JP2007259536A - モータおよび基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの回転部を高速にて回転するとともに回転部の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現する。
【解決手段】基板処理装置のモータ5は、回転部51、固定部52、および、回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出する検出部を備える。固定部52は、電磁誘導により回転部51の第1環状部511との間に回転トルクを発生する第1電機子523、および、パルス信号に応じて回転部51の第2環状部512との間にトルクを発生することにより回転部51をステップ駆動する第2電機子524を備える。モータ5では、第1電機子523により回転部51を高速にて回転することができるとともに、第2電機子524により回転部51をステップ駆動しつつ検出部により回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出することにより、回転部51の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現することができる。
【選択図】図2
【解決手段】基板処理装置のモータ5は、回転部51、固定部52、および、回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出する検出部を備える。固定部52は、電磁誘導により回転部51の第1環状部511との間に回転トルクを発生する第1電機子523、および、パルス信号に応じて回転部51の第2環状部512との間にトルクを発生することにより回転部51をステップ駆動する第2電機子524を備える。モータ5では、第1電機子523により回転部51を高速にて回転することができるとともに、第2電機子524により回転部51をステップ駆動しつつ検出部により回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出することにより、回転部51の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動式のモータ、および、当該モータを備える基板処理装置に関する。
従来より、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程において、基板の表面に付着したパーティクル等の異物を除去する洗浄装置では、電動式のモータにより基板を回転しつつ洗浄することが行われている。このような洗浄装置では、基板の搬入および搬出のために、モータの回転部に取り付けられた基板保持部、および、基板保持部に保持された基板を所定の停止位置に正確に停止することが求められる。
一方、特許文献1では、ステッピングモータの回転子側および固定子側に永久磁石を設けることにより、ステッピングモータを小型化しつつ停止位置精度の悪化防止を図る技術が開示されている。また、特許文献2では、リニアステッピングモータを利用することなく、直流モータによりアクチュエータ部を駆動して微小スペースでの直線運動を可能とする小型のリニアアクチュエータが開示されている。特許文献2のリニアアクチュエータでは、LEDとフォトダイオードとによりアクチュエータ部の現在位置を検出する位置検出器、および、検出された現在位置を参照してアクチュエータ部の位置決め移動量を出力する位置決め指令回路により、リニアステッピングモータ構造のアクチュエータと同様に、アクチュエータ部の多点位置決めが可能とされる。
特開平10−178770号公報
特開2000−78885号公報
ところで、基板を回転しつつ処理する基板処理装置では、上述のように、基板の搬出入の際に基板保持部および基板を停止位置に正確に停止する必要がある一方で、基板を処理する際には基板を高速にて回転する必要がある。このような基板処理装置では、通常、基板を回転するモータとしてサーボモータを採用し、モータに保持された基板の位置をエンコーダにより継続的に取得してフィードバック制御を行うことにより、高速回転と停止位置の精度向上とを両立させることが行われている。
しかしながら、基板処理装置では、モータの高精度な位置制御が必要となるのはモータを停止する際のみであり、高速回転中にまでモータの位置制御を行う必要はない。これに対し、高価なサーボモータを駆動源として用いて基板の位置を常時取得する構成では、基板処理装置の更なるコストダウンが困難になってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、モータの回転部を高速回転するとともに回転部の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現することを主な目的としている。
請求項1に記載の発明は、電動式のモータであって、固定部と、回転部と、前記回転部を前記固定部に対して所定の中心軸を中心に回転可能に支持する軸受機構と、前記回転部が所定の検出位置に位置したことを検出する検出部とを備え、前記回転部が、前記中心軸を中心とする同心円状の第1環状部および第2環状部を備え、前記固定部が、前記中心軸を中心とする回転磁界を発生し、電磁誘導により前記第1環状部との間に回転トルクを発生する第1電機子と、付与されるパルス信号に応じて前記第2環状部との間にトルクを発生することにより前記回転部をステップ駆動する第2電機子とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータであって、前記第1電機子への電流供給が停止している状態で、前記第2電機子に前記パルス信号を付与し、前記検出部にて前記回転部が前記検出位置に位置したことが検出された後、前記第2電機子に対するパルス信号の付与を停止することにより、または、所定量のパルス信号を前記第2電機子に付与することにより、前記回転部を所定の停止位置に位置させる制御部をさらに備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のモータであって、前記回転部および前記固定部が、前記中心軸を中心とする環状である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のモータであって、前記第1環状部が前記第2環状部よりも内側に位置する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のモータであって、前記第2電機子が、前記中心軸を中心とする円弧状である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のモータであって、前記第2環状部が、所定の間隔にて全周に配置される複数の永久磁石を備える。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のモータであって、前記第1電機子に三相の交流電流が供給される。
請求項8に記載の発明は、基板を回転しつつ処理する基板処理装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部を回転することにより前記基板を主面に平行な面に沿って回転する請求項3に記載のモータと、前記基板の前記主面に所定の処理を行う処理機構とを備える。
本発明では、モータの回転部を高速にて回転することができるとともに回転部の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現することができる。請求項4の発明では、回転部の停止位置の位置精度を容易に向上することができる。請求項5の発明では、モータを小型化するとともにモータの構造を簡素化することができる。請求項6の発明では、モータの構造を簡素化しつつ第2電機子によるトルクを大きくすることができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す断面図である。基板処理装置1は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を回転しつつ洗浄処理を行うことにより、基板9の両面に付着したパーティクル等の異物を除去する基板洗浄装置である。
図1に示すように、基板処理装置1は、円板状の基板9の外縁部を少なくとも3箇所で保持する開閉移動可能なチャックピンより構成される基板保持部2、基板保持部2の下側において基板保持部2を回転することにより基板9を上面および下面(すなわち、図1中の基板9の上側および下側の主面)に平行な面に沿って回転する電動式のモータ5、基板保持部2に保持される基板9の上面側に配置されて基板9の上面に洗浄処理を行う第1洗浄機構3、および、基板9を挟んで第1洗浄機構3とは反対側に配置されて基板9の下面に洗浄処理を行う第2洗浄機構4を備える。
基板保持部2は、後述するモータ5の回転部51(図2参照)の上部に取り付けられる。基板9は、基板9の上面および下面に垂直な中心軸がモータ5の中心軸50と一致するように基板保持部2により保持される。基板処理装置1では、第1洗浄機構3および第2洗浄機構4により、基板9上に処理液(以下、「洗浄液」という。)が供給されて基板9の洗浄(いわゆる、ウェット洗浄)が行われる。
基板処理装置1は、第1洗浄機構3による洗浄における使用済みの洗浄液(基板9の上面の洗浄に使用された後の洗浄液であり、以下、「洗浄廃液」という。)を基板9の外周から回収する環状の廃液回収部6、並びに、基板保持部2、第1洗浄機構3、第2洗浄機構4、モータ5および廃液回収部6を内部に収納するチャンバ11をさらに備える。図1中では、チャンバ11を矩形の線にて簡略化して示す。廃液回収部6の下側には、チャンバ11の内壁と接続する円環状の支持板111が設けられており、基板保持部2、モータ5および廃液回収部6が支持板111上に配置される。そして、基板保持部2に基板9が保持される。なお、チャンバ11は気密構造とされる必要はない。
本実施の形態では、基板9は、微細なパターンが形成された表側の面を上方に向け、裏側の面を下方に向けて保持される。すなわち、以下の説明では、基板9の上面とは基板9の表側の面を指し、下面とは基板9の裏側の面を指す。基板処理装置1では、基板9の上面に供給された洗浄液が排気気流と共に廃液回収部6に回収され、基板9の下面に供給された洗浄液が支持板111の下方に回収されることにより、基板9の上下にそれぞれ供給された洗浄液が分離回収される。
第1洗浄機構3は、基板9の上面に向けて洗浄液の液滴をキャリアガスと共に噴出する液滴噴出ノズル31、並びに、窒素(N2)ガスおよび洗浄液である純水を個別に液滴噴出ノズル31に供給する窒素ガス供給管32および洗浄液供給管33を備える。液滴噴出ノズル31は、洗浄液とキャリアガスとを内部において混合して洗浄液の微小な液滴を生成し、生成された液滴を噴出する内部混合型の二流体ノズルである。第1洗浄機構3では、基板9の上面に純水の微小な液滴を衝突させることにより、上面に形成された微細なパターンを損傷することなく、上面に付着している有機物等の微小なパーティクルを効率良く除去することができる。
第2洗浄機構4は、基板9の下面に向けて洗浄液を供給する洗浄液供給部42、および、洗浄液が供給された基板9の下面に当接し、これをブラシ洗浄する洗浄ブラシ41を備える。第2洗浄機構4では、洗浄ブラシ41により基板9の下面を摩擦することにより、下面に付着した異物を効率良く除去することができる。
図2は、モータ5の図1中における左側の一部を拡大して示す断面図であり、図3は、モータ5を示す平面図である。図2および図3に示すように、モータ5は、内側に中空部を有する略円環状の中空モータであり、鉛直方向を向く中心軸50を中心として回転する回転部51、および、回転部51に組み合わされて回転部51との間でトルクを発生する固定部52を備える。回転部51および固定部52は、中心軸50を中心とする略円環状であり、回転部51は、ガスによる静圧を利用した軸受機構を介して固定部52に対して中心軸50を中心に回転可能に支持される。モータ5は、図3に示すように、回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出する検出部53をさらに備え、また、図2に示すように、固定部52および検出部53を制御する制御部54をさらに備える。ここで、回転部51の位置とは、回転部51上の定点(例えば、回転部51に取り付けられた後述する検出用磁石531)の固定部52に対する相対的な角度位置(すなわち、中心軸50を中心とする周方向における角度位置)を意味する。
図2に示すように、固定部52は、固定部52の各部を保持するベース部521、および、回転部51を回転可能に支持する軸受機構の一部である環状支持部522を備える。環状支持部522は、ベース部521の内周側において中心軸50(図1参照)に向けて突出しており、最も内周側に円筒状の多孔質部材5221を備える。環状支持部522の内部には、多孔質部材5221の外側面に沿ってガス(本実施の形態では、窒素ガス)が流れる円環状のガス流路5222が形成されている。
固定部52は、また、環状支持部522の外側に配置される中心軸50を中心とする環状の第1電機子523、および、第1電機子523の外側に配置される中心軸50を中心とする円弧状の第2電機子524を備える。第1電機子523は、中心軸50を中心とする円周上に所定の間隙を設けて多数配置される磁気コア5231、および、複数の磁気コア5231のそれぞれに設けられるコイル5232を備える。磁気コア5231は、板状の珪素鋼板チップを多数重ねて形成され、コイル5232は、エナメル線等の導線を磁気コア5231に巻き付けて形成される。
第2電機子524は、中心軸50を中心とする円弧上に所定の間隙を設けて配置される複数の磁気コア5241、および、複数の磁気コア5241のそれぞれに導線を巻き付けて形成されるコイル5242を備える。固定部52では、第1電機子523の外周に沿う環状の冷却水流路525が形成されており、外部の冷却水供給装置から冷却水供給路526(図1参照)の一方を介して冷却水流路525に冷却水が供給され、冷却水供給路526の他方から排出されることにより、第1電機子523および第2電機子524にて発生した熱の除去が行われる。なお、冷却水供給路526の一方は、他方から周方向にずれた位置(例えば、中心軸50を挟んだ反対側)に設けられてもよい。
回転部51は、図2および図3に示すように、第1電機子523の内側を覆う円筒状の第1環状部511、第1環状部511よりも外側にて第2電機子524の上方を覆う円環板状の第2環状部512、並びに、第1環状部511よりも内側において環状支持部522の上面、下面および内側面と所定の隙間をあけて対向し、ガスを介して環状支持部522に支持されてモータ5の軸受機構の一部となる被支持部513を備える。なお、図2では、平行斜線により第1環状部511、第2環状部512および被支持部513の右半分の領域を図示している。本実施の形態では、第1環状部511、第2環状部512および被支持部513は一体的に設けられるが、これらの部位は、個別に形成されて互いに固定されてもよい。
図3に示すように、第1環状部511および第2環状部512は、中心軸50を中心とする同心円状であり、第1環状部511は第2環状部512よりも内側に位置する。第1環状部511は、図2に示すように、第1電機子523の内側において複数の磁気コア5231に対向する円筒状の導電板514を備える。第2環状部512は、中心軸50を中心として第2電機子524の磁気コア5241の上方を通る円周上において、図3に示すように、所定の間隔にて全周に配置される複数の永久磁石515を備える。各永久磁石515は、隣接する永久磁石515とは逆の磁極が第2電機子524と対向するように配置されており、第2環状部512に設けられた貫通穴に嵌合した状態で接着される。なお、図3では、図示の都合上、第2環状部512に取り付けられた永久磁石515の個数を実際の個数(本実施の形態では、360個)よりも少なく描いている。
図2に示す固定部52では、環状支持部522に接続されたガス供給路5223を介して外部のガス供給装置からガス流路5222にガスが供給され、多孔質部材5221の表面(すなわち、上面、下面および内側面)から滲み出るように流出する。これにより、多孔質部材5221の上側、下側および内周側において、回転部51の被支持部513が、ガスを介して環状支持部522に非接触の状態にて支持される。すなわち、被支持部513および環状支持部522は、回転部51を固定部52に対して回転可能に支持する静圧気体軸受機構となっている。当該軸受機構では、被支持部513と環状支持部522との隙間に多孔質部材5221を介してガスを供給することにより、当該隙間におけるガスの分布の均一性を向上することができ、回転部51を固定部52に対して安定して支持することができる。
モータ5では、固定部52の第1電機子523に多相(例えば、二相や三相であり、本実施の形態では、三相)の交流電流が供給され、制御部54の制御により複数のコイル5232に位相が異なる交流電流が与えられることにより、第1電機子523の内側に中心軸50を中心とする回転磁界が発生する。これにより、第1電機子523の内側に設けられた第1環状部511の導電板514に電磁誘導による渦電流が生じ、第1環状部511と第1電機子523との間に中心軸50を中心とする回転トルクが発生する。その結果、固定部52に対して非接触にて支持される回転部51が、固定部52に沿って滑らかに高速にて回転する。
また、モータ5では、制御部54により第2電機子524の複数の磁気コア5241にパルス信号が順次付与されることにより、磁気コア5241と第2環状部512の永久磁石515との間に引力および斥力が生じる。これにより、第2環状部512と第2電機子524との間に付与されるパルス信号に応じたトルクが発生し、回転部51が中心軸50を中心とする周方向にステップ駆動される。モータ5において回転部51が回転する際には、制御部54により、第1電機子523および第2電機子524のいずれか一方のみに駆動電流が供給され、両電機子に同時に電流が供給されることはない。
図4は、第2電機子524および第2環状部512を模式的に示す図であり、図5は、第2電機子524の各スイッチに付与されるパルス信号を示すタイミングチャートである。図4では、第2電機子524の4つの磁気コア(以下、それぞれを区別するために、図4中の左から順に符号5241a〜5241dを付す。)の磁極を切り替える機構を簡略化して描いている。また、第2環状部512に設けられる複数の永久磁石515において、第2電機子524に対向する側の磁極を「N」「S」にて図中に示す。
第2電機子524では、図4中のマイナス側のスイッチ(すなわち、スイッチU1−,U2−,V1−,V2−)がOFFとされ、プラス側のスイッチ(すわなち、スイッチU1+,U2+,V1+,V2+)がそれぞれONとされることにより、プラス側の各スイッチに対応する磁気コア(の第2環状部512に対向する端部)がS極となり、プラス側のスイッチがOFFとされ、マイナス側のスイッチがそれぞれONとされることにより、マイナス側の各スイッチに対応する磁気コアがN極となる。各スイッチはパルス信号が付与されることにより瞬間的にONになり、その後OFFに戻る。
図5に示すように、第2電機子524では、まず、他のスイッチがOFFの状態で、スイッチU1+,U2−がONとされることにより、磁気コア5241aがS極とされ、磁気コア5241cがN極とされる。そして、磁気コア5241a,5241cと第2環状部512の複数の永久磁石515との間に働く引力および斥力により回転部51が僅かに回転し、図4に示すように、磁気コア5241aが1つの永久磁石515のN極と対向するとともに磁気コア5241cが他の永久磁石515のS極と対向する。
続いて、スイッチU1+,U2−がOFFとされ、スイッチV1+,V2−がONとされることにより、磁気コア5241bがS極とされ、磁気コア5241dがN極とされる。これにより、磁気コア5241b,5241dにそれぞれ最も近接している永久磁石515のN極およびS極が磁気コア5241b,5241dに対向するまで第2環状部512が図4中の左側へと移動する。すなわち、回転部51が中心軸50を中心として僅かに(本実施の形態では、図3中における時計回りに0.5°だけ)回転する。
以下、同様に、スイッチV1+,V2−がOFFとされ、スイッチU1−,U2+がONとされることにより、磁気コア5241a,5241cがそれぞれN極,S極とされて回転部51が0.5°だけ時計回りに回転し、スイッチU1−,U2+がOFFとされ、スイッチV1−,V2+がONとされることにより、磁気コア5241b,5241dがそれぞれN極,S極とされて回転部51が再び0.5°だけ時計回りに回転する。モータ5では、各スイッチのON,OFFの切り替えが繰り返されることにより、回転部51が中心軸50を中心とする所定の回転方向にステップ駆動される。
このように、モータ5では、第1電機子523、第1環状部511、環状支持部522および被支持部513により、誘導電動機が構成され、第2電機子524、第2環状部512、環状支持部522および被支持部513によりステッピングモータが構成される。
図3に示す検出部53は、回転部51において複数の永久磁石515よりも内側に取り付けられた検出用磁石531、および、固定部52に固定されて検出用磁石531が上方に位置したことを検出するホールセンサ532を備える。基板処理装置1では、回転部51が所定の停止位置に位置している時に、検出用磁石531がホールセンサ532の直上に位置するように検出用磁石531の取付位置が定められており、図3に示すように、回転部51が所定の停止位置に位置した状態で基板9が搬出入されるように各構成が設計されている。基板9を確実に搬出入するために回転部51に求められる停止位置の位置精度は、本実施の形態では、0.5°である。
次に、基板処理装置1における基板9の洗浄について説明する。図6は、基板処理装置1における基板9の洗浄の流れを示す図である。基板処理装置1では、まず、チャンバ11の搬出入口(図示省略)が開放されて基板9がチャンバ11内に搬入され(ステップS11)、予め所定の停止位置に位置している回転部51上の基板保持部2により基板9が受け取られて保持される(ステップS12)。基板9が保持されると、チャンバ11の搬出入口が閉鎖される。
続いて、制御部54により第1電機子523に駆動電流(すなわち、三相交流電流)が供給されて回転部51の回転が開始されるとともに、第1洗浄機構3の液滴噴出ノズル31および第2洗浄機構4の洗浄ブラシ41が基板9の上方および下方へと移動する(ステップS13)。そして、回転部51と共に高速(本実施の形態では、3000rpm)にて回転する基板9の上面に対して、第1洗浄機構3による液滴の噴射、および、液滴噴出ノズル31の移動が開始される。第1洗浄機構3では、液滴噴出ノズル31が液滴の噴射を継続しつつ基板9の上方にて中心と外周との間で往復移動を繰り返すことにより、基板9の上面(すなわち、基板9の表側の面)に対する洗浄が行われる。
また、第2洗浄機構4では、第1洗浄機構3による基板9の上面の洗浄開始と同時に、洗浄液供給部42による基板9の下面への洗浄液の供給、および、洗浄ブラシ41による下面の摩擦が開始される。そして、第1洗浄機構3による基板9の上面の洗浄と並行して、洗浄ブラシ41が基板9の下面のブラシ洗浄を継続しつつ基板9の下方にて基板9の中心と外周との間で往復移動を繰り返すことにより、基板9の下面(すなわち、基板9の裏側の面)に対する洗浄が行われる(ステップS14)。
基板9の上面および下面の洗浄が終了すると、液滴噴出ノズル31および洗浄ブラシ41が基板9の上方および下方から外側へと退避し、モータ5の第1電機子523により継続されている基板9の回転により、基板9上から洗浄廃液の除去が行われる。このとき、基板9は洗浄時よりも高速にて回転され、基板9の上面上の洗浄廃液が遠心力により基板9の外周へと移動して廃液回収部6に回収される。その後、第1電機子523への駆動電流の供給が停止されて回転部51および基板9の回転が停止され(ステップS15)、第1電機子523への電流供給が停止している状態で、制御部54により第2電機子524に駆動電流が供給されて(すなわち、パルス信号が付与されて)回転部51および基板9のステップ駆動(すなさち、ステップ状に行われる微小角度の回転)が開始される(ステップS16)。
基板処理装置1では、回転部51がステップ駆動されている間、検出部53のホールセンサ532により、回転部51と共に回転する検出用磁石531の検出が継続的に行われており、検出用磁石531がホールセンサ532の直上に位置したことが検出されると(すなわち、検出部53において回転部51および基板9が所定の停止位置に位置したことが検出されると)、第2電機子524に対するパルス信号の付与が停止されて第2電機子524による回転部51および基板9のステップ駆動が停止される(ステップS17,S18)。
その後、チャンバ11の搬出入口が開放され、所定の停止位置に位置した基板保持部2から基板9がチャンバ11外へと搬出されることにより基板9に対する洗浄処理が終了する(ステップS19)。
以上に説明したように、モータ5では、第1電機子523により、電磁誘導を利用して回転部51を高速にて回転することができるとともに、第2電機子524により回転部51をステップ駆動しつつ検出部53により回転部51が所定の停止位置に位置したことを検出することにより、回転部51の停止位置の位置精度向上を簡素な構成にて実現することができる。したがって、モータ5は、基板9に対する洗浄処理の質および作業効率を向上するための高速回転、および、基板9の的確な搬出入のための停止位置の位置精度向上が要求される基板処理装置1に特に適している。
ところで、モータ5では、回転部51の停止位置の位置精度(すなわち、停止位置に係る分解能)は、第2環状部512に設けられる複数の永久磁石515の間隔(すなわち、隣接する永久磁石515が中心軸50を中心として為す角度)や第2電機子524の磁気コア5241の配置等により決定される。モータ5では、第1環状部511を第2環状部512よりも内側に位置させることにより、第2環状部512の径を大きくして永久磁石515の個数を容易に増加することができるため、永久磁石515のピッチ角を小さくすることができる。このため、第2環状部512を第1環状部511よりも内側に位置させる場合に比べて、モータ5を大型化することなく、回転部51の停止位置の位置精度を容易に向上することができる。
また、第2環状部512において、複数の永久磁石515を用いて第2電機子524との間にトルクを発生させることにより、永久磁石を利用しない場合に比べてトルクを大きくすることができる。さらに、市販の小型永久磁石を第2環状部512に取り付けることにより、第2電機子524との間にトルク発生機構を構成することができるため、モータ5の構造を簡素化することができるとともにモータ5の製造コストを低減することができる。
モータ5では、第2電機子524を中心軸50を中心とする円弧状とすることにより、第2電機子524が円環状とされる場合に比べてモータ5を小型化することができるとともにモータ5の構造をより簡素化することができる。また、第1電機子523に供給される駆動電流を三相の交流電流とすることにより、交流電流の生成に市販のインバータユニットを利用することができるため、モータ5の製造を容易化し、モータ5の製造コストをさらに低減することができる。さらに、単相の交流電流を駆動電流として利用する場合に比べ、回転部51と第1電機子523との間に発生する回転トルクを大きくすることもできる。
基板処理装置1では、モータ5が環状の回転部51および固定部52を有する中空モータであり、基板保持部2がモータ5の内側の中空部の上方において基板9の外縁部を保持することにより、モータ5および基板処理装置1を小型化しつつ基板9の両面の同時洗浄を容易に実現することができる。
上述のように、基板処理装置1のモータ5では、回転部51が所定の停止位置に位置した時に検出用磁石531がホールセンサ532により検出されるが、検出用磁石531は、回転部51が所定の停止位置に位置した状態において、ホールセンサ532の直上からずれた位置に取り付けられてもよい。この場合、図6中のステップS17において検出用磁石531がホールセンサ532により検出された後、ステップS18に代えて所定量のパルス信号(すなわち、検出用磁石531がホールセンサ532の直上に位置した状態から回転部51が所定の停止位置まで回転移動するために必要な量のパルス信号)が第2電機子524に付与されることにより、回転部51が所定の停止位置に位置する。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、モータ5では、回転部51を固定部52に対して回転可能に支持する軸受機構は、必ずしも静圧気体軸受機構には限定されず、例えば、ボールベアリングであってもよい。
また、第2環状部512では、必ずしも複数の永久磁石515が設けられる必要はなく、例えば、第2環状部512の下面が、中心軸50を中心とする周方向に複数の凹部と凸部とが交互に配列された櫛歯構造の磁性体とされてもよい。この場合、第2電機子524に付与されるパルス信号によって複数の磁気コア5241と上記複数の凸部との間に生じる力により、回転部51のステップ駆動が行われる。
モータ5では、例えば、複数の検出部53が設けられてもよい。また、検出部53による回転部51の停止位置の検出は、必ずしも磁気の検出により行われる必要はなく、例えば、固定部52または基板処理装置1のフレーム等にフォトセンサが設けられ、回転部51に光源からの光を透過する穴(または、光源からの光を反射する面)が設けられて当該穴を透過した光(または、当該面により反射された光)がフォトセンサにより検出されることにより、回転部51の停止位置が検出されてもよい。あるいは、基板保持部2に保持された基板9のノッチをカメラ等により観察することにより、基板9および回転部51の停止位置が検出されてもよい。さらには、モータ5にエンコーダが設けられ、回転部51の停止位置の検出に利用されてもよい。
基板9に対する洗浄は、必ずしも、上記実施の形態に係る洗浄方法には限定されず、様々な洗浄方法が採用される。例えば、基板9の上面に対して、外部混合型の二流体ノズルにより純水の液滴が噴射されて洗浄が行われてもよい。また、純水以外の洗浄液の液滴や固体の二酸化炭素等の微粒子が二流体ノズルやその他の方法により噴射されてもよい。さらには、短パルスレーザの照射によるアブレーション(融解・蒸発)を利用したレーザ洗浄や超音波振動を利用した超音波洗浄が行われてもよい。基板9の下面に対する洗浄も、洗浄液を介しての超音波振動の付与や洗浄液の水流(または、洗浄液の液滴)を高速にて基板9に噴射することにより行われてもよい。
モータ5は、基板処理装置1の小型化および基板9の両面の同時洗浄の実現の観点からは中空モータであることが好ましいが、他の構造とされてもよい。例えば、第1電機子523および第1環状部511の導電板514が、基板9の下側において基板9の外周エッジよりも内側に設けられ、基板保持部2を介して基板9を下側から支持しつつ基板9を回転してもよい。
基板処理装置1は、基板9の洗浄以外にも、基板9に対するレジスト液の塗布等、他の様々な処理に利用されてよい。また、基板処理装置1は、プリント配線基板やフラットパネル表示装置に使用されるガラス基板等、半導体基板以外の様々な基板の処理に利用されてよい。
1 基板処理装置
2 基板保持部
3 第1洗浄機構
4 第2洗浄機構
5 モータ
9 基板
50 中心軸
51 回転部
52 固定部
53 検出部
54 制御部
511 第1環状部
512 第2環状部
513 被支持部
515 永久磁石
522 環状支持部
523 第1電機子
524 第2電機子
S11〜S19 ステップ
2 基板保持部
3 第1洗浄機構
4 第2洗浄機構
5 モータ
9 基板
50 中心軸
51 回転部
52 固定部
53 検出部
54 制御部
511 第1環状部
512 第2環状部
513 被支持部
515 永久磁石
522 環状支持部
523 第1電機子
524 第2電機子
S11〜S19 ステップ
Claims (8)
- 電動式のモータであって、
固定部と、
回転部と、
前記回転部を前記固定部に対して所定の中心軸を中心に回転可能に支持する軸受機構と、
前記回転部が所定の検出位置に位置したことを検出する検出部と、
を備え、
前記回転部が、前記中心軸を中心とする同心円状の第1環状部および第2環状部を備え、
前記固定部が、
前記中心軸を中心とする回転磁界を発生し、電磁誘導により前記第1環状部との間に回転トルクを発生する第1電機子と、
付与されるパルス信号に応じて前記第2環状部との間にトルクを発生することにより前記回転部をステップ駆動する第2電機子と、
を備えることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータであって、
前記第1電機子への電流供給が停止している状態で、前記第2電機子に前記パルス信号を付与し、前記検出部にて前記回転部が前記検出位置に位置したことが検出された後、前記第2電機子に対するパルス信号の付与を停止することにより、または、所定量のパルス信号を前記第2電機子に付与することにより、前記回転部を所定の停止位置に位置させる制御部をさらに備えることを特徴とするモータ。 - 請求項1または2に記載のモータであって、
前記回転部および前記固定部が、前記中心軸を中心とする環状であることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータであって、
前記第1環状部が前記第2環状部よりも内側に位置することを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のモータであって、
前記第2電機子が、前記中心軸を中心とする円弧状であることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のモータであって、
前記第2環状部が、所定の間隔にて全周に配置される複数の永久磁石を備えることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のモータであって、
前記第1電機子に三相の交流電流が供給されることを特徴とするモータ。 - 基板を回転しつつ処理する基板処理装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部を回転することにより前記基板を主面に平行な面に沿って回転する請求項3に記載のモータと、
前記基板の前記主面に所定の処理を行う処理機構と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006078021A JP2007259536A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | モータおよび基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006078021A JP2007259536A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | モータおよび基板処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007259536A true JP2007259536A (ja) | 2007-10-04 |
Family
ID=38633198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006078021A Pending JP2007259536A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | モータおよび基板処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007259536A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11621659B2 (en) | 2018-04-09 | 2023-04-04 | Moving Magnet Technologies | Method for controlling a polyphase motor |
-
2006
- 2006-03-22 JP JP2006078021A patent/JP2007259536A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11621659B2 (en) | 2018-04-09 | 2023-04-04 | Moving Magnet Technologies | Method for controlling a polyphase motor |
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