JP2007242675A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線が形成される回路部が受光部に隣接して形成される光検出器において、受光部への入射光を透過する開口部の底面の膜厚が不均一となる。
【解決手段】基板上に積層した第1層間絶縁膜92の回路部に対応する領域をエッチバックして、受光部における第1層間絶縁膜92の表面を高くする。その上に、第1Al層94を積層しパターニングして、回路部に配線を形成する。第1Al層94のパターンが形成されない受光部に、第1Al層94の膜厚に応じた高さの第1層間絶縁膜92の凸部が存在することで、その上に積層される第2層間絶縁膜96の表面が平坦に形成される。これにより、基板上に積層される上部構造層が受光部近傍にて平坦となり、この上部構造層をエッチバックして受光部に形成する開口部の底面も平坦性が向上する。
【選択図】図4
【解決手段】基板上に積層した第1層間絶縁膜92の回路部に対応する領域をエッチバックして、受光部における第1層間絶縁膜92の表面を高くする。その上に、第1Al層94を積層しパターニングして、回路部に配線を形成する。第1Al層94のパターンが形成されない受光部に、第1Al層94の膜厚に応じた高さの第1層間絶縁膜92の凸部が存在することで、その上に積層される第2層間絶縁膜96の表面が平坦に形成される。これにより、基板上に積層される上部構造層が受光部近傍にて平坦となり、この上部構造層をエッチバックして受光部に形成する開口部の底面も平坦性が向上する。
【選択図】図4
Description
本発明は、共通の半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置された半導体装置及びその製造方法に関し、特に、半導体基板上に積層された配線、層間膜等の上部構造層の平坦化に関する。
近年、情報記録媒体として、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった光ディスクが大きな位置を占めるようになってきた。これら光ディスクの再生装置は、光ピックアップ機構により光ディスクのトラックに沿ってレーザ光を照射し、その反射光を検知する。そして、反射光強度の変化に基づいて記録データが再生される。
光ディスクから読み出されるデータレートは非常に高いため、反射光を検知する光検出器は、応答速度の速いPINフォトダイオードを用いた半導体素子で構成されている。当該半導体素子の受光部にて発生した微弱な光電変換信号は増幅器にて増幅され、後段の信号処理回路へ出力される。ここで、光電変換信号の周波数特性の確保やノイズの重畳を抑制する観点から、受光部と増幅器との間の配線長をできるだけ短くするように構成される。この観点と、光検出器の製造コスト低減の観点とから、受光部と増幅器等を含む回路部とは同一の半導体チップ上に形成することが好適である。
図6は、同一半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置された光検出器の模式的な断面図である。受光部4に対応する領域の半導体基板2にはPINフォトダイオードの構造が形成され、回路部6に対応する領域にはトランジスタ等の回路素子が形成される。
図6の光検出器は2層配線構造であり、配線構造層10として、半導体基板2上に、第1層間絶縁膜12、第1アルミニウム(Al)層14、第2層間絶縁膜16、第2Al層18、第3層間絶縁膜20が順次積層される。第1Al層14及び第2Al層18はそれぞれフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングされる。例えば、第1Al層14により配線22及び平坦化パッド24が回路部6に形成され、第2Al層18により、配線26及び平坦化パッド28が回路部6に形成される。回路部6の配線構造層10の上には、遮光のためのAl層30が積層され、さらに、保護膜としてシリコン酸化膜32及びシリコン窒化膜34が順次積層される。なお、層間絶縁膜は、SOG(Spin on Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)、TEOS(Tetra-ethoxy-silane)などの材料を用いて形成される。
さて、配線構造層10を含む上部構造層38は、受光部4の半導体基板2の上にも積層される。受光部4における半導体基板2への光の入射効率を高めるためには、この上部構造層38を除去することが好ましい。そこで、周囲の回路部6においては上部構造層38を残しつつ、受光部4において選択的にエッチバックを行って、受光部4に上部構造層38の開口部36が形成される。
ここで、受光部4において上記各Al層は上部構造層38の積層時に予めパターニングにより除去され、当該受光部4には層間絶縁膜12,16,20等が積層される。すなわちAl層が除去されている分、受光部4の上部構造層38は周囲の回路部6よりも窪み得る。
その後、受光部4における半導体基板2への光の入射効率を高めるために、受光部4の上部構造層38をエッチバックし、開口部36を形成することが行われる。例えば、開口部36の底部には、積層された層間絶縁膜の一部の厚みだけが残され得る。このように受光部4において上部構造層38をエッチングによって薄くすることにより、半導体基板2へ光の透過率が向上し、レーザ反射光による光電変換信号の確保が図られる。ちなみに、図6では、受光部4上に積層された各層のうちエッチングで除去される部分を点線で示した。すなわち、シリコン窒化膜34’、シリコン酸化膜32’、層間絶縁膜20’及び層間絶縁膜16’がエッチングされ、残存する層間絶縁膜によって受光部4の表面の保護層40が形成される。
各層間絶縁膜は上記SOGのような流動性を有する材料をスピンコート等の方法で塗布して形成される。ここで、回路部6には上述のように配線及び平坦化パッドを構成する金属膜が配置されるため、受光部4と回路部6との境界には当該金属膜の有無に応じた段差が生じる。この段差の窪んだコーナーには塗布材料が溜まりやすい。すなわち、エッチング処理前での受光部4の周縁部での層間絶縁膜の厚さは受光部4の中央部よりも厚くなる。特に、層間絶縁膜の凹凸を抑制するために金属膜が回路部6に比較的高い面積密度で残される上述の構成では、金属膜の厚さの分、回路部6における層間絶縁膜の表面は高くなる。それと共に、受光部4の周縁での層間絶縁膜16,20の厚みが増し、また層間絶縁膜が厚い範囲が受光部4のより内側まで拡大する。このようにして形成された層間絶縁膜20の表面の形状は、その上に積層される保護膜の形状に反映され、さらに、エッチバックにより開口部36を形成した後の受光部4の保護層40の形状にも反映される。すなわち、保護層40の受光部4の周縁での厚みが厚い範囲は、層間絶縁膜16,20と同様に受光部4の比較的内側まで拡大する。そのため、受光部4の周縁での入射光の減衰の影響や、当該周縁にて保護層表面が傾斜を有することによる入射光の屈折の影響が大きくなり、受光面内での光感度の不均一性が顕著となり得るという問題があった。特に、エッチング量を増やす程、保護層40の中央部と周縁部とでの厚みの比が大きくなり、受光部4の中央と周縁とでの入射光の減衰の差異が拡大し得る。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、受光部における上部構造層の平坦化を図り、ひいては、開口部の底面の平坦性を確保して、受光部への入射光の均一性を向上することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、共通の半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置されるものであって、前記半導体基板上に積層され、前記受光部での表面が前記回路部での表面より高く形成される下地膜と、前記回路部における前記下地膜上に形成された配線と、前記配線の形成後に前記受光部及び前記回路部の上に積層される層間膜と、を有する。前記受光部と前記回路部との間の前記下地膜の表面高さの差は、前記配線の厚みに応じた大きさとすることができる。
本発明によれば、下地膜を回路部より受光部にて高くすることにより、回路部に選択的に配線を形成した後における回路部と受光部との表面の高低差が抑制され、その上の層間膜の平坦性が向上する。
本発明に係る半導体装置製造方法は、共通の半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置される半導体装置を製造する方法であって、前記半導体基板上に下地膜を積層する下地膜積層工程と、前記回路部における前記下地膜を選択的にエッチングし、前記受光部と前記回路部との間にて前記下地膜の表面に段差を形成する段差形成工程と、前記段差形成工程後に、前記下地膜上に導電膜を積層し、当該導電膜をパターニングして配線を形成する配線形成工程と、前記配線形成工程後に、前記受光部及び前記回路部の上に層間膜を積層する層間膜積層工程と、を有する。
上記本発明に係る製造方法は、前記半導体基板上に、前記下地膜、前記配線及び前記層間膜を含む上部構造層を積層した後、前記受光部における前記上部構造層をエッチングして開口部を形成する開口部形成工程を含み得る。層間膜の平坦化により上部構造層の表面の平坦化が図られ、ひいてはこれをエッチバックして形成される開口部の底面の平坦化が図られる。
他の本発明に係る半導体装置製造方法においては、前記段差形成工程が、前記下地膜上にポジ型及びネガ型の感光性のうちのいずれかを有する第1フォトレジスト膜を積層する第1フォトレジスト膜積層工程と、フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ法により前記第1フォトレジスト膜をパターニングして、前記受光部の位置に対応して第1エッチングマスクを形成する第1エッチングマスク形成工程と、前記第1エッチングマスクを通して露出した前記下地膜をエッチングして前記段差を形成する下地膜エッチング工程と、を有し、前記開口部形成工程が、前記上部構造層上に前記第1フォトレジスト膜とは反対の前記感光性を有する第2フォトレジスト膜を積層する第2フォトレジスト膜積層工程と、前記第1エッチングマスク形成工程と共通の前記フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ法により前記第2フォトレジスト膜をパターニングして第2エッチングマスクを形成する第2エッチングマスク形成工程と、前記第2エッチングマスクを通して露出した前記上部構造層をエッチングし、前記開口部を形成する上部構造層エッチング工程と、を有する。
本発明によれば、下地膜をエッチングするためのエッチングマスクのパターニング及び上部構造層をエッチングするためのエッチングマスクのパターニングが、1枚のフォトマスクを共用して行われる。このフォトマスクの共用により、フォトマスクの所要枚数が削減される。
上記各製造方法において、前記下地膜をリフロー可能な材質で形成し、前記導電膜の積層前にリフロー処理を行って前記段差の角を丸めるようにすることもできる。これにより、下地膜上に積層された導電膜をパターニングする際に、段差での導電膜のエッチング残りが生じにくくなる。
また、上記各製造方法においては、前記段差を前記導電膜の厚みに応じた大きさとすることもできる。このようにすることで、層間膜の平坦性が好適に実現され得る。
本発明によれば、層間膜の平坦性が向上し、ひいては上部構造層、開口部底面を平坦性が向上して、受光部への入射光の均一性が向上する。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
本実施形態は、CDやDVDといった光ディスクの再生装置の光ピックアップ機構に搭載される光検出器である。
図1は、本実施形態に係る光検出器である半導体素子の概略の平面図である。本光検出器50はシリコンからなる半導体基板に形成され、受光部52と回路部54とを含んで構成される。受光部52は、例えば、2×2に配列された4つのPINフォトダイオード(PD)56を含み、光学系から基板表面へ入射する光を2×2の4区画に分割して受光する。回路部54は、例えば、受光部52の周囲に配置される。回路部54は例えば、CMOS58等の回路素子を含み、これら回路素子を用いて、受光部52からの出力信号に対する増幅回路やその他の信号処理回路を受光部52と同一の半導体チップに形成することができる。なお、図1には示されていないが、回路部54には、回路素子に接続される配線や受光部52を構成する拡散層に接続される配線が配置される。これら配線は、半導体基板上に積層されるAl膜をパターニングして形成される。
図2は、図1に示す直線A−A’を通り半導体基板に垂直な断面での受光部52及び回路部54の構造を示す模式的な断面図である。この断面には受光部52の2つのPD56、回路部54のCMOS58、及びそれらが形成された半導体基板60上に積層される配線や層間絶縁膜等の構造が表されている。
本光検出器50は、p型不純物が導入されたp型シリコン基板であるP-sub層70の一方主面に、P-sub層70より不純物濃度が低く高比抵抗を有するエピタキシャル層72が積層された半導体基板60を用いて形成される。P-sub層70は各PD56に共通のアノードを構成し、例えば、基板裏面から接地電位を印加される。分離領域74は、基板表面側に設けられた配線76により接地電位を印加され、P-sub層70と共にアノードを構成する。
エピタキシャル層72は、受光部52ではPD56のi層を構成する。受光部52において、エピタキシャル層72の表面には、上述の分離領域74及びカソード領域78が形成される。
半導体基板60の表面にはゲート酸化膜や局所酸化膜(LOCOS)を構成するシリコン酸化膜80が形成され、ゲート酸化膜の上にはCMOS58を構成するMOSFET等のゲート電極82が例えば、ポリシリコンやタングステン(W)等を用いて形成される。さらにその上を覆って基板表面にシリコン酸化膜84が形成される。
PD56及びCMOS58等の回路素子の構造が形成された半導体基板60上には、配線構造や保護膜等の構造が形成される。本光検出器50は2層配線構造であり、配線構造層90として、半導体基板60上に、第1層間絶縁膜92、第1Al層94、第2層間絶縁膜96、第2Al層98、第3層間絶縁膜100が順次積層される。
層間絶縁膜は、SOG、BPSG、TEOSといった材料を用いて形成される。本光検出器50では、第1層間絶縁膜92は、受光部52での表面が回路部54での表面より高くなるように形成される。この点については後述する。
第1Al層94及び第2Al層98はそれぞれフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングされる。例えば、第1Al層94により配線76及び平坦化パッド102が回路部54に形成され、第2Al層98により、配線104及び平坦化パッド106が回路部54に形成される。
上述のように分離領域74はPD56の一部を構成し、受光部52内又はその近傍に形成される。この分離領域74への配線76を第1Al層94で形成することにより、パターニング後の第1Al層94の配置領域は、受光部52の近傍まで迫る一方、第2Al層98の配置領域は、受光部52から比較的離れた位置まで後退させることができる。なお、背景技術の欄にて上述したように、光ディスクから読み出されるデータレートは非常に高く、PD56からの出力信号は高周波数となり得る。そこで、本光検出器50は、分離領域74のうち受光部52の外周に位置する部分に直接、低抵抗の金属配線を接続し、周波数特性の確保を図る構成としている。
また、光検出器50には、複数種類の光ディスクそれぞれに対応した受光部が混載されたり、再生データのピックアップ用とトラッキングサーボ用とで別々の受光部が設けられたりする。さらに、各受光部は、図1に示すように複数のPD56を含み得る。この場合に、図示しない光学部品の設計又は配置に応じて、受光部の間隔が狭められる。そのために、分離領域74へのコンタクト部分だけでなく、受光部間を通す信号線も受光部に近接配置され得る。本光検出器50では、分離領域74へのコンタクト部分だけでなく、受光部に近接配置される他の配線も基本的に第1Al層94を用いて形成される。
平坦化パッド102,106は、それぞれ配線76,104の隙間に配置され、それぞれ第1Al層94、第2Al層98の上に積層される層間絶縁膜96,100の表面の凹凸を抑制する。
回路部54の配線構造層90の上には、遮光のためのAl層110が積層され、さらに、保護膜としてシリコン酸化膜112が順次積層される。このようにして、半導体基板60上に、配線構造層90、Al層110及びシリコン酸化膜112を含む上部構造層114が形成される。
ここで、受光部52のPD56への光の入射効率を高めるために、配線構造層90及びその上の積層をエッチバックして、受光部52に対応する領域に開口部116が形成される。開口部116の底部には、受光部52の半導体基板60表面の保護層120として、配線構造層90を構成する層間絶縁膜が薄く残される。このように受光部52において配線構造層90をエッチングし開口部116を設けることにより、PD56への光の透過率が向上し、レーザ反射光による光電変換信号の振幅の確保が図られる。なお、図2では、受光部52上に積層された各層のうちエッチングで除去される部分を点線で示した。
本光検出器50においては、開口部116の形成後、シリコン窒化膜118が堆積される。このシリコン窒化膜118は、シリコン酸化膜112と共に上面の保護膜を構成すると共に、側壁面及び底面に露出する層間絶縁膜を被覆する。シリコン窒化膜118は防湿性を有し、開口部116の側壁面及び底面から配線構造層90への湿気の進入を抑制し、配線76,104の劣化を防止する。
また、開口部116の底面を被覆するシリコン窒化膜118の厚さを調節することにより、当該シリコン窒化膜118に、開口部116の底面からPD56への入射光の反射を抑制する反射防止膜としての機能を持たせることができる。具体的には、反射防止膜としての好適なシリコン窒化膜118の厚みは、本光検出器50が検出対象とするレーザ光の波長に応じて定まる。例えば、CDやDVDで用いられるレーザ光は780nm帯や650nm帯の波長を有する。シリコン窒化膜118の厚みを例えば、当該レーザ光の波長の1/4に応じた値とすることにより、反射防止の効果が得られる。
次に、図3から図5を用いて、本光検出器50の製造方法を説明する。図3から図5は、本光検出器50の製造方法の主要な工程における受光部52及びその近傍の模式的な断面図を示している。
まず、上述したPD56やCMOS58等を形成した半導体基板60上に、シリコン酸化膜84を成膜する(図3(a))。シリコン酸化膜84は例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積して形成される。さらに、シリコン酸化膜84の上に、第1層間絶縁膜92を形成する(図3(a))。第1層間絶縁膜92は、例えば、BPSGをCVD法等により堆積して形成することができる。
この第1層間絶縁膜92の上に、ネガ型フォトレジストを例えば、スピンコート法により塗布してフォトレジスト膜122を成膜する(図3(b))。このフォトレジスト膜122を、受光部52に対応する領域を光透過可能に構成されたフォトマスク124を用いて露光する(図3(b))。
しかる後、現像処理を行って、フォトレジスト膜122の未露光領域を除去することにより、受光部52に対応する位置に残るフォトレジスト膜122’が形成される(図3(c))。
このフォトレジスト膜122’をエッチングマスクとして第1層間絶縁膜92をエッチバックして、回路部54に対応する領域の第1層間絶縁膜92の厚みを薄くする。一方、受光部52に対応する領域には堆積当初の第1層間絶縁膜92が残るので、受光部52と回路部54との間の第1層間絶縁膜92の表面に段差126が形成される(図3(d))。段差126の高さ、つまり第1層間絶縁膜92のエッチバック量は、例えば、後に積層される第1Al層94の厚みに応じた値に設定することができる。
このエッチングは、例えば、ドライエッチング法を用いて異方的に行うことができる。ドライエッチング法を用いて第1層間絶縁膜92のエッチングを行った場合、段差126が急な角度になり、後に行われる第1Al層のパターニングにて段差126の隅にAl層のエッチング残りが生じやすくなる。これを回避するために、受光部52上のフォトレジスト膜122’を除去した後(図3(e))、リフロー処理を行って、段差126の角を丸める(図3(f))。ちなみに、第1層間絶縁膜92のエッチバックはウェットエッチング法を用いて行うこともできる。このウェットエッチング法を用いた場合などは、段差126は比較的なだらかに形成され得る。その場合には、段差126を丸める処理を省略することも可能である。
エッチバックされた第1層間絶縁膜92は、コンタクトホール形成等の処理を経た後、第1Al層94を積層される(図4(a))。第1Al層94は、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)法により成膜することができる。第1Al層94の上にフォトレジスト膜を形成し、これをパターニングして、配線76や平坦化パッド102等の形成位置に残るフォトレジスト膜128を形成する(図4(b))。このフォトレジスト膜128をエッチングマスクとして第1Al層94をエッチングして、配線76、平坦化パッド102等のAlパターンが形成される(図4(c))。
フォトレジスト膜128を除去した後、第2層間絶縁膜96が形成される(図4(d))。第2層間絶縁膜96は、例えば、SOGにより形成することができる。上述のように、段差126の高さと第1Al層94の厚みとを実質的に等しく設定することで、第2層間絶縁膜96が積層される土台は、受光部52と回路部54とで巨視的に平坦となる。これにより、受光部52及び回路部54の両方に亘って良好に平坦な第2層間絶縁膜96を実現することができる。
第2層間絶縁膜96に、コンタクトホール形成等の処理を施した後、第1Al層94と同様にして、第2Al層98の積層及びパターニングが行われ、配線104、平坦化パッド106等のAlパターンが形成される(図4(e))。上述したように、第2Al層98のパターンの配置領域は、第1Al層94とは異なり、受光部52から離れた位置まで後退させることができる。この第2Al層98のパターン形成後に、第3層間絶縁膜100が形成される(図4(e))。第3層間絶縁膜100は、例えば、SOGにより形成することができる。第2Al層98のパターンが配置されない領域が受光部52から離れた位置まで拡大されること、及びそのAlパターンが配置されない領域において第3層間絶縁膜100の下地となる第2層間絶縁膜96は上述の工程により平坦に形成されていることにより、第3層間絶縁膜100は、受光部52及びその近傍領域の上において平坦性を確保することが可能である。
第3層間絶縁膜100の上に、さらに遮光Al層110及びシリコン酸化膜112を積層する(図4(f))。これらの積層は、CVD法やPVD法を用いて行うことができる。なお、遮光Al層110は、基本的に、回路部54を覆い、かつ受光部52を含む領域に開口が形成されるようにパターニングされる。
以上のようにして積層された上部構造層114の表面にフォトレジストを例えば、スピンコート法により塗布しフォトレジスト膜130を成膜する(図5(a))。このフォトレジスト膜130は、上記フォトレジスト膜122とは感光性が反対であるポジ型フォトレジストを塗布して形成される。このフォトレジスト膜130を、フォトレジスト膜122の露光処理に用いたのと同じフォトマスク124を用いて露光する(図5(a))。
しかる後、現像処理が行われる。フォトマスク124は上述のように受光部52に対応する領域を光透過可能に構成されている。そのため、ポジ型のフォトレジスト膜130は受光部52に対応する領域を露光され、当該領域を現像処理にて除去される。これにより、受光部52に対応する位置に開口132を有するフォトレジスト膜130’が形成される(図5(b))。
このフォトレジスト膜130’をエッチングマスクとして上部構造層114をエッチング除去し、受光部52に対応する位置に開口部116を形成する(図5(c))。このエッチングは、例えば、ドライエッチングを用いて異方的に行うことができる。開口部116の深さは、エッチング時間等の条件により調節可能であり、底部に保護層120分の層間絶縁膜が残るように制御する。
開口部116を形成するエッチバックが完了すると、フォトレジスト130’を除去する。そして、例えばCVD法を用いて窒化シリコンを堆積し、上部構造層114の上面、開口部116の側壁面及び底面にシリコン窒化膜118を形成する(図5(d))。これにより図2に示す本光検出器50の基本的な構造が形作られる。
本光検出器50では、第1層間絶縁膜92の受光部52に対応する位置を凸形状に加工することによって、受光部52及びその近傍での上部構造層114の上面の平坦化が図られる。この平坦な上面から開口部116を形成するエッチバックを始めることで、上面の平坦性が開口部116の底面に反映され、当該底面の平坦性が向上する。そのため、この底面を透過して受光部52へ入射する光の開口面内での均一性が向上する。
上述の構成では、第1層間絶縁膜92のエッチングマスクを形成するフォトリソグラフィと、上部構造層114のエッチングマスクを形成するフォトリソグラフィとを共通のフォトマスク124で行う例を示した。これにより、このフォトマスクの共用により、フォトマスクの所要枚数が削減され、マスク製造コストの低減が図られる。
なお、このようにフォトマスクを共用しつつも、フォトレジスト膜122’の寸法と、開口132の寸法とは、それぞれの露光条件等に応じて或る程度、相対的な大きさを変えることが可能である。例えば、それぞれの寸法は、それぞれの露光処理において露光時間を長くしてオーバー露光とすることで、最適露光時間にて得られる転写寸法(標準転写寸法)より或る程度拡大することが可能である。逆に、アンダー露光とすれば、標準転写寸法より或る程度小さな寸法に加工することができる。これにより、共通のマスクを用いつつ、エッチングマスクの寸法をそれぞれのエッチングプロセスが好適に行われる方向に微調整することができる。
50 光検出器、52 受光部、54 回路部、56 PINフォトダイオード、58 CMOS、60 半導体基板、70 P-sub層、72 エピタキシャル層、74 分離領域、76,104 配線、78 カソード領域、80,84,112 シリコン酸化膜、82 ゲート電極、90 配線構造層、92 第1層間絶縁膜、94 第1Al層、96 第2層間絶縁膜、98 第2Al層、100 第3層間絶縁膜、102,106 平坦化パッド、110 遮光Al層、114 上部構造層、116 開口部、118 シリコン窒化膜、120 保護層、122,128,130 フォトレジスト膜、124 フォトマスク、126 段差、132 開口。
Claims (7)
- 共通の半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置される半導体装置であって、
前記半導体基板上に積層され、前記受光部での表面が前記回路部での表面より高く形成される下地膜と、
前記回路部における前記下地膜上に形成された配線と、
前記配線の形成後に前記受光部及び前記回路部の上に積層される層間膜と、
を有することを特徴とする半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記受光部と前記回路部との間の前記下地膜の表面高さの差は、前記配線の厚みに応じた大きさであること、を特徴とする半導体装置。 - 共通の半導体基板に受光部と回路部とが隣接配置される半導体装置を製造する方法であって、
前記半導体基板上に下地膜を積層する下地膜積層工程と、
前記回路部における前記下地膜を選択的にエッチングし、前記受光部と前記回路部との間にて前記下地膜の表面に段差を形成する段差形成工程と、
前記段差形成工程後に、前記下地膜上に導電膜を積層し、当該導電膜をパターニングして配線を形成する配線形成工程と、
前記配線形成工程後に、前記受光部及び前記回路部の上に層間膜を積層する層間膜積層工程と、
を有することを特徴とする半導体装置製造方法。 - 請求項3に記載の半導体装置製造方法において、
前記半導体基板上に、前記下地膜、前記配線及び前記層間膜を含む上部構造層を積層する上部構造層形成工程と、
前記受光部における前記上部構造層をエッチングして開口部を形成する開口部形成工程と、
を有することを特徴とする半導体装置製造方法。 - 請求項4に記載の半導体装置製造方法において、
前記段差形成工程は、
前記下地膜上にポジ型及びネガ型の感光性のうちのいずれかを有する第1フォトレジスト膜を積層する第1フォトレジスト膜積層工程と、
フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ法により前記第1フォトレジスト膜をパターニングして、前記受光部の位置に対応して第1エッチングマスクを形成する第1エッチングマスク形成工程と、
前記第1エッチングマスクを通して露出した前記下地膜をエッチングして前記段差を形成する下地膜エッチング工程と、
を有し、
前記開口部形成工程は、
前記上部構造層上に前記第1フォトレジスト膜とは反対の前記感光性を有する第2フォトレジスト膜を積層する第2フォトレジスト膜積層工程と、
前記第1エッチングマスク形成工程と共通の前記フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ法により前記第2フォトレジスト膜をパターニングして第2エッチングマスクを形成する第2エッチングマスク形成工程と、
前記第2エッチングマスクを通して露出した前記上部構造層をエッチングし、前記開口部を形成する上部構造層エッチング工程と、
を有することを特徴とする半導体装置製造方法。 - 請求項3から請求項5のいずれか1つに記載の半導体装置製造方法において、
前記下地膜は、リフロー可能な材質で形成され、
前記導電膜の積層前にリフロー処理を行って前記段差の角を丸めるリフロー工程を有すること、を特徴とする半導体装置製造方法。 - 請求項3から請求項6のいずれか1つに記載の半導体装置製造方法において、
前記段差は、前記導電膜の厚みに応じた大きさであること、を特徴とする半導体装置製造方法。
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JP2006059159A JP2007242675A (ja) | 2006-03-06 | 2006-03-06 | 半導体装置及びその製造方法 |
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- 2006-03-06 JP JP2006059159A patent/JP2007242675A/ja active Pending
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