JP4783657B2 - ポジ型レジスト組成物及び該組成物を用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
優れ、且つ、ラインエッジラフネス、パターン倒れが改良されたポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
<1> 下記一般式(LC1−4)又は(LC1−13)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A1)、該樹脂(A1)よりもアルカリ現像液に対する溶解速度が3倍以上大きな、酸基を有する繰り返し単位、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位、水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位、及び下記一般式(LC1−4)又は(LC1−13)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A2)、及び、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(B)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物(但し、樹脂(A1)が樹脂(a)であり、樹脂(A2)が樹脂(b)である場合、樹脂(A1)が樹脂(c)であり、樹脂(A2)が樹脂(d)である場合を除く)。
Rb2は、置換基を表す。n2は0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRb2は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。
樹脂(a)〜(d):それぞれ、以下に示す繰り返し単位からなる樹脂である。なお、繰り返し単位についての比率はモル%である。
<2> 樹脂(A1)が単環または多環の環状炭化水素構造を有することを特徴とする上記<1>に記載のポジ型レジスト組成物。
<3> 樹脂(A1)が水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のポジ型レジスト組成物。
<4> 樹脂(A2)が含有する水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位における水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基が、下記一般式(FA−1)又は(FA−2)で表される基であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(FA−1)において、R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。
<5> 樹脂(A2)が樹脂(A1)よりも大きな重量平均分子量を有することを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載のレジスト組成物により形成されたレジスト膜。
<7> 上記<6>に記載のレジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
<8> 該レジスト膜を、液浸液を介して露光、現像することを特徴とする上記<7>に記載のパターン形成方法。
本発明は、上記<1>〜<8>に係る発明であるが、以下、他の事項も含めて記載している。
(1)酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A1)、該樹脂(A1)よりもアルカリ現像液に対する溶解速度が3倍以上大きな、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A2)、及び、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(B)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(3)樹脂(A1)が水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4)樹脂(A1)が、ラクトン基および酸無水物構造から選ばれる繰り返し単位を少なくとも一つ含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(5)樹脂(A2)が酸基を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(6)樹脂(A2)が樹脂(A1)よりも大きな重量平均分子量を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のレジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(酸分解性樹脂)として、2種類含有し、樹脂(A1)、及び、樹脂(A1)よりもアルカリ現像液に対する溶解速度が3倍以上大きな樹脂(A2)を含有する。
樹脂(A1)又は(A2)のアルカリ現像液に対する溶解速度は、樹脂(A1)又は(A2)の樹脂膜を、アルカリ現像液に浸漬した際に樹脂膜の膜厚が減少する平均速度で定義される。
樹脂(A1)又は(A2)のアルカリ現像液に対する溶解速度は、具体的には、予めシリコンウエハー上に有機反射防止膜として日産化学工業(株)製ARC−29A(78nm)を塗布し、その基板上に膜厚200nmの樹脂(A1)又は(A2)の樹脂膜を形成し、それを23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)に浸漬した際の樹脂膜の膜厚減少速度をリソテックジャパン製レジスト現像アナライザー(RDA)を用いて測定することで求めることができる。浸漬時間は樹脂の溶解速度によって異なり、膜厚200nmの樹脂膜が完全に溶解するよりも長い時間浸漬することが望ましい。
ここで「酸基」とは25℃、水溶液中でのpKaが2以上12以下である基のことを指す。pKaが2以上12以下に限定される理由は、pKaが2以上であると脂環式構造と酸性置換基とのアルカリ溶解性の差異が大きすぎず適当であり、アルカリ現像で解像性の良好なレジストパターンの形成が容易であり、pKaが12以下であることでアルカリ溶解性の向上が十分確保される。
樹脂(A2)に含有される酸基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基、1位または2位が電子吸引性基で置換された脂肪族水酸基、電子吸引性基で置換されたアミノ基(例えばスルホンアミド基、スルホンイミド基、ビススルホニルイミド基)、電子吸引性基で置換されたメチレン基またはメチン基(例えばケトン基、エステル基から選ばれる少なくとも2つで置換されたメチレン基、メチン基)が好ましい。
環環状炭化水素基を有する繰り返し単位、ラクトン基を有する繰り返し単位を含有する4元共重合樹脂であることが特に好ましい。
更に好ましくは樹脂(A1):3000〜9000、樹脂(A2):9000〜30000、最も好ましくは樹脂(A1):3000〜9000、樹脂(A2):9000〜20000である。樹脂(A2)の重量平均分子量を樹脂(A1)よりも大きくすることで、レジストパターンの側壁がスムーズになり、更に優れたラインエッジラフネスを与える。
なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換
算値をもって定義される。
本発明においては、酸分解性基は、アセタール基又は3級エステル基が好ましい。
樹脂(A)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R12〜R14の内の少なくとも1つ、もしくはR15及びR16のいずれかは、シクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R17〜R21の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基を表す。また、R19及びR21のいずれかは、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R22〜R25の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子
団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基又は
シクロアルキル基を表す。Rl3'〜R16'の内の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは0又は1を表す。
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基及びウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは、単結合である。
Rp1は、一般式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
R11'及びR12'のアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が挙げられる。
Z'の脂環式構造を形成するための原子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水
素構造を有する繰り返し単位を形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素構造を有する繰り返し単位を形成する原子団が好ましい。
い置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキ
ル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基等が挙げられる。n2は、0〜4
の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRb2は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げる
ことができる。
Rb0は、水素原子、メチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環若しくは多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
Abは、好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は、
直鎖、分岐アルキレン基、単環若しくは多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)の内のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R
4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cの内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
IIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又
は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す
。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
本発明はこれらに限定されない。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rxaは、水素原子又は有機基(好ましくは、酸分解性保護基、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基)を表す。
R50〜R55は、すべてフッ素原子であることが好ましい。
Rxは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rxのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Faは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合)を表す。
Fbは、単環または多環の環状炭化水素基を表す。
Fcは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合、メチレン基)を表す。
F1は、一般式(F1)で表される基を表す。
P1は、1〜3を表す。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
(1) 上記一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有するもの(側鎖型)。
好ましくは(pI)〜(pV)の構造を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位を含有するもの。
(2) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位を含有するもの(主鎖型)。
但し、(2)においては例えば、更に、以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有するもの(ハイブリッド型)。
Rxy1は、水素原子またはメチル基を表す。
Rxa1及びRxb1は、各々独立に、メチル基またはエチル基を表す。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基
、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
本発明のレジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素
類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
り酸を発生する化合物も使用することができる。
II)で表される化合物を挙げることができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオンを表す。
ニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
くは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有
さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
化合物を挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール
基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
である。
また、酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合
物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸又はフッ素置換イミド酸のスルホニウム塩である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカン
スルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
酸発生剤のレジスト組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724, 355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、上記脂環炭化水素系酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20A/秒以上が好ましい。特に好ましくは200A/秒以上である。
ンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体、ポリビニルアルコール誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
〔5〕塩基性化合物
本発明のレジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
本発明のレジスト組成物は、更に、界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新
秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、
メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合して
いてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
キシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C3F7基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
本発明において使用される溶剤として好ましくは、少なくとも1つのケトン構造を有する溶剤である。
ケトン構造を有する溶剤としては、鎖状ケトン溶剤、環状ケトン溶剤が挙げられ、合計炭素数5〜8の化合物が塗布性が良好で好ましい。
鎖状ケトン溶剤としては、例えば、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノンである。
環状ケトン溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、イソホロン等挙げられ、好ましくはシクロヘキサノン、シクロヘプタノンである。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
乳酸アルキルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。
ラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
ケトン系溶剤と上記併用溶剤の比率(質量比)は、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30である。
これら高沸点溶剤の添加量は、全溶剤中の通常0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。
本発明のレジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時にレジスト膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。
本発明のレジスト組成物を液浸露光する場合に、レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜100nmで使用されることが好ましい。レジスト組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
レジスト組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
すなわち、レジスト組成物を、精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常30〜500nm)で塗布する。塗布後、必要に応じて、液浸水にてレジスト膜を洗浄する。洗浄時間は通常5秒〜5分である。
続いて、スピンまたはベークにより塗布されたレジストを乾燥し、レジスト膜を形成後、パターン形成のためマスクなどを通し、液浸水を介して露光(液浸露光)する。たとえば、レジスト膜と光学レンズの間を液浸液で満たした状態で露光する。露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、必要に応じて、レジスト膜を液浸水で洗浄する。時間は通常5秒〜5分である。続いて、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、良好なパターンを得る。上記ベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。前述したPEDの点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられる。
尚、レジストを液浸露光に適用したときに見られる性能上の変化は、レジスト表面が液浸液に接触することに由来しているものと考えられる。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
樹脂(RA−1−1)の合成
下記構造式で表されるmonomer-1、monomer-2、monomer-3を40/20/40の割合(モル比)で仕込み、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3(質量比)に溶解し、固
形分濃度15質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製重合開始剤V−601を1mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて、100℃に加熱したPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3(質量比)の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1(質量比)の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(RA−1−1)を回収した。得られた樹脂の重量平均分子量は7300、分散度(Mw/Mn)は1.80であった。他の樹脂についても同様の手法を用いて合成した。
樹脂(RA−2−1)の合成
下記構造式で表されるmonomer-1、monomer-2、monomer-3、monomer-4を40/20/25/15の割合(モル比)で仕込み、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3(質量比)に溶解し、固形分濃度15質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製重合開始剤V−601を1mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて、100℃に加熱したPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3(質量比)の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(RA−2−1)を回収した。得られた樹脂の重量平均分子量は15000、分散度(Mw/Mn)は1.89であった。他の樹脂についても同様の手法を用いて合成した。
<レジスト調製>
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターまたはポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果を表1に示した。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜として日産化学工業(株)製ARC−29A(78nm)を塗布した基板上にレジストを塗布、120℃、60秒ベークして0.16μmの膜厚で塗設した。このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザースキャナ(ASML社製 PAS5500/1100 NA=0.75)で露光し、露光後直ちに
120℃、60秒間ホットプレート上で加熱(PEB)した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、レジストラインパターンを得た。90nm(ライン/スペース=1/1)のパターンを測長SEM((株)日立製作所S−9260)により観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲について、エッジのあるべき基準線からの距離を32ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。表1には同様の操作をマスクパターン上の20ポイントで行い、平均化した値を示した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
90nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくく、解像力が高いことを示す。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜として日産化学工業(株)製ARC−29A(78nm)を塗布した基板上に樹脂溶液を塗布、120℃、60秒ベークして0.20μmの膜厚で塗設した。リソテックジャパン製レジスト現像アナライザー(RDA)を用いて、この樹脂膜を23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)へ浸漬した際の膜厚減少速度を算出した。この値が大きいほどアルカリ溶解速度が速いことを示す。結果を表1に示す。
N−3: ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン
N−4: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール
N−5: 4−ジメチルアミノピリジン
N−6: トリオクチルアミン
N−7: ジシクロヘキシルメチルアミン
N−8: N−フェニルジエタノールアミン
W−2: メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
(シリコン系)
W−4: トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−2: 2−ヘプタノン
SL−3: 乳酸エチル
SL−4: プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−5: シクロヘキサノン
SL−6: γ−ブチロラクトン
<レジスト調製>
実施例1〜11の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度7質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価した。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したレジスト組成物を塗布し、115℃で、60秒間ベークを行い130nmのレジスト膜を形成した。こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。尚、2光束干渉露光(ウエット)では、図1に示すように、レーザー1、絞り2、シャッター3、3枚の反射ミラー4,5、6、集光レンズ7を使用し、プリズム8、液浸液(純水)9を介して反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー10に露光を行った。レーザー1の波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズム8を使用した。露光直後に115℃で、90秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たレジストパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察したところ65nmのラインアンドスペースパターンが解像した。
本発明のレジスト組成物は、液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。
(KrFポジ型レジスト)
<レジスト調製>
下記表2に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.05μ mのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度14質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.4 mのレジスト膜を形成させた。 このレジスト膜に対し、KrFエキシマレーザーステッパー(NA=0.63)を用いラインアンドスペース用マスクを使用してパターン露光し、露光後すぐに110℃で90秒間ホットプレート上て加熱した。更に2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃下60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを形成した。
130nm(ライン/スペース=1/1)のパターンを測長SEM((株)日立製作所S−9260)により観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲について、エッジのあるべき基準線からの距離を32ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。表1には同様の操作をマスクパターン上の20ポイントで行い、平均化した値を示した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
130nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくく、解像力が高いことを示す。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜として日産化学工業(株)製ARC−29A(78nm)を塗布した基板上に樹脂溶液を塗布、120℃、60秒ベークして0.20μmの膜厚で塗設した。リソテックジャパン製レジスト現像アナライザー(RDA)を用いて、この樹脂膜を23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)へ浸漬した際の膜厚減少速度を算出した。この値が大きいほどアルカリ溶解速度が速いことを示す。結果を表2に示す。
<レジスト調製>
前記表2に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.05μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度8質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱
乾燥を行い、0.15μmのレジスト膜を形成させた。得られたレジスト膜にEUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃、90秒ベークした。その後2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー
11 ウエハーステージ
Claims (8)
- 下記一般式(LC1−4)又は(LC1−13)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A1)、該樹脂(A1)よりもアルカリ現像液に対する溶解速度が3倍以上大きな、酸基を有する繰り返し単位、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位、水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位、及び下記一般式(LC1−4)又は(LC1−13)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂(A2)、及び、活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(B)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物(但し、樹脂(A1)が樹脂(a)であり、樹脂(A2)が樹脂(b)である場合、樹脂(A1)が樹脂(c)であり、樹脂(A2)が樹脂(d)である場合を除く)。
Rb2は、置換基を表す。n2は0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRb2は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。
樹脂(a)〜(d):それぞれ、以下に示す繰り返し単位からなる樹脂である。なお、繰り返し単位についての比率はモル%である。
- 樹脂(A1)が単環または多環の環状炭化水素構造を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 樹脂(A1)が水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 樹脂(A2)が含有する水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位における水酸基またはシアノ基で置換された多環環状炭化水素基が、下記一般式(FA−1)又は(FA−2)で表される基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
一般式(FA−1)において、R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。 - 樹脂(A2)が樹脂(A1)よりも大きな重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジスト組成物により形成されたレジスト膜。
- 請求項6に記載のレジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
- 該レジスト膜を、液浸液を介して露光、現像することを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
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