JP2003118458A - 着座走行疲労度評価方法、車両用シート評価方法及び車両用シート評価シミュレータ - Google Patents

着座走行疲労度評価方法、車両用シート評価方法及び車両用シート評価シミュレータ

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JP2003118458A
JP2003118458A JP2001312601A JP2001312601A JP2003118458A JP 2003118458 A JP2003118458 A JP 2003118458A JP 2001312601 A JP2001312601 A JP 2001312601A JP 2001312601 A JP2001312601 A JP 2001312601A JP 2003118458 A JP2003118458 A JP 2003118458A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行状態のシートに着座した人体に及ぼされる
疲労度を評価する着座走行疲労度評価方法を用いたシー
トの官能的評価技術を提供する。 【解決手段】人体が着座した際にシート3 に生じる人体
の背中付近に対応する部分のたわみ量と人体の大腿部付
近に対応する部分のたわみ量を測定するための変位セン
サ8 と、シートを車両走行状態にする振動装置4 と、車
両走行状態での人体の頭の2〜4Hz領域での左右加速
度変化率とシートの1〜2Hz領域での上下加速度を測
定するための加速度センサ7 と、測定された両たわみ量
と左右加速度変化率と上下加速度から人体の着座走行の
疲労度を算定する演算部54と、演算部の演算結果から車
両用シートの評価を行う評価部55とからなる車両用シー
ト評価シミュレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行状態の車両用
シートに着座した人体の疲労度を評価する着座走行疲労
度評価方法と、この着座走行疲労度を用いた車両用シー
ト評価方法及び車両用シート評価シミュレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両走行時の快適性を向上するため、長
時間運転しても疲れにくいシートの開発が求められてい
る。特に、腰痛などの身体的疲労を軽減することは、車
両シートの乗り心地の改善に大きな影響を与える。座り
心地といった快適性は人間の感覚であるので、試作シー
トに実際に被験者を座らせて車両を走行させ、走行後に
着座感覚や疲労感を評価シートに書き込んでもらうとい
う手法が採用されるが、そのような評価は被験者の主観
によって左右されがちで、評価結果の信頼性が低いとい
う問題があった。また、生体工学的には、従来から身体
的疲労の評価のために表面筋電図や体圧分布計による測
定を利用することはよく知られているが、被験者の負担
が大きいことから、純粋な着座走行による人体の疲労度
が得られにくいといった問題が生じてくる。さらに、何
らかの形で評価された着座走行疲労度と、その評価に用
いられた車両シートのたわみ量や振動特性などといった
クッション特性とを対比しながら解析することで、車両
シートの官能評価を行うことも考えられるが、簡易なや
り方にも係わらず信頼性よく着座走行疲労度を評価する
技術が存在していなかったことから、実現には至ってい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記実状に鑑み、本発
明の課題は、走行状態の車両用シートに着座した人体に
及ぼされる身体的疲労メカニズムを解明し、簡易な方法
で着座走行疲労度を評価する技術、及びそのような着座
走行疲労度評価技術を用いた車両シートの官能的な評価
技術を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による着座走行疲労度評価方法は、人体が着
座した際に車両用シートに生じるクッション特性を測定
するステップと、車両走行状態における人体又はシート
あるいはその両方の振動特性を測定するステップと、前
記クッション特性と振動特性から前記人体の着座走行の
疲労度を定量的に算定するステップとからなる。
【0005】この方法では、人体が着座した際に車両用
シートに生じるクッション特性、つまり人体−シート系
の静的な測定量と、車両走行状態における人体又はシー
トあるいはその両方の振動特性、つまり人体−シート系
の動的な測定量とを取得し、これらの測定量から前記人
体の着座走行の疲労度を定量的に算定する。この疲労度
の算定には、例えば、これらの測定量を入力とするとと
もに疲労度を出力とするニューラルネットモデリングを
用いることや、これらの測定量と疲労度との相関解析か
ら得られたアルゴリズムを用いることが可能である。
【0006】本発明の好適な実施形態の1つでは、前記
算定ステップにおいて、人体に対して測定された着座走
行の疲労度と前記クッション特性と前記振動特性から統
計学手法によって決定された演算式が用いられる。つま
り、前記クッション特性(静的な測定量)と前記振動特
性(動的な測定量)を変数とする疲労度の多変量関数を
採用することにより、非常に簡単にかつ迅速に疲労度が
得られることになる。
【0007】統計学手法によって決定される演算式の代
表的な例として、前記クッション特性と前記振動特性を
説明変数とし、前記疲労度を目的変数とする重回帰分析
より得られる重回帰式が挙げられる。説明変数として、
十分に高い寄与率を与える測定量を選定するならば、信
頼性の高い着座走行疲労度評価が実現する。
【0008】人体の着座走行疲労度に大きな影響を与え
る、クッション特性に含まれる測定量や振動特性に含ま
れる測定量は、本願発明者による実験と、実験結果の解
析を通じて最適なものが選択されるに至った。つまり、
本発明の好適な実施形態では、前記クッション特性とし
て人体の背中付近に対応する部分のたわみ量と人体の大
腿部付近に対応する部分のたわみ量が選ばれ、前記振動
特性として人体の頭の2〜4Hz領域での左右加速度変
化率とシートの1〜2Hz領域での上下加速度が選ばれ
ている。さらに、人体の疲労度を客観的に評価するもの
としてアドレナリン分泌変動量が採用されている。
【0009】上述したような方法で、特定の車両用シー
トに着座した人体の着座走行疲労度が高い信頼性をもっ
て得られるならば、この得られた疲労度から車両用シー
トの官能的な評価が可能となる。疲労度ができるだけ小
さくなるように、車両用シートの材料特性やデザイン特
性を変更していくことで、最適なシートが開発可能とな
る。
【0010】また、車両用シートの各特性が実質的に確
定している場合、疲労度が小さくなるように、動的測定
量を測定する場合に用いられた車両走行振動状態、例え
ばサスペンション系等を順次変更して着座走行疲労度が
小さいサスペンション条件を見出すことで、サスペンシ
ョン系の最適評価が可能となり、乗り心地のよい車両の
開発に貢献できる。
【0011】上述した疲労度評価を利用した車両用シー
ト評価シミュレータとして、本発明では、人体が着座し
た際に車両用シートに生じる人体の背中付近に対応する
部分のたわみ量と人体の大腿部付近に対応する部分のた
わみ量を測定するための変位センサと、前記車両用シー
トを車両走行状態にする振動装置と、車両走行状態での
人体の頭の2〜4Hz領域での左右加速度変化率とシー
トの1〜2Hz領域での上下加速度を測定するための加
速度センサと、測定された両たわみ量と左右加速度変化
率と上下加速度から人体の着座走行の疲労度を算定する
演算部と、前記演算部の演算結果から車両用シートの評
価を行う評価部とを備えたものが提案される。この車両
用シート評価シミュレータでは、車両用シートの走行状
態は振動装置により自在に作り出されるとともに、前述
した静的測定量は変位センサにより取得され、前述した
動的測定量は加速度センサにより取得され、演算部に
は、静的測定量と動的測定量とから着座走行疲労度を導
き出す演算式が格納されている。複数の異なる車両用シ
ートを順次交換装着してシミュレーションを行うことに
より、これらの車両用シート間の快適性の評価が可能と
なる。また、振動装置による走行状態を任意に変化させ
ながら疲労度を評価することにより、車両構造、特にサ
スペンション系の評価を行うことも可能となり、この評
価シミュレータは、サスペンション評価シミュレータと
しても機能することになる。本発明によるその他の特徴
及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明
らかになるだろう。
【0012】
【発明の実施の形態】図1には、本発明による着座走行
評価方法及び車両用シート評価方法が適用される車両用
シート評価シミュレータが示されている。このシミュレ
ータは、台座1と、台座1に取り付けられた運転部2
と、台座1に装着される車両用シート(以下単にシート
と称する)3と、台座1に車両走行状態に類似する振動
を与える3軸振動装置4と、運転部2における操舵状態
に合わせてディスプレイ6に走行シーンを表示するとと
もに振動装置4を制御するコントローラ5を備えてい
る。
【0013】シート3は、図2に示されているように、
バック部3aとクッション部3bとヘッドレスト3cか
ら構成されており、必要に応じてこのシート3には被験
者としての人体が着座した際に車両用シートに生じるク
ッション特性を測定する変位センサ8として、バック部
3aには人体が着座した際に生じる車両用シートの人体
の背中付近に対応する部分のたわみ量を測定する第1変
位センサ8aが取り付けられ、クッション部3bには人
体の大腿部付近に対応する部分のたわみ量を測定するた
めの第2変位センサ8bが取り付けられる。さらに、車
両走行状態における被験者やシート3の振動特性を測定
する加速度センサ7として、このシート3に着座する被
験者の頭部に取り付けられてその左右加速度を測定する
第1加速度センサ7aやクッション部2の上下方向の加
速度を測定する第2加速度センサ7bが備えられてい
る。
【0014】運転部2にはハンドル21や必要に応じて
ブレーキやアクセルなどを備えられ、さらにそのような
車両操縦機器の動きを検出して操縦信号を生成するとと
もにこの操縦信号をコントローラ5に送信する操縦信号
発生器22が設けられている。
【0015】コントローラ5はマイクロコンピュータを
中核要素として構成されており、そのI/Oインターフ
ェース50を介して、前述した加速度センサ7、変位セ
ンサ8、操縦信号発生器22、ディスプレイ6など以外
にも種々の操作入力を行うキーボード等の操作入力機器
9やプリンタと接続されている。さらには、振動装置4
に対して操作制御信号を送るために、振動装置4のコン
トローラ40とも接続されている。
【0016】よく知られているようにこのようなコント
ローラ5は、ROMやRAMなどに格納されたプログラ
ムによるCPUの動作により、つまりハードウエアやソ
フトウエア(プログラム)によって種々の機能を実現す
るが、特に本発明に関係する機能としては、図3に示さ
れているように、操作入力機器9や操縦信号発生器22
からの信号に対応してシート3にこのシミュレータを通
じてどうような走行状態を提供するかどうかを設定する
運転条件設定部51、設定された運転条件に適合した振
動を台座1に装着されるシート3に及ぼすように振動装
置4を駆動するため振動装置4のコントローラ40に制
御信号を与える振動装置制御部52、加速度センサ7や
変位センサ8からの信号を処理するセンサ信号処理部5
3、後で詳しく説明される着座走行疲労度のための演算
アルゴリズム(演算式)にセンサ信号処理部53で得ら
れたセンサ信号処理結果を適用して被験者の疲労度を算
定する着座走行疲労度演算部54、算定された疲労度か
らテスト対象となったシートの評価を行うシート評価部
55、操縦信号発生器22から送られてきた操縦信号に
基づいてディスプレイ6に表示される走行シーンを作り
出す走行シーン生成部56が挙げられる。
【0017】次に本発明の重要な特徴である、シート3
のクッション特性及び走行状態において被験者やシート
3に生じる振動特性から着座走行において被験者が受け
る疲労度を算定する演算式の求め方を詳しく説明する。
【0018】本発明では、車両走行時にシート3に着座
した被験者に蓄積されていく疲労を従来のように主観的
にではなく定量的に決定する指標として、ストレスホル
モンの一種であるアドレナリン(カテコールアミン)の
分泌を利用している。このため、まず被験者は安静状態
でのアドレナリン分泌量を測定するため60分間安楽椅
子でリラックスし、その直後に採尿を行う。次に、次に
前述したシミュレータに取り付けられた評価対象となる
シート3に着座し、所定の運転条件に対応する車両走行
状態が作り出され、60分間の着座走行シミュレートが
行われる。車両走行状態において被験者である人体やシ
ート3に生じる振動特性が測定が数回にわたって測定さ
れる。また、着座走行シミュレート前に(後で行うこと
も可能であるが)、被験者が着座した際にシート3に生
じるクッション特性を測定しておく。着座走行シミュレ
ートの終了後、このような着座走行の負荷を受けた後の
被験者のアドレナリン分泌を測定するために直ちに採尿
が行われる。従って、着座走行シミュレート前後におけ
るアドレナリン分泌の差が着座走行によって被験者が受
けた疲労度とみなされる。
【0019】疲労度を表す特徴量、つまり着座走行シミ
ュレート前後におけるアドレナリン分泌の差に関して、
運転条件が一定の場合、前述したクッション特性と振動
特性が影響因子と考えれるが、クッション特性として
は、例えば、被験者としての人体の背中付近に対応する
部分のたわみ量や大腿部付近に対応する部分のたわみ量
や腰部付近に対応する部分のたわみ量などが挙げられ、
振動特性としては、例えば、種々の振動周波数領域での
頭部や腰部の上下加速度や前後加速度あるいは加速度変
化率、同様にシート3の各部での種々の振動周波数領域
での上下加速度や前後加速度あるいは加速度変化率が挙
げられる。着座走行シミュレートを通じて得られたデー
タから、疲労度に対する各種クッション特性と振動特性
の相関関係を調べることにより、クッション特性と振動
特性から疲労度を導く疲労度評価式を作成することがで
きる。
【0020】次に、疲労度評価式の作成手順を図4のフ
ローチャートを用いて説明する。なおここでは、評価式
の作成では、クッション特性と振動特性を説明変数と
し、アドレナリン変動量を目的変数として重回帰分析の
手法が用いられている。また、評価対象となるシート3
を車両走行状態とするために前述したシミュレータを利
用することができる。
【0021】まず、静的な測定量として、前述した評価
対象シート3に対するクッション特性の測定が行われる
(#2)。十分に安静にされた被験者から採尿して、着
座走行前のアドレナリン分泌量が測定される(#4)。
被験者をシミュレータに装着された評価対象シート3に
着座させ(#5)、シミュレータをスタートさせる(#
8)。これにより、着座走行シミュレーションが作り出
されるので、所定のタイミングで、動的な測定量とし
て、前述した振動特性の測定が行われる(#10)。予
定通りの測定量が収得されると、シミュレータを停止さ
せ、着座走行シミュレーションを終了する(#12)。
直ちに、被験者から採尿して、着座走行後のアドレナリ
ン分泌量が測定される(#14)。取得されたクッショ
ン特性に関する測定量と振動特性に関する測定量及び着
座走行後のアドレナリン分泌量から着座走行前のアドレ
ナリン分泌量を差し引いて得られたアドレナリン変動量
を測定データファイルとして格納する(#16)。この
ような測定プロセスが、用意されている仕様の異なる全
てのシート3に対して行われる(#18)。
【0022】説明変数としてのクッション特性や振動特
性に関するデータファイルと、目的変数としてのアドレ
ナリン変動量に関するデータファイルが作成されると、
次には、これらのデータファイルを用いて、重回帰分析
が行われる。まず、説明変数として用いられる項目をク
ッション特性や振動特性に関するデータファイルから選
択する(#20)。次いで、よく知られた重回帰分析の
アルゴリズムを用いて重回帰式の回帰係数を算定し(#
22)、得られた重回帰式を検定する(#24)。以上
のような重回帰分析は、複数の説明変数の候補の中から
選択しながら繰り返し行われる(#26)。なお、複数
の説明変数の候補の中から最適な説明変数を選択する方
法としては種々の手法が知られており、例えば複数個の
説明変数の候補の中から全ての組み合わせ毎の回帰モデ
ルを検討する総あたり法、説明変数が1つも含まれてい
ない場合から開始して説明変数を1つずつ増加させる前
進選択法、説明変数の候補が全て含まれた状態から開始
して説明変数を1つずつ減少させる後退消去法、説明変
数を増減させる逐次法等のうち任意の手法を採用するこ
とができる。考えられる説明変数の選択に基づく重回帰
分析が完了すると、その分析結果から、最も寄与率の高
い重回帰式が特定され、着座走行疲労評価式として採用
される(#28)。
【0023】本出願の発明者による実験結果から得られ
るとともに、この実施形態で用いられている着座走行疲
労評価式は以下の通りであり、説明変数としては、人体
の背中付近に対応する部分のたわみ量:X1 、人体の大
腿部付近に対応する部分のたわみ量:X2 、人体の頭部
の2〜4Hz領域での左右加速度変化率:X3 、シート
の1〜2Hz領域での上下加速度:X4 が抽出されてお
り、もちろん目的変数はアドレナリン変動量:Yであ
る。つまり、着座走行疲労度(アドレナリン変動量)
は、 Y=a・X1 +b・X2 +c・X3 +d・X4 +ε ここで、εは調整値であり、係数は、a=−5、b=2
00、c=−0.05、d=−.003となっている
が、本発明はこれらの数値に限定されるわけではない。
【0024】上記着座走行疲労度評価式から得られるシ
ート設計に関する重要な点は、シート3のクッション部
3bに生じる振動の低周波成分を低減することと、着座
する人間の背中付近に対応する部分や大腿部付近に対応
する部分のたわみ量を大きくすることである。
【0025】次に、上記のような着座走行疲労度評価式
をコントローラ5の着座走行疲労度演算部54に組み込
んだ車両用シート評価シミュレータを用いたシート評価
手順を図5のフローチャートを用いて説明する。まず、
評価対象シート3を選択し(#52)、選択されたシー
ト3をシミュレータの台座1に装着する(#54)。被
験者がシミュレータに乗り込み、装着されたシート3に
着座し、第1変位センサ8aによって被験者の背中付近
に対応する部分のたわみ量:X1 が測定されるととも
に、第2変位センサ8bによって被験者の大腿部付近に
対応する部分のたわみ量:X2 が測定される(#5
6)。
【0026】次いで、装着されたシート3を特定の車両
走行状態になるように台座1を振動させるための運転条
件を振動装置4に対して設定する(#58)。被験者を
シート3に着座させ(#60)、シミュレータを起動し
て、シート3及び被験者を着座走行状態にもたらす(#
62)。この着座走行状態において、被験者の頭部に取
り付けられている第1加速度センサ7aによって頭部の
左右加速度が測定されるとともに第2加速度センサ7b
によってクッション部2の上下方向の加速度が測定され
る。この測定プロセスを通じて、センサ信号処理部53
が頭部の2〜4Hz領域での左右加速度変化率:X3 、
シートの1〜2Hz領域での上下加速度:X4 を決定す
る(#64)。測定が完了すると、シミュレータが停止
され(#66)、着座走行疲労度演算部54がステップ
#56で得られた2つのたわみ量とステップ#64で得
られた左右加速度変化率と上下加速度を用いて上述した
着座走行疲労度評価式からアドレナリン変動度つまり着
座走行疲労度を演算する(#68)。
【0027】さらに、別な運転条件、例えば、高速道路
走行状態、市街地走行状態、オフロード走行状態などが
選択されるならば(#70)、再びステップ#58に戻
り、異なる運転条件で着座走行疲労度算定ルーチンを繰
り返す。さらに選択すべき運転条件がない場合、さらに
別な評価対象シート3が存在するかどうかチェックされ
(#72)、新たな評価対象シート3を選択する場合、
再びステップ#52に戻り、異なる評価対象シート3で
着座走行疲労度算定ルーチンを繰り返す。新たに選択す
べき評価対象シート3ない場合、シート評価部55がそ
れまでに得られた着座走行疲労度から評価対象となった
シート3の評価を行い、必要ならその評価リストをプリ
ンタ等で出力する(#74)。
【0028】上述された実施の態様では、シミュレータ
を用いて着座走行疲労度からシート3の評価を行う技術
内容が説明されたが、例えば、特定のシート3を装着し
たままにしておき、異なる台座1と振動装置4の間にモ
デル化された評価対象のサスペンション系を介装し、着
座走行疲労度を算定することにより、サスペンション系
の評価を行うことも可能である。このサスペンション系
のモデル化にあたっては、ハードウエア的に構成しても
よいし、数学モデル化を通じてプログラム的に構築して
振動装置4の振動モードに組み込ませて構成することも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による着座走行評価方法及び車両用シー
ト評価方法が適用される車両用シート評価シミュレータ
の模式図
【図2】評価対象シートに取り付けられたたわみセンサ
を示す斜視図
【図3】コントローラによって実現される機能を示す機
能ブロック図
【図4】疲労度評価式作成の手順を示すフローチャート
【図5】シミュレータを用いた車両用シート評価の手順
を示すフローチャート
【符号の説明】
3 車両用シート 4 振動装置 5 コントローラ 7 加速度センサ 8 変位センサ 51 運転条件設定部 53 センサ信号処理部 54 着座走行疲労度演算部 55 シート評価部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体が着座した際に車両用シートに生じる
    クッション特性を測定するステップと、車両走行状態に
    おける人体又はシートあるいはその両方の振動特性を測
    定するステップと、前記クッション特性と振動特性から
    前記人体の着座走行の疲労度を定量的に算定するステッ
    プとからなる着座走行疲労度評価方法。
  2. 【請求項2】前記算定ステップにおいて、人体に対して
    測定された着座走行の疲労度と前記クッション特性と前
    記振動特性から統計学手法によって決定された演算式が
    用いられることを特徴とする請求項1に記載の着座走行
    疲労度評価方法。
  3. 【請求項3】前記演算式は、前記クッション特性と前記
    振動特性を説明変数とし、前記疲労度を目的変数とする
    重回帰分析より得られたものであることを特徴とする請
    求項2に記載の着座走行疲労度評価方法。
  4. 【請求項4】前記クッション特性には人体の背中付近に
    対応する部分のたわみ量と人体の大腿部付近に対応する
    部分のたわみ量が含まれ、前記振動特性には人体の頭の
    2〜4Hz領域での左右加速度変化率とシートの1〜2
    Hz領域での上下加速度が含まれており、かつ前記疲労
    度は人体の着座走行前後でのアドレナリン分泌変動量に
    基づいて求められていることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の着座走行疲労度評価方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載された着座
    走行疲労度評価方法によって算定された着座走行疲労度
    から、使用された車両用シートを評価する車両用シート
    評価方法。
  6. 【請求項6】人体が着座した際に車両用シートに生じる
    人体の背中付近に対応する部分のたわみ量と人体の大腿
    部付近に対応する部分のたわみ量を測定するための変位
    センサと、 前記車両用シートを車両走行状態にする振動装置と、 車両走行状態での人体の頭の2〜4Hz領域での左右加
    速度変化率とシートの1〜2Hz領域での上下加速度を
    測定するための加速度センサと、 測定された両たわみ量と左右加速度変化率と上下加速度
    から人体の着座走行の疲労度を算定する演算部と、 前記演算部の演算結果から車両用シートの評価を行う評
    価部と、からなる車両用シート評価シミュレータ。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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