JP2007255832A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設定温度が過剰な温度に設定されても省エネ性を確保することができ、サーモオンとサーモオフの繰り返し頻度を低減できる空調システムを提供する。
【解決手段】コントローラ(90)には、オーナー等が予め決定した省エネ目標温度Toと、ユーザーが入力する設定温度Tsとが設定される。冷房運転時に、室内機(12)の設定温度Tsが省エネ目標温度Toよりも所定温度以上低く設定されると、判定手段(101)は、室内機(12)の空調能力が過剰になっていると判定する。その結果、能力制御手段(102)は、室外機(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように、圧縮機ユニット(40)への供給電力を制限する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱源ユニットと利用ユニットとが接続されて成る冷媒回路を備えた空調システムに関するものである。
従来より、室内の冷房や暖房を行う空調システムは、オフィスや一般家庭等に広く利用されている。
例えば特許文献1の空調システムは、室内機である利用ユニットと、室外機である熱源ユニットとが冷媒配管で接続されて冷媒回路が構成されている。熱源ユニットには、圧縮機、室外熱交換器、四路切換弁等が設けられている。一方、利用ユニットには、膨張弁及び室内熱交換器が設けられている。また、この空調システムには、ユーザーが希望する室内温度を設定温度として入力するためのコントローラが設けられている。この空調システムでは、冷媒回路で蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われることで、冷房運転や暖房運転が可能となっている。
具体的に、例えばこの空調システムの冷房運転時には、圧縮機で圧縮した冷媒が、室外熱交換器へ送られる。室外熱交換器では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器で凝縮した冷媒は、膨張弁で減圧された後、室内熱交換器へ送られる。室内熱交換器では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷房が行われる。室内熱交換器で蒸発した冷媒は、圧縮機に吸入されて再び圧縮される。
このような冷房運転では、室内温度が設定温度近くに低下するまでの間、圧縮機が継続して運転され、利用ユニットが運転状態となる。つまり、この間には、利用ユニットの室内熱交換器を冷媒が流れることとなり、利用ユニットがいわゆるサーモオンの状態となる。一方、室内温度が設定温度近くに至ると、圧縮機が休止し、利用ユニットが停止状態となる。つまり、この間には、利用ユニットの室内熱交換器に冷媒が流れず、利用ユニットがいわゆるサーモオフの状態となる。以上のように、この種の空調システムの冷房運転や暖房運転では、室内温度を設定温度近くに維持するように、圧縮機が発停し、利用ユニットでサーモオンとサーモオフとが繰り返される。
特開2002−147823号公報
一方、特許文献1のような空調システムでは、ユーザーがコントローラに過剰な設定温度を入力することもある。具体的に、例えばユーザーが夏期の冷房時の設定温度を22℃としたり、冬期の暖房時の設定温度を28℃としたりすることもあり得る。このように設定温度が過剰な温度に設定されると、室内を冷やし過ぎる、あるいは暖め過ぎることになる。即ち、このような設定温度の条件では、利用ユニットの空調能力が過剰となり易く、省エネの観点からは好ましくない。
このようなユーザーによる過剰な温度設定を回避するため、冷房時の設定温度がある程度低い、あるいは暖房時の設定温度がある程度高い値に設定された場合に、冷房時であればこの設定温度を強制的に上げ、暖房時であればこの設定温度を強制的に下げるものも知られている。しかし、このように設定温度を強制的に変更すると、室内温度が強制的に変更した設定温度に近づくので、室内温度が設定温度に至り易くなり、上述のようなサーモオン及びサーモオフが頻繁に繰り返されることになる。その結果、室内温度が変動し易くなり室内の快適性が損なわれてしまう。また、このようにサーモオンとサーモオフとが繰り返されると、圧縮機の発停頻度も多くなるので、圧縮機の寿命が短くなってしまうという問題も生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用ユニットのサーモオンとサーモオフとの繰り返し頻度を少なくしながら、設定温度が過剰な温度に設定されても省エネ性を確保することができる空調システムを提供することである。
第1の発明は、圧縮機(41,42)を有する熱源ユニット(11)と、利用ユニット(12)とが接続されて成る冷媒回路(15)を備えた空調システムを前提としている。そして、この空調システムは、予め設定される省エネ目標温度Toと上記利用ユニット(12)の設定温度Tsとを比較して、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であるか否かを判定する判定手段(101)と、該判定手段(101)によって利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定されると、上記熱源ユニット(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように上記圧縮機(41,42)への供給電力を制限する能力制御手段(102)とを備えていることを特徴とするものである。
第1の発明の空調システムには、ユーザーが入力可能な設定温度Tsと別に省エネ目標温度Toが設定される。この省エネ目標温度Toは、例えばこの空調システムが適用されるビルのオーナー等が省エネ性を確保するために予め決定する室内の目標温度となる。なお、省エネ目標温度Toは、オーナー等の要望に応じて適宜変更可能なものであってもよい。
第1の発明では、判定手段(101)によって利用ユニット(12)の空調能力が過剰となっているか否かの判定が行われる。具体的に、例えば冷房時において、ユーザーが設定温度Tsを低めに設定した場合、室内が冷えすぎとなり、利用ユニット(12)の空調能力が過剰となることが考えられる。従って、判定手段(101)は、上述の省エネ目標温度Toと、ユーザーが入力した設定温度Tsとを比較する。そして、省エネ目標温度Toに対して設定温度Tsが低めに設定されている場合には、利用ユニット(12)の空調能力が過剰となっていると判定する。このように利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定されると、能力制御手段(102)は、熱源ユニット(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように、圧縮機(41,42)の供給電力を制限する。その結果、ユーザーが設定温度Tsを低めに設定した場合にも、熱源ユニット(11)の消費電力が上記上限電力値を上回ることはない。
また、第1の発明は、上述した従来の空調システムのように、ユーザーの入力した設定温度を強制的に変更するものではない。つまり、本発明の空調システムでは、ユーザーが過剰に設定した設定温度Tsを変更しないで、圧縮機(41,42)の供給電力を抑えつつ、室内温度が設定温度Tsに近づくように運転が行われる。従って、従来例のように設定温度Tsを強制的に変更した場合には、室内温度が設定温度に到達し易く、利用ユニットのサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が多くなってしまうのに対し、本発明では、室内温度が設定温度Tsに近づきにくいので、利用ユニット(12)のサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が少なくなる。
第2の発明は、圧縮機(41,42)を有する熱源ユニット(11)と、複数台の利用ユニット(12,13)とが接続されて成る冷媒回路(15)を備えた空調システムを前提としている。そして、この空調システムは、予め設定される省エネ目標温度Toと各利用ユニット(12,13)の設定温度Tsとをそれぞれ比較して各利用ユニット(12,13)の空調能力が過剰であるか否かをそれぞれ判定する判定手段(101)と、上記判定手段(101)によって空調能力が過剰であると判定された利用ユニット(12,13)が所定台数以上になると、上記熱源ユニット(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように上記圧縮機(41,42)への供給電力を制限する能力制御手段(102)とを備えていることを特徴とするものである。
第2の発明の空調システムは、熱源ユニット(11)に対して複数台の利用ユニット(12,13)が接続される、いわゆるマルチ型の空調システムで構成される。第2の発明の判定手段(101)は、利用ユニット(12,13)毎にユーザーが入力する設定温度Tsと、オーナー等が予め決定した省エネ目標温度Toとを個別に比較する。つまり、判定手段(101)は、複数台の利用ユニット(12,13)のうち何台の利用ユニットが過剰な空調能力となっているかを判定する。なお、上記省エネ目標温度Toは、各利用ユニット(12,13)毎にそれぞれ設定される複数の値であっても良いし、各利用ユニット(12,13)に共通する1つの値であっても良い。
第2の発明の能力制御手段(102)は、空調能力が過剰であると判定された利用ユニットが、所定台数以上となる、ないし、全体台数に対して所定の割合以上を占めると、第1の発明と同様に、圧縮機(41,42)の供給電力を制限する。つまり、本発明の空調システムでは、ユーザーが設定温度Tsを過剰な設定とした利用ユニットの台数に基づいて、熱源ユニット(11)の消費電力を抑える運転が行われる。
また、第2の発明においても、各利用ユニット(12,13)の設定温度Tsは変更されない。従って、本発明では、従来例のように利用ユニット(12,13)毎のサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が多くなってしまうことがない。
第3の発明は、第1又は第2の発明の空調システムにおいて、上記利用ユニット(12)は冷房運転が可能に構成され、上記判定手段(101)が、冷房運転時に、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上低い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とするものである。
第3の発明では、利用ユニット(12)で少なくとも冷房運転が行われる。この冷房運転時において、判定手段(101)は、ユーザーが入力した設定温度Tsが省エネ目標温度Toよりも所定温度以上低い場合に、ユーザーが過剰な温度を設定したと判断し、利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定する。
第4の発明は、第3の発明の空調システムにおいて、上記判定手段(101)が、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上低く、且つ上記省エネ目標温度Toよりも室内温度が所定温度以上低い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とするものである。
第4の発明の判定手段(101)は、省エネ目標温度Toと設定温度Tsの比較に加えて、省エネ目標温度Toと室内温度の比較を行う。具体的には、まず判定手段(101)は、冷房運転時において、第3の発明と同様にして省エネ目標温度Toと設定温度Tsとを比較する。つまり、判定手段(101)は、省エネ目標温度Toよりも設定温度Tsが所定温度以上低い場合、設定温度Tsが過剰な温度であると判定する。次に、判定手段(101)は、省エネ目標温度Toと室内温度とを比較する。ここで、室内温度が省エネ目標温度Toよりも所定温度以上低い場合、室内が冷えすぎであり、利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定する。一方、室内温度が省エネ目標温度Toよりも所定温度以上低くない場合には、室内が充分冷えておらず、利用ユニット(12)の空調能力が不足していると判断する。従って、このような場合、利用ユニット(12)の空調能力は過剰でないと判定し、能力制御手段(102)によって圧縮機(41,42)の供給電力は制限されない。
第5の発明は、第1又は第2の発明の空調システムにおいて、上記利用ユニット(12)は暖房運転が可能に構成され、上記判定手段(101)は、暖房運転時に、予め設定される省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上高い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とするものである。
第5の発明では、利用ユニット(12)で少なくとも暖房運転が行われる。この暖房運転時において、判定手段(101)は、ユーザーが入力した設定温度Tsが省エネ目標温度Toよりも所定温度以上高い場合に、ユーザーが過剰な温度を設定したと判断し、利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定する。
第6の発明は、第5の発明の空調システムにおいて、上記判定手段(101)が、暖房運転時に、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上高く、且つ上記省エネ目標温度Toよりも室内温度が所定温度以上高い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とするものである。
第6の発明では、暖房運転時において、判定手段(101)が、省エネ目標温度Toと設定温度Tsとを比較する。次に、判定手段(101)は、省エネ目標温度Toと室内温度とを比較する。ここで、設定温度Tsが省エネ目標温度Toよりも所定温度以上高く、且つ室内温度が省エネ目標温度Toよりも所定温度高い場合に、設定温度Tsが過剰に高くなっており、且つ室内が暖まり過ぎとみなすことができる。従って、このような場合、判定手段(101)は、利用ユニット(12)が過剰な運転をしていると判定する。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1の空調システムにおいて、上記利用ユニット(12)が設けられる室内の環境情報を取得する環境情報取得手段(93)と、上記環境情報取得手段(93)で取得した環境情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第1変更手段(103)を備えていることを特徴とするものである。
第7の発明では、環境情報手段手段(93)が、例えば室内の空調の必要度合等の室内の環境情報を取得する。第1変更手段(103)は、この環境情報に基づいて熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する。具体的には、例えば利用ユニット(12)が設けられる部屋がサーバ室である場合、夏期にはパソコン等の電気機器の発熱を抑えるために充分な冷房を行う必要がある。このような場合に、熱源ユニット(11)の上限電力値を低いレベルとして圧縮機(41,42)の供給電力を制限すると、利用ユニット(12)の空調能力が不足してしまい、サーバ室を充分に冷房できなくなる恐れがある。そこで、本発明の第1変更手段(103)は、このような場合に熱源ユニット(11)の上限電力値を高いレベルとする補正を行う。その結果、圧縮機(41,42)の供給電力が大きくなる分だけ利用ユニット(12)の空調能力も増大するので、上述のサーバ室のように空調負荷が高い部屋であっても充分な空調を行うことができる。
第8の発明は、第1乃至第6のいずれか1の空調システムにおいて、上記利用ユニット(12)の運転情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第2変更手段(104)を備えていることを特徴とするものである。
第8の発明では、利用ユニット(12)が正常な運転を行っているか否かというような利用ユニット(12)の運転情報に基づいて、第2変更手段(104)が熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する。具体的には、例えば利用ユニット(12)が異常な運転を行っており、利用ユニット(12)で充分な空調能力が得られない場合、そのことに気が付かないユーザーは、設定温度Tsを極端に低い温度に設定することもある。このような場合にも、熱源ユニット(11)の上限電力値を低いレベルとして圧縮機(41,42)の供給電力を制限すると、利用ユニット(12)の空調能力が更に低下し、室内の快適性が損なわれてしまう。そこで、本発明の第2変更手段(104)は、このような場合に熱源ユニット(11)の上限電力値を高いレベルとする補正を行う。その結果、利用ユニット(12)の空調能力が不足している場合にも、圧縮機(41,42)の供給電力が大きくなる分だけ利用ユニット(12)の空調能力も増大するので、室内の快適性を保つことができる。
第9の発明は、第1乃至第6のいずれか1の発明の空調システムにおいて、気象情報を取得する気象情報取得手段(106)と、該気象情報取得手段(106)で取得した気象情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第3変更手段(105)を備えていることを特徴とするものである。
第9の発明では、気象情報取得手段(106)が、天候、室外温度、湿度等の過去又は現在の気象データや、その後の気象予測データを取得する。第3変更手段(105)は、この気象データに基づいて熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する。具体的には、例えば前日の天候が曇りであり、当日の天候が晴れと予報されている場合、当日の外気温度は前日に比べて高くなると判断できる。そこで、本発明の第3変更手段(105)は、このような場合に熱源ユニット(11)の上限電力値を高いレベルとする補正を行う。その結果、利用ユニット(12)の空調能力が増大するので、日中に外気温度が急激に高くなるような天候であっても、これに追随して利用ユニット(12)の空調能力を変更することができる。
第1の発明では、予めオーナー等が設定した省エネ目標温度Toと、ユーザが入力する設定温度Tsとを比較し、利用ユニット(12)の空調能力が過剰となっているか否かを判定するようにしている。そして、利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定すると、圧縮機(41,42)の供給電力を制限して、熱源ユニット(11)の消費電力を所定の上限電力値以下に抑えるようにしている。このため、本発明によれば、ユーザーが過剰な設定温度Tsを入力した場合にも、熱源ユニット(11)の消費電力が上限電力値以下となることはなく、この空調システムの省エネ性を確実に確保することができる。
また、本発明では、過剰に設定された設定温度Ts自体を変更せずに、圧縮機(41,42)の供給電力を抑えて省エネを確保するようにしている。従って、この運転時には、利用ユニット(12)がほぼサーモオンの状態に保たれる。このため、本発明によれば、従来例のように利用ユニットのサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が多くなってしまうのを回避できる。その結果、室内温度の変動幅を小さくすることができ、室内の快適性を向上させることができる。また、圧縮機(41,42)の発停に伴うストレスを低減できるので、圧縮機(41,42)の耐久性を向上させることができる。
第2の発明では、複数の利用ユニット(12,13)を有するマルチ型の空調システムにおいて、空調能力が過剰となる利用ユニット(12,13)が所定台数以上になると、圧縮機(41,42)の供給電力を制限するようにしている。従って、本発明によれば、所定台数以上の利用ユニット(12,13)の空調能力が過剰となっている場合においても、熱源ユニット(11)の消費電力を確実に上限電力値以下に抑えることができる。また、第1の発明と同様、各利用ユニット(12,13)のサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度を低減することで、室内温度の変動を抑えることができ、圧縮機(41,42)の寿命を長くすることができる。
第3の発明によれば、冷房運転を行う利用ユニット(12)について、冷房能力が過剰となっているか否かを容易に判定することができる。特に第4の発明では、省エネ目標温度Toと設定温度Tsとの比較に加え、省エネ目標温度Toと室内温度を比較して、利用ユニット(12)の冷房能力が過剰であるか否かを判定している。このため、例えば設定温度Tsは極端に低いものの、室内温度が比較的高く利用ユニット(12)の冷房能力が不足する条件において、圧縮機(41,42)への供給電力が制限されてしまうのを回避できる。その結果、冷房運転時の室内の快適性を維持することができる。
第5の発明では、暖房運転を行う利用ユニット(12)について、暖房能力が過剰となっているか否かを容易に判定できる。特に第6の発明では、省エネ目標温度Toと設定温度Tsとの比較に加え、省エネ目標温度Toと室内温度を比較して、利用ユニット(12)の暖房能力が過剰であるか否かを判定している。このため、例えば設定温度Tsは極端に高いものの、室内温度が比較的低く利用ユニット(12)の暖房能力が不足する条件において、圧縮機(41,42)への供給電力が制限されてしまうのを回避できる。その結果、暖房運転時の室内の快適性を維持することができる。
第7の発明では、室内の環境情報を基に熱源ユニット(11)の上限電力値を適宜最適な値に変更するようにしている。また、第8の発明では、利用ユニット(12)の運転情報を基に熱源ユニット(11)の上限電力値を適宜最適な値に変更するようにしている。更に、第9の発明では、気象情報を基に熱源ユニット(11)の上限電力値を適宜最適な値に変更するようにしている。つまり、これら第7から第9の発明によれば、利用ユニット(12)の空調能力や空調負荷に応じて、熱源ユニット(11)の消費電力を最適な上限電力値以下に制限でき、この空調システムの省エネ性と、室内の快適性との双方をバランス良く確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の空調システム(1)は、空調機(10)と、コントローラ(90)と、集中管理センター(100)とから構成されている。空調機(10)及びコントローラ(90)は、ビル等に設けられている。空調機(10)とコントローラ(90)とは、第1通信網(90a)を介して双方向にデータを送受信可能となっている。集中管理センター(100)は、空調機(10)及びコントローラ(90)と異なる場所に位置している。コントローラ(90)と集中管理センター(100)とは、第2通信網(100a)を介してデータを双方向に送受信可能となっている。
<空調機の構成>
空調機(10)は、1台の室外機(11)と2台の室内機(12,13)とを備え、いわゆるマルチ型の空調機を構成している。また、空調機(10)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(15)を備え、冷房運転と暖房運転を切り換えて行うように構成されている。
なお、本実施形態では、室内機(12,13)を2台としているが、これは一例である。即ち、本発明の空調機(10)は、室外機(11)の能力や用途に応じて室内機(12,13)の台数が適宜定められる。
図2に示すように、上記冷媒回路(15)は、1つの室外回路(20)と、2つの室内回路(60,65)と、液側連絡管(16)と、ガス側連絡管(17)とにより構成されている。上記室外回路(20)には、液側連絡管(16)及びガス側連絡管(17)を介して2つの室内回路(60,65)が並列に接続されている。上記液側連絡管(16)及びガス側連絡管(17)は、連絡配管を構成している。
上記室外回路(20)は、室外ユニットである室外機(11)に収納されている。該室外機(11)が熱源ユニットを構成し、上記室外回路(20)が熱源側回路を構成している。上記室外回路(20)には、圧縮機ユニット(40)と四路切換弁(21)と室外熱交換器(22)と室外膨張弁(24)とレシーバ(23)と液側閉鎖弁(25)とガス側閉鎖弁(26)とが設けられている。
上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)と第2圧縮機(42)とが並列に接続されて構成されている。各圧縮機(41,42)は、圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とを円筒状のハウジングに収納して構成されている。なお、圧縮機構及び電動機は、図示を省略している。
上記第1圧縮機(41)は、電動機が常に一定回転数で駆動される一定容量のものである。上記第2圧縮機(42)は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更される容量可変のものである。そして、上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)の駆動及び停止と第2圧縮機(42)の容量変更とによってユニット全体の容量が可変に構成されている。
上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(43)及び吐出管(44)が接続されている。該吸入管(43)の一端は、四路切換弁(21)の第1のポートに接続され、他端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吸入側に接続されている。上記吐出管(44)の一端は、2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吐出側に接続され、他端が四路切換弁(21)の第2のポートに接続されている。上記第1圧縮機(41)に接続する吐出管(44)の分岐管には、吐出側逆止弁(45)が設けられている。この吐出側逆止弁(45)は、第1圧縮機(41)から流出する方向への冷媒の流通のみを許容する。
また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分離器(51)と油戻し管(52)と均油管(54)とを備えている。油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設けられている。上記油分離器(51)は、圧縮機(41,42)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。上記油戻し管(52)の一端は、油分離器(51)に接続され、他端が吸入管(43)に接続されている。この油戻し管(52)は、油分離器(51)で分離された冷凍機油を圧縮機(41,42)の吸入側へ戻すためのものであって、油戻し電磁弁(53)を備えている。上記均油管(54)の一端は、第1圧縮機(41)に接続され、他端が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の吸入側近傍に接続されている。この均油管(54)は、各圧縮機(41,42)のハウジング内に貯留される冷凍機油の量を平均化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備えている。
上記四路切換弁(21)の第3のポートは、ガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、第4のポートは、室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されている。上記四路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図2に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図2に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(15)における冷媒の流路が変更する。
上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であって、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ(23)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して室外熱交換器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されている。
上記流入管(30)の一端は、2つの分岐管(30a,30b)に分岐され、他端がレシーバ(23)の上端部に接続されている。上記流入管(30)の第1分岐管(30a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(30a)には、第1流入逆止弁(31)が設けられている。該第1流入逆止弁(31)は、室外熱交換器(22)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。上記流入管(30)の第2分岐管(30b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(30b)には、第2流入逆止弁(32)が設けられている。該第2流入逆止弁(32)は、液側閉鎖弁(25)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
上記流出管(33)の一端は、レシーバ(23)の下端部に接続され、他端が2つの分岐管(33a,33b)に分岐されている。上記流出管(33)の第1分岐管(33a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(33a)には、上記室外膨張弁(24)が設けられている。該室外膨張弁(24)は、熱源側膨張機構を構成している。上記流出管(33)の第2分岐管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けられている。該流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液側閉鎖弁(25)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
上記室外熱交換器(22)は、熱源側熱交換器を構成している。該室外熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(22)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行う。
更に、上記室外回路(20)には、ガス抜き管(35)と均圧管(37)とが設けられている。
上記ガス抜き管(35)の一端は、レシーバ(23)の上端部に接続され、他端が吸入管(43)に接続されている。このガス抜き管(35)は、レシーバ(23)のガス冷媒を各圧縮機(41,42)の吸入側へ導入するための連通路を構成している。また、上記ガス抜き管(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられている。このガス抜き電磁弁(36)は、ガス抜き管(35)におけるガス冷媒の流れを断続するための開閉機構を構成している。
上記均圧管(37)の一端は、ガス抜き管(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(23)の間に接続され、他端が吐出管(44)に接続されている。また、上記均圧管(37)には、その一端から他端に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)が設けられている。この均圧管(37)は、空調機(10)の停止中に外気温度が異常に上昇してレシーバ(23)の圧力が高くなりすぎた場合に、ガス冷媒を逃がしてレシーバ(23)が破裂するのを防止するためのものである。したがって、空調機(10)の運転中において、均圧管(37)を冷媒が流れることはない。
上記室内回路(60,65)は、室内ユニットである各室内機(12,13)に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内回路(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回路(65)が第2室内機(13)に収納されている。
上記各室内機(12,13)は、利用ユニットを構成し、各室内回路(60,65)は、利用側回路を構成している。
上記第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器(61)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したものである。該第1室内膨張弁(62)は、第1室内熱交換器(61)の下端部に配管接続され、利用側膨張機構を構成している。上記第2室内回路(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁(67)とを直列に接続したものである。該第2室内膨張弁(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端部に配管接続され、利用側膨張機構を構成している。
上記第1室内熱交換器(61)及び第2室内熱交換器(66)は、利用側熱交換器を構成している。該各室内熱交換器(61,66)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。上記各室内熱交換器(61,66)において、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内空気とが熱交換を行う。
上記液側連絡管(16)の一端は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。該液側連絡管(16)の他端側は、2つに分岐され、その一方が第1室内回路(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内膨張弁(67)側の端部に接続されている。上記ガス側連絡管(17)の一端は、ガス側閉鎖弁(26)に接続されている。該ガス側連絡管(17)の他端は、2つに分岐され、その一方が第1室内回路(60)における第1室内熱交換器(61)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内熱交換器(66)側の端部に接続されている。
上記室外機(11)には、室外ファン(70)が設けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交換器(22)へ室外空気を送るためのものである。一方、第1室内機(12)及び第2室内機(13)には、それぞれ室内ファン(80)が設けられている。この室内ファン(80)は、室内熱交換器(61,66)へ室内空気を送るためのものである。
空調機(10)には、温度や圧力のセンサ等が設けられている。具体的に、上記室外機(11)には、室外空気の温度を検出するための外気温度センサ(71)が設けられている。上記室外熱交換器(22)には、その伝熱管温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(72)が設けられている。上記吸入管(43)には、圧縮機(41,42)の吸入冷媒温度を検出するための吸入管温度センサ(73)と、圧縮機(41,42)の吸入冷媒圧力を検出し、温度検出手段を構成する低圧圧力センサ(74)とが設けられている。上記吐出管(44)には、圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度を検出するための吐出管温度センサ(75)と、圧縮機(41,42)の吐出冷媒圧力を検出し、温度検出手段を構成する高圧圧力センサ(76)と、高圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。
上記第1室内機(12)には、第1室内熱交換器(61)に流入する室内空気の温度を検出するための第1吸込温度センサ(81a)が設けられている。上記第2室内機(13)には、第2室内熱交換器(66)に流入する室内空気の温度を検出するための第2吸込温度センサ(81b)が設けられている。また、上記各室内熱交換器(61,66)には、その伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ設けられている。上記各室内回路(60,65)における室内熱交換器(61,66)の上端近傍には、室内回路(60,65)を流れるガス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)が1つずつ設けられている。
また、図1に示すように、空調機(10)の室外機(11)には、該室外機(11)の消費電力を検知するための電力検知手段として電流計(78)が設けられている。
<コントローラの構成>
コントローラ(90)は、上記各センサの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調機(10)の運転制御を行うように構成されている。具体的に、上記コントローラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁(62,67)の開度調節と、四路切換弁(21)の切換と、ガス抜き電磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)の開閉操作とを行う。
また、図1に示すように、コントローラ(90)は、設定温度入力手段(91)と、目標温度入力手段(92)と、室内情報入力手段(93)とを備えている。
上記設定温度入力手段(91)は、室内機(12,13)毎の設定温度Tsが設定されるように構成されている。つまり、設定温度入力手段(91)には、第1室内機(12)に対応する設定温度Tsと、第2室内機(13)に対応する第2設定温度Tsとが設定される。これらの各設定温度は、ユーザーがリモコンを操作することで入力可能となっている。
上記目標温度入力手段(92)は、省エネ目標温度Toが設定されるように構成されている。この省エネ目標温度Toは、各室内機(12,13)で省エネ性を重視した運転を行うために、ビルのオーナー等が予め決定した温度である。なお、この省エネ目標温度Toは、ユーザーが操作するリモコンからでは設定が変更できないようになっている。
上記室内情報入力手段(93)は、各室内機(12,13)が設置される室内の環境情報が設定されるように構成されている。本実施形態の室内情報入力手段(93)には、各室内機(12,13)に対応する部屋についての空調の必要度合が設定される。具体的に、第1室内機(12)に対応する部屋がサーバ室として利用されている場合、室内情報入力手段(93)には、この部屋が積極的な空調を要する「重要設備」であると入力され、そうでない場合には「通常設備」と入力される。以上のように、室内情報入力手段(93)は、室内の環境情報を取得する環境情報取得手段を構成している。
以上のような構成のコントローラ(90)は、空調機(10)の各センサで検出した信号や、各入力手段(91,92,93)に入力された設定を集中管理センター(100)へ出力可能に構成されている。
<集中管理センターの構成>
集中管理センター(100)は、コントローラ(90)から送られた各種のデータ等を解析し、空調機(10)が最適な運転を行うための制御信号をコントローラ(90)に送るものである。
集中管理センター(100)は、判定手段(101)と、能力制御手段(102)と、第1変更手段(103)と、第2変更手段(104)と、第3変更手段(105)とを備えている。これら判定手段(101)、能力制御手段(102)、及び各変更手段(103,104,105)の各制御動作の詳細については後述するものとする。
また、図1に示すように、この集中管理センター(100)には、気象情報を取得する気象情報取得手段(106)が設けられている。この気象情報取得手段(106)には、過去又は現在の気象データや、将来の気象予測データ等がネットワークを介して適宜送信される。
−運転動作−
次に、上述した空調機(10)の運転動作について説明する。この空調機(10)では、四路切換弁(21)の設定を切り換えることで、以下のような冷房運転及び暖房運転が可能となっている。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、室内熱交換器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この冷房運転時において、四路切換弁(21)は、図2に実線で示す状態となる。また、上記室外膨張弁(24)は全閉となり、第1室内膨張弁(62)及び第2室内膨張弁(67)は、それぞれ所定の開度に調節される。上記ガス抜き電磁弁(36)は、閉鎖状態に保持され、上記油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開閉される。
上記圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒は、吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(22)を流れる。該室外熱交換器(22)において、上記冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮する。この凝縮した冷媒は、流入管(30)の第1分岐管(30a)を流れ、第1流入逆止弁(31)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出管(33)を流れ、流出逆止弁(34)を通過して液側連絡管(16)へ流入する。
液側連絡管(16)を流れた冷媒は、2つに分かれ、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他方が第2室内回路(65)へ流入する。該各室内回路(60,65)において、冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧された後に室内熱交換器(61,66)へ流入する。該室内熱交換器(61,66)において、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。つまり、各室内熱交換器(61,66)では、室内空気が冷却される。
上記各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡管(17)を流れ、合流した後に室外回路(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(21)と吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)は、このような冷媒の循環が繰り返される。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、室内熱交換器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この暖房運転時において、四路切換弁(21)は、図2に破線で示す状態となる。また、上記室外膨張弁(24)と第1室内膨張弁(62)及び第2室内膨張弁(67)とは、それぞれ所定の開度に調節される。上記油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適宜開閉される。また、上記ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行われている間は常に開放状態に保持される。
上記圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒は、吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を通ってガス側連絡管(17)を流れ、各室内回路(60,65)へ分配される。
上記各室内回路(60,65)へ流入した冷媒は、各室内熱交換器(61,65)で室内空気に放熱して凝縮する。該各第1室内熱交換器(61,65)では、冷媒の放熱により室内空気が加熱される。この凝縮した冷媒は、各室内膨張弁(62,67)で減圧され、液側連絡管(16)を通って室外回路(20)へ流入する。
室外回路(20)へ流入した冷媒は、流入管(30)の第2分岐管(30b)を流れ、第2流入逆止弁(32)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出管(33)を流れ、室外膨張弁(24)を経て、室外熱交換器(22)に流れる。該室外熱交換器(22)において、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、四路切換弁(21)を通過して吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)は、このような冷媒の循環が繰り返される。
−能力制御−
次に、本実施形態に係る空調システム(1)の各室内機(12,13)の能力制御について説明する。
<基本制御動作>
原則として、各室内機(12,13)は、室内温度が設定温度Tsに近づくように空調能力が変更される。具体的に、コントローラ(90)は、各室内機(12,13)に対応する各設定温度Tsと、各室内機(12,13)の吸込温度センサ(81a,81b)で検出された室内温度(吸込温度Tr)とをそれぞれ比較する。例えば冷房運転時において、第1室内機(12)の吸込温度Trが、第1室内機(12)の設定温度Tsより低い場合、第1室内機(12)はサーモオン状態となる。第1室内機(12)がサーモオンする場合には、冷媒が第1室内熱交換器(61)を流れる状態となり、第1室内機(12)で冷房動作が行われる。一方、このような冷房動作によって、第1室内機(12)の吸込温度Trが設定温度Tsに至ると、第1室内機(12)はサーモオフ状態となる。第1室内機(12)がサーモオフする場合には、第1室内膨張弁(62)が全閉状態となるとともに、例えば第1圧縮機(41)が停止状態となる。その結果、冷媒は第1室内熱交換器(61)を流れないので、第1室内熱交換器(61)では冷房動作が行われない。
また、第2室内機(13)は、該第2室内機(13)に対応する設定温度Tsを基準として、第1室内機(12)と同様にしてサーモオンとサーモオフとが行われる。また、この空調機(10)の暖房運転時にも、同様にして各室内機(12,13)でサーモオンとサーモオフとが行われる。
〈能力セーブ制御〉
ところで、このような空調システムでは、ユーザーがコントローラに過剰な設定温度を入力することがある。具体的に、例えばユーザーが夏期の冷房時の設定温度を22℃としたり、冬期の暖房時の設定温度を28℃としたりすることもあり得る。このように設定温度が過剰な温度に設定されると、室内を冷やし過ぎる、あるいは暖め過ぎることになる。即ち、このような設定温度の条件では、室内機の空調能力が過剰となってしまうので省エネの観点からは好ましくない。
そこで、本実施形態に係る空調システム(1)では、このように各室内機(12,13)の設定温度Tsが過剰な温度に設定されると、圧縮機ユニット(40)(圧縮機(41,42))への供給電力を制限する能力セーブ制御を行うようにしている。
〈過剰運転となる室内機の判定〉
集中管理センター(100)には、コントローラ(90)からの各種のデータが適宜送信される。集中管理センター(100)の判定手段(101)は、これらのデータに基づいて、各室内機(12,13)の空調能力が過剰となっているか否かを判定する判定動作を行う。なお、この判定手段(101)による判定動作では、現時点から過去1時間までの間の各種のデータについて、平均値、積算値、最大値、最小値、代表値等が用いられる。
図3に示すように、この判定動作では、まず第1室内機(12)を判定対象とする。ここで、ステップS1において、第1室内機(12)が停止中である場合、ステップS6に移行し、第2室内機(13)を判定対象とする。つまり、この判定動作では、停止中の室内機は判定対象から除外される。一方、ステップS1において、第1室内機(12)が運転中である場合、第1室内機(12)が判定対象となり、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、判定手段(101)が省エネ目標温度Toと第1室内機(12)の設定温度Tsとを比較する。ここで、冷房運転中の第1室内機(12)であれば、設定温度Tsが省エネ目標温度ToよりもA℃(例えば1℃)以上低い場合、設定温度Tsが低めに設定されていると判断し、ステップS3へ移行する一方、そうでない場合には、設定温度Tsは省エネ目標温度Toに達しているとみなして、ステップS6へ移行する。つまり、この場合には第1室内機(12)の冷房能力が過剰であると判定されない。
また、ステップS2において、暖房運転中の第1室内機(12)であれば、設定温度Tsが省エネ目標温度ToよりもB℃(例えば1℃)以上高い場合、設定温度Tsが高めに設定されていると判断し、ステップS3へ移行する一方、そうでない場合には、設定温度Tsは省エネ目標温度Toに達しているとみなして、ステップS6へ移行する。つまり、この場合には第1室内機(12)の暖房能力が過剰であると判定されない。
ステップS3では、判定手段(101)が省エネ目標温度Toと第1室内機(12)の吸込温度Trを比較する。ここで、冷房運転中の第1室内機(12)であれば、吸込温度Trが省エネ目標温度ToよりもC℃(例えば0.5℃)以上低い場合、室内が冷え過ぎであると判断し、ステップS4へ移行する一方、そうでない場合には、室内はあまり冷えていないとみなして、ステップS6へ移行する。つまり、この場合には第1室内機(12)の冷房能力が過剰であると判定されない。
また、ステップS3において、暖房運転中の第1室内機(12)であれば、吸込温度Trが省エネ目標温度ToよりもD℃(例えば0.5℃)以上高い場合、室内が暖まり過ぎであると判断し、ステップS4へ移行する一方、そうでない場合には、室内はあまり暖まっていないとみなして、ステップS6へ移行する。つまり、この場合には第1室内機(12)の暖房能力が過剰であると判定されない。
ステップS4では、第1室内機(12)に対応する第1室内膨張弁(62)の開度が所定開度(異常開度)より小さいかどうかの判定が行われる。即ち、第1室内膨張弁(62)は、第1室内機(12)の冷房能力や暖房能力が不足する場合に開度が大きくなるように制御されている。従って、第1室内膨張弁(62)の開度が極端に大きい場合、第1室内機(12)でなんらかの異常が生じている可能性が高い。そこで、ステップS4で第1室内膨張弁(62)の開度が異常開度以上である場合、第1室内機(12)の冷房能力や暖房能力が過剰であるとは判断し難いので、ステップS6へ移行する。一方、第1室内膨張弁(62)の開度が異常開度よりも小さい場合、ステップS5へ移行する。
第1室内機(12)の空調能力が過剰であると判定されると、ステップS5で、過剰判定室内機台数N=1とカウントされる。そして、ステップS6へ移行すると、次の判定対象となる第2室内機(13)についても同様の判定が行われる。ここで、第2室内機(13)も空調能力が過剰と判定された場合、過剰判定室内機台数N=2とカウントされる。なお、室内機の台数が2台以上ある空調システムに本発明を適用する場合、空調能力が過剰と判定された室内機の台数に応じて、過剰判定室内機台数Nが順次増えていくことになる。
〈能力セーブ制御不適合室内機の判定〉
また、判定手段(101)は、空調機(10)の各室内機(12,13)の運転データ等に基づいて、各室内機(12,13)が能力セーブ制御を行うのに適した状態であるか否かを判定する。なお、この判定動作においても、現時点から過去1時間までの間の各種のデータについて、平均値、積算値、最大値、最小値、代表値等が用いられる。
図4に示すように、この判定動作では、ステップS11において、第1室内機(12)が「重要設備」か「通常設備」かの判定が行われる。ここで、第1室内機(12)に対応する部屋が、サーバ室として利用されており、第1室内機(12)についての室内情報入力手段(93)の設定が「重要設備」となっている場合、この部屋は空調負荷が高く能力セーブ制御を行うのに適していないと判断できる。従って、この場合には、ステップS15に移行し、空調機(10)では能力セーブ制御の不適合室内機が存在すると判定される。一方、ステップS11において、第1室内機(12)についての室内情報入力手段(93)の設定が「通常設備」となっている場合、ステップS12に移行する。
ステップS12では、判定手段(101)が省エネ目標温度Toと第1室内機(12)の設定温度Tsとを比較する。ここで、冷房運転中の第1室内機(12)であれば、設定温度Tsが省エネ目標温度ToよりもE℃(例えば1℃)以上高い場合、設定温度Tsが高めに設定されており、能力セーブ制御を行う必要がないと判断し、ステップS13へ移行する一方、そうでない場合には、ステップS14へ移行する。また、ステップS12において、暖房運転中の第1室内機(12)であれば、設定温度Tsが省エネ目標温度ToよりもF℃以上低い場合、設定温度Tsが低めに設定されており、能力セーブ制御を行う必要がないと判断し、ステップS13へ移行する一方、そうでない場合には、ステップS14へ移行する。
ステップS13では、判定手段(101)が第1室内機(12)についての吸込温度Trと設定温度Tsとを比較する。ここで、冷房運転中であれば、吸込温度Trが設定温度Tsよりも高い場合、第1室内機(12)の冷房能力が不足しており、省エネセーブ制御を行うのに適していないと判断できる。従って、この場合には、ステップS15に移行する一方、そうでない場合には、ステップS14に移行する。また、ステップS13において、暖房運転中であれば、吸込温度Trが設定温度Tsよりも低い場合、第1室内機(12)の暖房能力が不足しており、省エネセーブ制御を行うのに適していないと判断できる。従って、この場合には、ステップS15に移行する一方、そうでない場合には、ステップS14に移行する。
ステップS14では、第1室内機(12)に対応する第1室内膨張弁(62)の開度が所定開度(異常開度)よりも大きいかどうかの判定が行われる。上述のように、第1室内膨張弁(62)は、第1室内機(12)の冷房能力や暖房能力が不足する場合に開度が大きくなるように制御されている。従って、第1室内膨張弁(62)の開度が異常開度より大きい場合、第1室内機(12)でなんらかの異常が生じていると判断してステップS15へ移行する一方、そうでない場合には、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、次の室内機となる第2室内機(13)が判断対象となり、ステップS11に戻って同様の判定が行われる。この判定動作は、空調機(10)の全ての室内機について判定が終了するまで繰り返し行われる。
〈上限電力値の更新動作〉
図3及び図4に示す判定動作が終了すると、集中管理センター(100)では、判定手段(101)の判定結果に基づいて、空調機(10)の室外機(11)の上限電力値を更新する動作が行われる。この空調機(10)の初期の運転開始時には、この室外機(11)の上限電力値が室外機(11)の定格消費電力に設定される。なお、この初期の上限電力値を室外機(11)の定格消費電力の所定比率(例えば90%等)としても良く、この初期比率を上述の省エネ目標温度Toに応じて適宜決定しても良い。
図5に示すように、集中管理センター(100)では、判定手段(101)で得られた過去1時間の判定結果についての評価が行われる。具体的に、まず、ステップS21では、第1変更手段(103)が、前回の判定手段(101)の判定結果について、能力セーブ制御不適合室内機が存在していたかどうかを評価する。ここで、能力セーブ制御不適合室内機が1台もなかった場合には、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、第2変更手段(104)が、過去1時間において各室内機(12,13)が正常に運転していたかを評価する。ここで、各室内機(12,13)のいずれも正常な運転を行っていた場合、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、空調機(10)の全室内機台数に対する、「過剰」と判定された室内機の台数Nの割合が、所定の比率(I%)以上であるかどうかの判定が行われる。具体的に、例えば上記第1室内機(12)の空調能力が「過剰」と判定されており、I=50%と設定されている場合、過去1時間の運転において、「過剰」と判定される室内機が多かったと判断し、ステップS24へ移行する。その結果、ステップS24では、室外機(11)の上限電力値が前回のものよりも低い値に変更される。一方、ステップS23の条件を満たさない場合、つまり、空調能力が「過剰」と判定される室内機が少なかったと判断された場合、ステップS25へ移行する。このステップS25では、室外機(11)の上限電力値の変更は行われない。
一方、上述したステップS21において、能力セーブ制御不適合室内機が1台でもあった場合、あるいは上述したステップS22において、正常運転を行っていない室内機が1台でもあった場合には、ステップS26へ移行する。ステップS26では、室外機(11)の上限電力値が前回のものよりも高い値に更新される。
その後、ステップS27では、第3変更手段(105)が、ステップS24又は25又は26を経て決定された上限電力値を、上記気象情報取得手段(106)に蓄積された気象データに基づいて更に補正する。具体的に、第3変更手段(105)は、前日の気象データと、当日の気象データ(気象予測データも含む)とを比較する。ここで、例えば冷房運転時では、当日の外気温度又は湿度が前日よりも低い場合、当日の運転では、前日よりも冷房負荷が低くなると予測できるので、このような場合には、上限電力値を増加させる補正を行う一方、その逆の場合には、上限電力値を低減させる補正を行う。また、例えば暖房運転時では、当日の外気温度又は湿度が前日よりも高い場合、当日の運転は、前日よりも暖房負荷が低くなると予測できるので、このような場合にも、上限電力値を増加させる補正を行う一方、その逆の場合には、上限電力値を増加させる補正を行う。
その後、ステップS28で上限電力値が確定すると、能力制御手段(102)は、コントローラ(90)に圧縮機ユニット(40)の制御信号を送信する。具体的に、能力制御手段(102)は、室外機(11)の消費電力が、ステップS28で確定した上限電力値以下となるように、各圧縮機(41,42)への供給電力を制限する。その結果、圧縮機ユニット(40)は、この供給電力を最大電力としながら適宜能力調節されることになる。
以上のように、本実施形態の空調システム(1)では、図3〜図5に示す各制御動作が繰り返し行われることで、室外機(11)の上限電力値を適宜更新しながら、圧縮機ユニット(40)の供給電力が変更される。また、集中管理センター(100)には、能力セーブ制御を行った場合の室外機(11)の実際の消費電力が適宜記憶されると同時に、仮に能力セーブ制御を行わなかった場合に室外機(11)の消費電力がどの程度になるかがシミュレーションによって求められる。そして、集中管理センター(100)では、能力セーブを行った場合と行わなかった場合とで、室外機(11)の消費電力の比較評価が行われる。この結果は、空調システム(1)が適用されるビルのオーナー等に提示され、省エネ目標温度Toを再検討する上での指標として利用される。
−実施形態の効果−
以上のように、上記実施形態では、予め設定した省エネ目標温度Toと設定温度Tsとを比較し、各室内機(12,13)の空調能力が過剰となっているか否かを判定するようにしている。そして、上記実施形態では、所定台数以上の室内機(12,13)の空調能力が過剰であると判定されると、室外機(11)の上限電力値を低下させ、該室外機(11)の消費電力がこの上限電力値以下となるように圧縮機ユニット(40)の供給電力を制限している。このため、上記実施形態によれば、ユーザーが設定温度Tsを高め、あるいは低めに設定した場合にも、室外機(11)の消費電力を抑えることができ、この空調システムの省エネ性を確実に確保することができる。
また、上記実施形態は、上述した従来の空調システムのように、過剰な温度に入力された設定温度を強制的に変更するものではない。つまり、上記実施形態では、ユーザーが設定した設定温度Tsを変更せずに、圧縮機ユニット(40)への供給電力を抑えながら、室内温度が設定温度Tsに近づくような運転が行われる。従って、従来例のように設定温度を強制的に適正な温度に変更した場合には、室内温度が設定温度に直ぐ到達してしまい、各室内機(12,13)でのサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が多くなってしまうのに対し、上記実施形態では、室内温度が設定温度Tsに急に近づくことはないので、各室内機(12,13)でのサーモオン及びサーモオフの繰り返し頻度が少なくなる。その結果、上記実施形態によれば、室内温度の変動幅を小さくすることができ、室内の快適性を向上させることができる。また、各圧縮機(41,42)の発停に伴うストレスを低減できるので、各圧縮機(41,42)の耐久性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、各室内機(12,13)が設けられる部屋の環境情報、つまり、各部屋が「重要設備」であるか否かの判定結果に基づいて、第1変更手段(103)が室外機(11)の上限電力値を更新するようにしている。具体的に、第1変更手段(103)は、「重要設備」がある場合に、室外機(11)の上限電力値を上げるようにしている。その結果、各室内機(12,13)の空調能力を増大させることができるので、例えば夏期に冷房負荷が高いサーバ室について、冷房能力が不足してしまうのを未然に回避することができる。
また、上記実施形態では、各室内機(12,13)の運転情報、即ち各室内機(12,13)が正常に運転しているか否かの判定結果に基づいて、第2変更手段(104)が室外機(11)の上限電力値を更新するようにしている。具体的に、第2変更手段(104)は、所定の判定期間について、各室内機(12,13)が異常な運転を行っていた場合に、上限電力値を上げるようにしている。その結果、異常運転であった室内機(12,13)の空調能力が更に低下してしまうのを回避できる。
更に、上記実施形態では、集中管理センター(100)に蓄積される気象データに基づき、第3変更手段(105)が室外機(11)の上限電力値を補正するようにしている。従って、空調負荷が高くなり易い天候であるにも拘わらず、室内機(12,13)の空調能力を低下させ過ぎたり、空調負荷が低くなり易い天候であるにも拘わらず、室内機(12,13)の空調能力を増大させ過ぎたりしてしまうのを回避できる。従って、この空調システム(1)で室内の快適性と、省エネ性とを両立させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については以下のような構成としても良い。
上記実施形態は、いわゆるマルチ型の空調機(10)について、上述のような能力セーブ制御を行うようにしている。しかしながら、一対の室外機(11)及び室内機(12)が接続された冷媒回路(15)を有する、いわゆるペア型の空調機(10)について、上記実施形態と同様にして、能力セーブ制御を行っても良い。この場合、判定手段(101)は、予め設定された省エネ目標温度Toと、1台の室内機(12)の設定温度Tsとを比較して、室内機(12)の空調能力が過剰であるか判定する。そして、この室内機(12)の空調能力が過剰であると判定された場合、図5のステップS24のように室外機(11)の上限電力値を低下させ、室外機(11)の消費電力がこの上限電力値以下となるように、能力制御手段(102)によって圧縮機への供給電力を制限するようにすれば良い。
また、上記実施形態では、環境情報取得手段である室内情報入力手段(93)に、各部屋の環境情報を予め設定し、各部屋が「重要設備」であるか「通常設備」であるかを判定できるようにしている。しかしながら、この環境情報取得手段では、各部屋の環境情報を各室内機(12,13)の運転時間に応じて自動的に取得するようにしても良い。具体的には、例えば室内機(12)の運転時間が24時間以上継続して連続する場合、この室内機(12)が設置される部屋は、空調の必要度合が高いと判断できる。従って、例えばこのような24時間以上の連続運転が1月の間で1/3以上を占めるような場合、この部屋が「重要設備」であると自動的に判定させることができる。
更に、上記実施形態では、空調機(10)とコントローラ(90)と集中管理センター(100)とで、相互にデータのやりとりを行い能力セーブ制御を行うようにしている。しかしながら、例えば集中管理センター(100)の機能をコントローラ(90)に持たせるようにし、空調機(10)とコントローラ(90)のみで上述のような能力セーブ制御を行うようにしても良い。
また、上記実施形態の各室内機(12,13)について、室内温度を設定温度Tsに近づける基本制御動作においては、冷房運転時であれば各室内熱交換器(111,116)の冷媒蒸発温度が所定の目標冷媒蒸発温度となるように、暖房運転時であれば各室内熱交換器(111,116)の冷媒凝縮温度が所定の目標冷媒凝縮温度となるように、各圧縮機(41,42)の能力(容量)を制御するようにしても良い。ここで、上記目標冷媒蒸発温度、あるいは目標冷媒凝縮温度は、各室内機の空調能力と空調負荷との関係に応じて適宜変更させると良い。具体的には、例えば空調負荷が比較的小さく室内機の空調能力が過剰であり、設定温度Tsと吸込温度Trとの差が小さい場合、冷房運転時であれば上記目標冷媒蒸発温度を大きく変更すると、また、暖房運転時であれば上記目標冷媒凝縮温度を小さく変更すると、各圧縮機(41,42)の容量を低減することができる。その結果、この空調システムの省エネ性を更に向上させることができる。なお、各室内機の空調能力が過剰であるか否かを、設定温度Tsと吸込温度Trとの温度差以外の他の要因から判断しても良い。具体的に、これらの判断基準として、各室内機の運転情報(室内膨張弁の開度や各室内機の発停回数等)、各室内機が設置される室内の環境情報(サーバ室等の重要設備であるか否か)、過去又は現在の気象データやその後の気象予測データ等を用いて、空調能力が過剰であるか否かを判定し、その結果に基づいて上記目標冷媒蒸発温度や目標冷媒凝縮温度を適宜変更するようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、熱源ユニットと利用ユニットとが接続されて成る冷媒回路を備えた空調システムについて有用である。
本発明の実施形態に係る空調システムの全体構成を示す概略構成図である。 空調機の冷媒回路の概略構成を示す配管系統図である。 過剰運転となる室内機の判定動作を示すフローチャートである。 能力セーブ制御不適合室内機の判定動作を示すフローチャートである。 上限電力値の更新動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 空調システム
10 空調機
11 室外機(熱源ユニット)
12 第1室内機(利用ユニット)
13 第2室内機(利用ユニット)
15 冷媒回路
41 第1圧縮機
42 第2圧縮機
90 コントローラ
100 集中管理センター
101 判定手段
102 能力制御手段
103 第1変更手段
104 第2変更手段
105 第3変更手段

Claims (9)

  1. 圧縮機(41,42)を有する熱源ユニット(11)と、利用ユニット(12)とが接続されて成る冷媒回路(15)を備えた空調システムであって、
    予め設定される省エネ目標温度Toと上記利用ユニット(12)の設定温度Tsとを比較して、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であるか否かを判定する判定手段(101)と、
    上記判定手段(101)によって利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定されると、上記熱源ユニット(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように上記圧縮機(41,42)への供給電力を制限する能力制御手段(102)とを備えていることを特徴とする空調システム。
  2. 圧縮機(41,42)を有する熱源ユニット(11)と、複数台の利用ユニット(12,13)とが接続されて成る冷媒回路(15)を備えた空調システムであって、
    予め設定される省エネ目標温度Toと各利用ユニット(12,13)の設定温度Tsとをそれぞれ比較して各利用ユニット(12,13)の空調能力が過剰であるか否かをそれぞれ判定する判定手段(101)と、
    上記判定手段(101)によって空調能力が過剰であると判定された利用ユニット(12,13)が所定台数以上になると、上記熱源ユニット(11)の消費電力が所定の上限電力値以下となるように上記圧縮機(41,42)への供給電力を制限する能力制御手段(102)とを備えていることを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記利用ユニット(12)は、冷房運転が可能に構成され、
    上記判定手段(101)は、冷房運転時に、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上低い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とする空調システム。
  4. 請求項3において、
    上記判定手段(101)は、冷房運転時に、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上低く、且つ上記省エネ目標温度Toよりも室内温度が所定温度以上低い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とする空調システム。
  5. 請求項1又は2において、
    上記利用ユニット(12)は、暖房運転が可能に構成され、
    上記判定手段(101)は、暖房運転時に、予め設定される省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上高い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とする空調システム。
  6. 請求項5において、
    上記判定手段(101)は、暖房運転時に、上記省エネ目標温度Toよりも上記利用ユニット(12)の設定温度Tsが所定温度以上高く、且つ上記省エネ目標温度Toよりも室内温度が所定温度以上高い場合に、該利用ユニット(12)の空調能力が過剰であると判定することを特徴とする空調システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1において、
    上記利用ユニット(12)が設けられる室内の環境情報を取得する環境情報取得手段(93)と、
    上記環境情報取得手段(93)で取得した環境情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第1変更手段(103)を備えていることを特徴とする空調システム。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1において、
    上記利用ユニット(12)の運転情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第2変更手段(104)を備えていることを特徴とする空調システム。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1において、
    気象情報を取得する気象情報取得手段(106)と、
    上記気象情報取得手段(106)で取得した気象情報に基づいて、上記熱源ユニット(11)の上限電力値を変更する第3変更手段(105)を備えていることを特徴とする空調システム。
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