JP2007242842A - 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ素子と実装基体との間に半田材やろう材等の接着物を使用することなく、レーザ素子を実装基体に接合できるようにした半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置1Aは、光を出射するLDチップ2と、LDチップ2が実装されるヒートシンク3と、ヒートシンク3との間にLDチップ2を挟んで保持する電気伝導性を有した固定プレート4Aと、LDチップ2の非実装位置で、固定プレート4Aをヒートシンク3に固定する接着物5Aとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザ装置1Aは、光を出射するLDチップ2と、LDチップ2が実装されるヒートシンク3と、ヒートシンク3との間にLDチップ2を挟んで保持する電気伝導性を有した固定プレート4Aと、LDチップ2の非実装位置で、固定プレート4Aをヒートシンク3に固定する接着物5Aとを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光を出射するレーザ素子をヒートシンク等の実装基体に実装した半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法に関する。詳しくは、実装基体との間にレーザ素子を挟んで保持する固定部材を備えることで、実装基体とレーザ素子との接合界面に、半田材やろう材等の接着物を使用せずに、レーザ素子を実装基体に接合できるようにしたものである。
従来より、半導体レーザチップをヒートシンク機能を備えたサブマウント等と称される部材に実装した半導体レーザ装置が提案されている。半導体レーザチップは、通常、上面と下面に電極を備えており、下面の電極をサブマウントと電気的に接続するため、半導体レーザ装置では、半導体レーザチップをサブマウントに半田材やろう材で接合する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、半導体レーザチップとサブマウントとの接合界面に、半田材やろう材等の接着物が介在する構成では、半導体レーザチップの出射端面やサブマウントの前面に接着物が廻り込んで付着するという問題がある。
半導体レーザチップの出射端面に接着物が付着すると、光出力特性の劣化を引き起こす。また、サブマウントの前面に接着物が付着すると、半導体レーザ装置にレンズ等の光学素子をセットする際に、光学素子を正しい位置に実装できない等の悪影響を及ぼす。
また、半導体レーザチップとして、1次元方向にエミッタ(発光部)を並べた形状のバーレーザを使用する半導体レーザ装置で、半導体レーザチップとサブマウントといった異物質の接合を半田材やろう材で行うと、半導体レーザチップとサブマウントとの熱膨張係数の違いから、接合界面で圧縮や引っ張り力が生じ、半導体レーザチップが反るという問題がある。
更に、半田材やろう材は、電気が流れることで変質するので、電気的接触の悪化や、剥離等が生じるという問題がある。
これらのことから、半導体レーザチップをサブマウント等に半田材やろう材で接合する従来の半導体レーザ装置では、光出力特性が劣化するという問題があった。
また、実装時に複数工程で半田材やろう材を用いる場合、その工程順に応じて融点が異なるはんだ材等を用いなければならず、それらを加味した材料選定の必要で、使用できる材料に制限があることから、コストが上昇するという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、実装基体との間に半田材やろう材等の接着物を使用することなく、レーザ素子を接合できるようにした半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の半導体レーザ装置は、光を出射するレーザ素子と、レーザ素子が実装される実装基体と、実装基体との間にレーザ素子を挟んで保持する電気伝導性を有した固定部材と、レーザ素子の非実装位置で固定部材を実装基体に固定する接着物とを備えたことを特徴とする。
本発明の半導体レーザ装置では、レーザ素子が実装基体に載置され、固定部材がレーザ素子の非実装位置で接着物によって実装基体に固定される。これにより、レーザ素子は、実装基体と固定部材との間に挟み込まれ、固定部材によって実装基体に押圧される。従って、レーザ素子は、実装基体との間に接着物を介在させることなく実装基体に接合される。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、レーザ素子を実装基体に載置し、実装基体に載置されたレーザ素子を、固定部材によって実装基体との間に挟み、実装基体との間にレーザ素子を挟んだ固定部材を、レーザ素子の非実装位置に塗付された接着物によって実装基体に固定することを特徴とする。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法では、レーザ素子は実装基体に載置され、固定部材によって実装基体との間に挟み込まれる。固定部材は、レーザ素子の非実装位置に塗付された接着物によって実装基体に固定される。これにより、レーザ素子は、固定部材によって実装基体に押圧されて、実装基体との間に接着物を介在させることなく実装基体に接合される。
本発明の半導体レーザ装置によれば、レーザ素子と実装基体との間に半田材やろう材等の接着物を使用することなく、レーザ素子を実装基体に接合できるので、熱の影響によるレーザ素子の反りが低減され、レーザ素子の出射端面への接着物の廻り込みも発生しない。これにより、光出力特性の劣化を抑制することができる。
また、レーザ素子の接合に接着物を使用しないことで、レーザ素子と実装基体との間における接着物の変質や剥離が発生せず、レーザ素子と実装基体の電気的な接続が確実に行われる。これにより、長期間にわたって高信頼性を維持することができる。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、実装基体との間にレーザ素子を挟む固定部材を、レーザ素子の非実装位置に塗付した接着物で実装基体に固定するので、レーザ素子と実装基体との間には、半田材やろう材等の接着物が使用されず、レーザ素子を接合する工程で、レーザ素子の出射端面側等に接着物が廻り込み、光出力特性を劣化させることを防ぐことができる。
以下、図面を参照して本発明の半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の半導体レーザ装置の構成例>
図1は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図1(a)は、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aの正面図、図1(b)は、半導体レーザ装置1Aの側面図、図1(c)は、半導体レーザ装置1Aの一部破断上面図である。
図1は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図1(a)は、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aの正面図、図1(b)は、半導体レーザ装置1Aの側面図、図1(c)は、半導体レーザ装置1Aの一部破断上面図である。
第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aは、光を出射するLDチップ2と、LDチップ2が実装されるヒートシンク3と、LDチップ2をヒートシンク3に固定する固定プレート4Aと、固定プレート4Aをヒートシンク3に固定する接着物5Aと、LDチップ2と接続される上部電極6Aと、上部電極6AとLDチップ2を接続する電極材7と、上部電極6Aを支持する絶縁物8Aとを備える。
LD(Laser Diode)チップ2はレーザ素子の一例で、複数のエミッタ(発光部)2aを1次元方向に並べて構成されるいわゆるバーレーザと称される半導体レーザアレイである。ここで、図1では、LDチップ2のエミッタ2aが並ぶ方向をx方向とし、LDチップ2の奥行き方向をz方向とする。
ヒートシンク3は実装基体の一例で、例えば、Cu(銅)等の熱伝導性及び電気伝導性に優れた物質で構成される。ヒートシンク3において、LDチップ2が接合される接合面3aは、LDチップ2の反りを所定値以下に抑えるための所定の平坦性、例えば1μm以下程度の平坦性を有していることが望まれる。
固定プレート4Aは固定部材の一例で、ヒートシンク3と同様に、例えば、Cu等の熱伝導性及び電気伝導性に優れた物質で構成される。固定プレート4Aは平板形状を有し、LDチップ2に接する接合面4mは、LDチップ2の反りを所定値以下に抑えるための所定の平坦性、例えば1μm以下程度の平坦性を有していることが望まれる。
また、固定プレート4Aは、エミッタ2aの並び方向に直交するLDチップ2の奥行き方向に沿ったz方向の長さが、LDチップ2の奥行き方向の長さより長く構成され、LDチップ2の後方の固定プレート4Aとヒートシンク3との間に、接着物5Aを塗付する領域が確保される。
更に、固定プレート4Aは、LDチップ2の上面全体を押圧するため、エミッタ2aの並び方向に沿ったx方向の長さ(幅)が、LDチップ2のx方向の幅より数100μm〜数mm程度長い方が好ましい。
接着物5Aは、電気的絶縁性を有し、かつ耐熱性に優れた物質で構成されることが望ましい。このような特性を有する接着物5Aの一例としては、UV(紫外線)硬化性アクリル樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性のシリコン樹脂やウレタン樹脂等でも良い。但し、上述した特性を有するものであれば、他の物質でも適用可能である。更に、固定プレート側に絶縁構造を備えることで、導電性を有した物質で接着物を構成しても良い。
接着物5Aは、LDチップ2の非実装位置で、ヒートシンク3と固定プレート4Aとの間に塗付されて硬化され、固定プレート4Aをヒートシンク3に固定する。これにより、ヒートシンク3と固定プレート4Aとの間にLDチップ2が挟み込まれて保持される。
なお、接着物5Aの塗付位置E1は、LDチップ2の駆動時にLDチップ2から大量の熱が発生するため、LDチップ2から少なくとも数mm程度は離れた位置にあることが望ましい。
ここで、ヒートシンク3とLDチップ2との接合界面及びLDチップ2と固定プレート4Aとの接合界面における電気抵抗を低減するため、ヒートシンク3とLDチップ2との接合界面及びLDチップ2と固定プレート4Aとの接合界面に導電性グリスを塗付しても良い。導電性グリスとしては、C(炭素)や金属粉が含有されているものが望ましい。
上部電極6Aは電極部材の一例で、ヒートシンク3等と同様にCu等の電気伝導性及び熱伝導性に優れた物質で構成される。上部電極6Aは、ブロック状や薄板形状を有し、固定プレート4Aで保持されるLDチップ2を保護するため、LDチップ2の出射端面とほぼ同一面まで延在する長さを有する。
電極材7は、Au(金)等の電気伝導性及び熱伝導性に優れた金属物質で構成され、LDチップ2の図示しない上面電極と接触してLDチップ2と導通している固定プレート4Aを、上部電極6Aと電気的に接続する。電極材7の形態は、金線等のワイヤや、金箔等のリボン等が適用されるが、形態は上記例に特に限定されるものではない。
絶縁物8Aは、ガラスエポキシ等の絶縁性を有した物質で構成され、LDチップ2及び固定プレート4Aの非実装位置で、ヒートシンク3と上部電極6Aとの間に塗付されて硬化され、上部電極6Aを所定の位置に保持する。
<第1の実施の形態の半導体レーザ装置の動作例>
次に、図1を参照して第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aの作用効果例について説明する。
次に、図1を参照して第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aの作用効果例について説明する。
半導体レーザ装置1Aは、LDチップ2の図示しない下面電極がヒートシンク3と電気的に接続され、LDチップ2の図示しない上面電極が固定プレート4A及び電極材7を介して上部電極6Aと電気的に接続されており、ヒートシンク3と上部電極6Aとの間に所定の電圧が印加されることで、LDチップ2が発振して各エミッタ2aから光が出射される。
LDチップ2が駆動されることで発生する熱は、主にヒートシンク3に熱伝導されて放熱される。また、LDチップ2と接触する固定プレート4A及び固定プレート4Aと電極材7を介して接続される上部電極6Aも熱伝導性を有することから、LDチップ2で発生した熱は、固定プレート4Aや上部電極6Aにも熱伝導されて放熱される。
さて、従来のように、LDチップとヒートシンクとの接合界面に、半田材やろう材等の接着物を使用する構成では、LDチップの駆動時等に接着物が溶解して、LDチップの出射端面やヒートシンクの前面に廻り込んで付着することがある。
LDチップの出射端面に接着物が付着すると、光出力特性の劣化を引き起こす。また、ヒートシンクの前面に接着物が付着すると、半導体レーザ装置にレンズ等の光学素子をセットする際に、光学素子を正しい位置に実装できない等の悪影響を及ぼす。
これに対して、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aでは、ヒートシンク3と固定プレート4Aとの間にLDチップ2を挟み、固定プレート4Aを接着物5Aでヒートシンク3に接合するので、LDチップ2とヒートシンク3との接合界面には、半田材やろう材等の接着物は不要である。
これにより、LDチップ2の出射端面やヒートシンク3の前面に接着物が付着することを防ぐことができ、LDチップ2の出射端面に接着物が付着することによる光出力特性の劣化を防ぎ、また、ヒートシンク3の前面に接着物が付着することによる光学素子実装時等の悪影響を無くすことができる。
また、LDチップ2を挟み込んで保持するヒートシンク3の接合面3a及び固定プレート4Aの接合面4mは、例えばそれぞれ1μm以下程度の所定の平坦性を有することで、LDチップ2の反りが、ヒートシンク3及び固定プレート4Aの平坦性以下に抑えられる。
更に、LDチップとヒートシンクとの接合界面に、半田材やろう材等の接着物を使用する構成では、LDチップとヒートシンクとの熱膨張係数の違いから、接合界面で圧縮や引っ張り力が生じ、LDチップの反りの原因となる。
また、半田材やろう材は、電気が流れることで変質し、電気的接触の悪化や、剥離等が生じることがある。
これに対して、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aでは、LDチップ2とヒートシンク3及びLDチップ2と固定プレート4Aが、半田材やろう材等で機械的に固定されないことで、異物質間での熱膨張係数の違いが緩和されて、LDチップ2の反りを抑制することができる。
また、LDチップ2とヒートシンク3との接合界面及びLDチップ2と固定プレート4との接合界面の双方に、半田材やろう材等、温度変化や電気的ストレスにより変質するような物質が介在しないので、電気的特性の悪化や剥離を抑制することができる。
これにより、光出力特性の劣化を抑制することができ、長期間にわたって高信頼性を維持することができる。
<第1の実施の形態の半導体レーザ装置の変形例>
図2は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の変形例を示す構成図である。変形例の半導体レーザ装置1A′では、図2(a)に示すように、固定プレート4A′のx方向の長さ(幅)が、接着物5Aを塗付する領域を考慮してLDチップ2の幅より所定量長く構成され、LDチップ2の後方だけでなく、側方にも接着物5Aが塗付されて、固定プレート4Aがヒートシンク3に固定される。
図2は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の変形例を示す構成図である。変形例の半導体レーザ装置1A′では、図2(a)に示すように、固定プレート4A′のx方向の長さ(幅)が、接着物5Aを塗付する領域を考慮してLDチップ2の幅より所定量長く構成され、LDチップ2の後方だけでなく、側方にも接着物5Aが塗付されて、固定プレート4Aがヒートシンク3に固定される。
これにより、出射端面を除くLDチップ2の周囲において接着物5Aにより固定プレート4A′がヒートシンク3に支持されることで、固定プレート4A′の湾曲を抑制することができる。
また、図2(b)に示すように、ヒートシンク3や固定プレート4A(4A′)において、接着物5Aの塗布位置に段差11等を形成して、接着物5Aの塗付位置を規制する塗付位置規制手段を備えることで、LDチップ2と接着物5Aとの間に、熱による影響を抑制するための隙間Fが確実に形成されるようにしても良い。
<第2の実施の形態の半導体レーザ装置の構成及び動作例>
図3は第2の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図3(a)は、第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bの正面図、図3(b)は、半導体レーザ装置1Bの側面図である。
図3は第2の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図3(a)は、第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bの正面図、図3(b)は、半導体レーザ装置1Bの側面図である。
第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bは、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aと同様に、ヒートシンク3との間にLDチップ2を挟み込んで保持する固定プレート4Bを備える。
固定部材の一例である固定プレート4Bは、Cu等の熱伝導性及び電気伝導性に優れた物質で構成され、第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bでは、固定プレート4Bが、LDチップ2の非実装位置で、LDチップ2の側方に塗付された接着物5Bによってヒートシンク3に固定される。
このため、固定プレート4Bのx方向の長さ(幅)は、接着物5Bを塗付する領域を考慮してLDチップ2の幅より所定量長く構成され、接着物5Bの塗付位置E2は、z方向についてはLDチップ2の実装位置とほぼ同じで、x方向についてはLDチップ2から熱の影響を考慮した所定量、例えば数mm程度離れた位置とする。
第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bでも、上部電極6Bが絶縁物8Bを介してヒートシンク3に固定される。上部電極6Bは、LDチップ2の図示しない上面電極と接触して導通している固定プレート4Bに、電極材7を介して電気的に接続される。
次に、図3を参照して第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bの作用効果例について説明する。
半導体レーザ装置1Bでも、LDチップ2がヒートシンク3と固定プレート4Bとの間に挟み込まれて保持されることで、LDチップ2の図示しない下面電極がヒートシンク3と電気的に接続され、LDチップ2の図示しない上面電極が固定プレート4B及び電極材7を介して上部電極6Bと電気的に接続されている。これにより、ヒートシンク3と上部電極6Bとの間に所定の電圧が印加されることで、LDチップ2が発振して各エミッタ2aから光が出射される。
LDチップ2が駆動されることで発生する熱は、主にヒートシンク3に熱伝導されて放熱される。また、LDチップ2と接触する固定プレート4B及び固定プレート4Bと電極材7を介して接続される上部電極6Bも熱伝導性を有することから、LDチップ2で発生した熱は、固定プレート4Bや上部電極6Bにも熱伝導されて放熱される。
さて、LDチップ2を挟み込んで保持するヒートシンク3の接合面3a及び固定プレート4Bの接合面4mは、例えばそれぞれ1μm以下程度の所定の平坦性を有することで、LDチップ2の反りが、ヒートシンク3及び固定プレート4Bの平坦性以下に抑えられる。
また、LDチップ2とヒートシンク3との接合界面及びLDチップ2と固定プレート4Bとの接合界面には、半田材やろう材等、温度変化や電気的ストレスにより変質するような物質が介在しないので、LDチップ2の反りや、ヒートシンク3からの剥離が抑制される。これにより、光出力特性の劣化を抑制することができ、長期間にわたって高信頼性を維持することができる。
更に、固定プレート4Bが、LDチップ2の左右両側方で接着物5Bによってヒートシンク3に固定されることで、接着物5Bが硬化する際に収縮しても、固定プレート4BでLDチップ2の全面を均等に押圧することができ、LDチップ2を確実に固定することができる。
なお、固定プレート4Bを接着固定する際に、固定プレート4B自体が湾曲する可能性がある。このため、固定プレート4Bとヒートシンク3との間において、例えば、LDチップ2と接着物5Bとの間で、LDチップ2に対してx方向に所定の長さ離れた位置に、LDチップ2と同程度の高さの絶縁物を介在させて、固定プレート4Bの湾曲を抑制できるようにしても良い。
<第3の実施の形態の半導体レーザ装置の構成及び動作例>
図4は第3の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図4(a)は、第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cの正面図、図4(b)は、半導体レーザ装置1Cの側面図である。
図4は第3の実施の形態の半導体レーザ装置の一例を示す構成図で、図4(a)は、第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cの正面図、図4(b)は、半導体レーザ装置1Cの側面図である。
第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cは、ヒートシンク3との間にLDチップ2を挟み込んで保持する固定部材の機能を、上部電極6Cに持たせる。すなわち、半導体レーザ装置1Cは、ヒートシンク3との間にLDチップ2を挟み込んで保持すると共に、LDチップ2と直接導通した上部電極6Cと、上部電極6Cをヒートシンク3に固定する接着物5Cと、上部電極6Cを所定の高さで支持する絶縁物8Cとを備える。
固定部材と電極部材の一例である上部電極6Cは、Cu等の熱伝導性及び電気伝導性に優れた物質で構成される。上部電極6Cは薄板形状で、第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cでは、ヒートシンク3に接合された絶縁物8Cでヒートシンク3に対して所定の高さに支持され、かつ、LDチップ2の非実装位置で、LDチップ2の後方に塗付された接着物5Cによってヒートシンク3に固定される。
次に、図4を参照して第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cの作用効果例について説明する。
半導体レーザ装置1Cでは、LDチップ2がヒートシンク3と上部電極6Cとの間に挟み込まれて保持されることで、LDチップ2の図示しない下面電極がヒートシンク3と電気的に接続され、LDチップ2の図示しない上面電極が上部電極6Cと電気的に接続されている。これにより、ヒートシンク3と上部電極6Cとの間に所定の電圧が印加されることで、LDチップ2が発振して各エミッタ2aから光が出射される。
LDチップ2が駆動されることで発生する熱は、主にヒートシンク3に熱伝導されて放熱される。また、LDチップ2と接触する上部電極6Cも熱伝導性を有することから、LDチップ2で発生した熱は、上部電極6Cにも熱伝導されて放熱される。
さて、第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cでも、上部電極6CのLDチップ2と接触する面の平坦性を、例えば1μm以下程度とすることで、LDチップ2の反りが、ヒートシンク3及び上部電極6Cの平坦性以下に抑えられる。
また、LDチップ2とヒートシンク3との接合界面及びLDチップ2と上部電極6Cとの接合界面には、半田材やろう材等、温度変化や電気的ストレスにより変質するような物質が介在しないので、LDチップ2の反りや、ヒートシンク3からの剥離が抑制される。これにより、光出力特性の劣化を抑制することができ、長期間にわたって高信頼性を維持することができる。
更に、上部電極6Cが固定部材としての機能を併せ持つことで、固定プレートが不要となり、部品点数を削減してコストダウンが可能となる。
なお、図4に示す例では、絶縁物8Cの高さはLDチップ2と同程度としてあるが、絶縁物8Cの高さは上部電極6Cの形状等に伴って決定されれば良く、絶縁物8Cの大きさ及び形状に特に制限はない。
また、接着物5Cの塗付位置に関しても、絶縁物8Cの形状に応じて任意の位置とすることが可能であり、接着物5Cの塗付位置は限定されるものではない。更に、接着物5Cを塗付する大きさ及び数についても特に制限は無い。
<各実施の形態の半導体レーザ装置の変形例>
上述した各実施の形態の半導体レーザ装置では、接着物として、電気的絶縁性を有した樹脂系の物質を使用する例で説明したが、接着物として、半田材やろう材等の電気伝導性を有した物質を使用しても良い。固定プレートを半田材やろう材で固定する構成では、固定プレートとして、半田材やろう材と接触する部分は絶縁性を有するような金属材料を用いれば良い。
上述した各実施の形態の半導体レーザ装置では、接着物として、電気的絶縁性を有した樹脂系の物質を使用する例で説明したが、接着物として、半田材やろう材等の電気伝導性を有した物質を使用しても良い。固定プレートを半田材やろう材で固定する構成では、固定プレートとして、半田材やろう材と接触する部分は絶縁性を有するような金属材料を用いれば良い。
このように、固定プレートを半田材やろう材で固定する構成としても、ヒートシンクとLDチップとの接合界面及びLDチップと固定プレートとの接合界面には半田材やろう材が介在しないので、熱によるLDチップの反りが抑制され、また、電気的特性が変化することもない。
<第1の実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法例>
図5は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す工程図で、次に、図1で説明した半導体レーザ装置1Aを例に、半導体レーザ装置の製造方法の一例について説明する。
図5は第1の実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す工程図で、次に、図1で説明した半導体レーザ装置1Aを例に、半導体レーザ装置の製造方法の一例について説明する。
まず、LDチップ2を図示しないコレットによりピックアップし、画像認識等でz方向の位置を確認しながら、図5(a)に示すように、LDチップ2の出射端面をヒートシンク3の面位置に合わせるようにして、LDチップ2をヒートシンク3の接合面3aに載置する。ここで、LDチップ2とヒートシンク3との接合界面に、導電性グリスを塗付しても良い。
次に、LDチップ2の非実装位置に、接着物5AとしてUV(紫外線)硬化樹脂を塗付した固定プレート4Aをピックアップし、z方向の位置とx方向の位置を確認しながらLDチップ2へ押し付ける。固定プレート4AをLDチップ2へ押し付ける際の荷重量は、LDチップ2に故障が発生せず、かつ、LDチップ2が動くことなく挟み込まれて保持される値に設定される。
ここで、固定プレート4Aのz方向の位置としては、図5(b)に示すように、前端面がLDチップ2の出射端面と同一面となるように合わせる。また、固定プレート4Aのx方向の位置としては、左右の側端面からLDチップ2の側端面までの長さがほぼ等しくなるように合わせる。なお、LDチップ2と固定プレート4Aとの接合界面に、導電性グリスを塗付しても良い。
そして、固定プレート4AでLDチップ2をヒートシンク3に押し付けた状態でUV露光を施し、接着物5AであるUV硬化樹脂を硬化させ固定プレート4Aをヒートシンク3に接着固定する。接着物5A(UV硬化樹脂)の硬化後、図示しないコレットの荷重を減じて、固定プレート4Aからコレットを外す。
次に、絶縁物8Aを図示しないコレットによりピックアップし、図5(c)に示すように、ヒートシンク3においてLDチップ2及び固定プレート4Aが非実装である所定の位置にマウントする。
更に、予め片面に図示しない半田材やろう材を備えた箔状の電極材7を固定プレート4Aの上面にセットし、熱をかけて固定プレート4Aと電極材7を接合する。なお、本例では電極材7として箔状の電極を用いる例を説明したが、電極材としてワイヤやリボンを用いる構成では、ボンディング装置を使用してワイヤボンディングやリボンボンディングを行う。
次に、上部電極6Aを、図5(d)に示すように電極材7を挟み込んで絶縁物8Aに載置し、ネジ等を使用してヒートシンク3に固定する。
これにより、LDチップ2がヒートシンク3と固定プレート4Aとの間に挟み込まれて保持され、LDチップ2の図示しない下面電極がヒートシンク3と電気的に接続され、LDチップ2の図示しない上面電極が固定プレート4A及び電極材7を介して上部電極6Aと電気的に接続された半導体レーザ装置1Aが作成される。
ここで、上述した半導体レーザ装置の製造方法例は、図1で説明した第1の実施の形態の半導体レーザ装置1Aを製造する工程について説明したが、図3で説明した第2の実施の形態の半導体レーザ装置1Bでも、図5で説明した工程とほぼ同等の工程で製造することができる。また、図4で説明した第3の実施の形態の半導体レーザ装置1Cでは、固定プレートを兼ねる上部電極6Cをヒートシンク3に接着する前に、絶縁物8Cをヒートシンク3へ接合しておけばよい。
本実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法では、LDチップ2とヒートシンク3との間には、半田材やろう材等の接着物が使用されず、LDチップ2を固定する工程で、LDチップ2の出射端面やヒートシンク3の前面に接着物が廻り込んで付着することを防ぐことができる。
また、半田材等を使用する工程を減らすことができるので、工程順に応じて融点が異なる半田材を用いる必要が少なくなり、材料選定が容易となって、コストダウンにつなげることができる。
更に、固定プレートをネジで固定する構成とすると、ネジが非常に小径なものとなり、製造時の加工性が悪く、また、LDチップの位置を保持して固定することが困難である。
これに対して、本実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法では、固定プレート4Aを接着物5Aで固定することで、製造時の加工性が良く、また、固定プレート4Aの固定時に、LDチップ2の位置を保持することができる。
本発明の半導体レーザ装置は、固体レーザやファイバレーザ励起の光源、切削加工等の光源、ディスプレイの光源等に適用される。
1A,1B,1C・・・半導体レーザ装置、2・・・LDチップ、2a・・・エミッタ、3・・・ヒートシンク、3a・・・接合面、4A,4B・・・固定プレート、4m・・・接合面、5A,5B,5C・・・接着物、6A,6B,6C・・・上部電極、7・・・電極材、8A,8B,8C・・・絶縁物
Claims (9)
- 光を出射するレーザ素子と、
前記レーザ素子が実装される実装基体と、
前記実装基体との間に前記レーザ素子を挟んで保持する電気伝導性を有した固定部材と、
前記レーザ素子の非実装位置で、前記固定部材を前記実装基体に固定する接着物と
を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記接着物は、電気的絶縁性及び前記レーザ素子で発する熱に対する耐熱性を有した物質で構成され、前記実装基体と前記固定部材との間を絶縁する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記実装基体と電気的に絶縁され、前記固定部材と電気的に接続される電極部材を、前記レーザ素子を保持した前記固定部材を覆う位置に備えた
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記レーザ素子は、複数の発光部が一列に並べて構成される半導体レーザアレイである
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記固定部材を、前記レーザ素子と電気的に接続される電極部材として機能させる
ことを特徴とする請求項4記載の半導体レーザ装置。 - 前記接着物は、前記レーザ素子の後方で前記固定部材を前記実装基体に固定する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記接着物は、前記レーザ素子の側方で前記固定部材を前記実装基体に固定する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - 前記接着物は、前記レーザ素子の後方と側方で前記固定部材を前記実装基体に固定する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。 - レーザ素子を実装基体に載置し、
前記実装基体に載置された前記レーザ素子を、固定部材によって前記実装基体との間に挟み、
前記実装基体との間に前記レーザ素子を挟んだ前記固定部材を、前記レーザ素子の非実装位置に塗付された接着物によって前記実装基体に固定する
ことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006062385A JP2007242842A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011522407A (ja) * | 2008-06-02 | 2011-07-28 | イェノプティック レーザー ゲーエムベーハー | 少なくとも一つの半導体素子、特に、レーザ素子または発光ダイオード素子を有する熱伝達デバイス、およびその組立方法 |
DE102014012855A1 (de) * | 2014-09-03 | 2015-10-01 | Jenoptik Laser Gmbh | Diodenlaser und Herstellungsverfahren für einen Diodenlaser |
JP2020061591A (ja) * | 2014-10-22 | 2020-04-16 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザモジュール |
-
2006
- 2006-03-08 JP JP2006062385A patent/JP2007242842A/ja active Pending
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