JP2007248430A - センサユニット及び全反射プリズム - Google Patents

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勝明 村石
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Abstract

【課題】安定して持つことができるセンサユニット及び全反射プリズムを提供する。
【解決手段】センサユニット10は、透明な誘電体である全反射プリズム20と、この全反射プリズム20の上に取り付けられる流路部材30とで構成されている。全反射プリズム20は、長尺な台形柱状に形成されたプリズム本体21と、このプリズム本体21の一端に設けられた把持部22と、プリズム本体21の他端に設けられた突出部23とからなる。把持部22の両側面には、溝22aが形成されており、上方から見た際に略T字状をなすようにされている。これらの溝22aに指などを掛けるようにして把持部22を摘むことにより、全反射プリズム20、及びこれを用いたセンサユニット10を安定して持つことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、上面に試料の反応を測定するためのセンサ面が設けられた光学ブロックを有するセンサユニット、及び入射した光を全反射させる全反射面が形成されたプリズム本体を有する全反射プリズムに関する。
タンパク質やDNAなどの生化学物質間における相互作用の測定や、薬品のスクリーニングなどを行う際に、全反射減衰を利用して試料の反応を測定する測定装置が知られている。
このような全反射減衰を利用した測定装置の1つに、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)現象を利用した測定装置(以下、SPR測定装置と称す)がある。なお、表面プラズモンとは、金属中の自由電子が集団的に振動することによって生じ、その金属の表面に沿って進む自由電子の粗密波である。
例えば、特許文献1などで知られるKretschmann配置を採用したSPR測定装置では、透明な誘電体(以下、プリズムと称す)上に形成された金属膜の表面をセンサ面として、このセンサ面上で試料を反応させた後、プリズムを介してセンサ面の裏面側から全反射条件を満たすように金属膜を照射し、その反射光を測定している。
全反射条件を満たすように金属膜に照射された光のうち、エバネッセント波と呼ばれるわずかな光は、反射せずに金属膜内を透過してセンサ面側に染み出す。この際、エバネッセント波の振動数と表面プラズモンの振動数とが一致するとSPRが発生し、反射光の強度を大きく減衰させる。また、この減衰が発生する光の入射角度(共鳴角)は、金属膜上の屈折率に応じて変化する。すなわち、SPR測定装置は、金属膜からの反射光を捉えて共鳴角を検出することにより、センサ面上の試料の反応状況を測定するものである。
ところで、タンパク質やDNAなどの生体試料は、乾燥による変性や失活を防ぐため、生理的食塩水や純水、または各種のバッファ液などの溶媒に溶かされた試料溶液として扱われることが多い。特許文献1記載のSPR測定装置は、こうした生体試料の相互作用などを調べるものであり、センサ面の上には試料溶液を送液するための流路が設けられている。また、センサ面にはリガンドとなる試料を固定させるためのリンカー膜が設けられており、流路にリガンド溶液を注入してリンカー膜にリガンドを固定(固定工程)させた後、アナライト溶液を注入してリガンドとアナライトとを接触(測定工程)させることにより、その相互作用を測定する。
流路とプリズムは、装置本体に設けられた測定ステージに配置されている。前述の測定は、ガラス基板上に金属膜を形成したチップ型のセンサユニットを測定ステージにセットすることで行われる。流路には、配管(ゴムチューブなどを含む)やバルブなどを介してポンプが接続されており、このポンプによって容器に保管された試料溶液を流路内に送り込むようにしているが、この方法では、配管内に付着した試料が後に注入する試料溶液中に混入してしまう、いわゆるコンタミネーションが生じやすいという問題があった。
この問題を解決するため、本出願人は、先端に小孔が形成された略円錐筒状のピペットチップと、このピペットチップを着脱自在に保持するヘッド部とからなるピペットを用いて、容器に保管された試料溶液などの液体を流路に送液するSPR測定装置を提案している(例えば、特願2005−147153号明細書参照)。このようなピペット式のSPR測定装置では、送液する液体毎にピペットチップを交換することで、流路に液体を送り込む際に生じるコンタミネーションを防止することができる。
また、ピペット式のSPR測定装置では、流路が形成された流路部材と、上面に金属膜が形成されたプリズムと、流路部材の底面とプリズムの上面とを接合させた状態(流路と金属膜とを対面させた状態)で保持する保持部材とからなるセンサユニットを用いている。このセンサユニットの金属膜上にも、前述と同様のリンカー膜が設けられており、リガンド溶液やアナライト溶液などの試料溶液をピペットで流路内に送り込むことによって測定が行われる。
特許第3294605号公報
リンカー膜は、プリズムを振盪インキュベータにセットし、所定の液体に浸漬させた状態で振盪インキュベートすることにより、金属膜上に製膜される。プリズムの振盪インキュベータへのセット、及び取り出しは、オペレータのハンドリングによって行われる。この際、検出光が入射及び出射する側面や、リンカー膜などが形成される上面は、持つことができない。このため、プリズムをハンドリングする際には、両端部をわずかに摘むようにして把持するしかなく、安定性が悪いという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、安定して持つことができるセンサユニット、及び全反射プリズムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、上面に試料の反応を測定するためのセンサ面が設けられた光学ブロックを備え、前記センサ面に向けて照射された光の反射光を受光し、その反射光に基づいて前記試料の反応を測定する測定装置に用いられる本発明のセンサユニットは、側面に溝又は突起が形成された略柱状の把持部を、前記光学ブロックの側端に設けたことを特徴とする。
なお、前記把持部は、前記光学ブロックの一側端にのみ設けられていることが好ましい。
また、前記把持部は、対向する2側面のそれぞれに前記溝が形成された略四角柱状をなしていることが好ましい。
さらに、前記光学ブロックは、前記上面を全反射面とする全反射プリズムであることが好ましい。この際、前記センサ面は、前記光学ブロックに全反射条件を満たす光が照射された際に、その反射光の光強度を減衰させる薄膜層を有し、前記測定装置は、前記センサ面に向けて全反射条件を満たす光を照射する光源と、前記センサ面からの反射光を受光して電気信号に光電変換する検出器とを有する全反射減衰を利用した測定装置とすることが好適である。
なお、本発明の全反射プリズムは、入射した光を全反射させる全反射面が形成された略角柱状又は略半円柱状のプリズム本体を有し、側面に溝又は突起が形成された略柱状の把持部を、前記プリズム本体の側端に設けたことを特徴とする。
本発明では、側面に溝又は突起が形成された略柱状の把持部を設けたので、溝又は突起に手指を掛けながら把持することで、センサユニット及び全反射プリズムを安定して持つことができる。
図1は、SPRを利用した測定に用いられるセンサユニット10の分解斜視図である。センサユニット10は、透明な誘電体である全反射プリズム(光学ブロック)20と、この全反射プリズム20の上に取り付けられる流路部材30とで構成される。流路部材30は、図中奥側に位置する第1流路31と、図中手前側に位置する第2流路32との2種類の流路を有している。詳細は後述するが、センサユニット10を用いて測定を行う際には、これら2つの流路31、32を1組として、1つの試料の測定が行われる。流路部材30には、各流路31、32が、それぞれ長手方向に6つずつ設けられており、1つのセンサユニット10で6つの試料を測定できるようにしている。なお、各流路31、32の数は、6つに限ることなく、5つ以下でもよいし7つ以上でもよい。
全反射プリズム20は、長尺な台形柱状に形成されたプリズム本体21と、このプリズム本体21の一端に設けられた把持部22と、プリズム本体21の他端に設けられた突出部23とからなる。この全反射プリズム20は、例えば、押し出し法などによって型成形されるものであり、プリズム本体21、把持部22、突出部23の各部は、一体に成形されている。なお、全反射プリズム20としては、例えば、ホウケイクラウン(BK7)やバリウムクラウン(Bak4)などに代表される光学ガラスや、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネイト(PC)、非晶性ポリオレフィン(APO)などに代表される光学プラスチックなどを用いることができる。
プリズム本体21は、下底よりも上底の方が長い略台形の縦断面を有しており、底面側から照射された光を上面21aに集光する。プリズム本体21の上面21aには、SPRを励起するための金属膜(薄膜層)25が設けられている。金属膜25は、流路部材30の各流路31、32と対面するように、長方形状をなしており、例えば、蒸着法などによって成形される。この金属膜25としては、例えば、金や銀などが使用され、その膜厚は、例えば、50nmである。なお、金属膜25の膜厚は、金属膜25の素材や測定時に照射される光の波長などに応じて適宜選択される。
金属膜25の上には、リンカー膜26が設けられている。リンカー膜26は、リガンドを固定させるための結合基を有するものであり、このリンカー膜26を介して金属膜25上にリガンドが固定される。リンカー膜26としては、例えば、アガロース、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、デンプン、セルロースなどのヒドロゲル、及びこれらの誘導体、さらには、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールなどが用いられる。なお、これらの種類は、固定するリガンドの種類などに応じて適宜選択される。
例えば、リンカー膜26としてカルボキシメチルデキストランなどのデキストラン誘導体を用いる場合、リンカー膜26は、水やエタノールなどによる洗浄とエピクロロヒドリン溶液などによる表面処理とを金属膜25に施した後、全反射プリズム20を振盪インキュベータにセットし、デキストラン水溶液に水酸化ナトリウムを添加した溶液を金属膜25に接触させた状態で振盪インキュベート(例えば、25℃で20時間)することにより製膜される。なお、デキストランを処理した後、さらに洗浄とブロモ酢酸処理とを行うようにしてもよい。また、図1では、便宜上リンカー膜26のサイズを金属膜25よりも僅かに小さくしているが、実際には、上記の方法によって金属膜25の表面全域にリンカー膜26が形成される。
プリズム本体21の長手方向の両側面には、流路部材30を保持するための複数の係合爪27が設けられている。また、この両側面の底部には、段差状に突出して形成された係合部28が設けられている。係合部28は、プリズム本体21の上面21aと略平行に形成された係合面28aを有している。この係合部28は、センサユニット10を測定装置に保持する際に用いられる。
プリズム本体21と一体に成形された把持部22は、プリズム本体21と同様に略台形柱状の外形を有している。把持部22の両側面には、溝22aが形成されており、上方から見た際に略T字状をなすようにされている。この把持部22は、全反射プリズム20、及びセンサユニット10を把持する際のツマミである。検出光の入射、及び出射が行われるセンサユニット10の長手方向の両側面を把持すると、塵埃などの付着による測定誤差が懸念される。また、各流路31、32の注入口などが形成されたセンサユニット10の上面を把持すると、各流路31、32内に塵埃などが侵入してしまうことが懸念される。このため、センサユニット10は、プリズム本体21の端部に形成された把持部22と突出部23とを摘むようにして把持される。
プリズム本体21の一端面から略四角柱状に突出した突出部23は、センサユニット10を把持する際のツマミになるとともに、センサユニット10を専用のホルダ(図示は省略)に収納する際の固定具となる。突出部23は、センサユニット10をホルダに収納する際に、ホルダに形成されたスリットに入り込んで、センサユニット10をホルダ内の所定の位置に納める。
流路部材30は、各流路31、32が設けられた略直方体状の本体部33と、この本体部33の長手方向の両側面から下方に向けて突出した略板状の取付部34とを有している。本体部33の上面には、各流路31、32に液体を注入する注入口31a、32aと、注入された液体を排出する排出口31b、32bとが形成されている。各流路31、32は、略コの字型に屈曲した送液管であり、全反射プリズム20に取り付けられた際に、各注入口31a、32aから注入された液体を、リンカー膜26に接触させながら送液し、各排出口31b、32bから排出する。
各流路31、32は、流路部材30の長手方向の中心線を挟むように2列で配置されている。また、各流路31、32は、流路部材30の長手方向と略平行に形成されるとともに、側方から見た際に一部が重なり合うように流路部材30の長手方向に僅かにずらして形成されている。なお、各流路31、32の管径は、例えば、1mm程度である。また、注入口31aと排出口31b、及び注入口32aと排出口32bとの間隔は、例えば、10mm程度である。
各取付部34には、全反射プリズム20の各係合爪27に対応して形成された複数の係合孔35が設けられている。流路部材30は、各係合爪27と各係合孔35との係合によって、本体部33の底面を全反射プリズム20の上面に当接させた状態で保持される。これにより、各流路31、32の開放された底部が、全反射プリズム20の上面によって塞がれる。また、各係合爪27と各係合孔34とは、各流路31、32の両端に位置するように、それぞれ長手方向に7つずつ設けられており、各流路31、32のそれぞれの密着状態に差が生じないようにしている。
リガンドを溶媒に溶かしたリガンド溶液を各流路31、32に送液すると、各流路31、32と対面するリンカー膜26の表面部分にのみリガンドが固定される。すなわち、この表面部分が、リガンドとアナライトとの反応が生じるセンサ面となる。以下、各第1流路31と対面するリンカー膜26の表面部分を第1センサ面SS1、各第2流路32と対面するリンカー膜26の表面部分を第2センサ面SS2と称す。
また、各取付部34には、プリズム本体21の側面を露呈させるための開口36が設けられている。開口36は、各流路31、32のそれぞれに対応して複数(本例では12個)設けられており、これらの各開口36を介して各センサ面SS1、SS2に光が入射される。また、各センサ面SS1、SS2に対応する部分で全反射した光も、同様に各開口36から出射される。
流路部材30も、全反射プリズム20と同様に押し出し法などによって型成形されるものであり、本体部33や各取付部34などの各部は一体に成形されている。この流路部材30としては、例えば、ポリプロピレンなどの晶質ポリオレフィンが用いられる。なお、各流路31、32の水密性を高めるため、少なくとも各流路31、32の底部の開口周縁には、流路部材30が全反射プリズム20に取り付けられた際に、本体部33の底面とプリズム本体21の上面21aとの間で押し潰される軟質な部材を設けておくことが好ましい。また、接着などによって軟質な部材を取り付けると、接着剤が異物として各流路31、32内に入り込んでしまうことが懸念される。このため、軟質な部材を設ける際には、例えば、二色成形法などによって、略一体に成形することが好ましい。さらに、この軟質な部材としては、試料の非特異的な吸着を防止するため、例えば、非晶質ポリオレフィンエラストマーなどの非特異吸着の少ない材料を用いることが好適である。
ところで、型成形される全反射プリズム20は、各センサ面SS1、SS2が形成される上面と、測定装置に載置するための底面とを平滑な面とするため、型から上方向に引き抜く構成となっている。このため、検出光の入射及び出射用として成形されるプリズム本体21の長手方向の両側面を除く全反射プリズム20の各側面には、例えば、2〜3°程度の型抜き用の抜き勾配が設けられている。
全反射プリズム20は、型成形された後、規定寸法を満たしているか否かの検査を受ける。この際、各側面が傾斜していると、計測機器を合わせるのが難しくなり、寸法検査を困難なものとしてしまう。特に、長手方向の寸法を測定する際には、この問題が顕著に表れる。このため、図2(a)に示すように、プリズム本体21の短手方向の側面のうち、把持部22が設けられた側には、抜き勾配を有する抜きテーパ面29の上端に、上面21aに対して垂直かつ長手方向と直交する基準平面29aが形成されている。
これにより、計測機器が合わせ易くなるので、この基準平面29aを寸法基準として検査を行うことで、全反射プリズム20の長手方向の寸法を、容易かつ正確に測定することができる。なお、抜き勾配をなくしてしまうと、割れや変形が生じやすくなるなど、成形性の低下が懸念されるが、各側面の一部にのみ基準平面29aを形成することで、こうした成形性の低下も抑えることができる。
また、図2(a)に示すように、流路部材30の各取付部34の内側には、略直方体状に形成されたリブ37が設けられている。各リブ37は、図2(b)に示すように、各係合爪27と各係合孔35とが係合して流路部材30が全反射プリズム20に取り付けられた際に、基準平面29aと接触して流路部材30の長手方向の位置を決める。
なお、センサユニット10の全反射プリズム20や流路部材30などに、例えば、非接触式のICメモリであるRFID(Radio Frequency IDentification)タグなどを取り付けるようにしてもよい。例えば、読み込み専用のRFIDタグにセンサユニット10毎の固有のID番号を書き込んでおけば、各工程を行う前にこのID番号を読み込むことで、センサユニット10の識別を行うことができる。これにより、複数のセンサユニット10に対して同時に固定や測定を行う場合にも、間違ったアナライトの注入や、測定結果の取り違えなどといった問題の発生を防止することができる。さらには、読み書き可能なRFIDタグを用いて、例えば、固定したリガンドの種類やリガンドを固定させた日時、及び反応させたアナライトの種類などを、各工程毎に書き込んでいくようにしてもよい。
図3は、全反射減衰を利用した測定装置としてのSPR測定装置50の構成を概略的に示す説明図である。SPR測定装置50は、センサユニット10を載置する載置面52aが形成された測定ステージ52と、この測定ステージ52に載置されたセンサユニット10に全反射条件を満たす光を照射する照明(光源)54と、センサユニット10によって全反射した光を受光して電気信号に光電変換し、その電気信号(以下、SPR信号と称す)を測定結果として出力する検出器56と、センサユニット10に種々の液体を送液する送液ヘッド58とから構成されている。また、これらの各部は、図示を省略したコントローラによって統括的に制御される。
図3に示すように、各流路31、32は、流路部材30の底面に形成された溝部31c、32cと、この溝部31c、32cの一端から流路部材30の上面に貫通して注入口31a、32aを形成する第1管部31d、32dと、溝部31c、32cの他端から流路部材30の上面に貫通して排出口31b、32bを形成する第2管部31e、32eとで構成されている。
各流路31、32の溝部31c、32cは、流路部材30が全反射プリズム20の上に取り付けられた際に、プリズム本体21の上面21aによって覆われ、密閉される。これにより、前述のように、各流路31、32に注入された液体が、リンカー膜26に接触しながら送液されるようになる。また、各溝部31c、32cは、プリズム本体21の上面21aの中心線CL上を一部が通るように、略S字状に屈曲している。
照明54は、全反射条件を満たす様々な入射角の光を各センサ面SS1、SS2のそれぞれに同時に照射できるように構成されている。また、照明54は、全反射プリズム20に入射して上面21aに集光された光が、各センサ面SS1、SS2の中心線CL上を通る部分に照射されるように、その配置位置および設置角度が調整されている。
各センサ面SS1、SS2では、各流路31、32に試料溶液を送液することにより、リンカー膜26にリガンドが固定されたり、リガンドとアナライトとが反応するなどして、表面の屈折率に変化が生じる。SPR測定装置50は、照明54の光を各センサ面SS1、SS2の中心線CL上を通る部分に集光させ、その反射光を検出器56で受光することにより、前記屈折率の変化を調べる。以下、照明54の照射光が第1センサ面SS1に集光された部位を第1測定点mp1、照明54の照射光が第2センサ面SS2に集光された部位を第2測定点mp2と称す。
照明54は、例えば、集光レンズ、拡散板、偏光板などからなる光学系と、光源(いずれも図示は省略)とからなる。照明54の光源としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、SLD(Super Luminescent Diode)などの発光素子が使用される。照明54は、こうした発光素子を2個使用するか、あるいは単一光源の光をプリズムなどによって分光することにより、各測定点mp1、mp2を照射する。
拡散板は、光源からの光を拡散させ、発光面内の光量ムラを抑える。偏光板は、照射光のうち、SPRを生じさせるp偏光のみを通過させる。なお、LDを使用する場合など、光源が発する光線自体の偏光の向きが揃っている場合には、偏光板は不要である。また、偏光が揃っている光源を使用した場合でも、拡散板を通過することにより、偏光の向きが不揃いになってしまう場合には、偏光板を使用して偏光の向きを揃える。こうして拡散および偏光された光は、集光レンズによって集光されて全反射プリズム20に照射される。これにより、光強度にバラツキがなく様々な入射角を持つ光が、各測定点mp1、mp2に入射される。
検出器56には、例えば、CCDエリアセンサやフォトダイオードアレイなどが使用される。プリズム本体21の長手方向の一方の側面から入射した光は、プリズム本体21内を透過して内側からプリズム本体21の上面21a(金属膜25の裏面)に集光され、上面21aで全反射して他方の側面に抜ける。プリズム本体21には、様々な角度の光が入射するので、プリズム本体21の上面21aでは、それらの入射光が、それぞれの入射角に応じた反射角で反射する。検出器56は、これらの様々な角度の反射光を受光して光電変換し、光強度に応じたレベルのSPR信号を出力する。また、検出器56は、第1測定点mp1からの反射光と、第2測定点mp2からの反射光とを受光し、それぞれのSPR信号を出力する。すなわち、照明54と検出器56とは、2チャンネルの計測を行うことができるように構成されている。
検出器56として、CCDエリアセンサを用いた場合には、各チャンネルの反射光を同時に受光することによって得られた信号を画像処理することにより、第1測定点mp1に対応したSPR信号と第2測定点mp2に対応したSPR信号とを認識することができる。しかし、こうした画像処理による方法が難しい場合には、第1測定点mp1と第2測定点mp2とに対して光を入射させるタイミングを微小時間ずらして、各チャンネルの信号を受光するようにしてもよい。入射タイミングをずらす方法としては、例えば、配置角度が180度ずれた位置に2つの孔が形成された円板を照明54の光路上に配置し、この円板を回転させる。各孔は、中心からの距離が各測定点mp1、mp2の間隔だけ異なる位置に配置されており、一方の孔が光路内に進入したときには、第1測定点mp1に光線を入射させ、他方の孔が光路内に進入したときには、第2測定点mp2に光線を入射させる。これにより、各チャンネルへの入射タイミングがずらされる。なお、本例では、1つの検出器56で各測定点mp1、mp2からの反射光を受光するようにしているが、各測定点mp1、mp2毎に検出器を分けるようにしてもよい。
図3では省略しているが、SPR測定装置50は、上述のような照明54と検出器56とを6個ずつ有しており、センサユニット10に含まれる6組の各センサ面SS1、SS2の測定を同時に行う。なお、上述のような照明54と検出器56とに限ることなく、例えば、単一光源の光を12本に分光することによって、各センサ面SS1、SS2を同時に測定するようにしてもよい。また、1組の照明54と検出器56とを設け、センサユニット10を長手方向に搬送して各センサ面SS1、SS2を測定光路内に順次進入させていくことにより、1組のセンサ面SS1、SS2毎に測定を行うようにしてもよい。
送液ヘッド58には、第1流路31の注入口31a、排出口31bのそれぞれにアクセスするピペット70a、70b、及び第2流路32の注入口32a、排出口32bのそれぞれにアクセスするピペット71a、71bの2組のピペットが設けられている。各ピペット70a、70b、71a、71bのそれぞれには、例えば、シリンジポンプが接続されており、各シリンジポンプの駆動に応じて液体の吸引と吐出とが制御される。また、照明54、検出器56と同様に、各ピペット70a、70b、71a、71bも、実際には各流路31、32のそれぞれに応じた数が設けられている。
送液ヘッド58には、ヘッド移動機構74が接続されている。ヘッド移動機構74は、例えば、搬送ベルト、プーリ、キャリッジ、モータなどから構成される周知の移動機構であり、図示を省略したコントローラの制御の下、送液ヘッド58を前後左右上下の3方向に移動させる。
送液ヘッド58の各ピペット70a、70b、71a、71bは、先端に小孔が形成された略円錐筒状をなしている。また、各ピペット70a、70b、71a、71bの先端部は、交換可能なチップ状(以下、「ピペットチップ」と称す)にされている。ピペットチップは、送液する液体と直接接触するので、各ピペット70a、70b、71a、71bを介して異種の液体の混液が生じないように、送液する毎に交換される。SPR測定装置50には、複数のピペットチップを保管するピペットチップ保管部(図示は省略)が設置されている。ピペットチップの交換は、ヘッド移動機構74を駆動して送液ヘッド58をピペットチップ保管部にアクセスさせることによって行われる。
また、SPR測定装置50には、各流路31、32へ注入する種々の液体(リガンド溶液、アナライト溶液、洗浄液、バッファ液など)を保管する液保管部(図示は省略)が設置されている。ヘッド移動機構74は、送液ヘッド58を移動させて、液保管部や測定ステージ52にセットされたセンサユニット10などにアクセスさせる。
送液ヘッド58で各流路31、32に液体を送液する際には、まず、ヘッド移動機構74を駆動して送液ヘッド58を液保管部にアクセスさせ、各注入口31a、32aに挿し込まれるピペット70a、71aに送液する液体を吸引させる。次に、ヘッド移動機構74を駆動して送液ヘッド58をセンサユニット10にアクセスさせ、各ピペット70a、70b、71a、71bを、それぞれ各注入口31a、32a、及び各各排出口31b、32bに挿し込む。送液ヘッド58は、この状態でピペット70a、71aから吸引した液体を吐出するとともに、他方のピペット70b、71bから各流路31、32内の流体(空気や予め注入されていた液体など)を吸引することにより、各流路31、32内の流体を入れ換えるようにして送液を行う。
また、図4に示すように、SPR測定装置50には、測定ステージ52に載置されたセンサユニット10を挟むように対向して設けられた一対の押さえ部材61と、測定ステージ52に載置されたセンサユニット10を載置面52aに押し付けて保持する保持位置(図中実線で示す位置)と、保持を解除する解除位置(図中二点鎖線で示す位置)との間で各押さえ部材61を移動させる押さえ部材移動機構62とからなる保持部(保持手段)60が設けられている。
各押さえ部材61には、係合爪61aが形成されている。各押さえ部材61は、保持位置に移動した際に、係合爪61aと係合面28aとを係合させて、プリズム本体21を載置面52aに押さえ付ける。押さえ部材移動機構62は、ギアやモータなどからなる周知の機構であり、コントローラからの指示に基づいて、各押さえ部材61を保持位置と解除位置との間で移動させる。コントローラは、照明54の検出光が各測定点mp1、mp2に入射する測定ステージ52上の測定位置(図3に示す位置)にセンサユニット10が載置された際に、押さえ部材移動機構62を駆動して各押さえ部材61を保持位置に移動させ、センサユニット10を保持する。なお、押さえ部材移動機構62は、上記に限ることなく、例えば、レバーなどの手動操作に連動して、各押さえ部材61を移動させるものであってもよい。
SPR測定装置50による測定は、リンカー膜26にリガンドを固定させる固定工程と、固定したリガンドとアナライトとを反応させてSPR信号を取得する測定工程と、取得したSPR信号を基に各試料の物性を解析する解析工程との順に行われる。
固定工程では、送液ヘッド58によって第1流路31にリガンド溶液が注入される。注入されたリガンド溶液は、第1流路31内に溜められた状態(第1センサ面SS1と接触した状態)で保持され、リガンドの固定化が完了した後に排出される。リガンドの固定化には、通常、約1時間程度かかる。センサユニット10は、この間、温度などの環境条件が一定に保たれた状態で静置される。これにより、リガンド溶液中に溶解したリガンドが、第1センサ面SS1に固定される。
なお、リガンドの固定化が進行している間、第1流路31内のリガンド溶液を静置しておいてもよいが、各ピペット70a、70bの吸引と吐出とを交互に駆動し、第1流路31内のリガンド溶液を攪拌して流動させるようにしてもよい。こうすることで、リガンドとリンカー膜26との結合が促進され、リガンドの固定量を増加させることができる。また、第1流路31にリガンド溶液を注入する前に、第1流路31内の洗浄やリンカー膜26の活性化処理などを行うようにしてもよい。
測定工程では、照明54と検出器56とによるSPR信号の読み取りが開始された状態で、各流路31、32の双方にアナライト溶液が注入される。前述のように、照明54は、第1測定点mp1と第2測定点mp2とのそれぞれに検出光を入射させ、検出器56は、第1測定点mp1からの反射光によるSPR信号と、第2測定点mp2からの反射光によるSPR信号とを同時に取得する。固定工程においては、第1センサ面SS1にのみリガンドを固定したので、第1測定点mp1からは、リガンドとアナライトとの反応状況を示すSPR信号(以下、測定信号と称す)が取得される。一方、リガンドが固定されていない第2センサ面SS2に対応した第2測定点mp2からは、アナライトだけを送液した際のSPR信号(以下、参照信号と称す)が取得される。
また、測定工程では、アナライト溶液の前後に測定用バッファ液が各流路31、32に送液される。照明54と検出器56とによるSPR信号の読み取りは、最初の測定用バッファ液が送液される前から開始され、最後の測定用バッファ液の送液が完了するまで行われる。これにより、基準レベルの検出から、リガンドとアナライトとの結合反応、及びリガンドに結合したアナライトの脱離に至るまでの各SPR信号が取得される。なお、各試料溶液の溶媒(希釈液)や測定用バッファ液としては、各種のバッファ液(緩衝液)の他に、例えば、生理的食塩水に代表される生理的塩類溶液や純水などを用いることができる。また、アナライトを溶けやすくするため、生理的食塩水にDMSO(ジメチル−スルホ−オキシド)を添加するようにしてもよい。
解析工程は、例えば、図示を省略したコントローラで行われる。解析工程では、まず、測定信号と参照信号との差分演算(あるいは、比例演算)が行われる。参照信号は、すなわち基準レベルの変化を示すものであり、同時に取得した2つの信号の差分を取ることで、センサユニット10の個体差や液体の温度変化などといった、外乱に起因するノイズをキャンセルすることができる。コントローラは、こうした補正を行った後、補正後の信号の共鳴角の変化状況などを調べることにより、各試料の物性などを解析する。このように、SPR測定装置50は、各センサ面SS1、SS2上の屈折率の変化をSPRの共鳴角の変化として照明54と検出器56とで捉えることにより、リガンドとアナライトとの反応状況を測定する。
次に、図5に示すフローチャートを参照しながら、上記構成によるセンサユニット10及びSPR測定装置50の作用について説明する。リガンドとアナライトとの反応状況を測定する際には、まず、リガンドの種類に応じたリンカー膜26の製膜が行われる。未使用の全反射プリズム20は、例えば、専用のホルダなどに収納された状態で保管されている。リンカー膜26を製膜する際には、プリズム本体21の側端に設けられた把持部22と突出部23とを摘むように把持して全反射プリズム20をホルダなどから取り出し、振盪インキュベータにセットする。そして、前述のように、所定の温度及び時間で全反射プリズム20を振盪インキュベートすることにより、金属膜25上にリンカー膜26が製膜される。
リンカー膜26が製膜された全反射プリズム20は、再び把持部22と突出部23とを把持され、振盪インキュベータから取り出される。このように、把持部22と突出部23とを把持して全反射プリズム20を移動させることで、検出光が入射及び出射される長手方向の両側面や金属膜25、及び製膜されたリンカー膜26に指紋や塵埃などが付着することを防止することができる。また、把持部22の両側面には、溝22aが形成されているので、指掛かりがよく、全反射プリズム20を安定して持つことができる。
リンカー膜26の製膜が完了すると、全反射プリズム20への流路部材30の取り付けが行われる。流路部材30は、プリズム本体21の短手方向の一側面に形成された基準平面29aに各リブ37を接触させた状態(図2参照)で、各係合孔35を各係合爪27に係合させることにより、全反射プリズム20に取り付けられる。前述のように、全反射プリズム20は、基準平面29aを基準として寸法検査を行うことで、長手方向の寸法を容易かつ正確に測定できるようにしている。従って、この基準平面29aに各リブ37を接触させて位置決めを行うことで、長手方向における各流路31、32の位置も正確に合わせることができる。
全反射プリズム20に流路部材30を取り付けることによって組み立てられたセンサユニット10は、測定ステージ52の載置面52aに載置される。照明54の検出光が各測定点mp1、mp2に入射する測定ステージ52上の測定位置(図3に示す位置)にセンサユニット10が位置決めされると、保持部60の押さえ部材移動機構62が駆動され、各押さえ部材61が解除位置から保持位置に移動する(図4参照)。保持位置に移動した各押さえ部材61は、各係合爪61aを各係合面28aに係合させ、プリズム本体21を載置面52aに押さえ付けて、センサユニット10を測定ステージ52に保持する。
このように、全反射プリズム20自体を押さえ付けて保持することにより、各ピペット70a、70b、71a、71bの挿抜などによってセンサユニット10に外力が加わった際などにも、全反射プリズム20の位置ズレを確実に防止することができる。なお、各押さえ部材61によって全反射プリズム20を押さえ付けるとともに、上方から流路部材30を押さえ付け、より堅固にセンサユニット10を保持するようにしてもよい。
センサユニット10を測定ステージ52に保持したSPR測定装置50は、そのセンサユニット10に対して、前述のように、固定工程と測定工程と解析工程とを行い、各試料の物性などを調べる。このように、本例のセンサユニット10によれば、プリズム本体21の一端に溝22aを有する把持部22を設けたので、センサユニット10や全反射プリズム20を移動させる際に、安定して持つことができる。また、全反射プリズム20の側面の一部に基準平面29aを形成したので、成形性の低下を抑えつつ全反射プリズム20の寸法検査を容易かつ正確に行うことができるとともに、各流路31、32の位置も正確に合わせることができる。さらに、プリズム本体21の長手方向の両側面の底部に係合部28を形成し、全反射プリズム20自体を押さえられるようにしたので、全反射プリズム20の位置ズレをより確実に防止することができる。
なお、上記実施形態では、センサユニット10や全反射プリズム20を、オペレータなどが手で把持して移動させるようにしているが、周知の搬送機構などを用いて振盪インキュベータやSPR測定装置50などに対して自動搬送するようにしてもよい。この際、把持部22に形成された溝22aに爪などを係合させることによって、全反射プリズム20を確実に把持することができるので、自動搬送を安全に行うことができる。
また、上記実施形態では、プリズム本体21の一端にのみ把持部22を形成するようにしているが、これに限ることなく、プリズム本体21の両端に把持部22を形成するようにしてもよい。但し、図1などに示すように、長手方向に複数の測定点が並べられている場合などには、把持部22をプリズム本体21の一端にのみ形成しておくことが好ましい。例えば、センサユニット10をSPR測定装置50にセットする際に、センサユニット10の向きを間違えてしてしまうと、各測定点の並び順が入れ代わってしまうため、測定結果の取り違えが生じてしまう。そこで、把持部22を一端にのみ形成し、全反射プリズム20を非対称な形状としておけば、センサユニット10の向きが分かりやすくなるので、前述のような不具合を防止することができる。
さらに、上記実施形態では、両側面に溝22aが形成された略四角柱状の把持部22を示しているが、把持部22の形状は、これに限ることなく、多角柱あるいは円柱などの柱状のものであれば、如何なる形状としてもよい。なお、溝22aは、一方の側面のみに設けられるものであってもよい。また、側面に限らず、上面や底面に溝22aを形成するようにしてもよいし、さらには、各面を周回するように環状の溝22aを形成するようにしてもよい。但し、把持部は、プリズム本体21の側端から突設され、プリズム本体21の長手方向を軸に形成される柱状の部材であるから、本例で示す把持部22の上面及び底面は、請求項記載の側面に含まれるものである。
また、把持部は、溝22aが形成されたものに限ることなく、例えば、図6(a)に示す把持部80のように、突起81が形成されたものであってもよい。また、図6(b)に示す把持部82のように、プリズム本体21に向かうに従って断面積を狭めるように傾斜した傾斜面83が形成されたものであってもよい。この際、図6(c)に示す把持部84のように、各側面に傾斜面85が形成された角錐状のものとしてもよい。さらには、角錐に限らず、円錐状のものとしてもよい。このように、突起81や逆テーパ状の傾斜面83、85が形成された把持部であっても、指掛りがよく、安定して全反射プリズム20を把持することができる。
また、上記実施形態では、プリズム本体21と把持部22とを一体成形するようにしているが、把持部は、これに限ることなく、例えば、別体で成形した後、接着やネジ止めなどで取り付けるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、プリズム本体21の短手方向の一方の側面にのみ基準平面29aを形成しているが、これに限ることなく、短手方向の両側面に基準平面を形成するようにしてもよい。また、長手方向の側面に基準平面を形成し、この基準平面を基に、全反射プリズム20の短手方向の寸法検査と、各流路31、32の短手方向の位置決めとを行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、基準平面29aを、側面の上端部分に形成しているが、基準平面29aを形成する位置は、側面の下端部分や中間部分などであってもよい。但し、下端部分や中間部分などに基準平面29aを形成すると、寸法を測るための計測機器や流路部材30を合わせ難くなってしまうので、基準平面29aを形成する位置は、上記実施形態で示したように、側面の上端部分とすることが好適である。
なお、上記実施形態では、プリズム本体21の長手方向の側面の底部に連続して形成された係合部28を示したが、これに限ることなく、例えば、図7に示す全反射プリズム90のように、側面の一部から段差状に突出した係合部92を、各センサ面SS1、SS2を有するプリズム本体21の上面21aと平行な方向に複数並べて形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、凸状に形成された係合部28、92を示したが、係合部は、これに限ることなく、図8に示すように、凹状に形成するようにしてもよい。図8に示す全反射プリズム94には、その長手方向の両側面に溝状に形成された係合部95が設けられている。保持部96には、保持位置と解除位置との間で各押さえ部材61をスライド移動させる押さえ部材移動機構97が設けられている。保持位置に移動した各押さえ部材61は、各爪部61aを各係合部95に入り込ませて係合し、全反射プリズム94を載置面52aに押さえ付けるようにして保持する。このように、凹状に形成された係合部95であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、測定信号用の第1流路31と参照信号用の第2流路32とを、2列に並べる構成としているが、各流路31、32は、1列に並べられるものであってもよい。但し、各流路31、32を1列に並べると、センサユニット10が大型化し、ハイスループット化の妨げになってしまうことが懸念される。
また、センサ面上のリンカー膜26の一部を失活させ、この失活した部位からのSPR信号を参照信号とすることにより、1本の流路で測定を行うようにしてもよい。しかしながら、このような構成とすると、失活した部位と失活していない部位とでリンカー膜26の表面の性質が異なってしまうため、各部位で非特異吸着の量に差が生じ、測定誤差の要因になるという問題が起きる可能性がある。
一方、上記実施形態で示すように、測定信号用と参照信号用とで各流路31、32を分けると、リンカー膜26を失活させる必要がなくなるので、各センサ面SS1、SS2の表面の性質が合わせられる。これにより、各センサ面SS1、SS2に生じる非特異吸着の量に差が生じることが抑えられるので、測定信号と参照信号とによる補正を行うことで、非特異吸着による影響を確実にキャンセルすることができる。
また、上記実施形態では、各流路31、32を長手方向に僅かにズラし、プリズム本体21の上面21aの中心線CL上を一部が通るように、各溝部31c、32cを略S字状に屈曲させているが、これに限ることなく、各溝部31c、32cは、一直線状のものであってもよい。但し、各流路31、32を2列に並べた際に各溝部31c、32cを一直線状に形成すると、各測定点mp1、mp2がセンサユニット10の短手方向にズレてしまうので、その分だけ照明をズラして配置しなければならないなど、光学系の構成を複雑にしてしまう。このため、各流路31、32を2列で配置する際などには、本例で示すように、各溝部31c、32cを略S字状に屈曲させ、各測定点を一直線上に並べることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、各流路31、32が形成された本体部33と、この本体部33を全反射プリズム20に取り付けるための取付部34とを一体に成形しているが、これに限ることなく、本体部33と取付部34とを別部材で成形するようにしてもよい。この際、取付部は、全反射プリズム20の上に載置される本体部を、全反射プリズムとともに挟んで固定するように構成すればよい。
なお、上記実施形態では、SPR測定に係る各工程を一つのSPR測定装置50で行うようにしているが、各工程毎に装置を分けるようにしてもよい。こうすることで、複数のセンサユニット10を同時に処理することが可能となり、処理効率を向上させることができる。
また、上記実施形態では、金属膜25の全面にリンカー膜26を製膜するようにしているが、リンカー膜26は、少なくとも各センサ面SS1、SS2を形成する部分にだけ製膜されていればよい。
さらに、上記実施形態では、光学ブロックとしての全反射プリズム20を略台形柱状に成形しているが、全反射プリズム20の形状は、これに限るものではない。例えば、三角柱や五角柱などの他の角柱状のものや、半円柱状(シリンドリカル状)のものなど、光が入射及び出射する面と全反射する面とを有する形状であれば、如何なる形状であってもよい。また、上記実施形態では、全反射プリズム20の使用例として、SPR測定装置50に用いられるセンサユニット10を示したが、全反射プリズム20の用途は、これに限るものではなく、全反射を利用するものであれば如何なるものであってもよい。
なお、上記実施形態では、全反射減衰を利用した測定装置の一例として、SPR測定装置50を示したが、全反射減衰を利用した測定装置としては、この他に、例えば、漏洩モードセンサが知られている。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を透過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において、導波モードが励起されると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。導波モードが励起される入射角は、SPRの共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射角の減衰を検出することにより、前記センサ面上の化学反応が測定される。
さらには、全反射減衰を利用した測定装置に限ることなく、例えば、試料を呈色反応させ、その呈色光学濃度を光学的に測定する比色分析法を用いた生化学分析装置(いわゆる、分光光度計)に使用されるセンサユニットに、本発明を適用してもよい。この際、試料と試薬とを反応させる反応層をセンサ面とするとともに、この反応層を支持する透明な板状の支持体を光学ブロックとすればよい。
センサユニットの概略構成を示す分解斜視図である。 基準平面の構成を説明する説明図である。 SPR測定装置の構成を概略的に説明する説明図である。 保持部の構成を概略的に示す説明図である。 SPR測定装置による測定の手順を概略的に示すフローチャートである。 把持部の他の実施例を示す説明図である。 係合部の他の実施例を示す説明図である。 係合部の他の実施例を示す説明図である。
符号の説明
10 センサユニット
20 全反射プリズム(光学ブロック)
21 プリズム本体
21a 上面
22 把持部
22a 溝
25 金属膜(薄膜層)
26 リンカー膜
28 係合部
29a 基準平面
30 流路部材
31 第1流路
32 第2流路
33 本体部
34 取付部
37 リブ
50 SPR測定装置(測定装置)
52 測定ステージ
52a 載置面
54 照明(光源)
56 検出器
60 保持部(保持手段)

Claims (7)

  1. 上面に試料の反応を測定するためのセンサ面が設けられた光学ブロックを備え、
    前記センサ面に向けて照射された光の反射光を受光し、その反射光に基づいて前記試料の反応を測定する測定装置に用いられるセンサユニットにおいて、
    側面に溝又は突起が形成された略柱状の把持部を、前記光学ブロックの側端に設けたことを特徴とするセンサユニット。
  2. 前記把持部は、前記光学ブロックの一側端にのみ設けられていることを特徴とする請求項1記載のセンサユニット。
  3. 前記把持部は、対向する2側面のそれぞれに前記溝が形成された略四角柱状をなしていることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサユニット。
  4. 前記光学ブロックは、前記上面を全反射面とする全反射プリズムであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  5. 前記センサ面は、前記光学ブロックに全反射条件を満たす光が照射された際に、その反射光の光強度を減衰させる薄膜層を有し、
    前記測定装置は、前記センサ面に向けて全反射条件を満たす光を照射する光源と、前記センサ面からの反射光を受光して電気信号に光電変換する検出器とを有する全反射減衰を利用した測定装置であることを特徴とする請求項4記載のセンサユニット。
  6. 上面に試料の反応を測定するためのセンサ面が設けられた光学ブロックを備え、
    前記センサ面に向けて照射された光の反射光を受光し、その反射光に基づいて前記試料の反応を測定する測定装置に用いられるセンサユニットにおいて、
    前記光学ブロックに向かうに従って断面積を狭めるように傾斜した傾斜面を有する把持部を、前記光学ブロックの側端に設けたことを特徴とするセンサユニット。
  7. 入射した光を全反射させる全反射面が形成された略角柱状又は略半円柱状のプリズム本体を有する全反射プリズムにおいて、
    側面に溝又は突起が形成された略柱状の把持部を、前記プリズム本体の側端に設けたことを特徴とする全反射プリズム。
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