JP2007262536A - 焼結歯車およびその製造方法 - Google Patents

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淳一 市川
Tomoyuki Kohida
智之 小比田
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Tomoaki Arakawa
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Abstract

【課題】全体の密度はできるだけ低く軽量とされながらも、必要な部分は密度が高くて強度や耐摩耗性が十分であり、全体として剛性や疲労強度が高く、しかも量産性の向上が図られる焼結歯車を提供する。
【解決手段】歯面および歯底面を有する歯部を複数備えた歯車の全周面にわたる表層に、密度7.6Mg/m以上の高密度域が少なくとも1mm以上の深さで形成され、一方、この高密度域から中間域を隔てて密度7.3Mg/m以下の低密度域が形成され、前記中間域は、前記高密度域から前記低密度域にわたって徐々に密度が低くなるように密度が傾斜している。
【選択図】図6

Description

本発明は、粉末冶金法によって製造される焼結金属製のスプロケットや各種の歯車およびその製造方法であって、より耐摩耗性の向上を図る改良技術に関する。
この種の焼結歯車の多くは鉄系合金であり、粉末を圧縮成形して焼結した密度は6.8〜7.2Mg/m程度である。スプロケット(鎖歯車)や負荷が大きい歯車にあっては歯面の耐摩耗性が一層必要とされ、そのための一手段としては高密度化が有効である。高密度化する方法として、鉄系焼結体の場合には熱間鍛造が挙げられる。熱間鍛造を行うと気孔がほとんどない高密度な歯車を得ることができるが、全体を高密度化する必要のない歯車では過剰品質となり、また、重量が重くなってしまうほか、多孔質体から得られる振動減衰作用や含油できるといった利点が失われる短所がある。また、熱間鍛造は、ワークを高温下で圧縮する装置が必要であり、また、加熱されている最中のワークの酸化を防止をする手立てが必要なため、煩雑かつコスト高になるという欠点がある。
高密度化させる別の方法としては、特許文献1に記載されるように、焼結体の冷間鍛造がある。同文献に記載の方法は、0.15質量%のMnを含有する鉄粉に1質量%のMo粒子を部分拡散付着させた鉄基金属粉と、0.3質量%の黒鉛粉を含有する混合粉とを、密度7.3Mg/m未満に圧縮成形し、成形体を950〜1300℃の温度で焼結した後に、その焼結体を金型中で閉塞鍛造または密閉鍛造するものである。この方法によれば、鍛造圧力が784MPaで密度が7.35〜7.45Mg/mの鍛造部品が得られ、鍛造圧力が1177MPaで密度が7.52〜7.65Mg/mの鍛造部品が得られるとされている。
また、焼結歯車の歯面を緻密化する方法としては、特許文献2に記載されるように、歯車転造がある。焼結体の転造は、内部気孔は転造前と変わらず、転造された歯面の表層のみが緻密化し、ピッチング耐摩耗性が改善されて歯車精度が良好な焼結歯車が得られるとされている
特開2003−253372号公報 特公昭48−33137号公報
上記特許文献1に記載される冷間鍛造は、室温での圧縮で歯車を高密度化できるという特長がある。しかしながら、タブレット状の焼結体素材を、金型内で圧縮して押し広げ、ダイに密着させて歯形を成形するので、高い圧力が必要であり、比較的歯丈が高い歯車では、歯先の密度が低くなりやすいといった不都合な面がある。また、冷間鍛造により真密度に近い状態に圧縮する場合では、焼結体素材の重量にばらつきがあることから、重量が所定より大きな焼結体素材を所定寸法まで圧縮するといった場合も生じてくる。これは金型が破損しやすくなるため回避せねばならず、したがって熱間鍛造する場合と同様に、バリや余肉ができるような大きめの金型を用いることになるが、そうするとバリや余肉の除去工程が必要になって工程数の増加を招く。
一方、特許文献2に記載される焼結歯車の転造は、歯車の歯面および歯底面が緻密化されて高い寸法精度で仕上げることができるとともに耐摩耗性を付与することができるといった特長がある。しかしながら、転造する時間が比較的長くかかるという課題がある。また、比較的モジュールが小さい歯車では、転造代を大きくできないことがあるため、均一な緻密化が難しく、また、歯部や軸孔部の高密度化には適さないという面もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、従来の材料(例えば、機械構造用合金鋼であるクロムモリブデン鋼(SCM材)の焼入れ材)を用いながら、粉末圧縮性が良好で、焼結体が塑性変形しやすく、かつ焼入れ性が良好であって、全体の密度はできるだけ低く軽量とされながらも、必要な部分は密度が高くて強度や耐摩耗性が十分であり、全体として剛性や疲労強度が高く、しかも量産性の向上が図られるといった様々な効果を奏する焼結歯車およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の焼結歯車は、鉄系焼結合金からなるものであって、歯面および歯底面を有する歯部を複数備えた歯車の全周面にわたる表層に、密度7.6Mg/m以上の高密度域が少なくとも1mm以上の深さで形成され、一方、この高密度域から中間域を隔てて密度7.3Mg/m以下の低密度域が形成され、中間域は、高密度域から低密度域にわたって徐々に密度が低くなるように密度が傾斜していることを特徴とする。
本発明の焼結歯車によれば、歯面および歯底面からなる歯車の全周面にわたる表層が高密度域として形成されている一方、その他の部分は過剰に密度が高くなっていない。すなわち、全体の密度が比較的低いながらも、強度や耐摩耗性が求められる歯部の歯面および歯底面が十分に高密度化されており、このため、剛性および疲労強度が高く、耐摩耗性に優れている。
本発明の焼結歯車は、厚さ方向に貫通する孔が形成されている形態を含む。その孔は、例えば中心に形成される軸孔や、中心から外れた部分に形成される固定用のボルトが通されるボルト孔である。そして、本発明では、このような孔の内周面に、密度7.6Mg/m以上の高密度域が少なくとも0.1mm以上の深さで形成されていることも特徴とする。
また、本発明の焼結歯車は、Moを0.5〜2.0質量%含有し、少なくとも歯部と該歯部近傍の金属組織が焼入れ組織であること、また、歯面の気孔が消滅されていることをそれぞれ包含する。
次に、本発明の焼結歯車の製造方法は、上記本発明の焼結歯車を好適に製造し得る方法であり、製造工程に下記の工程を含むことを特徴としている。
(1)鉄粉の表面にモリブデン粒子が部分拡散付着した鉄モリブデン合金粉と黒鉛粉とを含む混合粉を調製する原料粉調製工程。
(2)混合粉を粉末成形金型によって、
歯面および歯底面からなる全周面にわたる表層の少なくとも1mm以上の深さの領域に、所定の再圧縮代が厚さ方向に付加され、かつ高密度とされた高密度域と、
この高密度域から中間域を隔てて高密度域よりも密度が低い低密度域とを有し、
さらに、製造する歯車の仕上がり形状に近似するか、あるいは相似する形状に圧縮成形して圧粉体を成形する圧粉体成形工程。
(3)圧粉体を水素ガス、または水素と窒素との混合ガスが供給されている焼結炉の中において、1000〜1200℃の範囲内で加熱し、次いで冷却する焼結工程。
(4)得られた焼結体を金型中で圧縮して所定の寸法形状に成形するとともに、高密度域を密度7.6Mg/m以上とし、低密度域を密度7.3Mg/m以下とし、中間域の密度を高密度域から低密度域にわたって徐々に密度が低くなるように密度を傾斜させる再圧縮工程。
(5)再圧縮工程で成形された再圧体を850〜950℃の範囲内で加熱保持し、所定温度から焼入れした後に焼戻しを行う熱処理工程。
本発明の製造方法では、圧粉体成形工程で、厚さ方向に貫通する孔を該圧粉体に形成し、かつ、この孔の内周面の少なくとも0.1mm以上の深さの領域に、所定の再圧縮代が付加され、かつ高密度とされた高密度域が形成されていることを含む。孔は、例えば中心に形成される軸孔や、中心から外れた部分に形成される固定用のボルトが通されるボルト孔として形成される。
また、本発明の製造方法では、原料粉調製工程で用いる混合粉における鉄モリブデン合金粉のMo含有量が0.5〜2.0質量%であり、黒鉛粉の含有量が0.1〜0.4質量%であることを具体例とする。また、圧粉体成形工程で成形する圧粉体の、高密度域の密度を6.8〜7.4Mg/mの範囲内、低密度域の密度を6.6〜7.2Mg/mの範囲内とすると、焼結後の焼結歯車において高密度域および低密度域を所望の密度に圧縮することができる。圧粉体の高密度域および再圧体の高密度域を対称的に形成することは、本発明の好ましい形態である。さらに、再圧縮工程で再圧縮された再圧体、または熱処理工程で熱処理された熱処理体をサイジングし、少なくとも歯面の気孔を消滅させると、さらに耐摩耗性が上がるので好ましい。
本発明によれば、全体密度が比較的低いながら、歯部は高密度である焼結歯車を得ることができ、この焼結歯車によれば、剛性および疲労強度が高く、耐摩耗性があり、より高い面圧で使用される技術分野の歯車に適用することができ、焼結歯車の利用分野を拡大することができる。また、本発明の製造方法は、工程が通常の焼結製品の製法と同様に、金型を用いた粉末成形、焼結、金型を用いた再圧縮、および熱処理といった基本的な工程を採用しているので、効率良く量産することができる。製造するにあたって焼結体に比較的低密度な部分があるので、例えば、歯部近傍を所定厚さ寸法に圧縮して真密度にしたとき、真密度になった部分からの塑性流動が比較的低密度域に向かうことができるので、再圧縮時に起こる可能性がある過剰圧力を回避するためのバリや余肉を設ける金型構造にする必要がなく、焼結体の重量ばらつきを許容することができ、経済的に量産することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
1.焼結合金の組成
焼結歯車の組成は、製造する際に粉末の圧縮性が良好で、焼結体は延性があり塑性変形しやすく、また、焼入れ性が良好で、さらに合金元素が少ないことを主眼に選定される。これらの条件を満足する合金としては、鉄が主成分で、モリブデン(Mo)を0.5〜2.0質量%を含有し、炭素(C)が0.1質量%以上の亜共析鋼が好ましい。
Mo:これら元素のうち、Moは焼入れ向上元素である。その他の元素は使用しないが、その理由は、焼結体の延性を重視したためである。各種の添加元素は、焼結体の強度を向上させるとともに延性を低下させるが、Moは合金の延性を低下させることが少ない元素である。Mo含有量が少ないと焼結体の延性はよいが、0.5質量%より少ないと焼入れ性が不十分で、歯車の質量が大きい場合には熱処理した後の硬さが低くなることがある。Mo含有量が多くなると焼入れ性が向上するが、2質量%を超えても添加量の割には焼入れ性が向上せず、また、コスト高にもなるので、0.5〜2質量%以下とする。焼結体の再圧縮に求められる延性と、硬質な歯車が得られる焼入れ性のために、より好ましくは1質量%前後である。
C:焼結体のC量は、通常の鉄鋼材料と同様に亜共析であるが、0.1〜0.4質量%程度である。焼結体の結合炭素量が多いと強度が高く延性が低下するので、再圧縮する際の塑性変形が起こり難くなり、圧縮に要する圧力が増大する。焼結歯車製品の炭素量は、浸炭焼入れの際に浸炭されるので、歯車の表層部と中心部で異なることがある。焼結体に炭素を含まない場合では、焼入れする際の浸炭が歯車の中心まで達しないことがあることから、焼結体の炭素含有量は0.1質量%以上にすることが好ましい。
2.焼結合金を製造するための原料粉
Moの添加は、圧縮性がよいアトマイズ鉄粉の粒子表面にMo粒子を部分的に合金化させて付着させたMo部分合金化鉄粉を用いる。Moが固溶した合金鉄粉は圧縮性が悪いからである。Moは焼結および熱処理により鉄基地中へ順次拡散し、最終的に焼入れ性が向上した焼結合金を形成する。Mo部分合金化鉄粉は、アトマイズ鉄粉に所定量の酸化モリブデン粉末を混合し、水素ガス中で加熱して酸化モリブデンを還元した後、破砕することで作ることができる。Cの添加は、通常と同様に黒鉛粉を用いる。上記の亜共析鋼の組成を有する焼結体を得るため、黒鉛粉の添加量は0.1〜0.4質量%程度とされる。成形潤滑剤の添加は適宜に可能である。添加しない場合は、粉末成形金型の内面に成形潤滑剤を静電塗布装置等によって塗布し、成形体と金型の摩擦を低下させることが必要とされる。混合粉に成形潤滑剤を添加する場合は、0.75質量%以下とされる。含有量が多いと高密度の圧粉体が得られ難くなる。金型潤滑しない場合は、圧粉体の離型性および混合粉の圧縮性の点からみて、0.2〜0.7質量%の添加が好ましい。
3.粉末の成形
粉末成形は通常の焼結歯車を製造するときと同様に粉末成形金型を用いる。圧粉体の輪郭形状は、焼結歯車の仕上がり形状とほとんど同じで、仕上がり形状に近似した形状か、あるいは相似した形状とされる。これらの形状で異なる点は、歯面および歯底面から1mm以上深い領域、またはこの領域に加えて、歯車の軸孔またはボルト孔の内面から0.1mm以上深い領域の密度を、他の部分よりも高くするとともに、焼結後に行う再圧縮の圧縮代を付加した厚さに成形することである。
焼結体を再圧縮する予定部分の密度を高くしておくと、少ない再圧縮代で緻密化することができ、他の部分の密度を比較的低くできる。圧粉体の密度は、高密度域は6.8〜7.4Mg/mの範囲内、その他の低密度域は6.6〜7.2Mg/mの範囲内とする。高密度域は再圧縮で緻密化しやすいように高い密度が望ましいが、7.4Mg/mを超えると粉末成形圧力が高くなり好ましくない。低密度域の密度は、歯車要素に必要とされる機械的強度が得られるように6.6Mg/m以上とし、再圧縮された高密度域の密度と差ができるように7.2Mg/m以下の範囲内とする。
歯車の歯面および歯底面は噛み合い時に受ける応力が大きいため、再圧縮代が付加された圧粉体の厚さが大きい部分の表面からの距離すなわち深さが1mmより少ないと、焼結体の歯面近傍の厚さが大きい部分を再圧縮したとき、再圧縮された肉が低密度域に流動してしまい、歯面が緻密にならないことがある。歯面近傍の再圧縮される体積を適宜確保することにより歯面を確実に高密度にすることができ、そのため、厚さを大きくされる再圧縮代の表面からの深さは1mm以上が必要である。一方、歯車の軸孔またはボルト孔は、歯面屋は底面ほどの高い応力は受けないため、厚さが大きい部分の表面からの距離は0.1mm以上とすればよい。これらの圧粉体の厚さが大きい部分の表面からの最大幅は、歯車の直径やモジュールによって異なるが、5mm以下とすることが好ましい。幅が大きいと再圧縮の圧力を増大させ、また、低密度域が減少して重量が増加するからである。
厚さが均一な焼結歯車の場合、圧粉体およびこれを焼結した焼結体の厚さは、少なくとも歯部が厚く、他の部分はその厚さが大きい歯部から緩やかに傾斜して薄い厚さになる形状である。図1は、その形態例を示す平歯車の断面図であり、(a)は圧粉体を焼結した後の焼結体10、(b)はその焼結体10を再圧縮した再圧体20である。図1(a)の焼結体10は、この時点では密度が均一であり、外周側の高密度域11の両側面に、厚さ方向に膨出する圧縮代11aが付加されて肉厚になっており、中心の軸孔30の周囲に形成された低密度域12が薄肉で、これらの間が中間域13とされる。この焼結体10を厚さ方向に再圧縮し、図1(b)に示すように厚さを均一にすると、高密度域の密度が高く、低密度域は密度が低く、中間域は高密度域から低密度域側に向かうにしたがって密度が低くなるように密度が傾斜した再圧体20を得る。
また、歯部が他の部分よりも薄い形状であると、圧粉体およびこれを焼結した焼結体は厚さが均一な場合がある。図2は、その形態例を示す平歯車の断面図であり、(a)は圧粉体を焼結した後の焼結体10、(b)はその焼結体10を再圧縮した再圧体20である。図2(a)のように、焼結体10は厚さが平坦な形状であり、外周側から内周側に向かって高密度域11、中間域13、低密度域12となっているが、この時点では密度が均一である。焼結体10の厚さ方向の再圧縮は高密度域11から中間域13にかけて行われ、これによって図2(b)に示すように、再圧体20は外周側の高密度域11が肉薄で、中間域13の側面が低密度域12に向かって傾斜したものとなる。
図3(a),(b)は粉末成形の方法を示す断面図である。これら図で示す成形用の金型は、図1(a)の焼結体10の元となる圧粉体を成形する金型であって、円筒内周面を有するダイ40と、このダイ40のダイ孔40aに軸方向へ摺動自在に嵌合されるいずれも円筒状の外側下パンチ41、中間下パンチ42、内側下パンチ43と、内側下パンチ43に摺動自在に挿入されるコアロッド44と、ダイ40のダイ孔に摺動自在に嵌合され、かつ、コアロッド44が摺動自在に挿入される上パンチ45とから構成される。
この金型では、コアロッド44の上端面をダイ40の上面と面一あるいはそれ以上とし、各下パンチ41,42,43のパンチ面(上端面)を、外側下パンチ41を最も下方に、内側下パンチ43を最も上方に配し、中間下パンチ42をその間に配して、これら下パンチ41,42,43のパンチ面とダイ孔40aとで形成されるキャビティに原料粉Pが充填される。なお、中間下パンチ42のパンチ面は外周に向かうにしたがって下り勾配に傾斜している。また、上パンチ45のパンチ面(下端面)は、コアロッド44が挿入される孔の周囲部分は軸方向に直交する平坦面であるが、そこから外周に向かって上方に傾斜しており、外周縁は軸方向に直交する平坦面となっている。
次に上パンチ45を下降させてダイ孔40aに嵌合させるとともに、各下パンチ41,42,43を上昇させて、図3(b)に示すように原料粉Pを圧縮する。各下パンチ41,42,43は、パンチ面が連続するように、内側下パンチ43よりも中間下パンチ42の上昇量を多くし、中間下パンチ42よりも外側下パンチ41の上昇量をさらに多くする。このようにして圧縮成形された圧粉体50は、粉末充填深さが大きい外側下パンチ41で圧縮される部分が高密度域11となり、内側下パンチ43で圧縮される粉末充填深さの少ない部分が低密度域13となり、これらの間が、高密度域11から低密度域13にわたって徐々に密度が低くなり両側の表面が傾斜している中間域12となる。
なお、焼結歯車の軸孔やボルト孔周辺も高密度にすることが好ましい場合では、その部分に再圧代を付加し密度が高い状態に成形される。また、圧粉体の状態での高密度域は、圧粉体の圧縮方向からみた図形が対称的に形成されされるように設計することが好ましい。普通の平歯車では対称的になるが、非円形歯車や扇状歯車のように非対称形状のものは粉末成形および再圧縮の際にパンチに偏荷重がかかるので、このような形状では、高密度域の幅を調整して、再圧縮される面を周方向におおよそ均等にすることが好ましい。
4.焼結
圧粉体の焼結は、水素ガスまたは水素と窒素の混合ガスが供給されている焼結炉中において、1000〜1200℃の範囲内、好ましくは1100〜1150℃の範囲内で保持した後、冷却する。焼結により、鉄基地中にMoおよびCが拡散し、強度および延性が得られる。加熱時間は、この温度範囲内で焼結して得られる焼結体の強度と延性の状態から最適な時間に決定され、例えば、焼結温度1150℃では約30分程度である。また、延性をよくするためには冷却速度をできるだけ遅くすることが好ましい。焼結体の含有炭素量は0.6質量%以下とし、好ましい強度および延性を得る観点から0.1〜0.4質量%の範囲内が好ましく、炭素含有量が多いと延性が低下する。
5.再圧縮による高密度域の形成
焼結体の再圧縮は、焼結体のサイジングと同様な金型を用い室温中で行う。図4は再圧縮用の金型で焼結体(平歯車)を圧縮している状態の断面図である。金型は、ダイ50、コアロッド51および上下のパンチ52,53で構成されている。再圧体20は、図1(b)で示した再圧体20と同じと理解してよい。再圧縮は、ダイ50およびコアロッド51と焼結体の摩擦を低減するために、焼結体の表面または金型内面に潤滑剤が塗布される。圧縮代が大きい場合では、各パンチ52,53のパンチ面と焼結体との摩擦によって塑性変形が不均一になり、ダイ50の内周面に密着しない部分が生じることがあるので、鍛造の場合と同様に、パンチ面と焼結体間の潤滑を行うことが好ましい。再圧縮の加圧速度は、油圧プレスのように遅くてもよいが、鍛造で用いられる機械プレスのように圧縮が高速の方が塑性変形させやすく、生産効率がよいので好ましい。また、金型を用いた再圧縮なので、転造法と比べて生産効率がよい。
再圧縮用の金型に供給される焼結体は、ダイ50のダイ孔50aより小さい形状とされ、高密度域にする部分が、所定寸法まで圧縮されて塑性変形し緻密化されるとともに、金型の内壁に密着して所定寸法形状に成形される。焼結体の圧縮は、焼結体の再圧縮予定部厚さが他の部分より厚い形態の場合では、厚さが最も大きい部分から圧縮され、傾斜面が順次圧縮される。また、再圧縮代が付与された焼結体の厚さが均一の場合の上下のパンチ52,53の形状は、少なくとも歯部の近傍は再圧縮代に見合う寸法で突出しており、再圧縮により歯車の歯部厚さが他の部分より薄い形状に仕上げられる。傾斜部を含む再圧縮予定部だけの圧縮にすれば、圧縮面積が少なく低い圧力で塑性変形できるので好ましい。
焼結体の再圧縮は、高密度域とその近傍だけではなく、必要に応じて厚さが少なく低密度域を圧縮してもよい。再圧縮代は焼結歯車の両側面から均等にあるのが好ましいが、一方の側面からだけ(例えば、上パンチ52側からだけ)圧縮する方法でもよい。高密度域と低密度域の間の中間域は密度が径方向に沿って傾斜しているので、画然とした材料強度の境界がなく耐久性に優れている。高密度域の歯面からの深さより歯底面からの深さを少なくした場合は、歯底面の塑性変形が不十分になることがあるので、このような場所は、歯底面の高密度域深さを大きくしたり、歯底面近傍の密度を高くすることが望ましい。
再圧縮した部分の密度を高くするには、焼結体の密度が高いほど可能である。例えば、7.7Mg/mの再圧縮密度を得る場合、焼結体密度が6.8Mg/mでは再圧縮の圧力が約1800MPa、焼結体密度が7.4Mg/mでは再圧縮の圧力が約1100MPaである。再圧縮された高密度域が真密度になり、所定寸法までさらに圧縮する必要がある場合であっても、焼結体に低密度域があるので、低密度域に塑性流動していく。このため、焼結体の重量が目標値より重いようなときであっても、金型が破損することなく、また、余肉を設けることなく成形することができる。
6.熱処理
再圧縮された焼結体の熱処理は、焼入れする前の加熱、焼入れおよび焼戻しである。まず、焼入れする前の加熱は、焼結体を浸炭処理するために浸炭性ガス中で行われる。焼入れ前の加熱の別の目的としては、次のようなことが挙げられる。すなわち、再圧縮によって気孔が減少した部分には、機械的な接触状態で微細な割れが生じていたり、粒子内および粒子間に歪を生じていたり、結晶粒が小さくなったり、または、塑性流動が多い部分や金型と摩擦し塑性流動した部分が、結晶粒が細く引き延ばされた鍛造における鍛流線(メタルフロー)のような状態になっている。これらのうち、強度や耐摩耗性に好ましくない欠陥を、焼入れ前の加熱により修正することができる。また、さらに別の目的としては、焼入れ前の準備加熱という面もある。焼入れ前の加熱温度は、通常の鉄合金の焼入れと同様にAc変態線よりやや高い温度であり再結晶温度以上の約850〜900℃の範囲内が適当である。
焼入れ前の加熱の保持時間は焼結体の大きさによっても異なるが、上記目的を達成するには3〜5時間程度が好適とされる。部分的に高密度域を付与した焼結体は、高密度域への浸炭が、高密度域に直接なされ、また、比較的浸炭されやすい低密度域側からもなされるので、機械構造用合金鋼材で作られた歯車に浸炭する場合と比べ、比較的短い時間で浸炭することができる。浸炭された焼結体の表面部炭素量は亜共析範囲であり、0.4〜0.6程度が好ましい。通常、焼入れする前の加熱と焼入れは連続して行われるが、焼入れする前の加熱を行って浸炭および再圧縮による欠陥修復を行い室温まで冷却した後、再度、焼入れ温度に加熱して焼入れする手順を採ることができる。なお、焼入れは油中冷却で行われる。Mo含有量が多い焼結合金であることから、焼入れ性がよく焼結体の表層部をマルテンサイト組織にすることができる。また、焼戻しは180℃程度で1時間程度とされる。
7.その他の工程
(1)歯面緻密化サイジング
上述した各工程の他に、歯面を緻密化するサイジングを行うことができる。この歯面緻密化サイジングは、再圧縮された焼結体(焼結歯車)に行うのが好ましいが、熱処理された焼結体に行ってもよい。焼結体を再圧縮して歯面等の高密度域が真密度に達していない状態の場合は、歯面緻密化サイジングを施して歯面部の気孔を消滅することにより、高面圧下の耐摩耗性をさらに向上させることができる。また、サイジングにより歯形の寸法精度を高くすることもできる。
歯面緻密化サイジングは、内面に歯形をもつダイに焼結歯車を圧入して貫通させる押出しサイジングで行うことができる。その場合には、塑性加工用潤滑剤が用いられる。図5は、表面緻密化サイジング用の金型で焼結歯車(再圧体)をサイジングしている状態を示している。金型のダイ60は内面に所定の歯形が形成されており、ダイ孔60aの内周面は、上部が大径で、その下方が内径を小さくされた絞り部60bとされている。ダイ60の歯形寸法は再圧体20の寸法より小さく設定される。低密度域、中間域および高密度域を有する再圧体20にコアロッド61を挿入するとともに、上方からパンチ62をダイ孔60a内に押し込むことによって、再圧体20をダイ60の絞り部60bへ圧入し、ダイ孔60aを貫通させると、再圧体20の歯面はダイ40の内面の歯面が強く摺動し、気孔が消滅する。
(2)その他の処理
必要に応じて、側面などを切削したり、ねじ孔加工などの加工がなされる。また、表面に酸化物被膜を形成させるリン酸被膜処理などの表面処理を施すことや、油含浸処理などが行われる。
8.焼結歯車の形状例
図6は、モジュールが比較的大きい平歯車の焼結歯車70の密度分布を示す横断面図である。この焼結歯車70は、歯面71および歯底面72から1mm以上の深さの領域が密度7.6Mg/m以上の高密度域81、中心に形成された軸孔73の周囲が密度7.3Mg/m以下の低密度域82、高密度域81と低密度域82の間が中間域83となっている。高密度域81、中間域83および低密度域82の境界は明確で画然と図示されているが、実際には密度が徐々に変化した状態になっている。
この場合の焼結歯車70はモジュールが大きいので、高密度域81の内側の縁は歯形に沿った形状をしている。高密度域81の深さは歯面71および歯底面72から1mm以上の範囲となっているので、再圧縮したときの塑性変形が歯面71および歯底面82に行きわたり、歯部73の表面は確実に高密度化されている。また、その他の部分は密度が比較的低いため、気孔がある焼結歯車の効果、すなわち軽量で、潤滑油の含油ができ、振動減衰が得られるといった効果が奏されるものとなっている。
図2は、歯車の形状が異なる焼結歯車90の密度分布を示す横断面図である。この焼結歯車90は、歯面91および歯底面92から1mm以上の深さの範囲が密度7.6Mg/m以上の高密度域101であり、この高密度域101の内側に中間域103が形成されているが、この中間域103の内側の中心には軸孔93が形成され、さらにこの軸孔93の周囲に、複数(この場合4つ)のボルト孔94が形成されている。そして、軸孔93およびボルト孔94の周囲の0.1mm以上の深さの領域が密度7.6Mg/m以上の高密度域101で、さらにこの高密度域101の周囲が中間域103となっており、その他の部分が低密度域102となっている。
この場合の焼結歯車90はモジュールが小さいため、外周部の高密度域101の内側の縁はほぼ円形になっている。この焼結歯車90によれば、軸孔93の周囲が高密度化されているので、非常に高い強度を求められる歯車に適用することができる。また、ボルト孔94はこの焼結歯車90を他の部材に固定するボルトを通すための孔であり、このボルト孔94の周囲が高密度化されているので、そのボルトの締め付け強度すなわち固定強度を高めることができる。
(1)原料粉
鉄粉の表面にモリブデン粒子が部分拡散付着した鉄モリブデン合金粉に黒鉛粉1質量%および潤滑剤として0.6質量%のエチレンビスステアロアマイド粉を混合して、原料粉を調製した。
(2)粉末成形
図5および図7に示した成形金型と同様な金型を用い、平歯車形状の圧粉体を作製した。歯車は、歯先径φ60mm、歯数23、軸孔φ16mmで、厚さと密度は図3(a)に示した形状と同様に、歯部の全部と歯底から軸孔に向かって2mmの深さの範囲を厚さ6.36mm:密度7.3Mg/mの高密度域とし、軸孔から10mmの深さの範囲を厚さ6mm:密度6.8Mg/mの低密度域とし、これらの間は厚さが6.36mmから6mmに傾斜し、密度が7.3Mg/mから6.8Mg/mに徐々に傾斜した中間域とした。
(3)焼結
圧粉体を、分解アンモニアガス(水素と窒素の混合ガス)を供給している焼結炉中において、1150℃で焼結した。焼結体の断面金属組織は、パーライトとフェライトの混合組織である。
(4)再圧縮
図7に示した金型と同様な金型を用い、焼結体を再圧縮した。ダイは、歯形寸法が焼結体の歯形寸法より僅かに大きく設定されたものを用いた。再圧縮は、高密度域と中間域で一様な厚さに成形し、低密度域は積極的に加圧していない。焼結体を再圧縮して得た再圧体の密度は、歯部近傍の高密度域が7.7Mg/m、低密度域が6.8Mg/mとなっている。
歯部の横断面を顕微鏡組織で観察したところ、歯底面の近傍は鍛造における鍛流線(メタルフロー)のように結晶粒が細く引き延ばされた組織が認められた。これは、再圧縮したときに、焼結体の歯底面がダイの内歯歯先に当接してさらに塑性流動していく過程で発生したものと考えられた。高密度域の結晶粒の大きさは、焼結体の結晶粒の大きさより小さくなっていることが認められた。
(5)熱処理
再圧縮した焼結歯車(再圧体)を、浸炭性ガス雰囲気中において、860℃で5時間加熱保持した後、油中焼き入れした。この後、180℃で60分間の焼戻しを行った。この熱処理後の焼結歯車の高密度域の表面見掛け硬さを測定したところ、55HRC、その断面の微小硬さは750Hvであった。また、断面顕微鏡組織を観察したところ、マルテンサイト組織であった。
(6)歯車摩耗試験結果
比較試料として、機械構造用合金鋼であるクロムモリブデン鋼(SCM材:組成が質量%で、C:0.2% Mn:0.8% Cr:1% Mo:0.2%および残部が鉄)を、本発明品の焼結歯車と同一形状に切削加工し、浸炭性ガス雰囲気中において、860℃で5時間加熱した後、焼入れおよび焼戻しを行った。この比較試料と上記実施例の焼結歯車とを噛み合わせて歯車に負荷を与え、回転速度毎分3000回転で60時間運転した後、両歯車の歯面を観察し、ピッチング摩耗の有無を調べたところ、双方の歯面の摩耗程度に差は認められなかった。
本発明の焼結歯車は、スプロケット(鎖歯車)、オイルポンプロータ、減速機用歯車、歯付きベルトプーリ等に用いることができる。また、機械構造用合金鋼に匹敵する耐摩耗性を有するので、このような合金製の代わりに本発明の焼結歯車を適用することができる。
本発明の一実施形態の焼結歯車の(a)焼結体の段階の断面図、(b)再圧体の段階の断面図である。 本発明の他の実施形態の焼結歯車の(a)焼結体の段階の断面図、(b)再圧体の段階の断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧粉体の成形方法を(a),(b)の順に示す断面図ある。 本発明の一実施形態に係る再圧工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る歯面緻密化サイジング工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態の焼結歯車を示す横断面図である。 本発明の他の実施形態の焼結歯車を示す横断面図である。
符号の説明
10…焼結体、 11,81,91…高密度域、 12,82,102…低密度域
13,83,103…中間域、 20…再圧体、 70,90…焼結歯車、
71,91…歯面、 72,93…歯底面、 73,93…軸孔、 94…ボルト孔。

Claims (10)

  1. 歯面および歯底面を有する歯部を複数備えた歯車の全周面にわたる表層に、密度7.6Mg/m以上の高密度域が少なくとも1mm以上の深さで形成され、一方、この高密度域から中間域を隔てて密度7.3Mg/m以下の低密度域が形成され、前記中間域は、前記高密度域から前記低密度域にわたって徐々に密度が低くなるように密度が傾斜していることを特徴とする鉄系焼結合金からなる焼結歯車。
  2. 厚さ方向に貫通する孔が形成されており、この孔の内周面に、密度7.6Mg/m以上の高密度域が少なくとも0.1mm以上の深さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結歯車。
  3. Moを0.5〜2.0質量%含有し、少なくとも歯部と該歯部近傍の金属組織が焼入れ組織であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結歯車。
  4. 前記歯面の気孔が消滅されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焼結歯車。
  5. 製造工程に下記の工程を含むことを特徴とする焼結歯車の製造方法。
    (1)鉄粉の表面にモリブデン粒子が部分拡散付着した鉄モリブデン合金粉と黒鉛粉とを含む混合粉を調製する原料粉調製工程。
    (2)前記混合粉を粉末成形金型によって、
    歯面および歯底面からなる全周面にわたる表層の少なくとも1mm以上の深さの領域に、所定の再圧縮代が厚さ方向に付加され、かつ高密度とされた高密度域と、
    この高密度域から中間域を隔てて高密度域よりも密度が低い低密度域とを有し、
    さらに、製造する歯車の仕上がり形状に近似するか、あるいは相似する形状に圧縮成形して圧粉体を成形する圧粉体成形工程。
    (3)前記圧粉体を水素ガス、または水素と窒素との混合ガスが供給されている焼結炉の中において、1000〜1200℃の範囲内で加熱し、次いで冷却する焼結工程。
    (4)得られた焼結体を金型中で圧縮して所定の寸法形状に成形するとともに、前記高密度域を密度7.6Mg/m以上とし、前記低密度域を密度7.3Mg/m以下とし、前記中間域の密度を高密度域から低密度域にわたって徐々に密度が低くなるように密度を傾斜させる再圧縮工程。
    (5)再圧縮工程で成形された再圧体を850〜950℃の範囲内で加熱保持し、所定温度から焼入れした後に焼戻しを行う熱処理工程。
  6. 前記圧粉体成形工程で、厚さ方向に貫通する孔を該圧粉体に形成し、かつ、この孔の内周面の少なくとも0.1mm以上の深さの領域に、所定の再圧縮代が付加され、かつ高密度とされた高密度域が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の焼結歯車の製造方法。
  7. 前記原料粉調製工程で用いる前記混合粉における前記鉄モリブデン合金粉のMo含有量が0.5〜2.0質量%であり、前記黒鉛粉の含有量が0.1〜0.4質量%であることを特徴とする請求項5または6に記載の焼結歯車の製造方法。
  8. 前記圧粉体成形工程で成形する圧粉体の、前記高密度域の密度が6.8〜7.4Mg/mの範囲内、前記低密度域の密度が6.6〜7.2Mg/mの範囲内であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の焼結歯車の製造方法。
  9. 前記圧粉体の高密度域および前記再圧体の高密度域を対称的に形成することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の焼結歯車の製造方法。
  10. 前記再圧縮工程で再圧縮された前記再圧体、または前記熱処理工程で熱処理された熱処理体をサイジングし、少なくとも前記歯面の気孔を消滅させることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の焼結歯車の製造方法。
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