JP2007246997A - 金属ナノ棒状体およびその製造方法 - Google Patents

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英昭 宅見
Masahiro Kobashi
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Abstract

【課題】フィラーとして用いて塗布膜を作製した場合、低温の加熱処理で接触界面を十分に低減させて高電気伝導化を達成することができる金属ナノ棒状体。
【解決手段】末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体。末端尖鋭角bは好ましくは20〜60°。この金属ナノ棒状体を含む分散液。結晶性末端を有する金属ナノ棒状体に、金属前駆体を反応させる金属ナノ棒状体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体に関する。本発明はまた、この金属ナノ棒状体を含む分散液と、この金属ナノ棒状体の製造方法に関する。
本発明の金属ナノ棒状体のサイズは、通常、幅が約1nmから100nmの範囲であり、アスペクト比が3〜500の範囲のものである。
本発明の金属ナノ棒状体は、導電性塗布膜、金属配線、色材、熱線遮蔽等の用途に有用である。
近年、ナノメートル領域のサイズを有する金属微粒子は、形状サイズ効果により、その融点がバルクのものに比べて低温にシフトし、低温焼成によって使用可能な導電性ペーストなどとしての応用が期待されている。
これまで、金属微粒子の中で、金や銀、パラジウムや白金などは安定に調製され、触媒や導電性材料、色材として応用されてきた。
金属微粒子の導電性材料としての応用において、球状の微粒子ではなく、棒状、板状等の形状を持つフィラーを用いることによって導電性を向上させるというアプローチが考えられる。このような形状異方性を持つ金属フィラーのうち金属ナノ棒状体を製造する方法は既に報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
US 2005/0056118 A1 Chemistry of Materials,2002年,第14巻,p.4736−4745
このような金属ナノ棒状体をフィラーとして用いて塗布膜を作製した場合、球状微粒子フィラーに比べて接触界面が少なく、かつ金属ナノ棒状体そのものの電気伝導度は、バルクの電気伝導度に近い値を示すという利点がある。しかし、金属ナノ棒状体同士の接触界面の問題は残っており、接触界面を低減するためには高温での融着が必要であり、低温焼結での充分な高電気伝導化を達成するのは困難であった。
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、フィラーとして用いて塗布膜を作製した場合、低温の加熱処理で接触界面を十分に低減させて高電気伝導化を達成することができる金属ナノ棒状体を提供することを目的とする。
本発明者等は、従来技術の問題点に鑑み、金属ナノ棒状体に関して鋭意検討を重ねた結果、末端部分が鋭利な形状を有し、かつその鋭利な先端部分の融点が低い金属ナノ棒状体をフィラーとして用いて塗布膜を形成した場合、金属ナノ棒状体同士がネットワークを形成し、かつ末端部分が低融点であるため、金属ナノ棒状体間が低温で融着することにより接触界面を低減させ、容易に高電気伝導化を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
(1) 末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体。
(2) 鋭利な末端が20〜60°の角度を有する針状形状である(1)に記載の金属ナノ棒状体。
(3) 鋭利な末端の融着温度が、中間部の融着温度よりも低いことを特徴とする(1)または(2)に記載の金属ナノ棒状体。
(4) 金属がAg、AuおよびCuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載の金属ナノ棒状体。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の金属ナノ棒状体を含む分散液。
(6) 結晶性末端を有する金属ナノ棒状体に、金属前駆体を反応させることを特徴とする金属ナノ棒状体の製造方法。
(7) 金属前駆体を還元し、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体とした後に、さらにこの結晶性末端に金属前駆体を反応させる(6)に記載の金属ナノ棒状体の製造方法。
本発明の金属ナノ棒状体は、末端部分が鋭利な形状を有し、かつその鋭利な先端部分の融着温度が低いことにより、この金属ナノ棒状体をフィラーとして用いた塗布膜を形成した場合、金属ナノ棒状体同士がネットワークを形成し、かつ末端部分が低融着温度であるため、金属ナノ棒状体同士が低温で融着して接触界面を低減させ、容易に高電気伝導化を達成することができる。
以下に本発明の実施の態様の一例を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の態様に限定されるものではない。
[金属ナノ棒状体]
以下に本発明の金属ナノ棒状体について説明する。
なお、本発明において、金属ナノ棒状体の末端部とは金属ナノ棒状体の長軸の長さのうち、0.5〜20%程度の長さ部分の両末端部をさし、金属ナノ棒状体の中間部とは、この両末端部以外の、金属ナノ棒状体の長軸の長さのうち、10〜50%程度の長さ部分をさす。
<サイズ>
本発明の金属ナノ棒状体は、通常、次のようなサイズである。
金属ナノ棒状体の長軸を短軸で割った値をアスペクト比と定義するが、本発明の金属ナノ棒状体は、そのアスペクト比が3から500の範囲であり、幅(金属ナノ棒状体の短軸の長さ)が、約1nmから100nmの範囲にある。金属ナノ棒状体の幅としては、5nmから50nmの範囲が好ましい。
金属ナノ棒状体の幅が小さい場合、構造的に不安定になり、逆に幅が大きすぎると、ナノサイズによる融点降下が期待できない。
なお、金属ナノ棒状体に対して、金属球状体とは、形状異方性がなく、アスペクト比が3未満のものを指す。
本発明の金属ナノ棒状体のアスペクト比は、5から100の範囲であることが好ましい。アスペクト比が小さい場合は、形状異方性による導電性向上の効果が期待できず、アスペクト比が大きすぎると、分散液における分散安定性が乏しくなる。
<末端形状>
本発明の金属ナノ棒状体の末端が鋭利な形状とは、この末端の形状を角度で定義すると、金属ナノ棒状体の末端を模式的に示す図1(a)において、尖鋭な先端の角度b(以下「末端尖鋭角b」と称す場合がある。)が20〜60°、好ましくは30〜50°の範囲である。また、角度aと角度cの和が、360°から末端尖鋭角bを引いた値(a+c=360°−b)の範囲にあるものを指す。なお、図1(b)に示す如く、先端部分である末端尖鋭角bが一定の曲率も持っていても構わない。この場合の曲率半径は通常5〜20nm程度である。
図1(a),(b)において、末端尖鋭角bが大きすぎると結晶性が高くなり、先端部も太くなるので、融着温度が低下しないと言った問題がある。また、末端尖鋭角bが小さすぎると強度が低下するといった問題点が考えられる。
なお、本発明の金属ナノ棒状体は、一端のみが上述のような角度を有する尖鋭な末端であってもよいが、好ましくはすべての末端(通常は両末端)が上述のような尖鋭な末端であるものである。
<構成元素>
金属ナノ棒状体を構成する元素としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)のいずれかが含まれていることが好ましい。金属ナノ棒状体中には、銀、金、銅のいずれか1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよく、更に他の元素が含まれていてもよいが、銀、銀、銅のいずれかが金属ナノ棒状体中に90重量%以上含まれていることが好ましく、とりわけ、銀、金、銅のいずれかのみで構成されていることが好ましい。特に好ましくは金属ナノ棒状体の構成元素は銀である。
<結晶形態>
金属ナノ棒状体の結晶形態として、該金属ナノ棒状体の中間部と末端部の結晶形態が異なることが好ましい。より好ましい結晶形態は、金属ナノ棒状体の中間部が単結晶から形成されており、末端部が中間部よりも結晶化度の低い状態である。末端部が結晶化度が低い状態であれば、低融点化の実現が可能である。つまり、該金属ナノ棒状体の中間部の融着温度に比べて末端部の融点が低くなることが好ましい。具体的には、中間部の融着温度は、金属ナノ棒状体のサイズにも依存するが、長軸が数百nm程度の金属ナノ棒状体であれば、バルクの融点(例えば銀では951℃)より低下しており、150℃〜500℃の範囲にあり、末端部の融着温度は、この中間部よりも更に低融着温度化が実現されており、80℃〜200℃の範囲である。
[金属ナノ棒状体の製造方法]
以下に、末端が鋭利な形状を有する本発明の金属ナノ棒状体の製造方法について説明する。
本発明の金属ナノ棒状体の製造手順としては、
(i)結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を作製した後、同じ反応液中で末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体を作製する方法と、(ii)予め作製された結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を用いて、その末端に鋭利な形状を作製する方法とがある。
ここで、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体とは、ナノ棒状体の幅(短軸の長さ)が、約1nmから100nmの範囲、アスペクト比が3〜500の範囲のものであり、結晶性末端の角度a’、b’、c’、d’を図2のように定義すると、角度bが100〜130°の範囲、角度cが100〜130°の範囲のものであり、角度aと角度dの和が、a+d=540°−(b+c)、で表される範囲のものである。
結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を製造するには、後述するような、この金属ナノ棒状体の構成金属の金属塩(本発明における金属前駆体)を還元させる方法が挙げられる。
後述の金属塩を還元させる方法としては特に限定されず、一般に還元剤を用いて加熱還元させる方法が挙げられるが、その他、紫外線、電子線、熱、マイクロウェーブを用いた還元、あるいは電気化学的還元を採用することもできる。
以下、還元剤を用いる方法について説明する。
還元剤を用いて金属塩を還元させて結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を製造するには、まず金属塩、還元剤、必要に応じて添加される分散剤、その他の添加剤を溶媒に混合し、攪拌することにより反応液を調製し、この反応液を加熱することにより、金属塩を還元剤により加熱還元させる。これにより、金属が析出して金属ナノ棒状体が得られる。なお、この場合、溶媒が還元性を有する場合は、還元剤を入れる必要はない。ただし、還元性の溶媒を用いて、更に還元剤を用いてもよいことは言うまでもない。
ここで用いる金属塩としては、使用する溶媒に溶解でき、何らかの手段で還元できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩;塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナトリウム等の金塩;硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、酢酸銅、硫化銅等の銅塩が挙げられる。これらの金属塩は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、ここで用いる還元剤としては、使用する溶媒に溶解し、上記金属塩を還元させることができるものであれば特に限定されず、例えば、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸などの有機酸類;ジメチルアミノエタノール、エタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;水酸化ホウ素ナトリウム、ヨウ化水素、水素ガス等の水素化合物;一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;硫酸第一鉄、塩化鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸錫、塩化錫、二リン酸錫、シュウ酸錫、酸化錫、硫酸錫等の低原子価金属塩;ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の糖類などの有機化合物等を挙げることができる。これらの還元剤は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、ここで用いる溶媒は、出発原料である金属塩、還元剤、分散剤等の添加剤を溶解しうるものであれば良く、その具体的な例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、などのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。この中で、例えば、多価アルコール類が好ましく、特に好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール等である。これらの溶媒は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、アルコール類やエチレングリコールに代表される多価アルコール類を用いる場合は、溶媒と還元剤を兼ねることができる。
分散剤としては、該金属棒状体に、吸着あるいは配位し、溶媒中での分散安定性を保持できるようなものであればよく、特に制限されるのではないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。これらの分散剤は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
反応液中の金属塩の溶媒に対するモル濃度は、通常0.01〜1mol/Lの範囲、好ましくは0.1〜0.5mol/Lの範囲である。
また、還元剤の溶媒に対するモル濃度は、通常0.05〜5mol/Lの範囲、好ましくは0.5〜3mol/Lの範囲である。使用する溶媒が還元剤をかねる場合は、還元剤を用いなくても構わないが、用いてもよい。
還元剤の使用量は、金属塩に対して、通常1〜10モル倍、好ましくは3〜8モル倍の範囲である。
分散剤の溶媒に対するモル濃度は、通常0.01〜5mol/Lの範囲、好ましくは0.1〜1mol/Lの範囲である。
分散剤の使用量は、金属塩に対して、通常1〜10モル倍、好ましくは3〜5モル倍の範囲である。
加熱還元処理における反応液の加熱温度は、使用する溶媒にもよるが、溶媒の沸点以下の温度であることが好ましい。例えばエチレングリコールの場合であれば、150℃〜190℃の範囲、好ましくは155℃〜165℃の範囲である。
反応時間は、用いる溶媒、還元剤にもよるが、エチレングリコールを用いた場合、30分〜120分の範囲、好ましくは50分〜80分の範囲である。
このようにして結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を作製した後、同じ反応液中に溶媒に溶かした前述の金属塩(本発明における金属前駆体)を加えて加熱還元させることにより、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体の結晶性末端部分に、鋭利な構造が多く形成されることにより、末端が鋭利な形状を有する本発明の金属ナノ棒状体を得ることができる。この末端部分の鋭利な構造は、中間部の構造とは異なり、低融着温度化した状態となっている。
ここで、後に添加する金属塩は、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体の製造に用いたものと同様のものが用いられ、後添加する金属塩溶液において、溶媒に対する金属塩のモル濃度は、通常0.005〜1mol/Lの範囲、好ましくは0.01〜0.5mol/Lの範囲である。
また、後に添加する金属塩の添加量は、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体作製時の金属塩使用量に対して、通常0.05〜1モル倍、好ましくは0.1〜0.5モル倍の範囲である。
金属塩を後添加したときの反応液の加熱温度は、使用する溶媒にもよるが、溶媒の沸点以下の温度であることが好ましい。例えばエチレングリコールの場合であれば、150〜190℃の範囲、好ましくは155〜165℃の範囲である。
反応時間は、30〜120分の範囲、好ましくは50〜80分の範囲である。
また、末端が鋭利な形状を有する本発明の金属ナノ棒状体を製造する方法としては、前述の如く、予め作製された結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を、還元剤、分散剤と供に溶媒に分散させ、そこに金属塩を加えて加熱還元させても構わない。
[金属ナノ棒状体の分散液]
以下に、末端が鋭利な形状を有する本発明の金属ナノ棒状体を含有する本発明の分散液について説明する。
ここで用いられる分散媒としては、極性溶媒であってもよく非極性溶媒であってもよく、特に制限されるのではないが、極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。また、非極性溶媒としては、炭化水素系溶媒としてヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどが挙げられる。また、芳香族系溶媒として、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサノン、ピリジンなどが挙げられる。これらの分散媒は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
分散液に用いる分散剤としては、特に制限されるのではないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリピリジン、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどが挙げられる。これらの分散剤は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
該分散液中に含まれる金属ナノ棒状体の濃度は、0.1〜60重量%の範囲、好ましくは1〜30重量%の範囲である。この濃度が低すぎると導電性塗布膜作成に不向きであり、高すぎると分散安定性が損なわれる。
該分散液に含まれる分散剤の濃度は、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは1〜10重量%の範囲である。この濃度が低すぎると十分な分散効果が得られず、高すぎると塗布膜での導電性が損なわれる。
なお、末端が鋭利な形状を有する本発明の金属ナノ棒状体を含有する分散液としては、前述した本発明の金属ナノ棒状体の製造方法において、反応後の反応液をそのまま適用することも可能である。
<用途>
本発明の金属ナノ棒状体、およびこの金属ナノ棒状体を含有する分散液は、導電性塗布膜、透明導電性塗布膜、金属配線、光学フィルター、熱線遮蔽などの用途に適用される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
[1]末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体の合成
エチレングリコール5mLを160℃で加熱還流させ、そこに硝酸銀0.9mmolをエチレングリコール3mL溶かした液とポリビニルピロリドン(PVP)1.4mmolをエチレングリコール3mLに溶かした液を添加し、1時間反応させることにより、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体を製造した。
さらに、該反応液に、硝酸銀0.3mmolをエチレングリコール1mL溶かした液を添加し、同温度で1時間反応させることによって、金属ナノ棒状体を含有する分散液を得た。この分散液中の金属ナノ棒状体の含有量は1.0重量%であり、分散剤の含有量は1.2重量%である。
[2]末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体の形態観察
上記[1]で得られた金属ナノ棒状体含有分散液を、2000rpmで、5分間遠心分離を行った後、上澄みを取り除いた。得られた沈殿物をエタノールで低濃度に再分散させ、該液をカーボングリッド上に数μl滴下して乾燥した後、透過型電子顕微鏡観察を実施した。
その結果、得られた金属ナノ棒状体の形状は、幅(短軸の長さ)約20〜200nm、長軸の長さ100〜5000nm、アスペクト比5〜100で、末端尖鋭角bの範囲が30〜50°の、末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体であることが確認された。この金属ナノ棒状体の末端部分の透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。
また、電子顕微鏡下、加熱ホルダーを用いてこの金属ナノ棒状体の末端部分と中間部分の融着温度を調べた結果、中間部の融着温度が300℃であるのに対して、末端部分の融着温度は100℃と低くなっていることが確認された。
本発明の末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体の末端部分を示す模式図である。 結晶性末端を有する金属ナノ棒状体の末端部分を示す模式図である。 実施例1で得られた金属ナノ棒状体の末端部分の透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. 末端が鋭利な形状を有する金属ナノ棒状体。
  2. 鋭利な末端が20〜60°の角度を有する針状形状である請求項1に記載の金属ナノ棒状体。
  3. 鋭利な末端の融着温度が、中間部の融着温度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の金属ナノ棒状体。
  4. 金属がAg、AuおよびCuからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の金属ナノ棒状体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の金属ナノ棒状体を含む分散液。
  6. 結晶性末端を有する金属ナノ棒状体に、金属前駆体を反応させることを特徴とする金属ナノ棒状体の製造方法。
  7. 金属前駆体を還元し、結晶性末端を有する金属ナノ棒状体とした後に、さらにこの結晶性末端に金属前駆体を反応させる請求項6に記載の金属ナノ棒状体の製造方法。
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