JP2007241813A - 交通データ算出システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報センタ3は道路を走行する各車両2から走行情報を取得し(S1)、取得した走行情報から交通データとして平均リンク旅行時間と平均車速の算出を行う際に、車両の速度変化のあるリンクであって、且つ速度変化のある時間帯の平均リンク旅行時間と平均車速を算出する場合(S4:YES、S5:YES)には、その算出方法をリンク属性で設定された算出方法に変更するように構成する。
【選択図】図7
Description
そして、このような平均リンク旅行時間や平均車速を算出する為には、日々の交通状況を統計的に演算する必要がある。例えば、特開2004−295165号公報には道路上を走行する各車両の流れに基づいて車両の走行情報を収集し、収集した走行情報からリンクを走行するのに必要な所要時間をデータ数で平均化することによって平均リンク旅行時間を求めていた。
例えば、信号機が設けられたリンクでは、そのリンクに進入するタイミングにより赤信号で所定時間停車しなければならなくなり、青信号で順調に通過した車両とは平均車速やリンク所要時間が大きく異なることとなる。また、高速道路においてETC(自動料金収受システム)の料金所が設置されているリンクでは、ETC車載機を搭載していない車両は料金所で所定時間停車しなければならなくなり、ETC車載機を搭載している車両とは平均車速やリンク所要時間が大きく異なることとなる。そして、このような数値の大きく異なるデータが多数含まれることとなると、算出した平均リンク旅行時間や平均車速が本来期待する値と異なってしまい、ナビゲーション装置での経路探索や走行案内の信頼性が低下することとなっていた。
一方で、収集した走行情報からこのような平均車速やリンク所要時間が大きく異なる場合の走行情報を除外する処理を追加し、残りの走行情報のみを用いて再度平均値の計算をするようにすると、従来に比べて平均リンク旅行時間や平均車速の算出に係る処理負担が大きく増加することとなっていた。
ここで、「リンク属性」とは、リンクの属する道路種別に関するデータであり、例えば、国道、県道、細街路等、高速自動車国道、自動車専用道路、都市高速道路、一般有料道路、降坂路、登坂路を特定する他に、道路の幅員、勾(こう)配、車線数、踏み切り、信号機、料金所の有無等を示すデータである。
また、「平均リンク旅行時間」とは、各車両が道路リンクを走行するのに必要な所要時間であるリンク旅行時間を複数収集し、平均化した時間である。
また、「平均車速」とは、各車両が道路リンクを走行する平均の車速を複数収集し、平均化した車速である。
ここで、「車両の速度変化がある道路リンク」とは、車両が走行する際に車両毎に速度が大きく変化する状況にある道路リンクをいい、具体的には道路リンクの終点に信号機、踏み切り、料金所等が設けられた道路リンクがある。
先ず、本実施形態に係る交通データ算出システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る交通データ算出システム1の概略構成図である。
そして、車両2と情報センタ3は、車両2に設けられた端末通信装置5と、情報センタ3に設けられたセンタ側通信装置6とによって相互に情報通信が可能となっている。
そして、車両2が取得し、端末通信装置5を介して送信する走行情報としては、例えば、自車両の現在位置、ナビゲーション装置で設定している目的地、車速、進行方向、走行距離、現在時刻等がある。尚、走行情報としては車両2によって取得可能な情報であれば、車両自身の情報以外にも車両2の周辺環境に関する情報でも良く、例えば車両の前方又は後方に設置されたカメラで撮像した画像や、ミリ波レーダで検出した前方車両までの車間距離や前方車両の車速に関する情報も含めることができる。
ここで、本実施形態において「平均リンク旅行時間」とは、車両がリンクを走行するのに必要な所要時間(以下、リンク旅行時間とする)を複数収集し、平均化した時間をいう。また、「平均車速」とは、車両がリンクを走行する平均の車速(以下、リンク車速とする)を複数収集し、平均化した車速をいう。
図4に示すように走行情報統計DB15に記憶される走行情報は、車両2を特定する車両IDと、各車両2の時刻毎の位置座標と、車速とから構成されている。ここで、本実施形態に係る交通データ算出システム1において車両2は、搭載されたGPS41によって現在時刻や位置座標を検出し、車速センサ30によって車速を検出し、走行情報DB27に累積的に保存する。その後、車両2は5分間隔で走行情報DB27に保存された走行情報を情報センタ3に対して送信する。
そして、サーバ11は、後述するように走行情報統計DB15に保存された各車両2の走行情報に基づいて、先ず、道路網を構成する各リンクを走行する各車両2のリンク旅行時間とリンク車速を取得する。尚、各車両2のリンク旅行時間とリンク車速は、日付(曜日、祝日、平日、ゴールデンウイーク等)及び時間帯(5分毎)で区分して取得される。そして、取得した各車両2のリンク旅行時間とリンク車速を平均化することにより、区分された各期間において交通データの一つであるリンクの平均リンク旅行時間と平均車速が算出される(図7のS6〜S9参照)。
ここで、交通データとは、ナビゲーション装置20での走行案内や経路探索に使用される情報であり、リンクを車両2が走行する際のリンク旅行時間を平均化した平均リンク旅行時間、リンクを車両2が走行する際のリンク車速を平均化した平均車速、リンクの渋滞状況を示す渋滞度、車両の通行できないリンクを示す通行止め情報、事故情報等から構成される。図5では特に各リンクの平均リンク旅行時間と平均車速に関する交通データを示しており、リンクを特定するリンクIDと、日時と、平均車速と、平均リンク旅行時間とから構成されている。
例えば、図5に示す交通データでは、「ID:1001」のリンクでは平日の月曜日の8:00〜8:05における期間において、平均リンク旅行時間が44秒であり、平均車速が50km/hであることを示す。また、「ID:1002」のリンクでは平日の月曜日の8:10〜8:15における期間において、平均リンク旅行時間が32秒であり、平均車速が63km/hであることを示す。そして、情報センタ3は車両2からの要求に応じて交通情報DB16に格納された交通データを配信し、車両2は配信された交通データを用いて最新の交通状況に応じた走行の案内や経路の探索が可能となる。尚、平均リンク旅行時間と平均車速の算出方法については後に詳細に説明する。
ここで、本実施形態に係る情報センタ3のセンタ地図情報DB17に記憶されるリンクデータには、各リンクについてのリンク属性を示すデータが含まれている。ここで、リンク属性とは、リンクの属する道路種別に関するデータであり、例えば、国道、県道、細街路等、高速自動車国道、自動車専用道路、都市高速道路、一般有料道路、降坂路、登坂路を特定する他に、道路の幅員、勾(こう)配、車線数、踏み切り、信号機、料金所の有無等を表すデータである。また、本実施形態に係る交通データ算出システム1では、更にリンク属性として平均リンク旅行時間及び平均車速の算出方法や速度変化設定テーブル18が含まれている。図6は地図データのリンクデータを構成するリンク属性の一例を示した図である。
また、「ID:1002」のリンクではリンク終点に踏み切りが設置されており、後述するように速度変化があると判定される特定の時間帯では平均リンク旅行時間及び平均車速を3段階の演算により算出するように設定されている。
そして、図6に示す速度変化設定テーブル18では、「ID:1001」のリンクについて、平日の月曜日は時間帯に関わらず車両の速度変化がある時間帯に設定している。また、「ID:1002」のリンクについて、例えば月曜日の「0:00〜0:05」では速度変化がない時間帯であり、「10:00〜10:05」では速度変化がある時間帯に設定している。尚、センタ地図情報DB17に記憶される交差点データ、ノードデータに関しては後に説明するナビゲーション装置20の地図情報DB29(図3参照)に記憶されているデータと同一内容であるので、ここではその説明は省略する。
図3に示すようにナビゲーション装置20は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、情報センタ3等との間で通信を行う端末通信装置5と、から構成されている。また、ナビゲーションECU23には自車の走行速度を検出する車速センサ30が接続される。
現在地検出処理部21は、GPS41、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
ここで、ノードコストは交差点に対応するノードに対して基本的に設定されており、本実施形態に係るナビゲーション装置20では、信号の有無や交差点を通過する際の自車の走行経路(即ち直進、右折及び左折の種類)によってその値が決定される。
また、リンクコストは、リンクを構成する道路属性や道路種別、道路幅、車線数、リンク長さに加え、情報センタ3から配信された渋滞度等の交通データを用いて算出される。
ここで、リンク属性において指定された算出方法とは、リンク所要時間やリンク車速が大きく異なる場合のデータを除外して真の平均値を算出するために、複数回の演算により段階的に行う算出方法である。例えば、図6に示す「ID:1001」のリンクについては、先ず第1段階として中央値から±σ(標準偏差)の範囲にあるデータのみを抽出する演算を行い、第2段階として抽出されたデータの算術平均値を求める演算を行って、その演算値を平均値とする。また、「ID:1002」のリンクについては、先ず第1段階として中央値から±2σ(標準偏差)の範囲にあるデータのみを抽出する演算を行い、第2段階として抽出されたデータの中央値から更に±σ(標準偏差)の範囲にあるデータのみを抽出する演算を行い、第3段階として抽出されたデータの中央値を求める演算を行って、その演算値を平均値とする。
図9に示すように9個のリンク旅行時間のデータでは、各車両がどのように走行を行ったかによって大きくリンク旅行時間が異なっている。例えば、自動販売機を利用した車両や駐車した車両から得たデータでは非常に旅行時間が長くなっており、速度違反をして走行した車両から得たデータでは旅行時間が非常に短くなっている。また、リンクに進入したタイミングによって信号機の前で停車しなければならない場合も発生する。
そして、このような数値の大きく異なるデータから真の平均値を算出するために、先ずCPU12は第1段階の演算によって中央値から±σの範囲にある5個のデータを抽出する。そして、5個のデータを算出平均することによって平均値である平均リンク旅行時間を算出する。従って、他のデータを大きく数値の異なるデータを予め除外して、より正確な平均リンク旅行時間の算出が可能となる。
尚、算出された平均リンク旅行時間は交通データとして交通情報DB16に格納され、車両2からの要求に応じて配信される。
一方、全てのリンクについて算出が行われたと判定された場合(S10:YES)には、当該交通データ算出処理プログラムを終了する。尚、前記S1〜S10の処理によって算出された平均リンク旅行時間及び平均車速は交通データとして交通情報DB16に格納され、その後に車両2からの要求に応じて各車両2に対して配信される。そして、交通データが配信された各車両2は、配信された最新の交通データを用いてナビゲーション装置20による走行の案内や経路探索が行われる。また、上記S1〜S10の処理が交通データ算出手段の処理に相当する。
また、車両の速度変化のあるリンクであって、且つ速度変化のある時間帯の平均リンク旅行時間と平均車速を算出する場合(S4:YES、S5:YES)には、演算回数が増加するので、車両の速度変化の発生する要因を含む道路リンクについて、速度変化の大きな一部のデータを除外し、残りのデータを用いて正確な交通データの算出が可能となる。また、必要な道路リンクに対してのみ演算回数を増加させるので、算出に係る処理負担の軽減が可能となる。
更に、日付又は時刻に基づいて区分された期間でのリンクのリンク属性を検出し(S3)、検出したリンク属性を用いて当該期間での平均リンク旅行時間又は平均車速を算出する(S6〜S9)ので、車両の速度変化の発生する期間を考慮した正確な交通データの算出が可能となる。また、必要な期間に対してのみ算出方法をリンク属性に対応して変化させることによって算出に係る処理負担の軽減が可能となる。
例えば、本実施形態では、各車両2から取得した走行情報に基づいて情報センタ3が平均リンク旅行時間や平均車速を算出する(S6〜S9)こととしているが、各車両2に搭載されたナビゲーション装置20のナビゲーションECU23によって平均リンク旅行時間や平均車速を算出することとしても良い。その際には、自車の過去の走行履歴に基づいた走行情報を取得し、自車の走行情報のみに基づいて平均リンク旅行時間や平均車速を算出することも可能である。また、情報センタ3から通信によって他車両の走行情報を取得するようにしても良い。
2 車両
3 情報センタ
5 端末通信装置
6 センタ側通信装置
11 サーバ
12 CPU
13 RAM
14 ROM
15 走行情報統計DB
16 交通情報DB
17 センタ地図情報DB
18 速度変化設定テーブル
Claims (4)
- 道路網を含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
道路リンクを走行する車両の走行情報を取得する走行情報取得手段と、
前記走行情報取得手段によって取得した車両の走行情報に基づいて道路リンクの平均リンク旅行時間又は平均車速を算出する交通データ算出手段と、を有する交通データ算出システムにおいて、
道路リンクのリンク属性を検出するリンク属性検出手段を備え、
前記交通データ算出手段は前記リンク属性検出手段により検出されたリンク属性に基づいて道路リンクの平均リンク旅行時間又は平均車速の算出方法を変更することを特徴とする交通データ算出システム。 - 前記リンク属性検出手段は車両の速度変化がある道路リンクであるか否かを判定するリンク判定手段を有し、
前記交通データ算出手段は前記リンク判定手段によって速度変化がある道路リンクであると判定された場合に演算回数を増加して道路リンクの平均リンク旅行時間又は平均車速を算出することを特徴とする請求項1に記載の交通データ算出システム。 - 前記リンク判定手段は、信号機、踏み切り又は料金所が設けられた道路リンクを車両の速度変化がある道路リンクであると判定することを特徴とする請求項2に記載の交通データ算出システム。
- 前記リンク属性検出手段は日付又は時刻に基づいて区分された期間の道路リンクのリンク属性を検出し、
前記交通データ算出手段は道路リンクの前記期間での平均リンク旅行時間又は平均車速を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の交通データ算出システム。
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