JP2007245739A - 浮体構造物用複合材、浮体構造物および浮体構造物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発泡樹脂系材料である軽量部材と、トラス構造を呈する連接部材と、コンクリートなどの硬質版とからなる浮体構造物であり、前記軽量部材と硬質版とが連接部材を介して強固に一体化してあることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
外殻(外壁)や、補強桁の全てを鉄筋コンクリート(RC)やプレストレストコンクリート(PC)等のコンクリートで製造し、当該外殻の内部に、発泡ポリスチレン(EPS)等の合成樹脂発泡体ブロックを充填された浮体構造物用構成体が使用されている。
鉄筋コンクリート(RC)や、プレストレストコンクリート(PC)などで外殻を形成し、外殻内部の桁材や支柱に鋼材を用いた構造である。上記の単コンクリート構造と比較して、軽量化が可能である。
外壁・補強桁の全てをコンクリートで製造するため、外殻の内部形状が複雑になり、製造が煩雑となる。したがって、工期・工費等の面から非経済的である。
また、浮体構造物の重量が重いため、乾舷確保のために浮函寸法を大きくしなければならない。
<2>鋼・コンクリートハイブリッド構造
単コンクリート構造より浮体構造物の総重量を軽量化できるが、鋼材の費用が高いため、コスト高となる。
また、浮体構造物内の鋼桁の配置構造が複雑なため、内部型枠に発泡ポリスチレン(EPS)等の合成樹脂発泡体ブロックを使用することが難しく、製造が煩雑となり、工期・工費の面で非経済的である。
また、本願の第2発明は、本願の第1発明に記載の浮体構造物用複合材において、前記連接部材がトラス形状を構成することを特徴とする、浮体構造物用複合材を提供するものである。
また、本願の第3発明は、本願の第1発明又は第2発明に記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材から露出する前記連接部材の端部に定着具を設けてあることを特徴とする、浮体構造物用複合材を提供するものである。
また、本願の第4発明は、本願の第1発明乃至第3発明の何れかに記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材に凹部を設けたことを特徴とする、浮体構造物用複合材を提供するものである。
また、本願の第5発明は、本願の第1発明乃至第4発明の何れかに記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材が発泡樹脂系の材料であることを特徴とする、浮体構造物用複合材を提供するものである。
また、本願の第6発明は、浮体構造物において、少なくとも一つの軽量部材と、前記軽量部材の内部を貫通する連接部材と、前記軽量部材の外殻を構成する硬質版と、からなることを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第7発明は、本願の第6発明に記載の浮体構造物において、前記連接部材がトラス形状を構成することを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第8発明は、本願の第6発明又は第7発明に記載の浮体構造物において、前記軽量部材から露出する前記連接部材の端部に、前記硬質版と連接部材を強固に一体化する定着具を設けてあることを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第9発明は、本願の第6発明乃至第8発明の何れかに記載の浮体構造物において、前記軽量部材に凹部を設けてあり、前記硬質版は、前記凹部に対応する凸部を設けてあることを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第10発明は、本願の第6発明乃至第9発明の何れかに記載の浮体構造物において、前記軽量部材が発泡樹脂系の材料であることを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第11発明は、本願の第6発明乃至第10発明の何れかに記載の浮体構造物において、前記硬質版がコンクリート系の材料であることを特徴とする、浮体構造物を提供するものである。
また、本願の第12発明は、軽量部材と、前記軽量部材の外郭を構成する硬質版と、前記軽量部材の内部を貫通する補強部材と、を具備する浮体構造物の製造方法において、前記補強部材を前記軽量部材の内部を貫通するように配置し、前記軽量部材から適当に離隔した位置に外型枠を配置し、前記軽量部材と外型枠との間の空間に未硬化状態の硬質版材料を充填して硬質版を形成したことを特徴とする、プレキャスト浮体構造物の製造方法を提供するものである。
したがって、小さい浮函寸法で浮力が確保することが可能になり、従来の浮体構造物と比較して、海上へ搬入する重機や係留装置の規模を格段に小さくすることができる。
<2>浮体構造物用複合材が浮体構造部を形成する際の内型枠の機能を兼用するため、別途内型枠を用意する必要が無いほか、浮体構造物製造時における内型枠の除去作業が不要となる。
<3>硬質版と軽量部材と連接部材とが一体化し、さらに連接部材にトラス構造を用いることにより、大きな曲げモーメントに耐えることができる。
また、トラス構造を使用することにより、従来のハイブリッド構造と同等の補強効果を得つつ、鋼材の使用量を大幅に低減できる。
<4>硬質版の上床版と下床版が、トラス構造における上弦材、下弦材の役割を果たすため、上弦材、下弦材に用いる鋼材量を更に節約でき、経済的である。
<5>浮体構造体のプレキャスト化が可能となるため、浮き桟橋などの浮体を製作する際に現地での接合が容易となり、製作ヤード等の大がかりな作業スペースの確保が不要となる。
<6>軽量部材の形状を予め加工しておくことで、硬質版の内部形状を任意に変更することができる。
例えば、軽量部材に凹部を設けておくことにより、硬質版に縦リブの機能を有する凸部を形成することで、新たに鋼材などの別部材を用いてリブを設ける必要が無くなり、浮体構造物全体の形状を簡素化できたり、部品点数を減らすことができる。
本発明に係る浮体構造物1は、浮き桟橋などの浮体(フロート)に使用できるものであって、浮体構造物1の外殻を構成する硬質版2と、前記硬質版内部に介在させる軽量部材3と、前記硬質版2と軽量部材3とを強固に連結する連接部材4と、からなる。
以下、本発明を構成する各部について詳述する。
なお、浮体構造物1および各部材の名称を、図1を基準として、「上」「下」「右」「左」で表し、以下説明を行う。
硬質版2は、浮体構造物1本体の曲げ耐力の一部を負担する部材である。
この硬質版2には、例えばコンクリートやモルタルなどのようなコンクリート系材料が使用できる。
また、硬質版2は強度を高く保持したまま薄型に形成して、軽量にするのが好ましく、例えば高強度モルタル、超高性能モルタル、繊維補強高強度モルタルのほか、鉄筋コンクリート(RC)や、プレストレストコンクリート(PC)などを利用することもできる。
軽量部材3は、外殻を構成する硬質版2の内部に配置する部材であって、硬質版2より相対的に軽量の部材を用いる。
例えば、上記軽量部材3には、発泡樹脂系の材料が使用できるほか、より具体的には発泡スチロール、発泡ウレタン、発泡塩化ビニールなどのほか、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンなどに代表される発泡ポリオレフィンなどが利用できる。さらに好ましくは、発泡樹脂の中でも密度10〜100kg/m3の物性を示す硬質発泡樹脂が好ましい。
なお、軽量部材3に発泡樹脂系の材料を使用して予め成形しておく方法としては、予め所定の形状に形成した成形型内で型内発泡成形する方法、あるいはブロック形状の発泡成形体を所定の形状に切り出して加工し成形する方法があげられる。
連接部材4は、硬質版2と軽量部材3とをを強固に連結すると共に、浮体構造物1本体の剪断部材として機能する部材である。この連結の程度は、硬質版2が一つの曲げ部材として合成挙動する程度とする。
連結方法は例えば溶接や公知の連結具などを用いることができる。
また、補強筋43は、トラス構造における弦材の役割を果たす。
例えば、図1のように連接部材4をトラス形状に構成する場合には、トラス格点でインターロッキング効果が生じ、強固に連結することができる。
加えて、トラス格点に定着具45を設けて硬質版2と一体化することにより、前記定着具45が縦リブの機能を発揮することもできる。
次に、浮体構造物1の製造方法について説明する。
本例では、浮き桟橋のプレキャストセグメントである浮体構造物1を製造する例について説明する。本例では、長手方向が24000mm、短手方向が10000mm、厚さが1200mmの浮体構造物1を製造するが、この形状に限定されるものではない。
連接部材4の山と山または谷と谷のピッチは、用途に応じ、活荷重、死荷重などから算出して求める。
補強筋43には、10mmの鉄筋を使用し、トラス筋41と連結しておく。
補強筋44は、PC鋼のより線あるいはPC鋼棒を用いるものとする。
軽量部材3の側面には、連接部材4と対応する位置に、連接部材4の断面の半分が嵌る溝を形成しておき、組み立て時に連接部材4の周囲が軽量部材3で隙間なく埋めつくせるように構成する。そして、軽量部材3は連接部材4の伝播部402に配置した後、そのまま硬質版2の内型枠として利用できるように成形しておく。
連接部材4は、軽量部材3の両側に、定着部401を均等に突出させて配置する。その後、各連接部材4の補強筋43に他の補強筋44を交差させて配置し、所要の手段、例えば溶接などで固定して浮体構造物用複合材5を組み立てる。
つぎに、浮体構造物1本体の上下面及び左右側面を構成する硬質版2を形成する。この硬質版2の形成には、前記浮体構造物用複合材5の軽量部材3から適当に離隔した位置に外型枠を配置し、前記軽量部材3と外型枠との間の空間にコンクリートなど未硬化状態の硬質版材料を充填することによって浮体構造物1を形成する。
本例では、硬質版2に同じ材料を使用するが、必要に応じて別々の材料を使用し、上下左右の硬質版に硬度差を設けることもできる。
コンクリートが硬化すると、連接部材4と硬質版22とが一体化した浮体構造物1が完成する。
なお、本例では浮き桟橋に使用するプレキャストセグメントを製作する例を挙げたが、勿論他の用途に利用できることはいうまでもない。
2 硬質版
3 軽量部材
31 凹部
4 連接部材
401 定着部
402 伝搬部
41 垂直材
42 斜材
43、44 補強筋
45 定着具
5 浮体構造物用複合材
Claims (12)
- 浮体構造物を形成するのに用いる浮体構造物用複合材であって、
少なくとも一つの軽量部材と、
前記軽量部材の内部を貫通する連接部材と、からなることを特徴とする、
浮体構造物用複合材。 - 請求項1に記載の浮体構造物用複合材において、前記連接部材がトラス形状を構成することを特徴とする、浮体構造物用複合材。
- 請求項1又は2に記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材から露出する前記連接部材の端部に定着具を設けてあることを特徴とする、浮体構造物用複合材。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材に凹部を設けたことを特徴とする、浮体構造物用複合材。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の浮体構造物用複合材において、前記軽量部材が発泡樹脂系の材料であることを特徴とする、浮体構造物用複合材。
- 浮体構造物において、
少なくとも一つの軽量部材と、
前記軽量部材の内部を貫通する連接部材と、
前記軽量部材の外殻を構成する硬質版と、からなることを特徴とする、
浮体構造物。 - 請求項6に記載の浮体構造物において、前記連接部材がトラス形状を構成することを特徴とする、浮体構造物。
- 請求項6又は7に記載の浮体構造物において、前記軽量部材から露出する前記連接部材の端部に、前記硬質版と連接部材を強固に一体化する定着具を設けてあることを特徴とする、浮体構造物。
- 請求項6乃至8の何れかに記載の浮体構造物において、前記軽量部材に凹部を設けてあり、前記硬質版は、前記凹部に対応する凸部を設けてあることを特徴とする、浮体構造物。
- 請求項6乃至9の何れかに記載の浮体構造物において、前記軽量部材が発泡樹脂系の材料であることを特徴とする、浮体構造物。
- 請求項6乃至10の何れかに記載の浮体構造物において、前記硬質版がコンクリート系の材料であることを特徴とする、浮体構造物。
- 軽量部材と、前記軽量部材の外郭を構成する硬質版と、前記軽量部材の内部を貫通する補強部材と、を具備する浮体構造物の製造方法において、
前記補強部材を前記軽量部材の内部を貫通するように配置し、
前記軽量部材から適当に離隔した位置に外型枠を配置し、
前記軽量部材と外型枠との間の空間に未硬化状態の硬質版材料を充填して硬質版を形成したことを特徴とする、
浮体構造物の製造方法。
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JP2018103611A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置 |
CN110588910A (zh) * | 2019-10-18 | 2019-12-20 | 清华大学 | 一种柔性水上浮体 |
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