JP2007251181A - 半導体集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】低消費電力で、所望の機能及び性能を実現したデジタル集積回路を提供する。
【解決手段】第1の回路ブロック11は、所定の周波数の第1のクロック信号C1に同期して動作する。第2の回路ブロック21は、第1のクロック信号C1より低い周波数の第2のクロック信号C2に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で内部のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が第1の回路ブロック11より低い。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路に関し、特に、高度に集積化され複雑な機能を実現したデジタル集積回路に関する。
基本的な構成のデジタル集積回路は、内部のチップ全体に単一周波数のクロック信号が供給され、チップ全体がこのクロック信号に同期して動作する。また、基本的な構成のデジタル集積回路は、チップ全体に単一電圧の電源が供給され、チップ全体がこの電源で動作する。
集積回路の一般的な適用形態として複数の集積回路が1つの基板に実装されることがある。そして、集積回路は、同一の基板に実装された他の集積回路等の外部回路と信号を送受信する。また、集積回路は、他の基板に実装された集積回路等と信号を送受信することもある。
近年、デジタル集積回路は高速で動作することが求められており、トランジスタの微細化によって高集積化と共に高速化されている。しかし、トランジスタの微細化により集積回路の内部は高速化されても、外部回路と送受信する信号は高速化されていないことがある。
また、近年の微細化技術の進展により、1つのデジタル集積回路のチップに多くの機能が搭載され、複雑なシステムの機能が1つのチップにより実現されるようになってきている。
デジタル集積回路は、できるだけ低い消費電力で動作することが求められている。しかし、チップの高集積化やクロックの高速化は、デジタル集積回路の消費電力を増大させる要因である。従来、デジタル集積回路は電源電圧を下げることで低消費電力化が図られてきた。ただし、デジタル集積回路の内部が低い電圧の電源で動作可能となっても、外部回路との互換性を維持するために、外部回路と送受信する信号は従来通りの高い電圧であることもある。
また、高速動作を実現し、かつ、できるだけ低消費電力化するために、複数のクロック信号と複数の電源で動作するデジタル集積回路がある。即ち、そのような従来のデジタル集積回路は、主要部分において高速のクロック及び低い電圧の電源が用いられ、外部回路と接続される信号入出力部分において低速のクロック及び高い電圧の電源が用いられている。これにより、その従来のデジタル集積回路は、低消費電力化のために主要部分を高速かつ低電力で動作させ、低速かつ高電圧の信号を外部回路と送受信することができる。
一般に、電源電圧を低くすると、電源のトランジスタを駆動する能力が低下する。その対策としてトランジスタのしきい値を下げることが考えられる。しかし、トランジスタは、しきい値を下げると漏れ電流が増える。漏れ電流が増えれば待機電力が増えるので、結局はデジタル集積回路の消費電力が増えてしまう。また、電源電圧を下げると、トランジスタ毎の特性のばらつきによる、動作の安定性に対する影響が大きくなる。
以上のように、デジタル集積回路の電源の電圧を下げることを妨げる要因は様々である。そのため、トランジスタの微細化の進展に伴ってデジタル集積回路を低消費電力化するために、電源を低電圧化するには多くの課題がある。
一方、小型軽量化が要求される携帯機器に用いられるデジタル集積回路などでは、特に高集積化が要求されている。また、地球環境保全のためのエネルギーの節約等の観点からも更なる低消費電力化が要求されている。
本発明の目的は、低消費電力で、所望の機能及び性能を実現したデジタル集積回路を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で内部のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が前記第1の回路ブロックより低い第2の回路ブロックを有している。
本発明の他の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で、単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が前記第1の回路ブロックより低くなるように内部のトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、CMOS構成の半導体集積回路であって、
所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロックより低い周波数の第2のクロックに同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより小さい第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、CMOS構成の半導体集積回路であって、
所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロックに同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより小さくなるように、そのトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、内部のトランジスタの相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低い第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、内部のトランジスタの相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるような電圧の電源により動作する第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期し、相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるように内部のトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、CMOS構成の半導体集積回路であって、
所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるように、そのトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有している。
本発明の更に他の半導体集積回路は、所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で動作電力と待機電力の和が最小となるように電源電圧とトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有している。
本発明の一態様によれば、第2の回路ブロックのトランジスタのスイッチ速度と第1の回路ブロックのトランジスタのスイッチ速度との比が、第1のクロック信号の周波数と第2のクロック信号の周波数との比に等しい。
本発明によれば、スイッチ速度を下げて第2の回路ブロックの消費電力を低減することにより、集積回路の消費電力が低減されている。
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、集積回路10は、回路ブロック11,21、クロック供給部12,22及び電源供給部13,23を有している。
集積回路10は高度に集積化され複数の機能を有している。集積回路10は、nチャネル型及びpチャネル型の電界効果トランジスタを組み合わせた相補型MOS構成(以下、CMOS構成と称す)である。
回路ブロック11,21は、集積回路10が有する複数の機能のうち、所定の機能をそれぞれ実現する。ここで、回路ブロック11はシステムの動作上要求される処理能力が回路ブロック21よりも高いものとする。ここで処理能力とは同期回路の動作速度を示し、クロック周波数が高い程、処理能力が高いものとする。
回路ブロック11と回路ブロック21とは、双方向或いは片方向に信号S1を送受信することで、互いに連携して動作する。回路ブロック11はクロック信号C1に同期して動作する。回路ブロック21はクロック信号C2に同期して動作する。
クロック供給部12は、回路ブロック11にクロック信号C1を供給する。クロック信号C1は周波数F1のクロック信号である。クロック供給部22は、回路ブロック21にクロック信号C2を供給する。クロック信号C2は周波数F2のクロック信号である。クロック信号C1の周波数F1は、クロック信号C2の周波数F2よりも高い。
電源供給部13は、回路ブロック11に電源P1を供給する。電源P1は電圧V1の電源である。電源供給部23は、回路ブロック21に電源P2を供給する。電源P2は電圧V2の電源である。電源P1の電圧V1は、電源P2の電圧V2よりも高い。
CMOS構成の集積回路10の消費電力Pを求める。
回路ブロック11の動作電力及び待機電力をPA1及びPS1とし、回路ブロック21の動作電力及び待機電力をPA2及びPS2とすると、集積回路10の消費電力Pは、
Figure 2007251181
である。なお、動作電力とは、トランジスタのスイッチング時に負荷容量を充放電するのに消費する電力である。待機電力とは、トランジスタの漏れ電流によって消費する電力である。
ここで、回路ブロック11内のトランジスタが各クロックサイクルでスイッチングを行う確率をA1とする。回路ブロック21が各クロックサイクルでスイッチングを行う確率をA2とする。確率A1,A2は、通常0.2〜0.5程度である。
また、回路ブロック11の総負荷容量をC1とする。回路ブロック21の総負荷容量をC2とする。
また、回路ブロック11内のnチャネルトランジスタの総トランジスタ幅をWN1とする。回路ブロック11のpチャネルトランジスタの総トランジスタ幅をWP1とする。回路ブロック21のnチャネルトランジスタの総トランジスタ幅をWN2とする。回路ブロック21のpチャネルトランジスタの総トランジスタ幅をWP2とする。なお、トランジスタ幅とは、例えば電界効果トランジスタでは、ドレインとソースの間の電流が流れる部分の幅である。
また、回路ブロック11内のnチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流をIOFFN1とする。回路ブロック11内のpチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流をIOFFP1とする。回路ブロック21内のnチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流をIOFFN2とする。回路ブロック21のpチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流をIOFFP2とする。
そうすると、回路ブロック11の動作電力PA1及び待機電力PS1は、
Figure 2007251181
と表わせる。また、回路ブロック21の動作電力PA2及び待機電力PS2は、
Figure 2007251181
と表わせる。
また、回路ブロック11のnチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタを合わせた総トランジスタ幅をW1とすると、
Figure 2007251181
である。回路ブロック21のnチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタを合わせた総トランジスタ幅をW2とすると、
Figure 2007251181
である。
回路ブロック11の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFF1は、平均として、
Figure 2007251181
である。また、回路ブロック21の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFF2は、平均として、
Figure 2007251181
である。
式(6)及び式(8)を用いて式(3)を簡単化すると、
Figure 2007251181
となる。また、式(7)及び式(9)を用いて式(5)を簡単化すると、
Figure 2007251181
となる。
ところで、従来の通常のデジタル集積回路は、1つの電源電圧と1つのクロック周波数により、1種類のトランジスタを駆動する。ここで、例えばCMOS構成の場合、1種類のトランジスタとは、1種類のnチャネルトランジスタ及び1種類のpチャネルトランジスタのことであるとする。
本実施形態の集積回路10において、従来と同様に、周波数F2を周波数F1に等しく、電圧V2を電圧V1に等しく、漏れ電流IOFF2を漏れ電流IOFF1に等しいとすると、回路ブロック21の動作電力PA2は、
Figure 2007251181
となる。この場合、周波数F1は回路ブロック11の処理能力を満足できるように高く設定されているので、回路ブロック21に対しては過剰に大きい。
これに対して、本実施形態のように、回路ブロック11と回路ブロック21が同じ種類のトランジスタである構成において、必要な性能を満足できる範囲で周波数F2を周波数F1より低くすると、
Figure 2007251181
となる。したがって、回路ブロック21の動作電力PA2はクロック信号C2の周波数F2に比例して低減される。
また、周波数F2が低くなれば、同じトランジスタで電源電圧V2を低くすることができる。一般に、トランジスタが同一であればトランジスタのスイッチ速度は電源電圧が低いほど遅くなるが、本実施形態ではクロック信号C2の周波数F2が低いので回路ブロック21に要求されるスイッチ速度は回路ブロック11のスイッチ速度のF2/F1倍だからである。なお、トランジスタのスイッチ速度とは、トランジスタのオンオフが切り替わる速度である。
そこで、回路ブロック21の電源電圧V2を回路ブロック11の電源電圧V1より低くすると、
Figure 2007251181
となり、回路ブロック21の動作電力PA2が、電源電圧V2の2乗に比例して更に低減される。
また、従来と同様に、回路ブロック21の電源電圧V2を回路ブロック11の電源電圧V1と同じとすると、回路ブロック21の待機電力PS2は、
Figure 2007251181
であるが、本実施形態のように回路ブロック21の電源電圧V2が回路ブロック11の電源電圧V1より低いと、
Figure 2007251181
である。即ち、回路ブロック21の待機電力PS2は、電源電圧V2に比例して低減される。
以上説明したように、本実施形態の集積回路10は、要求される処理能力が低くクロック周波数の低減が可能な回路ブロック21のクロック周波数F2が低減され、それにより可能となった分だけ電源電圧が低減されている。したがって、集積回路10は、所望の機能及び性能を実現しつつ、回路ブロック21のクロック周波数及び電源電圧が低減されているので、クロック周波数及び電源電圧がそれぞれ1種類の従来の集積回路と同じ機能及び性能を低消費電力で実現している。
なお、本実施形態において、集積回路10がCMOS構成の場合を例に消費電力の計算を行ったが、本発明は他の構成にも適用可能である。他の構成の場合、消費電力計算の各式はCMOS構成の場合と全く同じではないが、同一の思想により消費電力を算出することができる。
本発明の他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の他の実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、集積回路20は、回路ブロック14,24、クロック供給部12,22及び電源供給部3を有している。集積回路20はCMOS構成であり、高度に集積化され複数の機能を有している。
回路ブロック14,24は、集積回路20が有する複数の機能のうち、所定の機能をそれぞれ実現する。ここで、回路ブロック14はシステムの動作上要求される処理能力が回路ブロック24よりも高いものとする。ここで処理能力とは同期回路の動作速度を示し、クロック周波数が高い程、処理能力が高いものとする。
回路ブロック14と回路ブロック24とは、双方向或いは片方向に信号を送受信することで、互いに連携して動作する。回路ブロック14はクロック信号C1に同期して動作する。回路ブロック24はクロック信号C2に同期して動作する。
クロック供給部12は、回路ブロック14にクロック信号C1を供給する。クロック信号C1は周波数F1のクロック信号である。クロック供給部22は、回路ブロック24にクロック信号C2を供給する。クロック信号C2は周波数F2のクロック信号である。クロック信号C1の周波数F1はクロック信号C2の周波数F2よりも高い。
電源供給部3は、回路ブロック14,24に電圧V3の電源P3を供給する。
回路ブロック14で用いられているトランジスタのしきい値と、回路ブロック24で用いられているトランジスタのしきい値は互いに異なる。本実施形態では集積回路20はCMOS構成なので、nチャネルトランジスタ及びpチャネルトランジスタの少なくとも一方について回路ブロック14と回路ブロック24でしきい値が異なっていればよい。
周波数F2が周波数F1より小さいので、回路ブロック24のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流は、回路ブロック14のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流よりも小さく設定することができる。一般に、漏れ電流が減少する方向にトランジスタのしきい値を調整すると、トランジスタのスイッチ速度が遅くなる。しかし、本実施形態では周波数F2が周波数F1より低いので、回路ブロック24に要求されるスイッチ速度は回路ブロック14に要求されるスイッチ速度のF2/F1倍である。その分、トランジスタのスイッチ速度が遅くても所望の機能及び性能を実現できる。
そこで、回路ブロック24のトランジスタのしきい値は、回路ブロック24のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が、回路ブロック14のものより小さくなるような値に設定されている。したがって、回路ブロック24におけるトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流は、回路ブロック14におけるトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流より小さくなっている。
回路ブロック14の動作電力及び待機電力をPA1及びPS1とし、回路ブロック24の動作電力及び待機電力をPA2及びPS2とすると、CMOS構成の集積回路20の消費電力Pは、集積回路10と同様に式(1)で表わすことができる。
また、回路ブロック14の動作電力PA1及び待機電力PS1は式(2)及び式(10)で表わすことができる。回路ブロック24の動作電力PA2及び待機電力PS2は式(4)及び式(11)で表わすことができる。
ところで、従来の通常のデジタル集積回路は、1つの電源電圧と1つのクロック周波数により、1種類のトランジスタを駆動する。本実施形態の集積回路20において、従来と同様に、周波数F2を周波数F1に等しく、電圧V2を電圧V1に等しく、漏れ電流IOFF2を漏れ電流IOFF1に等しくすると、回路ブロック21の動作電力PA2は、式(12)で表わされる。
これに対して、本実施形態の集積回路20は、回路ブロック24に要求される処理能力が回路ブロック14に比べて小さいので、回路ブロック24のクロック周波数F2を回路ブロック14のクロック周波数F1より低くすることが可能である。そうすることによって、回路ブロック24の動作電力PA2は、式(13)から分かるように、クロック周波数F2に比例して低減される。
また、周波数F2が低くなれば、上述した様に、回路ブロック24のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFF2を回路ブロック14のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFF1よりも小さくすることができる。
そこで、本実施形態では、回路ブロック24のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFF2を小さくするようにしきい値が設定されている。そのため、nチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFFN2またはpチャネルトランジスタの単位トランジスタ当りの漏れ電流のIOFFP2は小さくなっている。
これにより、従来、回路ブロック24の待機電力PS2は、
Figure 2007251181
であったものが、
Figure 2007251181
と低減される。
以上説明したように、本実施形態の集積回路20は、要求される処理能力が低くクロック周波数の低減が可能な回路ブロック24のクロック周波数F2が低減され、それにより可能となった分だけ、漏れ電流が低減されるようにしきい値が設定されている。したがって、集積回路20は、所望の機能及び性能を実現しつつ、回路ブロック24のクロック周波数が低減され、漏れ電流が低減されるようにしきい値が設定されているので、クロック周波数及びしきい値が1種類の従来の集積回路と同じ機能及び性能を低消費電力で実現している。
ここで、図1及び図2の回路ブロックについて図面を参照して更に詳細に説明する。
図3は、図1または図2のいずれかの回路ブロック内に存在する回路の典型的な一部分(以下、部分回路と称す)を示すブロック図である。ただし、これは一例であり、回路ブロックの回路構成が図3に限定されるものではない。
図3を参照すると、部分回路は、論理ゲート35A,35B及びフリップフロップ36A,36Bを含んでいる。論理ゲート35A,35B及びフリップフロップ36A,36Bは電源線31及びグランド線32に接続されている。電源線31とグランド線32の間の電位差によって論理ゲート35A,35B及びフリップフロップ36A,36Bに電力が供給されている。電源線31には、図1或いは図2における電源供給部から電圧が印加されている。また、フリップフロップ36A,36Bにはクロック線33でクロック信号が供給されている。なお、論理ゲート35Aと論理ゲート35Bの間に更に他の論理ゲートが存在してもよい。
論理ゲート35A,35Bは、少なくとも1つの入力信号に対して所定の論理演算を行い、その結果を出力する。フリップフロップ36A,36Bは、クロック信号の立上がりまたは立下りの時点で入力信号をラッチし、ラッチしたデータを1クロック周期だけ継続して出力する。
部分回路の動作について説明する。
フリップフロップ36Aは信号S31を入力とし、それをラッチする。論理ゲート35Aはフリップフロップ36Aの出力及び信号S32,S33を入力とし、所定の論理演算を行った後に出力する。論理ゲート35Bは論理ゲート35Aの出力及び信号S34,S35を入力とし、所定の論理演算を行った後に出力する。フリップフロップ36Bは論理ゲート35Bの出力を入力とし、それをラッチする。
図3の部分回路は同期回路なので、正常に動作するためにはフリップフロップ36Aの出力からフリップフロップ36Bの入力までの一連の論理演算が1クロック周期以内に終了する必要がある。したがって、クロック周波数が高ければ論理ゲート35A,35Bやフリップフロップ36A,36Bは高速に動作する必要がある。即ち、論理ゲート35A,35Bやフリップフロップ36A,36Bには、高速なスイッチングが要求される。
このような論理ゲート35A,35Bやフリップフロップ36A,36Bの構成は多様であるが、いずれも複数のトランジスタの組み合わせにより構成される。
図4は、典型的な論理ゲートであるNANDゲートの構成を示す回路図である。このNANDゲートはCMOS構成である。図4を参照すると、NANDゲートは、nチャネルトランジスタTn1,Tn2及びpチャネルトランジスタTp1,Tp2を有しており、信号S41,S42を入力とし、NAND演算結果を信号S43として出力する。
図5は、図4のnチャネルトランジスタの概略の構造を示す図である。図5(a)の記号で示されるnチャネルトランジスタは図5(b)のような構造を有している。図5(b)を参照すると、半導体基板101にソース102及びドレイン103が形成されており、ソース102とドレイン103の上に跨ってゲート絶縁膜105及びゲート104が積層されている。
ドレイン103の電位がソース102の電位より高い状態で、ゲート104の電位を上げるとドレイン103からソース102に向かってドレイン電流と呼ばれる電流が流れる。したがって、ゲート104の電位を制御することにより、nチャネルトランジスタをオンし、またオフすることができる。
図6は、図5のnチャネルトランジスタにおけるゲート電圧とドレイン電流の関係を模式的に示すグラフである。図6(a)及び図6(b)では、共に横軸がゲート電圧であり、縦軸がドレイン電流である。ただし、図6(a)では縦軸のドレイン電流が線形の目盛りで示されているのに対して、図6(b)では対数の目盛りで示されている。
図6(a)を参照すると、ゲート電圧を上げるとドレイン電流が増加する。また、その増加の傾きは、ゲート電圧が上がると、しだいに急峻になることが分かる。図6(a)では、ゲート電圧がしきい値Vthより低いとき、ドレイン電流は流れていないように見えるが、図6(b)を参照すると、微小なドレイン電流が流れていることが分かる。この微小なドレイン電流はサブスレショルド電流と呼ばれる。ゲート電圧がゼロのときのサブスレショルド電流がトランジスタの漏れ電流Ilkとなる。トランジスタの漏れ電流を低減させるためには、このサブスレショルド電流を低減させればよい。
図6(b)を見て分かるように、このサブスレショルド電流は、しきい値Vth以下の範囲のゲート電圧に対して指数関数的に減少する。そして、ゲート電圧を0.1Vだけ変化させると、ドレイン電流はおおよそ1桁変化する。
また、しきい値を上げると、図6(a)及び図6(b)の点線で示したように、ゲート電圧に対するドレイン電流のグラフがゲート電圧の方向にシフトする。したがって、しきい値を上げると、ゲート電圧がゼロのときのサブスレショルド電流、即ち漏れ電流が減少する。
上述したように論理ゲートやフリップフロップは、複数のトランジスタの組み合わせにより構成される。したがって、図4のNANDゲートなどが高速に動作するためには、それを構成するトランジスタが高速にスイッチングする必要がある。
一般に、トランジスタは単位トランジスタ幅当りの相互コンダクタンスが大きい程、高速にスイッチングする。相互コンダクタンスは、トランジスタの出力電流Iを入力電圧Vで除算して求めることができる。ここで入力電圧Vはゲート電圧であり、出力電流Iはドレイン電流である。
負荷容量Cに電荷を充放電するのに要する時間がトランジスタのスイッチングにかかる時間である。トランジスタは相互コンダクタンスが大きい程高速でスイッチングするのは、負荷容量Cの充放電にかかる時間が(C×V)/Iに比例するからである。なお、図5(b)において、トランジスタ幅は紙面に対して垂直方向のトランジスタの長さである。一般に、トランジスタのドレイン電流の大きさはトランジスタ幅に比例する。
図6(a)において、相互コンダクタンスはドレイン電流をゲート電圧で除算することで求められる。例えば、図6(a)のX点では、一点鎖線の傾きが相互コンダクタンスである。
図6(a)を参照すると、しきい値Vthが同じ場合、ゲート電圧を上げれば相互コンダクタンスを大きくでき、ゲート電圧を下げれば相互コンダクタンスを小さくできることが分かる。そして、ゲート電圧を上げるには電源電圧を上げればよい。しかし、トランジスタの動作電力はCV2に比例するので、ゲート電圧を上げると動作電力が増大してしまう。
したがって、集積回路内の複数の回路ブロックのうち、高速動作が必要な回路ブロックについてクロック周波数及び電源電圧を高くし、それ程の高速動作を必要としない回路ブロックについてクロック周波数を低くし、そのクロック周波数に必要なトランジスタの動作速度を確保できる最低限の相互コンダクタンスとなるような電源電圧を用いることにより、低消費電力で所望の機能及び性能を実現することができる。
また、図6(a)を参照すると、ゲート電圧が同じ場合、しきい値Vthを下げれば相互コンダクタンスを大きくでき、しきい値Vthを上げれば相互コンダクタンスを小さくできることが分かる。しかし、しきい値Vthを下げると、漏れ電流Ilkが増大し、待機電力が増大してしまう。
したがって、集積回路内の複数の回路ブロックのうち、高速動作が必要な回路ブロックのしきい値を下げ、それ程の高速動作を必要としない回路ブロックのクロック周波数を下げ、そのクロック周波数に必要なトランジスタの動作速度を確保できる最低限の相互コンダクタンスとなるようなしきい値を用いることにより、低消費電力で所望の機能及び性能を実現することができる。
なお、ここまで図5及び図6を用いてnチャネルトランジスタについて説明したが、電圧の符号、電流の向きを反転させれば、pチャネルトランジスタについても同様に考えることができる。nチャネルトランジスタでは、しきい値を正方向に大きくすると漏れ電流が減少する。これに対して、pチャネルトランジスタでは、しきい値を負方向に大きくすると漏れ電流が減少する。
また、nチャネル型及びpチャネル型の電界効果トランジスタを組み合わせたCMOS構成において、単位トランジスタ幅当りの漏れ電流を削減するために、nチャネルトランジスタのみしきい値を正方向に大きくしてもよい。これにより、nチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFFN2を低減させることができる。
同様に、単位トランジスタ幅当りの漏れ電流を削減するために、pチャネルトランジスタのみしきい値を負方向に大きくしてもよい。これにより、pチャネルトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流IOFFP2を低減させることができる。
集積回路をしきい値の異なる複数種類のトランジスタで構成する場合、同一種類のトランジスタで構成する場合に比べて製造コストが高くなる。CMOS構成の集積回路において、nチャネルトランジスタまたはpチャネルトランジスタのいずれか一方のみにしきい値の異なる2種類のトランジスタを用いることとすれば、製造コストの増加は、それだけ低く抑えられる。
ただし、低消費電力化について最も効果的な、CMOS構成の集積回路は、nチャネルトランジスタのしきい値を正方向に大きくし、pチャネルトランジスタのしきい値を負方向に大きくした回路ブロックを設けたものである。
また、CMOS構成の集積回路においては、スイッチ速度はnチャネルトランジスタ及びpチャネルトランジスタの双方の相互コンダクタンスによって変化する。CMOS構成の集積回路のスイッチングは、nチャネルトランジスタの相互コンダクタンスが大きい程速く、また、pチャネルトランジスタの相互コンダクタンスが大きい程速い。
本発明の更に他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の更に他の実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。上述した図1の集積回路10の特徴と図2の集積回路20の特徴とは排他的でなく、これらを組み合わせることが可能である。本発明の更に他の実施形態として図1の集積回路10の特徴と図2の集積回路20の特徴とを併せ持った集積回路を示す。
図7を参照すると、集積回路70は、回路ブロック15,25、クロック供給部12,22及び電源供給部13,23を有している。
集積回路70は高度に集積化され複数の機能を有している。集積回路70は、nチャネル型及びpチャネル型の電界効果トランジスタを組み合わせたCMOS構成である。
回路ブロック15,25は、集積回路70が有する複数の機能のうち、所定の機能をそれぞれ実現する。ここで、回路ブロック15はシステムの動作上要求される処理能力が回路ブロック25よりも高いものとする。ここで処理能力とは同期回路の動作速度を示し、クロック周波数が高い程、処理能力が高いものとする。
回路ブロック15と回路ブロック25とは、双方向或いは片方向に信号S1を送受信することで、互いに連携して動作する。回路ブロック15はクロック信号C1に同期して動作する。回路ブロック25はクロック信号C2に同期して動作する。
クロック供給部12は、回路ブロック15にクロック信号C1を供給する。クロック信号C1は周波数F1のクロック信号である。クロック供給部22は、回路ブロック25にクロック信号C2を供給する。クロック信号C2は周波数F2のクロック信号である。クロック信号C1の周波数F1はクロック信号C2の周波数F2よりも高い。
電源供給部13は、回路ブロック15に電源P1を供給する。電源P1は電圧V1の電源である。電源供給部23は、回路ブロック25に電源P2を供給する。電源P2は電圧V2の電源である。電源P1の電圧V1は電源P2の電圧V2よりも高い。
回路ブロック15で用いられているトランジスタのしきい値と、回路ブロック25で用いられているトランジスタのしきい値は互いに異なる。本実施形態では集積回路70はCMOS構成なので、nチャネルトランジスタ及びpチャネルトランジスタの少なくとも一方について回路ブロック15と回路ブロック25でしきい値が異なっていればよい。したがって、回路ブロック25の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流は、回路ブロック15の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流より小さい。
以上説明したように、集積回路70は、要求される処理能力が低くクロック周波数の低減が可能な回路ブロック25のクロック周波数が低減され、それにより可能となった分だけ、電源電圧の低減及びしきい値の調整により消費電力を低減されている。
したがって、集積回路70は、所望の機能及び性能を実現しつつ、回路ブロック25の電源電圧及びクロック周波数が低減され、また、漏れ電流が低減されるようにしきい値が設定されているので、電源電圧、クロック周波数及びしきい値がそれぞれ1種類の従来の集積回路と同じ機能及び性能を低消費電力で実現している。
これまで本発明の実施形態として説明した図1、図2及び図7の集積回路は、全て動作電力と待機電力の両方が削減される。しかし、それらは動作電力と待機電力の削減の割合が互いに異なる。
図1の集積回路10では主に動作電力が削減されている。図2の集積回路20は、図1のものに比べて待機電力の削減の割合が高い。また、図7の集積回路70は、図1のものと図2のものの中間的効果が得られる。
集積回路の消費電力に占める動作電力と待機電力の比率は、集積回路の個々の用いられ方により異なる。本発明によれば、その比率によって上述した実施形態から最適なものを選択することができる。動作電力が支配的な場合には図1の実施形態を適用するのが効果的である。待機電力が支配的な場合には図2の実施形態を適用するのが効果的である。その中間の場合には、図7の実施形態を適用することが効果的である。集積回路の使用される状態に応じて、電源電圧としきい値とを最適化することで最大の消費電力低減効果を得ることができる。
本発明の全ての実施形態において、クロック周波数F2の回路ブロックのトランジスタのスイッチ速度がクロック周波数F1の回路ブロックにおけるトランジスタのスイッチ速度の概ねF2/F1倍となるように、電源電圧若しくはしきい値電圧またはこれらの双方を調整することが望ましい。F2/F1倍よりも小さくすると、トランジスタのスイッチ速度が遅すぎて周波数F2に追従できなくなり、また集積回路の性能が低下する。F2/F1倍より大きくすると、トランジスタのスイッチ速度が必要以上に速くなり、消費電力が十分に削減されない。
集積回路の性能を低下させずに消費電力を最大限に低減させるようにスイッチ速度を調整したときの電源電圧やしきい値電圧は、上述したような本発明の技術思想に基づき、実際に使用するトランジスタの定量モデルを用いた回路シミュレーションを行うことで決定できる。
なお、以上では集積回路上の2個の回路ブロックに着目して説明したが、本発明は複数の回路ブロックを有する集積回路に効果的に適用することができる。複数の回路ブロックを有する集積回路から2個の回路ブロックを選び、本発明を適用することができる。また、本発明によれば、複数の回路ブロックを有する集積回路の全ての回路ブロックに対して最適な調整を行うこともできる。
また、集積回路の回路ブロック間の信号は、単に回路ブロック間を直接接続した配線で伝送されるものであってもよく、或いは電源電圧の違いや信号の減衰によるレベル差を補正する回路を介して伝送されてもよい。また、回路ブロック間で伝送すべき信号がない場合には、回路ブロック間の接続は不要である。
また、集積回路は、外部電源回路から回路ブロックに電源を供給される構成であってもよい。その場合、集積回路に電源供給部は不要であり、外部端子と回路ブロックを接続する配線があればよい。また、集積回路は、外部電源回路からの電源の電圧を内部で使用する電圧に変換する回路を含んでもよい。
また、集積回路は、外部のクロック供給回路からのクロック信号で回路ブロックが動作する構成であってもよい。その場合、集積回路にクロック供給部は不要であり、外部端子と回路ブロックを接続する配線があればよい。また、集積回路のクロック供給部は、外部からのクロック信号を増幅して回路ブロックに供給するものであってもよい。また、更に、クロック供給部は、外部からのクロック信号から、任意かつ所望の周波数のクロック信号を生成する回路を含んでいてもよい。
また、トランジスタのしきい値は、トランジスタ内部の不純物濃度、ゲート絶縁膜厚などを適宜変更することにより調整することができる。また、しきい値は、トランジスタの基板効果を利用し、基板電圧を適宜変更することによっても調整することができる。なお、トランジスタの基板効果とは、基板に電圧をかけると、トランジスタのしきい値が変化する現象のことである。
また、クロック周波数、電源電圧及びしきい値電圧を集積回路の状態に応じて動的に調整する機能を集積回路の内部或いは外部に設けてもよい。電源電圧の調整やクロック周波数の調整は一般的な回路で実現可能である。しきい値の調整は、上述した基板電圧を動的に変更することにより調整することができる。動的調整機能は、集積回路の状態あるいは時刻において最適なクロック周波数、電源電圧及びしきい値電圧の組み合わせとなるように調整する。
また、ここまで主としてCMOS構成の集積回路を例として説明したが、NMOS構成など他の方式の集積回路においても、所要処理能力が低い回路ブロックのクロック周波数と処理能力を下げることで消費電力を低減するという本発明の技術思想がそのまま適用し得ることは、本技術分野に精通した当業者には明らかである。
次に、本発明の具体的な実施例について消費電力の低減効果を算出する。
図8は、本発明の実施例のCMOS集積回路の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、CMOS集積回路80は、主演算部81、入出力インタフェース部82、クロック供給部83,84及び電源供給部85,86を有している。CMOS集積回路80の各回路ブロックのクロック信号は必要最低限の周波数とされている。また、各回路ブロックの電源電圧及びトランジスタのしきい値は、そのクロック周波数で動作するために必要な最低限のスイッチ速度を確保するように調整されている。
主演算部81は、集積回路の主要な機能を有し、高速動作が必要な回路ブロックである。主演算部81に必要なクロック周波数は500MHzである。また、主演算部81のnチャネルトランジスタのしきい値は0.3Vである。また、pチャネルトランジスタのしきい値は−0.3Vである。
入出力インタフェース部82は、外部と信号の送受信を行う回路ブロックであり、主演算部81に比べて低速動作でよい。入出力インタフェース部82に必要なクロック周波数は200MHzである。入出力インタフェース部82のnチャネルトランジスタのしきい値は0.5Vである。また、pチャネルトランジスタのしきい値は−0.5Vである。
クロック供給部83は、主演算部81に500MHzのクロック信号を供給する。クロック供給部84は、入出力インタフェース部82に200MHzのクロック信号を供給する。
電源供給部85は、主演算部81に2.5Vの電源を供給する。電源供給部86は、入出力インタフェース部82に1.5Vの電源を供給する。
ここで、本実施例のCMOS集積回路80と比較するために従来例のCMOS集積回路を想定する。従来例のCMOS集積回路は、本実施例のCMOS集積回路80と同様に主演算部及び入出力インタフェース部を有している。ただし、従来のCMOS集積回路は、主演算部及び入出力インタフェース部は共に、500MHzのクロック信号で動作し、電源電圧が2.5Vであり、nチャネルトランジスタのしきい値は0.3Vであり、pチャネルトランジスタのしきい値は−0.3Vである。
CMOS集積回路の動作電力はクロック周波数に比例して変化し、また電源電圧の2乗に比例して変化する。したがって、本実施例のCMOS集積回路80においてブロック82の動作電力は、従来例のCMOS集積回路に比べて、(200MHz/500MHz)×(1.5V/2.5V)2=0.14倍に低減されている。
また、CMOS集積回路の待機電力は、トランジスタのしきい値を0.1V変化させるとほぼ1/10になる。したがって、本実施例のCMOS集積回路80においてブロック82の待機電力は、従来例のCMOS集積回路の比べて、ほぼ1/100に低減されている。
本発明の一実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。 図1または図2のいずれかの回路ブロック内に存在する回路の典型的な一部分を示すブロック図である。 典型的な論理ゲートであるNANDゲートの構成を示す回路図である。 図4のnチャネルトランジスタの概略の構造を示す図である。 図5のnチャネルトランジスタにおけるゲート電圧とドレイン電流の関係を模式的に示すグラフである。 本発明の更に他の実施形態の集積回路の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例のCMOS集積回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10、20、70、80 集積回路
11、21、14、24、15、25 回路ブロック
12、22、83、84 クロック供給部
13、23、85、86 電源供給部
31 電源線
32 グランド線
33 クロック線
35A,35B 論理ゲート
36A,36B フリップフロップ
81 主演算部
82 入出力インタフェース部
101 半導体基板
102 ソース
103 ドレイン
104 ゲート
105 ゲート絶縁膜
C1、C2 クロック信号
P1、P2、P3 電源
S1、S31、S32、S33、S34、S35、S36、S41、S42、S43 信号
Tn1、Tn2 nチャネルトランジスタ
Tp1、Tp2 pチャネルトランジスタ

Claims (10)

  1. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で内部のトランジスタの単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が前記第1の回路ブロックより低い第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  2. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で、単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が前記第1の回路ブロックより低くなるように内部のトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  3. CMOS構成の半導体集積回路であって、
    所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロックより低い周波数の第2のクロックに同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより小さい第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  4. CMOS構成の半導体集積回路であって、
    所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロックに同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の単位トランジスタ幅当りの漏れ電流が、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより小さくなるように、そのトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  5. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、内部のトランジスタの相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低い第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  6. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、内部のトランジスタの相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるような電圧の電源により動作する第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  7. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期し、相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるように内部のトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  8. CMOS構成の半導体集積回路であって、
    所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタのうち少なくとも一方の相互コンダクタンスが、スイッチ速度が許容される範囲内で、前記第1の回路ブロックより低くなるように、そのトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  9. 所定の周波数の第1のクロック信号に同期して動作する第1の回路ブロックと、
    前記第1のクロック信号より低い周波数の第2のクロック信号に同期して動作し、スイッチ速度が許容される範囲内で動作電力と待機電力の和が最小となるように電源電圧とトランジスタのしきい値が設定された第2の回路ブロックを有する半導体集積回路。
  10. 前記第2の回路ブロックのトランジスタのスイッチ速度と前記第1の回路ブロックのトランジスタのスイッチ速度との比が、前記第1のクロック信号の周波数と前記第2のクロック信号の周波数との比に等しい、請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
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