JP2007261486A - 車両運動設計装置及び車両運動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の運動性能に関する物理パラメータと運動性能に対する乗員の感性評価との関係を明確化できる車両運動設計装置を提供する。
【解決手段】車両の運動性能に関する物理パラメータと、運動性能に関する乗員の感性評価を示す心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えた感性心理モデルデータベース2と、物理パラメータ及び心理パラメータのうち、いずれか一方のパラメータの値を入力するための入力部4、5と、感性心理モデルデータベース2を参照して、入力部4、5に入力されたパラメータの値に対応する他方のパラメータの値を評価値として演算する車両運動感性心理モデル演算部3と、車両運動感性心理モデル演算部3にて演算された評価値を出力する出力部5、4とを車両運動設計装置に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の運動性能の設計に使用するための車両運動設計装置、及び車両の運動制御装置に関する。
新型車両の開発作業においては、車両が持つメカニズムあるいはシステムの物理的な仕様、諸元に加えて、車両の運動性能が醸し出す感性的な「味付け」が重要視される。この種の「味付け」は、試作車両を製作した後に、その車両のコンセプト等に基づいて、テストドライバーによる繰り返し試験を通じて適宜に調整される。しかし、このような手法では、設計、試作、評価のサイクルを繰り返す必要があり、費用、あるいは工数が嵩む問題がある。このような問題を解決するため、物体とともに移動する際に人間が感じる快、不快の感覚に物体の加々速度が深く関与しているとの前提の下に、物体の加々速度の時系列の入力に対して人間の官能評価結果を出力するニューラルネットワークを構築することにより、物体の運動の快適感、あるいは異常運動を評価者に依存せずに客観的に評価する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。コンピュータにより車両特性を複数の物理パラメータで模擬するとともに、それらの物理パラメータに応じた刺激をシミュレータから評価者に付与して評価者に車両特性を体感させ、その刺激を通じて再現される車両特性を評価者の感性に従って評価させ、その感性評価結果に応じて評価者に物理パラメータを調整させ、調整後の車両特性を再度評価者に体感させ、評価者が満足する感性評価結果が得られたときの物理パラメータを車両の設計データとして出力するシミュレーション装置も提案されている(例えば特許文献2参照)。その他に、本発明に関連する先行技術文献として特許文献3及び4が存在する。
特許第3203535号公報 特開平7−271289号公報 特許第345413号公報 特開平6−206473号公報
しかしながら、ニューラルネットワークを利用した場合、入力値と出力値との関係が非線形にモデル化されてネットワークの内部がブラックボックス化するため、入力値に対する出力値の相関関係が把握できない。そのため、評価対象となる物理パラメータ(上記の従来例では加々速度)に対する感性評価を出力させることはできても、物理パラメータをどのように操作すれば最適な評価結果が得られるかを予想することが不可能又は困難である。従って、考え得る様々な物理パラメータを用意してそれらを入力し、出力を確認するといった試行錯誤的な作業が必要となり、設計工数の削減を図れない。
評価者に物理パラメータの調整を委ねるシミュレーション装置では、車両のあらゆる物理パラメータを用意し、それらをシミュレータ上にリアリティの高い状態で再現する必要がある。これらの作業には相当の費用及び工数が必要となる。また、評価者の感性に基づく評価は物理パラメータとは異質である。例えば、車室の特性を決定付ける物理パラメータとして、フロントピラーの位置、フロントガラスの面積等が調整項目として用意されていたとしても、感性評価はそのような物理的な値と直接的に結び付いていない。評価者の感性評価は、全体のバランスがよい、雰囲気がよい、といった主観的でかつ曖昧さを持った評価である。従って、評価者が感性に従って物理パラメータの最適な組み合わせを決定することは不可能に近い。仮にそれが達成できたとしても、結果的には試行錯誤を余儀なくされ、設計工数の削減を図れない。
また、車両の開発段階で、意図したユーザ層に合わせて運動性能が設計されたとしても、車両が市場に提供された後は、車両の乗員(ユーザ)の個性に応じて運動性能の評価が異なることが予想される。従って、ユーザの意向を反映して車両の運動性能を調整することができれば好都合である。しかし、車両の一般的なユーザは、車両の運動性能を決定付ける物理パラメータを知り得ないことが通例であり、そのような一般的なユーザに対して車両の運動性能を容易に調整できる環境を提供することも必要である。
そこで、本発明は、車両の運動性能に関する物理パラメータと、運動性能に対する乗員の感性評価との関係を明確化できる車両運動設計装置、及び車両の乗員が車両の運動性能を容易に調整することが可能な車両運動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両運動設計装置は、車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと、前記運動性能に関する乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えた感性心理モデルデータベースと、前記物理パラメータ又は前記心理パラメータのうち、いずれか一方のパラメータの値を入力するための入力部と、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記入力部に入力されたパラメータの値に対応する他方のパラメータの値を評価値として演算する車両運動感性心理モデル演算部と、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された評価値を出力する出力部とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の車両運動設計装置においては、入力部から物理パラメータ又は心理パラメータのいずれか一方の値を入力すると、感性心理モデルにて表現された定量的な関係に従って、入力したパラメータの値に対応する他方のパラメータの値が評価値として演算され、その演算された評価値が出力部から出力される。この場合において、感性心理モデルにおける物理パラメータと心理パラメータとの定量的な関係を手掛かりとして、パラメータの入力値と、出力されたパラメータの評価値との対応関係を明確に把握することができる。従って、物理パラメータの値を入力部に与えた場合には、入力した物理パラメータの値と、その入力値が心理パラメータに与える影響、言い換えれば乗員の感性評価に与える影響との関係を明確に把握することができる。一方、心理パラメータの値を入力部に与えた場合には、乗員の感性評価と、その感性評価を実現するために必要な物理パラメータとの対応関係を明確に把握することができる。このように、車両の運動性能に関する物理パラメータと乗員の感性評価との関係を明確化できるため、車両の運動性能の設計作業においては、物理パラメータ又は心理パラメータのいずれか一方の値の変化が心理パラメータ又は物理パラメータに与える影響を予想しつつ評価値を最適化し、あるいは最適な評価値を得るための入力値を取得するといった手順で作業を進めることができる。これにより、試行錯誤的なパラメータの入力作業を不要とし、車両の運動性能を効率よく設計することが可能となる。
本発明の車両運動設計装置の一形態においては、前記入力部として、前記物理パラメータの値を入力するための車両運動値入力部が設けられ、前記出力部として、前記心理パラメータの値を前記評価値として出力する感性評価値出力部が設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記車両運動値入力部に入力された物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を評価値として演算してもよい(請求項2)。あるいは、前記入力部として、前記心理パラメータの値を入力するための感性評価値入力部が設けられ、前記出力部として、前記物理パラメータの値を前記評価値として出力する車両運動値出力部が設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性評価値入力部に入力された心理パラメータの値に対応する前記物理パラメータの値を評価値として演算してもよい(請求項3)。このように、本発明の車両運動設計装置は、物理パラメータを入力値として心理パラメータの値を評価値として出力させ、あるいは心理パラメータを入力値として物理パラメータの値を評価値として出力させることができる。物理パラメータの入力、及び心理パラメータの入力を選択可能とし、車両運動感性心理モデル演算部において両パラメータ間で双方向的に演算を可能としてもよい。
本発明の車両運動設計装置の一形態において、前記感性心理モデルは、前記物理パラメータ及び前記心理パラメータがノードとしてネットワーク状に配置され、関連するノード同士がリンクで接続され、前記リンクに対して、前記ノード間の関連度の強さに応じた重み係数が付されることにより、前記物理パラメータと前記心理パラメータとの関係が定量的に表現された形式を有してもよい(請求項4)。この形態によれば、物理パラメータに対応するノードから心理パラメータに対応するノードへと重み係数を参照しつつリンクを辿り、あるいは、心理パラメータに対応するノードから物理パラメータに対応するノードへと重み係数を参照しつつリンクを辿ることにより、物理パラメータ又は心理パラメータの入力値と、その入力値に対応する心理パラメータ又は物理パラメータの評価値との対応関係を理解することができる。
上記形態において、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記入力部に入力されたパラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記入力されたパラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記一方のパラメータに対応するノードから前記他方のパラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記他方のパラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記評価値として前記出力部に引き渡すようにしてもよい(請求項5)。上記の演算を繰り返すことにより、物理パラメータ又は心理パラメータの入力値に対応する心理パラメータ又は物理パラメータの評価値を、感性心理モデルにて表現されている両パラメータの定量的な関係に従って演算することができる。
前記ノードの活性化量を演算する形態において、前記出力部は、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記評価値とともに、前記車両運動感性心理モデル演算部が演算にて参照した感性心理モデルにおける前記ノードの配置、前記ノードを結ぶリンク、各リンクに付された重み係数、及び各ノードの活性化量を可視化して出力するようにしてもよい(請求項6)。感性心理モデルの構造と各ノードの活性化量を可視化して出力することにより、車両運動設計装置のユーザに対してパラメータの入力値に対する評価値の演算過程を提示し、ユーザに入力値と評価値との対応関係を容易に理解させることができる。
本発明の車両運動設計装置の一形態において、前記感性心理モデルデータベースには、評価対象の車両の車格及び該車両の購買層として意図されたユーザ層に応じて構築された複数の感性心理モデルが蓄えられ、前記車両運動感性心理モデル演算部に対して前記車格及びユーザ層を指定するモデル指定部がさらに設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記モデル指定部によって指定された車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルに基づいて前記評価値を演算してもよい(請求項7)。この形態によれば、評価対象の車両の車格及びユーザ層に応じて感性心理モデルを選択して、車格及びユーザ層に応じた運動性能の評価を行うことができる。
本発明の車両運動制御装置は、車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと、前記運動性能に関する乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えた感性心理モデルデータベースと、前記心理パラメータの値を、目標とする感性評価値として入力するための感性評価値入力部と、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記入力部に入力された心理パラメータの値に対応する前記物理パラメータの値を演算する車両運動感性心理モデル演算部と、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記物理パラメータの値を出力する車両運動値出力部と、車両の運動性能に関係する制御対象機器を制御する運動制御実行部と、前記車両運動値出力部から出力される前記物理パラメータの値に則した運動性能が得られるように、前記車両運動値出力部から出力される前記物理パラメータの値に基づいて前記運動制御実行部による前記制御対象機器の制御内容を変化させる車両運動値制御部と、を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項8)。
本発明の車両運動制御装置によれば、感性評価値の目標を設定し、これを心理パラメータの値として感性評価値入力部から車両運動感性心理モデル演算部に入力することにより、その入力された心理パラメータの値に対応する物理パラメータの値が感性心理モデルに従って演算され、その演算された物理パラメータの値が車両運動値出力部から出力される。車両運動値制御部は、車両運動値出力部から与えられる物理パラメータの値に則した運動性能が得られるように運動制御実行部による制御内容を変化させる。このように、物理パラメータそのものの値に代えて、感性評価値、つまりは心理パラメータの値を入力させ、その心理パラメータの値を物理パラメータの値に変換して運動性能の制御に利用するため、物理パラメータに関する知識を有しない車両の一般的なユーザであっても、車両の運動性能を自らの感性に従って調整することが可能となる。しかも、感性心理モデルにおいて物理パラメータと心理パラメータとの関係が定量的に表現されているため、両パラメータの対応関係が明確であり、心理パラメータの値を変化させた際の運動性能の変化の予測性も高まる。このため、心理パラメータの入力値をどのように変化させれば意図する運動性能が得られるかを比較的容易に把握することが可能となる。従って、運動性能の調整作業の複雑化、煩雑化を回避して、運動性能に関する単純かつ明快な調整環境を乗員に提供することができる。
本発明の車両運動制御装置の一形態においては、前記車両における前記物理パラメータの値を計測する車両運動値計測部と、前記車両運動値計測部による計測値を前記車両運動感性心理モデル演算部に前記物理パラメータの値として入力する車両運動値入力部と、を備え、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記車両運動値入力部から入力された前記物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を演算可能であり、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記心理パラメータの値を前記計測値に基づく感性評価値として可視化して出力する感性評価値出力部と、前記計測値に基づく感性評価値に対して乗員が実感する感性評価値を入力するための感性評価値差分入力部と、前記感性評価値差分入力部に前記感性評価値として入力された心理パラメータの値と、前記車両運動値入力部に前記計測値として入力された物理パラメータの値とに基づいて、前記計測値に基づく感性評価値と前記乗員が実感する感性評価値との間の差分が減少するように前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータと前記心理パラメータとの間の定量的な関係を修正するモデル修正演算部と、を車両運動制御装置がさらに備えてもよい(請求項9)。
上記の形態によれば、車両において計測された物理パラメータの値が車両運動値計測部から車両運動値入力部を介して車両運動感性心理モデル演算部へ入力され、その入力された物理パラメータの値が感性心理モデルに従って心理パラメータの値へと変換され、変換された心理パラメータの値が、運動性能の計測値に基づく感性評価値として感性評価値出力部から可視化されて出力される。出力された感性評価値に接した乗員が、自らの実感する感性評価値を感性評価値差分入力部に入力すると、その感性評価値に相当する心理パラメータの値と、車両運動値入力部に計測値として入力された物理パラメータの値とに基づいて、モデル修正演算部が感性心理モデルにおける物理パラメータと心理パラメータとの間の定量的な関係を修正する。その修正は、計測値に基づく感性評価値と、乗員が実感する感性評価値との差分が減少するように実行される。この結果、感性心理モデルが乗員の感性に適したものへと修正される。つまり、感性心理モデルにて表現されている物理パラメータと心理パラメータとの定量的な関係を、乗員の感性に合致した関係へと変化させることができる。これにより、乗員の感性を運動性能に対してより的確に反映させることが可能となる。
本発明の車両運動制御装置の一形態において、前記感性心理モデルは、前記物理パラメータ及び前記心理パラメータがノードとしてネットワーク状に配置され、関連するノード同士がリンクで接続され、前記リンクに対して、前記ノード間の関連度の強さに応じた重み係数が付されることにより、前記物理パラメータと前記心理パラメータとの関係が定量的に表現された形式を有してもよい(請求項10)。また、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性評価値入力部に入力された心理パラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記心理パラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記心理パラメータに対応するノードから前記物理パラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記物理パラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記物理パラメータの値として前記車両運動値出力部に引き渡すようにしてもよい(請求項11)。これらの形態によれば、上述した車両運動設計装置の一形態に係る感性心理モデルを実際の車両にも適用して、乗員の感性に基づく運動性能の調整環境を構築することができる。
さらに、感性心理モデルに関する上記の形態において、車両運動制御装置は、前記車両における前記物理パラメータの値を計測する車両運動値計測部と、前記車両運動値計測部による計測値を前記車両運動感性心理モデル演算部に前記物理パラメータの値として入力する車両運動値入力部と、を備え、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記車両運動値入力部から入力された前記物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を演算可能であり、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記心理パラメータの値を前記計測値に基づく感性評価値として可視化して出力する感性評価値出力部と、前記計測値に基づく感性評価値に対して乗員が実感する感性評価値を入力するための感性評価値差分入力部と、前記感性評価値差分入力部に前記感性評価値として入力された心理パラメータの値と、前記車両運動値入力部に前記計測値として入力された物理パラメータの値とに基づいて、前記計測値に基づく感性評価値と前記乗員が実感する感性評価値との間の差分が減少するように前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータと前記心理パラメータとの間の定量的な関係を修正するモデル修正演算部と、車両運動制御装置がさらに備え、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記車両運動値入力部に入力された前記物理パラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記物理パラメータに対応するノードから前記心理パラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記心理パラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記心理パラメータの値として前記感性評価値出力部に引き渡すようにしてもよい(請求項12)。
この形態によれば、上述した車両運動制御装置の一形態と同様の理由により、感性心理モデルが乗員の感性により適したものへと修正され、それにより、乗員の感性を運動性能の制御により的確に反映させることが可能となる。また、上述した車両運動設計装置に適した感性心理モデル、及びその感性心理モデルを利用して心理パラメータを演算する感性心理モデル演算部を実際の車両にも適用して、乗員の感性に基づく運動性能の調整環境を構築することができる。
本発明の車両運動制御装置の一形態において、前記感性評価値入力部は、前記感性評価値出力部から出力される前記計測値に基づく感性評価値と、前記感性評価値差分入力部から入力される前記乗員の実感する感性評価値との差分に基づいて、前記目標とする感性評価値を修正して前記車両運動感性心理モデル演算部に入力してもよい(請求項13)。この形態によれば、計測値に基づく感性評価値と、乗員の実感する感性評価値との差分に基づいて、目標とする感性評価値を修正すると、その修正された感性評価値に従って物理パラメータの値が演算され、その演算された物理パラメータの値に則した運動性能が得られるように運動制御実行部による制御内容が調整される。このため、感性評価値に関する上記の差分、つまりは計測値に基づく感性評価値と、乗員の実感に基づく感性評価値とのずれを運動性能の制御内容の調整にも反映させ、それにより乗員の実感により合致した運動性能を実現することが可能となる。
以上に説明したように、本発明の車両運動設計装置によれば、感性心理モデルにおける物理パラメータと心理パラメータとの定量的な関係を手掛かりとして、車両の運動性能に関する物理パラメータと乗員の感性評価との関係を明確化できるため、車両の運動性能の設計作業において、物理パラメータ又は心理パラメータのいずれか一方の値の変化が心理パラメータ又は物理パラメータに与える影響を予想しつつ評価値を最適化し、あるいは最適な評価値を得るための入力値を取得するといった手順で作業を進めることができる。これにより、試行錯誤的なパラメータの入力作業を不要とし、車両の運動性能を効率よく設計することが可能となる。また、本発明の車両運動制御装置によれば、物理パラメータそのものの値に代えて、感性評価値、つまりは心理パラメータの値を入力させ、その心理パラメータの値を物理パラメータの値に変換して運動性能の制御に利用しているため、物理パラメータに関する知識を有しない車両の一般的なユーザであっても、車両の運動性能を自らの感性に従って調整することが可能となる。しかも、感性心理モデルにおいて物理パラメータと心理パラメータとの関係が定量的に表現されているため、両パラメータの対応関係が明確であり、心理パラメータの値を変化させた際の運動性能の変化の予測性も高まる。このため、心理パラメータの入力値をどのように変化させれば意図する運動性能が得られるかを比較的容易に把握することが可能となる。従って、運動性能の調整作業の複雑化、煩雑化を回避して、運動性能に関する単純かつ明快な調整環境を乗員に提供することができる。
[第1の形態]
図1は本発明に係る車両運動設計装置の一形態を示す。本形態の車両運動設計装置1は、車両の運動性能に関する物理パラメータ群と、その運動性能に対する乗員の感性評価を示す心理パラメータ群とを定量的に結び付け、一方のパラメータが他方のパラメータに与える影響を評価して装置のユーザに提示する装置である。このような機能を実現するため、本形態の車両運動設計装置1は、感性心理モデルデータベース2と、車両運動感性心理モデル演算部(以下、モデル演算部と略称する。)3と、車両運動値入出力部4と、感性評価値入出力部5と、車格・ユーザ層指定部6とを備えている。これらの構成は、単一のコンピュータ、又はネットワークで接続されたコンピュータ群を利用して実現される。
感性心理モデルデータベース2は、車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと、その車両の運動性能に関する乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えたデータベースである。物理パラメータとしては、車両の前後、左右、上下方向の加速度、それらの加速度を時間により微分して得られる加々速度(ジャーク)、車両のロール、ピッチ、ヨーの角速度、あるいはそれらの角加速度、車両に搭載されたエンジンの音圧(又は音色)、走行時の音圧(又は音色)、座席のシートバックに加わる圧力(又は荷重)、その圧力の変化、乗員(一例として運転者)の頭部ピッチ角等がある。これらの例からも明らかなように、本発明における物理パラメータは、車両の運動そのものを決定付ける物理量に限らず、乗員が運動性能の一種として捉え得る各種の物理量を含む。一方、心理パラメータとしては、加速感、加速の伸び感、快適感、爽快感、軽快感、高級感、重量感、安定感、上質感、安心感等がある。これらの心理パラメータは、車両の運動性能を乗員がその感性で表現する際の指標として使用される各種の用語に対応する。
図2は感性心理モデルの一例を示す。感性心理モデルは、複数の物理パラメータと複数の心理パラメータとがノードとしてネットワーク状に配置され、関連するノード同士がリンクで接続され、リンクに対して、ノード間の関連度の強さに応じた重み係数が付けられることにより、物理パラメータと心理パラメータとの関係が定量的に表現された形式を持つ。図2では、上述した物理パラメータに対応するノードが左端に配置され、心理量に最も近いパラメータノードが右端に配置されている。それらのパラメータノード間では、物理量に近いほどパラメータノードが左側に配置される。リンク間の重みは線の太さで示されており、太いほど重みが大きい。例えば、物理パラメータとしての前後ジャークはトルク特性、シート形状とリンクを持ち、前後ジャークとトルク特性とを結ぶリンクの重みは前後ジャークとシート形状とを結ぶリンクのそれよりも大きい。このような感性心理モデルを構築することにより、入力と出力との関係を可視化して車両運動設計装置1のユーザに入力値と出力値との関係を明確に提示することが可能となる。なお、本発明における心理パラメータは図2の右端に配置されたパラメータに限らず、心理的要素を含む限りにおいて、中間のパラメータノードとして配置されるパラメータも心理パラメータに含まれ得る。例えば、図2の「衰えない」、「どんどん加速する」といったパラメータノードは心理パラメータの一種である。
図2に例示した感性心理モデルは、車両の車格及びユーザ層毎に個別に作成されて感性心理モデルデータベース2にそれぞれ蓄えられる。車格は、例えばコンパクトクラス、ミドルクラス、アッパークラス、スポーツクラスといったクラス別、排気量別、車両の開発コンセプト別等の適宜の指標に基づいて区分される。ユーザ層は、若年層男性、若年層女性、中年層男性、中年層女性、高齢層男性、高齢層女性といった年齢層別及び性別、職業別、国又は地域別、収入別等といった適宜の指標に基づいて区分される。
次に、感性心理モデルの構築手順について述べる。なお、上記のように、感性心理モデルは車格、ユーザ層毎に構築されるめ、以下の手順は車格及びユーザ層別に実施される。まず、いわゆる評価グリッド法によるインタビュー調査を実施して感性心理モデルの原形となるネットワーク構造(評価構造図と呼ばれる。)を製作する。評価構造図は、評価に用いられた言葉である「評価語」をノードとし、各評価語ノードがリンクにて接続された構造をとる。ノードとして配置される評価語はインタビュー調査で得られた言葉から適宜に抽出される。なお、評価グリッド法を紹介する文献としては、例えば、「レパートリー・グリッド発展手法による住環境評価構造の抽出」(讃井純一郎著、日本建築学科計画系論文報告集、No.367、第15〜21頁、1986年発行)がある。
次に、評価構造図内に配置された評価語を用いて、評定尺度法によるアンケート調査を実施する。そのアンケート調査の結果と評価構造図とに基づいて、構造方程式モデリング(例えば「共分散構造分析 入門編」(豊田秀樹著、朝倉書店、1998年発行)に詳しい。)の手法を用いて評価構造図内に配置された各ノードを結ぶリンクの重み係数を求める。あるいは、ベイジアン・ネットワークの手法を用い、重み係数として、条件付き確率を求めてもよい。以上によって得られたノード、ノード間リンク及びリンクの重み係数(条件付き確率)を所定のフォーマットでデータ化することにより感性心理モデルが構築される。なお、上記の手順から明らかなように、感性心理モデルは、車格、ユーザ層毎にインタビュー調査、アンケート調査を通じて個別に作成されるため、ノードの配置、ノードの評価語、重み係数は車格、あるいはユーザ層毎に異なる。一方、車格及びユーザ層が共通であれば同一の感性心理モデルを使用することができる。つまり、評価対象の車両毎に感性心理モデルを別々に用意する必要はない。
図1に戻って、モデル演算部3は、車両運動値入出力部4から入力される物理パラメータの値に基づいて、感性心理モデルを参照しつつ物理パラメータの入力値に対応する心理パラメータの値を演算し、演算された心理パラメータの値を運動性能に関する乗員の感性評価値として感性評価値入出力部5に出力する。また、モデル演算部3は、感性評価値入出力部5から入力される心理パラメータの値に基づいて、感性心理モデルを参照しつつ心理パラメータの入力値に対応する物理パラメータの値を演算し、演算された物理パラメータの値を運動性能に関する物理的な評価値として車両運動値入出力部4に出力する。演算手順は後述する。
車両運動値入出力部4は、モデル演算部3に対して上述した物理パラメータの値を入力する入力インターフェース、及びモデル演算部3から評価値として出力される物理パラメータの値を受け取ってユーザに出力する出力インターフェースを備えている。感性評価値入出力部5は、モデル演算部3に対して心理パラメータの値を入力する入力インターフェース、及びモデル演算部3から感性評価値として出力される心理パラメータの値を受け取ってユーザに出力する出力インターフェースを備えている。各入出力部4、5において、パラメータの値の入力は、モニタ上への入力画面の表示と、キーボード、マウス等の適宜のハードウエア入力装置との組み合わせによって実現することができる。装置1のユーザへのパラメータの値の出力は、一例として不図示のモニタへの演算結果の表示によって実現される。
車格・ユーザ層指定部6は、評価対象となる車両の車格及びユーザ層を指定する情報を入力する入力インターフェースを備えている。ユーザ層は、評価対象車両を開発するに際して、車両の購買層として意図されたユーザ層である。モデル演算部3はこの車格・ユーザ層指定部6にて指定された車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルを感性心理モデルデータベース2から選択して所定の演算を実行する。
図1において、車両運動値入出力部4、感性評価値入出力部5及び車格・ユーザ層指定部6はそれぞれ互いに独立した論理的装置として示されているが、それらのインターフェース機能は互いに独立して設けられてもよいし、統合されてもよい。本形態の車両運動設計装置1では、これらのインターフェース機能を図3に示すインターフェース画面10に統合している。インターフェース画面10には、車両運動値入出力エリア11と、感性評価値入出力エリア12と、演算指示エリア13と、モデル表示エリア14とが設けられている。
車両運動値入出力エリア11は、車両運動値入出力部4のインターフェースに対応する部分である。そのエリア11には、評価対象項目選択部110と、パラメータ入力・表示部111とが設けられている。評価対象項目選択部110には、右端のボタン110aのクリック操作に対応して、運動性能に関する評価対象項目の候補がいわゆるプルダウンメニュー形式で表示される。図3の例では、加速開始から2秒後の物理パラメータが評価対象項目として選択されたことを意味する「加速時(開始2秒後)」の文字が評価対象項目選択部110に表示されている。
パラメータ入力・表示部111には、評価対象項目選択部110にて選択された評価項目に対して予め定められた複数の物理パラメータをそれぞれ表現する評価語と、各物理パラメータの入力値又は演算値を示す入力・表示枠111aとが一覧形式で設けられている。図3の例では、評価対象項目選択部110にて加速に関する性能が評価対象項目として選択されているため、加速性能に関連する物理パラメータの評価語として、パラメータ入力・表示部111には、「前後加速度」、「前後ジャーク」、「前後ピッチ」、「シートバック圧」、「頭部ピッチ」、「走行音圧」が表示されている。入力・表示枠111aは、ユーザがクリック操作して選択することにより、任意の数値(但し上限、下限が設定されている場合にはそれらの限度内)を入力可能なフィールドとして機能する。数値はキーボード等の入力装置にて入力することができる。但し、図3では未だパラメータが入力も出力もされていない初期状態におけるインターフェース画面10を示すため、入力・表示枠111aにはいずれも初期値の「0.00」が表示されている。
感性評価値入出力エリア12は、感性評価値入出力部5のインターフェースに対応する部分である。そのエリア12には、評価対象項目選択部120とパラメータ入力・表示部121とが設けられている。評価対象項目選択部120には、右端のボタン120aのクリック操作に対応して、感性評価の対象となる評価語の候補がいわゆるプルダウンメニュー形式で表示される。図3の例では、加速の伸び感が感性評価の対象として選択されたことを意味する「加速感(伸び感)」の語句が評価対象項目選択部120に表示されている。伸び感は図2に示す感性心理モデルにおいて右端の心理パラメータノードに配置される評価語に対応する。
図3のパラメータ入力・表示部121には、評価対象項目選択部120にて選択された評価項目に対して予め定められた複数の心理パラメータのそれぞれを表す評価語と、各心理パラメータの入力値又は演算値を示す入力・表示枠121aとが一覧形式で設けられている。図3の例では、評価対象項目選択部120にて加速の伸び感が評価対象項目として選択されているため、加速性能に関する心理パラメータを表わす評価語として、パラメータ入力・表示部121には、「どんどん加速」、「期待通り回転上昇」、「衰えない」、「スーッと出る」、「押し付けられる」、「高音が気持ちいい」の語句が表示されている。入力・表示枠121aは、ユーザがクリック操作して選択することにより、任意の数値(但し上限、下限が設定されている場合にはそれらの限度内)を入力可能なフィールドとして機能する。数値はキーボード等の入力装置にて入力することができる。但し、図3では未だパラメータが入力も出力もされていない初期状態におけるインターフェース画面10を示すため、入力・表示枠121aにはいずれも初期値の「0.00」が表示されている。
演算指示エリア13には、感性評価値変換ボタン130、車両運動値変換ボタン131、車格選択部132、ユーザ層選択部133、及びモデル表示ボタン134が設けられている。感性評価値変換ボタン130は、車両運動値入出力エリア11に入力された物理パラメータに対応する心理パラメータの評価値の演算をモデル演算部3に指示するためのクリック操作可能な入力ボタンである。車両運動値変換ボタン131は、感性評価値入出力エリア12に入力された心理パラメータに対応する物理パラメータの演算をモデル演算部3に指示するためのクリック操作可能な入力ボタンである。車格選択部132には、右端のボタン132aのクリック操作に対応して、車格の選択候補がいわゆるプルダウンメニュー形式で表示される。ユーザ層選択部133には、右端のボタン133aのクリック操作に対応して、ユーザ層の選択候補がいわゆるプルダウンメニュー形式で表示される。これらの選択部132、133は、図1の車格・ユーザ層指定部6のインターフェースに対応する。さらに、モデル表示ボタン134は、車格選択部132にて選択された車格、及びユーザ層選択部133にて選択されたユーザ層に対応する感性心理モデルをモデル表示エリア14に表示させるためのクリック操作可能な入力ボタンである。
モデル表示エリア14には、モデル表示ボタン134のクリック操作に対応して、選択された車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルが可視化されて表示される。感性心理モデルは、パラメータノードの配置、各ノードに対応する評価語、ノード間を結ぶリンク、及びリンクに付された重みがそれぞれ視覚を通じて把握できるような態様で表示される。リンクの太さは、一例として、重み付け(重み係数)が大きいほど太くなるように設定される。さらに、各パラメータノードには活性化量表示部140が設けられている。活性化量表示部140には、モデル演算部3が演算で使用した感性心理モデルに含まれる全てのノードの活性化量が表示される。ノードの活性化量については後述する。
次に、車両運動設計装置1の動作を説明する。まず、物理パラメータの値を入力して、これに対応する心理パラメータの値を感性評価値として出力させる場合について説明する。車両運動設計装置1のユーザが、評価対象となる車両の車格とユーザ層とを車格選択部132及びユーザ層選択部133にて選択すると、それらの選択結果は車格・ユーザ層指定部6からモデル演算部3へと引き渡される。モデル演算部3は、与えられた車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルを感性心理モデルデータベース2から読み込む。次に、ユーザが評価対象となる車両の運動性能に関する物理パラメータの値を車両運動値入出力エリア11に入力し、感性評価値変換ボタン130をクリック操作すると、車両運動値入出力部4からモデル演算部3に物理パラメータの入力値が引き渡される。なお、物理パラメータの入力値は、試作車両を用いて計測された値でもよいし、設計時に目標とする値でもよい。モデル演算部3は、物理パラメータの入力値を感性心理モデルの対応するノードに活性化量として当て嵌め、図2のモデルの左端から右端へ向かってリンクを辿りながら次式(1)を用いて各ノードの活性化量の演算を繰り返す。
Figure 2007261486
ここで、式(1)においてノードjの活性化量Aは、ノードjにリンクを持つn個のノードi(i=1〜n)の出力値、すなわち活性化量aとリンクの重み係数(又は条件付き確率)wijとの積の総和に、個人差等を含む誤差θを加えた値である。つまり、図4に示したように、ノードjの活性化量Aを演算する場合、そのノードjのリンク元となるn個のノードのそれぞれの活性化量をa〜aとしたとき、それらの活性化量とノード間のリンクに与えられたノード重み係数w1j、w2j……wnjとの積をノード毎に求め、得られた積の総和にさらにノードjに固有の誤差θを加えることにより、ノードjの活性化量Aが与えられる。
感性心理モデルの右端まで活性化量が演算されることにより、モデル演算部3による演算が終了する。そして、モデル演算部3は、演算された各ノードの活性化量(但し、物理パラメータの入力値として与えられた活性化量も含む。)を感性評価値入出力部5に出力して処理を終える。感性評価値入出力部5は、演算された活性化量のうち、感性評価値入出力エリア12のパラメータ入力・表示部121に表示されている心理パラメータに対応するノードの活性化量を感性評価値としてパラメータ入力・表示部121の入力・表示枠121aに表示する。また、感性評価値入出力部5は、モデル表示エリア14に表示された感性心理モデルの活性化量表示部140に、各ノードの活性化量を表示する。
一方、心理パラメータの値を入力して、これに対応する物理パラメータの値を運動性能の物理的な評価値として出力させる場合の動作は次の通りである。まず、車両運動設計装置1のユーザが車格及びユーザ層を指定すると、これに応答して感性心理モデルデータベース2から感性心理モデルがモデル演算部3に読み込まれる。装置1のユーザが心理パラメータの値を感性評価値入出力エリア12に入力し、車両運動値変換ボタン131をクリック操作すると、感性評価値入出力部5からモデル演算部3に心理パラメータの入力値が引き渡される。心理パラメータの入力値は、評価対象となる車両に対して設計者が持たせたいと考える感性的要素に基づいて適宜に定めることができる。つまり、目標とする感性評価値を適宜に設定し、それらの値を心理パラメータの値として入力すればよい。心理パラメータの入力値を受け取ったモデル演算部3は、心理パラメータの入力値を感性心理モデルの対応するノードの活性化量として当て嵌め、図2のモデルの右端から左端へ向かってリンクを辿りながら上式(1)を用いて各ノードの活性化量の演算を繰り返す。
感性心理モデルの左端まで活性化量が演算されることにより、モデル演算部3による演算が終了する。そして、モデル演算部3は、演算された各ノードの活性化量(但し、心理パラメータの入力値として与えられた活性化量も含む。)を車両運動値入出力部4に出力して処理を終える。車両運動値入出力部4は、演算された活性化量のうち、車両運動値入出力エリア11のパラメータ入力・表示部111に表示されている物理パラメータに対応するノードの活性化量を運動性能に関する物理的な評価値としてパラメータ入力・表示部111の入力・表示枠111aに表示する。また、車両運動値入出力部4は、モデル表示エリア14に表示された感性心理モデルの活性化量表示部140に、各ノードの活性化量を表示する。
以上の車両運動設計装置1によれば、試作車両が存在しない開発コンセプトの提案段階、あるいは設計段階であっても、車両運動性能に関するおおよその物理パラメータの値が決まれば、それらの物理パラメータの値を入力して感性評価値を出力させることにより、車両の運動性能に対する車両のユーザの感性評価を予想することができる。あるいは、車両のユーザに訴えかけたいコンセプト又は感性が決まれば、それらを定量化して感性評価値として入力することにより、目標とするコンセプト又は感性を表現するために必要となる物理パラメータの値を出力させ、その出力値を車両の運動設計の指標として活用することができる。
加えて、感性心理モデルにおいて、評価語それ自体がノードとされ、ノード間を結ぶリンクに重みが付与されることにより、物理パラメータと心理パラメータとの関係が定量的に表現されているので、両者の関係を明確に把握することができる。従って、入力値に対して、如何なる過程を経て出力値が演算されたかを理解することが可能であり、入力値の変化に対する出力値の変化を予想することが可能となる。これにより、目標とする評価値(出力値)を得るためには入力値をどのように変化させればよいか、を予想することができる。このため、試行錯誤的な入力作業を不要として、車両運動性能の設計に要する工数、費用を削減することができる。
特に、インターフェース画面10において、感性心理モデルの構造、つまりノードの配置、ノードに対応する評価語、ノード間を結ぶリンクの状態、リンクの重み係数を可視的に出力し、かつ、演算された各ノードの活性化量をも併せて可視的に出力することにより、入力値から出力値に至るまでの演算過程を装置1のユーザに明確に提示することができる。このため、装置1のユーザは、ノードの活性化量あるいはリンクの重み係数を参照しつつ、出力値を目標値へと一致させ、あるいは近付けるためにはどの入力値をどのように操作すればよいか、あるいは、入力値をどの程度変化させたときに出力値にどのような影響が生じるかを予想しつつ入力作業を行うことができる。これにより、設計作業の工数及び費用のさらなる削減を図ることが可能となる。感性心理モデルを利用して感性評価値を得るようにしているので、評価者の感性のゆらぎに影響されることなく、客観的な感性評価が行える利点もある。
さらに、感性心理モデルが、車両のユーザに対するインタビュー調査及びアンケート調査を踏まえて構築されているため、テストドライバーのような専門家の感性に依存することなく、実際の購買層の感性評価を踏まえた運動設計を行うことができる。
上述した第1の形態においては、車両運動値入出力部4及び感性評価値入出力部5のそれぞれが入力部及び出力部に相当する。また、車両運動値入出力部4が車両運動値入力部及び車両運動値出力部に相当し、感性評価値入出力部5が感性評価値入力部及び感性評価値出力部に相当する。さらに、車格・ユーザ層指定部6がモデル指定部に相当する。但し、本発明の車両運動設計装置は上記形態の構成に限らず、適宜の変更が可能である。例えば、入出力部4、5は入力部及び出力部に分けて設けてもよい。本発明の車両運動設計装置は、物理パラメータ又は心理パラメータのいずれか一方のみを入力値とし、他方のみを評価値として出力させる、いわば一方向のみの演算を行うものであってもよい。つまり、入力部4、5のいずれか一方を入力部のみ、他方を出力部のみとして車両運動設計装置を構成してもよい。車両運動設計装置が適用される設計作業が特定の車格・ユーザ層に限定される場合、感性心理モデルデータベースにはその車格・ユーザ層に対応した感性心理モデルのみを蓄えるようにしてもよい。車格・ユーザ層に応じた感性心理モデルの差が無視し得る程に小さい場合には、複数の車格・ユーザ層間で共通の感性心理モデルを利用してもよい。車両運動設計装置のユーザに対して感性心理モデルの構造及び活性化量を可視的に出力する態様は、画面表示による例に限らず、印刷出力等でもよい。
[第2の形態]
図5は本発明に係る車両運動制御装置の一形態を示す。本形態の車両運動制御装置21は、制御対象となるべき車両に実装され、かつ、上述した感性心理モデルを利用して、車両の乗員が入力した感性評価値に対応する物理パラメータを演算し、得られた物理パラメータに基づいて車両の運動性能を制御することにより、乗員が希望する運動性能を実現する装置である。このような機能を実現するため、本形態の車両運動制御装置21は、感性心理モデルデータベース22と、車両運動感性心理モデル演算部(以下、モデル演算部と略称する。)23と、感性評価値入力部24と、車両運動値出力部25と、車両運動値制御部26とを備えている。
感性心理モデルデータベース22は、上述した第1の形態のデータベース2と同様に、車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えたものである。感性心理モデルの構造及び構築手法は第1の形態と同様でよい。但し、本形態の装置21は車両に実装されることから、その車両の車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルのみを感性心理モデルデータベース22に蓄えておけばよい。モデル演算部23は、感性評価値入力部24から入力される心理パラメータの値に基づいて、感性心理モデルを参照しつつ心理パラメータの入力値に対応する物理パラメータの値を演算し、演算された物理パラメータの値を運動性能の物理的な評価値として車両運動値出力部25に出力する。要するに、モデル演算部23は、第1の形態のモデル演算部3が備える機能のうち、感性評価値入出力部5からの心理パラメータ(感性評価値)の入力に応答して、車両運動値入出力部4に物理パラメータの演算結果を出力する機能を備えたものである。モデル演算部23における演算手順は第1の形態で説明した通りである。
感性評価値入力部24は、第1の形態の感性評価値入出力部5が備える機能のうち、心理パラメータの入力のために必要なインターフェース機能を備えたものである。感性評価値入力部24によって実現されるインターフェースの具体例は後述する。車両運動値出力部25は、演算部23にて演算された物理パラメータを受け取り、これを車両運動値制御部26に出力する機能を備えている。車両運動値制御部26は、車両運動値出力部25から物理パラメータを受け取り、それらの物理パラメータによって決定付けられる運動性能を実現するために必要な車両の制御方法を決定し、その決定された制御方法に従って物理パラメータを加工し、加工されたパラメータを、運動性能に関する制御指令として車両の各部の制御コンピュータに引き渡す。制御コンピュータは適宜に選択してよいが、図示の形態では、車両運動値制御部26からの制御指令を受け取る制御コンピュータとして、エンジン制御コンピュータ27、変速装置制御コンピュータ28及び懸架装置制御コンピュータ29が車両運動値制御部26に接続されている。これらの制御コンピュータ27〜29は、いずれも車両の運動性能に関係する制御対象機器(エンジン、変速装置、及び懸架装置)を制御する運動制御実行部に相当する。
エンジン制御コンピュータ27は、車両に搭載されたエンジンの燃料噴射量、燃料噴射時期、吸気弁の動弁特性(リフト量、作用角、あるいは開弁及び閉弁のタイミング)、過給機の過給圧といったエンジンの運転状態を目標とする状態に制御するためのコンピュータユニットである。変速装置制御コンピュータ28は、車両のエンジンと駆動輪との間に介装された変速装置の変速段、変速タイミング等を制御するためのコンピュータユニットである。懸架装置制御コンピュータ29は、車両の懸架装置の減衰力、車高等を車両の前後左右方向にそれぞれ独立して制御するためのコンピュータユニットである。以上の他にも、車両の運動性能に関係する制御対象機器を制御するためのコンピュータであれば、車両運動値制御部26からの制御指令を受け取る運動制御実行部として適宜に追加してよい。例えば、車両の前後輪への駆動力配分を制御可能な駆動力制御システムを搭載した車両であれば、その駆動力配分を制御するためのコンピュータを車両運動値制御部26からの制御指令に基づいて動作させてもよい。発電機等のエンジン補機類の駆動負荷、あるいは空調装置の駆動負荷を制御するためのコンピュータ等を車両運動値制御部26からの制御指令に基づいて動作させてもよい。
次に、図6及び図7を参照して、感性評価値入力部24に設けられる入力インターフェースの一例を説明する。この例では、図6に示すように、乗員の手が届く位置、例えば運転席のステアリングホイール200の側方のセンタコンソール上等にタッチパネル式のディスプレイ210が設けられている。そのディスプレイ210上には、図7に示すインターフェース画面211が表示される。インターフェース画面211では、入力項目として用意された複数の心理パラメータにそれぞれ対応する評価語が横一列に並べて表示されるとともに、各心理パラメータの値、つまり感性評価値を設定するための設定器212が評価語に1:1に対応付けて表示されている。設定器212には、上下方向に仮想的に操作可能なスライダ213が設けられており、そのスライダ213の上下方向の位置が心理パラメータの設定値に対応する。例えば、スライダ213が上方に操作されるほど心理パラメータの設定値が増加する。感性評価値入力部24は、スライダ213の上下方向の位置を認識して乗員が希望する心理パラメータの値を特定し、その特定した値を感性評価の入力値として演算部23に出力する。なお、図7では加速感に関する感性評価値を入力させる例を示すが、他の種類の感性評価値を入力させる場合には、ディスプレイ210に表示されるインターフェース画面211を切り替えればよい。感性評価値入力部24は、インターフェース画面を利用して感性評価値、つまり心理パラメータの値を入力させるものに限らず、物理的な入力装置を用いて感性評価値を入力させるものでもよい。
次に、本形態の車両運動制御装置21の動作を説明する。車両の乗員、例えば運転者がその車両に関して自らが希望する運動性能に従って感性評価値入力部24に心理パラメータの値(感性評価値)を入力すると、その入力値が感性評価値入力部24からモデル演算部23に引き渡される。モデル演算部23は、心理パラメータの入力値を感性心理モデルに当て嵌めて、図2のモデルの右端から左端へ向かってリンクを辿りながら上式(1)を用いて各ノードの活性化量の演算を繰り返す。
感性心理モデルの左端まで活性化量が演算されることにより、モデル演算部23による演算が終了する。そして、モデル演算部23は、演算された各ノードの活性化量を車両運動値出力部25に出力して処理を終える。車両運動値出力部25は、演算された活性化量のうち、物理パラメータに対応するノードの活性化量を運動性能に関する物理的な評価値として車両運動値制御部26に出力する。車両運動値制御部26に与えられる評価値は、乗員が感性評価値として入力した運動性能を実現するために必要な物理パラメータの値に相当し、車両運動値制御部26はそれらの物理パラメータの値に基づいて車両の運動制御方法を決定する。
すなわち、車両運動値制御部26は、与えられた物理パラメータの値を車両の運動性能の制御に関する目標値として取り込み、その目標値を達成するために、エンジン制御コンピュータ27、変速装置制御コンピュータ28又は懸架装置制御コンピュータ29の全て、又はいずれかのコンピュータを用いて車両の運動性能を最適に制御する方法を決定する。そして、車両運動値制御部26は、決定された制御方法に従って車両運動値出力部25から与えられた物理パラメータを加工し、加工されたパラメータを、運動性能に関する制御指令として制御コンピュータ27〜29の全て又は一部に与える。
車両運動値制御部26から制御指令を与えられた制御コンピュー27〜29が、その制御指令に従ってエンジンの運転状態を制御し、変速装置の動作を制御し、あるいは懸架装置の動作を制御することにより、乗員が入力した感性評価値に合致するように車両の運動性能が調整される。例えば、図7に示すインターフェース画面211において、乗員が加速感に関して、「スーッと出る感じ」をより強調すべくスライダ213を操作した場合、図2の感性心理モデルにおいて、「トルク特性」、「足回りの設計」と表現されたパラメータノードの活性化量が増加し、それらとリンクを持つ物理パラメータである「前後加速度」、「前後ジャーク」及び「前後ピッチ」の値が増加する。車両運動値制御部26はこれらの物理パラメータの値の増加に対して、例えば加速初期段階においてトルクがより大きく上昇するようにエンジンのトルク制御手順を変更し、かつ、さらなる加速感を演出すべく加速初期段階における前後ピッチ角を増加させる必要があると判断し、これらの制御を実現するための制御方法として、加速初期段階におけるエンジンのトルク制御マップの変更、及び懸架装置のショックアブソーバに与える油圧の制御マップの変更といった操作を制御指令としてエンジン制御コンピュータ27及び懸架装置制御コンピュータ29に出力する。制御指令を受けたエンジン制御コンピュータ27及び懸架装置制御コンピュータ29は、制御指令に従って制御内容を変更し、加速の「スーッと出る感じ」が強調されるように、加速初期におけるエンジンの燃料噴射量、過給機の過給特性等の制御則、あるいは懸架装置の後輪側ショックアブソーバの油圧等の制御則を変更する。変速装置制御コンピュータ28の変速タイミングを変更することにより加速に関する運動性能を変化させてもよい。
以上の車両運動制御装置21によれば、車両の構造、あるいは各種の制御システムの構成に精通していない乗員であっても、運動性能を感性で評価する際に使用される一般的な用語である評価語に従って運動性能に関する要求を入力することにより、自己が希望する運動性能が実現されるように車両の運動性能に関する制御内容を変化させることができる。従って、乗員の好み、あるいは気分に応じて車両の運動性能を容易に最適化することができ、乗員の満足感を高めることができる。
[第3の形態]
図8は本発明に係る車両運動制御装置の他の形態を示す。なお、本形態の装置も制御対象となる車両に実装されるものである。図8において、上述した第2の形態と共通する部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本形態の車両運動制御装置31は、乗員が入力した感性評価値に基づいて、感性心理モデルデータベース22に蓄えられた感性心理モデルを参照しつつ物理パラメータの値を演算し、その物理パラメータの値に従って運動性能の制御内容を変化させる点で第2の形態と共通する。一方、運動制御装置31においては、制御された運動性能を計測して再評価し、その再評価で得られた感性評価値と乗員が実感する感性評価値との差分に応じて感性心理モデル及びモデル演算部に与える感性評価値を修正することにより、乗員の感覚にマッチした運動性能の実現を図る点で第2の形態と相違する。このような機能を実現するため、本形態の車両運動制御装置31は、第2の形態と同様の感性心理モデルデータベース22に加えて、車両運動感性心理モデル演算部(以下、モデル演算部と略称する。)33と、車両運動値入出力部34と、感性評価値入出力部35と、車両運動値計測部36と、感性評価値差分入力部37と、モデル修正演算部38とを備えている。車両運動値入出力部34には、物理パラメータの出力先として第2の形態と同様の車両運動値制御部26が接続され、その車両運動値制御部26には、運動制御実行部として、各種の制御コンピュータ27〜29が接続されている。
モデル演算部33は、第1の形態のモデル演算部3と同様に、感性心理モデルを利用して物理パラメータの入力値に対応する心理パラメータの値(感性評価値)の演算、及び心理パラメータの入力値に対応する物理パラメータの値の演算を実行する。車両運動値入出力部34は、モデル演算部33及びモデル修正演算部38に対して物理パラメータの値を入力する入力インターフェース、及びモデル演算部33から運動性能の物理的な評価値として出力される物理パラメータの値を受け取って車両運動値制御部26に出力する出力インターフェースを備えている。感性評価値入出力部35は、モデル演算部33に対して、目標とする感性評価値の値、つまり心理パラメータの値を入力する入力インターフェース、及びモデル演算部33から運動性能に関する感性評価値として出力される心理パラメータの値を受け取って車両のユーザ(乗員)に出力する出力インターフェースを備えている。
車両運動値計測部36は、車両運動値入出力部34に対して物理パラメータの値を入力するための手段として設けられている。すなわち、車両運動値計測部36は、感性心理モデルにおいて物理パラメータとして用意されている前後加速度、前後ジャークといった各種の物理量を、装置31が搭載された車両において計測するための各種のセンサ、増幅器、フィルタ等を含む計測装置として構成されている。但し、ここでいう物理量の計測は、センサ等の出力値に基づいて推定する場合も含む。
感性評価値差分入力部37は、モデル演算部33にて演算された心理パラメータの値(感性評価値)に対して乗員が実感する感性評価値に差があるときに、乗員がその実感に基づく感性評価値を入力するためのインターフェースを備えている。モデル修正演算部38は、車両運動値入出力部34から与えられる物理パラメータの値と、感性評価値差分入力部37から与えられる乗員の実感に基づく感性評価値と基づいて、感性評価値入出力部35に出力された感性評価値と感性評価値差分入力部37に入力された感性評価値との差分が減少(解消も含む。)するように感性心理モデルを修正する。
図8において、感性評価値入出力部35及び感性評価値差分入力部37は互いに独立した論理的装置として示されているが、それらのインターフェース機能は互いに独立して設けられてもよいし、統合されてもよい。本形態の車両運動制御装置31では、これらのインターフェース機能を図9に示すインターフェース画面300に統合している。インターフェース画面300は、図7に示したインターフェース画面211と同様に、センターコンソール上等、乗員の手が届く位置に設置されたディスプレイ上に表示される。インターフェース画面300では、評価対象の感性評価値に対応した評価語が横一列に並べて表示されるとともに、各心理パラメータの値、つまり感性評価値の演算値(モデル演算部33からの出力値)及び乗員が実感する感性評価値を入力するための設定・表示部310が評価語に1:1に対応付けて表示されている。設定・表示部310には、上下方向に仮想的に移動可能な第1スライダ311及び第2スライダ312が設けられている。第1スライダ311はモデル演算部33にて演算される感性評価値を示すために設けられ、第2スライダ312は乗員が実感する感性評価値を入力するために設けられている。
第1スライダ311の上下方向の位置は、モデル演算部33から感性評価値入出力部35に出力された感性評価値の大小に応じて変化する。つまり、感性評価値入出力部35は、モデル演算部33から出力された感性評価値に応じて第1スライダ311の位置を変化させることにより、感性評価値の演算結果を乗員に対して可視的に出力する。一方、第2スライダ312の上下方向の位置は、乗員により適宜に変更可能である。従って、両スライダ311、312の上下方向のずれ量が、モデル演算部33から出力された感性評価値(計測値に基づく感性評価値)と乗員が実感する感性評価値との差分に相当する。なお、第1スライダ311と第2スライダ312との識別を可能とするため、図9では第2スライダ312に「実感」の語句が表記されている。その他にも色彩、形状等によりスライダを識別可能としてもよい。
なお、図9では加速感に関する感性評価値を出力し、かつ加速感に関する実感としての感性評価値を入力させる例を示すが、他の種類の感性評価値を入出力させる場合には、ディスプレイ210に表示されるインターフェース画面300を切り替えればよい。乗員による実感を入力させるためのインターフェースは図9の例に限らず、物理的なレバー、ダイヤル等の入力装置を用いるものでもよい。
次に、本形態の車両運動制御装置31の動作を説明する。本形態の車両運動制御装置31では、車両の走行中において、感性心理モデルに含まれている物理パラメータに対応する物理量が車両運動値計測部36にて計測され、それらの計測値が物理パラメータの入力値として車両運動値入出力部34を介してモデル演算部33に適宜入力される。モデル演算部33は、物理パラメータの入力値を感性心理モデルの対応するノードに活性化量として当て嵌めて、図2のモデルの左端から右端へ向かってリンクを辿りながら上式(1)を用いて各ノードの活性化量の演算を繰り返す。
感性心理モデルの右端まで活性化量が演算されることにより、モデル演算部33による演算が終了する。そして、モデル演算部33は、演算された各ノードの活性化量を感性評価値入出力部35に出力して処理を終える。感性評価値入出力部35は、演算された活性化量のうち、図9のインターフェース画面300に表示されている評価語に対応する活性化量に基づき、第1スライダ311の位置を変化させることにより、感性評価値を車両の乗員に対して可視的に出力する。
感性評価値の出力に対して、乗員が自ら実感した感性評価値に応じて第2スライダ312の位置を調整すると、感性評価値差分入力部37は、その第2スライダ312の位置に対応する感性評価値を感性評価値入出力部35及びモデル修正演算部38に出力する。感性評価値差分入力部37から乗員の実感に基づく感性評価値が出力されると、モデル修正演算部38は、車両運動値入出力部34から受け取った物理パラメータの入力値と、感性評価値差分入力部37から受け取った感性評価値とのセットを用いて、感性心理モデルデータベース22に蓄えられた感性心理モデルを修正する。その修正は、車両運動値入出力部34から与えられた物理パラメータの入力値に対応してモデル演算部33が演算した感性評価値と、感性評価値差分入力部37にて入力された乗員の実感に基づく感性評価値との差分が減少(解消も含む。)するように行われる。すなわち、感性心理モデルの物理パラメータに対応するノードに対して、車両運動値入出力部34から与えられた物理パラメータの入力値を活性化量として当て嵌め、感性心理モデルの心理パラメータに対応するノードに対して感性評価値差分入力部37から与えられた感性評価値を活性化量として当て嵌め、これらの活性化量の関係に矛盾が生じないようにリンクの重み係数を再計算する。但し、差分を減少させるために、ノードに与えられた誤差を修正してもよい。
一方、感性評価値入出力部35は、モデル演算部33から受け取った感性評価値と、感性評価値差分入力部37から受け取った感性評価値との差分を検出し、その差分に応じて、モデル演算部33から受け取った感性評価値を修正し、修正後の感性評価値を心理パラメータの入力値(目標とする感性評価値)としてモデル演算部33に出力する。例えば、モデル演算部33にて演算された感性評価値よりも実感に基づく感性評価値の方が小さい(低い)場合には、演算された感性評価値をそれらの差分に応じた程度に大きく(高く)設定してモデル演算部33に出力する。モデル演算部33にて演算された感性評価値よりも実感に基づく感性評価値の方が大きい場合には、演算された感性評価値を僅かに小さく設定し、あるいはそのまま修正せずにモデル演算部33に出力する。
感性評価値入出力部35から修正後の感性評価値を受け取ったモデル演算部33は、その感性評価値に対応するパラメータノードの活性化量を修正後の感性評価値に変更し、感性心理モデルの右端から左端へとリンクを辿りながら上式(1)の演算を繰り返して各ノードの活性化量を演算する。感性心理モデルの左端まで演算が終了すると、モデル演算部33は感性心理モデルの左端のノードの活性化量を物理パラメータの演算値として車両運動値入出力部34に出力する。車両運動値入出力部34は、モデル演算部33から与えられた物理パラメータの値を車両運動値制御部26に出力する。そして、車両運動値制御部26が、与えられた物理パラメータに応じた制御指令を制御コンピュータ27〜29の全部又は一部に出力することにより、乗員の実感に基づく感性評価値を反映した車両の運動性能の制御が実現される。
以上の車両運動制御装置31によれば、上述した第2の形態と同様の作用効果に加えて、以下に述べる作用効果も奏する。モデル演算部33にて演算された感性評価値に対して、乗員が実感する感性評価値を入力させ、それらの差分が減少するように感性心理モデルを修正しているため、その修正が繰り返されることにより、感性心理モデルにて表現された物理パラメータと心理パラメータとの定量的な関係を車両の乗員の感性に合致したものへと変化させることができる。これにより、乗員の感性評価に則した車両運動性能を容易かつ的確に作り出せるように車両運動制御装置31を構成することができる。また、車両の実際の運動性能を計測し、その計測値を物理パラメータの入力値としてモデル演算部33に与えて感性評価値を演算し、その演算結果を乗員に可視的に出力しているため、乗員に示される感性評価値は、車両の運転者の操縦によって生み出された運動性能が、その車両の一般的なユーザ、つまり感性心理モデルを構築する上で想定されたユーザの感性でどのように評価されるか、という指標としての意味を持つ。従って、運転者が感性評価値入出力部35によって提示される感性評価値を参照することにより、自己の運転の良し悪しを客観的に判断することができる。これにより、荒い運転を改めるきっかけを運転者に与える等、モデル演算部33にて演算された感性評価値を運転に対するアドバイスとしても活用することができる。
上述した第3の形態においては、車両運動値入出力部34が車両運動値入力部及び車両運動値出力部に相当し、感性評価値入出力部35が感性評価値入力部及び感性評価値出力部に相当する。但し、これらの入出力部34、35のそれぞれを入力部及び出力部に分けて設けてもよい。
本発明は上述した各形態に限られず、種々の形態にて実施することができる。例えば、物理パラメータ、又は心理パラメータは各形態で示した例に限定されることなく、適宜に変更してよい。パラメータを入力し、又は出力するためのインターフェースも上記形態に限ることなく、適宜の構成を採用してよい。入力インターフェースと出力インターフェースとを明確に分離してもよい。
本発明の車両運動設計装置の一形態を示す機能ブロック図。 感性心理モデルの一例を示す図。 物理パラメータ及び心理パラメータを入力及び出力するためのインターフェース画面の一例を示す図。 感性心理モデルのノードにおける活性化量の演算方法を説明するための図。 本発明の車両運動制御装置の一形態を示す機能ブロック図。 感性評価値を入力するためのインターフェースの配置を示す図。 感性評価値を入力するためのインターフェース画面の一例を示す図。 本発明の車両運動制御装置の他の形態を示す機能ブロック図。 感性評価値の入力及び出力、並びに感性評価値の差分を入力するためのインターフェース画面の一例を示す図。
符号の説明
1 車両運動設計装置
2 車両運動感性心理モデルデータベース
3 車両運動感性心理モデル演算部
4 車両運動値入出力部
5 感性評価値入出力部
6 車格・ユーザ層指定部
21、31 車両運動制御装置
22 車両運動感性心理モデルデータベース
23 車両運動感性心理モデル演算部
24 感性評価値入力部
25 車両運動値出力部
26 車両運動値制御部
27 エンジン制御コンピュータ
28 変速装置制御コンピュータ
29 懸架装置制御コンピュータ
34 車両運動値入出力部
35 感性評価値入出力部
36 車両運動値計測部
37 感性評価値差分入力部
38 モデル修正演算部

Claims (13)

  1. 車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと、前記運動性能に関する乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えた感性心理モデルデータベースと、
    前記物理パラメータ又は前記心理パラメータのうち、いずれか一方のパラメータの値を入力するための入力部と、
    前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記入力部に入力されたパラメータの値に対応する他方のパラメータの値を評価値として演算する車両運動感性心理モデル演算部と、
    前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された評価値を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする車両運動設計装置。
  2. 前記入力部として、前記物理パラメータの値を入力するための車両運動値入力部が設けられ、前記出力部として、前記心理パラメータの値を前記評価値として出力する感性評価値出力部が設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記車両運動値入力部に入力された物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を評価値として演算する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両運動設計装置。
  3. 前記入力部として、前記心理パラメータの値を入力するための感性評価値入力部が設けられ、前記出力部として、前記物理パラメータの値を前記評価値として出力する車両運動値出力部が設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性評価値入力部に入力された心理パラメータの値に対応する前記物理パラメータの値を評価値として演算する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両運動設計装置。
  4. 前記感性心理モデルは、前記物理パラメータ及び前記心理パラメータがノードとしてネットワーク状に配置され、関連するノード同士がリンクで接続され、前記リンクに対して、前記ノード間の関連度の強さに応じた重み係数が付されることにより、前記物理パラメータと前記心理パラメータとの関係が定量的に表現された形式を有している、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両運動設計装置。
  5. 前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記入力部に入力されたパラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記入力されたパラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記一方のパラメータに対応するノードから前記他方のパラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記他方のパラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記評価値として前記出力部に引き渡す、ことを特徴とする請求項4に記載の車両運動設計装置。
  6. 前記出力部は、前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記評価値とともに、前記車両運動感性心理モデル演算部が演算にて参照した感性心理モデルにおける前記ノードの配置、前記ノードを結ぶリンク、各リンクに付された重み係数、及び各ノードの活性化量を可視化して出力する、ことを特徴とする請求項5に記載の車両運動設計装置。
  7. 前記感性心理モデルデータベースには、評価対象の車両の車格及び該車両の購買層として意図されたユーザ層に応じて構築された複数の感性心理モデルが蓄えられ、前記車両運動感性心理モデル演算部に対して前記車格及びユーザ層を指定するモデル指定部がさらに設けられ、前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記モデル指定部によって指定された車格及びユーザ層に対応する感性心理モデルに基づいて前記評価値を演算する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両運動設計装置。
  8. 車両の運動性能に関する複数の物理パラメータと、前記運動性能に関する乗員の感性評価を示す複数の心理パラメータとの関係を定量的に表現した感性心理モデルを蓄えた感性心理モデルデータベースと、
    前記心理パラメータの値を、目標とする感性評価値として入力するための感性評価値入力部と、
    前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記入力部に入力された心理パラメータの値に対応する前記物理パラメータの値を演算する車両運動感性心理モデル演算部と、
    前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記物理パラメータの値を出力する車両運動値出力部と、
    車両の運動性能に関係する制御対象機器を制御する運動制御実行部と、
    前記車両運動値出力部から出力される前記物理パラメータの値に則した運動性能が得られるように、前記車両運動値出力部から出力される前記物理パラメータの値に基づいて前記運動制御実行部による前記制御対象機器の制御内容を変化させる車両運動値制御部と、
    を備えたことを特徴とする車両運動制御装置。
  9. 前記車両における前記物理パラメータの値を計測する車両運動値計測部と、
    前記車両運動値計測部による計測値を前記車両運動感性心理モデル演算部に前記物理パラメータの値として入力する車両運動値入力部と、を備え、
    前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記車両運動値入力部から入力された前記物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を演算可能であり、
    前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記心理パラメータの値を前記計測値に基づく感性評価値として可視化して出力する感性評価値出力部と、
    前記計測値に基づく感性評価値に対して乗員が実感する感性評価値を入力するための感性評価値差分入力部と、
    前記感性評価値差分入力部に前記感性評価値として入力された心理パラメータの値と、前記車両運動値入力部に前記計測値として入力された物理パラメータの値とに基づいて、前記計測値に基づく感性評価値と前記乗員が実感する感性評価値との間の差分が減少するように前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータと前記心理パラメータとの間の定量的な関係を修正するモデル修正演算部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の車両運動制御装置。
  10. 前記感性心理モデルは、前記物理パラメータ及び前記心理パラメータがノードとしてネットワーク状に配置され、関連するノード同士がリンクで接続され、前記リンクに対して、前記ノード間の関連度の強さに応じた重み係数が付されることにより、前記物理パラメータと前記心理パラメータとの関係が定量的に表現された形式を有している、ことを特徴とする請求項8に記載の車両運動設計装置。
  11. 前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性評価値入力部に入力された心理パラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記心理パラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記心理パラメータに対応するノードから前記物理パラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記物理パラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記物理パラメータの値として前記車両運動値出力部に引き渡す、ことを特徴とする請求項10に記載の車両運動設計装置。
  12. 前記車両における前記物理パラメータの値を計測する車両運動値計測部と、
    前記車両運動値計測部による計測値を前記車両運動感性心理モデル演算部に前記物理パラメータの値として入力する車両運動値入力部と、を備え、
    前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記感性心理モデルデータベースを参照して、前記車両運動値入力部から入力された前記物理パラメータの値に対応する前記心理パラメータの値を演算可能であり、
    前記車両運動感性心理モデル演算部にて演算された前記心理パラメータの値を前記計測値に基づく感性評価値として可視化して出力する感性評価値出力部と、
    前記計測値に基づく感性評価値に対して乗員が実感する感性評価値を入力するための感性評価値差分入力部と、
    前記感性評価値差分入力部に前記感性評価値として入力された心理パラメータの値と、前記車両運動値入力部に前記計測値として入力された物理パラメータの値とに基づいて、前記計測値に基づく感性評価値と前記乗員が実感する感性評価値との間の差分が減少するように前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータと前記心理パラメータとの間の定量的な関係を修正するモデル修正演算部と、
    をさらに備え、
    前記車両運動感性心理モデル演算部は、前記車両運動値入力部に入力された前記物理パラメータの値を前記感性心理モデルにおける前記物理パラメータに対応するノードに該ノードの活性化量として当て嵌めるとともに、前記物理パラメータに対応するノードから前記心理パラメータに対応するノードに向かって前記リンクを辿りつつ、各ノードに対してリンク元となるノードの活性化量と前記リンクの重み係数とに基づいて各ノードの活性化量の演算を繰り返し、前記心理パラメータに対応するノードに関して演算された活性化量を前記心理パラメータの値として前記感性評価値出力部に引き渡す、
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の車両運動制御装置。
  13. 前記感性評価値入力部は、前記感性評価値出力部から出力される前記計測値に基づく感性評価値と、前記感性評価値差分入力部から入力される前記乗員の実感する感性評価値との差分に基づいて、前記目標とする感性評価値を修正して前記車両運動感性心理モデル演算部に入力することを特徴とする請求項9又は12に記載の車両運動制御装置。
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