JP2007245124A - 有機物の処理装置および有機物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】夏場に廃棄物が多量に発生し、冬場に暖房が必要となる温室で栽培される作物を生産する施設において、廃棄物をエネルギーとして効率良く利用する。
【解決手段】温室51で栽培される植物や農産物からの廃棄物52の発生場所に設けられ、廃棄物52を熱分解して熱分解ガスと炭化物57が生成する熱分解装置53と、炭化物57を貯蔵する貯蔵庫56と、炭化物57を燃料としてガスと熱を生成するエネルギー生成手段58と、エネルギー生成手段58の生成熱を温室51へ供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、温室で栽培される農産系廃棄物のエネルギーを貯蔵し、その貯蔵したエネルギーを必要な時に温室の熱源として利用する廃棄物の処理装置に関するものである。
農産系廃棄物等は、主として堆肥化され、リサイクされているが、通常、前記廃棄物の生成元で生成された堆肥の量に対して、その堆肥の生成元での使用量が少なく、近隣の農家等に提供したり、ごみとして業者に焼却処理を委託している場合がある。特に、後者の場合は、単なる焼却処分で廃棄物の有効活用をはかるものではない。
また、冬期において温室で作物を栽培する場合は、その多くが化石燃料を燃焼して熱源を形成し、その温風で温室内の温度を維持しているが、かかる方法は、エネルギーコストが増加するものであった。
これらの両面を解決する策として、温室栽培されている場所から生成される廃棄物を、生成元で焼却して熱源を形成し、その熱を温室の熱源とする方法が容易に考えられるが、農産系廃棄物は含水率が高いため、そのままでは焼却できないことがある。さらに、焼却にはダイオキシンの発生問題もあり、環境面から好ましくない。
このようなことから、最近では、水熱ガス化反応を用いて可燃ガスを生成し、そのガスをガスエンジンコージェネに供給することで電気や熱エネルギーを生成し、これを温室内の温度維持に利用するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
図2は、従来の温室栽培の農産系廃棄物である施設栽培植物の残渣を対象としたリサイクルシステムの一例を示すブロック図である。
図2に示すように、施設栽培区画(以下、温室と称す)1はガラス、塩化ビニル又は他の適当な材料の壁、屋根材で外界と区画されている。温室1内では植物が栽培され、収穫終了時には、それら植物の残渣2が温室1から外部へ搬出される。ホッパー3はその排出残渣を一時的に保管する容器である。
そして、前記残渣の処理は、次のように行われる。
まず、ホッパー3底部から貯蔵された残渣を切り出し、次の工程へ送るカッターフィーダー5により、残渣粉砕機6に送られる。粉砕された残渣は、残渣に含有された水分と混合してスラリー状になり、次の工程である加熱器7に送られる。
そして、加熱器7で所要温度に加熱された後、水熱ガス化反応器8において、水ガス混合状態になり、汽水分離器9において、ガスと水の分離が行われる。
汽水分離器9により分離されたガスは、ガス混合器10において、外部からの可燃性ガス供給ライン11から供給されるガス(例えば液化石油ガス、都市ガス等)と混合されてガスエンジン13に可燃性ガス燃料として供給される。
外部可燃性ガス供給ライン11は、植物残渣量が温室1の所要エネルギー量に対して不足する場合に補充を行うほか、水熱ガス化プラント(前記植物残渣の状態から可燃性ガス生成、分離の工程を構成する機器の組み合わせ全体のシステム)の起動に必要なエネルギーの供給も行う。
ガスエンジン13としては、一例としてメタンガスを燃料とする内燃機関が該当する。ガスエンジン13からの排気ガスは、排気ガス冷却装置14に導かれて温室1内への注入に適した温度に冷却されると同時に、冷却装置14のガス冷却に使用される冷却水を温室1内に設置した放熱器15に導き、温室1内温度の調整に使用する。
排気ガス冷却装置14を通過した排気ガスは、圧縮装置16によって適当な圧力に調整されて一旦二酸化炭素ガス貯蔵タンク17に貯留される。このタンク17には、圧力調整手段18及び二酸化炭素ガスを温室1内に放出する放出手段19が接続される。
圧力調整手段18は、温室1内に設置した二酸化炭素ガス濃度検出手段19aによる温室1内の二酸化炭素ガス濃度計測値に従い、タンク17に貯留されたガスを温室1内へ放出するガス量を調整する。
なお、温室1内に排気ガスを供給しない場合は、ガスエンジン13の排ガスは、閉切り弁21を経由して直接排ガス管20から大気に放出される。
ガスエンジン13におけるシリンダー冷却用等の冷却水は、冷却水熱交換器22とガスエンジン13の間を循環する。
一方、冷却水熱交換器22内でエンジン冷却水の冷却を行う冷媒は、温室1内に設置された放熱器15との間を循環し、冷却水熱交換器22から得たエンジン13の廃熱エネルギーを温室1内の栽培温度保持に使用する。前記温度保持のために、システムには、冷却水熱交換器22用の冷媒流量を調整して栽培温度を調整する手段(図示せず)が設けられている。
また、温室1から搬送され、ホッパー3に投入された植物残渣2は、圧搾手段(図示せず)により残渣2中の水分を取り除き、固形分に富んだ状態に加工される。
そして、固形物に富んだ状態になった残渣は、用途の一例として、必要により残渣を燃焼させるボイラー(図示せず)の廃熱を利用して乾燥し、それを燃焼させてボイラー用の燃料として利用し、さらに前記ボイラーで発生させた蒸気を、蒸気タービン等に供給して発電機(図示せず)を駆動し、その発電した電力を栽培設備に電気エネルギーとして使用していた。
このようにして、従来は、一時的にかつ大量に発生する高い水分含有率を有する施設栽培の植物残渣を小容量の設備によって短時間に可燃性ガスに転換することを可能とする水熱ガス化プロセスを適用し、該プロセスで転換生成したガスを、ガスエンジンにより構成したコジェネレーションシステムの燃料として再利用していた。
そして、コジェネレーションシステムのガスエンジン廃熱およびガスエンジン駆動発電機で発生する電力を、栽培施設維持用のエネルギー源として利用し、また、ガスエンジン排気ガスを、栽培施設内の二酸化炭素補充による収穫増加に利用するものであった。
このことから、従来のシステムは、施設栽培植物残渣の再利用による環境汚染の防止、エネルギー利用、および栽培植物収穫量の増加を、小規模な施設で、かつ残渣発生状況に適合して行えるものである。
特開2005−341953号公報
しかしながら、従来の方法では、廃棄物のエネルギーは、廃棄物が排出された時期に利用するようになっているため、一部の温室栽培等のように、夏場に収穫等で廃棄物を多く排出し、冬場に暖房のためにエネルギーを多く消費するような場合には、廃棄物の生成と消費がアンバランスとなり、廃棄物のエネルギーを有効に利用できない等の課題を有していた。
すなわち、上記従来のシステムにおいて、ガスエンジン13で発電した電力を蓄電してストックした場合を考えると、その電力を熱源として利用する場合には、電気を熱に変換することが必要となり、熱から電気、さらに熱とエネルギー変換が多段となり、変換に伴う損失が大きく、トータルでの効率は悪くなる。
また、圧搾工程で水分を取り除いた残渣を、一時的にストックして利用する場合を考えると、その場合もボイラーとタービンを用いて電気に変換するため、効率が低下するだけでなく、このような残渣でストックするのは保管スペースを多く要すると共に、夏季等の高温多湿条件下での保管(悪臭対策等)に困難性が伴うものである。
このようなことから、残渣処理システムには、廃棄物のエネルギーを、廃棄物が排出された時期以外の任意の時期に利用でき、そのストックスペースも省スペース化がはかれるものであり、さらにそのエネルギーをより効率良く利用して、ランニングコストを抑制することが求められていた。
かかる課題は、植物栽培に限るものではなく、廃棄物(有機物)を生成する畜産等の動物飼育についても同様の課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、廃棄物のエネルギーを任意の時期に利用できるようにし、また、廃棄物を熱分解して萎縮させ、廃棄物の容積を少なくして保管を容易にし、さらに、再利用の効率向上をはかることを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、熱分解により廃棄物を熱分解ガスと炭化物に分離・分解し、その炭化物を、特性に応じた保存方法(装置)にて保存し、必要時に前記炭化物をエネルギー生成装置へ投入し、炭化物からエネルギーを生成するようにしたものである。
したがって、廃棄物は熱分解によって腐敗し難い異質の形態で保存されるため、保管が容易となり、また保管から再利用へも可能となる。
本発明によれば、エネルギー生成装置で生成された熱あるいはガス(CO2ガス)を、動植物の飼育・栽培空間へ供給するため、該空間の温度管理、あるいは植物のCO2栽培に利用でき、資源の有効活用をはかることによって収穫の増加および動植物の飼育・栽培に伴うランニングコストの低減化がはかれる。
また、動植物の飼育・栽培に伴って発生する有機物を熱分解装置にて炭化物とし、それを貯蔵するもので、前記有機物を萎縮させての貯蔵となるため、貯蔵スペースの確保も容易であり、必要時に前記炭化物を燃料として使用することが可能となる。さらに、動植物の飼育・栽培に伴って生成される有機物の発生に増減がある季節においても、その対応処理が可能であり、また、腐敗し難い異質の形態での保存であるため、夏場のような高温多湿条件においても保存を容易とする。
さらに、前記炭化物の貯蔵は、容器に収容される形態であるため、整然と貯蔵でき、また貯蔵装置を対象とする搬入、搬出作業も容易であり、前記エネルギー生成装置への供給作業も容易かつ円滑に行える。
請求項1に記載の発明は、動植物の飼育・栽培に伴い生成される有機物の熱分解により生成された炭化物を燃料として動作し、ガスと熱を生成するエネルギー生成装置と、前記エネルギー生成装置で生成された熱を熱源としたガス、あるいは前記エネルギー生成装置で生成されたガスの少なくとも一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給する供給手段を設け、前記エネルギー生成装置を、前記動植物の飼育・栽培施設空間の近隣に設置したものである。
かかる構成とすることにより、前記動植物の飼育・栽培施設空間と前記エネルギー生成装置の近隣設置関係において、エネルギー生成装置で生成された熱あるいはガス(CO2ガス)の前記動植物の飼育・栽培空間への供給が容易となり、また、前記熱あるいはガスの供給に伴う損失(放熱損失・流通抵抗損失)も少なくできる。
さらに、前記熱あるいはガスを、前記動植物の飼育・栽培空間の温度管理、あるいは植物のCO2栽培に利用でき、資源の有効活用をはかることによって動植物の飼育・栽培に伴うランニングコストの低減化がはかれるものである。
また、前記炭化物は、動植物の飼育・栽培に伴い生成された有機物の熱分解により、得られるため、腐敗し難い異質の形態での保存が可能となり、したがって、早期利用を促されることもない。
請求項2に記載の発明は、動植物の飼育・栽培に伴い生成される有機物を熱分解する熱分解装置と、前記熱分解装置により熱分解された炭化物を貯蔵する貯蔵装置と、貯蔵された前記炭化物を燃料としてガスと熱を生成するエネルギー生成装置を具備したものである。
かかる構成とすることにより、炭化物は、前記有機物を熱分解によって萎縮させての貯蔵となるため、貯蔵スペースの確保も容易であり、前記動植物の飼育・栽培に伴い生成される時期に限らず、必要時に前記炭化物を燃料として使用することが可能となる。さらに、動植物の飼育・栽培に伴って生成される有機物の発生に増減がある季節においても、その対応処理が可能であり、また、有機物そのものから腐敗し難い異質の形態に生成しての保存であるため、夏場のような高温多湿条件においても保存を容易とする。
請求項3に記載の発明は、前記エネルギー生成装置で生成された熱を熱源としたガス、あるいは前記エネルギー生成装置で生成されたガスの少なくとも一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給する供給手段を設け、さらに前記エネルギー生成装置を、前記動植物の飼育・栽培施設空間の近隣に設置したものである。
かかる構成とすることにより、請求項1と同様に熱あるいはガスの供給の容易化と損失の低減、温度管理とCO2栽培利用およびランニングコストの低減化がはかれ、しかもそれらは、貯蔵装置に貯蔵した炭化物を用いることにより、必要時速やかに行えるものである。
請求項4に記載の発明は、前記熱分解装置による熱分解条件の圧力を1MPa未満、加熱温度を800℃未満としたもので、有機物の熱分解に際し、水熱ガス化に必要となる耐圧容器に比べて装置の壁厚を薄くでき、軽量化、低コスト化が可能であると共に、安全性を高めることができる。
請求項5に記載の発明は、前記供給手段に、前記動植物の飼育・栽培施設空間へ供給するガスの供給量を調節するガス量調節手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記動植物の飼育・栽培施設空間内の温度、CO2ガス濃度を、動植物の種類、状況等に応じた環境に調整でき、動植物の成長、飼育栽培を適正に促すことができる。
請求項6に記載の発明は、前記貯蔵装置に、前記炭化物の保存温度を調節する温度調節手段を設けたもので、冷蔵から温蔵の範囲での貯蔵が可能となり、保存の長期化が可能となり、また季節変動に対応しての貯蔵および貯蔵に伴うエネルギー消費となるため、無駄なエネルギー消費の削減が可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記エネルギー生成装置を、前記炭化物を水蒸気でガス化するガス化手段と、前記ガス化手段で発生したガスを導入し、該発生ガス中の可燃ガスを燃料として燃焼動作するガス燃焼手段を具備する構成としたものである。
かかる構成とすることにより、前記炭化物のガス化に際し、煤が発生し難く、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給される空気をきれいなものとし、また前記供給空気に保湿性を持たせることができ、飼育・栽培対象の種類によっては、前記動植物の飼育・栽培施設空間への加湿器の付加を不要あるいは小型のものとすることができ、装置システムの簡素化が可能となる。
請求項8に記載の発明は、前記熱分解された炭化物を、所定量単位で容器に収容し、前記炭化物を前記容器共前記貯蔵装置に保存するものである。
かかる構成とすることにより、前記炭化物の貯蔵に伴う搬入・搬出が扱い易く、また、流通に伴う作業、および前記エネルギー生成装置への供給作業も容易となり、作業性が向上するとともに、貯蔵装置内での在庫状況もわかり易く、管理の容易化がはかれるものである。
請求項9に記載の発明は、前記容器を燃焼可能な有機材料より構成したもので、特に前記エネルギー生成装置への供給に際し、炭化物を容器から取り出す手間が省け、供給作業が一層容易となるものである。
請求項10に記載の発明は、動植物の飼育・栽培に伴って生成される有機物を、熱分解装置によって熱分解し、前記熱分解によって生成された炭化物を、所定量単位で容器に収容してその容器を貯蔵装置内で所定期間保存し、しかる後、エネルギー生成装置において前記炭化物を水蒸気でガス化し、このガス化によって生成された熱あるいはガスの少なくともいずれか一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給するようにしたものである。
かかる方法であれば、前記熱分解装置、前記貯蔵装置、前記エネルギー生成装置のいずれかの相互、もしくは全てを近隣設置としてシステム構成することができ、さらにそれらを前記動植物の飼育・栽培施設空間に近隣設置することも可能となる。特に、前記近隣設置は、飼育・栽培施設として好ましく、前記有機物の熱分解による炭素化、該炭素化物のエネルギー生成装置への供給が身近に行え、前記エネルギー生成装置により生成された熱あるいはガスの前記動植物の飼育・栽培施設空間への供給も速やかに行えるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における廃棄物の処理工程を含めた処理システムの概略構成図である。
図1に示すように、動植物の飼育・栽培施設空間である温室51は、周知の如く冬季においても温度低下を抑制して、低温度で栽培できない、または、でき難い作物等を栽培する施設であり、収穫時期には、食物として流通価値がない部分や流通価値が落ちる部分を取り除き、これらの有機物が廃棄物52として排出される。
また、収穫までの間においても食品となる部分の成長を円滑に行うために、一部の枝切り等を行い、その度に廃棄物52が排出される。
本実施の形態1では、温室51で栽培される作物を、秋季から冬季を通じて春季に栽培され、夏季に収穫されるものとして説明する。
熱分解装置53は、廃棄物52を一時的に短時間だけ貯留する供給ホッパー54と、供給ホッパー54から投入された廃棄物52を、無酸素または微量酸素状態で600℃前後まで加熱し、廃棄物52を炭化物57として乾留する熱分解炉55で構成されている。
熱分解炉55は、乾留と同時に排出される可燃ガスやタール(いずれも図示せず)が熱分解炉55の外部で燃焼されて間接的に該熱分解炉55の加熱源として利用され、その燃焼後の排ガスは必要に応じて浄化処理し、大気に放出される構成である。
その結果、熱分解炉55の内部圧力は、乾留で発生した可燃ガスやタールが燃焼して排ガスとなって大気放出されるまでの経路の圧力損失分だけの約0.2MPaの圧力である。この圧力は、熱分解炉55の加熱容量、特性等によって様々であるが、熱分解路55の実用的範囲、効率等を勘案すると、概ね5KPaから1MPaの範囲とすることが好ましい。
また、熱分解装置53における熱分解炉55の温度は、その耐熱寿命等を勘案すると、約800℃を上限とすることが好ましい。
さらに、供給ホッパー54から熱分解炉55への廃棄物52の供給は、周知のベルトコンベア等の装置(図示せず)を用いて定期的または連続的に行われるものである。
さらに、供給ホッパー54の容量および熱分解炉55の加熱性能は、温室51から時間当たりの最大排出量を時間当たりで処理できる性能を有しており、この範囲を超えて排出された廃棄物52が供給ホッパー54に投入されないようにその供給が設定・制御されており、また廃棄物52が、24時間以上熱分解炉55で処理されずに供給ホッパー54の内部に残留することがないように設定されている。
上述の熱分解により、廃棄物52から生成された炭化物57が熱分解炉55内に残留しているが、この炭化物57は、前記熱分解により萎縮しているものの、固形化されて残留するものではなく、熱分解処理された任意の形態で残留しており、取り扱いが不便な状態にある。
本実施の形態1においては、炭化物57を所定の形態とするために、炭化物57を袋等の容器69に充填し、定形化している。以下、熱分解され、定形化された炭化物に符号57aを付して説明する。
容器69は、燃焼可能な有機物を材料とし、本実施の形態1においては紙を材料とする箱を例に説明する。なお、紙箱に代えて木箱としてもよいが、その他の材料として、燃焼に際し、環境に影響を与えない材料が好ましい。
貯蔵装置である貯蔵庫56は、炭化物57aを貯蔵する施設であり、周知の構成からなり、また温度調節手段に相当するヒートポンプ装置70を具備し、周知の制御によって内部温度が管理できるように構成されている。
炭化物57aの貯蔵庫56への貯蔵においては、炭化物57aが定形化されているため、搬入・搬出が容易であり、また貯蔵状態においても、炭化物57aを積載して貯蔵が可能となり、前述の廃棄物52の萎縮作用と合わせて、収容スペースを効率よく活用でき、在庫状況等の管理も容易となる。
エネルギー生成装置であるエネルギー生成手段58は、導入管(図示せず)から導入した水を加熱手段(図示せず)で加熱することにより、過熱蒸気59を生成する蒸気発生器60と、貯蔵庫56で貯蔵されていた炭化物57aを過熱蒸気59と反応させて、水素や二酸化炭素、一酸化炭素を主成分とするガスを生成するガス化炉61(耐圧容器)を具備したガス化装置(ガス化手段に相当)62と、ガス化炉61で生成された水素、一酸化炭素等の可燃性ガスを、外部から導入された空気63と反応させて燃焼させる燃焼装置(ガス燃焼手段に相当)64と、燃焼装置64の内部に、該内部で発生した燃焼熱を回収するための熱交換回収器65を具備している。
また、エネルギー生成手段58は、ガス化炉61で生成された水素、二酸化炭素、一酸化炭素(矢印71)を、燃焼装置64へ供給するダクト状の燃料ガス流通経路66と、燃焼装置64で生成された燃焼排ガス(矢印72)を、送風手段(図示せず)等により温室51内空間へ供給するダクト状の排ガス流通経路67を具備している。
放熱器68は、温室51の内部に設置され、熱交換回収器65で回収した燃焼装置64の燃焼熱を温室51内に放熱して温室51内空間の温度上昇を促すもので、一例として、熱交換回収器65で昇温された温水を循環し、送風機(図示せず)で温風を供給する周知の温水循環システム等が用いられている。
また、熱交換回収器65、放熱器68による温室1への温風温度は、温度調節手段である温度調節装置73により、温水の循環量を調節する等して行われる。この温度制御は、周知の制御であればよい。
さらに、排ガス流通経路67から温室51内空間に供給されるガスの量は、ガス量調節手段であるガス量調節装置74によって制御され、一例として前記送風手段の回転数等によって供給量が制御される。
そして、エネルギー生成手段58は、温室51(施設)の近隣に設置されており、放熱器68、熱交換回収器65を具備した熱回収回路、および排ガス流通経路67の温室51への引廻しに係わる作業、器材、コスト等の負担を軽減している。
また、熱分解装置53および貯蔵庫56についても、同様に温室51あるいはエネルギー生成手段58の近隣に設置することにより、廃棄物52の熱分解処理、炭化物57aのエネルギー生成手段58への供給等、流通面においての合理化がはかれる。
本実施の形態1においては、少なくとも熱分解装置53とエネルギー生成手段58が温室51(施設)の近隣に設置されているものとしている。
以上のように構成された有機物の処理装置について、以下その動作を、夏場を例に説明する。
温室51で生成され、屋外に排出された廃棄物52は、熱分解装置53の供給ホッパー54に投入される。
投入された廃棄物52は、少量ずつ自動的に熱分解炉55に供給され、600℃まで加熱される。このとき、廃棄物52は、熱分解炉55による昇温に伴い、水蒸気が蒸発し、その後、タールや可燃ガスが揮発して減量、源容され、萎縮した炭化物57に変化する。
前記熱分解時に発生する揮発物質は、適宜回路(図示せず)で回収し、燃焼させて熱分解炉55の補助熱源として利用している。
そして、廃棄物52の所定量の熱分解が完了すると、炭化物57の温度が下がるのを待って所定時間経過後に、炭化物57を外部へ排出し、その際に容器69詰めを行う。
排出された炭化物57は、前述の如く容器69に詰め込まれて単位化され、再利用の炭化物57aとして貯蔵庫56へ搬入されて冬場(必要時)まで保存される。この保存に際し、必要に応じてヒートポンプ装置70により、保存温度、湿度の調整が行われ、異臭の抑制、あるいは水分の付着等に起因する酸化が防止される。
そして、例えば冬期等のように、温室51内の温度を昇温する必要が生じたときに炭化物57aを貯蔵庫56から搬出し、エネルギー生成手段58の燃料として利用する。
その場合、まず炭化物57aをガス化装置62のガス化炉61へ適量供給し、そして、加熱手段によって蒸気発生器60を作動させ、水を800℃まで加熱する。炭化物57aは、容器69も有機材料であるため、搬出した状態で容器69共にガス化炉61へ供給することができ、その結果、容器69内の炭化物57をガス化装置62周辺に散乱させ、作業環境を乱すことがなく、また、供給の作業性も良いものとなる。さらに、炭化物57aは、前記加熱手段の加熱のための熱源に利用することも可能である。
そして、前述の如く800℃まで加熱された過熱蒸気59をガス化炉61へ投入すると、炭化物57aの炭素と過熱蒸気59が反応して、水素と二酸化炭素や一酸化炭素が発生する。
発生した水素、二酸化炭素、一酸化炭素は、矢印71で示す如く燃料ガス流通経路66を通じて燃焼装置64に流入する。ここで、外気から導入された空気63中の酸素と前記水素および一酸化炭素の大部分が反応して、水蒸気と二酸化炭素を生成する。
このときの反応は発熱反応であるため、発熱し、この熱は熱交換回収器65を通じて水等の熱搬送媒体に伝熱し、伝熱した熱搬送媒体が放熱器68へ流動することで、放熱器68を介して温室51の昇温(所謂暖房)が行われる。そして、燃焼装置64で燃焼後に発生および残留した水蒸気と二酸化炭素は、排ガス流通経路67を通って矢印72で示す如く温室51に供給(排気)される。この供給ガスは、適度な湿度も含んでおり、温室51内の植物にも好適である。
また、温室51内空間における温度調節および供給ガス量調節は、前述の如く温度調節装置73およびガス量調節装置74によって行えるため、栽培する対象植物、農産物に応じた環境に維持することができる。さらに、厳寒時期等で、燃焼装置64で得られる熱量が不足する場合は、別途燃焼装置等の熱源による熱を付加すればよい。この場合であっても、従来に比較し、消費エネルギーを削減することが可能となる。
このように、例えば夏場に発生した廃棄物52のエネルギーの一部は、熱分解により萎縮させて減容、減量された炭化物57aとして冬場まで貯蔵し、温室51内の昇温のためのエネルギーとして利用することができるため、ランニングコストの低減化がはかれ、しかも必要時期に速やかにエネルギー生成手段58を駆動することができ、農産物の生産に支障をきたすこともない。
また、省スペースで廃棄物52のエネルギーを貯蔵できると共に、廃棄物52の形態を変えた炭化物57aでの貯蔵であり、悪臭も少なく貯蔵できる。
さらに、エネルギー生成手段63の運転は、燃焼装置64を、ガス化炉61で生成された水素、一酸化炭素等の可燃性ガスと外部から導入された空気63の反応による燃焼とするもので、炭化物57aを熱エネルギーに変換し、その熱ネルギーの授受から成り立つので、電気へ変換する等、熱以外の他のエネルギー変換に伴う損失がなく、さらに蒸気発生器60の加熱を炭化物57aの燃焼熱で行うことにより、一層高い変換効率が得られるものである。
また、炭化物57aを水蒸気でガス化するので、エネルギーを有する煤の排出を低減し、煤による汚染の少ない供給ガスを温室51へ供給することができる。
また、熱エネルギー生成と共に排出される二酸化炭素と水蒸気が温室51内に導入されるため、温室51内における植物、農産物をこれらと反応させ、その栽培を促進することができる。
さらに、従来の水熱ガス化に必要となる耐圧容器に比べ、ガス化炉61(耐圧容器)の壁厚を薄くでき、安全性を確保しての低コスト化が可能となる。
なお、本実施の形態1においては、少なくとも熱分解装置53とエネルギー生成手段58が温室51(施設)の近隣に設置されているものとして説明したが、これに加えて貯蔵庫56も温室51に近隣設置することにより、炭化物57aの流通も便利となり、一層速やかにエネルギー生成手段58を駆動することができることはいうまでもない。
また、本実施の形態1においては、植物、農産物の栽培を例に説明したが、畜産の飼育施設においても、その飼育に伴って生成される有機物を同様に処理し、飼育施設の温度管理等に利用することも可能である。その場合は、燃焼装置64からの有害となるガス(二酸化炭素ガス等)の施設への供給を停止する必要がある。
以上のように、本発明にかかる廃棄物の処理装置および廃棄物の処理方法は、動植物の飼育・栽培施設等から生成される廃棄物(有機物)を炭化物として貯蔵保管できるため、廃棄物の生成と廃棄物の有効消費のバランスがはかれない季節であっても、必要な時期に速やかに廃棄物を有効利用でき、動植物の飼育・栽培に限らず、熱を必要とするシステムに広く適用できるものである。
本発明の実施の形態1における廃棄物の処理工程を含めた処理システムの概略構成図 従来例を示す廃棄物リサイクシステムのブロック図
符号の説明
51 温室(飼育・栽培施設)
52 廃棄物
53 熱分解装置
56 貯蔵庫(貯蔵装置)
57 炭化物
57a 炭化物
58 エネルギー生成手段(エネルギー生成装置)
62 ガス化装置(ガス化手段)
64 燃焼装置(ガス燃焼手段)
69 容器
70 ヒートポンプ装置(温度調節手段)
73 温度調節装置(温度調節手段)
74 ガス量調節装置(ガス量調節手段)

Claims (10)

  1. 動植物の飼育・栽培に伴い生成される有機物の熱分解により生成された炭化物を燃料として動作し、ガスと熱を生成するエネルギー生成装置と、前記エネルギー生成装置で生成された熱を熱源としたガス、あるいは前記エネルギー生成装置で生成されたガスの少なくとも一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給する供給手段を設け、前記エネルギー生成装置を、前記動植物の飼育・栽培施設空間の近隣に設置した有機物の処理装置。
  2. 動植物の飼育・栽培に伴い生成される有機物を熱分解する熱分解装置と、前記熱分解装置により熱分解された炭化物を貯蔵する貯蔵装置と、貯蔵された前記炭化物を燃料としてガスと熱を生成するエネルギー生成装置を具備した有機物の処理装置。
  3. 前記エネルギー生成装置で生成された熱を熱源としたガス、あるいは前記エネルギー生成装置で生成されたガスの少なくとも一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給する供給手段を設け、さらに前記エネルギー生成装置を、前記動植物の飼育・栽培施設空間の近隣に設置した請求項2に記載の有機物の処理装置。
  4. 前記熱分解装置による熱分解条件の圧力を1MPa未満、加熱温度を800℃未満とした請求項2または3に記載の有機物の処理装置。
  5. 前記供給手段に、前記動植物の飼育・栽培施設空間へ供給するガスの供給量を調節するガス量調節手段を設けた請求項1または3、4のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
  6. 前記貯蔵装置に、前記炭化物の保存温度を調節する温度調節手段を設けた請求項2から5のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
  7. 前記エネルギー生成装置を、前記炭化物を水蒸気でガス化するガス化手段と、前記ガス化手段で発生したガスを導入し、該発生ガス中の可燃ガスを燃料として燃焼動作するガス燃焼手段を具備する構成とした請求項1から6のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
  8. 前記熱分解された炭化物を、所定量単位で容器に収容し、前記炭化物を前記容器共前記貯蔵装置に保存する請求項1から7のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
  9. 前記容器を燃焼可能な有機材料より構成した請求項8に記載の有機物の処理装置。
  10. 動植物の飼育・栽培に伴って生成される有機物を、熱分解装置によって熱分解し、前記熱分解によって生成された炭化物を、所定量単位で容器に収容してその容器を貯蔵装置内で所定期間保存し、しかる後、エネルギー生成装置において前記炭化物を水蒸気でガス化し、このガス化によって生成された熱あるいはガスの少なくともいずれか一方を、動植物の飼育・栽培施設空間へ供給するようにした有機物の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014516247A (ja) * 2011-04-02 2014-07-10 ▲陽▼光▲凱▼迪新能源集▲団▼有限公司 発電所燃焼排ガスを使用する野菜及び/または藻類への熱および二酸化炭素の供給方法および装置
JP2018108540A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 株式会社神鋼環境ソリューション 廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法

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