JP2007254328A - ジアルキルスズジアルコキシド - Google Patents

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Nobutoshi Miyake
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Abstract

【課題】熱変性しにくいジアルキルスズジアルコキシドを提供すること。
【解決手段】本発明は、下記式(1)で表される新規なジアルキルスズジアルコキシドである。
【化1】
Figure 2007254328

【選択図】なし

Description

本発明は、エステル製造に用いる触媒としての新規なジアルキルスズジアルコキシドに関するものである。
ジアルキルスズジアルコキシドは、エステル合成触媒、エステル交換反応触媒、シリコンポリマーやウレタン硬化触媒等の触媒として極めて有用である。
従来のジアルキルスズジアルコキシドの製造方法として、ジアルキルスズオキシドとアルコールとを脱水反応させ、発生する水を含む低沸成分を反応液から除去するという方法(例えば特許文献1、非特許文献1参照)が知られている。
ジアルキルスズオキシドを用いる方法は、下記式(2)に示す脱水を伴う平衡反応であると推定している。
Figure 2007254328
上記平衡は圧倒的に原系に偏っており、更に下記式(3)及び(4)に示す逐次脱水反応を包含していると推定される。アルキルスズアルコキシドのうち、ジアルキルスズジアルコキシドを高収率で得るためには、各脱水反応生成物のうちの水を系外に抜き出しながら製造されるが、エネルギー的に不利な反応であるために、高温(例えば180℃)で、長時間反応によって得られる。下記脱水反応を行い、過剰なアルコールを該反応液から除去した後、ジアルキルスズジアルコキシドを含む反応液を得る。
Figure 2007254328
Figure 2007254328
一方で、このような高温状態において、ジアルキルスズジアルコキシドは、どのような反応によってトリアルキルスズ化合物が生成しているかはわからないが、トリアルキルスズ化合物に熱変性することが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。
このように、ジアルキルスズジアルコキシドはその種類によって高温において熱変性しやすいものがあり、ジアルキルスズジアルコキシドを反応触媒として使用する際にトリアルキルスズ化合物が反応液中に副生してしまう。一般に、トリアルキルスズ化合物のいくつかは毒性の点から多くの規制を受けているし、該トリアルキルスズ化合物は蒸気圧を持つため製品に混入しやすいことからトリアルキルスズ化合物の生成が好ましくない。従って、熱変性しにくいジアルキルスズジアルコキシドが望まれている。
US−5545600号明細書 Journal of Chemical Society,23(1971),3972 工業化学雑誌72,7(1969),1543
本発明の目的は、熱変性しにくいジアルキルスズジアルコキシドを提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、高温でジアルキルスズジアルコキシドを反応触媒として使用することにおいて熱変性によって多量に発生するトリアルキルスズ化合物という問題は下記式(1)で表すジアルキルスズジアルコキシドを提供することによって解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち本発明は、以下のとおりである。
[1] 下記式(1)で表されるジアルキルスズジアルコキシド。
Figure 2007254328
[2] 上記1に記載されたジアルキルスズジアルコキシドを用いることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
本発明により、反応触媒として高温で使用するジアルキルスズジアルコキシドが熱変性するという問題を解決し、熱変性物であるトリアルキルスズ化合物の製品への混入などを防ぐことができ、工業分野において大変有用である。
本発明者らは、高温でジアルキルスズジアルコキシドを反応触媒として使用することにおいて熱変性によって多量に発生するトリアルキルスズ化合物という問題を解決するために下記式(1)で表すジアルキルスズジアルコキシドを提供する。
Figure 2007254328
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のジアルキルスズジアルコキシドの製造は公知の製造方法が好ましく使用される。例えば、ジブチルスズオキシドと2−イソプロピル−エタノールとを反応させる方法、ジブチルスズジメトキシドと2−イソプロピル−エタノールとを反応させる方法などが使用できる。
上述のようにジアルキルスズジアルコキシドの生成は、前記したように、ジアルキルスズオキシドとアルコールとの脱水反応であり、ジアルキルスズジアルコキシドの生成は下式(5)及び下式(6)の平衡反応と推定した。
Figure 2007254328
Figure 2007254328
ジアルキルスズオキシドに対するアルコールのモル比は、通常50〜10000倍、より好ましくは20〜200倍である。脱水反応は平衡反応であるため、ジアルキルスズオキシドのモル数に対して過剰のアルコールを使用した場合が一般に反応を早く進行させることができるが、大過剰のアルコールを使用した場合には、反応後のアルコールの留去に多大なエネルギーを必要とするので、上記範囲が好ましい。
溶媒は必ずしも使用する必要はないが、流動性を向上させて反応操作を容易にしたり、あるいは生成する水を速やかに系外へ出す目的で水と共沸する不活性溶媒を添加することができる。使用できる溶媒は、ジアルキルスズオキシドや得られるジアルキルスズアルコキシドと反応しないものであれば、どのような溶媒であってもよい。このような溶媒の例としては例えば、ヘキサン(各異性体)、ヘプタン(各異性体)、オクタン(各異性体)などの直鎖状、鎖状、環状の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、エーテル類を反応溶媒として用いることができる。
該反応温度は、原料アルコールと溶媒との組成比によって異なるが、通常80〜180℃である。高温ではトリアルキルスズ化合物が生成しやすいし、低温では反応が非常に遅いため、より好ましくは100〜160℃である。反応圧力についても原料アルコールと使用する溶媒によって異なり、減圧から加圧条件で行うことが可能であるが、好ましくは200Pa〜1MPaという圧力範囲で行う。効率よく反応系から水を除去するために、さらに好ましくは10kPa〜0.5MPaの範囲である。上記反応はいかなる反応器、例えば、バッチ型反応器、セミバッチ型反応器、完全混合槽型反応器及び流通型反応器、またはこれらの反応器を連結させた複合型反応器を用いてもよい。
上記したように、反応は平衡反応と推定され、平衡を生成物側にずらしてジアルキルスズアルコキシドを得る。即ち、反応液の中から水を除去してジアルキルスズアルコキシドを得る。脱水方法は公知の脱水方法が使用できる。例えば、蒸留、膜分離、脱水剤などの方法が挙げられる。蒸留は減圧蒸留、加圧蒸留、薄膜蒸留、共沸蒸留などの方法が使用でき、膜分離はパーベーパレーションなどの方法が使用でき、脱水剤はモレキュラーシーブなどの公知の脱水剤が使用できる。
反応時間は、ジアルキルスズオキシドとアルコールとのモル比や反応温度などによって異なるが、30分から100時間の範囲でおこなう。理論量の水を除去し、反応を終了する。高温で長時間反応させると、アルキルスズアルコキシドの熱分解によってトリアルキルスズ化合物が生成しやすくなるので、なるべく低温で速やかに反応させることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1.NMR分析方法
装置:日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
(1)H−NMR、13C−NMR、119Sn−NMR分析サンプルの調製
スズ化合物を0.3g秤量し、重クロロホルム(アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと119Sn−NMR内部標準としてテトラメチルスズ(和光社製、和光一級)を0.05g加えて均一に混ぜた溶液をNMR分析サンプルとする。
(2)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
(3)アルキルスズアルコキシドの収率計算方法
アルキルスズアルコキシドの収率は出発原料(化学式(1)および/または化学式(2)で表す化合物)のスズ原子のモル数に対して、得られた各アルキルスズアルコキシドのスズ原子モル数の生成モル%で求めた。
2.水の分析方法
装置:三菱化学(株)社製CA−05微量水分計
(1)定量分析法
分析サンプルをシリンジを用いて0.12ml採取し重量を測った後、そのまま水分計に注入し、水の定量を行う。その後再びシリンジの重量を測り、サンプル注入量を計算し、サンプル中の水含有量を求める。
[実施例1]
(ジブチル-ビス(2−イソプロポキシ−エトキシ)―スズの製造)
容積2000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(三共有機合成社製)28.7g(0.115mol)及び2−イソプロポキシ−エタノール(和光社製、特級)1198g(11.5mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(増田理化工業社製、OBH-24)と真空ポンプ(ULVAC社製、G-50A)と真空コントローラー(岡野製作所社製、VC-10S)を接続したエバポレーター(柴田社製、R-144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻し、反応装置内を窒素による置換を行った。
オイルバス温度を150℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を5時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、過剰のアルコールを除去した。系内の圧力が5〜1kPaの状態で残存低沸成分の除去を続け、低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげ、内圧を窒素導入によって常圧に戻した。反応液は透明な液になっていた。留去した液を分析したところ約2.4gの水を含んでいた。該フラスコには反応液51gを得た。119Sn,H,13C-NMRの分析結果から、生成物はジブチル-ビス(2−イソプロポキシ−エトキシ)―スズであった。生成物にはトリブチルスズ化合物が0.15mol%含まれた。元素分析の結果、生成物には、Sn 28.3%,C 49.9%,H 9.36%,O 14.4%が含まれた。
119Sn−NMR(ppm、テトラメチルスズ基準、CDCl3溶媒):−103.8
13C−NMR(ppm、CDCl3基準、CDCl3溶媒):70.8,70.2,63.4,26.4,26.0,21.2,20.3,12.7
1H−NMR(ppm、テトラメチルスズ基準、CDCl3溶媒):3.85(t),3.55(m),3.39(t),1.65〜1.60(m),1.35〜1.30(m),1.09(d),0.86(t)
[比較例1]
(ジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)―スズの製造)
容積2000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(三共有機合成社製)24.9g(0.10mol)及び2−エチル−1−ヘキサノール(Aldrich社製)1302.3g(10.0mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(増田理化工業社製、OBH-24)と真空ポンプ(ULVAC社製、G-50A)と真空コントローラー(岡野製作所社製、VC-10S)を接続したエバポレーター(柴田社製、R-144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。
エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻し、反応装置内を窒素による置換を行った。オイルバス温度を153℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内の圧力を約26kPaに減圧した。混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を約5時間保った後、さらに系内を徐々に減圧し、過剰のアルコールを除去した。系内の圧力が5〜0.2kPaの状態で残存低沸成分の除去を続け、低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスからあげ、内圧を窒素導入によって常圧に戻した。反応液は透明な液になっていた。留去した液を分析したところ約1.8gの水を含んでいた。該フラスコには反応液49gを得た。119Sn,H,13C-NMRの分析結果から、生成物はジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)―スズであった。生成物にはトリブチルスズ化合物が2mol%含まれた。
本発明のジアルキルスズジアルコキシドは炭酸エステルの製造、エステル交換反応、ポリマー硬化剤等の分野において好適に利用できる。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表されるジアルキルスズジアルコキシド。
    Figure 2007254328
  2. 請求項1に記載されたジアルキルスズジアルコキシドを用いることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
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