JP2007258553A - 表示デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウム合金層と透明電極層とがコンタクトホールを介して直接接合された構造を有する表示デバイスにおいて、そのコンタクト抵抗値を増加させることのない、表示デバイスの製造技術を提案する。
【解決手段】 基板に形成されたアルミニウム合金層上に、絶縁層を形成し、該絶縁層にレジストを被覆してドライエッチングにてコンタクトホールを形成し、該コンタクトホールを介して透明電極層と前記アルミニウム合金層とを直接接合させる工程を備える表示デバイスの製造方法において、コンタクトホールの形成に用いるドライエッチングガスは無機ハロゲンガスとし、レジストを剥離する剥離液にはグリコール類含有の水系溶液を用いることとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスの製造方法に関し、特に、アルミニウム合金層と透明電極層とがコンタクトホールを介して直接接合された構造を有する表示デバイスの製造技術に関する。
近年、液晶ディスプレイは、様々な電子機器の表示に使用されており、この液晶ディスプレイを構成する表示デバイスの開発は目覚ましく進行している。この液晶ディスプレイの表示デバイスとしては、例えば薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下、TFTと略称する)が知られており、このTFTを構成する配線材料としては、アルミニウム(Al)合金が用いられている。
TFTなどの表示デバイスを製造する場合、配線又は電極をアルミニウム合金薄膜により形成されることがあるが、このアルミニウム合金薄膜により配線又は電極(以下、アルミニウム合金層と称す)を形成する際には、従来、ITOやIZOなどの透明電極層とアルミニウム合金層との接合界面に、MoやCrなどから形成される、いわゆるコンタクトバリアー層(或いは、キャップ層と呼ばれる)が設けられていた(例えば、非特許文献1参照)。
内田龍男 編著,「次世代液晶ディスプレイ技術」,初版,株式会社 工業調査会,1994年11月1日,p.36−38
このコンタクトバリアー層を介在させると、アルミニウム合金層と透明電極層との酸化還元電位値の相違により生じる、電気化学的反応が抑制されて、接合界面の破壊やコンタクト抵抗値の増加を防止できる。しかし、このコンタクトバリアー層を設ける場合、表示デバイス構造が複雑になるため、生産コストの増加に繋がる傾向となる。また、最近では、コンタクトバリアー層の構成材料である、Crの使用を排除する市場動向もあり、コンタクトバリアー層の形成技術に大きな制約が生じ始めている。
そのため、最近では、コンタクトバリアー層を省略し、アルミニウム合金層と透明電極層との直接接合が可能となる、表示デバイス構造が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2004−214606号公報 特開2003−89864号公報
しかしながら、例えば、特許文献1に開示された表示デバイス構造においては、直接接合した際のコンタクト抵抗値がやや大きく、実用的には更に改善する余地がある。また、本出願人の提案した特許文献2に開示された先行技術についても同様に、コンタクトバリアー層を省略した際の問題、つまり、透明電極層とアルミニウム合金層とを直接接合するための製造工程上の問題については、具体的な検討が十分にされていないのが現状である。
そこで本発明は、以上のような事情を背景に、アルミニウム合金層と透明電極層とがコンタクトホールを介して直接接合された構造を有する表示デバイスにおいて、そのコンタクト抵抗値を増加させることのない、表示デバイスの製造技術を提案することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、透明電極層との直接接合が可能なアルミニウム合金層上に形成した、SiNxなどの絶縁層に、コンタクトホールを形成する際のドライエッチング工程や、絶縁層に被覆したレジストの剥離処理に関し、種々の検討を行った。その結果、コンタクトホール形成時のドライエッチングガスとレジストの剥離液を工夫することで、コンタクトホールを介した直接接合におけるコンタクト抵抗値を確実に低い状態にできることを見出し、本発明に想到した。
一般的に、アルミニウム合金層に対し水を含む剥離液を使用すると、アルミニウム合金層の侵食が生じることが知られている。また、侵食された表面のアルミニウム合金層上に透明電極層を直接接合させると、コンタクト抵抗値の増加やその接合不良が生じ、直接接合の信頼性が低下するものと考えられていた。ところが、本発明者らの研究によると、使用するドライエッチングガスとして無機ハロゲンガスを用い、剥離液を特定組成の水系溶液にすると、直接接合におけるコンタクト抵抗値を確実に低い状態に出来ることが見出された。
本発明は、基板に形成されたアルミニウム合金層上に絶縁層を形成する工程と、該絶縁層にレジストを被覆して、ドライエッチングガスによりコンタクトホールを形成するドライエッチング工程と、レジスト剥離後にレジスト剥離液の洗浄を行い、透明電極層と前記アルミニウム合金層とを該コンタクトホールを介して直接接合させる工程とを備える表示デバイスの製造方法において、ドライエッチングガスには無機ハロゲンガスを使用し、レジスト剥離液は、グリコール類を含有する水系溶液を用いたことを特徴とするものである。
そして、本発明に用いるドライエッチングガスは、無機ハロゲンガスが好ましく、その中でも特にSFガスであることが好ましい。
また、本発明は、アルミニウム合金層の形成後、該アルミニウム合金層の表面に酸化アルミニウム層を形成させる工程を備えることが好ましい。
本発明は、上記のようにアルミニウム合金層の表面に酸化アルミニウム層を形成した場合、この酸化アルミニウム層を除去する工程を更に備えることが好ましい。
さらに、レジスト剥離後においては、残存する剥離液の除去が必要となるが、この残存する剥離液の除去においては、水を用いることが好ましい。
上述した本発明に係る表示デバイスの製造方法は、アルミニウム合金層がAl−Ni系合金からなる場合に好適なものである。特に、Al−Ni系合金の中でも、アルミニウムにニッケル及びボロンを含有したAl−Ni−B系合金に適用することが好適である。
本発明によれば、アルミニウム合金層と透明電極層とがコンタクトホールを介して直接接合された構造を有する表示デバイスにおいて、コンタクト抵抗値の低い表示デバイスが、容易に製造可能となる。
以下、本発明に関する最良の実施形態について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の表示デバイスの製造方法は、具体的には、次のような工程により実施できる。図1に、本実施形態における表示デバイスの製造方法に関する工程フローの一例を示す。
図1に示す本実施形態の製造方法は大きく分けて3つの工程からなり、A.アルミニウム合金層の形成工程、B.絶縁層、コンタクトホールの形成工程、C.透明電極層の形成工程の順序で行われる。
まず、Aのアルミニウム合金層の形成工程では、基板上に、アルミニウム合金ターゲットを用いてスパッタリングを行い、成膜したアルミニウム合金層に熱処理を行って、その表面に酸化皮膜を形成する。その後、アルミニウム合金膜の表面にレジストを塗布し、露光・現像処理をして、パターニングのエッチング処理が行われる。その後、レジストの剥離処理を行い、洗浄処理、乾燥処理が行われる(以下、A工程と略す)。
このA工程におけるアルミニウム合金層を成膜する際のスパッタリング条件は、基板加熱温度は室温から300℃で、DC電源1W/cm〜20W/cm、スパッタリング圧力0.1Pa〜1.0Pa、導入ガスはアルゴン(Ar)を適用することができる。
また、このアルミニウム合金層の組成としては、アルミニウムに、ニッケルを含有したAl−Ni系合金を採用することが好ましい。このAl−Ni系合金は、透明電極層と直接接合した際の接合特性に優れており、コンタクトホールにおいて透明電極層とアルミニウム合金層とを直接接合させた際に、低いコンタクト抵抗値を確実に実現できるからである。さらに、Al−Ni系合金の中でも、アルミニウムにニッケル及びボロンを含有したAl−Ni−B系の合金を用いることが望ましい。Al−Ni−B系合金は、直接接合した際の接合特性や耐熱性に優れているからである。
そして、このアルミニウム合金層を成膜した後は、その表面に酸化アルミニウム層を形成する工程を設けることが望ましい。アルミニウム合金層は水による侵食が生じやすい傾向があり、特にアルカリ性の水溶液には非常に侵食されやすい傾向がある。そのため、成膜したアルミニウム合金層をエッチングしてパターニングする際に、アルミニウム合金層が激しく侵食される場合が生じるため、成膜後、アルミニウム合金層表面に酸化アルミニウム層を形成し、アルミニウム合金層が過度に侵食されないように保護するのである。また、アルミニウム合金層に形成した酸化アルミニウム層を除去する工程を更に備えるようにすることもできる。
この酸化アルミニウム層の形成は、アルミニウム合金層の形成後に加熱処理を行って、アルミニウム合金層表面に酸化アルミニウム層を形成する方法を採用することができる。この加熱処理は、250℃より低いと十分な酸化アルミニウム層が形成されず、400℃を超える加熱処理を行うと、アルミニウム合金層自体に過度の熱履歴を与えることになるため、400℃以下の加熱処理が好ましい。また、酸素プラズマなどの反応を利用した、いわゆるアッシング処理をアルミニウム合金層に行うことにより酸化アルミニウム層を形成することも可能である。さらに、例えば、スパッタリングによりアルミニウム合金層を形成する場合にあっては、そのスパッタ雰囲気中に酸素を導入して酸化アルミニウム層を形成する方法を採用してもよい。
このA工程におけるレジストとしては、ノボラック樹脂系のものが使用でき、そのレジスト液粘度は5cps〜30cpsのものを適用することができる。そして、レジスト厚さは0.5μm〜2.0μm厚を適用できる。レジストのポストベーキングは、ホットプレート、オーブンで行うことができ、好ましくはホットプレートである。例えば、ノボラック樹脂系レジストをホットプレートでポストベーキングを行う場合は、大気中、110℃〜130℃で、1min〜40minの処理時間を適用することができる。或いは、ノボラック樹脂系レジストをオーブンでポストベーキングを行う場合は、大気中、110℃〜130℃で、15min〜40minの処理時間を適用することができる。このポストベーキングの温度が高くなり過ぎると、レジストとアルミニウム合金層との密着性が高くなりすぎ、テーパー形成の制御が困難となる傾向がある。一方、ポストベーキングの温度が低くなり過ぎると、形成される回路の線幅精度が悪くなる傾向となる。
A工程における露光処理は、市販のマイクロアナライザーを使用することができる。露光方法としては、マスク接触タイプ、プロジェクションタイプを適用することができる。光源は、水銀ランプ250W〜500Wタイプを使用することができる。露光量はレジストの種類に合わせて適宜決定する必要がある。露光後の現像処理は、周知の手法を各種選択して適用することが可能である。
A工程おけるパターニングのエッチング処理は、ドライエッチング或いはウエットエッチングのいずれをも採用することが可能である。ドライエッチングの場合、エッチングガスとしてハロゲン系ガスが使用でき、特に、塩素系ガス、臭素系ガスが好ましい。ウエットエッチングの場合、一般的には、リン酸系混酸エッチング液(組成(容量比) リン酸:蓚酸:酢酸:水=16:1:2:1)が多用されているが、このエッチング液と異なる組成のエッチング液であっても、回路形成が可能であれば使用可能である。リン酸系混酸エッチング液を用いる場合、液温は30℃〜50℃を適用することができる。この液温は高い方が液粘度が下がるため、回路形成時にテーパーの制御をし易くなる反面、エッチングレートが速くなるため、エッチング処理時間等の制御が難しくなる傾向がある。
A工程におけるレジスト剥離処理は、剥離液として極性溶剤、水系剥離液、非水系剥離液を使用することができる。極性溶剤、水系剥離液を用いる場合は、液温30℃〜50℃を適用でき、非水系剥離液の場合は、液温40℃〜80℃を適用することができる。このレジストの剥離後の洗浄処理、乾燥処理は周知の手法を適用することができる。尚、水系剥離液とは、水を含有する剥離液であることを示す。
次に、上記A工程に続き、Bの絶縁層、コンタクトホールの形成工程では、パターニングされたアルミニウム合金配線回路上に、プラズマCVDやスパッタリングによりSiNxの絶縁層が形成される。そして、その絶縁層の表面にレジストを塗布し、露光・現像処理をして、絶縁層にコンタクトホールを形成するためのパターニングを行う。このコンタクトホールの形成は、ドライエッチング処理により行う。その後、レジストの剥離処理を行い、洗浄処理、乾燥処理が行われる(以下、B工程と略す)。
このB工程における絶縁層をスパッタリングにより形成する場合、RF電源(1W/cm〜20W/cm、スパッタリング圧力0.1Pa〜1.0Pa)を用い、基板加熱温度は高くしすぎると耐電圧強度を低下させる傾向があることやアルミニウム合金層などの材料への負荷を考慮して、200℃〜400℃にすることが望ましい。ターゲットは、窒素(N)含有のSiNターゲットを用いることができる。スパッタリング時の導入ガスとして、アルゴン(Ar)を適用でき、窒素(N)同時に導入してもよい。アルゴンと窒素とを導入する場合、N/(Ar+N)=0.05〜0.5となるような割合で導入すると、良好なSiNx絶縁層が形成できる。
このB工程におけるレジストについては、上記A工程で説明したレジストと同様なものを適用できる。また、レジストのポストベーキングは、A工程と同様に、ホットプレート、オーブンで行うことができる。例えば、ノボラック樹脂系レジストをホットプレートでポストベーキングを行う場合は、大気中、140℃〜160℃で、1min〜40minの処理時間を適用することができる。この場合、140℃未満になると、コンタクトホールを形成する際のドライエッチング時に、レジストと絶縁層とのエッチング速度の選択比を取り難くなる傾向がある。一方、160℃を超えると、レジスト残渣が発生し易くなる傾向となる。また、露光処理、現像処理は、上記A工程で説明した手法を適用できる。
B工程におけるドライエッチング処理は、ドライエッチングガスとして、SF、NF、ClF、SOF、又はSiF等のように炭素を含有しない無機ハロゲンガス、もしくはこれら二種以上の組み合わせを用いることが望ましい。特に、後述するように、グリコール類を含有する水系溶液をレジスト剥離液として用いた場合には、SFの無機ハロゲンガスを適用することが好ましい。SFガスであると、グリコール類を含有する水系溶液をレジスト剥離液として用いた場合に、コンタクト抵抗値を確実に低い値に維持できることが確認されたからである。尚、本実施形態の製造方法において、ドライエッチングガス中に、酸素、窒素、水素、アルゴンなどのガスを含有させて、ガス濃度の均一性を維持し、コンタクトホールの形成能力を制御することは適宜対応することができる。
そして、B工程におけるレジスト剥離処理は、レジスト剥離液としてグリコール類を含有する水系溶液を用い、例えば、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコール等を含有するものを用いることが好ましい。このような水系溶液を用いると、ドライエッチングにより生じたレジストや絶縁層の反応生成物を効率的に除去でき、この残渣を確実に除去することにより、目的とする低コンタクト抵抗値が実現できるからである。剥離液の洗浄処理は、イソプロピルアルコールなどの非水系溶液を用いることも可能であるが、水を用いることが好ましい。水で洗浄した方が抵抗値を低く維持できることが確認されたからである。なお、汚染防止のため、使用する水はイオン交換水や蒸留水など、一般に純水と呼ばれるものであることが好ましい。この洗浄処理後の乾燥処理は周知の手法を適用することができる。尚、この水系溶液とは、水を含有する溶液であることを示す。
続いて、コンタクトホールの形成後は、Cの透明電極層の形成工程に進む。コンタクトホールが形成された絶縁層上に、ITOなどの透明電極材料からなる合金ターゲットを用いてスパッタリングを行い、透明電極層を形成する。その後、透明電極層の表面にレジストを塗布し、露光・現像処理をして、パターニングのエッチング処理が行われる。その後、レジストの剥離処理を行い、洗浄処理、乾燥処理が行われる(以下、C工程)。
このC工程におけるITO透明電極層を成膜する際のスパッタリング条件は、基板加熱温度は室温から300℃で、DC電源1W/cm〜20W/cm、スパッタリング圧力0.1Pa〜1.0Pa、導入ガスはアルゴン(Ar)と酸素を適用することができる。アルゴンと酸素とは、O/(Ar+O)=0.005〜0.05となるような割合で導入すると、良好なITO透明電極層が形成できる。また、ターゲットとしては、In−5wt%〜15wt%SnOの組成のものを使用することができる。
このC工程におけるレジストとポストベーキングに関しては、上記A工程で説明した手法を適用できる。そして、このC工程におけるエッチング処理は、非晶質タイプのITOの場合には蓚酸系エッチング液を使用することができるが、結晶化ITOの場合では王水を使用する必要がある。エッチング後のレジスト剥離処理は、上記A工程で説明した手法を適用できる。また、このレジストの剥離後の洗浄処理、乾燥処理は周知の手法を適用することができる。
本発明は、上記した図1のような工程フローを適用することが可能であるが、この図1に示した工程条件に限定されるものではない。例えば、上記A工程におけるアルミニウム合金層の形成、或いはC工程の透明電極層の形成については、スパッタリング法の他に、EB蒸着法、イオンプレーティング法、エアロゾルディポジッション法、インクジェット法などを採用することも可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1:この実施例1では、ドライエッチングガスとしてSFを用い、異なる液組成の水系溶液を用いた場合のコンタクト抵抗値を調査した結果を説明する。本実施形態では、アルミニウム合金層としてAl−Ni(5.0at%)−B(0.4at%)である、Al−Ni−B系合金を用い、透明電極層としてITO(組成In−10wt%SnO)を採用した。この実施例1の評価サンプルの作製は、以下のようにして行った。
(アルミニウム合金層の形成工程)
まず、ガラス基板上に、前記組成のAl合金ターゲットを用い、スパッタリング条件、投入電力3.0Watt/cm、アルゴンガス流量100sccm、アルゴン圧力0.5Paとしてマグネトロン・スパッタリング装置を用い、厚み2000Åのアルミニウム合金層を形成した。
そして、アルミニウム合金層表面にスピンコーター(IH−DX2型:ミカサ(株)製)を用いて、ノボラック樹脂系のレジスト(TFR970:東京応化工業(株):粘度9cps)を1.0μm〜1.2μm厚さ被覆し、ポストベーキングを大気中、110℃±0.5℃、3min行った。線幅20μmの回路形成するためのCr製パターニングマスクを配置して露光処理をした。この露光処理は、接触タイプのマイクロアナライザー(MA−20型:ミカサ(株)製)を用い、光源を水銀ランプ500W、露光量を15mJ/cmとした。この露光処理後、濃度2.38%、液温23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液(以下、TMAH現像液と略す)で現像処理をした。現像処理後、リン酸系混酸エッチング液(PAN、関東化学(株)製/組成(容量比)リン酸:蓚酸:酢酸:水=16:1:2:1)を使用して、液温40℃でエッチング処理をして回路形成を行った。その後のレジスト剥離処理には、グリコール類含有の水系溶液からなる剥離液(Dongwoo Finechem社製:PRS2000)を用いて、液温40℃にて5minのレジストの除去を行い、20μm幅のアルミニウム合金層回路を形成した。このグリコール類含有の水系溶液からなるレジストの剥離液としては、その他に、グリコールエーテル、エチレングリコールを含有する剥離液(長瀬産業(株):N−322改1)を利用することが可能である。
(絶縁層、コンタクトホール形成工程)
20μm幅のアルミニウム合金層回路を形成後、純水洗浄、乾燥処理を行い、その表面にSiNxの絶縁層(厚み4200Å)を形成した。この絶縁層の成膜は、スパッタリング装置を用い、投入電力RF3.0Watt/cm、アルゴンガス流量90sccm、窒素ガス流量10sccm、圧力0.5Pa、基板温度300℃のスパッタ条件で行った。
続いて、上記アルミニウム合金層の回路形成時と同様な条件で、絶縁層表面にレジストを被覆し、ポストベーキングを大気中、110℃±0.5℃、3min行った。その後、10μm×10μm角のコンタクトホール開口用パターンマスクを絶縁層上に配置して露光処理をした。この露光処理は、露光量を25mJ/cmとした以外の条件は、上記アルミニウム合金層の回路形成時と同様にした。露光後は、液温23℃のTMAH現像液により現像処理をした。そして、ドライエッチングガスにSFを用いて、コンタクトホールを形成した。コンタクトホール形成条件は、SFガス流量60sccm、酸素ガス流量5sccm、圧力4.0Pa、出力125Wとした。コンタクトホール形成後、上記剥離液はPRS2000を用いて、液温40℃で5min、レジストの除去を行った(実施例1)。この剥離処理後、残存する剥離液を純水洗浄し、乾燥処理を行った。
(透明電極層の形成工程)
そして、このレジストの剥離処理が終了した各サンプルに対し、ITOターゲット(組成In−10wt%SnO)を用いて、コンタクトホール内及びその周囲にITOの透明電極層を形成した。透明電極層の形成は、スパッタリングを基板温度100℃、投入電力1.8Watt/cm、アルゴンガス流量80sccm、酸素ガス流量0.7sccm、圧力0.37Paの条件として、厚み1000ÅのITO膜を形成した。なお、本実施例の透明電極層は、非結晶ITOにより形成されている。
このITO膜表面に、上記アルミニウム合金層の回路形成時と同様にしてレジストを被覆し、ポストベーキングを大気中、110℃±0.5℃、3min行った。そして、線幅20μmの回路形成が可能なCr製パターニングマスクを配置して露光処理をした。この露光処理は、露光量を25mJ/cmとした以外の条件は、上記アルミニウム合金層の回路形成時と同様にした。露光後は、液温23℃のTMAH現像液で現像処理をし、シュウ酸系混酸エッチング液(関東化学(株)社製ITO 05N)により、20μm幅回路の形成を行った。ITO膜回路形成後、剥離液(PRS2000)によりレジストを除去した。
また、比較のために、上記した絶縁層、コンタクトホールの形成工程におけるレジスト剥離液として、グリコール類を含有しない水系溶液、或いはグリコール類を含有する非水系溶液という上記実施例1と異なる液組成のレジスト剥離液を用いた評価サンプルも作製した。作製条件については上記実施例1と同様であり、レジスト剥離液は、2−アミノエタノール、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンを含有する水系溶液からなる剥離液(東京応化工業(株)社製:TST−AQ3:比較例1)と、ジエチレングリコールを含有する非水系溶液からなる剥離液(東京応化工業(株)社製:ST10:比較例2)とを用いた。尚、この比較例1の評価サンプルは、剥離処理後の残存する剥離液の洗浄を純水で行い、比較例2の評価サンプルはイソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄を行った。
上記した手順により、コンタクトホールを形成し、コンタクトホールを介してアルミニウム合金層と透明電極層とが直接接合された各評価サンプルについて、そのコンタクト抵抗値を測定した。その測定結果を表1に示す。このコンタクト抵抗値の測定法は、図2に示すような四端子法に基づき、評価サンプルである素子を大気中、250℃、30minのアニール処理後、各評価サンプルの抵抗値測定を行った。尚、このコンタクト抵抗値について、同一条件につき4個の評価サンプルを製造した。それぞれのサンプルにつき、4回ずつ測定した抵抗値を算術平均し、さらに4つのサンプルについての平均値を算出した。
表1に示すように、グリコール類を含まない水系溶液に比較して、グリコール類含有の水系溶液の方が、明らかにコンタクト抵抗値が小さくなる傾向が確認された。また、グリコール類を含有した場合であっても、その剥離液が非水系溶液であると、コンタクト抵抗値が大きくなることが判明した。尚、この実施例1及び比較例1及び2の評価サンプルは、アルミニウム合金回路層を形成した後に、熱処理は行っていない。
実施例2:この実施例2では、レジストの剥離液としてグリコール類含有の水系溶液を用いた場合において、ドライエッチングガスとしてSFとCFとを用いてコンタクトホールを形成した場合の調査結果について説明する。また、この実施例2では、レジスト剥離処理後、残存する剥離液を洗浄除去する際に用いる洗浄水の影響についても併せて調査した。
ドライエッチングガスにSFを用いた場合の評価サンプル(実施例2−1〜実施例2−5)の作製条件は、上記実施例1と同様にした。また、CFをドライエッチングガスで用いた場合の評価サンプル(比較例3〜比較例8)の作製条件は、コンタクトホール形成条件をCFガス流量50sccm、酸素ガス流量5sccm、圧力4.0Pa、出力150Wとした以外は、上記実施例1と同様の条件で行った。そして、各評価サンプルは、剥離処理後、残存する剥離液を純水洗浄、もしくはイソプロピルアルコール(IPA)を用いて洗浄除去した後に水洗し、乾燥処理を行った。尚、この実施例2の評価サンプルの作製においては、基板にアルミニウム合金層を形成した後、大気中、200℃又は300℃にて30min加熱処理(酸化アルミニウム層形成処理)したものと、加熱処理自体を行わなかったものの、各評価サンプルを作製し、そのコンタクト抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
表2より、剥離液としてグリコール類含有の水系溶液を用いた場合、ドライエッチングガスにCFを用いると、SFに比べて、明らかにコンタクト抵抗値が大きくなる傾向が確認された。また、レジスト剥離液の洗浄には純水を用いた方が、IPAで洗浄する場合よりも低いコンタクト抵抗値を維持できることが判明した。さらに、アルミニウム合金の基板形成後における加熱処理温度は、高いほどコンタクト抵抗値が低くなる傾向があり、純水洗浄の場合においては300℃の加熱処理で最も低いコンタクト抵抗値を示した。尚、表2示す実施例1は、上記表1で示したデータと同じものである。
また、表2に示す実施例について、レジスト剥離液の洗浄を純水で行った場合のアルミニウム合金層表面を、光学顕微鏡により観察を行った。その結果、アルミニウム合金層形成後に、高い温度で加熱処理を行った場合では、加熱処理を行わなかった場合と比べて、アルミニウム合金層表面に観察されたピンホールのようなものが少ないことが確認された。具体的には、加熱処理を行っていない場合のアルミニウム合金層表面に存在するピンホールは1mm中あたり5.1個観察された。しかし、200℃の加熱処理をした場合で1.2個/mm、300℃の場合では0.5個/mmであった。このことより、アルミニウム合金層形成後の加熱処理温度が高い程、アルミニウム合金層表面に形成されるピンホールなどの欠損箇所が少ないために、コンタクト抵抗値を低く維持できたと考えられる。上記結果より、アルミニウム合金形成後には、250℃以上で加熱処理を行い、アルミニウム合金層表面に酸化アルミニウム層の形成をすることが好ましいと考えられた。
この加熱処理によるアルミニウム合金層表面に形成された酸化アルミニウム層については、評価サンプルの作製工程中、次のような過程を経るものと考えられる。アルミニウム合金層の形成後、その表面に設けられた酸化アルミニウム層は、アルミニウム合金層の回路形成工程における剥離液からの激しい侵食を保護することになる。しかし、その後、コンタクトホール形成時のドライエッチングガスの影響を受け、酸化アルミニウムがアルミニウムフッ化物に変化する。そして、このアルミニウムフッ化物は、その後のレジスト剥離処理、洗浄処理にて除去されることになる。そのため、アルミニウム合金層形成後にコンタクト抵抗値の増大に繋がる酸化アルミニウム層を形成しても、低いコンタクト抵抗値を実現できたのである。
次に、図3及び図4には、実施例2においてレジスト剥離液の洗浄液が異なる場合のアルミニウム合金層の表面状態を、FE−SEM(FEI社製、XL30SFEG)により観察した結果を示している。このアルミニウム合金層の表面観察は、透明電極層を形成する前のコンタクトホール内で露出されたアルミニウム合金層の表面をFE−SEMで観察したものである。図3が純水で洗浄した場合であり、コンタクトホール内で露出したアルミニウム合金層の表面全体に、均一な粒状物の存在が確認された。一方、図4にはIPAにより洗浄した場合を示しているが、アルミニウム合金層表面に粒状物は観察されなかった。本発明者らの研究によると、上記粒状物にはAlNi等の成分が含まれていることが確認した。この粒状物は、アルミニウム合金層と透明電極層の接合界面に位置し、両層の接合を補助する役割を果たしていると考えられる。
以上の結果より、剥離液に水系溶液を用いてもコンタクト抵抗値が低く維持できるのは、次のように推測される。水によりアルミニウム合金層の表面が侵食された場合、図3で示したようにアルミニウム合金層表面に上記した粒状物が存在するようになる。そして、このような粒状物の存在するアルミニウム合金層に透明電極層が直接接合されるため、粒状物の存在が直接接合を補助する役目を果たし、結果としてコンタクト抵抗値が低くなるのである。よって、上記した粒状物が形成されることを考慮すると、アルミニウム合金層の組成はAl−Ni系であることが望ましいものである。
工程フロー概略図。 四端子法による抵抗値測定素子の概略図。 レジスト剥離液の洗浄を、純水で行った場合のFE−SEM観察写真、及びその拡大写真。 レジスト剥離液の洗浄を、IPAで行った場合のFE−SEM観察写真及びその拡大写真。

Claims (6)

  1. 基板に形成されたアルミニウム合金層上に絶縁層を形成する工程と、該絶縁層にレジストを被覆して、ドライエッチングガスによりコンタクトホールを形成するドライエッチング工程と、レジスト剥離後にレジスト剥離液の洗浄を行い、透明電極層と前記アルミニウム合金層とを該コンタクトホールを介して直接接合させる工程とを備える表示デバイスの製造方法において、
    ドライエッチングガスには無機ハロゲンガスを使用し、
    レジスト剥離液は、グリコール類を含有する水系溶液を用いたことを特徴とする表示デバイスの製造方法。
  2. 無機ハロゲンガスは、SFである請求項1に記載された表示デバイスの製造方法。
  3. アルミニウム合金層の形成後、該アルミニウム合金層の表面に酸化アルミニウム層を形成させる工程を備える請求項1又は請求項2に記載された表示デバイスの製造方法。
  4. 前記酸化アルミニウム層を除去する工程を更に備える請求項3に記載された表示デバイスの製造方法。
  5. 剥離液によるレジストの剥離後、残存する剥離液を水により除去する請求項1から請求項4のいずれかに記載された表示デバイスの製造方法。
  6. アルミニウム合金層はAl−Ni系合金からなる請求項1から請求項5のいずれかに記載された表示デバイスの製造方法。
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