JP2007262028A - 新規化合物およびその製造方法、用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い抗酸化作用、エストロゲン作用、拮抗作用を示す新規化合物の提供
【解決手段】次式で表される新規化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
【化1】


【選択図】図4

Description

本発明は、抗酸化能、さらに詳細には活性酸素消去能を有する新規化合物、及びこの新規化合物の製造方法さらには、この新規化合物を含有する各種薬剤又は化粧料組成物、食品組成物に関するものである。
好気的呼吸を行う生物は、呼吸により大気もしくは水中の酸素を生体内に取り込み、糖類や脂質、タンパク質等の栄養素を酸素を用いて代謝させることで、必要とするエネルギーを生産及び利用している。この呼吸に利用される酸素は比較的安定な物質であるが、生体内外における様々な反応を介して、反応性の高いスーパーオキシド、ヒドロキシラジカル又は過酸化水素等の活性酸素へ日常的に変化する。これら活性酸素は強力な殺菌作用を有し、生体の自己防衛に関与する重要な物質でもある。しかし、活性酸素は生体保護を司る物質である反面、その反応性の高さから、生体内の脂質、タンパク質、DNA等に傷害を与え、動脈硬化による血管障害や血栓等による血流障害、悪性腫瘍等の誘発の要因となっている。また老化・ガン化・女性特有の病気に関しても、活性酸素との関連性が研究されてきている。
このように生体に対し傷害を与える原因となる活性酸素だが、ヒトにおいては一応活性酸素による生体内組織や器官の損傷を防ぐ機構を保有している。例えばSOD(Super Oxide Dismutase)やカタラーゼ等の酵素による活性酸素自体の消去作用がその機構に該当する。しかし、これらの酵素は加齢と共にその発現量も急激に低下する為、活性酸素による損傷の増加及びそれに伴う疾病や障害の発生が顕著化してくる。また現代の生活環境における増大した紫外線曝露量や排気ガスやタバコ等による大気中での化学物質の蔓延化等の状況から、若年層においても過剰な活性酸素の発生の為に、通常の生体内での自己防衛機構では充足できず、前記障害や疾病の発生率が上昇している。
また、女性特有の病気として、更年期障害、骨粗鬆症、高脂血症、女性ホルモン依存性ガンの発症などがありこれらについては、エストロゲン作用あるいは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)として働くエストロゲン拮抗作用のある物質があれば、食品・薬剤として治療や予防に生かせるため、フィトエストロゲンはこれらの予防・治療に利用されている。
なし
従って、生体内組織や骨の障害や疾病を防止する上で、活性酸素を消去する抗酸化成分の摂取や適用が非常に重要であり、食品業界においては、従来より例えばカロチン類、グルタチオン、フェルラ酸、エラグ酸、アスコルビン酸及びその誘導体、トコフェエロール及びその誘導体、ユビキノン類等の抗酸化剤が利用されてきている。そして更に高い効果や高い安全性等の有益性の高い新規抗酸化剤の開発が望まれている。さらに、女性特有の更年期障害等に対しては、エストロゲン作用あるいはエストロゲン拮抗作用の認められる薬剤の開発が望まれている。
従って、解決しようとする課題点としては、高い抗酸化作用、エストロゲン作用、エストロゲン拮抗作用を有する新規化合物の開発、及びこれを用いた抗酸化剤、医薬品並びに食品組成物への応用である。
本発明者らはバベシア症の治療としてマサイ族に使われているというCombretaccae(シクンシ科)のターミナリアブロウニイ・フレス(Terminalia Brownii Fres、アフリカのマサイ族居住地に生息する植物)の抽出物に着目し、木の根や木の皮からの抽出物を研究した。
その結果、ターミナリアブロウニイ・フレス中に含まれる抗酸化成分について検討した結果、高い抗酸化能を有する新規化合物を見いだし、構造の特定もおこなった。
従って、その新規化合物を用いることで新規な抗酸化剤、及び医薬品組成物並びに食品組成物を構成することが可能であることを見いだし本発明を完成するに至った。なお本発明で用いる新規化合物に関しては、現在までにそれに相当又は類似する化合物は開示されていない。
すなわち、本発明は高い抗酸化能及びエストロゲン作用さらにはエストロゲン拮抗作用を期待できる新規化合物並びにこれを有効成分とする抗酸化剤、骨粗鬆治療剤、更年期障害治療剤、高脂血症等の医薬品組成物又は食品組成物、化粧料組成物を提供するものである。
本発明品である下記式で示される新規化合物は優れた抗酸化作用、詳細には活性酸素消去作用を有しており、この新規化合物を用いることで、高い抗酸化能を有する抗酸化剤を構成することが可能である。更に、この抗酸化剤を医薬品組成物又は食品組成物に用いることで、活性酸素が原因となる様々な障害や疾病の効果的な予防や、医薬品組成物又は食品組成物、化粧料組成物の製品自体の効果的な酸化防止が期待できる。さらにこの新規化合物はエストロゲンレセプターに対する受容体結合親和性があることから種々の女性疾患に対する予防あるいは治療に役立つといえる。
本発明の新規化合物は、以下の式で示される化合物である。また、以下の式で示される化合物の構造上生ずる総ての不斉炭素に基づく光学異性体又はそのラセミ体も本発明の範囲に包含される。
IUPAC名:7-ヒドロキシ-3-6'-ヒドロキシ-2'-ケト-フェネチル-4H-1-ベンゾピラン-4-1(7-hydroxy-3-6'-hydroxy-2'-keto-phenethyl-4H-1-benzopyran-4-one
本発明である前記式で示される化合物は、薬理学的に許容されうる塩も本発明においては同様に用いることができ、大きくは無機塩基との塩又は有機塩基との塩が挙げられる。具体的には、無機塩基との塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩等が挙げられる。また有機塩基との塩として、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジクロロヘキシルアミン塩、ジベンジルエチレンジアミン塩等が挙げられる。また本発明の前記式で示される化合物は無水物又は水和物いずれも本発明の範囲に包含される。
本発明である前記式で示される化合物は、公知の化学合成法によって製造することも可能であるが、好ましくは式で示される化合物を産生する植物からの抽出及び分離精製による製造方法が挙げられ、例えば当該化合物の産生が確認されているターミナリアブロウニイ・フレスの木の皮および木の根からの抽出及び分離精製による製造方法である。
前記式で示される化合物を植物から製造する工程において、抽出操作で用いられる抽出溶媒としては、例えば熱水があげられる。
また、特に抽出効率の面から、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,3,5-ペンタントリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール(分子量100〜10万)等の多価アルコールの中から選ばれる1種もしくは2種以上の混液を用いるのが好ましい。
前記式(1)で示される化合物を植物から製造する工程において、その抽出方法については、その溶媒の温度や圧力、原料に対する溶媒の重量比率、又は抽出時間についても、種々の原料及び使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。溶媒の温度としては−4℃から120℃の範囲で任意に設定できるが、熱水の場合は100℃である。さらに溶媒に対する原料濃度は、1g/100ml〜10g/100mlの範囲内で任意に設定することができるが、特に熱水抽出の場合は、漢方薬で用いられている濃度に近い3g/100ml〜7g/100mlの重量比率が好ましい。また抽出操作を行うにあたり、用いる植物原料は必要に応じて裁断、破砕、圧搾、ホモジナイズ等の操作を行う。
前記式で示される化合物を植物から製造する工程において、化合物の回収率を向上させることを目的として、上記抽出操作を行った後、濾紙や濾過助剤、メンブランフィルター等を用いた濾過、遠心分離、減圧濃縮、pH調製、塩析等の操作を適宜行うことができる。
前記式で示される化合物を植物から製造する上で、前記抽出操作を行った後、更に必須操作として分離精製操作を行う。分離精製操作としては、分液操作法、蒸留法、昇華法、沈殿法、再結晶化法、濾過助剤や樹脂を用いた濾過又はカラムクロマトグラフィー法等の通常の分離精製手段を適宜組み合わせて行う。特に分離及び回収の容易さからカラムクロマトグラフィー法による分離精製が好ましく、使用する樹脂としては、合成吸着剤、シリカゲル、ODS、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂等が挙げられる。特に適当な分離精製方法の組み合わせとしては、合成吸着剤とシリカゲルクロマトグラフィー又はODSクロマトグラフィーである。更に光学活性体を分離精製することを目的として、難溶で光学活性な塩の形成による結晶析出光学分割法、微生物や酵素を用いた光学分割法、HPLC-キラルカラムを用いたクロマトグラフィー光学分割法、ラセミ体をジアステレオ混合物に誘導後に分離し再度目的化合物に変化して光学活性体を得る方法等による精製操作を行うことも可能である。
更に、前記式で示される化合物を植物から製造する上で、分離精製操作時における雑莢物を除去することを目的として、雑莢成分の適切な分解操作を行うことができる。分解操作は式で示される化合物を変質させない条件であれば、適宜設定することができ、主に酸による分解、アルカリによる分解、酵素による分解、高温高圧による分解等が挙げられる。
本発明の前記式で示される化合物を使用して抗酸化剤等を調整するにあたり、微粉末状又は微細結晶状の当該化合物をそのまま抗酸化剤として使用することが可能である他、適宜水や有機溶媒又はその混合液に溶解又は分散させて液状やペレット状に調整して抗酸化剤として使用することも可能である。更には賦形剤や増粘剤、ゲル化剤等と混合して顆粒状やゲル状、粘液状に調整して抗酸化剤として使用することも可能である。
本発明において、前記式で示される化合物を使用して、食品組成物又は医薬品組成物、化粧料組成物を構成することが可能である。それらの剤型は任意であり、顆粒状、カプセル状、粉末状、固形状、液状、ゲル状、クリーム状、軟膏状、シート状、ムース状、多層状等の剤型を成す。具体的には、骨粗しょう症緩和、更年期障害の緩和、抗老化、抗酸化作用を利用した予防健康食品、細胞のがん化予防食品、老化予防食品、血液降下剤等が考えられる。また当該化合物の各種組成物への配合量としては、組成物全量中、0.001〜50質量%以上の濃度範囲で使用されるのが一般的であり、好ましくは0.01〜40.0質量%の、特に好ましくは0.1〜20質量%が食品組成物を構成する上で期待される抗酸化作用、エストロゲン作用、エストロゲン拮抗作用の発現の点から有効である。
また上記化粧料組成物又は医薬品組成物、食品組成物以外に、前記式で示される化合物の応用分野としては、酸化防止剤として経口又は非経口医薬品、外用医薬品等の医薬組成物や医薬部外品、更には塗料やインク、フィルム形成剤、ガラスや金属、木材等の硬表面用洗浄剤や繊維用洗剤等、様々な分野への使用が挙げられる。
本発明の医薬品組成物又は食品組成物、化粧料組成物には、必須成分である前記化合物に加え、更に活性物質を加えることも可能であり、他の活性物質とは、例えば、抗フリーラジカル物質、抗脂質過酸化剤、抗炎症剤、生物学的還元剤、一重項酸素失活剤、過酸化水素分解系、スーパーオキシドアニオンに対する保護系、有機ヒドロペルオキシド分解系、鉄キレート剤、、UV遮蔽剤及び浸透促進剤などが考えられる。
さらにチロシナーゼ活性阻害剤、メラノサイトメラニン生成抑制剤、メラニン生成促進剤、保湿剤、細胞賦活剤/代謝活性化剤、ラジカル生成抑制剤、脂肪代謝促進剤、紫外線防御剤/紫外線吸収促進剤、収斂剤、抗炎症剤/インターロイキン産生抑制剤/消炎剤、抗脂漏剤、抗菌剤/抗ウイルス剤、血流促進剤/血管刺激剤、抗アンドロゲン剤、構造タンパク質分解酵素(エラスターゼ、コラゲナーゼ、ケラチンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、インテグリン分解酵素、インボルクリン分解酵素、フィラグリン分解酵素、ラミニン分解酵素、フィブロネクチン分解酵素、プロテオグリカン分解酵素等)活性阻害剤、構造タンパク質合成促進剤、ムコ多糖類、分解酵素阻害剤、ムコ多糖類合成促進剤、細胞間脂質生成促進剤/細胞間脂質状態改善剤、角質溶解剤/角層剥離促進剤、プラスミノーゲンアクチベーター拮抗阻害剤、メイラード反応阻害剤、テストステロン5αレダクターゼ活性阻害剤有臭物質消去剤等の有効成分や、その他に化粧料組成物や食品組成物の形態を形成する上で使用が好まれる植物系原料、動物系原料、微生物系原料、その他天然物原料等を由来とするエキスや代謝物等成分、又は種々の化合物を添加剤として任意に選択・併用することにより、更に多種の機能性を有する優れた化粧料組成物又は食品組成物を提供できる。製剤中における含有量は、特に規定しないが、通常、0.0001〜40重量%の濃度範囲が一般的である。
また、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、消炎剤・抗アレルギー剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、酵素、精製水、消臭・脱臭剤等も併用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。
式(1)で示される化合物の製造について説明する。
ターミナリアブロウニイ・フレスの木の根、木の皮、果の皮の乾燥物から得られた粉末6.94gを100mlの水に混合し、加熱して15分間熱水抽出する。これを遠心分離(3000rpm、5分)後、得られた水溶液をスピントラップ法にて抗酸化能を検討した。さらに、ポリフェノール抽出条件でHPLCで分離し、水溶液中未知物質の分離同定を実施例2で試みる。
以下詳述する。
不安定、かつ短寿命である活性酵素にスピントラップ剤を付加し、より安定させ、寿命を長くし、濃度を高めてから、ESR法で測定するスピントラップ法を用いた。ESR(Jeol JES-FR80)分析により、測定されたスーパーオキシド消去能及びヒドロキシラジカル消去能を以下に示す。
1) スーパーオキシド消去能の測定:
ヒポキサンチンーキサンチン系で発生させたスーパーオキシドを、DMPOを用いたスピントラップ法にて捕捉し、消去能を測定した。結果を下記表1で示す。サンプル1mlあたりのSODユニット数で表示している。
2) ヒドロキシルラジカル消去能の測定;
過酸化水素ーFe2+系にて発生させたヒドロキシルラジカルをDMPOを用いたスピントラップ法にて捕捉し、消去能を測定した。結果を下記表1で示す。サンプル1mlあたりのヒドロキシルラジカル消去物質(マンニトール)のmM相当量で表示している。
なお、比較例として、一般に強い抗酸化能を有するといわれている高濃度カテキン含有緑茶のスーパーオキシド消去能及びヒドロキシルラジカル消去能も示した。
この結果、本発明の新規物資は、強い抗酸化能を有す高濃度カテキン含有緑茶に比較して、ヒドロキシルラジカル消去能は1.7倍にも達し、スーパーオキシド消去能も認められた。
次に33%アセトニトリル水溶液を移動相とする高速液体クロマトグラフィー(HPLC:YMC-Pack R&D ODS 25×250mm 移動相:33%アセトニトリル、流速2.0ml/min,波長280nm)を用いて4−1ピークを精製する(図1)ことで、標題化合物である
7-ヒドロキシ-3-6'-ヒドロキシ-2'-ケト-フェネチル-4H-1-ベンゾピラン-4-1(7-hydroxy-3-6'-hydroxy-2'-keto-phenethyl-4H-1-benzopyran-4-one
)を2-3mg得た。
さらに、得られた新規化合物の構造解析をNMR及びFAB−MSでおこなった。
実施例1で得られた化合物について、NMRスペクトル(装置:バリアンINOVA-500)で測定した。図2(H−NMR:500mH)図3(13C-NMR:125mH)図4(構造図、NMR帰属)にその測定結果を示した。さらに、高速原子衝撃質量分析計(FAB-MS)により測定した。これは熱に不安定な化合物の質量分析装置であり、試料を塗布した試料面に高速の中性子(Xe等)を衝突させて試料分子をイオン化し、その質量数から分子量が判明するとともに、フラグメントイオンのできかたから分子の構造が推定できるものである。FAB-MSの測定結果を図5−7に示した。
図6・7には新規化合物をアセチル化したものを示し、アセチル化物のナトリウム付加体のチャートを図6に示す。
アセチル化物のナトリウム付加体の高分解MSが403.08であることからC21H16O7Naの分子式を持つことが判明した、NMRでジアセチル化物であることから、元のポリフェノール4-1(新規化合物)の分子式はC17H12O5であることが導かれた。
質量分析:FAB-MS(装置:JEOL JMS-HX110) m/z 380[M+ Na]+,m/z 403[M+Na]+(C21H16O7Na)
これらの測定結果から、実施例3で得られた化合物は前記式(1)で示される化合物(実施例1)であり、新規化合物であることが確認された。
ターミナリアブロウニイ・フレスの木の根、木の皮の乾燥物から得られた粉末を水に混合し、熱水抽出する。これを遠心分離後、上清から得られた水溶液およびその水溶液をHPLCにて分離して得られた新規化合物のエストロゲンレセプター(α)との親和性を検討した。以下詳述する。
生体内でエストロゲン作用を発現する際、レセプターにリガンドが結合するだけではなく、コアクチベーターなどコファクターと称されるたんぱく質が関与している。そこで、EnBio Estrogen Receptor (alpha)/ Coactivator Ligand Biding Assay
systemを用い、レセプターと結合することにより立体構造変化が生じた分子を特異的に結合するコアクチベーターを介して96穴マイクロタイタープレート上に結合させることにより測定を行った。
その結果、水溶液および新規化合物についてエストロゲンレセプター(α)に対する受容体結合親和性が認められた。
エマルジョン形態の化粧料を以下の方法で製造した(重量%)。
実施例1の化合物 0.1%
エタノール 1 %
プロピレングリコール 30 %
ビタミンE 1 %
香料 適量
色素 適量
水 100%とする量
以下の成分を含む錠剤の形の製薬組成物を調製した。
実施例1の化合物 0.1 g
ラクトース 0.06g
ステアリン酸マグネシウム0.02g
スターチ 0.15g
リン酸カルシウム 0.20g
以下の成分を含むクッキーを製造した(重量%)。全体を攪拌して混合し、180℃から220℃にて20分から30分オーブンで焼き上げた。
実施例1の化合物 1.8%
小麦粉 70 %
無塩バター 8 %
ショ糖 12 %
卵・水 8.2%
本発明の新規化合物は、際立った抗酸化作用を有するため、種々の組成物としての実用化が可能であり産業上の利用可能性を有する。また、本発明の新規化合物はエストロゲン作用、エストロゲン拮抗作用により女性特有の更年期症状の緩和、骨粗しょう症の緩和等に効果が期待できる。
実施例2におけるODSクロマトグラフィ測定結果を示す図である。矢印のピークが本発明の化合物のピークである。 実施例2により得られた化合物のNMR測定結果(H-NMR)を示す図である。 実施例2により得られた化合物のNMR測定結果(13C-NMR)を示す図である。 実施例2により得られた化合物のNMR帰属構造図を示す図である。 実施例3でおこなったFAB−MS測定結果(アセチル化)を示す図である。 実施例3でおこなったFAB−MS測定結果(アセチル化物のナトリウム付加体)を示す図である。 実施例3でおこなったFAB−MS測定結果で判明した構造図を示す図である。

Claims (13)

  1. 下記の式(1)で示される新規化合物又はその薬学的に許容されうる塩。
  2. ターミナリアブロウニイ・フレス(Terminalia
    Brownii Fres)の樹皮・根を乾燥して粉末状とし、熱水抽出後、遠心分離し、その上清をクロマトグラフィーにより単離することを特徴とする請求項1記載の新規化合物の製造方法。
  3. 熱水抽出の濃度は1g/100ml〜10g/100mlの濃度であり、熱水抽出時間は10分から20分であることを特徴とする請求項2記載の新規化合物の製造方法。
  4. 製薬的に許容可能なビヒクル中に、請求項1に記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を含有せしめてなることを特徴とする製薬用の組成物。
  5. 化粧品的に許容可能なビヒクル中に、請求項1に記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を含有せしめてなることを特徴とする化粧料用組成物。
  6. 請求項1記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を含むことを特徴とする食品組成物。
  7. 請求項1に記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする酸化ストレスを処置し、及び/又は日光への曝露の影響を処理し、及び/又は老化を防止するために化粧料に使用される薬剤。
  8. 請求項1に記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする、酸化ストレスを治療し、及び/又はガン、炎症状態、リインフージョン性虚血、鉄分過負荷又は神経系の変性疾患を含む病理的状態を治療し、及び/又は−電離放射線もしくは日光への暴露の影響を治療し、及び/又はフリーラジカルを発生させるある種の薬物の使用の影響を治療し、及び/又は老化を防止するための製薬用組成物。
  9. 請求項1に記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする抗酸化剤。
  10. 請求項1記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とすることを特徴とする骨粗しょう症緩和剤。
  11. 請求項1記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とすることを特徴とする更年期障害緩和剤。
  12. 請求項1記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とすることを特徴とする血圧上昇抑制剤。
  13. 請求項1記載の新規化合物又はその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とすることを特徴とするガン化抑制又はガン細胞増殖抑制剤。
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