JP2007242689A - ポリイミド表面への金属パターン形成方法およびスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い密着性と、高いパターン精度で、ポリイミド表面に金属パターンを形成することができる、ポリイミドへの金属パターン形成方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド表面の金属パターンを形成しない領域にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させ、疎水性物質が付着していない領域に選択的にアルカリ性水溶液を塗布し、この水溶液を塗布した領域に前記アルカリ金属イオンとは異なる金属イオンを含有する水溶液を接触させることによってカルボン酸金属塩の層を生成し、次いで、カルボン酸金属塩を還元して金属薄膜からなる金属パターンを形成する。
【選択図】図5
【解決手段】ポリイミド表面の金属パターンを形成しない領域にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させ、疎水性物質が付着していない領域に選択的にアルカリ性水溶液を塗布し、この水溶液を塗布した領域に前記アルカリ金属イオンとは異なる金属イオンを含有する水溶液を接触させることによってカルボン酸金属塩の層を生成し、次いで、カルボン酸金属塩を還元して金属薄膜からなる金属パターンを形成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、ポリイミド表面への微細な金属パターン形成方法および微細な金属配線とスルーホールとを有するポリイミド配線基板の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話などの携帯情報機器に代表される電子機器は、小形化および軽量化が要求されており、この要求に伴って、電子機器に搭載されるプリント配線基板として、可撓性を有するフレキシブルプリント配線(Flexible Printed Circuit; FPC)基板が広く使われている。FPCの基板材料としては、耐熱性、電気絶縁性および機械的強度に優れるポリイミド樹脂が用いられている。
ポリイミド基板への金属配線形成方法としては、従来、基板材料の表面全体に接着剤を介して貼り付けた金属膜を、エッチングにより除去してパターニングするサブトラクティブ法が用いられている。しかしながら、プリント配線基板の高密度化に伴い、より微細な配線パターンが要求されているため、オーバーエッチングの発生や、接着剤の密着性が弱いという問題があるサブトラクティブ法に替わる配線形成方法が検討されている。
無電解めっき法を用いて選択的に金属膜を形成して配線を形成するアディティブ法も、接着剤を不要とする配線形成方法である。しかし従来のアディティブ法においては、金属膜とポリイミド基板との密着性が悪いという問題があり、この問題を解決するために、次のような方法が提案されている。
たとえば、特開2002−256443号公報(特許文献1)や特開2005−120407号公報(特許文献2)には、KOHやNaOHなどのアルカリ金属化合物を含むアルカリ性水溶液を、ポリイミド基板表面に選択的に塗布し、イミド環を開環してカルボキシル基を形成させ、カルボキシル基に金属イオンを吸着させ、この金属イオンを還元して得られた金属膜をめっき析出核として用いて無電解めっきを行う方法が提案されている。この方法で得られた金属膜は、その一部がポリイミド基板表面の微細な凹凸に埋め込まれるようにして析出するため、高い密着性が得られる。
たとえば、特開2002−256443号公報(特許文献1)や特開2005−120407号公報(特許文献2)には、KOHやNaOHなどのアルカリ金属化合物を含むアルカリ性水溶液を、ポリイミド基板表面に選択的に塗布し、イミド環を開環してカルボキシル基を形成させ、カルボキシル基に金属イオンを吸着させ、この金属イオンを還元して得られた金属膜をめっき析出核として用いて無電解めっきを行う方法が提案されている。この方法で得られた金属膜は、その一部がポリイミド基板表面の微細な凹凸に埋め込まれるようにして析出するため、高い密着性が得られる。
上記の方法を用いて無電解めっきを達成するためにポリイミド基板表面に選択的にアルカリ性水溶液を塗布する方法として、特開2005−29735号公報(特許文献3)および特開2005−45236号公報(特許文献4)は、ポリイミド基板表面に耐アルカリ性保護膜を形成してアルカリ性水溶液に浸漬する方法や、インクジェット法でアルカリ性水溶液を塗布する方法を開示する。
しかし、特許文献3および4に記載の方法には、次のような問題点が考えられる。
特許文献3または4に記載の耐アルカリ性保護膜を用いてアルカリ性水溶液を塗布する方法では、ポリイミド基板表面に形成する耐アルカリ性保護膜の材料選定が難しいという問題がある。
一般的なフォトレジスト材料は、弱いアルカリ性水溶液を用いて現像を行うが、現像後に残されたレジストパターンも、KOHやNaOHなど強アルカリ性水溶液に対しては可溶である。したがって、アルカリ性水溶液を塗布する場合の保護膜として用いると、高い精度で金属パターンが得られないという問題がある。
さらに、耐アルカリ性に優れたフッ素系樹脂を用いて、印刷法などによって耐アルカリ性保護膜を形成する場合、フッ素系樹脂は薬品で簡単に剥離できないため、配線表面を絶縁するために形成する表面絶縁層を、保護膜の上に形成する必要がある。
しかし、フッ素系樹脂は、極性の大きな水だけではなく、極性が小さな液体もはじくため、フッ素系樹脂の保護膜上に液状物質を塗布して表面絶縁層を形成しようとしても、密着性が悪いため、FPC基板に対して、密着性の良い表面絶縁層を形成することができないという問題がある。
特許文献3または4に記載の耐アルカリ性保護膜を用いてアルカリ性水溶液を塗布する方法では、ポリイミド基板表面に形成する耐アルカリ性保護膜の材料選定が難しいという問題がある。
一般的なフォトレジスト材料は、弱いアルカリ性水溶液を用いて現像を行うが、現像後に残されたレジストパターンも、KOHやNaOHなど強アルカリ性水溶液に対しては可溶である。したがって、アルカリ性水溶液を塗布する場合の保護膜として用いると、高い精度で金属パターンが得られないという問題がある。
さらに、耐アルカリ性に優れたフッ素系樹脂を用いて、印刷法などによって耐アルカリ性保護膜を形成する場合、フッ素系樹脂は薬品で簡単に剥離できないため、配線表面を絶縁するために形成する表面絶縁層を、保護膜の上に形成する必要がある。
しかし、フッ素系樹脂は、極性の大きな水だけではなく、極性が小さな液体もはじくため、フッ素系樹脂の保護膜上に液状物質を塗布して表面絶縁層を形成しようとしても、密着性が悪いため、FPC基板に対して、密着性の良い表面絶縁層を形成することができないという問題がある。
また、特許文献3または4に記載されたインクジェット法や転写法によりポリイミド基板表面にアルカリ性水溶液を塗布する方法では、ポリイミド基板表面は元来高い疎水性を有するが、アルカリ性水溶液の塗布によるイミド環の開環反応が進むにつれて親水性が向上し、アルカリ性水溶液が周囲ににじむため、高い精度で配線パターンを形成する場合に困難が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポリイミド樹脂を有する被めっき物へめっきを施して金属パターン形成する方法において、めっきの密着性が良好で、パターン精度の高い金属パターンが得られる金属パターン形成方法およびポリイミド配線基板形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、ポリイミド表面への金属パターン形成方法であって、
ポリイミド表面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド表面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させてカルボン酸金属塩の層を形成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド表面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド表面に、マスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含むことを特徴とするポリイミド表面への金属パターン形成方法を提供する。
ポリイミド表面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド表面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させてカルボン酸金属塩の層を形成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド表面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド表面に、マスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含むことを特徴とするポリイミド表面への金属パターン形成方法を提供する。
本発明のポリイミド表面への金属パターン形成方法では、インクジェット法などで選択的にアルカリ性水溶液を塗布する際に、パターン形成を行いたくない領域に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水物質が付着しているので、塗布された水溶液がにじまず、その後のカルボン酸金属塩の還元工程によって金属皮膜を選択的に析出させ、高いパターン精度で金属パターンを形成することができる。
本発明の金属パターン形成方法は、カルボン酸金属塩の層を形成した後、さらに疎水性物質を除去する工程を含むことを特徴とする。
疎水性物質を除去することによって、金属パターン形成後にポリイミド表面に表面絶縁層を形成した場合に、ポリイミド表面と表面絶縁層との密着性を高めることができる。
本発明の金属パターン形成方法において、金属イオンを含む水溶液は、Co、Ni、Cu、AgまたはPdのイオンを含む。
本発明は、スルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法であって、
ポリイミド基板の両面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド基板の両面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させカルボン酸金属塩の層を生成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド基板の両面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド基板の両面にマスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含み、ポリイミド基板の両面に疎水性物質を付着させる工程の後、さらにスルーホールを形成する工程を含むことを特徴とするスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法も提供する。
ポリイミド基板の両面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド基板の両面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させカルボン酸金属塩の層を生成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド基板の両面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド基板の両面にマスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含み、ポリイミド基板の両面に疎水性物質を付着させる工程の後、さらにスルーホールを形成する工程を含むことを特徴とするスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法も提供する。
本発明のポリイミド表面への金属パターン形成方法では、インクジェット法などで選択的にアルカリ性水溶液を塗布する際に、パターン形成を行いたくない領域に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水を維持する疎水性物質が付着しているので、塗布された水溶液がにじまず、その後のカルボン酸金属塩の還元工程によって金属皮膜を選択的に析出させ、高いパターン精度で金属パターンを形成することができる。
また、ポリイミド基板の表面に金属パターンを形成する工程において、同時に、スルーホールの内部に金属皮膜を形成することができる。
また、ポリイミド基板の表面に金属パターンを形成する工程において、同時に、スルーホールの内部に金属皮膜を形成することができる。
本発明のポリイミド基板の製造方法は、カルボン酸金属塩の層を形成した後、さらに疎水性物質を除去する工程を含むことを特徴とする。
疎水性物質を除去することによって、金属パターン形成後にポリイミド表面に表面絶縁層を形成した場合に、ポリイミド表面と表面絶縁層との密着性を高めることができる。
本発明のポリイミド基板の製造方法において、金属イオンを含む水溶液は、Co、Ni、Cu、AgまたはPdのイオンを含む。
本発明のポリイミド表面への金属パターン形成方法によれば、アルカリ性水溶液を選択的にポリイミドの表面に塗布することによって、密着性が高く、かつ、精度良く、金属パターンを形成することができる。
また、本発明のスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法によれば、アルカリ性水溶液を選択的にポリイミド基板の表面に塗布することによって、密着性が高く、かつ、精度良く配線を形成できる。さらに、ポリイミド配線基板表面の配線形成と同時に、スルーホールの内部にも金属皮膜を形成するため、工程数を減らすことができ、効率的である。
また、本発明のスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法によれば、アルカリ性水溶液を選択的にポリイミド基板の表面に塗布することによって、密着性が高く、かつ、精度良く配線を形成できる。さらに、ポリイミド配線基板表面の配線形成と同時に、スルーホールの内部にも金属皮膜を形成するため、工程数を減らすことができ、効率的である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のポリイミドへの金属パターン形成方法では、めっきを施すための前処理として、被めっき物であるポリイミドの表面に、選択的に親水性の異なる領域を形成することを特徴とする。
ここで、「親水性の異なる領域を形成する」とは、任意の領域表面の親水性を、他の領域表面の親水性よりも高くすることを意味する。領域表面の親水性は、その表面上に置かれた水滴の接触角(θ)により評価することができる。
例えば、めっきを施そうとする領域表面上に置かれた水滴の接触角(θ1)と、他の領域表面上に置かれた水滴の接触角(θ2)とを測定し、θ1がθ2よりも小さければ、めっきを施そうとする領域表面の親水性が高いことになる。この場合、上記2つの領域の境界上に塗布された水溶液は、セルフアライメントして、より親水性の高い領域表面上にのみ存在するようになる。
本発明のポリイミドへの金属パターン形成方法では、めっきを施すための前処理として、被めっき物であるポリイミドの表面に、選択的に親水性の異なる領域を形成することを特徴とする。
ここで、「親水性の異なる領域を形成する」とは、任意の領域表面の親水性を、他の領域表面の親水性よりも高くすることを意味する。領域表面の親水性は、その表面上に置かれた水滴の接触角(θ)により評価することができる。
例えば、めっきを施そうとする領域表面上に置かれた水滴の接触角(θ1)と、他の領域表面上に置かれた水滴の接触角(θ2)とを測定し、θ1がθ2よりも小さければ、めっきを施そうとする領域表面の親水性が高いことになる。この場合、上記2つの領域の境界上に塗布された水溶液は、セルフアライメントして、より親水性の高い領域表面上にのみ存在するようになる。
本発明に用いるポリイミドは、いかなる形態でもよいが、配線基板に用いるためには、フィルム状またはシート状の形態が好ましい。
図1および図2ないし4を参照して、本発明の最良の形態のポリイミド表面への金属パターン形成方法を説明する。図1は、本発明の最良の実施の形態のポリイミド表面への金属パターン形成方法の製造フロー図であり、図2ないし4は、ポリイミド表面への金属パターン形成方法を説明するための概略断面図である。
以下の製造フローにおいては、ポリイミドの両面に同様の加工を施すが、簡便のため、図2ないし4は、片面に対する加工のみを表示する。また、マスキング等によって、加工を施さない面を予め保護すれば、本発明の方法を適用して、片面にのみ加工を施すこともできる。
図1および図2ないし4を参照して、本発明の最良の形態のポリイミド表面への金属パターン形成方法を説明する。図1は、本発明の最良の実施の形態のポリイミド表面への金属パターン形成方法の製造フロー図であり、図2ないし4は、ポリイミド表面への金属パターン形成方法を説明するための概略断面図である。
以下の製造フローにおいては、ポリイミドの両面に同様の加工を施すが、簡便のため、図2ないし4は、片面に対する加工のみを表示する。また、マスキング等によって、加工を施さない面を予め保護すれば、本発明の方法を適用して、片面にのみ加工を施すこともできる。
まず、ポリイミドフィルム1にフォトレジスト材料を塗布し、プリベーク、露光、現像、硬化の工程を経て、マスク層2を形成する(図1の工程(1)、図2a)。マスク層はポリイミドフィルムの両面に形成する。
次に、ポリイミドフィルム1の表面に疎水性物質3を付着させる(図1の工程(2)、図2b)。この工程は、ポリイミド表面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水物質を付着させることが目的である。
本発明に用いることができる疎水性物質として、フッ素ラジカルや、C4F8等のフルオロカーボン(CxFy)ガスをプラズマ重合して得られるフルオロカーボン重合物などが挙げられる。
疎水性物質としてフッ素ラジカルを用いた場合、ポリイミドフィルム1の表面上に膜形成は行われないが、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水領域を形成することができる。
また、フルオロカーボン重合物などの堆積物を形成する場合、マスク層が堆積物によって完全にコートされてしまうとマスク層の剥離が困難となるため、堆積物はできるだけ薄く形成することが望ましく、所定の領域全体として疎水性が発揮されれば、例えば、堆積物の表面がポーラスであるなど、堆積物が離散的に付着している状態でもよい。
本発明に用いることができる疎水性物質として、フッ素ラジカルや、C4F8等のフルオロカーボン(CxFy)ガスをプラズマ重合して得られるフルオロカーボン重合物などが挙げられる。
疎水性物質としてフッ素ラジカルを用いた場合、ポリイミドフィルム1の表面上に膜形成は行われないが、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水領域を形成することができる。
また、フルオロカーボン重合物などの堆積物を形成する場合、マスク層が堆積物によって完全にコートされてしまうとマスク層の剥離が困難となるため、堆積物はできるだけ薄く形成することが望ましく、所定の領域全体として疎水性が発揮されれば、例えば、堆積物の表面がポーラスであるなど、堆積物が離散的に付着している状態でもよい。
次に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの剥離液などで、マスク層2を除去する(図1の工程(3)、図2c)。
次に、レーザ法や、ドリリング法によって、ポリイミドフィルム1にスルーホール4を形成する(図1の工程(4)、図2d)。
次に、インクジェット法で、アルカリ性水溶液5を、疎水性物質3が形成されていないポリイミドフィルム1の表面に塗布する(図1の工程(5)、図3a)。この工程により、スルーホール4の内壁にもアルカリ性水溶液5が塗布される。
アルカリ性水溶液5としては、第1の金属のイオン、例えば、KOHやNaOHなどのアルカリ金属化合物を含む水溶液を用いることができる。この場合、アルカリ金属化合物を含むアルカリ性水溶液によって、ポリイミドのイミド環が加水分解され、ポリイミドフィルム1の表面に、カルボキシル基とアルカリ金属とがイオン結合したカルボン酸金属塩からなるカルボン酸化合物層6が形成される(図3b)。
また、アルカリ性水溶液5として、アルカリ金属化合物を含まず、アンモニアに2−アミノエタノールや1−アミノ−2プロパノール、2−アミノ−1−プロパノールなどのアミノアルコール類を加えて得られるアルカリ性アルコール水溶液を用いることもできる。この場合、アルカリ性アルコール水溶液によって、ポリイミドのイミド環が加水分解され、ポリイミドフィルム1の表面に、ポリイミドカルボン酸からなるカルボン酸化合物層6が形成される(図3b)。
また、アルカリ性水溶液5として、アルカリ金属化合物を含まず、アンモニアに2−アミノエタノールや1−アミノ−2プロパノール、2−アミノ−1−プロパノールなどのアミノアルコール類を加えて得られるアルカリ性アルコール水溶液を用いることもできる。この場合、アルカリ性アルコール水溶液によって、ポリイミドのイミド環が加水分解され、ポリイミドフィルム1の表面に、ポリイミドカルボン酸からなるカルボン酸化合物層6が形成される(図3b)。
次に、イミド環の加水分解によって生成されたアミンを除去する工程を行う。(図1の工程(6))。これは、後の工程で用いる金属イオン溶液の劣化を防ぐための工程である。
この工程は、イソプロピルアルコールなどのアルキルアルコール類を用いた洗浄によってアミンを除去しても構わない。
この工程は、イソプロピルアルコールなどのアルキルアルコール類を用いた洗浄によってアミンを除去しても構わない。
次に、ポリイミドフィルムの表面に形成されたカルボン酸化合物層6に、第2の金属のイオンを含む金属イオン溶液7を接触させることによって、カルボキシル基に配位した第1の金属のイオンと第2の金属のイオンとを交換して、カルボキシル基に第2の金属イオンが配位したカルボン酸金属塩層8を形成する(図1の工程(7)、図3c)。
金属イオン溶液7に含まれる第2の金属のイオンは、図1の工程(5)において塗布したアルカリ性水溶液5に含まれる第1の金属イオンとは異なるものが選ばれる。
アルカリ性水溶液5で処理されたポリイミド表面には、多数のカルボキシル基が固定されているため、陽イオン交換体としての特徴を持つ。陽イオン交換体表面のカルボキシル基には、1価の金属イオンよりも2価の金属イオンのほうが配位し易いという傾向があることが知られている。
そこで、第1の金属のイオンとしては、カルボキシル基に配位されにくい傾向があるNaやKなどのアルカリ金属のイオンが望ましく、第2の金属のイオンとしては、NiやCuなどの2価の金属イオンが望ましい。
しかしながら、1価の金属のイオンであっても、その濃度が高くなると、カルボキシル基に配位され易くなる。したがって、第1の金属のイオンとの組合せおよびイオン濃度の調整によって、第2の金属のイオンとして、1価の金属のイオンも用いることができる。したがって、金属イオン溶液7に用いることができる第2の金属のイオンとして、Co、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属のイオンが挙げられる。
また、金属イオン溶液7が強酸性を示す場合には、第2の金属イオンではなく、水素イオンがカルボキシル基に配位されるため、金属イオン溶液7は弱酸性から中性に調整することが望ましい。
この後、水洗を行いポリイミドフィルム表面の不要な金属イオンを除去する。
金属イオン溶液7に含まれる第2の金属のイオンは、図1の工程(5)において塗布したアルカリ性水溶液5に含まれる第1の金属イオンとは異なるものが選ばれる。
アルカリ性水溶液5で処理されたポリイミド表面には、多数のカルボキシル基が固定されているため、陽イオン交換体としての特徴を持つ。陽イオン交換体表面のカルボキシル基には、1価の金属イオンよりも2価の金属イオンのほうが配位し易いという傾向があることが知られている。
そこで、第1の金属のイオンとしては、カルボキシル基に配位されにくい傾向があるNaやKなどのアルカリ金属のイオンが望ましく、第2の金属のイオンとしては、NiやCuなどの2価の金属イオンが望ましい。
しかしながら、1価の金属のイオンであっても、その濃度が高くなると、カルボキシル基に配位され易くなる。したがって、第1の金属のイオンとの組合せおよびイオン濃度の調整によって、第2の金属のイオンとして、1価の金属のイオンも用いることができる。したがって、金属イオン溶液7に用いることができる第2の金属のイオンとして、Co、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属のイオンが挙げられる。
また、金属イオン溶液7が強酸性を示す場合には、第2の金属イオンではなく、水素イオンがカルボキシル基に配位されるため、金属イオン溶液7は弱酸性から中性に調整することが望ましい。
この後、水洗を行いポリイミドフィルム表面の不要な金属イオンを除去する。
金属のイオンを含まず、アンモニアおよびアミノアルコールを含むアルカリ性水溶液を用いてアルカリ処理した場合、カルボキシル基には水素イオンが吸着している。さらに、酸性の金属イオン溶液7には水素イオンが多く含まれている。したがって、カルボン酸化合物層6に吸着された水素イオンと、金属イオン溶液7に含まれる金属イオンとを交換するためには、アルカリ金属イオンとイオン交換を行う場合よりも、高い濃度の金属イオン溶液7を用いることが望ましい。
この場合にも、金属イオン溶液7に用いることができる第2の金属のイオンとして、Co、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属のイオンが挙げられる。
また、図1の工程(6)でアルキルアルコール類を用いた洗浄によってアミンを除去した場合には、金属イオン溶液7のpHがアミンによって変化しないので、液質管理の観点において望ましい。
この場合にも、金属イオン溶液7に用いることができる第2の金属のイオンとして、Co、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属のイオンが挙げられる。
また、図1の工程(6)でアルキルアルコール類を用いた洗浄によってアミンを除去した場合には、金属イオン溶液7のpHがアミンによって変化しないので、液質管理の観点において望ましい。
次に、カルボキシル基に配位した第2の金属のイオンの還元処理によって、ポリイミドフィルム表面に第2の金属を析出させて、金属薄膜9を形成する(図1の工程(8)、図3d)。還元処理としては、たとえば、金属薄膜9としてCuを析出する場合は、NaBH4、ジメチルアミノボラン、Niを析出させる場合は、次亜リン酸ナトリウムなどを含む溶液を用いた表面処理を行う。この工程によって、ポリイミドフィルム表面の微細な凹凸に良く密着した金属パターンが得られる。
次に、加水分解によってポリアミド酸に変性したポリイミドフィルム表面を、加熱することによって、再イミド化した。このとき、金属薄膜9が酸化しないように、窒素雰囲気中などの、酸素を含まない気体を充填したオーブンで、加熱を行うことが望ましい。
次に、加水分解によってポリアミド酸に変性したポリイミドフィルム表面を、加熱することによって、再イミド化した。このとき、金属薄膜9が酸化しないように、窒素雰囲気中などの、酸素を含まない気体を充填したオーブンで、加熱を行うことが望ましい。
次に、金属薄膜9による金属パターンを厚くするために、金属薄膜9上にめっき層10を形成する(図1の工程(9)、図4a)。
無電解めっきを行う場合、無電解めっき液としては、無電解Cuめっき液、無電解Niめっき液などが挙げられる。
また、無電解めっきの替わりに電解めっきを行ってもよい。電解めっきを行う場合、還元処理によって形成される金属薄膜9による金属パターンは、閉回路にしておく必要がある。さらに、後半工程でポリイミドフィルムを裁断することによって、不要な金属パターンが除去できるようなパターンにしておくことが望ましい。
無電解めっきを行う場合、無電解めっき液としては、無電解Cuめっき液、無電解Niめっき液などが挙げられる。
また、無電解めっきの替わりに電解めっきを行ってもよい。電解めっきを行う場合、還元処理によって形成される金属薄膜9による金属パターンは、閉回路にしておく必要がある。さらに、後半工程でポリイミドフィルムを裁断することによって、不要な金属パターンが除去できるようなパターンにしておくことが望ましい。
次に、ポリイミド表面に形成する表面絶縁層11の密着性を上げるための前処理を行う(図1の工程(10)、図4b)。
疎水性物質3としてフルオロカーボン重合物をポリイミド表面に形成した場合は、Arプラズマなどのプラズマ処理によって除去する。
また、フッ素ラジカルによってポリイミド表面に疎水性を与えていた場合は、図1の工程(9)のめっきの前に、酸素プラズマ処理によってポリイミド表面全体に親水化処理を行ってもよい。
疎水性物質3としてフルオロカーボン重合物をポリイミド表面に形成した場合は、Arプラズマなどのプラズマ処理によって除去する。
また、フッ素ラジカルによってポリイミド表面に疎水性を与えていた場合は、図1の工程(9)のめっきの前に、酸素プラズマ処理によってポリイミド表面全体に親水化処理を行ってもよい。
次に、金属パターンのランド部12などを除いて、ポリイミド表面および金属パターン全体に、表面絶縁層11を形成する(図1の工程(11)、図4c)。
表面絶縁層の形成方法としては、パターニングしたカバーフィルムをラミネートする方法や、感光性樹脂材料を用いて形成する方法を用いる。
表面絶縁層の形成方法としては、パターニングしたカバーフィルムをラミネートする方法や、感光性樹脂材料を用いて形成する方法を用いる。
この後、金属パターンのランド部12にAuフラッシュめっきなどの表面処理や、他部材との貼り合わせ工程を行って、ポリイミド基板を完成させる。
本発明によるポリイミドへの金属パターン形成方法およびそれを用いたスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法について、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
被めっき物として100mm×100mm、厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いて、以下に説明する工程により、金属パターンを形成した。
被めっき物として100mm×100mm、厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いて、以下に説明する工程により、金属パターンを形成した。
まず、ポリイミドフィルム1にフォトレジスト材料を塗布し、プリベーク、露光、現像、硬化の工程を経て、50μmの線幅の配線パターン部と、直径150μmのスルーホール形成パターン部から構成されるマスク層2を形成した。この工程は2回繰り返し、ポリイミドフィルム1の両面にマスク層2を形成した。
次に、C4F8ガスを用いたプラズマ処理により、ポリイミドフィルム1の表面に、疎水性物質3として、フルオロカーボン重合物を付着させた。この工程も2回繰り返し、ポリイミドフィルムの両面を処理した。このフルオロカーボン重合物の形成時間は、1回あたり2秒間であり、700Wの電力を印加した。
次に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、ポリイミドフィルム表面のマスク層2を除去し、その後、イソプロピルアルコールでポリイミドフィルム1を洗浄した。
次に、レーザを用いて、ポリイミドフィルム表面の、フルオロカーボン重合物が形成されていないスルーホール形成パターン部に、直径80μmのスルーホール4を形成した。
次に、KOHの水溶液に、粘度調整剤としてポリエチレングリコールを加えたアルカリ性水溶液5を作製した。インクジェット方式のプリンタヘッドを用いて、このアルカリ性水溶液5をポリイミドフィルム表面のフルオロカーボン重合物が形成されていない領域およびスルーホール内部に塗布した。まず、片方の表面についてアルカリ性水溶液5を塗布した後、2分間の水洗と90℃10分間の乾燥を行い、次いで、もう一方の表面についても、同様にアルカリ性水溶液5の塗布を行い、2分間の水洗と90℃5分間の乾燥を行った。
次に、ポリイミドフィルムを塩酸に浸漬し、2分間水洗した後、90℃5分間の乾燥を行った。この工程によって、イミド環の加水分解によって生成したアミンが除去され、ポリイミド表面にはカルボキシル基にカリウムイオンが配位したカルボン酸カリウム塩層6が形成された。
次に、PdCl4水溶液7にポリイミドフィルムを5分間浸漬し、カルボン酸カリウム塩層6のカリウムイオンをパラジウムイオンに置換する反応により、カルボン酸パラジウム塩層8を形成した。この後、5分間の水洗を行った。
次に、NaBH4水溶液にポリイミドフィルムを5分間浸漬し、さらに5分間の水洗を行った。この時点で、カルボン酸パラジウム塩層8が形成された領域にPdが析出し、Pd薄膜層9が形成された。
次に、ポリイミドフィルムを、中性の無電解Cuめっき液に約3時間浸漬することによって、膜厚8.0μmのCuめっき層10を形成した。
次に、出力200W、10秒間のArプラズマ処理を2回行い、ポリイミドフィルム両面のフルオロカーボン重合物(疎水性物質3)を除去した。
次に、金属パターンのランド部12の領域を除き、ポリイミドフィルムの両面を被覆する表面絶縁層11を形成した。表面絶縁層11は、ポリイミド系感光性樹脂材料を塗布し、プリベーク、露光、現像、硬化の工程を行うことによって形成した。
この後、金属パターンのランド部12にAuフラッシュめっきなどの表面処理や、他部材との貼り合わせ工程を行って、スルーホール付両面フレキシブル配線基板を作製した。
実施例2
図5を参照して、本発明の実施例2のポリイミドへの金属パターン形成方法を説明する。図5は本発明の実施例2のポリイミド表面への金属パターン形成方法の製造フロー図である。
図5を参照して、本発明の実施例2のポリイミドへの金属パターン形成方法を説明する。図5は本発明の実施例2のポリイミド表面への金属パターン形成方法の製造フロー図である。
被めっき物として100mm×100mm、厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いて、以下に説明する工程により、金属パターンを形成した。
まず、ポリイミドフィルム1にフォトレジスト材料を塗布し、プリベーク、露光、現像、硬化の工程を経て、50μmの線幅の配線パターン部を含むマスク層2を形成した。この工程は2回繰り返し、ポリイミドフィルムの両面に、マスク層2を形成した(図5の工程(1))。
次に、SF6ガスを用いたプラズマ処理により、ポリイミドフィルム1の表面に、疎水性物質3として、フッ素ラジカルを付着させた。この工程も2回繰り返し、ポリイミドフィルムの両面を処理した。このフッ素プラズマ処理時間は、10秒間であり、500Wの電力を印加した(図5の工程(2))。
次に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、ポリイミドフィルム表面のマスク層2を除去し、その後、イソプロピルアルコールでポリイミドフィルム1を洗浄した(図5の工程(3))。
次に、KOHの水溶液に2−アミノエタノールおよび粘度調整剤としてポリエチレングリコールを加えたアルカリ性水溶液5を作製した。インクジェット方式のプリンタヘッドを用いて、このアルカリ性水溶液5をポリイミドフィルム表面のフッ素プラズマ処理されていない領域に塗布した。まず、片方の表面についてアルカリ性水溶液5を塗布した後、2分間の水洗と90℃10分間の乾燥を行い、次いで、もう一方の表面についても、同様にアルカリ性水溶液5の塗布を行い、2分間の水洗と90℃5分間の乾燥を行った(図5の工程(4))。
次に、ポリイミドフィルムをイソプロピルアルコールに浸漬し、90℃5分間の乾燥を行った。この工程によって、イミド環の加水分解によって生成したアミンが除去され、ポリイミド表面にはカルボキシル基にカリウムイオンが配位したカルボン酸カリウム塩層6が形成された(図5の工程(5))。
次に、CuSO2水溶液7にポリイミドフィルムを5分間浸漬し、カルボン酸カリウム塩層6のカリウムイオンを銅イオンに置換する反応により、カルボン酸銅塩層8を形成した。この後、5分間の水洗を行った(図5の工程(6))。
次に、NaBH4水溶液にポリイミドフィルムを5分間浸漬し、さらに5分間の水洗を行った。この時点で、カルボン酸銅塩層8が形成された領域にCuが析出し、Cu薄膜層9が形成された(図5の工程(7))。
次に、窒素ガス雰囲気中で350℃に1時間保持し、加水分解によってポリアミド酸に変性したポリイミドフィルム表面を再イミド化した。
次に、窒素ガス雰囲気中で350℃に1時間保持し、加水分解によってポリアミド酸に変性したポリイミドフィルム表面を再イミド化した。
次に、親水化処理として、ポリイミドフィルムの表面を酸素プラズマで処理した。酸素プラズマの処理条件は、600W、5分間であった(図5の工程(8))。
次に、ポリイミドフィルムに電解Cuめっきを行った。ポリイミドフィルムを30℃のCuSO4めっき液に、電流密度20mA/cm2の条件で電流を流した状態で、約30分間浸漬することによって、8μmのCuめっき層10を形成した(図5の工程(9))。
次に、ポリイミドフィルムの外周を、金属パターンと共に5mmずつ裁断した。これにより、閉回路となっていた金属パターンが寸断され、独立した金属パターンが形成された。
本発明は電子部品、半導体部品、回路基板、特にフレキシブル配線基板などの回路基板の製造に広く利用可能である。
1・・・ポリイミドフィルム、
2・・・マスク層、
3・・・疎水性物質、
4・・・スルーホール、
5・・・アルカリ性水溶液、
6・・・カルボン酸化合物層、
7・・・金属イオン溶液、
8・・・カルボン酸金属塩層、
9・・・金属薄膜、
10・・・めっき層、
11・・・表面絶縁層、
12・・・ランド部。
2・・・マスク層、
3・・・疎水性物質、
4・・・スルーホール、
5・・・アルカリ性水溶液、
6・・・カルボン酸化合物層、
7・・・金属イオン溶液、
8・・・カルボン酸金属塩層、
9・・・金属薄膜、
10・・・めっき層、
11・・・表面絶縁層、
12・・・ランド部。
Claims (6)
- ポリイミド表面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド表面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させてカルボン酸金属塩の層を形成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド表面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド表面に、マスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含むことを特徴とするポリイミド表面への金属パターン形成方法。 - カルボン酸金属塩の層を形成した後、さらに疎水性物質を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド表面への金属パターン形成方法。
- 金属イオンを含む水溶液が、Co、Ni、Cu、AgまたはPdのイオンを含む請求項1または2に記載の金属パターン形成方法。
- ポリイミド基板の両面に、アルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記ポリイミド基板の両面の疎水性物質が付着していない領域に、アルカリ性水溶液を選択的に塗布する工程と、
前記アルカリ性水溶液を塗布した領域に、金属イオンを含む水溶液を接触させカルボン酸金属塩の層を生成する工程と、
前記カルボン酸金属塩を還元して、ポリイミド基板の両面に金属薄膜を形成する工程と、を含み、
ここに、前記疎水性物質を付着させる工程が、
ポリイミド基板の両面にマスク層を形成する工程と、
前記ポリイミドと前記マスク層の表面にアルカリ性水溶液に溶解しない疎水性物質を付着させる工程と、
前記マスク層を除去する工程と、を含み、ポリイミド基板の両面に疎水性物質を付着させる工程の後、さらにスルーホールを形成する工程を含むことを特徴とするスルーホールを有するポリイミド配線基板の製造方法。 - カルボン酸金属塩の層を形成した後に、さらに疎水性物質を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のポリイミド配線基板の製造方法。
- 金属イオンを含む水溶液が、Co、Ni、Cu、AgまたはPdのイオンを含む請求項4または5に記載のポリイミド配線基板の製造方法。
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