JP2007260568A - 排ガス浄化用触媒及びその再生方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及びその再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温の排ガスに長時間晒されて粒成長した白金粒子を、比較的低い温度領域であっても短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能な排ガス浄化用触媒、並びにその排ガス浄化用触媒の再生方法を提供すること。
【解決手段】ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含む第一の担体と、該第一の担体に担持された白金とを備える第一の触媒層、並びに、
ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含む第二の担体と、該第二の担体に担持された白金とを備え、前記第一の触媒層の表層側に配置された第二の触媒層、を備えることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒及びその再生方法に関する。
自動車エンジンから排出される排ガス中のHC、CO、NOx等の有害成分を除去するために、従来より排ガス浄化用触媒が用いられている。このような排ガス浄化用触媒としては、理論空燃比で燃焼された排ガス中のHC、CO及びNOxを同時に浄化する三元触媒が知られており、一般に、コーディエライト、金属箔等からなりハニカム形状に形成された基材(担体基材)と、基材表面に形成された活性アルミナ粉末、シリカ粉末等からなる担体(触媒担持層)と、この担体に担持された白金等の貴金属からなる触媒成分とから構成されている。
例えば、特開平9−313893号公報(特許文献1)においては、パラジウム以外の貴金属を触媒成分として含んでいる排気ガス浄化用触媒において、セリウムおよびプラセオジムの複合酸化物を含んでいて、該複合酸化物が、上記パラジウム以外の貴金属とは近接しないように配置されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のような排気ガス浄化用触媒においては、高温(特に800℃以上)の排ガスに長時間晒されると、触媒活性をもつ貴金属粒子が凝集してシンタリング(粒成長)が生じ、比表面積が減少するため触媒活性が低下するという問題があった。
そのため、排ガス浄化用触媒を再生する方法が種々開発されており、例えば特開平7−75737号公報(特許文献2)には、無機多孔質の母材に活性種として貴金属が担持されてなる排ガス浄化用触媒の再生方法であって、前記触媒にハロゲンを作用させて前記母材上で貴金属のハロゲン化物を生成させた後にそのハロゲン化物からハロゲンを脱離させる方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法のようにハロゲンを作用させて再生する方法では、触媒を内燃機関の排気系に装着した状態で再生することは非常に困難であり、また、粒成長した貴金属粒子を微細な貴金属粒子に再分散させて触媒活性を再生させる再生処理に要する時間の短縮に限界があった。
また、特開2000−202309号公報(特許文献3)には、アルカリ土類金属酸化物及び希土類酸化物から選ばれる少なくとも一種を含む担体と該担体に担持された白金とよりなる排ガス浄化用触媒に対して、酸化処理を行い、次いで還元処理を行う方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の方法であっても、粒成長した白金粒子を微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させる再生処理に要する時間の短縮という点で必ずしも十分なものではなかった。
特開平9−313893号公報 特開平7−75737号公報 特開2000−202309号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温の排ガスに長時間晒されて粒成長した白金粒子を、比較的低い温度領域であっても短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能な排ガス浄化用触媒、並びにその排ガス浄化用触媒の再生方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含む第一の担体と、該第一の担体に担持された白金とを備える第一の触媒層、並びに、
ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含む第二の担体と、該第二の担体に担持された白金とを備え、前記第一の触媒層の表層側に配置された第二の触媒層、を備える排ガス浄化用触媒に対して酸化処理及び還元処理を施すことによって、驚くべきことに再生処理に要する時間の短縮が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含む第一の担体と、該第一の担体に担持された白金とを備える第一の触媒層、並びに、
ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含む第二の担体と、該第二の担体に担持された白金とを備え、前記第一の触媒層の表層側に配置された第二の触媒層、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第三の複合酸化物を含む第三の担体と、該第三の担体に担持されたロジウムとを備え、前記第一の触媒層と前記第二の触媒層との間に配置された第三の触媒層、をさらに備えることが好ましい。
さらに、本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記第二の複合酸化物が、ジルコニアと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との複合酸化物であって、
前記第二の複合酸化物中の前記元素の量が、金属換算で、前記ジルコニア中のジルコニウムの量に対するモル比(前記元素の量/ジルコニウムの量)が5/95〜75/25の範囲となる量であることが好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法は、前記排ガス浄化用触媒に対して、酸素を含む酸化雰囲気中にて加熱する酸化処理、及び還元処理を施すことを特徴とする方法である。
また、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法においては、前記酸化処理における温度が500〜1000℃であることが好ましい。
さらに、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法においては、前記酸化雰囲気における酸素濃度が1体積%以上であることが好ましい。
このような本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法は、例えば空燃比制御の一環として実施することができるため、その実施形態としては、前記排ガス浄化用触媒を内燃機関の排気系に装着した状態で前記酸化処理及び前記還元処理を施すという形態が好適に採用され、それによって特別な保守整備を要することなく高い触媒活性を長時間にわたって維持することが可能となる。
なお、本発明の排ガス浄化用触媒及びその再生方法によって再生処理に要する時間の短縮が可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法においては、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との複合酸化物(好ましくは、酸素1s軌道の結合エネルギーの値が531eV以下の値を示す、酸素の電子密度が高い複合酸化物)が、白金に対して極めて強い相互作用を示す。そのため、粒成長した状態で担持されている白金粒子と担体との界面で強い相互作用が起こり、酸素を含む酸化雰囲気中にて加熱(好ましくは500〜1000℃で加熱)することによって、白金は担体と複合酸化物及び金属酸化物を形成し、次第に担体表面上に拡がった状態で分散される。その結果、比較的短時間の酸化処理で担体上の白金が酸化物の状態で高分散担持された状態となり(再分散)、次いで還元処理を施すことによって酸化物状態の白金は容易に還元されて金属白金となる。それによって、担体上には微細な金属白金粒子が高分散された状態となり、触媒活性が再生するものと本発明者らは推察する。
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、排ガス浄化用触媒の表層側に配置された触媒層において、触媒に流入した酸素を吸収してしまう恐れのある酸素吸放出機能を有するセリウムを含む複合酸化物が用いられていない。そのため、触媒に流入した酸素が上記のような金属白金粒子の高分散に有効に用いられ、再生処理に要する時間の短縮が可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、高温の排ガスに長時間晒されて粒成長した白金粒子を、比較的低い温度領域であっても短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能な排ガス浄化用触媒、並びにその排ガス浄化用触媒の再生方法を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の排ガス浄化用触媒について説明する。すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含む第一の担体と、該第一の担体に担持された白金とを備える第一の触媒層、並びに、
ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含む第二の担体と、該第二の担体に担持された白金とを備え、前記第一の触媒層の表層側に配置された第二の触媒層、を備えるものである。
本発明にかかる第一の担体は、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含むものである。これに対し、本発明にかかる第二の担体は、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含むものである。
すなわち、本発明の第一の複合酸化物は、セリウム(Ce)を含有するものであるのに対し、本発明の第二の複合酸化物は、セリウム(Ce)を含有しないものである。本発明においては、セリウム(Ce)を含有する第一の複合酸化物を含む第一の担体を備える第一の触媒層の表層側に、セリウム(Ce)を含有しない第二の複合酸化物を含む第二の担体を備える第二の触媒層を配置することにより、短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能となる。
また、本発明にかかる第一及び第二の担体おいては、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素とがそれぞれ第一及び第二の複合酸化物を形成している必要がある。すなわち、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素とが単に共存している状態(例えば、ジルコニア粒子及び/又はアルミナ粒子と、アルカリ土類金属酸化物粒子、希土類酸化物粒子及び3A族酸化物粒子からなる群から選択される少なくとも一つの酸化物粒子とが均一分散している状態)では、後述する本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法を施しても担体上の白金は十分に再分散せず、触媒活性は十分に再生しない。このようなアルカリ土類金属元素としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられ、中でも、金属白金及び白金酸化物との相互作用が強く親和性が大きい傾向にあるという観点からMg、Ca、Baが好ましい。また、セリウム(Ce)以外の希土類元素及び3A族元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が挙げられ、中でも、金属白金及び白金酸化物との相互作用が強く親和性が大きい傾向にあるという観点から、Sc、Y、La、Pr、Ndが好ましい。
本発明にかかる第一の複合酸化物を構成するジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との組成比は特に制限されないが、前記第一の複合酸化物中の前記元素の量が、金属換算で、前記ジルコニア及び/又はアルミナ中のジルコニウム及び/又はアルミニウムの量に対するモル比(前記元素の量/ジルコニウム及び/又はアルミニウムの量)が5/95〜75/25の範囲となる量であることが好ましく、20/80〜70/30の範囲となる量であることがより好ましい。前記第一の複合酸化物中の前記元素の量が前記下限未満の場合は後述する本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法を施しても担体上の白金粒子は十分に小さくならない傾向にあり、他方、前記上限を超える場合も後述する本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法を施しても担体上の白金粒子は十分に小さくならない傾向にある。
本発明にかかる第二の複合酸化物においては、前記第二の複合酸化物中の前記元素の量が、金属換算で、前記ジルコニア及び/又はアルミナ中のジルコニウム及び/又はアルミニウムの量に対するモル比(前記元素の量/ジルコニウム及び/又はアルミニウムの量)が5/95〜75/25の範囲となる量であることが好ましく、20/80〜60/40の範囲となる量であることがより好ましい。前記第二の複合酸化物中の前記元素の量が前記下限未満の場合は後述する本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法を施しても担体上の白金粒子は十分に小さくならない傾向にあり、他方、前記上限を超える場合も後述する本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法を施しても担体上の白金粒子は十分に小さくならない傾向にある。
さらに、本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記第一及び第二の複合酸化物は、酸素1s軌道の結合エネルギーの値が531eV以下の値を示すものであることが好ましく、531〜529eVの値を示すものであることが特に好ましい。前記結合エネルギーの値が531eVを超えている複合酸化物を用いた場合は、白金と担体との相互作用が十分に強くならず、後述する酸化処理及び還元処理を施しても担体上の白金が十分に再分散しない傾向にある。他方、前記結合エネルギーの値が529eV未満の複合酸化物を用いた場合は、白金と担体との相互作用が強くなり過ぎて、後述する還元処理を施しても担体上の白金が活性な状態に戻りにくくなる傾向にある。
このような条件を満たす前記第一の複合酸化物としては、例えば以下のもの:
CeO−ZrO−Y:530.04eV
CeO−ZrO:530eV
CeO−ZrO−La−Pr:529.79eV
が挙げられる。
また、このような条件を満たす前記第二の複合酸化物としては、例えば以下のもの:
ZrO−Nd:530.05eV
ZrO−Y:530.70eV
ZrO−Sc:530.68eV
ZrO−La:530.64eV
が挙げられる。
本発明にかかる前記第一及び第二の担体は、それぞれ前記第一及び第二の複合酸化物を含むものであればよく、他の成分としてアルミナ、ゼオライト、ジルコニア等が更に含まれていてもよい。その場合、本発明にかかる前記第一及び第二の担体における前記第一及び第二の複合酸化物の比率がそれぞれ50重量%以上であることが好ましい。
なお、本発明にかかる前記第一及び第二の担体の製造方法は、特に制限されず、例えば以下のような方法によって得ることができる。すなわち、上述の複合酸化物の原料となる諸金属の塩(例えば、硝酸塩)と、更に必要に応じて界面活性剤(例えば、ノニオン系界面活性剤)とを含有する水溶液から、アンモニアの存在下で上記複合酸化物の共沈殿物を生成せしめ、得られた共沈殿物を濾過、洗浄した後に乾燥し、更に焼成することによって前記第一及び第二の複合酸化物からなる担体を得ることができる。
本発明にかかる排ガス浄化用触媒においては、前記第一及び第二の担体に白金(Pt)が担持されている。前記第一及び第二の担体に担持されたPtの担持量としては、担体にPtが担持されてなる第一及び第二の触媒においてPtの比率が0.01〜10重量%の範囲となることが好ましく、0.05〜5重量%の範囲となることがより好ましい。Ptの担持量が前記下限未満では排ガス浄化用触媒としての触媒活性が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えてPtを担持しても触媒活性が飽和すると共にコストが高騰する傾向にある。なお、前記第一及び第二の担体に、Ptに加えてPd、Rh等の貴金属や、Cu、Fe、Ni、Co等の卑金属が更に担持されていてもよく、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる元素が更に担持されていてもよい。
なお、前記第一及び第二の担体に白金を担持させる方法は、特に制限されず、例えば、白金の塩(例えば、ジニトロジアミン塩)や錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液を前記第一及び第二の担体に接触させた後に乾燥し、更に焼成することによって本発明にかかる第一及び第二の触媒を得ることができる。
また、本発明の排ガス浄化用触媒の形態は特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。ここで用いられる基材も特に制限されず、得られる触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。さらに、このような触媒を製造する方法も特に制限されず、例えば、モノリス触媒を製造する場合は、コーディエライトや金属箔から形成されたハニカム形状の基材に、前述の第一の担体の粉末からなるコート層を形成し、それに白金を担持せしめて第一の触媒層を形成せしめ、その後、前述の第二の担体の粉末からなるコート層を形成し、それに白金を担持せしめて第二の触媒層を形成せしめる方法が好適に採用される。また、前述の第一及び第二の担体の粉末に予め白金を担持せしめた後、その白金担持粉末を用いて前記基材に第一の触媒層を形成せしめ、その後第二の触媒層を形成せしめる方法で製造してもよい。
さらに、本発明においては、基材にコートする第一及び第二の触媒の量は特に制限されず、用いる基材や得られる触媒の用途等に応じて適宜調整されるが、基材体積1リットルに対して第一及び第二の触媒層を構成する第一及び第二の触媒の量が10〜300g程度となる量が好ましい。また、本発明において、前記第一及び第二の触媒層を基材等に形成せしめる具体的な方法は特に制限されず、例えば、前記第一及び第二の触媒を含有するスラリに基材を浸漬する方法が好適に用いられる。
本発明の排ガス浄化用触媒においては、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第三の複合酸化物を含む第三の担体と、該第三の担体に担持されたロジウムとを備え、前記第一の触媒層と前記第二の触媒層との間に配置された第三の触媒層、をさらに備えることが好ましい。
本発明にかかる第三の担体は、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第三の複合酸化物を含むものであることが好ましい。すなわち、ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素とが単に共存している状態(例えば、ジルコニア粒子及び/又はアルミナ粒子と、アルカリ土類金属酸化物粒子、希土類酸化物粒子及び3A族酸化物粒子からなる群から選択される少なくとも一つの酸化物粒子とが均一分散している状態)では、担持されたロジウムとアルカリ土類金属、希土類金属とが反応して複合酸化物を形成し、触媒活性が低下する傾向にある。このようなアルカリ土類金属元素、セリウム(Ce)以外の希土類元素、及び3A族元素としては、前述した第一及び第二の複合酸化物におけるアルカリ土類金属元素、セリウム(Ce)以外の希土類元素、及び3A族元素と同様のものが挙げられる。
本発明にかかる第三の複合酸化物を構成するジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム(Ce)以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との組成比は特に制限されないが、前記第三の複合酸化物中の前記元素の量が、金属換算で、前記ジルコニア及び/又はアルミナ中のジルコニウム及び/又はアルミニウムの量に対するモル比(前記元素の量/ジルコニウム及び/又はアルミニウムの量)が5/95〜75/25の範囲となる量であることが好ましく、5/95〜60/40の範囲となる量であることがより好ましい。前記第三の複合酸化物中の前記元素の量が前記下限未満の場合は、ロジウムの粒成長による触媒活性の低下が起こる傾向にある。他方、前記上限を超える場合は、ロジウムとアルカリ土類金属、希土類金属とが複合酸化物を形成し、触媒活性が低下する傾向にある。
また、本発明の排ガス浄化用触媒においては、本発明にかかる第三の複合酸化物が、ジルコニアと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との複合酸化物であることが好ましい。この理由としては、アルミナを含む複合酸化物をロジウム用の担体(第三の複合酸化物)として用いた場合には、高温酸化雰囲気においてロジウムがアルミナに固溶することにより触媒活性が低下する場合があるためである。
本発明にかかる前記第三の担体は、それぞれ前記第三の複合酸化物を含むものであればよく、他の成分としてアルミナ、ゼオライト、ジルコニア等が更に含まれていてもよい。その場合、本発明にかかる前記第三の担体における前記第三の複合酸化物の比率がそれぞれ50重量%以上であることが好ましい。
なお、本発明にかかる前記第三の担体の製造方法は、特に制限されず、例えば前述した第一及び第二の担体の製造方法と同様の方法によって得ることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記第三の担体にロジウム(Rh)が担持されている。前記第三の担体に担持されたRhの担持量としては、担体にRhが担持されてなる第三の触媒においてRhの比率が0.01〜1重量%の範囲となることが好ましく、0.1〜0.5重量%の範囲となることがより好ましい。Rhの担持量が前記下限未満では触媒性能(ロジウムを担持することに対して期待される)が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合は、担持されたロジウム量に対して触媒性能の向上が飽和する傾向にある。なお、前記第三の担体に、Rhに加えてPd等の貴金属や、Cu、Fe、Ni、Co等の卑金属が更に担持されていてもよく、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx吸蔵元素が更に担持されていてもよい。
なお、前記第三の担体にロジウムを担持させる方法は、特に制限されず、例えば、ロジウムの塩(例えば、塩化ロジウム、硝酸ロジウム)や錯体を含有する水溶液を前記第三の担体に接触させた後に乾燥し、更に焼成することによって本発明にかかる第三の触媒を得ることができる。
また、このような第三の触媒層を前述した第一の触媒層と前述した第二の触媒層との間に配置する方法としては、例えば、前述した第一及び第二の担体の粉末に予め白金を担持せしめ、前述した第三の担体の粉末に予めロジウムを担持せしめた後、その白金又はロジウム担持粉末を用いて前記基材に第一の触媒層を形成せしめた後に、第三の触媒層を形成せしめ、その後第二の触媒層を形成せしめる方法が挙げられる。
さらに、本発明においては、基材にコートする第三の触媒の量は特に制限されず、用いる基材や得られる触媒の用途等に応じて適宜調整されるが、基材体積1リットルに対して第三の触媒層を構成する第三の触媒の量が10〜300g程度となる量が好ましい。また、本発明において、前記第三の触媒層を基材等に形成せしめる具体的な方法は特に制限されず、例えば、前述した前記第一及び第二の触媒層を基材等に形成せしめる方法と同様の方法が挙げられる。
次に、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法について説明する。すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法は、前述した排ガス浄化用触媒に対して、酸素を含む酸化雰囲気中にて加熱する酸化処理と、還元処理とを施すことを特徴とする方法である。
本発明にかかる酸化処理が行われる酸化雰囲気としては、酸素が少しでも含まれていればそれに相当するモル数の白金を酸化することができるが、酸素の濃度が1体積%以上であることが好ましく、1〜20体積%であることがより好ましい。酸素の濃度が前記下限未満では、担体上の白金の再分散が十分に進行しない傾向にあり、他方、酸素の濃度は高ければ高いほど酸化という観点からは良いが、空気中の酸素濃度を超える20体積%超とするためには酸素ボンベ等の特別な装置が必要となりコストが高騰する傾向にある。また、本発明にかかる酸化雰囲気中の酸素以外のガスとしては、還元性ガスを含まないことが好ましく、窒素ガス又は不活性ガスを用いることが好ましい。
本発明にかかる酸化処理における加熱温度は、担持されている金属白金が酸化される温度であればよいが、500〜1000℃の範囲の温度とすることが好ましい。酸化処理温度が500℃未満では、担体上の白金が再分散する速度が極端に遅くなって十分に進行しない傾向にあり、他方、1000℃を超えると担体自体の熱収縮が起こり易くなり、触媒活性が低下する傾向にある。
また、本発明にかかる酸化処理に要する時間は、酸化処理温度等に応じて適宜選択され、温度が低ければ長時間必要となり、温度が高ければ短時間でよい傾向にある。酸化処理温度が500〜1000℃であれば、酸化処理一工程あたりの時間は2秒〜1時間程度であることが好ましい。酸化処理時間が2秒未満では担体上の白金の再分散が十分に進行しない傾向にあり、他方、1時間を超えると白金の再分散作用が飽和してしまう傾向にある。
本発明にかかる酸化処理は、排ガス浄化用触媒を排気系から取り出して所定の処理装置内で行ってもよいが、内燃機関の排気系に装着した状態で実施することが好ましい。それによって酸化処理工数を大きく低減することができ、しかも酸化処理後に排ガスを流通させることによって白金酸化物を還元させることが容易となる。このように排気系に排ガス浄化用触媒を装着した状態で酸化処理する場合、例えば触媒の上流側に設けられた空気弁から空気を多量に導入したり、混合気の空燃比(A/F)を極めて高くしたり、その逆に燃料の供給量を大幅に減らしたりして、混合気の空燃比(A/F)を極めて高くすることによって実施することができる。また、加熱手段としては、特定の加熱装置によって触媒を加熱してもよいし、触媒上における反応熱を利用して加熱してもよい。
上記のように排気系に装着した状態で酸化処理を実行すれば、触媒性能の劣化の程度に対応してリアルタイムで酸化処理を施すことも可能となる。例えば、自動車の運転時間や走行距離に応じて定期的に酸化処理を行ってもよいし、触媒の下流にNOxセンサーやCOセンサーを設けて触媒性能を検出し、その値が基準値を超えた場合に酸化処理を行うようにしてもよい。
本発明にかかる還元処理は、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気下で前記触媒を加熱することによって実施することができる。よって、エンジン排気は全体としてストイキ雰囲気であっても還元性ガスを含むことから、貴金属を十分に還元処理できる。さらに、還元処理においては、還元性ガスが少しでも含まれていればよいが、還元性ガスの濃度が0.1体積%以上であることが好ましい。還元性ガスの濃度が前記下限未満では、担体上の白金が活性な状態に戻りにくくなる傾向にある。また、本発明にかかる還元性雰囲気中の還元性ガス以外のガスとしては、酸化性ガスを含まないことが好ましく、窒素ガス又は不活性ガスを用いることが好ましい。
本発明にかかる還元処理における加熱温度は、前記酸化処理により酸化された白金酸化物が還元される温度であればよいが、200℃以上であることが好ましく、400〜1000℃の範囲の温度とすることが好ましい。還元処理温度が200℃未満では、担体上の白金酸化物が十分に還元されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると担体自体の熱収縮が起こり易くなり、触媒活性が低下する傾向にある。
また、本発明にかかる還元処理に要する時間は、還元処理温度等に応じて適宜選択され、温度が低ければ長時間必要となり、温度が高ければ短時間でよい傾向にある。還元処理温度が200℃以上であれば、還元処理一工程あたりの時間は2秒〜5分程度であることが好ましい。還元処理時間が前記下限未満では担体上の白金酸化物が十分に還元されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると白金酸化物の還元作用が飽和してしまう傾向にある。
本発明にかかる還元処理も、排ガス浄化用触媒を排気系から取り出して所定の処理装置内で行ってもよいが、内燃機関の排気系に装着した状態で実施することが好ましい。それによって還元処理工数を大きく低減することができ、しかも前記酸化処理後に単に排ガスを流通させることによって白金酸化物を還元させることが可能となる。このように排気系に排ガス浄化用触媒を装着した状態で還元処理する場合、例えば、自動車の排ガス浄化用触媒の場合には、化学量論的に当量比にあるストイキ雰囲気或いは酸素が不足するリッチ雰囲気の排ガスを排ガス浄化用触媒に接触させることによって実施することが好ましい。これにより排ガス浄化用触媒を排気系に装着したまま酸化処理と還元処理を施すことができ、空燃比制御の一環として本発明の再生処理を実施することが可能となる。また、加熱手段としては、特定の加熱装置によって触媒を加熱してもよいし、排ガスの熱を利用して加熱してもよい。
なお、前記酸化処理と前記還元処理とがそれぞれ一工程の場合は酸化処理の後に還元処理が施されるが、本発明の再生方法においては前記酸化処理と前記還元処理とを交互に繰り返してもよく、その場合は酸化処理が先であっても還元処理が先であってもよい。また、前記酸化処理と前記還元処理とを交互に繰り返す場合、前者の処理の合計時間と後者の処理の合計時間はいずれも特に制限されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、硝酸セリウム水溶液(CeOとして28重量%含む)241.8g、オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(ZrOとして18重量%含む)179.5g、及びノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)10gを含有する混合水溶液2000gに25重量%濃度のアンモニア水139.1gを添加し、室温で10分間撹拌して共沈殿物を得た。次いで、得られた共沈殿物を濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに1000℃で5時間大気中にて焼成してセリウム−ジルコニウム複合酸化物(CeO−ZrO)からなる第一の担体を得た。得られたCeO−ZrO複合酸化物中の組成比は、金属換算で、セリウムの量のジルコニウムの量に対するモル比(セリウムの量/ジルコニウムの量)が6/4であった。
そして、上記担体100gをジニトロジアミン白金の硝酸水溶液(白金濃度:4重量%)に浸漬し、濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに500℃で3時間大気中にて焼成して本発明にかかる第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)を得た。その後、得られた第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)を水に分散してスラリを得た。なお、得られた第一の触媒における白金担持量は1重量%であった。
次に、硝酸ネオジム六水和物75.7g、オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(ZrOとして18重量%含む)394.1g、及びノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)10gを含有する混合水溶液2000gに25重量%濃度のアンモニア水136.2gを添加し、室温で10分間撹拌して共沈殿物を得た。次いで、得られた共沈殿物を濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに1000℃で5時間大気中にて焼成してネオジム−ジルコニウム複合酸化物(Nd−ZrO)からなる第二の担体を得た。得られたNd−ZrO複合酸化物の組成比は、金属換算で、ネオジムの量のジルコニウムの量に対するモル比(ネオジムの量/ジルコニウムの量)が3/10であった。
そして、上記担体100gをジニトロジアミン白金の硝酸水溶液(白金濃度:4重量%)に浸漬し、濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに500℃で3時間大気中にて焼成して本発明にかかる第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)を得た。その後、得られた第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)を水に分散してスラリを得た。なお、得られた第二の触媒における白金担持量は1重量%であった。
次いで、第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)を含有するスラリを、第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)のコート密度が50g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いてコージェライト基材表面上にコートして第一の触媒層を形成せしめた。その後、第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)を含有するスラリを、第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)のコート密度が100g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いて前記第一の触媒層の表面上にコートして第二の触媒層を形成せしめて本発明の排ガス浄化用触媒を得た。
(実施例2)
先ず、硝酸イットリウム六水和物73.2g、オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(ZrOとして18重量%含む)435.8g、及びノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)10gを含有する混合水溶液2000gに25重量%濃度のアンモニア水150.6gを添加し、室温で10分間撹拌して共沈殿物を得た。次いで、得られた共沈殿物を濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに1000℃で5時間大気中にて焼成してイットリウム−ジルコニウム複合酸化物(Y−ZrO)からなる第二の担体を得た。得られたY−ZrO複合酸化物の組成比は、金属換算で、イットリウムの量のジルコニウムの量に対するモル比(イットリウムの量/ジルコニウムの量)が3/10であった。
そして、上記担体100gをジニトロジアミン白金の硝酸水溶液(白金濃度:4重量%)に浸漬し、濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに500℃で3時間大気中にて焼成して本発明にかかる第二の触媒(Pt/Y−ZrO)を得た。その後、得られた第二の触媒(Pt/Y−ZrO)を水に分散してスラリを得た。なお、得られた第二の触媒における白金担持量は1重量%であった。
次いで、実施例1で用いた第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)のスラリに代えて、得られた第二の触媒(Pt/Y−ZrO)のスラリを用いた以外は実施例1と同様にして本発明の排ガス浄化用触媒を得た。
(実施例3)
先ず、硝酸スカンジウム四水和物63.2g、オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(ZrOとして18重量%含む)475.7g、及びノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)10gを含有する混合水溶液2000gに25重量%濃度のアンモニア水164.4gを添加し、室温で10分間撹拌して共沈殿物を得た。次いで、得られた共沈殿物を濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに1000℃で5時間大気中にて焼成してスカンジウム−ジルコニウム複合酸化物(Sc−ZrO)からなる第二の担体を得た。得られたSc−ZrO複合酸化物の組成比は、金属換算で、スカンジウムの量のジルコニウムの量に対するモル比(スカンジウムの量/ジルコニウムの量)が3/10であった。
そして、上記担体100gをジニトロジアミン白金の硝酸水溶液(白金濃度:4重量%)に浸漬し、濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに500℃で3時間大気中にて焼成して本発明にかかる第二の触媒(Pt/Sc−ZrO)を得た。その後、得られた第二の触媒(Pt/Sc−ZrO)を水に分散してスラリを得た。なお、得られた第二の触媒における白金担持量は1重量%であった。
次いで、実施例1で用いた第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)のスラリに代えて、得られた第二の触媒(Pt/Sc−ZrO)のスラリを用いた以外は実施例1と同様にして本発明の排ガス浄化用触媒を得た。
(実施例4)
先ず、硝酸イットリウム六水和物28.5g、オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(ZrOとして18重量%含む)508.9g、及びノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)10gを含有する混合水溶液2000gに25重量%濃度のアンモニア水139.5gを添加し、室温で10分間撹拌して共沈殿物を得た。次いで、得られた共沈殿物を濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに1000℃で5時間大気中にて焼成してイットリウム−ジルコニウム複合酸化物(Y−ZrO)からなる第三の担体を得た。得られたY−ZrO複合酸化物の組成比は、金属換算で、イットリウムの量のジルコニウムの量に対するモル比(イットリウムの量/ジルコニウムの量)が1/10であった。
そして、上記担体100gを硝酸ロジウム(III)硝酸溶液(ロジウム濃度:2.75重量%)に浸漬し、濾過・洗浄した後に110℃で乾燥し、さらに500℃で3時間大気中にて焼成して本発明にかかる第三の触媒(Rh/Y−ZrO)を得た。その後、得られた第三の触媒(Rh/Y−ZrO)を水に分散してスラリを得た。なお、得られた第三の触媒におけるロジウム担持量は0.3重量%であった。
次いで、実施例1で用いた第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)を含有するスラリを、第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)のコート密度が50g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いてコージェライト基材表面上にコートして第一の触媒層を形成せしめた。その後、第三の触媒(Rh/Y−ZrO)を含有するスラリを、第三の触媒(Rh/Y−ZrO)のコート密度が50g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いて前記第一の触媒層の表面上にコートして第三の触媒層を形成せしめた。そして、実施例1で用いた第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)を含有するスラリを、第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)のコート密度が100g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いて前記第三の触媒層の表面上にコートして第二の触媒層を形成して本発明の排ガス浄化用触媒を得た。
(比較例1)
先ず、実施例1で用いた第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)を含有するスラリと、実施例1で用いた第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)を含有するスラリとを重量比(第一の触媒/第二の触媒)が1:2となるように混合してスラリを得た。
次いで、第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)と第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)との混合物を含有するスラリを、第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)と第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)との混合物のコート密度が150g/Lとなるように、ウォッシュコート法を用いてコージェライト基材表面上にコートして第一の触媒(Pt/CeO−ZrO)と第二の触媒(Pt/Nd−ZrO)との混合物からなる触媒層を形成せしめて比較用の排ガス浄化用触媒を得た。
<触媒活性の評価>
先ず、得られた排ガス浄化用触媒の耐久試験を行った。すなわち、温度950℃の一酸化炭素を3%含むNガスと、温度950℃の酸素を1.5%含むNガスとを5分ずつ排ガス浄化用触媒に交互に供給し、10分周期で雰囲気を変動させる条件において10時間上記のガスを排ガス浄化用触媒に供給した。なお、この耐久試験においては、排ガス浄化用触媒の再生処理として、1時間毎に10秒間のみ酸素を20%含む窒素ガスを触媒に供給した。
次に、耐久試験後の排ガス浄化用触媒の触媒活性を評価した。すなわち、表1に示した組成のモデルガスを耐久試験後の排ガス浄化用触媒に供給し、モデルガス中の炭化水素の浄化率が50%に達する温度を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007260568
Figure 2007260568
表2に記載した結果からも明らかなように、耐久試験後における本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1〜4)は、耐久試験後における比較用の排ガス浄化用触媒(比較例1)に比べて触媒活性が優れていた(モデルガス中の炭化水素の浄化率が50%に達する温度が低かった)。したがって、本発明によれば、高温の排ガスに長時間晒されて粒成長した白金粒子を、比較的低い温度領域であっても短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能となることが確認された。
以上説明したように、本発明の排ガス浄化用触媒によれば、高温の排ガスに長時間晒されて粒成長した白金粒子を、比較的低い温度領域であっても短時間で微細な白金粒子に再分散させて触媒活性を再生させることが可能となる。
そして、本発明の排ガス浄化用触媒の再生方法は、例えば空燃比制御の一環として実施することができるため、前記排ガス浄化用触媒を内燃機関の排気系に装着した状態で前記酸化処理及び前記還元処理を施すことにより、特別な保守整備を要することなく高い触媒活性を長時間にわたって維持することが可能となる。
したがって、本発明は、自動車エンジンから排出される排ガス中のHC、CO、NOx等の有害成分を除去するための排ガス浄化用触媒を長時間にわたって触媒活性の劣化を招くことなく使用するための技術として非常に有用である。

Claims (7)

  1. ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、希土類元素及び3A族元素からなる群から選択され且つセリウムを含む少なくとも一つの元素との第一の複合酸化物を含む第一の担体と、該第一の担体に担持された白金とを備える第一の触媒層、並びに、
    ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第二の複合酸化物を含む第二の担体と、該第二の担体に担持された白金とを備え、前記第一の触媒層の表層側に配置された第二の触媒層、を備えることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との第三の複合酸化物を含む第三の担体と、該第三の担体に担持されたロジウムとを備え、前記第一の触媒層と前記第二の触媒層との間に配置された第三の触媒層、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記第二の複合酸化物が、ジルコニアと、アルカリ土類金属元素、セリウム以外の希土類元素及び3A族元素からなる群から選択される少なくとも一つの元素との複合酸化物であって、
    前記第二の複合酸化物中の前記元素の量が、金属換算で、前記ジルコニア中のジルコニウムの量に対するモル比(前記元素の量/ジルコニウムの量)が5/95〜75/25の範囲となる量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒に対して、酸素を含む酸化雰囲気中にて加熱する酸化処理、及び還元処理を施すことを特徴とする排ガス浄化用触媒の再生方法。
  5. 前記酸化処理における温度が500〜1000℃であることを特徴とする請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の再生方法。
  6. 前記酸化雰囲気における酸素濃度が1体積%以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の排ガス浄化用触媒の再生方法。
  7. 前記排ガス浄化用触媒を内燃機関の排気系に装着した状態で、前記酸化処理及び前記還元処理を施すことを特徴とする請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒の再生方法。
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