JP2007251219A - 薄膜太陽電池モジュールの製造方法とその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受光面側から、少なくとも耐候性表面保護膜401、表面側封止樹脂402、太陽電池素子403、背面側封止樹脂405、構造支持体408を順次配設し、かつ電気出力を外部に取出すための薄板状配線材からなる補助配線および内部配線を太陽電池素子の背面部に配設して電気的接続を行い、封止樹脂を熱硬化させることにより太陽電池モジュールとして一体化してなり、さらに太陽電池モジュールの非発電領域の一部を折り曲げてモジュール外周部の少なくとも相対する2辺に補強リブ410を形成してなる薄膜太陽電池モジュールの製造方法において、あらかじめ、非発電領域の一部の折り曲げを行った後に、前記樹脂の熱硬化を行う。
【選択図】図3
Description
従来の薄膜太陽電池はガラス基板を用いていたが、軽量化、施工性、量産性においてプラスチックフィルムおよび金属フィルムを用いたフレキシブルタイプの太陽電池の研究開発がすすめられている。このフレキシブル性を生かし、ロールツーロール方式やステッピングロール方式の製造方法により大量生産が可能となった。 上記の薄膜太陽電池は、フレキシブルな樹脂フィルム基板上に第1電極(以下、下電極ともいう)、薄膜半導体層からなる光電変換層および第2電極(以下、透明電極ともいう)が積層されてなる光電変換素子(またはセル)が複数形成されている。ある光電変換素子の第1電極と隣接する光電変換素子の第2電極を電気的に接続することを繰り返すことにより、最初の光電変換素子の第1電極と最後の光電変換素子の第2電極とに必要な電圧を出力させることができる。例えば、インバータにより交流化し商用電力源として交流100Vを得るためには、薄膜太陽電池の出力電圧は100V以上が望ましく、実際には数10個以上の素子が直列接続される。
まず、表面にガラス板を使用した従来の薄膜太陽電池モジュールにおいては、表面にガラス板を有し、直列接続した太陽電池素子をエチレンー酢酸ビニール共重合樹脂(EVA)樹脂等で封止し、背面材として、両面に一弗化ビニールを貼り付けたアルミ箔を使用し、背面に端子部を構成し、周囲をアルミ製のフレームで4辺を固定している。モジュールは専用架台等を用いて屋根等に固定される。このモジュールの1m2当りの重量は、約10Kg以上であり重量が極めて重い問題がある。また、モジュール周囲に表面のガラスを固定するためのフレームを取り付ける必要がある等構造および製造手順が複雑となる問題がある。
封止樹脂102、105としては、シート上で供給されるエチレン−酢酸ビニール共重合樹脂(以下、EVAと記す。)、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド共重合体等を用いることができる。
前述のように、図1は、リブ無モジュールの具体例に関わる薄膜太陽電池モジュールの構成を示す。この太陽電池モジュールは、表面側より表面保護膜101として接着面をコロナ処理したETFE、封止樹脂102としてシート状EVA、太陽電池素子103としてアラミド基板a−Si太陽電池素子、太陽電池素子から電気を取出すための薄板状配線材(1)104として幅3mm、厚さ50μmの錫メッキ銅箔、背面側封止樹脂105としてシート状EVA、背面保護膜106として両面をコロナ処理した25μm厚さのETFE、薄板状配線材(2)107として幅10mm、厚さ100μm、メッキ厚さ1〜2μmの錫メッキ銅箔、ガラス織布含有熱硬化性樹脂製の構造支持体108として、厚さ1.5mmの織布にエポキシ樹脂を含浸した物により構成した。この実施例に係る各部について以下に詳述する。
エポキシ樹脂含浸ガラス織布としては、プリント配線基板用に作られるプリプレグを用いた。これらのプリプレグは、両面に剥離シートを貼り付けたシート状でコアーに巻かれた状態で供給される。片面の剥離シートを剥し、ロールで所定の位置に薄板状配線材(2)を埋設し、同時に背面保護膜106を一体化し、ついで一定寸法に切断する。
プラスチック基板a−Si太陽電池素子は、従来技術の項に記載した公知の方法で作成される。用いた太陽電池素子は、発電面の反対面側に正極、および負極が構成されている。
図1(c)に示すように薄板配線材(1)104は、導電粘着材付テープ110で太陽電池に固定する。薄板配線材(1)と薄板配線材(2)との電気的接続は、図1(b)に示すように、EVAシート、背面保護膜の一部を切取り太陽電池素子の近傍で半田付けされる。
封止樹脂シートには、あらかじめ補強材109として、ガラス不織布がラミネートされている。
従来技術の項に記載した公知の真空ラミネータ装置を用いることができる。
前述した図5に、比較例1の構成を示す。あらかじめ0.3mm厚さの接着用EVAシート610と絶縁フィルム609とを一体化した薄板状配線材(2)607をそのまま背面封止樹脂605と太陽電池素子603の間に挟みこんだ以外は実施例2と同様に作成した。各部番の説明は省略する。
図3は、実施例2に関わる薄膜太陽電池モジュールの構成断面図を示し、強度向上と有効発電領域の拡大を図る目的で太陽電池モジュールの側面を曲げて補強リブを構成した例を示す。このモジュールは、後述する図2に示すモジュール製造装置を用い、構造支持体408として、厚さ1.0mmのガラス織布にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグを用い、端部を90°に曲げ加工した以外は、実施例1と同様に作成した。
図4は、実施例2とは異なる補強リブ510を備えたモジュールを示す。端部を円形に曲げ加工し、アルミパイプ511と一体化した以外は、実施例1と同様に作成した。この場合、従来の真空ラミネータ装置を用いた。
図6に比較例2のモジュールの平面図を示す。実施例1(図1)の構造支持体108に相当するものとして、0.4mmの塗装亜鉛鋼板を用い、薄板状配線材(2)を太陽電池素子の外側に配置し、図1のように背面側封止樹脂105と表面側封止樹脂102の間に挟んだ以外は実施例1と同様に作成した。図6のモジュールのア部、イ部で90°に端部を曲げ加工した。
Claims (6)
- 受光面側から、少なくとも耐候性表面保護膜、表面側封止樹脂、太陽電池素子、背面側封止樹脂、構造支持体を順次配設し、かつ電気出力を外部に取出すための薄板状配線材からなる補助配線および内部配線を前記太陽電池素子の背面部に配設して電気的接続を行い、前記封止樹脂を熱硬化させることにより太陽電池モジュールとして一体化してなり、さらに太陽電池モジュールの非発電領域の一部を折り曲げてモジュール外周部の少なくとも相対する2辺に補強リブを形成してなる薄膜太陽電池モジュールの製造方法において、あらかじめ、前記非発電領域の一部の折り曲げを行った後に、前記樹脂の熱硬化を行うことを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
- 請求項1記載の製造方法において、前記構造支持体は、ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸したものとし、含浸した樹脂は、前記樹脂を熱硬化させる工程において硬化させることを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法において、前記表面側封止樹脂および背面側封止樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)とし、太陽電池素子は、樹脂基板を有するa−Si太陽電池素子としたことを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法において、前記薄板状配線材は、防食性金属でメッキされた銅箔としたことを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
- 請求項4記載の製造方法において、前記防食性金属は錫とし、そのメッキ厚さは、0.5〜15μmとしたことを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
- 請求項1記載の製造方法を実施するための薄膜太陽電池モジュールの製造装置であって、太陽電池モジュールを加圧するためのダイアフラムを有する第1の真空槽と、太陽電池モジュールを加熱・成形するための第2の真空槽とを備え、第2の真空槽は、太陽電池モジュールを載置する部分と前記非発電領域の一部折り曲げ用の受圧面部とを有するモジュール構造支持体設置板と、前記折り曲げ部を加圧するための加圧装置と、前記モジュール加熱用のヒータとを備えたことを特徴とする薄膜太陽電池モジュールの製造装置。
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