JP2007253561A - インクジェットヘッド駆動装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液滴吐出ノズルを被記録媒体の全幅方向に並べて備えるフルライン型のインクジェットヘッド駆動装置及び駆動方法において、記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出し、この算出したピクセルの所定連続数前後で、前記被記録媒体上の画像記録位置変更する。
【選択図】図3
Description
そして、この機能性液状体についても、近年、電子線・紫外線などの活性エネルギーの照射により硬化する活性エネルギー硬化型インクとし、このインク滴をインクジェットヘッドにより被記録媒体上に吐出・塗布し、被記録媒体上に塗布されたインクを活性エネルギーの照射により硬化させることで被記録媒体上への画像記録を行う活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置が各種提案されている。
つまり、インク滴の吐出を行わない休止動作が長時間続いた場合の吐出不良は、ノズルの開口端周辺に貯留されているインク液中の溶媒の蒸発や成分の凝集や分離によるノズル詰まりが原因であったり、また、インク滴の吐出を一定以上連続して行った場合の吐出不良は、ノズルの開口端周辺に貯留されているインク液中への気泡の混入やノズルでのメニスカス崩壊が原因であったりしている。
スピッティング処理は、数滴のインク滴を連続的に吐出して、ノズルの開口端周辺に貯留されていた異常なインク液を捨てる空打ち処理で、これを実施することにより、ノズルの開口端周辺に貯留されていたインク液がリフレッシュされ、次のインク滴の吐出時には、インク滴が正確にノズルの中心軸上を飛ぶ正常吐出が可能になる。
ワイピング処理は、ノズルの開口端を払拭する処理で、ノズルの開口端に付着しているインクの凝集成分や異物を除去して、ノズルの開口端を正常状態に戻す。
このフルライン型のインクジェットヘッドは、画像記録の高速化に適しているため、印刷用の刷版を行う製版装置等で普及している。
(1)液滴吐出ノズルを被記録媒体の全幅方向に並べて備えるフルライン型のインクジェットヘッド駆動装置であって、記録用画像データを基にインクジェットヘッドの液滴吐出を制御するヘッド駆動手段と、被記録媒体の搬送方向に対応する前記記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出する画像データ解析手段と、前記画像データ解析手段が算出したピクセルの所定連続数前後で、前記被記録媒体上の画像記録位置変更の指示を前記ヘッド駆動手段へ出す変更位置決定手段と、を備えるインクジェットヘッド駆動装置。
(2)液滴吐出ノズルを被記録媒体の全幅方向に並べて備えるフルライン型のインクジェットヘッド駆動方法であって、被記録媒体の搬送方向に対応する記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出し、この算出したピクセルの所定連続数前後で、前記被記録媒体上の画像記録位置を変更するインクジェット駆動方法。
このように、同一の画像パターンを連続形成する場合、ピクセルの所定連続数が1つのパターン画像形成で画像となる又は非画像となるピクセル連続数に対応することで、1つの画像パターンの画像形成の終了時点に画像位置変更が自動的に行われるため、インク滴を吐出する動作の休止や1滴以下の吐出動作が所定以上に連続する以前に位置変更となり、ノズルの同一稼働状態の連続に起因するインクの吐出不良を抑制することできる。
従って、吐出不良に起因した描画不良の発生を防止して、同一の画像パターンを連続形成する場合でも、高精度な画像記録を長期に渡って維持することができる。
このように、同一の画像パターンを連続形成する場合、パターン画像を180°回転させるので、位置変更を大きく取ることができ、インク滴を吐出する動作の休止や1滴以下の吐出動作が所定以上に連続する以前に位置変更となる可能性が高くなり、ノズルの同一稼働状態の連続に起因するインクの吐出不良を抑制することできる。
また、例えば、元の記録画像と、元の記録画像を180°回転させた回転記録画像の2種類の画像データを交互にインクジェットヘッドに描画させれば良く、画像記録位置の変更のために生成する画像データが2種類で済むため、画像データの処理・管理が容易になる。
このような構成にすると、画像記録位置の変更により、各ノズルの作動状態がが順にずれていく状態になり、ノズル相互における連続休止や連続吐出の発生頻度のばらつきが低減して、インクジェットヘッドの寿命向上を図ることができる。
このように、連続吐出に起因したインクの吐出不良が発生するピクセルの連続数より少ない1万回以内に規制することで、連続吐出によるインクの吐出不良を防止することができる。
このような構成にすると、ノズルの連続吐出に起因したインクの吐出不良の一要因である、ノズルの開口端周辺に停留しているインク液中への気泡の混入に対し、上記のようにインクの泡発生手前での、画像記録位置の変更により、連続吐出を解消するようにし、連続吐出に起因したインクの吐出不良を効率良く防止することができる。
(8)前記ピクセルの所定連続数が前記ノズル内インクの固着発生手前に対応する数である上記(2)〜(5)のいずれか1つに記載のインクジェットヘッド駆動方法。
このような構成にすると、ノズルの連続休止連に起因したインクの吐出不良の主原因であるインク液中の溶媒の蒸発や成分の凝集によるインクの固着に対し、上記のようにインクの固着発生の手前で、画像記録位置の変更により、連続休止を解消するようにし、連続休止に起因したインクの吐出不良を効率良く防止することができる。
従って、吐出不良に起因した描画不良の発生を防止して、同一の画像パターンを連続形成する場合でも、高精度な画像記録を長期に渡って維持することができる。
図1は本発明に係る活性エネルギー硬化型インクジェット記録方法を実施する活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の一実施の形態の構成概略図、図2は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドによる画像記録部の拡大斜視図、図3は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置において、インクジェットヘッドを制御する制御部としてのヘッドドライバのブロック図、図4は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置が図8に示した画像パターンを連続して形成する場合の記録方法の説明図である。
図1において、活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置10の筐体12内には、同一サイズのシート状の被記録媒体Sを複数枚重ねて収納する被記録媒体収納部20と、この収納部20から被記録媒体Sを取り出す搬送部30と、搬送部30により搬入された被記録媒体Sを記録位置範囲で保持しつつ搬送を行う走査搬送部40と、走査搬送部40で保持移送されている被記録媒体Sにインクジェット画像記録走査と紫外光照射定着(本実施形態では紫外光利用しているが、活性エネルギーであればよい。)とを行う画像記録部50と、画像記録部50で記録済みとなった被記録媒体Sが送出されるトレイ90とが備えられている。
また、画像記録部50には、インク供給部70がインク供給のために接続されている。
被記録媒体Sが搬送ベルト42から離される位置(本実施形態では下流ベルトローラ44c位置)の下流には剥離爪92が配置され、剥離爪92の先端は下流ベルトローラ44c付近で被記録媒体Sの搬送ベルト42からの剥離を促す。トレイ90は搬送ベルト42から剥離された被記録媒体Sを収容する。
図2は本実施形態の画像記録部50および搬送操作部40の拡大斜視図である。
被記録媒体収納部20から供給される被記録媒体Sは、走査搬送部40で上流のベルトローラ44b位置に搬送される。
搬送ベルト42に均一な力で保持された被記録媒体Sは、その先端が画像記録位置42Pに到達した時点で、画像記録部50による描画に供される。画像記録部50のインクジェットヘッド52は搬送ベルト42の幅方向に渡ってインク吐出口を有しており、搬送ベルト42の走査タイミングに合わせて画像記録走査を行う。この際、インクジェットヘッド52はインク供給部70からインクを導かれ、ヘッドドライバ54には画像データが入力され、インクジェットヘッド52からのインク吐出量を制御する。
図3は、本実施形態のインクジェットヘッド駆動装置を示すブロック図である。
インクジェット駆動装置であるヘッドドライバ54は、図3に示すように、インクジェットヘッド52によるインク吐出のための記録用画像データを保存しているメモリ81と、記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出する画素データ解析手段82と、インクジェットヘッド52による記録画像位置変更の基準であるピクセルの所定連続数Nを設定する所定値設定手段83と、画素データ解析手段82にて算出された被記録媒体の搬送方向に対応する画像となるピクセル又は非画像となるピクセルの連続数nと前記所定値設定手段83により設定された所定連続数Nとを比較し、画素データ解析手段82にて算出された数値が所定値Nを超える場合に、インクジェットヘッド52による画像記録位置の変更位置を決定する変更位置決定手段84と、この変更位置決定手段84の決定した変更位置に基づいて変換処理した記録用画像データをインクジェットヘッド52に送出するヘッド駆動制御部85と、を備えている。
即ち、被記録媒体S上に形成される記録画像の記録位置を画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数を切っ掛けに変更するインクジェットヘッド駆動方法である。
画像データは16階調のビットマップファイルで、2階調おきに吐出ドロップ数が変化する。1例としてヘッドは318ノズルであり、吐出用画像はノズル配列方向に636ピクセルと2倍になっていて、偶数ピクセル番目のデータを吐出用データとして受け取る。具体的に4番目のピクセルにデータがあれば、端から2番目のノズルから吐出する。吐出用画像の被記録媒体搬送方向に関しては、1ピクセル=1ドットとなっていて、ピクセルが1000続いたら、1000発連続吐出することになる。
ただし、本発明の使用は、画像形式がピットマップ形式には限らず、上記の方法にも限定しないものとする。
基本的には、被記録媒体S上に形成される記録画像の前記変更位置は、記録画像の180°の回転位置とするものである。
この場合、具体的には、図8に示した画像パターン103を連続して形成する場合、例えば、画像となるピクセル又は非画像となるピクセルの所定連続数Nを、1枚の画像パターン103上で画像となるピクセル連続数nの最大値に設定しておくと、所定連続数Nで画像位置変更は、1枚の画像パターン103の画像形成終了時と同期する。従って、図4に示すように、一枚描画する毎に、元の記録画像と、元の記録画像を180°回転させたものとを自動的に交互に描画する設定となる。
従って、吐出不良に起因した描画不良の発生を防止して、同一の画像パターンを連続形成する場合でも、高精度な画像記録を長期に渡って維持することができる。
このような構成にすると、連続吐出に起因したインクの吐出不良の一要因は、ノズルの開口端周辺に停留しているインク液中への気泡の混入であるため、上記のようにインクの泡発生の手前で、画像記録位置の変更により、連続吐出を解消でき、連続吐出に起因したインクの吐出不良を効率良く防止することができる。
このような構成にすると、ノズルの連続休止に起因したインクの吐出不良の一要因である、インク液中の溶媒の蒸発や成分の凝集によるインクの固着に対し、上記のようにインクの固着発生の手前で、画像記録位置の変更により、ノズルの連続休止を解消でき、連続休止に起因したインクの吐出不良を効率良く防止することができる。
図5は、本発明の画像記録方法の他の実施形態を示す概略図である。
この実施形態では、例えば、被記録媒体S上に形成される記録画像の前記移動位置がインクジェットヘッド52の長手方向(即ち、被記録媒体Sの幅方向)に所定ドット数x単位でずらした位置にしても良い。
具体的には、図8に示した画像パターン103を連続形成する場合、例えば、被記録媒体の搬送方向に対応する画像となるピクセル又は非画像となるピクセルの所定連続数Nを、2枚の画像パターン103上でのピクセル数に設定しておくと、所定連続数Nで画像位置変更は、2枚の画像パターン103の画像形成終了時と同期する。従って、図5に示すように、2枚描画する毎に、インクの塗布域mを記録紙の幅方向にxドット分だけずらして描画していくことになる。
例えば、図6及び図7に示す活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置91ように、ロールに巻かれた長尺の被記録媒体Sを順次インクジェットヘッド52や紫外線照射部56の下方の画像記録位置42Pに供給する構成とすることもできる。
搬送ベルト42の材質としてはスチールベルトなどの導電性ベルトや、戴置面の材質に自由度を持たせるため、戴置面側にはポリイミド等の樹脂などの絶縁性材料を利用することができ、その場合には、ベルト裏面に導電性層を設ける構成とすることができる。
特に、本発明のインクジェット記録装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
更に、本発明のインクジェット記録装置では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
[インク組成物]
本発明に用いられるインク組成物は、活性エネルギーの照射により硬化可能なインク組成物であり、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物と、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物を含有する。所望により、更に(d)pKaが2〜6の値を示す有機酸性成分、(e)着色剤、等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
本発明のインク組成物は、放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のインク組成物は、(d)pKaが2〜6の値を示す有機酸性成分(以下、単に、「有機酸性成分」と称する場合がある。)を添加することができる。本発明に使用される(d)pKaが2〜6の値を示す有機酸性成分としては、定性的に弱酸性の有機化合物が相当する。有機酸性成分のpKaが6より大きい場合、これを本発明のインク組成物に添加した際に感度が低下し、pKaが2より小さい場合には、インク組成物の経時安定性の劣化を引き起こすため、本発明においては、有機酸性成分としてpKaが2〜6の値を示すものが適用されることが好ましい。
本発明のインク組成物は、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
以下に、必要に応じて用いられる種々の添加剤について述べる。
〔紫外線吸収剤〕
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が35mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
ラジカル重合系インク組成物は、ラジカル重合性化合物と重合開始剤を含有する。所望により、更に、増感色素、色材、等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合化能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
本発明のインク組成物に用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (A)(ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
次に本発明のラジカル重合系インク組成物に使用される光重合開始剤について説明する。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
さらに本発明のインクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
水性インク組成物は、重合性化合物と放射線の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、色材、等を含有してもよい。
本発明の水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンドユーザー特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク組成物全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
本発明のインク組成物に用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような色材を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、色材を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。色材を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としたりする用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
上述した水溶性重合性化合物を、色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
12 筐体
20 被記録媒体収納部
22 収納カセット
30 搬送部
40 走査搬送部
50 画像記録部
52 インクジェットヘッド
54 ヘッドドライバ
56 紫外線照射部
70 インク供給部
81 メモリ
82 画素データ解析手段
83 所定値設定手段
84 変更位置決定手段
85 ヘッド駆動制御部
91 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置
103 画像パターン
m インクの塗布域
S 被記録媒体
Claims (8)
- 液滴吐出ノズルを被記録媒体の全幅方向に並べて備えるフルライン型のインクジェットヘッド駆動装置であって、
記録用画像データを基にインクジェットヘッドの液滴吐出を制御するヘッド駆動手段と、
被記録媒体上の搬送方向に対応する前記記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出する画像データ解析手段と、
前記画像データ解析手段が算出したピクセルの所定連続数前後で、前記ヘッド駆動手段へ前記被記録媒体上の画像記録位置変更の指示を出す変更位置決定手段と、
を備えるインクジェットヘッド駆動装置。 - 液滴吐出ノズルを被記録媒体の全幅方向に並べて備えるフルライン型のインクジェットヘッド駆動方法であって、
被記録媒体上の搬送方向に対応する記録用画像データから画像となるピクセル又は非画像となるピクセルが所定連続数となる画像部分を算出し、この算出したピクセルの所定連続数前後で、前記被記録媒体上の画像記録位置を変更するインクジェット駆動方法。 - 前記被記録媒体上に形成される記録画像が同一パターン画像の連続形成であり、前記ピクセルの所定連続数が前記パターン画像の1つの形成で画像となる又は非画像となるピクセル連続数に対応している請求項2に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
- 前記被記録媒体上に形成される記録画像が同一パターン画像の連続形成であり、このパターン画像の次記録の前記変更位置が180°の回転位置である請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
- 前記被記録媒体上に形成される記録画像の前記変更位置がインクジェットヘッドの長手方向に所定ドット数単位でずらした位置である請求項2又は請求項3に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
- 前記ピクセルの所定連続数が1万個である請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
- 前記ピクセルの所定連続数が前記ノズル内インクの泡発生手前に対応する数である請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
- 前記ピクセルの所定連続数が前記ノズル内インクの固着発生手前に対応する数である請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド駆動方法。
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