7の後は、処理を終了する(RETURN)。
以上説明したように本実施形態によれば、昇圧コンバータ72に異常が生じた場合は、モータ54A,54Bの回転速度、または吸気弁36のリフト量を安全確保領域内まで低下させるようにしたため、フェール時においても動弁装置48A,48Bを駆動することが可能となる。従って、昇圧コンバータ72の故障に起因して動弁装置48A,48Bが故障してしまうことを確実に抑止することができ、モータ54A,54Bにより吸気弁36、排気弁38を駆動する内燃機関10の信頼性を向上することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関システムを示す模式図である。 吸気弁および動弁装置の周辺の構成を示す模式図である。 カムによって吸気弁が駆動される様子を示す模式図である。 内燃機関の機関回転数、出力トルクと、カムの駆動モードとの関係を示す模式図である。 カムシャフトに設けられた2種類のカムを詳細に示す模式図である。 動弁装置のモータを駆動する駆動システムと、駆動システムに電力を供給する昇圧コンバータを示す模式図である。 昇圧コンバータの出力電圧と、モータの回転数、負荷との関係を示す特性図である。 フェールモード時に行われる制御を示す特性図である。 カムの動作モードに応じたモータの回転速度の特性を示す図である。 カムの動作モードに応じたモータの回転速度の特性を示す図である。 本実施形態のシステムにおける処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
36 吸気弁
38 排気弁
40 ECU
48A,48B 動弁装置
54A,54B モータ
58A,58B カムシャフト
72 昇圧コンバータ

Claims (9)

  1. 各気筒が備える弁体をモータにより開閉駆動する弁駆動手段と、
    前記モータを駆動するための駆動回路と、
    前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記モータの回転速度又は駆動負荷を制限する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、制限した前記回転速度に基づいて前記弁体の作用角を決定し、
    前記弁駆動手段は、決定された前記作用角に基づいて前記弁体を開閉駆動することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、制限した前記駆動負荷に基づいて前記弁体のリフト量を決定し、
    前記弁駆動手段は、決定された前記リフト量に基づいて前記弁体を開閉駆動することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記駆動回路は、前記モータに供給する電圧を昇圧する昇圧回路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記弁駆動手段は、前記弁体を駆動するためのカムシャフトを備え、
    前記モータは、前記カムシャフトを揺動駆動モードで揺動させて駆動することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記揺動駆動モードから前記カムシャフトを一方向へ回転させる正転駆動モードへ切り換えることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記弁駆動手段は、前記弁体を駆動するためのカムシャフトを備え、
    前記モータは、前記カムシャフトの回転速度をクランク軸の回転速度に対して相対的に可変する可変速度モードで前記カムシャフトを駆動することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記駆動回路に故障が発生した場合に、前記可変速度モードから前記カムシャフトを一方向へ一定速度で回転させる正転駆動モードへ切り換えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記正転駆動モードへ切り換える前に、制限された前記回転速度に基づいて作用角の許容範囲を決定することを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
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