JP2007254304A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪の光学的特性又はまとまり性を改善する効果に優れ、経時による外観及び匂いの劣化の少ない毛髪化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(C)を含有し、毛髪に適用される際におけるpHが1〜5である毛髪化粧料。
(A) 一般式(1)で表される尿素誘導体
Figure 2007254304

〔R1〜R4は、その少なくとも1つが炭素数1〜10のω-ヒドロキシ直鎖アルキル基を示し、残余は水素原子を示す。〕
(B) ヒドロキシ基を有してもよいモノカルボン酸、ヒドロキシ基を有してもよいジカルボン酸、酸性アミノ酸及び芳香族カルボン酸から選ばれる1種以上の遊離の有機酸
(C) 芳香族アルコール、炭素数10以下の脂肪族アルコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネート、アルキルピロリドン及びγ-ラクトンから選ばれるハイドロトロープ
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪中心部に存在するメデュラ(毛髄質)に直接作用し、毛髪の光学的特性又はまとまり性を改善する効果が高く、且つ経時による外観及び匂いの劣化が抑えられた毛髪化粧料に関する。
特定の化合物群には、メデュラに直接作用し毛髪の光学的特性又は力学的特性を改善する効果があることが知られている(特許文献1)。その中でも尿素は、高い効果を示すと共に、安価で化粧品原料としても汎用性が高く、化粧品原料として非常に有用である。しかし、尿素を使用する上で最も高い障壁となるのは、経時による組成物の外観や匂いの劣化である。このように、尿素は、高いメデュラケア効果を有しながら、実際に人が使う商品としては欠点を有するという問題を有していた。
一方、ヒドロキシアルキル尿素と湿潤化剤を併用し、湿潤化効能を増加させたヘア製品も提案されている(特許文献2)。特許文献2には、湿潤剤として、特定の油剤、ポリオール類、酸及びその塩が提示されており、これらを組み合わせることで湿潤化効果が単独の場合と比べ相乗的になるというものである。特許文献2において、この湿潤化効果とは、剤で処理し、次いで一定条件で乾燥した毛髪が一定湿度、一定温度環境下で獲得する水分量が増加することを意味している。しかし、この技術は、毛髪の光学的特性やまとまり性の改善を目的とするものではなく、また実際にもこれらの効果は十分なものではなかった。
特開2000-109411号公報 特開2005-170941号公報
本発明の目的は、毛髪の光学的特性又はまとまり性を改善する効果に優れ、経時による外観及び匂いの劣化の少ない毛髪化粧料を提供することにある。
本発明者らは、特定の尿素誘導体と共に、特定のハイドロトロープを併用し、かつ特定の遊離酸としての有機酸によって酸性に調整することにより、毛髪の光学的特性やまとまり性(以下、メデュラケア効果ともいう)を向上することができることを見出した。前記特許文献2の技術とは異なり、本発明の毛髪化粧料により処理した毛髪は、処理前に比べて含有する水分量は低下する。これは、タンパク質に吸着保持される水分が、毛髪化粧料に含まれる有効成分と部分的に置き換わったことによるものと推察され、その結果、本発明の効果であるメデュラケア効果が発揮されるものである。従って、本発明は、特許文献2に記載の発明とは、毛髪化粧料としての構成、これにより結果得られる効果のいずれも、根本的に異なるものである。
本発明は、次の成分(A)〜(C)を含有し、毛髪に適用される際におけるpHが1〜5である毛髪化粧料を提供するものである。
(A) 一般式(1)で表される尿素誘導体
Figure 2007254304
〔式中、R1〜R4は、その少なくとも1つが炭素数1〜10のω-ヒドロキシ直鎖アルキル基を示し、残余は水素原子を示す。〕
(B) ヒドロキシ基を有してもよいモノカルボン酸、ヒドロキシ基を有してもよいジカルボン酸、酸性アミノ酸及び芳香族カルボン酸から選ばれる1種以上の遊離の有機酸
(C) 芳香族アルコール、炭素数10以下の脂肪族一価アルコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネート、アルキルピロリドン及びγ-ラクトンから選ばれるハイドロトロープ
本発明の毛髪化粧料は、毛髪の光学的特性又は力学的特性を著しく改善でき、毛髪に色の深みや透明感、輝くような艶を与えると共に、毛髪のまとまり性を向上することができる。更に、長期間にわたり匂い及び外観の劣化が抑えられ、高い商品価値を有する。
成分(A)の一般式(1)で表される尿素誘導体〔以下、「尿素誘導体(1)」という〕は、尿素の窒素原子が一つ又はそれ以上のヒドロキシアルキル基で置換されている化合物である。尿素誘導体(1)としては、分子量が500以下であるもの好ましい。また、R1〜R4のうち1つがω-ヒドロキシ直鎖アルキル基で置換されているものが好ましく、更に、ω-ヒドロキシ直鎖アルキル基の炭素数は、1〜4、特に1〜3が好ましい。更に汎用性の観点から、2-ヒドロキシエチル尿素が好ましい。
尿素誘導体(1)は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、メデュラケア効果や組成物安定性の点から、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜10重量%が好ましく、更に0.05〜7重量%が好ましく、特に0.1〜5重量%が好ましい。
本発明は、メデュラケア効果の観点から、毛髪に適用される際におけるpHが1〜5であることが必要である。すなわち、乾いた髪に使用し、洗い流さない場合は、毛髪化粧料そのもののpH、シャンプーやコンディショナーのように濡れた髪に使用し、洗い流す場合は、毛髪化粧料を水で20重量倍に希釈したときのpHを指す。このpHは、2〜4.5が好ましく、特に2以上4未満が好ましい。
本発明の毛髪化粧料のpHは、主として成分(B)の有機酸の配合により調整される。成分(B)は、より高いメデュラケア効果を得る観点から、ヒドロキシ基を有してもよいモノカルボン酸、ヒドロキシ基を有してもよいジカルボン酸、酸性アミノ酸及び芳香族酸から選ばれる。当該ヒドロキシ基を有してもよいモノ又はジカルボン酸としては、α-ヒドロキシモノカルボン酸、α-ヒドロキシジカルボン酸、1,2-ジカルボン酸、1,3-ジカルボン酸が好ましく、特にリンゴ酸、乳酸、グリコール酸、マレイン酸、コハク酸、マロン酸が好ましい。酸性アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸が好ましい。芳香族酸としては、芳香族スルホン酸が好ましく、特にベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸が好ましい。これら有機酸は、2種類以上併用してもよい。
成分(C)のハイドロトロープは、成分(A)の尿素誘導体(1)の毛髪内部への浸透を促進するものである。ハイドロトロープは、芳香族アルコール、炭素数10以下の脂肪族一価アルコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネート、アルキルピロリドン及びγ-ラクトンから選ばれ、具体的には、芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等;炭素数10以下の脂肪族一価アルコールとしては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等;ポリアルキレングリコールとしては、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等;アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等;アルキルピロリドンとしては、N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、N-ラウリルピロリドン等;γ-ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン等がそれぞれ挙げられる。メデュラケア効果の観点から、特にベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。ハイドロトロープは2種類以上を併用してもよい。
これらハイドロトロープの含有量は、メデュラケア効果、乾燥後のべたつきの無さの観点から、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜50重量%が好ましく、更には0.1〜25重量%、特に0.15〜10重量%が好ましい。
本発明の毛髪化粧料がシャンプー組成物である場合には、硫酸系アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。硫酸系アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、特に次の一般式(2)又は(3)で表されるものが好ましい。
5O(CH2CH2O)nSO3M (2)
6OSO3M (3)
〔式中、R5は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、nは重量平均で1〜5の数を示す。〕
これら硫酸系アニオン界面活性剤は、2種以上併用してもよく、またその含有量は、泡立ち、使用時の液性、洗浄性の観点から、シャンプー組成物中に1〜50重量%が好ましく、更には5〜30重量%、特に8〜22重量%が好ましい。
本発明中のシャンプー組成物には、更に泡性能を向上させるため、硫酸系アニオン界面活性剤以外のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有させてもよい。
硫酸系アニオン界面活性剤以外のアニオン界面活性剤としては、スルホン酸系(sulfonates)及びカルボン酸系(carboxylates)のものが挙げられ、例えばスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、高級脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリセリルエーテル、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸(C8〜C20)エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリセリルエーテル、が好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、更には炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましい。また、脂肪酸アルカノールアミドとしては、モノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよく、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、例えばオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
これら非イオン界面活性剤は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、毛髪洗浄剤の安定性、使用時の液性,泡立てやすさ、洗髪時の洗い易さ、キメ細かくて柔らかい泡質の点から、シャンプー組成物中の0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜7重量%がより好ましく、更には0.5〜5重量%が好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤が好ましく、更には脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、更には炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、具体的にはラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好ましい。
これら両性界面活性剤は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、毛髪洗浄剤の安定性、使用時の液性、泡立てやすさ、洗髪時の洗い易さ、キメ細かくて柔らかい泡質の点から、シャンプー組成物中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.2〜7重量%、更には0.5〜5重量%が好ましい。
更に、本発明のシャンプー組成物には、濯ぎ時の滑らかさや乾燥後の髪の仕上がり性向上のため、カチオン性ポリマーを含有させることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化デンプン、カチオン化ローカストビーン、カチオン化グアガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、特にカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアガム誘導体が好ましい。
これらカチオン化ポリマーの含有量は、濯ぎの滑らかさや乾燥後の仕上がり性の点から、シャンプー組成物中の0.05〜5重量%が好ましく、更には0.1〜3重量%、特に0.15〜1重量%が好ましい。
本発明の毛髪化粧料が、洗い流すタイプの水性ヘアコンディショナーである場合には、四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤又は三級アミン型カチオン界面活性剤を含有することが好ましい。四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、一般式(4)で表されるものが好ましく、三級アミン型カチオン界面活性剤としては、一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 2007254304
〔式中、Aは水素原子、又は総炭素数12〜28の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の、アミド基、N-炭化水素カルバモイル基、アシルオキシ基若しくは炭化水素オキシ基を示し、Bは炭素数1〜28の2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R7、R8及びR9は少なくとも1個が総炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-はハロゲン化物イオン又は有機アニオンを示す。〕
Figure 2007254304
〔式中、A及びBは前記と同じ意味を示し、R10及びR11は独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
一般式(4)で表される四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩、アルキルアミド(炭素数12〜28)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、N-炭化水素(炭素数12〜28)カルバモイルアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、アシル(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、アルキル又はアルケニル(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩が挙げられる。
モノ長鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N-ステアリル-N,N,N-トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(合計3モル付加)等が挙げられる。
ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2-ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2-ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
分岐鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩としては、2-デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2-ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルアミド(炭素数12〜28)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアラミドプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。N-炭化水素(炭素数12〜28)カルバモイルアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、N-ステアリルカルバモイルプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。アシル(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアロキシプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。炭化水素(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
一般式(5)で表される三級アミン型化合物は、Aが水素原子以外の場合、Aは総炭素数14〜22、更には総炭素数18〜22のアミド基又は炭化水素オキシ基であることが好ましく、またその炭化水素部分が飽和であるもの、更には直鎖であるものが好ましい。この場合におけるBは、トリメチレン基が好ましい。Aが水素原子の場合、Bとしては、炭素数18〜22の基が好ましく、また飽和の基、更には直鎖の基が好ましい。R10及びR11としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基が好ましく、更にはメチル基が好ましい。三級アミン型化合物の好ましい具体例としては、N,N-ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等が挙げられる。
三級アミン型カチオン界面活性剤は、一般式(5)で表される三級アミン型化合物をそのまま用いても、あるいはその酸付加塩を用いてもよい。いずれにしろ、水性コンディショナーを酸性に調整し、アミンを解離状態にする必要がある。ここで酸付加塩を形成させ、又は水性コンディショナーを酸性に調整する酸としては、成分(B)として含有する有機酸が用いられる。
これら四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤及び三級アミン型カチオン界面活性剤は、2種以上併用することもでき、その含有量は、濯ぎや乾燥後に髪をなめらかにするという観点から、水性ヘアコンディショナー中の0.01〜10重量%が好ましく、更には0.05〜5重量%、特に0.1〜3重量%が好ましい。
更に、水性ヘアコンディショナーには、高級アルコールを含むことが好ましい。高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-ヘキシルデシルアルコール、イソステアリルアルコール、カルナービルアルコール(テトラコサノール)等が挙げられ、特にステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びそれらの混合物が好ましい。
高級アルコールは、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、湿潤した毛髪に対する指通りや滑らかさの付与、乾燥後の毛髪のしっとり感及び乳化安定性の点から、本発明の水性コンディショナー中の1〜10重量%が好ましく、1.5〜8重量%がより好ましく、更には2〜5重量%が好ましい。
水性ヘアコンディショナーは、高級アルコールとカチオン界面活性剤をモル比1:1〜10:1で水性媒体中に含有することが好ましい。特に、乳化安定性や塗布、すすぎ時の滑らかさの点で、当該モル比が1.5:1〜7:1、更には2:1〜5:1であることが好ましい。
更に、本発明の毛髪化粧料には、ジメチルポリシロキサンを含有させることができる。ジメチルポリシロキサンとしては、粘度が5万〜5000万mPa・sのものが好ましく、更には粘度が10万〜2500万mPa・s、特に50万〜1000万mPa・sのものが好ましい。
ジメチルポリシロキサンの含有量は、乾燥後の滑らかさやサラサラ感の点から、本発明の毛髪化粧料中0.01〜10重量%が好ましく、更には0.1〜7重量%、特に0.1〜5重量%が好ましい。配合しやすさの点から、上記ジメチルポリシロキサンを前もって調製したエマルションの形態で配合したり、環状シリコーン又は粘度10〜1万mm2/sのジメチルポリシロキサンで希釈して配合するのが好ましい。エマルションは、界面活性剤により乳化されており、機械力による乳化、又は乳化重合により製造され、組成物中の安定性の観点から平均粒径として0.01〜500μmであることが好ましく、特にシャンプーに配合される場合は、0.01〜100μmであることが好ましい。
更に、本発明の毛髪化粧料には、アミノ変性シリコーンを配合することができる。これらの変性シリコーンは、界面活性剤を用いて水性乳濁液としたものを用いてもよい。その例として、平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でINCI辞典(米国,International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)第10版中に記載されているもの、及び以下に示す一般式(6)又は(8)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)で表される水不溶性アミノ変性シリコーン
Figure 2007254304
〔式中、R12はそれぞれ独立して、一価の炭化水素基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、R13はそれぞれ独立して一価の炭化水素基を示し、R14はそれぞれ独立して、炭素数1〜10の二価の炭化水素基を示し、R15はそれぞれ独立して、式(7)で表される基を示し、aは25〜1000の数を示し、bは1〜200の数を示す。〕
Figure 2007254304
〔式中、Yは独立して、水素原子又は基−CH2-CH(OH)-R14-OH(R14は前記と同じ)を示し、R16はそれぞれ独立して、水素原子又は基−R14NY2(Y及びR14は前記と同じ)を示す。ただし、全てのYが水素原子となることはない。〕
12のうち、一価の炭化水素基としては、アルキル基及びアリール基が挙げられる。R12としては、炭素数1〜3のアルキル基(特にメチル基)及び炭素数1〜15、特に10〜15のアルコキシ基が好ましい。
13の一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基が挙げられる。なかでも、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が好ましい。
14の炭素原子1〜10の二価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、メチルトリメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基等のアルキレン基;−(CH2)2−C64−で表されるアルキレン−アリーレン基が挙げられる。なかでも、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。
16としては、N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノエチル及びN,N-ビス(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノエチルが好ましい。Yのうち、基−CH2-CH(OH)-R14-OHとしては、2,3-ジヒドロキシプロピル基が好ましい。
一般式(6)で表わされるアミノ変性シリコーンとしては、例えば東レ・ダウコーニング社より、DC8500として市販されているものを使用することができる。
一般式(8)で表されるアミノ変性オルガノシロキサン鎖とポリアルキレン鎖との重合単位を有するブロック重合体
Figure 2007254304
〔式中、R17は、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。R18はR17又はEのいずれかを示す。Eは−R19−W(ここでR19は直接結合手又は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Wは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示す。なお、複数個のR18、R19及びEは同一でも異なっていてもよい。Zは炭素−珪素原子によって、隣接珪素原子に、酸素原子によってポリオキシアルキレンブロック鎖に結合している2価の有機基を示す。mは2〜10の数を示し、e個のmは同一でも異なっていてもよい。cは2以上の数を示す。dは1以上の数を示す。eは4以上の数を示す。fは2以上の数を示す。〕
一般式(8)中、Zで表される2価の有機基の好ましい例は、アルキレン基又はアリーレン基であり、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基であり、特に好ましい例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n-ブチレン基又はイソブチレン基であり、最も好ましくはn-ブチレン基又はイソブチレン基である。aは2〜1000の数、bは1〜50の数が好ましい。cは4〜200の数が好ましく、dは2〜100の数が好ましい。
一般式(8)で表される水不溶性アミノ変性シリコーンとしては、例えばFZ-3789(日本ユニカー社)が挙げられる。
これらアミノ変性シリコーンは、2種以上併用してもよい。
更に、本発明の毛髪化粧料には、上記成分に加えて、目的に応じて他の成分や添加剤を含有させることができる。このような成分としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤;炭化水素油、ワックス、エステル油、ポリエーテル変性シリコーン等の油剤;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール;脂肪酸グリコールエステル等のパール化剤;安息香酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤;ビタミンE、ビタミンE誘導体等の抗酸化剤;パラベン等の防腐剤;サリチル酸、トリクロサン、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等の殺菌剤や抗フケ剤;エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸等の金属イオン封鎖剤;その他動植物由来の抽出エキス、色素などを挙げることができる。
実施例1〜3及び比較例1〜8
表1に示す各組成物を調製し、これらの組成物を用いて処理された毛髪のメデュラ光散乱抑制効果、毛髪の外観及びまとまり性について評価した。
(処理方法)
パーマ処理及びブリーチ処理された長さ20cm、10gの毛束に対し、表1に示す組成物を1/10の浴比(毛髪/処理剤)で使用して、40℃で60分間処理した後、水ですすぎ、乾燥した。
(評価方法)
(1) メデュラ光散乱抑制効果
簡易型実体顕微鏡(WIDE STAND MICRO、PEAK社製(10倍))を用い、毛髪の根元方向斜め(毛髪軸と光源からの光の照射軸との角度15〜60度)から光を照射し、毛髪軸と光の照射軸と同一表面で、かつ毛髪軸に対し垂直方向から毛髪を観察した。この方法により、観察の妨げになる毛髪表面での正反射光を取り除くことができ、メデュラ部の多孔質構造のみが毛髪中心部に白っぽく筋状に観察される。処理前後に白っぽく筋状に観察されるメデュラの長さの全長を測定し、処理前の全長を100%とし、処理により何%の長さのメデュラが観察されなくなったかを評価した。結果を、観察されなくなったメデュラの割合(%)で示した。
(2) 毛髪の外観及びまとまり性
処理前の毛束と比較した外観及びまとまり性について、以下の基準に従って官能評価した。評価は10人の専門パネラーにより行い、全パネラーの合計点で、7点以上を◎、4〜6点を○、3〜−3点を△、−4点以下を×と示した。
<毛髪の外観>
髪色に深みがあり、透明感にあふれ輝いている;+1点
どちらともいえない ; 0点
髪色がくすみ、透明感が無くパサついている ;−1点
<毛髪のまとまり>
跳ね毛が無くまとまっている ;+1点
どちらともいえない ; 0点
跳ね毛が多くまとまっていない ;−1点
Figure 2007254304
実施例4〜5
表2に示すシャンプー組成物及び表3に示すヘアリンス組成物を調製し、50℃の環境下で1ヶ月保存した後、外観及び匂い劣化の改善について、以下の基準に従って評価した。評価は10人の専門パネラーにより行い、全パネラーの合計点で、4点以上を○、3〜−3点を△、−4点以下を×と示した。
(評価方法)
比較例に比べ改善している ;+1点
比較例に比べ同等である ; 0点
比較例に比べ劣化している ;−1点
Figure 2007254304
Figure 2007254304

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(C)を含有し、毛髪に適用される際におけるpHが1〜5である毛髪化粧料。
    (A) 一般式(1)で表される尿素誘導体
    Figure 2007254304
    〔式中、R1〜R4は、その少なくとも1つが炭素数1〜10のω-ヒドロキシ直鎖アルキル基を示し、残余は水素原子を示す。〕
    (B) ヒドロキシ基を有してもよいモノカルボン酸、ヒドロキシ基を有してもよいジカルボン酸、酸性アミノ酸及び芳香族カルボン酸から選ばれる1種以上の遊離の有機酸
    (C) 芳香族アルコール、炭素数10以下の脂肪族一価アルコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネート、アルキルピロリドン及びγ-ラクトンから選ばれるハイドロトロープ
  2. 毛髪化粧料がシャンプーであり、更に、硫酸基を有する界面活性剤を含有する請求項1記載の毛髪化粧料。
  3. 毛髪化粧料が洗い流すタイプの水性ヘアコンディショナーであり、更に、四級アンモニウム塩型又は三級アミン型カチオン界面活性剤を含有する請求項1記載の毛髪化粧料。
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