JP2007257799A - 磁気ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの巻き数を低減しても十分な強度の記録磁界を発生することが可能な磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供すること。
【解決手段】浮上面Sに露出した主磁極39と、主磁極39の上に形成された非磁性膜42と、ギャップ非磁性膜42の上に浮上面Sから後退して形成され、主磁極39を励磁する非磁性コイル46と、ギャップ非磁性膜42の上に非磁性コイル46と接して形成され、浮上面Sに露出した軟磁性片43と、軟磁性片43と非磁性コイル46の上に形成された絶縁膜50と、絶縁膜50の上に形成され、主磁極39と共に磁路を構成する上部リターンヨーク52とを有する磁気ヘッド60による。
【選択図】図11

Description

本発明は、磁気ヘッド及び磁気記録装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録装置では、薄膜磁気ヘッドにより、ハードディスク等の磁気記録媒体へのデータの記録が行われる。磁気記録媒体への記録方式としては、媒体の面内方向に記録層を磁化させる長手磁気記録方式が一般的である。この長手記録方式は、ハードディスクドライブ等を長い間支えてきた技術であるが、磁気記録媒体の記録密度が近年急速に増加したことにより、その技術はもはや限界に近づきつつあり、更なる高記録密度化が困難な状況に至っている。
長手記録方式に代わる記録方式として現在注目されているものに垂直磁気記録方式がある。この方式では、磁気記録媒体の面内方向の垂直方向に記録層を磁化させて記録を行う。その垂直磁気記録方式では、記録層の隣接するビットの磁化が平行若しくは反平行になって互いに強め合う性質があるので、各磁化が面内において対向する長手磁気記録方式に比べ、原理的に高記録密度化に向いている。
図1は、このような垂直磁気記録方式が採用されたハードディスクドライブの斜視図である。
そのハードディスクドライブは、ハードディスク5と磁気ヘッド19とで構成される。
このうち、ハードディスク5は、非磁性基材1の上に軟磁性裏打層2、非磁性下地層3、記録層4とをこの順に積層してなる。
また、磁気ヘッド19は主磁極12とリターンヨーク11とを有し、主磁極12を励磁して記録磁界を発生させるための非磁性コイル13が主磁極12の近くに配される。そして、磁気情報を読み取るためのGMR(Giant Magneto-Resistive)素子等の再生素子17が主磁極12から離れて設けられると共に、再生分解能を確保するための磁気シールド15、16が再生素子17の両側に配される。
このようなハードディスクドライブでは、書き込みを行う際、断面積の小さな主磁極12で発生した強い記録磁界Hが記録層4に印加される。このようにすると、垂直磁気異方性を有する記録層4のうち、主磁極12の直下にあるビットでは、この記録磁界Hによって磁化が反転し、情報が書き込まれる。
主磁極12から出た磁束は、このように記録層4を垂直に貫いた後、磁気ヘッド19と共に磁路を構成する裏打層2を通り、再び記録層4を通って、断面積の大きなリターンヨーク14に低い磁束密度で帰還される。
そして、ハードディスク5と磁気ヘッド19とを図のAの方向に相対移動させつつ、記録信号に応じて記録磁界Hの向きを変えることにより、垂直方向に磁化された複数の磁区が記録層4のトラック方向に連なって形成され、記録信号がハードディスク5に記録されることになる。
ところで、図1の点線円内に示すように、書き込み時に主磁極12から出る記録磁界Hの中には、主磁極12の記録層対向面から記録層4に入る磁界H1の他に、主磁極12の側面から漏れ出る磁界H2がある。この側面から漏洩する磁界H2の存在は、記録磁界の変化を鈍化させ、記録層4に高記録密度の磁気情報を書き込むのを阻害する。
特に、主磁極12のリターンヨーク11寄りの端部(トレーリングエッジ)12bの下方では、1ビットに対応する磁区に最後に記録磁界が印加され、その磁区の磁化が最終的に確定されるので、この部分の記録磁界Hの強度分布が広がると、記録ビットの磁化遷移を鈍化させ、再生信号の品質に大きな影響を及ぼす。
そこで、この種の磁気ヘッド19では、軟磁性材料よりなるトレーリングシールド14をリターンヨーク14の側面に設け、上記の主磁極側面から漏洩する磁界H2をトレーリングシールド14に吸収させて、記録磁界Hの広がりを抑制している。
図2は、記録層4における記録磁界Hの強度分布を模式的に表す図であり、横軸は走査方向Aに沿った距離、縦軸は磁界強度を示す。
図2に示されるように、リターンヨーク11にトレーリングシールド14を設けたことで、リターンヨーク11寄りの主磁極12の端部(トレーリングエッジ)12bにおいて記録磁界Hが急峻に立ち上がるようになり、高密度記録が可能となる。
なお、再生素子17寄りの主磁極12の端部(リーディングエッジ)12aは、1ビットに対応する磁区に最初に記録磁界Hを印加する部分であり、その磁区の磁化を最終的に確定する部分では無い。従って、リーディングエッジ12a側では、記録磁界Hが広がって書き滲みが発生しても、磁気情報の分解能や記録密度にそれほど影響を与えず、トレーリングエッジ12b側のようにシールド14を設ける必要は無い。
トレーリングシールド14は、上記のように磁界強度を急峻に変化させて記録密度を高める役割を果たす。
ここで、ハードディスクドライブには、上記した高い記録密度の他に、高速で書き込みが行えるという特性も要求される。
高速書き込みを行うには、リターンヨーク11の長さや非磁性コイル13の巻き数を可能な限り減少させることにより、裏打層2と磁気ヘッド19とを合わせた磁路長や、磁気ヘッド19のインダクタンスを低減する必要がある。
しかしながら、非磁性コイル13の巻き数を低減するとコイル13の起磁力が低下するため、主磁極12から出る記録磁界強度が減少してしまう。そのため、垂直磁気記録方式で採用される磁気ヘッド19では、なるべく浮上面に近い位置に非磁性コイル13を設けることにより、主磁極12の先端部を集中的に励磁するのが望ましい。
ところが、上記のようにリターンヨーク11にトレーリングシールド14を設けると、そのトレーリングシールド14が邪魔で非磁性コイル13を浮上面に近づけることができないという問題が発生する。
なお、本発明に関連する技術が、下記の特許文献1に開示されている。
米国特許第4656546号明細書
本発明の目的は、コイルの巻き数を低減しても十分な強度の記録磁界を発生することが可能な磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、浮上面に露出した主磁極と、前記主磁極の上に形成された非磁性膜と、前記非磁性膜の上に前記浮上面から後退して形成され、前記主磁極を励磁する非磁性コイルと、前記非磁性膜の上に前記非磁性コイルと接して形成され、前記浮上面に露出した軟磁性片と、前記軟磁性片と前記非磁性コイルの上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に形成され、前記主磁極と共に磁路を構成するリターンヨークとを有する磁気ヘッドが提供される。
本発明では、リターンヨーク寄りの主磁極の側面から発生する磁界が軟磁性片に吸収されるので、磁気記録媒体に導入される記録磁界の分布が急峻となり、媒体に対して高分解能且つ高記録密度の磁気情報を記録することができる。
しかも、その軟磁性片は、非磁性コイルと接するように形成されるため、主磁極を励磁するコイルとしても機能する。そして、浮上面に露出するようにその軟磁性片を形成するので、主磁極の先端部分が軟磁性片によって効果的に励磁され、磁気記録媒体に対向する主磁極の先端部分おいて強い記録磁界が発生する。これにより、高速書き込みを行うために非磁性コイルの巻き数を減らして磁気ヘッドのインダクタンスを低減しても、十分な強度の記録磁界によって媒体に磁気情報を記録することができるようになる。
本発明によれば、非磁性コイルに接し且つ浮上面に露出するように軟磁性片を形成するので、高速書き込みを実現すべく非磁性コイルの巻き数を減らしても十分な強度の記録磁界が得られると共に、その記録磁界の分布を急峻にして高分解能且つ高記録密度な磁気情報を書き込むことができる。
(1)第1実施形態
次に、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッドについて、その製造工程を追いながら詳細に説明する。
図3〜図11は、本実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図である。
最初に、図3(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、AlTiC基板(非磁性基板)20の上にスパッタ法でアルミナ膜21を形成する。
次いで、そのアルミナ膜21の上にレジストパターン(不図示)を形成し、そのレジストパターンの窓の中に電解めっき法によりNi80Fe20層を形成した後、レジストパターンを除去してアルミナ膜21上にNi80Fe20層を再生素子用下部シールド22として残す。
なお、リフトオフ法に代えて、イオンミリングや反応性イオンエッチング等によってNi80Fe20層のパターニングを行ってもよい。更に、電解めっき法に代えて無電解めっきやスパッタ法でNi80Fe20層を形成するようにしてもよい。これらについては、以下の各膜についても同様である。
その後に、AlTiC基板20の上側全面にスパッタ法でアルミナ膜23を形成する。
続いて、図3(b)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法でアルミナ膜23の上面を研磨して平坦化すると共に、再生素子用下部シールド22を露出させる。このCMPを終了した後の再生素子用下部シールド22の厚さは約1.5μmとなる。
次いで、図3(c)に示すように、途中にGMR素子等の再生素子25の形成工程を挟みながら、アルミナ膜23と再生素子用下部シールド22のそれぞれの上にスパッタ法でアルミナ膜26を形成する。なお、再生素子25はGMR素子に限定されず、TMR(Tunneling Magneto-Resistive)素子であってもよい。
次に、図4(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、アルミナ膜26の上に、電解めっき法によりNi80Fe20よりなる再生素子用上部シールド27を形成する。
そして、この再生素子用上部シールド27とアルミナ膜26の上にスパッタ法によりアルミナ膜28を形成した後、CMP法によりそのアルミナ膜28を再生素子用上部シールド27の上面から除去する。このCMPの後の再生素子用上部シールド27の厚さは約1.5μmとなる。
更に、アルミナ膜28と再生素子用上部シールド27のそれぞれの上面にスパッタ法でアルミナ膜29を形成し、その後、アルミナ膜29上に電解めっき法によりNi80Fe20よりなる下部リターンヨーク30を形成する。
そして、下部リターンヨーク30とアルミナ膜29のそれぞれの上に、スパッタ法によりアルミナ膜31を形成し、更に下部リターンヨーク30の上の余分なアルミナ膜31をCMP法で除去する。このCMP後の下部リターンヨーク30の厚さは約1.5μmである。
続いて、図4(b)に示すように、アルミナ膜31と下部リターンヨーク30のそれぞれの上に、スパッタ法とリフトオフ法で第1開口33aを備えた第1絶縁膜33を形成する。
次に、図5(a)に示すように、第1絶縁膜33の上にレジストパターン(不図示)を形成した後、電解めっき法によりこのレジストパターンの窓の中に銅膜を約1.5μmの厚さに形成し、レジストパターンを除去して第1絶縁膜33の上に銅膜を非磁性コイル35として残す。
そして、図5(b)に示すように、電解めっき法により、第1開口33a内の再生素子用下部シールド30上に、Ni80Fe20よりなる下部リターンヨーク−主磁極接続部36を形成する。
次に、図6(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、AlTiC基板20の上側全面にスパッタ法でアルミナ膜を形成し、そのアルミナ膜を第1埋め込み絶縁膜37とする。その後、CMP法により接続部36の上の余分な第1埋め込み絶縁膜37を除去して、厚さが約2.0μmの接続部36を露出させる。
続いて、図6(b)に示すように、接続部36と第1埋め込み絶縁膜37のそれぞれの上に、電解めっき法を用いて、トラック幅が0.18μmのNi70Fe30よりなる主磁極39を形成する。
更に、図7(a)に示すように、第1埋め込み絶縁膜37と主磁極39のそれぞれの上にアルミナ膜40を形成した後、CMP法で主磁極39上の余分なアルミナ膜40を除去する。このCMPにより、主磁極39の厚さは約0.3μmとなる。
次いで、図7(b)に示すように、アルミナ膜40と主磁極39のそれぞれの上に、スパッタ法とリフトオフ法で非磁性ギャップ膜42としてアルミナ膜を厚さ約0.08μmに形成する。その非磁性ギャップ膜42は下部リターンヨーク−主磁極接続部36の上に第2開口42aを有し、その第2開口42aから主磁極39が露出する。
次に、図8(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、独立した二つの窓を備えたレジストパターン(不図示)を非磁性ギャップ膜42の上に形成する。そして、電解めっきによりこれら二つの窓の中に軟磁性膜としてNi50Fe50膜を形成する。その後、レジストパターンを除去することにより、第2開口42a内の主磁極39上にNi50Fe50よりなる主磁極−上部リターンヨーク接続部44を形成すると共に、非磁性ギャップ膜42の上にNi50Fe50よりなる軟磁性片43を形成する。
ここで、電解めっきで形成される軟磁性膜は上記のNi50Fe50に限定されず、NiとFeとを含む合金層、例えばCoFeNi層をその軟磁性層として形成してもよい。
続いて、図8(b)に示すように、電解めっき法を用いて、非磁性材料、例えば銅よりなる非磁性コイル46を非磁性ギャップ膜42の上に形成する。非磁性コイル46は、その一部が軟磁性片43に重なるようにして形成される。
また、その非磁性コイル46は、第1埋め込み絶縁膜37と非磁性ギャップ膜42に形成された不図示の開口を通じて非磁性コイル35と電気的に接続される。そして、これら非磁性コイル35、46は、主磁極39を囲むようにヘリカル状に巻かれており、その巻き数は2である。
なお、非磁性コイル35、46の巻き方は特に限定されず、上記のヘリカル型に代えてスパイラル型の巻き方を採用してもよい。
次に、図9(a)に示すように、軟磁性片43、非磁性コイル46、接続部44、及び非磁性ギャップ膜42のそれぞれの上にスパッタ法で第2埋め込み絶縁膜48としてアルミナ膜を形成した後、CMP法によりそのアルミナ膜を平坦化し、軟磁性片43、非磁性コイル46、及び接続部44の上面を露出させる。このCMPにより、軟磁性片43と非磁性コイル46の厚さは約1.5μmになり、接続部44の厚さは1.58μmとなる。
次いで、図9(b)に示すように、軟磁性片43、非磁性コイル46、接続部44、及び非磁性コイル46のそれぞれの上に、スパッタ法とリフトオフ法でアルミナ膜を形成し、そのアルミナ膜を第2絶縁膜50とする。その第2絶縁膜は、接続部44の上に第3開口50aを有し、その第3開口50aから接続部44が露出する。
続いて、図10(a)に示すように、電解めっき法とスパッタ法により、第3開口50aを介して接続部44に接続されたNi80Fe20よりなる上部リターンヨーク52を第2絶縁膜50の上に形成する。この上部リターンヨーク52の厚さは特に限定されないが、本実施形態では約1.5μmとする。
その上部リターンヨーク52は、非磁性コイル35、46により励磁され、主磁極39や下部リターンヨーク30と共に磁路を形成する。
次に、図10(b)に示すように、AlTiC基板20の上側全面に、スパッタ法により保護絶縁膜54としてアルミナ膜を形成する。
その後に、図11に示すように、再生素子25と軟磁性片43を通る切断面からダイシングを行い、磁気記録媒体に対向する浮上面Sを形成する。
以上により、本実施形態に係る磁気ヘッド60の基本構造が完成したことになる。
その磁気ヘッド60では、非磁性ギャップ膜42により主磁極39と軟磁性片43とのギャップが確保され、主磁極39と軟磁性片43とが電気的に接続されるのが防がれる。また、軟磁性片43と非磁性コイル46が上部リターンヨーク52に電気的に接続して上部リターンヨーク52にコイル電流が流れるのを防ぐために、軟磁性片43と非磁性コイル46のそれぞれの上に第2絶縁膜50が形成される。
また、非磁性コイル46が浮上面Sから後退して形成され、後退してできたスペースに軟磁性片43が形成される。
図12は、このような磁気ヘッド60を用いて垂直磁気記録媒体70に書き込みを行う際の拡大断面図である。
書き込みを行うには、磁気ヘッド60と垂直磁気記録媒体70とを図のAの方向に相対移動させながら、非磁性コイル46に通電を行って主磁極39を励磁する。
本実施形態では、非磁性コイル46に接するように軟磁性片43を形成したので、このように非磁性コイル46に通電を行うと、軟磁性片43にも電流が流れ、軟磁性片43がコイルの一部として機能することになる。従って、高速書き込みを行うべく非磁性コイル43の巻き数を減らして磁気ヘッド60のインダクタンスを低減しても、媒体70に対向する軟磁性片43において発生した磁束によって主磁極39の先端部分が励磁され、書き込みに必要な十分な強度を持った記録磁界Hを主磁極39から発生させることが可能となる。
しかも、浮上面Sに露出するように軟磁性片43を形成したので、主磁極39の軟磁性片43寄りの側面から漏洩する磁界H2が軟磁性片43によって吸収される。その結果、記録密度や分解能に大きな影響を与えるトレーリング側、即ち主磁極39のトレーリングエッジ39aの近傍の記録磁界の変化が急峻になり、媒体70に高い記録密度と分解能で磁気情報を記録させることができる。
このように、軟磁性片43はコイルとトレーリングシールドのそれぞれの機能を持っており、これにより上記のように主磁極39の励磁効率が向上すると共に、高記録密度と高分解能とを達成し易くなる。
本願発明者は、浮上面Sに垂直な方向の軟磁性片43の厚みh(図11参照)により、磁気ヘッド60のオーバーライト特性がどのように変化するのかを調査した。
なお、この調査では、図13に示すような従来例に係る記録ヘッド80のオーバーライト特性についても調査された。図13において本実施形態と同じ要素には本実施形態と同じ符号を付してある。
図13に示されるように、この記録ヘッド80では、軟磁性片43が非磁性コイル46から離れて形成されると共に、軟磁性片43と上部リターンヨーク52とが接しており、軟磁性片43がトレーリングシールドとして機能する構造となっている。
更に、この調査では垂直磁気記録媒体を回転させるためにスピンスタンドを使用した。媒体としては、軟磁性裏打層を有し、記録層が二層構造でその保磁力が4.0kOeのものを使用した。そして、その媒体に対し、200kFCI(Flux Change Per Inch)の低密度ビットパターン上に800kFCIの高密度ビットパターンをオーバーライトした。なお、記録電流値は60mA、ヘッド周速は20m/secである。
この調査結果を次の表1に示す。
Figure 2007257799
表1に示されるように、本実施形態では、軟磁性片43の厚みhを0.4μm以下にすることで、オーバーライト値が35dB以上となって従来例の値28dBを上回り、良好なオーバーライト特性が示される。これは、コイルの一部として機能する軟磁性片43により主磁極39の先端が効果的に励磁され、主磁極39から強い記録磁界が発生することを裏付けるものである。
一方、厚みhを0.4μmよりも大きくすると、オーバーライト値が急激に劣化する。
この結果から、本実施形態において十分な記録磁界を確保するには、軟磁性片43の厚みhを0.4μm以下にするのが好ましいことが明らかになった。
ところで、軟磁性片43は、既述のように主磁極39の側面から出る磁束を吸収するトレーリングシールドとしても機能するが、その軟磁性片43と主磁極39との間のギャップが大きいと、トレーリングシールドの効果が薄れると考えられる。こうなると、主磁極39の側面から出る磁束によって記録磁界の急峻さが失われ、記録された磁気情報のSN比が劣化する恐れがある。
これを確かめるため、本願発明者は、非磁性ギャップ膜42の膜厚tを様々に変えて磁気情報を垂直磁気記録媒体に書き込み、その磁気情報の読み取り時のSN比を調査した。この調査でも、図13に示した従来例に係る記録ヘッド80を用いた場合のSN比も調査された。
なお、この調査では、本実施形態及び従来例のどちらにおいても軟磁性片43の厚みhを0.2μmとした。更に、垂直磁気記録媒体の構造、記録電流値、及びヘッド周速は表1の場合と同じである。
この調査結果を次の表2に示す。
Figure 2007257799
表2に示されるように、本実施形態では、非磁性ギャップ膜42の膜厚tを0.08μm以下とすることで、従来例よりも高いSN比が得られる。一方、その膜厚tを0.08μmよりも厚くすると、SN比が従来例よりも劣る。従って、本実施形態において高記録分解能を実現するには、非磁性ギャップ膜42の膜厚tを0.08μm以下にするのが好ましいことが明らかとなった。
(2)第2実施形態
本実施形態では、第1実施形態の磁気ヘッド60を備えた磁気記録装置について説明する。
図14は、その磁気記録装置の平面図である。この磁気記録装置は、パーソナルコンピュータやテレビの録画装置に搭載されるハードディスクドライブである。
この磁気記録装置では、磁気記録媒体70が、スピンドルモータ等によって回転可能な状態でハードディスクとして筐体77に収められる。更に、筐体77の内部には、軸76を中心にしてアクチュエータ等により回転可能なキャッリッジアーム74が設けられており、このキャリッジアーム74の先端に設けられた磁気ヘッド60が磁気記録媒体70を上方から走査し、磁気記録媒体70への磁気情報の書き込みと読み取りが行われる。
本実施形態によれば、第1実施形態で説明したような軟磁性片43を磁気ヘッド60に形成したので、磁気ヘッド60から急峻な分布を持った強い記録磁界が発生し、媒体70に記録された磁気情報のオーバーライト値やSN比が向上して、高品位な磁気記録装置を提供することが可能となる。
なお、磁気記録装置は、上記のようなハードディスク装置に限定されず、可撓性のテープ状の磁気記録媒体に対して磁気情報を記録するための装置であってもよい。
以下に、本発明の特徴を付記する。
(付記1) 浮上面に露出した主磁極と、
前記主磁極の上に形成された非磁性膜と、
前記非磁性膜の上に前記浮上面から後退して形成され、前記主磁極を励磁する非磁性コイルと、
前記非磁性膜の上に前記非磁性コイルと接して形成され、前記浮上面に露出した軟磁性片と、
前記軟磁性片と前記非磁性コイルの上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成され、前記主磁極と共に磁路を構成するリターンヨークと、
を有することを特徴とする磁気ヘッド。
(付記2) 前記軟磁性片は、前記主磁極のトレーリング側に形成されたことを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記3) 前記浮上面に垂直な方向の前記軟磁性片の厚みが0.4μm以内であることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記4) 前記軟磁性片は、NiFe、又はNiとFeとを含む合金で構成されることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記5) 前記非磁性コイルはCuで構成されることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記6) 前記非磁性膜の厚さは、0.08μm以下であることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記7) 前記非磁性膜と前記絶縁膜はアルミナよりなることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記8) 前記浮上面に露出した再生素子を更に備えたことを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記9) 付記1〜付記8のいずれか一に記載の磁気ヘッドを備えた磁気記録装置。
図1は、従来例に係るハードディスクドライブの斜視図である。 図2は、従来例に係るハードディスクドライブ装置の記録層における記録磁界の強度分布を模式的に表す図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その1)である。 図4(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その2)である。 図5(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その3)である。 図6(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その4)である。 図7(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その5)である。 図8(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その6)である。 図9(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その7)である。 図10(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その8)である。 図11は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの製造途中の断面図(その9)である。 図12は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッド用いて垂直磁気記録媒体に書き込みを行う際の拡大断面図である。 図13は、従来例に係る磁気ヘッドの断面図である。 図14は、本発明の第2実施形態に係る磁気記録装置の平面図である。
符号の説明
1…非磁性基材、2…軟磁性裏打層、3…非磁性下地層、4…記録層、5…ハードディスク、11…リターンヨーク、12…主磁極、12a…リーディングエッジ、12b…トレーリングエッジ、13…非磁性コイル、15、16…磁気シールド、17…再生素子、19、60、80…磁気ヘッド、20…AlTiC基板、21、23、26、28、29、31、40…アルミナ膜、22…再生素子用下部シールド、25…再生素子、27…再生素子用上部シールド、30…下部リターンヨーク、33…第1絶縁膜、33a…第1開口、35、46…非磁性コイル、36…下部リターンヨーク−主磁極接続部、37…第1埋め込み絶縁膜、39…主磁極、42…非磁性ギャップ膜、42a…第2開口、43…軟磁性片、44…主磁極−上部リターンヨーク接続部、48…第2埋め込み絶縁膜、50…第2絶縁膜、50a…第3開口、52…上部リターンヨーク、54…保護絶縁膜、70…垂直磁気記録媒体、74…キャリッジアーム、76…軸、77…筐体。

Claims (5)

  1. 浮上面に露出した主磁極と、
    前記主磁極の上に形成された非磁性膜と、
    前記非磁性膜の上に前記浮上面から後退して形成され、前記主磁極を励磁する非磁性コイルと、
    前記非磁性膜の上に前記非磁性コイルと接して形成され、前記浮上面に露出した軟磁性片と、
    前記軟磁性片と前記非磁性コイルの上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜の上に形成され、前記主磁極と共に磁路を構成するリターンヨークと、
    を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記軟磁性片は、前記主磁極のトレーリング側に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記浮上面に垂直な方向の前記軟磁性片の厚みが0.4μm以内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  4. 前記非磁性膜の厚さは、0.08μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の磁気ヘッドを備えた磁気記録装置。
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