JP2007245907A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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正基 千葉
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宜久 岡本
Hiroko Gendo
浩子 玄道
Kazushi Fukuniwa
一志 福庭
Naoki Yamada
直樹 山田
祐介 ▲高▼下
Yusuke Takashita
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Abstract

【課題】 ドライバーに応じて操舵反力を適切に設定できる操舵反力制御機構を実現し、もって操舵負担の軽減または正確な舵角コントロールに寄与する。
【解決手段】 所定期間内あるいはステアリングホイールを強制的に所定量回転させるときに行われたドライバーのステアリング操作の操作量に基づいて、当該ドライバーの機械的インピーダンスを推定し、その機械的インピーダンスに基づいて、前記ステアリングホイールの操舵反力を設定する。その後、車両の運転状態に基づいて前記操舵反力を変更する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用操舵装置に関する。
現在、多くの自動車にパワーステアリング装置が装着されている。パワーステアリング装置は操舵力の軽減に大いに役立っている。
その一方で、操舵装置には、操舵に適切な反力のフィードバックが得られることも要求されており、種々の反力制御機構が提案されている。たとえば、特許文献1は、車速と路面状況に応じて操舵反力を制御する機構を開示している。特許文献2は、車速と、タイヤ切れ角の目標値と実値との偏差とに基づいて操舵反力を制御する機構を開示している。
特開平11−78947号公報 特開2004−210024号公報
しかし、適切な操舵反力はドライバーによって異なるはずである。特許文献2には、ドライバーの好みに合わせて操舵反力の加え加減を調節できることも提案されているが、現在のところ、これを自動的に行うことはできない。
したがって本発明は、ドライバーに応じて操舵反力を適切に設定できる操舵反力制御機構を実現し、もって操舵負担の軽減または正確な舵角コントロールに寄与することを目的とする。
本発明の一側面に係る車両用操舵装置は、ステアリングホイールと、前記ステアリングホイールを回転させるためのモータと、前記ステアリングホイールを強制的に所定量回転させるべく、前記モータを駆動するための測定信号を発生する発生手段と、前記測定信号に応じた前記モータの駆動による前記ステアリングホイールの回転に反応して行われたドライバーのステアリング操作の操作量に基づいて、当該ドライバーの機械的インピーダンスを推定する推定手段と、前記推定手段により推定された前記機械的インピーダンスに基づいて、前記ステアリングホイールの操舵反力を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記操舵反力を、車両の運転状態に基づいて変更する変更手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、ドライバーごとに、車両の運転状態に基づいて操舵反力が適正に設定される。
本発明の別の側面に係る車両用操舵装置は、ステアリングホイールと、所定のタイミングにおいてなされたドライバーの前記ステアリングホイールに対するステアリング操作の操作量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記操作量に基づいて、当該ドライバーの機械的インピーダンスを推定する推定手段と、前記推定手段により推定された前記機械的インピーダンスに基づいて、前記ステアリングホイールの操舵反力を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記操舵反力を、車両の運転状態に基づいて変更する変更手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、ドライバーごとに、車両の運転状態に基づいて操舵反力が適正に設定される。
本発明の好適な実施形態によれば、前記変更手段は、車両走行開始時は、前記操舵反力の変更量を大きくし、走行中は、変更量を小さくすることが好ましい。
この構成によれば、車両走行開始時の操舵反力をより適切に設定することができる。
本発明の好適な実施形態によれば、ドライバーが前回と同一か否かを判定する手段を更に有し、前記変更手段は、ドライバーが前回と同一である場合には、前記操舵反力の変更量を、前回との偏差量を所定値内に補正することが好ましい。
この構成によれば、ドライバーが同一であるかぎり、いつ乗車しても同様な操舵反力が得られる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記変更手段は、走行中は、前記操舵反力を徐々に変更することが好ましい。
この構成によれば、走行中の急激な操舵反力の変更によってドライバーに不自然な操舵フィーリングを与えることがない。
本発明の好適な実施形態によれば、前記変更手段は、直進走行中に、前記操舵反力を変更することが好ましい。
この構成によれば、旋回中に操舵反力が変更されることによってドライバーに不自然な操舵フィーリングを与えることがない。
本発明によれば、ドライバーに応じて操舵反力を適切に設定することができ、これにより操舵負担の軽減または正確な舵角コントロールに貢献することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。また、以下ではさまざまな実施形態を示すが、適宜、各実施形態同士を組み合わせ可能であることはいうまでもない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態における操舵装置1の概略構成を示す図である。
図1において、2がステアリングホイールで、このステアリングホイール2には、その操舵角を検出する操舵角センサ3、操舵反力を与えるための操舵反力発生モータ4が付設されている。
左右一対のタイヤ6,6は、ナックルアーム7,7、タイロッド8,8、およびステアリングロッド9によって連結されており、ステアリングロッド9の中央部には、ステアリングロッド9を軸方向に駆動してタイヤ6に切れ角を与えるためのステアリングモータ10が設けられている。
図1に示した操舵装置1は、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・タイプである。すなわち、ステアリングロッド9はステアリングシャフトなどによってステアリングホイール2にメカニカルに接続されるのではなく、電気的に接続されている。この電気的な接続によって操舵コントロールを司るのが、制御ユニット(C/U)11である。舵角センサ3の検出値(ドライバーがステアリングホイール2に与えた操作量に相当する。)は制御ユニット11に入力され、制御ユニット11がステアリングモータ10にその制御値を出力するように構成されている。そして、制御ユニット11は基本的に、舵角センサ3の検出値に基づいてタイヤ6の切れ角の目標値を算出し、その目標値に従ってステアリングモータ10をフィードバック制御することでタイヤ切れ角を制御する。
操舵装置1はさらに、以下の構成要素を備える。12は、車速を検出する車速センサ、13は、図示しないドライバーズシートのシートスライド位置を検出するシートスライドセンサである。また、この操舵装置1は、ステアリングホイール2の車両前後方向の位置を調節可能にするテレスコピック機構を有しており(図示省略)、これに伴いテレスコピック位置を検出するテレスコピック位置センサまたはステア位置センサ14も設けられている。15は、ICカード15aからドライバーの情報(詳細は後述)を読み取るためのICカードリーダである。また、16は、ドライバーの画像情報を取得する画像センサ(たとえば、CCDカメラで構成される)である。
図2は、制御ユニット11の構成を示すブロック図である。
制御ユニット11は、図示の如く、本装置の制御を統括的に実行するCPU111、CPU111のワークエリアを提供するRAM112、および、固定的なプログラムやデータを記憶しているROM113をはじめ、ICカードリーダ15を接続するためのインタフェース(I/F)116、画像センサ16を接続するためのインタフェース117を備える。ROM113には具体的には、上記した基本的な操舵制御および後述する操舵反力制御を実現するための操舵制御プログラム114、後述する操舵反力制御において参照される人間インピーダンス算出用参照テーブル(LUT)115が記憶されている。以上のCPU111、RAM112、ROM113、インタフェース116および117はそれぞれ、バス118に接続されている。また、上記した舵角センサ3、車速センサ12、シートスライドセンサ13、およびテレスコピック位置センサまたはステア位置センサ14もそれぞれ、バス118にたとえば直結され、ICカードリーダ15および画像センサ16はそれぞれ、インタフェース116および117を介してバス118に接続されている。
本実施形態における操舵装置1の構成は概ね以上のとおりである。
次に、本実施形態における操舵反力制御について説明する。
ステアリングホイール2を握るドライバーは、ステアリングホイール2側からみるとステアリングホイールの回転に対する抵抗とみなすことができる。本明細書ではこの抵抗のことを、ドライバーの「人間インピーダンス」あるいは「機械的インピーダンス」とよぶ。人間インピーダンスはドライバーの操舵力に規定する値である。操舵力はドライバーによって異なるから、ドライバーによって人間インピーダンスは異なるといえる。したがって、この人間インピーダンスを求めることで、ドライバーに応じた操舵反力を設定することが可能である。以下で説明するように、本実施形態では、ドライバーの性差、年齢、体格などによって人間インピーダンスを推定する。
ドライバーの人間インピーダンスから求まるステアリングホイール2に与える操舵トルク(以下「人間インピーダンストルク」という。)Tは、次式によって表すことができる。
Figure 2007245907
ただし、
Figure 2007245907
はそれぞれ、ステアリングホイール2の舵角、舵角変化率、舵角変化加速度である。また、K,B,Mは人間インピーダンスの特性パラメータを表し、具体的にはそれぞれ、剛性係数、粘性係数、慣性係数を示している。
図3は、本実施形態における操舵反力制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートに対応するプログラムはROM113に記憶されている操舵制御プログラム114に含まれ、CPU111によって実行されるものである。
まず、ステップS101で、ICカードリーダ15によりICカード15aに書き込まれているドライバーの情報を読み込む。ここで必要となるドライバーの情報としては、たとえば、ドライバーの性別、年齢、体重および身長である。
次に、ステップS102で、読み込んだ情報に基づいてドライバーの体格を推定する。ステップS101においてドライバーの性別、年齢、体重および身長のデータをすべて読み込むことに成功した場合には、その読み込んだ値がそのまま推定値として使える。
しかし、ICカード15aにこのような情報が入力されておらず、これらのデータの読み込み失敗する場合も予想される。そこでこのような場合には、シートスライドセンサ13の検出値により特定されるシートスライド位置および、テレスコピック位置センサまたはステア位置センサ14の検出値により特定されるテレスコピック位置に基づいて、ドライバーの体格を推定するとよい。たとえば、シートスライド位置およびテレスコピック位置と、身長および体重との関係を記述した参照テーブルをROM113にあらかじめ記憶させておき、これを参照することでドライバーの身長、体重を推定することができる。
あるいは、ドライバーに向けて設けられている画像センサ16を用いてドライバーの画像を検出し、この検出結果に基づいてドライバーの体格を推定してもよい。たとえば、あらかじめ、それぞれ性別や体格が異なる代表的なドライバーのテンプレート画像を複数記憶しておき、公知のパタンマッチングの手法により画像センサ16より得られた画像にもっとも類似するテンプレート画像に対応する性別、体格を特定するようにすればよい。
次に、ステップS103で、ステップS102での体格推定結果に基づいて、人間インピーダンスの特性値である剛性係数K、粘性係数B、慣性係数Mを算出する処理を行う。本実施形態では、これらの係数はROM113に記憶されている人間インピーダンス算出用LUT115を参照することで特定することができる。
図4に、人間インピーダンス算出用LUT115のデータ構造例を示す。
本実施形態における人間インピーダンス算出用LUT115は、剛性係数K、粘性係数B、慣性係数MそれぞれのLUTを含んでいる。同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ、剛性係数K、粘性係数B、慣性係数MのLUTの構造例を示している。図示の如く、身長および体重別に係数値が配列されており、身長と体重を入力すれば対応する係数を出力することができる。また、図示のように、それぞれのLUTは性別ごと、年齢ごとに別々のサブLUTが構成されており、性別、年齢に応じたサブLUTを参照するようにするとよい。
次に、ステップS104で、上述の式(1)にステップS103で特定した剛性係数K、粘性係数B、慣性係数Mを適用することにより、人間インピーダンストルクTを算出する。
次に、ステップS105で、ステップS104で求めた人間インピーダンストルクTから、目標操舵反力T0を算出する。T0はたとえば次式によって算出される。
T0=T+k
ただし、kは所定の定数からなる補正項である。
次に、ステップS106で、操舵反力変更処理を行う。図5に、この操舵反力変更処理の具体的な手順を示す。
まず、ステップS61で、車両は現在停止しているか否かを、車速センサ12の検出値により判断する。停止中の場合はステップS62に進み、停止中でない場合にはステップS67に進む。
ステップS62では、前回処理時と同じドライバーかどうかを判断する。ICカードリーダ15からドライバー情報が読み取れる場合にはその情報を用いて判断できる。ICカードからの判断ができない場合には、上述と同様に画像センサ16やシートスライドセンサ13、テレスコピック位置センサまたはステア位置センサ14を用いて同じ体格かどうかで判断してもよい。ここで前回と同じドライバーであると判断された場合にはステップS63に進み、そうでなければステップS66に進む。
ステップS63では、現在の操舵反力Trからの変更量ΔT(=T0−Tr)を算出する。
次に、ステップS64で、ΔTが前回の変更量ΔTbeforeより大きいか否かを判断する。ΔTが前回の変更量ΔTbeforeより大きい場合にはステップS65に進み、そうでなければステップS66に進む。
ステップS65では、現在の操舵反力Tr±ΔT×α(ただし、0.1≦α≦0.9)を、最終目標操舵反力T00とする。このT00は、ステップS105で算出した目標操舵反力T0より小さな値となる。
一方のステップS66では、Tr±ΔTを、最終目標操舵反力T00とする。このT00は、ステップS105で算出した目標操舵反力T0に等しい。
ステップS61において、車両が停止していない場合には、ステップS67に進む。ステップS67では、舵角センサ3の検出値により直進走行中であるか否かを判定する。直進走行中であればステップS68に進み、そうでなければステップS69に進む。
ステップS68では、現在の操舵反力Tr±ΔT×β(ただし、0.1≦β≦0.9)を、最終目標操舵反力T00とする。このT00は、ステップS105で算出した目標操舵反力T0より小さな値となる。この時点は直進走行中であるとはいっても、操舵フィーリングを急激に変化させるのは好ましくないので、βの値を徐々に変化させることが好ましい。
一方のステップS69では、ステップS105で算出した目標操舵反力T0をそのまま最終目標操舵反力T00とする。すなわち、この時点は操舵中であり、操舵フィーリングを変更するのは好ましくないので、変更は禁止する。
以上説明した実施形態1によれば、ドライバーに応じて操舵反力を適切に設定することができる。
なお、上述の実施形態1では、図1に示したようなステア・バイ・ワイヤ・タイプの操舵装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図6に示すような、ステアリングロッド9がステアリングシャフト21を介してステアリングホイール2にメカニカルに接続されるコンベンショナル・タイプであってもよい。なお、コンベンショナル・タイプの場合の構成について付言しておくと、ステアリングロッド9は減速機構部22を介してステアリングシャフト22に接続されており、操舵反力発生モータ4は、この減速機後部22に作用するように構成される。このような構成によっても、上述の実施形態を同様に適用可能である。
(実施形態2)
図7は、本実施形態における操舵装置1の概略構成を示す図である。この操舵装置1は、図1と同様のステア・バイ・ワイヤ・タイプである。図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してそれらの説明は省略する。以下では図1と異なる部分について説明する。
ステアリングホイール2には、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ71が付設されているとともに、ドライバーのステアリングホイールを把持状態を検出するための圧力センサ72、静電容量の変化からステアリングホイールの把持位置を判断するための静電センサ73が設けられている。
本実施形態における操舵装置1はこの他に、低μ路の検出や路面段差を検出するための路面センサ74、エンジン始動を検出するエンジン始動センサ75、ドライバーの緊張度を検出するための脈拍センサ76を有する。なお、車両がエンジンの他に電気モータを駆動源として用いるいわゆるハイブリッド車である場合には、エンジン始動センサ75は電動モータのスタートスイッチのONを検出することになる。
以上の操舵トルクセンサ71、圧力センサ72、静電センサ73、路面センサ74、エンジン始動センサ75、脈拍センサ76はそれぞれ、制御ユニット11に接続される。
また、本実施形態では、操舵反力発生モータ4は、後述するように、人間インピーダンスを推定するためにステアリングホイール2を強制的に所定量回転させるためにも使用される。
次に、本実施形態における操舵反力制御について説明する。
図8は、本実施形態における操舵反力制御処理を示すフローチャートである。このフローを概観すると、ステップS204において、実施形態1(図3)におけるステップS103のように、人間インピーダンスの特性を表す剛性係数、粘性係数、慣性係数の算出処理を行っている。ただし本実施形態は、実施形態1のようにドライバーの体格に基づいて人間インピーダンスを算出するのではなく、後述するように、測定のためにステアリングホイール2を強制的に所定量回転させ、それに反応して行われたドライバーのステアリング操作の操作量を基礎に人間インピーダンスを求める。すなわち、実測によって人間インピーダンスを求めるのが第1の実施形態と大きく異なる点である。このように実測によって人間インピーダンスを求める場合には、車両から受ける外乱を考慮する必要がある。そこで、ステップS202〜S204では、人間インピーダンスを推定するに際し、外乱を除去する処理が組み込まれている。
ステップS205以降の処理は、実施形態1と概ね同様な処理が行われる。すなわち、ステップS205が実施形態1(図3)におけるステップS104の人間インピーダンストルク算出処理に相当し、ステップS206が、ステップS105の目標操舵反力算出処理に相当し、ステップS207が、ステップS106の操舵反力変更処理に相当する。
さて、ステップS201では、舵角センサ3、シートスライドセンサ13、テレスコピック位置センサまたはステア位置センサ14、操舵トルクセンサ71、圧力センサ72、静電センサ73、路面センサ74、エンジン始動センサ75、脈拍センサ76の各検出値を入力する。
続くステップS202〜S204は、上記のとおり、人間インピーダンスの特性を表す剛性係数、粘性係数、慣性係数の算出処理に係る。
まず、ステップS202では、外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスの算出を行う。「外乱インピーダンス」とは、車両の外乱によって生じるステアリングホイールの回転に対する抵抗をいう。
図9は、このステップS202における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。
まず、ステップS2021では、たとえば以下の測定条件Aが成立するどうかを判断する。
測定条件A:
(1)ドライバーがステアリングホイール2を把持しており、かつ、(2)車両が次の(a)〜(c)のいずれかの状態であること。
(a)エンジン始動時、
(b)定常旋回中、
(c)連続走行所定時間経過後。
なお、(1)の、ドライバーがステアリングホイール2を把持しているかどうかは、圧力センサ72の出力が所定値以上であるか否かで判断できる。また、(2)(a)のエンジン始動は、エンジン始動センサ75の出力によって知ることが可能であり、(b)の定常旋回は、舵角センサ3および車速センサ12の出力によって判断可能である。
上記測定条件Aが成立したときのみ次のステップS2022に進み、測定条件Aが不成立のときはこのフロー(S202)を抜ける。
ステップS2022では、ステアリングホイール2を強制的に所定量回転させるべく、操舵反力発生モータ4を駆動するための測定信号を発生する。ここで発生した測定信号によって強制回転されたステアリングホイール2に反応したドライバーのステアリング挙動は、舵角センサ3の出力と操舵トルクセンサ71の出力に表れる。このようすの一例を、図10に示す。
図10において、(a)は測定信号、(b)は舵角センサ3の出力、(c)は操舵トルクセンサ71の出力を示している。(a)に示すように、測定信号はパルス信号であることが望ましい。図示の実線の例は三角波パルスであるが、点線で示されているように矩形波パルスでもよい。また、このパルス幅は0.4秒以内で、そのときの舵角変化が5°以内もしくは操舵トルクが1.5N以上3N以下であることが好ましい。さらに好ましくは、パルス幅は図示のように約0.2秒で、そのときの舵角変化が約2°もしくは操舵トルクが約2Nであるとよい。
次のステップS2023では、以下に示すような推定禁止条件が成立するかどうかを判断する。
推定禁止条件:
次の(a)、(b)の少なくともいずれかを満たすこと。
(a)脈拍センサ76により検出される脈拍値が所定値を超えており、ドライバーの緊張度が高いと判断される。
(b)路面センサ74により検出される路面μが所定値よりも低いこと。
上記条件を満たす場合は、人間インピーダンスを安定して推定することができないと判断して、このフロー(S202)を抜ける。このようにして、上記条件を満たす場合には人間インピーダンスの推定が禁止されることになる。
上記の推定禁止条件が不成立の場合にはステップS2024に進む。ステップS2022で発生した測定信号によって強制回転されたステアリングホイール2に反応したドライバーのステアリング挙動は、舵角センサ3の出力と操舵トルクセンサ71の出力に表れる。ステップS2024では、図10に例示したような舵角センサ3の出力と操舵トルクセンサ71の出力を用いて、剛性係数K1、粘性係数B1、慣性係数M1を算出する。
図11は、ステップS2024における各係数の算出手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS241で、各測定時の舵角センサ3の出力から、舵角θ、舵角変化率θ’、舵角変化加速度θ”を検出するとともに、操舵トルクセンサ71の出力TRを検出する。
次のステップS242では、ステップS241で求めたθ、θ’、θ”およびトルクTRによって形成される空間において、各測定点からの誤差が最小となるよう最小二乗法を用いて近似曲線Lを求める。図12は、この演算の一例を模式的に表した図であり、θ、θ’、TRによる3次元空間において、最小二乗法を適用することで、各測定点からの誤差が最小となる直線Lが求められる。
次に、ステップS243で、図13の(a)に示すように、ステップS242で求めた近似直線Lの、θ−T座標面における傾きから、剛性係数K1を求める。次に、ステップS244で、図13の(b)に示すように、ステップS242で求めた近似直線Lの、θ’−T座標面における傾きから、粘性係数B1を求める。次に、ステップS245で、図13の(c)に示すように、ステップS242で求めた近似直線Lの、θ−T座標面における傾きから、慣性係数M1を求める。
このようにして、図9のステップS2024で、剛性係数K1、粘性係数B1、慣性係数M1がそれぞれ算出される。
処理は、図8のステップS203に進む。ステップS203では、外乱インピーダンスを求める処理を行う。この処理ステップは、ドライバーがステアリングホイール2を離している状態で行われる必要がある。その意味で、この処理ステップは必ずしもこの図8の処理フローの中で常に行われる必要はなく、たとえば、車両の工場出荷前などに予め実行しておいてもよい。
図14は、このステップS203における外乱インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。
まず、ステップS2031では、たとえば以下の測定条件B(外乱測定条件)のいずれかが成立するどうかを判断する。
測定条件B:
(1)車両停車中であり、かつ、(2)ステアリングホイール2がドライバーに把持されていないこと。
なお、(2)のステアリングホイール2がドライバーに把持されているか否かは、圧力センサ72の検出値に基づき判断するものとする。上記測定条件Bが成立した場合にはステップS2032に進み、不成立の場合にはステップS2036に進む。
ステップS2032では、図9のステップS2022と同様に、ステアリングホイール2を強制的に所定量回転させるべく、操舵反力発生モータ4を駆動するための測定信号を発生する。ここで発生した測定信号によってステアリングホイール2は強制回転されるが、このときの外乱によるステアリング挙動は、舵角センサ3の出力と操舵トルクセンサ71の出力に表れる。
ステップS2033では、図9のステップS2024と同様な方法(すなわち、図11〜図13を用いて説明した方法)で、剛性係数K0、粘性係数B0、慣性係数M0を算出する。
次に、ステップS2034で、算出した剛性係数K0、粘性係数B0、慣性係数M0がそれぞれ所定の範囲内にあるかどうかを検査する。すなわち、
α1<K0<α2、
β1<B0<β2、
γ1<M0<γ2
をすべて満たすかどうかを判断する。所定の範囲内にない係数が算出された場合、それは係数の誤検出であるとみなして、このフロー(S203)を抜ける。各係数がそれぞれ所定の範囲内にある場合には、ステップS2035に進む。
ステップS2035では、剛性係数K0、粘性係数B0、慣性係数M0のそれぞれについて、所定回数分の平均値を算出する。こうすることで定常的な外乱のインピーダンスを算出することができる。
一方、ステップS2031で上記の測定条件Bが成立しない場合には、ステップS2036に進み、以下の測定条件C(外乱無視可能条件)が成立するかどうかを判断する。
測定条件C:
(1)高速直進進行中、または、(2)一定角度以内の定常旋回中、であること。
なお、(1)の高速直進進行中であるかどうかは、および、(2)の一定角度以内の定常旋回中であるかどうかは、車速センサ12および舵角センサ3の出力から判断が可能である。
上記測定条件Cが成立したときはステップS2037に進み、剛性係数K0、粘性係数B0、慣性係数M0をそれぞれ、所定の定数α0、β0、γ0に設定した後、このフロー(S203)を抜ける。一方、上記測定条件Cが不成立の場合にはそのままこのフロー(S203)を抜ける。
以上のようにして、図8のステップS203で、外乱インピーダンスに係る、剛性係数K0、粘性係数B0、慣性係数M0がそれぞれ算出される。
処理は、図8のステップS204に進み、外乱の影響が除去された人間インピーダンスを求める。ステップS204の具体例を図15に示す。同図に示されるように、ここでは、剛性係数K、粘性係数B、慣性係数Mがそれぞれ、以下のように算出される(ステップS2041)。
剛性係数K: K=K1−K0、
粘性係数B: B=B1−B0、
慣性係数M: M=M1−M0
こうして、外乱の影響が除去された人間インピーダンスが求められる。
そして、処理は図8のステップS205に進む。上述したとおり、ステップS205以降の処理は、実施形態1と概ね同様な処理が行われる。すなわち、ステップS205が実施形態1(図3)におけるステップS104の人間インピーダンストルク算出処理に相当し、ステップS206が、ステップS105の目標操舵反力算出処理に相当し、ステップS207が、ステップS106の操舵反力変更処理に相当する。よって、これらステップS205〜S207の説明は、実施形態1におけるステップS104〜106の説明を援用することとし、ここでは説明を省略する。
以上説明した実施形態2によれば、ドライバーに応じて操舵反力を適切に設定することができる。
なお、上述の実施形態2では、図7に示したようなステア・バイ・ワイヤ・タイプの操舵装置について説明したが、実施形態1と同様、図6に示したものと類似のコンベンショナル・タイプの操舵装置に適用可能であることはいうまでもない。
(実施形態3)
実施形態3は、上述の実施形態2のバリエーションである。図10の(a)に、測定信号の一例を示したが、状況に応じてこの測定信号に補正を加えることが考えられる。
たとえば、図9のステップS2022で測定信号を発生する際に、車両の走行状態を検出して、その走行状態に応じて測定信号の補正を行う。具体的には、次のような走行状態の場合には、測定信号の振幅を大きくするように補正するとよい。
(a)路面センサ74により検出される路面μが所定値より低い場合。(b)定常旋回中、あるいは、連続走行所定時間経過後、において、舵角センサ3により検出される舵角が所定値より大きくなったとき。
(c)車速センサ12により検出される車速が所定値を超えたとき。
以上のようなケースは車両の外乱の影響が大きくなると考えられる。
また、走行状態の他にも、ドライバーの状態についても同様な補正を行うことが考えられる。たとえば、ドライバーの状態が次のような場合には、測定信号の振幅を大きくするように補正するとよい。
(a)圧力センサ72の出力によりドライバーがステアリングホイール2を握っているのが両手ではなく片手であると判断される場合。
(b)脈拍センサ76により検出される脈拍値が所定値を下回っており、ドライバーの緊張度が小さいと判断される場合。
(c)静電センサ73により検出されるステアリングホイール2の把持位置が左右位置よりもむしろ上下方向に位置している場合。
以上のようなケースは、当該ドライバーがステアリングホイール2の強制的回転を感じ取る能力が低いと判断されるので、このような場合には測定信号の振幅を大きくすることが好ましい。
このようにして、外乱の影響等を受けることなく、ステアリングホイールの強制的回転の強度を、ドライバーに違和感を与えない範囲で、確実にドライバーに伝達することができる。
(実施形態4)
実施形態4は、実施形態2のバリエーションである。図16は、本実施形態に係る、測定信号、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力の例を示す、図10に類似の図である。
この例は、測定信号の振幅を徐々に大きくしていく点に特徴がある。たとえば、図16の(a)に示すように、パルス幅がたとえば0.1sec程度の矩形波パルスを、徐々に大きくしながら連続的に出力する(P1,P2,P3,P4,…)。パルス振幅がP1のように小さければステアリングホイール2の強制的回転の力も弱くドライバーに知覚されないかもしれないが、P2,P3と大きくしていく過程で、ドライバーの反応が得られる(図16の(b)、(c))。そうするとたとえば、舵角センサ3の出力に基づき、舵角の変化率が所定値より大きく変化したことが検出された場合には、その時点で測定信号の発生を停止することができる。
こうすることで、無駄な測定信号の発生を抑止することができ、効率的な人間インピーダンスの測定を行うことが可能になる。
(実施形態5)
実施形態5は、実施形態2のバリエーションである。本実施形態では、剛性係数、粘性係数、慣性係数の推定に有効な周波数成分に特化した信号を測定信号として発生するものである。
たとえば、図17の(a1)に示すような、パルス信号が連続する単一波を測定信号として発生する。この信号は、人間インピーダンスの特性を示す慣性項、粘性項、剛性項にそれぞれ対応する3バンド周波数に対応した信号である。これに対するドライバーの反応は、(b1)、(c1)に示すような、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力として現れる。あるいは、(a2)に示すような、(a1)の各パルスを混合させた混合波を測定信号として発生させてもよい。これに対するドライバーの反応は、(b2)、(c2)に示すような、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力として現れることになる。
制御ユニット11では、(b1)あるいは(b2)のような舵角センサ3の出力信号を周波数スペクトル信号に変換する。図18に、その周波数スペクトルの包絡線の一例を示す。同図に示されるように、この包絡線には3つの包絡線ピークが観測される。典型的にはこのようなピークは、10Hz近傍、20Hz近傍、30Hz近傍に現れ、それぞれ、剛性係数、粘性係数、慣性係数の特徴を含んでいる。すなわち、これは人間インピーダンスの特性を示す慣性項、粘性項、剛性項にそれぞれ対応する3バンド周波数の信号である。そこで、それぞれのピークをバンドパスフィルタを用いて切り出す。そして、切り出したそれぞれの波形に対して、上述の実施形態2における最小二乗法と同様なパラメータ推定法であるロバスト推定法を適用し、これにより、剛性係数K1、粘性係数B1、慣性係数M1を推定する。
このような処理により、人間インピーダンスの特性である慣性係数、粘性係数、剛性係数を効率的に求めることができる。
(実施形態6)
実施形態6は、実施形態2のバリエーションである。本実施形態では、路面反力を模した信号を測定信号として発生するものである。図19の(a)に、路面反力を模した測定信号の一例を示す。これに対するドライバーの反応は、(b)、(c)に示すような、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力として現れることになる。
このような、路面反力を模した測定信号によれば、人間インピーダンスの測定のためのステアリングホイール2の強制的回転も、路面反力を模したものとなる。したがって、この測定のためのステアリングホイール2の回転によってドライバーに違和感を与えることがない。
(実施形態7)
上述の実施形態2における人間インピーダンス算出処理(図8、9のフローチャート参照)は、ステアリングホイール2を強制的に所定量回転させるべく、操舵反力発生モータ4を駆動するための測定信号を発生し(図9のステップS2022)、その測定信号に応じた操舵反力発生モータ4の駆動によるステアリングホイール2の回転に反応して行われたドライバーのステアリング操作の操作量に基づいて、人間インピーダンスを推定するものであった(ステップS2024)。
これに対し、実施形態7,8では、ドライバーにステアリング操作を行わせるトリガとしてステアリングホイールを強制的に回転させるなどの処理を不要とする手法を提案する。すなわち実施形態7,8では、所定のタイミングにおいて行われたドライバーのステアリング操作の操作量を検出し、この操作量に基づいて人間インピーダンスを推定する手法を説明する。
まず、本実施形態は、車両の路面段差の通過に伴うキックバックを、ドライバーにステアリング操作を行わせるためのトリガとして利用するものである。つまり上記の「所定のタイミング」とは、車両の路面段差の通過時に係るタイミングとする。
図20は、本実施形態における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理(図8のステップS202)の具体例を示すフローチャートであり、図9の代替となるフローチャートである。
まずステップS701では、路面センサ74の出力により路面段差の検出を行う。たとえば、路面センサ74の出力が所定値を超えたときを路面段差と判断する。路面段差が検出されてから所定時間内であるかどうかを判断し、路面段差が検出されてから所定時間内であると判断された場合のみ、ステップS702以降の処理を実行し、そうでなければこのフローを抜ける。
路面段差の通過に伴い、ステアリングホイール2はキックバックを受ける。ドライバーはこのキックバックに反応してステアリング操作を行うと考えられる。そこで、ステップS702では、路面段差通過時の舵角センサ3の出力と、操舵トルクセンサ71の出力を検出する。
次に、ステップS703で、以下に示すような推定禁止条件が成立するかどうかを判断する。
推定禁止条件:
次の(a)、(b)の少なくともいずれかを満たすこと。
(a)脈拍センサ76により検出される脈拍値が所定値を超えており、ドライバーの緊張度が高いと判断される。
(b)路面センサ74により検出される路面μが所定値よりも低いこと。
上記条件を満たす場合は、人間インピーダンスを安定して推定することはできないと判断して、このフローを抜ける。
一方、上記条件が不成立の場合には、ステップS704に進み、上述したようなステップS2024と同様にして、剛性係数K1、粘性係数B1、慣性係数M1を算出する。
このように本実施形態によれば、車両の路面段差の通過に伴うキックバックを、ドライバーにステアリング操作を行わせるためのトリガとして利用することができる。したがって、この場合には別途、ドライバーにステアリング操作を行わせるトリガとしてステアリングホイールを強制的に回転させるなどの処理は不要である。これにより、簡単な構成でドライバーのステアリング操作の操作量を測ることができる。
(実施形態8)
実施形態8は、上述の実施形態7のバリエーションである。
図21は、本実施形態における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理(図8のステップS202)の具体例を示すフローチャートであるが、図20との違いは、ステップS701の代わりにステップS711の判断処理が行われる点である。それ以降の処理ステップは図20と同じであるから、それぞれ同じ参照番号を付してそれらの説明は省略する。
ステップS711では、操舵トルクセンサ71の出力が所定時間内に所定値よりも大きく変化したか、または、舵角センサ3の出力が所定時間内に所定値よりも大きく変化したか、を判断する。この判断条件を満足するときに、ステップS702以降を実行する。
このステップS711の判断内容は、同じ操舵力特性のステアリングを回しても、ドライバーの人間インピーダンス特性の違いにより、操舵行動(すなわち、ステアリング挙動)が異なる(図22の(a),(b)のドライバーA,Bを参照。)、という事実を基礎にするものである。
この実施形態8によれば、ステアリング操作の操作量に対して外乱の影響を小さくすることができる(すなわち、S/Nが向上する)。したがって、高精度に人間インピーダンスを推定することができる。
(実施形態9)
実施形態9では、図24の(a)に示すように、元の操舵特性Pに対して、所定角度の部分に計測信号特性を重畳することで、実施形態2で説明したような測定信号を発生させる。
図23は、本実施形態における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理(図8のステップS202)の具体例を示すフローチャートであり、図9の代替となるフローチャートである。
まず、ステップS721では、舵角センサ3の出力が所定値であるか、または操舵トルクセンサが所定値であるか、を判断することにより、ステアリングホイール2が所定の舵角、所定のトルクにあるかを判断する。この条件を満たす場合にステップS722以降の処理を実行する。
ステップS722では、上記のとおり、元の操舵特性に所定角度範囲において、計測信号の特性を重畳させる。これを、時間と舵角との関係でみると、図24の(b)のように表される。図示の如く、所定角度範囲において突出した部分が計測信号を示している。
次に、ステップS723で、舵角センサ3の出力および操舵トルクセンサ71の出力を検出する(図24の(c)、(d)参照。)。
次に、ステップS724で、ステップS723で得られた舵角センサ出力波形および操舵トルクセンサ出力波形をそれぞれ、バンドパスフィルタ(BPF)に入力する。これにより、測定信号に対応した舵角センサ出力および操舵トルクセンサ出力を抽出する(図24の(e)、(f)参照。)。
以下、図9と同様に、ステップS2023(推定禁止判断)、ステップS2024(係数算出)を実行する。
以上の処理によれば、ステップS722で重畳入力された測定信号の特性が、ドライバーにステアリング操作を行わせるためのトリガとなる。したがって、確実にドライバーのステアリング操作の操作量を測ることができる。
実施形態1における操舵装置の概略構成を示す図である。 実施形態1における制御ユニットの構成を示すブロック図である。 実施形態1における操舵反力制御処理を示すフローチャートである。 実施形態1における人間インピーダンス算出用LUTのデータ構造例を示す図である。 実施形態における操舵反力変更処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態1の変形例に係る操舵装置の概略構成を示す図である。 実施形態2における操舵装置の概略構成を示す図である。 実施形態2における操舵反力制御処理を示すフローチャートである。 実施形態2における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 実施形態2における測定信号、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力の例を示す図である。 実施形態2における剛性係数、粘性係数、慣性係数の算出手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態2における剛性係数、粘性係数、慣性係数の算出手順を説明する模式図である。 実施形態2における剛性係数、粘性係数、慣性係数の算出手順を説明する模式図である。 実施形態2における外乱インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 実施形態2における、外乱の影響が除去された人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 実施形態4に係る、測定信号、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力の例を示す図である。 実施形態5に係る、測定信号、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力の例を示す図である。 実施形態5における舵角センサ出力信号の周波数スペクトルの包絡線の一例を示す図である。 実施形態6に係る、測定信号、舵角センサ出力、操舵トルクセンサ出力の例を示す図である。 実施形態7における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 実施形態8における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 ドライバーごとに異なるステアリング挙動が異なることを説明する図である。 実施形態9における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理の具体例を示すフローチャートである。 実施形態9における外乱インピーダンスを含んだ人間インピーダンスを求める処理を説明する図である。
符号の説明
1:操舵装置
2:ステアリングホイール
3:舵角センサ
4:操舵反力発生モータ
6:タイヤ
9:ステアリングロッド
10:ステアリングモータ
11:制御ユニット
71:操舵トルクセンサ
72:圧力センサ
73:静電センサ

Claims (6)

  1. ステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールを回転させるためのモータと、
    前記ステアリングホイールを強制的に所定量回転させるべく、前記モータを駆動するための測定信号を発生する発生手段と、
    前記測定信号に応じた前記モータの駆動による前記ステアリングホイールの回転に反応して行われたドライバーのステアリング操作の操作量に基づいて、当該ドライバーの機械的インピーダンスを推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された前記機械的インピーダンスに基づいて、前記ステアリングホイールの操舵反力を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された前記操舵反力を、車両の運転状態に基づいて変更する変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. ステアリングホイールと、
    所定のタイミングにおいてなされたドライバーの前記ステアリングホイールに対するステアリング操作の操作量を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記操作量に基づいて、当該ドライバーの機械的インピーダンスを推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された前記機械的インピーダンスに基づいて、前記ステアリングホイールの操舵反力を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された前記操舵反力を、車両の運転状態に基づいて変更する変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 前記変更手段は、車両走行開始時は、前記操舵反力の変更量を大きくし、走行中は、変更量を小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用操舵装置。
  4. ドライバーが前回と同一か否かを判定する手段を更に有し、
    前記変更手段は、ドライバーが前回と同一である場合には、前記操舵反力の変更量を、前回との偏差量を所定値内に補正する
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の車両用操舵装置。
  5. 前記変更手段は、走行中は、前記操舵反力を徐々に変更することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の車両用操舵装置。
  6. 前記変更手段は、直進走行中に、前記操舵反力を変更することを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の車両用操舵装置。
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