JP2007246485A - 感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定構造の化合物を含有する感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に於ける特定構造の化合物。
【選択図】なし
Description
発生する酸としては、例えば、特許文献3、特許文献4では、特定のフッ化有機スルホン酸が用いられている。また、特許文献5、特許文献6、特許文献7には、活性光線又は放射線の放射により高酸性のイミドを発生させるイミドアニオンからなる酸発生剤が用いられている。近年イミドアニオン誘導体は酸発生剤だけでなく電気化学における溶質や合成触媒等、多岐にわたる用途で使用されており、アニオンがさらに非局在化したパーフルオロスルホンイミドから誘導される新規イオン化合物は興味深い化合物と捉えられる。
しかしながら、未だ不十分な点が多く、露光ラチチュード、パターン形状等の改善が望まれている。
この「液浸の効果」は、λ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は、波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1(SPIE Proc 4688,11(2002))、非特許文献2(J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999))、非特許文献3(SPIE Proc 3999,2(2000))、特許文献10(国際公開WO2004−077158号パンフレット)等で報告されている。ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有望であると考えられている。F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
(1)
活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)で表される構造を有する有機酸を発生する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
一般式(I)中、
Aは、2価の有機基を表す。
Bは、SO(NSO2R)を表す。
Cは、SO2又はSO(NSO2R)を表す。
Rは、1価の有機基を表す。複数のRは同一でも異なっていても良く、結合して環状構造を形成していてもよい。
(2)
Rが、フッ素原子を含むことを特徴とする上記(1)に記載の感光性組成物。
(3)
Aが、フッ素原子を含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の感光性組成物。
(4)
活性光線又は放射線の照射により一般式(I)で表される有機酸を発生する化合物が、一般式(I)で表される有機酸のスルホニウム塩化合物又は一般式(I)で表される有機酸のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性組成物。
(5)
上記(1)〜(4)のいずれかに記載の感光性組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
(6)
一般式(I)で表される構造を有する有機酸およびその金属塩。
一般式(I)中、
Aは、2価の有機基を表す。
Bは、SO(NSO2R)を表す。
Cは、SO2又はSO(NSO2R)を表す。
Rは、1価の有機基を表す。複数のRは同一でも異なっていても良く、結合して環状構造を形成していてもよい。
(7)
スルホニウム塩又ヨードニウム塩であることを特徴とする上記(6)に記載の一般式(I)で表される構造を有する有機酸の金属塩。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)で表される有機酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(A)」、「化合物(A)」ともいう)を含有する。
Aは、2価の有機基を表す。
Bは、SO(NSO2R)を表す。すなわち、−S(=O)(=N−SO2−R)−で表わされる構造を表わす。
Cは、SO2又はSO(NSO2R)を表す。
Rは、1価の有機基を表す。複数のRは同一でも異なっていても良く、結合して環状構造を形成していてもよい。
上記各有機基Rが有してもよい更なる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、一般式(I)で表される有機酸のアニオンを表す。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(A1a)、(A1b)、及び(A1c)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(A1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(A1)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(A1)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の内の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールアルキルシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203の内のいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(A1b)は、一般式(A1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのアルキル基は、直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、2−オキソシクロアルキル基がより好ましい。
R201〜R203としての直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基は、鎖中に二重結合を有していてもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としての2−オキソシクロアルキル基は、鎖中に二重結合を有していてもよく、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R213は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基である。R213上の好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基が挙げられる。
R214及びR215は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Y201及びY202は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はビニル基を表す。
X-は、一般式(I)で表される有機酸のアニオンを表す。
R213とR214は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、R214とR215は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、Y201とY202は、それぞれ結合して環構造を形成しても良い。これらの環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R213及びR214、R214及びR215、Y201及びY202が結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R214、R215、Y201及びY202としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
Y201及びY202は、好ましくは、炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは、4〜6、更に好ましくは、4〜12のアルキル基である。
また、R214又はR215の少なくとも1つは、アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは、R214及びR215の両方がアルキル基である。
R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
X-は、一般式(I)で表される有機酸のアニオンを表す。
R204及びR205としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204及びR205としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204及びR205は、置換基を有していてもよい。R204及びR205が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
本発明の感光性組成物は、化合物(A)の他に、更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「併用酸発生剤」ともいう)を含有することが好ましい。
併用酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオンを表す。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
また、併用酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸又はフッ素置換イミド酸のスルホニウム塩である。使用可能な併用酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
併用酸発生剤の感光性組成物中の含量は、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる酸により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂は、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖の両方に、酸で分解し得る基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂である。この内、酸で分解し得る基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
本発明においては、酸分解性基は、アセタール基又は3級エステル基が好ましい。
本発明に使用される(C)成分の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R12〜R14の内の少なくとも1つ、もしくはR15及びR16のいずれかは、シクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R17〜R21の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基を表す。また、R19及びR21のいずれかは、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R22〜R25の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rl3'〜R16'の内の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは0又は1を表す。
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基及びウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは、単結合である。
Rp1は、一般式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
R11'及びR12'のアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が挙げられる。
Z'の脂環式構造を形成するための原子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素構造を有する繰り返し単位を形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素構造を有する繰り返し単位を形成する原子団が好ましい。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
Rb0は、水素原子、メチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環若しくは多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
Abは、好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルキレン基、単環若しくは多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)の内のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cの内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rxaは、水素原子又は有機基(好ましくは、酸分解性保護基、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基)を表す。
R50〜R55は、すべてフッ素原子であることが好ましい。
Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rxのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Faは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合)を表す。
Fbは、単環または多環の環状炭化水素基を表す。
Fcは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合、メチレン基)を表す。
F1は、一般式(F1)で表される基を表す。
P1は、1〜3を表す。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
(1) 上記一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有するもの(側鎖型)。
好ましくは(pI)〜(pV)の構造を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位を含有するもの。
(2) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位を含有するもの(主鎖型)。
但し、(2)においては例えば、更に、以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有するもの(ハイブリッド型)。
Rxy1は、水素原子またはメチル基を表す。
Rxa1及びRxb1は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表す。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
シリコン原子を有する樹脂としてはトリアルキルシリル構造、単環または多環の環状シロキサン構造を有する樹脂が好ましく、下記一般式(SS−1)〜(SS−4)で表される構造を有する繰り返しを有する樹脂がより好ましく、一般式(SS−1)〜(SS−4)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系繰り返し単位、ビニル系繰り返し単位またはアリル系繰り返し単位を有する樹脂がより好ましい。
R100〜R103は、それぞれ、水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
R104およびR106は、それぞれ、水素原子、フッ素原子またはアルキル基であり、R104およびR106の少なくとも1方がフッ素原子またはフルオロアルキル基である。R104およびR106は、好ましくは両方トリフルオロメチル基である。
R105は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基または酸の作用により分解する基である。
A1は、単結合、2価の連結基、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−OCO−、−COO−、または−CON(R24)−、およびこれらのうちの複数を含有する連結基である。R24は、水素原子またはアルキル基である。
R107、R108は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基または酸の作用により分解する基である。
R109は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は酸の作用により分解する基である。
bは、0、1又は2である。
また、一般式(FA)及び(FC)におけるR100とR101は、フッ素で置換されていてよいアルキレン基(炭素数1〜5)を介して環を形成していてもよい。
一般式(FA)〜(FG)で表される繰り返し単位は、一繰り返し単位あたりに少なくとも1つ、好ましくは3つ以上のフッ素原子を有する。
1)前記一般式(pI)〜(pVI)及び(II−AB)に示す脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位。具体的には前記1〜23の繰り返し単位および[II−1]〜[II−32]の繰り返し単位。好ましくは上記具体例1〜23のうちRxがCF3のものである。
2)前記一般式(Lc)及び(V−1)〜(V−5)に示すラクトン構造を有する繰り返し単位。具体的には先に例示した繰り返し単位、特に先に例示した一般式(Lc)、(V−1)〜(V−4)で表される基を有する繰り返し単位。
3)無水マレイン酸、ビニルエーテルまたはシアノ基を有するビニル化合物から由来される下記一般式(XV)(XVI)(XVII)、具体的には(C−1)〜(C−15)に挙げられる繰り返し単位が挙げられる。これら他の繰返し単位中にはフッ素原子を含んでいてもいなくてもよい。
R41は、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。R41のアルキル基は、アリール基で置換されていてもよい。
R42は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
A5は、単結合、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22、R23、R25は、同じでも異なっていてもよく、単結合、又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基もしくはウレイド基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
R24は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
ここで、各置換基の例は、前記一般式(FA)〜(FG)の置換基と同様のものがあげられる。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、10〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、更に好ましくは30〜60モル%である。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上が好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上である。
本発明のネガ型感光性組成物には、架橋剤が使用される。
(1)フェノール誘導体のヒドロキシメチル体、アルコキシメチル体、アシルオキシメチル体。
(2)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、N−アシルオキシメチル基を有する化合物。
(3)エポキシ基を有する化合物。
架橋剤は、感光性組成物の固形分中、通常3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。
〔7〕(G)塩基性化合物
本発明の感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(G)塩基性化合物を含有することが好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
本発明の感光性組成物は、更に、界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明の感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
本発明において使用される溶剤として好ましくは、少なくとも1つのケトン構造を有する溶剤である。
ケトン構造を有する溶剤としては、鎖状ケトン溶剤、環状ケトン溶剤が挙げられ、合計炭素数5〜8の化合物が塗布性が良好で好ましい。
鎖状ケトン溶剤としては、例えば、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノンである。
環状ケトン溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、イソホロン等挙げられ、好ましくはシクロヘキサノン、シクロヘプタノンである。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
乳酸アルキルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。
ラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
ケトン系溶剤と上記併用溶剤の比率(質量比)は、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30である。
これら高沸点溶剤の添加量は、全溶剤中の通常0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。
本発明の感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(H)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明の感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。
本発明の感光性組成物を液浸露光する場合に、感光性組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜100nmで使用されることが好ましい。感光性組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
感光性組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
すなわち、感光性組成物を、精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常30〜500nm)で塗布する。塗布後、必要に応じて、液浸水にてレジスト膜を洗浄する。洗浄時間は通常5秒〜5分である。
続いて、スピンまたはベークにより塗布されたレジストを乾燥し、レジスト膜を形成後、パターン形成のためマスクなどを通し、液浸水を介して露光(液浸露光)する。たとえば、レジスト膜と光学レンズの間を液浸液で満たした状態で露光する。露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、必要に応じて、レジスト膜を液浸水で洗浄する。時間は通常5秒〜5分である。続いて、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、良好なパターンを得る。上記ベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。前述したPEDの点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられる。
尚、レジストを液浸露光に適用したときに見られる性能上の変化は、レジスト表面が液浸液に接触することに由来しているものと考えられる。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
1,1,2,2,3,3-Hexafluoropropane-1,3-disulfonimide Potassium Salt 4.97g(15mmol)、ジメチルホルムアミド2滴、塩化オキサリル1.91g(15mmol)及びアセトニトリル50mLの混合物を窒素気流下−4℃で3時間攪拌した。これにトリフルオロメタンスルホンアミド2.23g(15mmol)、1,4-ジアザビスシクロオクタン(DABCO)3.37g及びアセトニトリル30mLの混合物を30分かけ滴下した。室温で4時間攪拌後トリフェニルスルホニウムブロミド5.15g(15mmol)加え更に室温で3時間攪拌した。クロロホルム200mLを加え、有機層を水で洗浄、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2,クロロホルム/メタノール=10/1)により精製すると、1H−NMR(400MHz、CDCl3スペクトルにおいて7.7〜8.1ppmに、19F−NMR(400MHz、CDCl3)スペクトルにおいて−125ppm付近、−119ppm付近、−80ppm付近にピークを示す目的化合物(5.30g)が得られた。
他の化合物(A)も同様にして合成した。
実施例に用いた、樹脂(C)の構造及び分子量、分散度を示す。尚、繰り返し単位の右側の数字は、モル比を表す。以下、同様とする。
<レジスト調製>
下記表3に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度12質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターまたはポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果を表3に示した。
露光条件(I)
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し120℃で90秒間乾燥を行い、0.25μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ISI社製 NA=0.6)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
本条件は、純水を用いた液浸露光法によりレジストパターンを形成するものである。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、120℃で、60秒間ベークを行い、250nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.75)を用い、パターン露光した。液浸液としては不純物5ppb以下の超純水を使用した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
線幅90nmのラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが90nm±10%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
パターンプロファイル(パターン形状):
線幅90nmのラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量におけるプロファイルを走査型顕微鏡(SEM)により観察した。
比較例で使用されている比較化合物の略号は、次の通りである。
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
HEP:N−ヒドロキシエチルピペリジン
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DCMA:ジシクロヘキシルメチルアミン
TPA:トリペンチルアミン
HAP:ヒドロキシアンチピリン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
TOA:トリオクチルアミン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:2−ヘプタノン
A3:シクロヘキサノン
A4:γ−ブチロラクトン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
LCB:リトコール酸t−ブチル
(1)下層レジスト層の形成
6インチシリコンウエハにFHi−028DDレジスト(富士フィルムオーリン社製i線用レジスト)を東京エレクトロン社製スピンコーターMark8を用い塗布し、90℃で、90秒間ベークし、膜厚0.55μmの均一膜を得た。
これを更に200℃で、3分間加熱し、膜厚0.40μmの下層レジスト層を形成させた。
下記表4に示す成分を溶剤に溶解させ、固形分濃度11質量%の溶液を調製し、口径0.1μmのメンブレンフィルターで精密ろ過して上層レジスト組成物を調製した。
下層レジスト層の上に上層レジスト組成物を同様に塗布し、130℃で、90秒間加熱して、膜厚0.20μmの上層レジスト層を形成させた。
こうして得られたウェハーに、ISI社製ArFエキシマステッパー9300に解像力マスクを装填して露光量を変化させながら露光した。
次いで、120℃で、90秒間加熱した後、テトラヒドロアンモニウムヒドロキシド現像液(2.38質量%)で60秒間現像し、蒸留水でリンスし、乾燥して上層パターンを形成させ、実施例1と同様に露光ラチチュード、パターン形状を評価した。
結果を表4に示した。
<レジスト調製>
下記表5に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度14質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.4μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、KrFエキシマレーザーステッパー(NA=0.63)を用いラインアンドスペース用マスクを使用してパターン露光し、露光後すぐに110℃で90秒間ホットプレート上にて加熱した。更に2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃下60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを形成し、実施例1と同様に露光ラチチュード、パターン形状を評価した。
評価結果を表5に示す。
<レジスト調製>
下記表7に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度14質量%のネガ型レジスト溶液を調製した。
調製したネガ型レジスト溶液につき実施例21におけるのと同様の方法で評価を行い、結果を表7に示した。
<レジスト調製>
上記表5に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度12質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.3μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜を、ニコン社製電子線プロジェクションリソグラフィー装置(加速電圧100keV)で照射し、照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上にて加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインアンドスペースパターンを形成し、実施例1と同様に露光ラチチュード、パターン形状を評価した。
評価結果を表8に示す。
<レジスト調製>
上記表7に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度12質量%のネガ型レジスト溶液を調製した。
調製したネガ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.3μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜を、ニコン社製電子線プロジェクションリソグラフィー装置(加速電圧100keV)で照射し、照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインアンドスペースパターンを形成し、実施例1と同様に露光ラチチュード、パターン形状を評価した。
評価結果を表9に示す。
前記表5に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度8質量%のポジ型レジスト溶液を調製し、下記の通り評価を行った。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.15μmのレジスト膜を形成させた。得られたレジスト膜にEUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃で、90秒間ベークした。その後2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。
評価結果を下記表10に示す。
Claims (7)
- 活性光線又は放射線の照射により下記一般式(I)で表される構造を有する有機酸を発生する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
一般式(I)中、
Aは、2価の有機基を表す。
Bは、SO(NSO2R)を表す。
Cは、SO2又はSO(NSO2R)を表す。
Rは、1価の有機基を表す。複数のRは同一でも異なっていても良く、結合して環状構造を形成していてもよい。 - Rが、フッ素原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- Aが、フッ素原子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性組成物。
- 活性光線又は放射線の照射により一般式(I)で表される有機酸を発生する化合物が、一般式(I)で表される有機酸のスルホニウム塩化合物又は一般式(I)で表される有機酸のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 一般式(I)で表される構造を有する有機酸およびその金属塩。
一般式(I)中、
Aは、2価の有機基を表す。
Bは、SO(NSO2R)を表す。
Cは、SO2又はSO(NSO2R)を表す。
Rは、1価の有機基を表す。複数のRは同一でも異なっていても良く、結合して環状構造を形成していてもよい。 - スルホニウム塩化合物又ヨードニウム塩化合物であることを特徴とする請求項6に記載の一般式(I)で表される構造を有する有機酸の金属塩。
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