JP2007245456A - 情報隠蔽用積層シート及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】黒印刷あるいは地紋印刷等の処理を施す必要が無く、加工が容易で製造手順が簡単であるとともに、環境負荷の少ない情報隠蔽用積層シートを提供する。
【解決手段】基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着され、この熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる情報隠蔽用積層シートであって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層裏面に残る少なくとも1層が有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層である情報隠蔽用積層シート。
【選択図】図1
【解決手段】基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着され、この熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる情報隠蔽用積層シートであって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層裏面に残る少なくとも1層が有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層である情報隠蔽用積層シート。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報隠蔽用積層シート、つまり何等かの情報の記載箇所に積層シートを貼付けて隠蔽し、その後はこの積層シートの全部若しくは一部を剥ぎ取らない限りは隠蔽情報を判読することができない積層シート、並びにその製造法、使用法に関するものである。
提供者の側から見て、受領者である特定の個人以外には目に触れることを避けたいような秘密情報を含んだ書類等の場合には、特許文献1に記載のような内部に剥離可能に一次接着される疑似接着層を有するいわゆる親展葉書を用いたり、秘密情報の記載箇所(以下、情報記録面ということがある。)の上に隠蔽用シートを貼付けることが行なわれている。隠蔽用シートは、受領者の側で簡単に取去って秘密情報の判読ができるようになっており、例えば特許文献2には、基材層に黒あるいは地紋印刷等を施して隠蔽性を付与し、その基材層の裏面に2以上の熱可塑性樹脂層を設けそのうちの1箇所の樹脂層間が疑似接着になるように調整し、さらに熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる積層シートが記載されている。
上記した従来の隠蔽用シートによれば、一旦剥離後は復元不可能であり、剥離面に粘着性がなく、剥離後の情報記録面には耐水性及び耐久性が付与される積層シートが得られるが、情報隠蔽のために基材に黒印刷あるいは地紋印刷等の処理を施す必要があり、加工工程が複雑であった。
一方、近年、省資源化やリサイクルなど環境問題への注目が高まっているが、隠蔽用シートは通常剥離後は廃棄されるものであり、このときポリプロピレン等の熱可塑性樹脂層が設けられている場合には可燃あるいは不燃ゴミとならざるをえず、また、剥離後の情報記録面側のシートも同様に情報取得後は廃棄されることがあるため、これらの情報隠蔽用積層シートにおいても環境への配慮が必要である。
そこで本発明は、加工が容易で製造手順が簡単であるとともに、環境負荷の少ない情報隠蔽用積層シートを提供することを目的とする。
一方、近年、省資源化やリサイクルなど環境問題への注目が高まっているが、隠蔽用シートは通常剥離後は廃棄されるものであり、このときポリプロピレン等の熱可塑性樹脂層が設けられている場合には可燃あるいは不燃ゴミとならざるをえず、また、剥離後の情報記録面側のシートも同様に情報取得後は廃棄されることがあるため、これらの情報隠蔽用積層シートにおいても環境への配慮が必要である。
そこで本発明は、加工が容易で製造手順が簡単であるとともに、環境負荷の少ない情報隠蔽用積層シートを提供することを目的とする。
本発明は、隠蔽時の隠蔽用シートを基材層、有色顔料を配合し着色された熱可塑性樹脂層を少なくとも1層有する2以上の熱可塑性樹脂層、及び粘着剤層の積層構造とし、前記2以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、このうち受領者による剥離箇所を有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層と透明な熱可塑性樹脂層との間に位置させる。熱可塑性樹脂層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなることにより、環境に優しい製品となる。また、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層を設けることにより、隠蔽性が付与され黒印刷、地紋印刷の工程を省くことが可能となる。また、剥離されたとき、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層が基材層裏面に残り、透明な熱可塑性樹脂層が情報記録面に残ることにより、情報記録面には耐水性及び耐久性が付与される。そして、これら層間での剥離を可能にするために、熱可塑性樹脂を用いて積層シートを構成するときに各層間の接着性を強めるための既知の手法、即ち、層間での剥離を防止するための既知の手法を、全く正反対の目的で、剥離を容易にするための手法として用いるものである。
本発明に係る情報隠蔽用積層シートは、主に次の構成である。
(1) 基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着され、この熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる情報隠蔽用積層シートであって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層裏面に残る少なくとも1層が有色顔料を含有することを特徴とする情報隠蔽用積層シート。
(2) 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールである(1)記載の情報隠蔽用積層シート。
(3) 前記生分解性樹脂が化工デンプンまたはポリ乳酸である(1)または(2)記載の情報隠蔽用積層シート。
(4) 前記生分解性樹脂がポリ乳酸であり、さらにポリ乳酸からなる層に石油由来の生分解性樹脂を含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の情報隠蔽用積層シート。
(5) 基材層の上に2層以上の熱可塑性樹脂を共押出しコーティングし、クーリングロールで冷却圧着する工程中で、熱可塑性樹脂層のうち1箇所の樹脂相互間を剥離可能に調整すると共に、更に前記熱可塑性樹脂層の他面にタック加工を施す情報隠蔽用積層シートの製造法であって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層側に残る少なくとも1層が有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層となるように基材層上に共押出しコーティングすることを特徴とする情報隠蔽用積層シートの製造方法。
(1) 基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着され、この熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる情報隠蔽用積層シートであって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層裏面に残る少なくとも1層が有色顔料を含有することを特徴とする情報隠蔽用積層シート。
(2) 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールである(1)記載の情報隠蔽用積層シート。
(3) 前記生分解性樹脂が化工デンプンまたはポリ乳酸である(1)または(2)記載の情報隠蔽用積層シート。
(4) 前記生分解性樹脂がポリ乳酸であり、さらにポリ乳酸からなる層に石油由来の生分解性樹脂を含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の情報隠蔽用積層シート。
(5) 基材層の上に2層以上の熱可塑性樹脂を共押出しコーティングし、クーリングロールで冷却圧着する工程中で、熱可塑性樹脂層のうち1箇所の樹脂相互間を剥離可能に調整すると共に、更に前記熱可塑性樹脂層の他面にタック加工を施す情報隠蔽用積層シートの製造法であって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層側に残る少なくとも1層が有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層となるように基材層上に共押出しコーティングすることを特徴とする情報隠蔽用積層シートの製造方法。
この発明に係る情報隠蔽用積層シートは、万一、本来の受領者以外のものが基材層を剥離して秘密情報を盗み見た場合には、剥離以前の状態に復元することが不可能であるために、受領者は自らが基材層を剥離するときに盗み見があったという事実を知ることができる。
基材層を剥離した後は、基材層及び熱可塑性樹脂層の剥離面が何らの接着性も残していないので、埃が付着することがなく、他の用紙に付着することもないので、積重ねて保存することができる。
また、着色された熱可塑性樹脂層により隠蔽効果が得られるため、基材層に黒印刷、地紋印刷等を施す必要がなく操業性が向上する。
また、剥離具合いを調節することが容易であり、基材層が剥離された後の情報記録面には透明性の高い熱可塑性樹脂層が残るため、美麗でかつ耐久性を有する情報記録面が得られる。
また、熱可塑性樹脂層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂であるため、離解処理してリサイクルに供することが可能であったり、また、焼却エネルギーがかかったり、ゴミとして半永久的に堆積することもなく、環境への負荷を低減することができる。
さらに、本発明の製造法は、押出しコーティングを応用するものであるので、製造が簡単である。PVA、EMAA、LDPE、加工デンプン、ポリ乳酸、PBATコポリエステルは、200℃前後で溶融するので、これらの熱可塑性樹脂を共押し出しコーティングにより、基材上に積層することが可能である。
基材層を剥離した後は、基材層及び熱可塑性樹脂層の剥離面が何らの接着性も残していないので、埃が付着することがなく、他の用紙に付着することもないので、積重ねて保存することができる。
また、着色された熱可塑性樹脂層により隠蔽効果が得られるため、基材層に黒印刷、地紋印刷等を施す必要がなく操業性が向上する。
また、剥離具合いを調節することが容易であり、基材層が剥離された後の情報記録面には透明性の高い熱可塑性樹脂層が残るため、美麗でかつ耐久性を有する情報記録面が得られる。
また、熱可塑性樹脂層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂であるため、離解処理してリサイクルに供することが可能であったり、また、焼却エネルギーがかかったり、ゴミとして半永久的に堆積することもなく、環境への負荷を低減することができる。
さらに、本発明の製造法は、押出しコーティングを応用するものであるので、製造が簡単である。PVA、EMAA、LDPE、加工デンプン、ポリ乳酸、PBATコポリエステルは、200℃前後で溶融するので、これらの熱可塑性樹脂を共押し出しコーティングにより、基材上に積層することが可能である。
<基材層>
本発明においては、基材層として、紙、合成樹脂フィルム、不織布、金属箔等を用いる。また、ハガキで宛先等を印字することや図や絵を印刷する等のために、塗工紙や各種の情報記録用紙、例えば電子写真記録用紙、インクジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧複写紙等を用いることができる。紙を用いた場合は、可燃物あるいは再生可能な資源とすることができる。
本発明においては、基材層として、紙、合成樹脂フィルム、不織布、金属箔等を用いる。また、ハガキで宛先等を印字することや図や絵を印刷する等のために、塗工紙や各種の情報記録用紙、例えば電子写真記録用紙、インクジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧複写紙等を用いることができる。紙を用いた場合は、可燃物あるいは再生可能な資源とすることができる。
<熱可塑性樹脂層>
本発明は、基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着されるものであり、疑似接着面から剥離したときに基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が有色顔料を有するものである。
基材層裏面に設けられる熱可塑性樹脂層としては、少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、環境面からは全てが水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなることが最も望ましいが、押出しラミネートの加工適性や紙基材との接着性、剥離強度の調整等の点から、水溶性樹脂および生分解性樹脂以外の他の熱可塑性樹脂も適宜使用することができる。
なお、本発明における水溶性樹脂の水溶性とは、水に可溶または水中で離解性を有することを意味し、離解性としては、JIS P 8209 パルプ試験用手抄き紙調整方法に示されている標準離解機(Tappi標準離解機使用:3000rpm)を用いて積層シートが離解されたとき、一般の紙と同程度に離解するものをいう。このような樹脂としては例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド、ポリエステルポリオール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、化工デンプン等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。本発明では特に、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。水溶性樹脂は高温にかかると分解しやすく低温でラミネートしなければならないものが多いが、ポリビニルアルコールは200℃程度の比較的高温でラミネートすることができ、加工適性が良好である。
また、本発明でいう生分解性樹脂の生分解性とは、通常のプラスチックと同様に使えて、使用後は自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるものをいう。ISO 14855(JIS K 6953)により生分解度(%)が求められたとき、プラスチック(ポリエチレン)と比較して良好であるものをいう。このような樹脂としては例えば、ポリブチレンサクシネート・アジペート、化工デンプン、ポリ乳酸、PBATコポリエステル(テレフタル酸・ブタンジオール・アジピン酸がエステル結合したポリマー)、酢酸セルロース、ポリエチレンサクシネート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明は、基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着されるものであり、疑似接着面から剥離したときに基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が有色顔料を有するものである。
基材層裏面に設けられる熱可塑性樹脂層としては、少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、環境面からは全てが水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなることが最も望ましいが、押出しラミネートの加工適性や紙基材との接着性、剥離強度の調整等の点から、水溶性樹脂および生分解性樹脂以外の他の熱可塑性樹脂も適宜使用することができる。
なお、本発明における水溶性樹脂の水溶性とは、水に可溶または水中で離解性を有することを意味し、離解性としては、JIS P 8209 パルプ試験用手抄き紙調整方法に示されている標準離解機(Tappi標準離解機使用:3000rpm)を用いて積層シートが離解されたとき、一般の紙と同程度に離解するものをいう。このような樹脂としては例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド、ポリエステルポリオール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、化工デンプン等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。本発明では特に、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。水溶性樹脂は高温にかかると分解しやすく低温でラミネートしなければならないものが多いが、ポリビニルアルコールは200℃程度の比較的高温でラミネートすることができ、加工適性が良好である。
また、本発明でいう生分解性樹脂の生分解性とは、通常のプラスチックと同様に使えて、使用後は自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるものをいう。ISO 14855(JIS K 6953)により生分解度(%)が求められたとき、プラスチック(ポリエチレン)と比較して良好であるものをいう。このような樹脂としては例えば、ポリブチレンサクシネート・アジペート、化工デンプン、ポリ乳酸、PBATコポリエステル(テレフタル酸・ブタンジオール・アジピン酸がエステル結合したポリマー)、酢酸セルロース、ポリエチレンサクシネート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明では特に、紙基材との接着性、透明性が良好なことから化工デンプンが好ましく用いられる。化工デンプンとは、通常のデンプンが熱可塑性を持たず加熱により250〜260℃で分解するところを、変性することにより熱可塑性をもたせたものである。また、ポリ乳酸はトウモロコシなどの植物に由来するものであって透明性も高く、好ましく用いられる。
但し、化工デンプンは接着力が強く、疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層に用いると剥離強度が強くなる傾向があることから、弱めの剥離強度が求められる場合には、化工デンプンは後述するような中間層に用いることが望ましい。また、ポリ乳酸の中にはもろくて硬い性質を有し、ラミネート加工適性や熱可塑性樹脂層の強度が十分とはいえないものがある。その場合はポリ乳酸に石油由来の生分解性樹脂、例えばPBATコポリエステル等のポリエステル系樹脂を混合すると、良好な熱可塑性樹脂層を得ることができる。石油由来の生分解性樹脂の含有量としては、加工条件等により特に限定されるものではないが、多すぎると相溶性に支障をきたしラミネート加工性が悪化する傾向があり、少なすぎると樹脂層がもろくて硬いため巻取りにしたときに割れるおそれがあることから、ポリ乳酸に対し0.5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%が適当である。単独で使用可能なポリ乳酸もあり、その理由については不明であるが、重合度が関与していると考えられる。 上記の水溶性樹脂、生分解性樹脂以外の樹脂としては、押出しラミネートが可能であれば結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらも使用することができる。結晶性樹脂としては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等を挙げることができる。非結晶性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。
但し、化工デンプンは接着力が強く、疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層に用いると剥離強度が強くなる傾向があることから、弱めの剥離強度が求められる場合には、化工デンプンは後述するような中間層に用いることが望ましい。また、ポリ乳酸の中にはもろくて硬い性質を有し、ラミネート加工適性や熱可塑性樹脂層の強度が十分とはいえないものがある。その場合はポリ乳酸に石油由来の生分解性樹脂、例えばPBATコポリエステル等のポリエステル系樹脂を混合すると、良好な熱可塑性樹脂層を得ることができる。石油由来の生分解性樹脂の含有量としては、加工条件等により特に限定されるものではないが、多すぎると相溶性に支障をきたしラミネート加工性が悪化する傾向があり、少なすぎると樹脂層がもろくて硬いため巻取りにしたときに割れるおそれがあることから、ポリ乳酸に対し0.5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%が適当である。単独で使用可能なポリ乳酸もあり、その理由については不明であるが、重合度が関与していると考えられる。 上記の水溶性樹脂、生分解性樹脂以外の樹脂としては、押出しラミネートが可能であれば結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらも使用することができる。結晶性樹脂としては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等を挙げることができる。非結晶性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。
(基材層裏面に残る樹脂層:着色熱可塑性樹脂層を含む)
情報隠蔽シートを疑似接着面から剥離したときに基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層としては、基材層が紙からなる場合に、基材層との接着性が良好なものが好ましい。例えば、化工デンプン、ポリエチレンが挙げられる。ポリエチレンは、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンに区分される。密度としては、直鎖状低密度ポリエチレンは888〜910kg/m3、低密度ポリエチレンは910〜925kg/m3、中密度ポリエチレンは925〜940kg/m3、さらに高密度ポリエチレンは940〜970kg/m3程度である。
有色顔料は、隠蔽効果が得られれば、基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層のうちどの熱可塑性樹脂層中に含有されてもよいが、有色顔料を含有すると他の樹脂層との間で剥離可能なように剥離強度を調整することが容易となるため、疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層を着色熱可塑性樹脂層として設けることが適している。
一方、疑似接着面にある程度強い接着強度が求められる場合には、有色顔料を疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層ではない層、例えば、基材層と疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層との間に設けられた熱可塑性樹脂層(例えば後述する中間層に相当するもの)に含有することで、接着強度を調整することもできる。
情報隠蔽シートを疑似接着面から剥離したときに基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層としては、基材層が紙からなる場合に、基材層との接着性が良好なものが好ましい。例えば、化工デンプン、ポリエチレンが挙げられる。ポリエチレンは、大きくは直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンに区分される。密度としては、直鎖状低密度ポリエチレンは888〜910kg/m3、低密度ポリエチレンは910〜925kg/m3、中密度ポリエチレンは925〜940kg/m3、さらに高密度ポリエチレンは940〜970kg/m3程度である。
有色顔料は、隠蔽効果が得られれば、基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層のうちどの熱可塑性樹脂層中に含有されてもよいが、有色顔料を含有すると他の樹脂層との間で剥離可能なように剥離強度を調整することが容易となるため、疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層を着色熱可塑性樹脂層として設けることが適している。
一方、疑似接着面にある程度強い接着強度が求められる場合には、有色顔料を疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層ではない層、例えば、基材層と疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層との間に設けられた熱可塑性樹脂層(例えば後述する中間層に相当するもの)に含有することで、接着強度を調整することもできる。
(基材層裏面に残らない樹脂層:透明熱可塑性樹脂層)
情報隠蔽シートを剥離した際、基材層裏面に残らない、すなわち情報記録面の上に残る熱可塑性樹脂層としては、透明性の高い熱可塑性樹脂であると、美麗でかつ耐久性を有する情報記録面が得られるため好ましい。強度が付与されることにより、情報隠蔽シートを剥離後は情報印刷箇所を切り取りカード類として使用することも可能である。本発明では、剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層のヘイズ度が1〜80%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜75.0%である。ヘイズ度とは、試験片を通過する透過光のうち前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上とされた透過光の百分率であり、熱可塑性樹脂の透明度で示される。値の小さい方が透明度が高いことを示す。測定方法はJIS K−7136(ISO 14782)の測定方法に従って測定される。
また、情報記録面の上に残った樹脂は、受領者が情報を見た後、破いて廃棄することが容易であるように、引き裂き性が良いことが望ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリメチルペンテンが好適である。ポリ乳酸はもろくて硬くラミネート適性に劣るものでも、本発明ではこの性質を逆に利用して、情報記録面に残ったときに割れやすい(裂けやすい)ものとすることができる。
情報隠蔽シートを剥離した際、基材層裏面に残らない、すなわち情報記録面の上に残る熱可塑性樹脂層としては、透明性の高い熱可塑性樹脂であると、美麗でかつ耐久性を有する情報記録面が得られるため好ましい。強度が付与されることにより、情報隠蔽シートを剥離後は情報印刷箇所を切り取りカード類として使用することも可能である。本発明では、剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層のヘイズ度が1〜80%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜75.0%である。ヘイズ度とは、試験片を通過する透過光のうち前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上とされた透過光の百分率であり、熱可塑性樹脂の透明度で示される。値の小さい方が透明度が高いことを示す。測定方法はJIS K−7136(ISO 14782)の測定方法に従って測定される。
また、情報記録面の上に残った樹脂は、受領者が情報を見た後、破いて廃棄することが容易であるように、引き裂き性が良いことが望ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリメチルペンテンが好適である。ポリ乳酸はもろくて硬くラミネート適性に劣るものでも、本発明ではこの性質を逆に利用して、情報記録面に残ったときに割れやすい(裂けやすい)ものとすることができる。
<疑似接着>
剥離箇所となる樹脂層間、すなわち剥離されたとき基材層裏面に残る熱可塑性樹脂と情報記録面上に残る熱可塑性樹脂との組み合わせとしては、相溶性の小さい樹脂を用い接着性を調整することが好ましい。
例えば、ポリエチレンとポリビニルアルコール、ポリ乳酸とポリビニルアルコール、PBATコポリエステルとポリビニルアルコール、化工デンプンとポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、同じ樹脂同士であっても、後述する接着性調整の手段を適宜用いることより、剥離可能とすることができる。
これらの樹脂層間における剥離強度は、通常の取扱いでは剥離しないが、剥離しよう思えば容易に剥離操作が行われる、いわゆる疑似接着の状態となるようにする。剥離強度としては、通常0.5〜200g/cm、好ましくは0.5〜100g/cm程度とする。なお、本発明における剥離強度は、JIS Z 0237に準じて、予め剥離のきっかけを作った幅10mmの積層シートについて、90度剥離に要する力を測定したものである。
剥離箇所となる樹脂層間、すなわち剥離されたとき基材層裏面に残る熱可塑性樹脂と情報記録面上に残る熱可塑性樹脂との組み合わせとしては、相溶性の小さい樹脂を用い接着性を調整することが好ましい。
例えば、ポリエチレンとポリビニルアルコール、ポリ乳酸とポリビニルアルコール、PBATコポリエステルとポリビニルアルコール、化工デンプンとポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、同じ樹脂同士であっても、後述する接着性調整の手段を適宜用いることより、剥離可能とすることができる。
これらの樹脂層間における剥離強度は、通常の取扱いでは剥離しないが、剥離しよう思えば容易に剥離操作が行われる、いわゆる疑似接着の状態となるようにする。剥離強度としては、通常0.5〜200g/cm、好ましくは0.5〜100g/cm程度とする。なお、本発明における剥離強度は、JIS Z 0237に準じて、予め剥離のきっかけを作った幅10mmの積層シートについて、90度剥離に要する力を測定したものである。
(添加物等)
樹脂層間における接着性調節の因子としては、熱可塑性樹脂各々の種類、厚み、層中に添加剤を含有させるか否か、その添加剤の種類及び使用量、表面に対するコロナ処理やオゾン処理の強度、樹脂押出し温度等を挙げることができる。
なお、接着性調節のための添加剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド等が挙げられる。通常、樹脂中に何らかの添加剤を加えれば、接着性は低下する方向に働く。この意味で、本来別の機能を有する静電防止剤、アンチブロック剤、紫外線吸収剤、シリコン樹脂系添加剤等は接着性を低下させる方向の添加剤として用いることができる。
上記の接着性調節の因子のうちコロナ処理とオゾン処理とは、元来、大きい強度を得るために開発された手法であるが、本発明では、これらの処理を適宜使い分けることによって、剥離容易な積層シートを製造することができる。
また、接着性を調整する方法として、熱可塑性樹脂層中に界面活性剤や無機填料を含有することもできる。これらの界面活性剤、無機填料は、剥離されたとき基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層でも、基材層裏面に残らない熱可塑性樹脂層のどちらに含有されてもよいが、透明性が悪化するなど理由から、基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層に含有されることが好ましい。
界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、クエン酸モノ、ジもしくはトリステアリルエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N、Nビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪酸アミン等の非イオン性界面活性剤を1種以上使用することができる。含有量としては、所望の接着性に応じて適宜決定すればよいが、含有される熱可塑性樹脂層に対し1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%程度が適当である。
無機填料としては炭酸カルシウム、クレー、タルム、シリカ、など1種類以上使用することができる。含有量としては、所望の接着性に応じて適宜決定すればよいが、含有される熱可塑性樹脂層に対し1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%程度が適当である。ただし、着色熱可塑性樹脂層に使用する場合、隠蔽性を損なわない程度に添加することが好ましい。
樹脂層間における接着性調節の因子としては、熱可塑性樹脂各々の種類、厚み、層中に添加剤を含有させるか否か、その添加剤の種類及び使用量、表面に対するコロナ処理やオゾン処理の強度、樹脂押出し温度等を挙げることができる。
なお、接着性調節のための添加剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド等が挙げられる。通常、樹脂中に何らかの添加剤を加えれば、接着性は低下する方向に働く。この意味で、本来別の機能を有する静電防止剤、アンチブロック剤、紫外線吸収剤、シリコン樹脂系添加剤等は接着性を低下させる方向の添加剤として用いることができる。
上記の接着性調節の因子のうちコロナ処理とオゾン処理とは、元来、大きい強度を得るために開発された手法であるが、本発明では、これらの処理を適宜使い分けることによって、剥離容易な積層シートを製造することができる。
また、接着性を調整する方法として、熱可塑性樹脂層中に界面活性剤や無機填料を含有することもできる。これらの界面活性剤、無機填料は、剥離されたとき基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層でも、基材層裏面に残らない熱可塑性樹脂層のどちらに含有されてもよいが、透明性が悪化するなど理由から、基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層に含有されることが好ましい。
界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、クエン酸モノ、ジもしくはトリステアリルエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N、Nビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪酸アミン等の非イオン性界面活性剤を1種以上使用することができる。含有量としては、所望の接着性に応じて適宜決定すればよいが、含有される熱可塑性樹脂層に対し1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%程度が適当である。
無機填料としては炭酸カルシウム、クレー、タルム、シリカ、など1種類以上使用することができる。含有量としては、所望の接着性に応じて適宜決定すればよいが、含有される熱可塑性樹脂層に対し1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%程度が適当である。ただし、着色熱可塑性樹脂層に使用する場合、隠蔽性を損なわない程度に添加することが好ましい。
(樹脂混合)
剥離されたとき、基材層裏面に残る樹脂層と残らない樹脂層との熱可塑性樹脂がそれぞれ異なる場合は、剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層に、剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂を混合すると、剥離強度や剥離感の調節を容易に行うことができる。剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂の混合割合が多いほど、樹脂層間の親和性が高まって強く接着し、多すぎると接着性が強くなりすぎて剥離の際に情報隠蔽シートが破れてしまう。剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂の混合割合は、基材層裏面に残らない熱可塑性樹脂層の10重量%以下程度が好ましい。
剥離されたとき、基材層裏面に残る樹脂層と残らない樹脂層との熱可塑性樹脂がそれぞれ異なる場合は、剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層に、剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂を混合すると、剥離強度や剥離感の調節を容易に行うことができる。剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂の混合割合が多いほど、樹脂層間の親和性が高まって強く接着し、多すぎると接着性が強くなりすぎて剥離の際に情報隠蔽シートが破れてしまう。剥離されたときに基材層裏面に残る樹脂層の熱可塑性樹脂の混合割合は、基材層裏面に残らない熱可塑性樹脂層の10重量%以下程度が好ましい。
また、剥離強度を調整するために、熱可塑性樹脂層にα−オレフィン共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水素添加誘導体、又は後述する変性ポリオレフィンを混合することもできる。但し、剥離されたとき基材層裏面に残らない熱可塑性樹脂層としてポリスチレン等の非結晶性樹脂を使用する場合は、他の樹脂との相溶性が小さく溶融混合しにくいため、透明性が悪化する傾向がある。そこで、α−オレフィン共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水素添加誘導体、又は変性ポリオレフィンは、剥離したとき基材層裏面に残る熱可塑性樹脂層に混合させることが望ましい。混合割合は、剥離したとき基材層裏面に残る樹脂層の1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜10重量%が好ましい。多すぎると接着性が強くなり剥離の際に情報隠蔽シートが破れてしまうことがある。
<中間層>
本発明では、図1に示されるように、基材層1と有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層3との間に、中間層として熱可塑性樹脂層2を設けることが好ましい。図1については詳しくは後述するが、基材層1/透明な熱可塑性樹脂2(中間層)/有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層(着色熱可塑性樹脂層)3/透明な熱可塑性樹脂層(透明熱可塑性樹脂層)4/粘着剤層5/剥離紙6の構造を示し、着色熱可塑性樹脂層3と透明熱可塑性樹脂4との間で剥離可能なように積層接着されたものである。なお、本発明は、図1に示される態様に限定されるものではない。また、中間層および疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層の両方に有色顔料を含有してもい。
本発明では、図1に示されるように、基材層1と有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層3との間に、中間層として熱可塑性樹脂層2を設けることが好ましい。図1については詳しくは後述するが、基材層1/透明な熱可塑性樹脂2(中間層)/有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層(着色熱可塑性樹脂層)3/透明な熱可塑性樹脂層(透明熱可塑性樹脂層)4/粘着剤層5/剥離紙6の構造を示し、着色熱可塑性樹脂層3と透明熱可塑性樹脂4との間で剥離可能なように積層接着されたものである。なお、本発明は、図1に示される態様に限定されるものではない。また、中間層および疑似接着面を形成する熱可塑性樹脂層の両方に有色顔料を含有してもい。
また、中間層は基材層と着色熱可塑性樹脂層との接着性を改善する効果があり、基材層に接する熱可塑性樹脂層として変性ポリオレフィン等の接着性を有する熱可塑性樹脂からなる中間層を設けることができる。
(変性ポリオレフィン)
変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では特に、低温度における紙基材との接着性に優れることから、エチレンメタアクリル酸共重合体が好ましく用いられる。
変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では特に、低温度における紙基材との接着性に優れることから、エチレンメタアクリル酸共重合体が好ましく用いられる。
<着色顔料>
着色熱可塑性樹脂層に含有可能な有色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、コバルトブルー、セラミックブラック、カーボンブラック等が挙げられるがこれらに制限されるものではない。熱可塑性樹脂に配合可能である顔料であればいずれも使用可能であるが、裏抜け防止の観点からは、セラミックブラック、カーボンブラック等、黒色顔料が好ましい。大きすぎると膜割れが発生し、押出しラミネーション加工が困難であるため、粒径は0.01〜0.1μm程度が好ましい。有色顔料の配合量は、熱可塑性樹脂層全体に対して1〜30重量%が好ましい。より好ましくは1〜10重量%である。少なすぎると裏抜け防止性が不十分であり、多すぎると加工性が悪化する。
着色熱可塑性樹脂層に含有可能な有色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、コバルトブルー、セラミックブラック、カーボンブラック等が挙げられるがこれらに制限されるものではない。熱可塑性樹脂に配合可能である顔料であればいずれも使用可能であるが、裏抜け防止の観点からは、セラミックブラック、カーボンブラック等、黒色顔料が好ましい。大きすぎると膜割れが発生し、押出しラミネーション加工が困難であるため、粒径は0.01〜0.1μm程度が好ましい。有色顔料の配合量は、熱可塑性樹脂層全体に対して1〜30重量%が好ましい。より好ましくは1〜10重量%である。少なすぎると裏抜け防止性が不十分であり、多すぎると加工性が悪化する。
<積層シートの製造方法>
本発明において、基材層裏面に熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、押出しラミネーション、共押出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション等、公知の方法を用いることができる。樹脂層の厚さは、剥離されたとき基材層裏面に残る樹脂層全体で8〜40μm、このうち、基材層と有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層との間に中間層を設ける場合、接着性、加工性の点から中間層は3〜15μmが好ましい。また、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層は、膜厚が薄いと遮蔽性が不十分であり、ある程度以上厚くしてもその効果に差はなく5〜25μmが好ましい。中間層が有色顔料を含有する場合は同様に5〜25μmが好ましい。剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層は、引き裂き性、成膜性、コストの点から全体として3〜50μmが好ましい。
また、熱可塑性樹脂層には、本発明の目的を害さない限り種々の添加剤を添加することができる。例えば、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、接着性向上剤、紫外線吸収剤等、一般的に使用される添加剤を使用することができる。
本発明において、基材層裏面に熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、押出しラミネーション、共押出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション等、公知の方法を用いることができる。樹脂層の厚さは、剥離されたとき基材層裏面に残る樹脂層全体で8〜40μm、このうち、基材層と有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層との間に中間層を設ける場合、接着性、加工性の点から中間層は3〜15μmが好ましい。また、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層は、膜厚が薄いと遮蔽性が不十分であり、ある程度以上厚くしてもその効果に差はなく5〜25μmが好ましい。中間層が有色顔料を含有する場合は同様に5〜25μmが好ましい。剥離されたとき基材層裏面に残らない樹脂層は、引き裂き性、成膜性、コストの点から全体として3〜50μmが好ましい。
また、熱可塑性樹脂層には、本発明の目的を害さない限り種々の添加剤を添加することができる。例えば、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、接着性向上剤、紫外線吸収剤等、一般的に使用される添加剤を使用することができる。
<作用>
本発明に係る情報隠蔽用積層シートの使用に際しては、先ず離型紙を取除き、粘着剤層を接着面として隠蔽対象となる部分に貼着する。情報の受領者は、基材層を取除くが、熱可塑性樹脂層相互の層間に設定した剥離予定箇所が疑似接着に調整されているために、基材層は、予定された剥離箇所から、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層を伴って容易に剥離することができる。そして、隠蔽されていた情報は、粘着剤層、有色顔料を含有しない透明性の高い熱可塑性樹脂層を通して判読することができる。
また、本発明は仮に一旦剥離したものをヒートシールで再接着する場合には、320℃という高温で処理する必要があるため、紙基材の黄変、及び粘着層の劣化が起こる。つまり、痕跡を残さずにヒートシールにより再接着を行うことは不可能である。
本発明に係る情報隠蔽用積層シートの使用に際しては、先ず離型紙を取除き、粘着剤層を接着面として隠蔽対象となる部分に貼着する。情報の受領者は、基材層を取除くが、熱可塑性樹脂層相互の層間に設定した剥離予定箇所が疑似接着に調整されているために、基材層は、予定された剥離箇所から、有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層を伴って容易に剥離することができる。そして、隠蔽されていた情報は、粘着剤層、有色顔料を含有しない透明性の高い熱可塑性樹脂層を通して判読することができる。
また、本発明は仮に一旦剥離したものをヒートシールで再接着する場合には、320℃という高温で処理する必要があるため、紙基材の黄変、及び粘着層の劣化が起こる。つまり、痕跡を残さずにヒートシールにより再接着を行うことは不可能である。
[実施例]
以下に、本発明の好ましい態様を図及び実施例に示し、それに基づいて詳細に本発明を説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。また、特にことわらない限り、部及び%は重量部及び重量%を表す。
以下に、本発明の好ましい態様を図及び実施例に示し、それに基づいて詳細に本発明を説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。また、特にことわらない限り、部及び%は重量部及び重量%を表す。
図1は、本発明に係る情報隠蔽用積層シートの積層構造を示す断面図である。基材層1は、紙で構成されており、この基材層1の裏面に中間層として有色顔料を含有しない熱可塑性樹脂層2が設けられている。更に、熱可塑性樹脂層2の上面に有色顔料を含有した着色熱可塑性樹脂層3が設けられている。更にこの熱可塑性樹脂層3と剥離可能で透明性の高い透明熱可塑性樹脂層4が設けられている。熱可塑性樹脂層2、3、4の積層に際しては、Tダイを用いて溶融共押出しするのが簡便である。更に、透明熱可塑性樹脂層4に粘着剤層5を介して剥離紙6を積層している。このように粘着剤層5と剥離紙6を設ける方法としては、タック加工が好適である。
上記した図1の情報隠蔽用積層シートの製造例を以下に示す。まず基材となる上質紙(坪量80g/m2)に、中間層としてエチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)100重量%と、着色熱可塑性樹脂層として有色顔料としてカーボンブラックを2重量%含有した前記と同じ直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)98重量%と、さらに透明熱可塑性樹脂層としてポリビニルアルコール(PVA)(クラレ社製商品名CP1000)100重量%を溶融状態として200℃の温度でTダイから3層共押出し積層し、クーリングロールで冷却圧着した。なお、樹脂層の厚みは中間層5μm/着色熱可塑性樹脂層15μm/透明熱可塑性樹脂層20μmとし、オゾン処理、コロナ処理を施した。これとは別に、離型紙に粘着剤層を積層しておき、この粘着剤層の側を接着面としてポリビニルアルコールからなる層に重ね合わせ圧着し積層シートを得た。剥離強度は有色顔料含有低密度ポリエチレンとポリビニルアルコールとの剥離強度を測定した。
中間層において、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)を化工デンプン(日本コーンスターチ社製商品名コーンポールL−1)に代え、着色熱可塑性樹脂層において、直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)をポリ乳酸(三井化学社製商品名ラクティー)に代えた以外は、実施例1と同様にした。
着色熱可塑性樹脂層において、有色顔料としてカーボンブラックを2重量%含有した直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)98重量%に代えて、有色顔料としてカーボンブラックを2重量%含有したポリ乳酸88重量%とPBATコポリエステルを10重量%含有した以外は、実施例2と同様にした。
中間層において、化工デンプンをPBATコポリエステルに代えた以外は、実施例2と同様にした。
着色熱可塑性樹脂層において、ポリ乳酸をPVA(クラレ社製商品名CP1000)に代え、透明熱可塑性樹脂層において、ポリビニルアルコールをポリ乳酸(三井化学社製商品名ラクティー)に代えた以外は、実施例2と同様にした。
中間層において、化工デンプンをポリ乳酸70重量%とPBATコポリエステル30重量%の混合樹脂に代え、着色熱可塑性樹脂層において、ポリ乳酸を化工デンプン(日本コーンスターチ社製商品名コーンポールL−1)に代え、透明熱可塑性樹脂層であるポリビニルアルコール(PVA)層を40μmとした以外は、実施例2と同様にした。
なお、この実施例では、ポリ乳酸は紙基材との接着性が悪く中間層に適さないことを別途の試験で確認したので、PBATコポリエステルを添加して接着性の改善を計っている。また、化工デンプンは、他の実施例の厚さであるPVA層20μmでは接着力が強く疑似接着にならないことが別途の試験で確認できており、PVA層を厚くすると疑似接着が形成できることが判明したので、この実施例ではPVA層を40μmとしている。
なお、この実施例では、ポリ乳酸は紙基材との接着性が悪く中間層に適さないことを別途の試験で確認したので、PBATコポリエステルを添加して接着性の改善を計っている。また、化工デンプンは、他の実施例の厚さであるPVA層20μmでは接着力が強く疑似接着にならないことが別途の試験で確認できており、PVA層を厚くすると疑似接着が形成できることが判明したので、この実施例ではPVA層を40μmとしている。
中間層を加工デンプンとした以外は、実施例6と同様とした。
[比較例1]
中間層において、エチレンメタクリル酸共重合体を直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)に代え、透明熱可塑性樹脂層において、ポリビニルアルコールをポリメチルペンテン(TPX)に代え、320℃の温度でTダイから3層共押出しした以外は、実施例1と同様にした。
中間層において、エチレンメタクリル酸共重合体を直鎖状低密度ポリエチレン(LDPE)に代え、透明熱可塑性樹脂層において、ポリビニルアルコールをポリメチルペンテン(TPX)に代え、320℃の温度でTダイから3層共押出しした以外は、実施例1と同様にした。
上記の実施例比較例で得られた積層シートについて、以下の評価を行った結果を表1に示す。
(紙基材との接着性)
紙基材と樹脂層との間を手で剥がし、次の基準で評価した。
○:紙基材が層間剥離するなど剥がれず強固に接着している。
×:容易に剥がれる。
(紙基材との接着性)
紙基材と樹脂層との間を手で剥がし、次の基準で評価した。
○:紙基材が層間剥離するなど剥がれず強固に接着している。
×:容易に剥がれる。
(剥離強度)
透明熱可塑性樹脂層において、JIS Z 0237に準じて、予め剥離のきっかけを作った幅10mmのサンプルについて、疑似接着の状態にある樹脂層間(着色熱可塑性樹脂層と透明熱可塑性樹脂層との間)における90度剥離に要する力を測定した。
透明熱可塑性樹脂層において、JIS Z 0237に準じて、予め剥離のきっかけを作った幅10mmのサンプルについて、疑似接着の状態にある樹脂層間(着色熱可塑性樹脂層と透明熱可塑性樹脂層との間)における90度剥離に要する力を測定した。
(透明度)
積層シートを印刷物の上に貼着し、疑似接着の状態にある樹脂層間(着色熱可塑性樹脂層と透明熱可塑性樹脂層との間)を手で剥離した後、視認性を確認した。
○:印刷物がよく見える。
×:印刷物が見えにくい。
積層シートを印刷物の上に貼着し、疑似接着の状態にある樹脂層間(着色熱可塑性樹脂層と透明熱可塑性樹脂層との間)を手で剥離した後、視認性を確認した。
○:印刷物がよく見える。
×:印刷物が見えにくい。
(離解性)
JIS P 8209 パルプ試験用手抄き紙調整方法に示されている標準離解機(Tappi標準離解機使用:3000rpm)を用いて、常温の水道水に約2.5cm角にした積層シートを固形分濃度が3%となる量を加えて離解を行い、30分後の水中の繊維状態を目視で確認した。
○:パルプ繊維のみで樹脂層が残っていない状態。
×:樹脂層が残っている状態。
JIS P 8209 パルプ試験用手抄き紙調整方法に示されている標準離解機(Tappi標準離解機使用:3000rpm)を用いて、常温の水道水に約2.5cm角にした積層シートを固形分濃度が3%となる量を加えて離解を行い、30分後の水中の繊維状態を目視で確認した。
○:パルプ繊維のみで樹脂層が残っていない状態。
×:樹脂層が残っている状態。
(生分解性)
実施例比較例で使用した各樹脂について、ISO 14855(JIS K 6953)で規定される方法に準じてコンポスト化試験を行った。試料としてフィルム状にした各樹脂片(2cm×2cm、10g分)をそれぞれ入れた容器、対照材料としてTLC用セルロースを入れた容器、および空の容器を準備し、58℃±2℃、酸素濃度6%以上、水分量約50%の環境条件にして、3ヵ月後の重量減少率から次の基準で評価した。結果を表2に示す。
○:対照材料と同程度の重量減少。
△:対照材料とポリエチレンの中間程度の重量減少。
×:ポリエチレンと同程度の重量減少。
また、表2の結果に基づいて、積層シートを剥離したときの、紙基材裏面に残る側と透明熱可塑性樹脂層側の生分解性についての評価を表1に示す。
○:生分解性に優れる。
△:生分解性あり。
×:生分解性なし。
実施例比較例で使用した各樹脂について、ISO 14855(JIS K 6953)で規定される方法に準じてコンポスト化試験を行った。試料としてフィルム状にした各樹脂片(2cm×2cm、10g分)をそれぞれ入れた容器、対照材料としてTLC用セルロースを入れた容器、および空の容器を準備し、58℃±2℃、酸素濃度6%以上、水分量約50%の環境条件にして、3ヵ月後の重量減少率から次の基準で評価した。結果を表2に示す。
○:対照材料と同程度の重量減少。
△:対照材料とポリエチレンの中間程度の重量減少。
×:ポリエチレンと同程度の重量減少。
また、表2の結果に基づいて、積層シートを剥離したときの、紙基材裏面に残る側と透明熱可塑性樹脂層側の生分解性についての評価を表1に示す。
○:生分解性に優れる。
△:生分解性あり。
×:生分解性なし。
次に、図2及び図3に基づいて、情報隠蔽用積層シートの用い方を説明する。先ず、情報の提供者は、図2に示すように、情報隠蔽用積層シートから剥離紙6を取除き、露出した粘着剤層5の面を接着面として、秘密情報を記載した情報シート7の秘密情報記載箇所8に対して接着する。情報提供者はこの状態で情報シート7を受領者に提供することになる。一方、これを受取った受領者は、図3に示すように、積層シートを着色熱可塑性樹脂層3―透明熱可塑性樹脂層4間から剥離して取除くと、透明熱可塑性樹脂層4及び粘着剤層5を通じて情報シート7に記載された秘密情報8を判読することができる。
また、図には示さないが、情報シート7の秘密情報を記載した箇所の周囲に予め所定の形状にミシン目等を施しておき、情報隠蔽積層シートを取り除いた後、情報シート7から情報記載箇所をミシン目等に沿って切り出せば、カード類として携帯し使用することが可能である。例えば、会員証カードや健康保険証カード、その他の用途が挙げられる。
なお、本発明の情報隠蔽用積層シートの積層方法としては、例えば、実施例2の樹脂をぞれぞれフィルム化した後、これらと紙基材とを重ねて熱ロール(240℃程度)とニップロールとの間に通し、一体化する製造方法もある。しかし、次のような問題点がある。即ち、フィルム作成時に熱がかかり、熱ロールでもかかるので、生分解性樹脂は分解して着色してしまう危険ある。また、化工デンプンとポリ乳酸との間は強固に接着させ、ポリ乳酸とPVAとの間は疑似接着にしなければならないが、接着強度の調整が難しい。また、化工デンプンを5μm程の薄さでフィルム化することは難しく、20μm以上程度に厚くしなければならない。これらの問題があるので、着色熱可塑性樹脂層、透明熱可塑性樹脂層、および必要に応じて設けられる中間層の層構成を形成する樹脂の種類の組み合わせと、共押し出しコーティング法を用いることにより、環境負荷の小さな薄くて実用性の高い情報隠蔽用積層シートを提供できるのである。
1 基材層
2 熱可塑性樹脂層(中間層)
3 着色熱可塑性樹脂層(有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層)
4 透明熱可塑性樹脂層
5 粘着剤層
6 剥離紙
7 情報シート
8 秘密情報
2 熱可塑性樹脂層(中間層)
3 着色熱可塑性樹脂層(有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層)
4 透明熱可塑性樹脂層
5 粘着剤層
6 剥離紙
7 情報シート
8 秘密情報
Claims (5)
- 基材層と、この基材層の裏面に2層以上の熱可塑性樹脂層が設けられており、そのうちの1箇所の樹脂相互間が疑似接着になるように積層接着され、この熱可塑性樹脂層の裏面に粘着剤層を介して設けられた離型紙とからなる情報隠蔽用積層シートであって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層裏面に残る少なくとも1層が有色顔料を含有することを特徴とする情報隠蔽用積層シート。
- 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールである請求項1記載の情報隠蔽用積層シート。
- 前記生分解性樹脂が化工デンプンまたはポリ乳酸である請求項1または2記載の情報隠蔽用積層シート。
- 前記生分解性樹脂がポリ乳酸であり、さらにポリ乳酸からなる層に石油由来の生分解性樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の情報隠蔽用積層シート。
- 基材層の上に2層以上の熱可塑性樹脂を共押出しコーティングし、クーリングロールで冷却圧着する工程中で、熱可塑性樹脂層のうち1箇所の樹脂相互間を剥離可能に調整すると共に、更に前記熱可塑性樹脂層の他面にタック加工を施す情報隠蔽用積層シートの製造法であって、前記2層以上の熱可塑性樹脂層のうち少なくとも1層が水溶性樹脂及び/または生分解性樹脂からなり、かつ、前記樹脂相互間で剥離されたとき基材層側に残る少なくとも1層が有色顔料を含有する熱可塑性樹脂層となるように基材層上に共押出しコーティングすることを特徴とする情報隠蔽用積層シートの製造方法。
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JP2006070484A JP2007245456A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 情報隠蔽用積層シート及びその製造法 |
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